JP4331958B2 - 超硬合金の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超硬合金およびその製造方法、並びにそれを用いた回転工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント基板加工用の素材としては、特許文献1に記載されるようなCr(クロム)やV(バナジウム)等の粒成長抑制剤を添加した炭化タングステン粒子の粒径が1μmより小さい、いわゆる超微粒超硬合金が主として用いられ、高硬度、高強度であることを活かして、耐欠損性および耐摩耗性に優れ、かつ穴位置精度の高いドリルが公用されている。
【0003】
また、特許文献2では炭化タングステン粒子の平均粒径を0.1μm以下にさらに小さくするとともにコバルト量を15質量%以上含有せしめることにより高硬度で抗折強度の高い靭性に優れた超硬合金を作製できることが記載されており、さらに、特許文献3では、粒径が2μm以上に粒成長した炭化タングステン粒子(巨炭)と1μmを超えるような結合相プールの発生を抑制することによって抗折強度のバラツキを低減して低い抗磁力の試料が発生することを抑制できることが記載されている。
【0004】
一方、上記プリント基板加工用のドリルについては、最近、プリント基板の高密度化に伴って加工される穴径が微細化する傾向にあり、ドリル径も小径化することが要求されている。
【0005】
〔特許文献1〕
特開昭61−12847号公報
〔特許文献2〕
特開平7−157837号公報
〔特許文献3〕
特開2001−335876号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に記載されたように炭化タングステン粒子の粒径を微粒化した超硬合金では、合金の抗折強度が高くなる傾向にあるものの、炭化タングステン粉末、コバルト粉末および他の添加物粉末等の原料粉末が凝集することによって、合金中に粒成長した炭化タングステン粒子(巨炭)の存在や結合相プールが発生しやすく、製品間で抗折強度のバラツキが大きくなり、ドリル径が小径化するにしたがってドリルの強度が低下し、ドリル先端の刃先が摩耗する前にドリルの根元から折損するものが発生してしまうことから、結果的に安定して穴開けできる加工数が減じてしまい工具寿命を延命することができず工具コストの削減にはつながらないという問題があった。
【0007】
また、特許文献3に記載されるように、巨炭と結合相プールの発生を制御するだけで抗折強度のバラツキは小さくできるものの、ドリル径の更なる小径化に対応するためには抗折強度の絶対値をさらに向上させる必要があった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、小径ドリル等に用いる場合においても安定して耐折損性に優れるような高くかつバラツキの少ない抗折強度を備えた超硬合金を提供すること、かつこれを用いて、小径の穴あけ加工や高送り切削に対しても優れた耐折損性を有する回転工具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に対し、炭化タングステン原料粉末、コバルト原料粉末、他添加物原料粉末の性状を制御するとともに、超硬合金の混合・粉砕条件、焼成条件を制御することによって、超硬合金中に極微粒な炭化タングステン粒子を含まない、微粒で、かつ均粒な炭化タングステン粒子を有する組織の超硬合金とすることができ、これによって、硬度、抗折強度に優れるとともに安定した耐折損性を具備する信頼性の高い性能を有する超硬合金を作製することができることを知見した。
【0014】
発明の超硬合金の製造方法は、平均粒径0.05〜0.4μmの炭化タングステン(WC)粉末を80〜90質量%、平均粒径0.3〜1.0μmの炭化バナジウム(VC)粉末を0.2〜0.6質量%、平均粒径0.3〜2.0μmの炭化クロム(Cr)粉末を0.2〜0.8質量%、平均粒径0.2〜0.6μmの金属コバルト(Co)を3〜13質量%、との割合で調合し、有機溶媒をスラリーの固形分比率が60〜80質量%となるように添加し、粉砕メディアとして平均粒径0.1〜0.4μmの炭化タングステン粒子を主体とする超硬合金製の平均直径2〜4mmの粉砕ボールを用いて10〜20時間アトライタ粉砕して混合粉末を得た後、前記混合粉末を成形し、0.1〜5Paの真空中、1320〜1380℃の温度で0.2〜2時間真空焼成した後、アルゴンガスを5MPa以上導入して前記真空焼成温度よりも5〜50℃低い温度で0.5〜2時間熱間静水圧プレス焼成を施し、5〜10℃/分の冷却速度で1000℃以下の温度まで冷却することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の超硬合金について、その内部の透過型電子顕微鏡写真である図1を基に説明する。
【0017】
図1によれば、超硬合金1は、平均粒径0.1〜0.4μm、特に0.2〜0.3μmの炭化タングステン粒子2を5〜15質量%のコバルトを主体とする、すなわちコバルトを50質量%以上の割合で含有する結合相3とから構成されている。
【0018】
