上記目的を達成するために、この発明の一の局面による固体撮像装置は、複数の画素と、複数の画素にそれぞれ配置された転送ゲート電極とを備えている。そして、撮像期間における少なくとも各画素間の境界近傍に位置する転送ゲート電極のオフ電圧は、転送期間における少なくとも各画素間の境界近傍に位置する転送ゲート電極のオフ電圧よりも低い。なお、各画素間の境界を跨ぐ転送ゲート電極が存在する場合には、その転送ゲート電極が、本発明の各画素間の境界近傍に位置する転送ゲート電極である。また、各画素間の境界を跨ぐゲート電極が存在しない場合には、各画素間の境界に隣接する2つの転送ゲート電極のうちの少なくとも1つの転送ゲート電極が、本発明の各画素間の境界近傍に位置する転送ゲート電極である。
この一の局面による固体撮像装置では、上記のように、撮像期間における少なくとも各画素間の境界近傍に位置する転送ゲート電極のオフ電圧を、転送期間における少なくとも各画素間の境界近傍に位置する転送ゲート電極のオフ電圧よりも低くすることによって、撮像期間における各画素間の境界近傍に位置するオフ状態の転送ゲート電極下の領域のポテンシャルを、転送期間における各画素間の境界近傍に位置するオフ状態の転送ゲート電極下の領域のポテンシャル深さよりも浅くすることができる。これにより、撮像期間の際に、各画素間の境界近傍に位置する転送ゲート電極下の領域のポテンシャルバリアの高さを大きくすることができるので、撮像期間の際に、所定の画素と隣接する別の画素で生成された電子(信号電荷)がポテンシャルバリアを乗り越えて所定の画素に混入するのを抑制することができる。その結果、混色が発生するのを抑制することができる。また、撮像期間における転送ゲート電極のオフ電圧を、転送期間における転送ゲート電極のオフ電圧よりも低くすることによって、たとえば、基板上に、ゲート絶縁膜を介して転送ゲート電極が形成された構成において、撮像期間においてオフ状態の転送ゲート電極下の基板とゲート絶縁膜との界面に発生する正孔の量を、転送期間においてオフ状態の転送ゲート電極下の基板とゲート絶縁膜との界面に発生する正孔の量よりも多くすることができる。これにより、撮像期間の際には、オフ状態の転送ゲート電極下の基板とゲート絶縁膜との界面に多くの正孔が存在するので、暗電流となる電子が界面準位を介して伝導帯に励起されるのを抑制することができる。したがって、撮像期間の際に、暗電流が発生するのを抑制することができる。また、撮像期間における転送ゲート電極のオフ電圧を、転送期間における転送ゲート電極のオフ電圧よりも低くすることによって、転送期間においてオフ状態の転送ゲート電極下の領域に発生する正孔の量を、撮像期間においてオフ状態の転送ゲート電極下の領域に発生する正孔の量よりも少なくすることができる。これにより、転送期間の際に、電子と正孔とが再結合する確率を低くすることができるので、電子の転送効率を向上させることができる。これらの結果、一の局面では、混色や暗電流の発生を抑制し、かつ、電子(信号電荷)の転送効率を向上させることができる。
上記一の局面による固体撮像装置において、好ましくは、転送ゲート電極は、各画素間の境界近傍に位置する複数の第1転送ゲート電極と、複数の第1転送ゲート電極に挟まれるように配置される第2転送ゲート電極とを含み、複数の第1転送ゲート電極および第2転送ゲート電極は、撮像期間の際に、オン状態とオフ状態とに切り替えられる。このように構成すれば、撮像期間の際に、同一の画素内において、電子を蓄積するためのポテンシャル井戸を、複数の第1転送ゲート電極下の領域と、第2転送ゲート電極下の領域とにそれぞれ形成することができる。これにより、撮像期間の際に、同一の画素内において、複数の第1転送ゲート電極下の領域と、第2転送ゲート電極下の領域とで発生する暗電流を平均化処理することができるので、複数の第1転送ゲート電極下の領域と、第2転送ゲート電極下の領域とで発生する暗電流のばらつきを抑制することができる。
この場合、好ましくは、撮像期間の際に、各画素間の境界近傍において隣接する複数の第1転送ゲート電極のうち少なくとも1つは、オフ状態になっている。このように構成すれば、各画素間の境界近傍において隣接する2つの第1転送ゲート電極