本発明によれば、上記超硬合金においては、結合相としては炭化タングステン粒子2とのなじみ、濡れ性のよいコバルトを用い、その含有量を5〜15質量%であることがドリルとして必要な硬度および強度を満足するために必要であるが、小径化、穴位置精度の向上のためにドリルの変形を起こさない点では、結合相をなすコバルトの含有量は特に6〜10質量%、さらには6〜8質量%であることが望ましい。
【0019】
ここで、本発明における上記炭化タングステン粒子の平均粒径は、図1のような超硬合金1の内部断面の透過型電子顕微鏡写真において、各炭化タングステン粒子の占める面積を測定して平均値を算出し、炭化タングステン粒子が球状(写真では円)と仮定したときの直径に換算した値を指すが、本発明によれば、炭化タングステン粒子の平均粒径が0.1μmより小さいと炭化タングステン粒子間を結合する結合相の含有比率を13質量%以上にしないと合金の靭性が低下したり組織中に凝集部が発生しやすくなってしまい、逆に炭化タングステン粒子の平均粒径が0.4μmより大きくなると超硬合金1の全体的な硬度および抗折強度が低下して工具の耐摩耗性およびドリルの耐折損性が低下する。
【0020】
また、本発明によれば、超硬合金1の組織中に存在する粒径0.05μm以下の炭化タングステン粒子の数が炭化タングステン粒子全体の数に対して10%以下、特に5%以下の割合であることが大きな特徴であり、これによって、合金に切削時の衝撃がかかった際に粒径0.05μm以下の極微粒の炭化タングステン粒子が存在することによって応力が極微粒の炭化タングステン粒子に集中して場合によっては折損に至ってしまうことを防止することができることから、全体的な抗折強度(抗折強度の平均値)を高めることができるとともに抗折強度のバラツキを低減することができる。つまり、粒径0.05μm以下の炭化タングステン粒子の数が炭化タングステン粒子全体の数に対して10%を超える割合で存在すると抗折強度の平均値が低下するか、または抗折強度のバラツキが大きくなる恐れがある。
【0021】
さらに、本発明によれば、前記超硬合金の透過型電子顕微鏡観察において、組織中に存在する粒径0.5μm以上の炭化タングステン粒子の数が炭化タングステン粒子全体の数に対して10%以下、特に5%以下の割合であることが抗折強度のバラツキを抑制し、工具の耐欠損性、ドリルの耐折損性を高める点で望ましい。
【0022】
また、本発明によれば、前記超硬合金中に、バナジウムを炭化物換算による総量で0.2〜3質量%、クロムを炭化物換算による総量で0.2〜3質量%の割合で含有することによって、炭化タングステン粒子の全体的な粒径(平均粒径)を効果的に制御することができるとともに、結合相の強化を図って全体的な抗折強度の向上および耐欠損性、耐折損性の向上を図ることができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、超硬合金1を粉砕し、#20メッシュを通した粉砕粉末を50℃の希塩酸(HCl:HO=1:1)中で24時間溶解してろ過したろ液中に、ろ液中の総金属量に対してタングステンを0.5〜25質量%の割合で含有することによって、結合相の強化を図り超硬合金の全体的な抗折強度(抗磁力の平均値)を向上させることができる。
【0024】
また、上記記載の超硬合金からなる回転工具は耐欠損性、耐摩耗性に優れるとともに、小径化しても耐折損性が高く、微細で高精度な穴を長寿命に加工できるものである。
【0025】
(製造方法)
上述した超硬合金を製造するには、まず、例えば平均粒径0.05〜0.4μmの炭化タングステン(WC)粉末を80〜90質量%、平均粒径0.3〜1.0μmの炭化バナジウム(VC)粉末を0.2〜0.6質量%、平均粒径0.3〜2.0μmの炭化クロム(Cr)粉末を0.2〜0.8質量%、平均粒径0.2〜0.6μmの金属コバルト(Co)を3〜13質量%、さらには所望により、金属タングステン(W)粉末、あるいはカーボンブラック(C)を混合する。
【0026】
ここで、本発明によれば、上記原料粉末のうち、炭化タングステン粉末、炭化クロム粉末、炭化バナジウム粉末、金属コバルト粉末の平均粒径を上記範囲に制御することが重要であり、上記原料粉末の平均粒径が上記範囲から逸脱すると上記焼成温度で焼結体を緻密化させることができず後述する焼成温度が1380℃を超えることによって上述した超硬合金の組織を達成することができない。
【0027】
次に、上記混合に際して、メタノール等の有機溶媒をスラリーの固形分比率が60〜80質量%となるように添加するとともに、適切な分散剤を添加し、粉砕メディアとして平均粒径0.1〜0.4μmの炭化タングステン粒子を主体とする超硬合金製の平均直径2〜4mmの粉砕ボールを用いて10〜20時間アトライタ粉砕することにより混合粉末の均一化を図った後、混合粉末に有機バインダを添加して成形用の混合粉末を得る。
【0028】
本発明によれば、上記原料組成とともに、上記混合に際して、スラリーの状態(固形分比率)および粉砕メディア・混合条件を制御することが重要であり、これによって過粉砕や粒子の凝集等が生じることなく、超硬合金1の組織を上述した所定の粒径の均粒な炭化タングステン粒子を有する組織とすることができる。
【0029】
次に、上記混合粉末を用いて、プレス成形、鋳込成形、押出成形、冷間静水圧プレス成形等の公知の成形方法によって所定形状に成形した後、0.1〜5Paの真空中、1320〜1380℃の温度で0.2〜2時間真空焼成した後、アルゴンガスを5MPa以上導入して前記真空焼成温度よりも5〜50℃低い温度で0.5〜2時間熱間静水圧プレス焼成を施し、5〜10℃/分の冷却速度で1000℃以下の温度まで冷却することにより本発明の超硬合金を作製することができる。
【0030】
ここで、上記焼成条件のうち、焼成温度が1320℃より低いと合金を緻密化させることができず強度低下を招き、また粒径が0.05μmの極微粒な炭化タングステン粒子の数が10%以上存在してしまい、逆に焼成温度が1380℃を超えると、炭化タングステン粒子が粒成長して硬度、強度が低下する。また、熱間静水圧プレス焼成の温度と真空焼成温度との差が5℃より小さいと粒径が0.05μmの極微粒な炭化タングステン粒子の数が10%以上、または粒径が0.5μmの粗粒な炭化タングステン粒子の数が10%以上存在してしまい、逆にこの温度差が50℃より大きいと合金中に粒径が0.05μmの極微粒な炭化タングステン粒子の数が10%以上発生するとともに、ボイドが発生しやすく強度低下の原因となる。
【0031】
また、上述した本発明の超硬合金は、高硬度、高強度、耐変形性に優れるとともに、信頼性の高い機械的特性を有することから、金型、耐摩耗部材、高温構造材料等に適応可能であり、中でも切削工具、さらにはプリント基板加工用ドリルとして好適に使用可能である。
【0032】
さらに、本発明の切削工具は、上述した超硬合金の表面に、周期律表第4a、5a、6a族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸窒化物、特に(Ti)C(ただし、M:Al、Zr、Cr、Siの群から選ばれる少なくとも1種、0<a≦1、0≦b<1、a+b=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)、ダイヤモンド、cBNおよびAlの群から選ばれる少なくとも1種の被覆層を単層または複数層形成したものであってもよい。
【0033】
なお、超硬合金に前記被覆層を形成するには、所望により、超硬合金の表面を研磨、洗浄した後、従来公知のPVD法やCVD法等の薄膜形成法を用いて成膜すればよい。また、被覆層の厚みは0.1〜20μmであることが望ましい。
【0034】
また、上記超硬合金を用いてプリント基板加工用ドリルを作製するには、上述した原料および成形用混合粉末を用いて棒状成形体を作製し、上述した焼成方法に従って焼成した後、焼結体に加工を施して所望のドリル形状に加工することによって作製できる。さらに、ドリルの少なくとも一部に上述したコーティング膜を成膜してもよい。
【0035】
【実施例】
(実施例)
表1に示す平均粒径の炭化タングステン(WC)粉末、金属コバルト(Co)粉末、炭化バナジウム(VC)粉末および炭化クロム(Cr)粉末を表1に示す比率(質量%、表中wt%と表記。)で添加し、溶媒としてメタノールをスラリーの固形分比率が表1の割合となるように添加し、粉砕メディアとして、炭化タングステン粒子の平均粒径が0.3μmの超微粒子超硬合金からなる直径3mmのボールを加えて、表1に示す時間アトライタ粉砕・混合し、乾燥した後、プレス成形により丸棒形状に成形し、焼成温度より500℃以上低い温度から10℃/分の速度で昇温して、表1に示す条件で真空焼成および熱間性水圧プレス焼成(Sinter HIP)して超硬合金を作製した。なお、表1中、ΔT(℃)は真空焼成と熱間静水圧プレス焼成との温度差を示し、冷却速度は熱間静水圧プレス焼成後1000℃以下に冷却するまでの冷却速度を示した。
【0036】
【表1】
Figure 0004331958
【0037】
得られた超硬合金の任意断面5箇所について、透過型電子顕微鏡により図1に示すような100,000倍の反射電子像を観察し、1μm×1.5μmの任意領域について、炭化タングステン粒子の粒径を測定し、平均粒径、粒径が0.05μm以下の炭化タングステン粒子の数および0.5μm以上の炭化タングステン粒子の数を測定し存在比率を算出した。結果を表2に示す。
【0038】
また、上記ドリルを粉砕し#20メッシュを通した粉砕粉末1gに塩酸(HCl:HO=1:1)溶液を加え、スターラーにて攪拌し24時間50℃で加熱溶解した溶液をろ過した。この溶液に希塩酸(HCl:HO=1:1)溶液を加えて50ml定容とし、このろ液について、ICP法によってろ液中のタングステンを含む各金属の含有量および含有比率を測定した。結果は表2に示した。
【0039】
さらに、上記超硬合金をJISR1601に準じた3点曲げ強度測定用の試料形状に加工した試料を作製して3点曲げ強度を測定するとともに、JISR1625に準じてワイブル係数を算出した。
【0040】
また、前記超硬合金について、2枚刃形状のドリル形状に加工し、下記条件によってプリント基板の孔あけ加工テストを行い、試料が折損するまでの加工穴数を測定した。
【0041】
<条件>
被削材 :FR4・6層板、1.6mm厚、3枚重ね
ドリル形状:φ0.15mmアンダーカットタイプ
回転数:120kr.p.m.
送り速度:2.4m/min.
【表2】
Figure 0004331958
【0042】
表1、2の結果より、金属コバルト粉末、炭化クロム粉末および炭化バナジウム粉末原料の平均粒径が所定の範囲から外れる試料No.5、スラリー中の固形分比率および粉砕時間が所定の範囲から外れる試料No.6、真空焼成温度が1380℃を超える試料No.7、真空焼成温度と同じ温度で熱間静水圧プレス焼成を行った試料No.8、および真空焼成温度と熱間静水圧プレス焼成温度との温度差(ΔT)が50℃を超える試料No.9では、いずれも0.05μmの微粒の存在比率が10%を超え、抗折強度の平均値が低く、バラツキが大きいものであった。
【0043】
これに対して、本発明に従い、原料粉末の性状(特に平均粒径)、原料混合粉末の混合、粉砕条件、焼成条件を所定の範囲に制御した試料No.1〜4では、いずれも炭化タングステン粒子の平均粒径が0.1〜0.4μmの範囲内にあり、0.05μm以下の微粒、および0.5μm以上の粗粒の割合がともに10%以下と低く、均粒な組織となり、かつ極小径である直径が0.15mmφのドリルについての穴開け試験にて加工穴数2000穴以上の優れた耐折損性を示すものであった。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の超硬合金の製造方法によれば、炭化タングステン原料粉末、コバルト原料粉末、他の添加物原料粉末の性状を制御するとともに、超硬合金の混合・粉砕条件、焼成条件を制御することによって、超硬合金中に極微粒な炭化タングステン粒子を含まない、微粒で、かつ均粒な炭化タングステン粒子を有する組織の超硬合金とすることができ、これによって、硬度、抗折強度に優れるとともに安定した耐折損性を具備する信頼性の高い性能を有する超硬合金を作製することができる。
【0045】
また、本発明の超硬合金の製造方法を用いて得られる回転工具によれば、極微粒な炭化タングステン粒子を含まない微粒で均粒な炭化タングステン粒子を有する組織の超硬合金からなることから、プリント基板穴開け用のマイクロドリル等においても、安定した耐折損性、耐摩耗性を有して長寿命の穴開けが可能な優れた性能および信頼性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超硬合金について内部断面の組織の一例を示す図面代用透過電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1:超硬合金
2:炭化タングステン粒子
3:結合相
4:粒径0.05μm以下の極微粒
5:粒径0.5μm以上の粗粒

Claims (1)

  1. 平均粒径0.05〜0.4μmの炭化タングステン(WC)粉末を80〜90質量%、平均粒径0.3〜1.0μmの炭化バナジウム(VC)粉末を0.2〜0.6質量%、平均粒径0.3〜2.0μmの炭化クロム(Cr)粉末を0.2〜0.8質量%、平均粒径0.2〜0.6μmの金属コバルト(Co)を3〜13質量%、との割合で調合し、有機溶媒をスラリーの固形分比率が60〜80質量%となるように添加し、粉砕メディアとして平均粒径0.1〜0.4μmの炭化タングステン粒子を主体とする超硬合金製の平均直径2〜4mmの粉砕ボールを用いて10〜20時間アトライタ粉砕して混合粉末を得た後、前記混合粉末を成形し、0.1〜5Paの真空中、1320〜1380℃の温度で0.2〜2時間真空焼成した後、アルゴンガスを5MPa以上導入して前記真空焼成温度よりも5〜50℃低い温度で0.5〜2時間熱間静水圧プレス焼成を施し、5〜10℃/分の冷却速度で1000℃以下の温度まで冷却することを特徴とする超硬合金の製造方法。
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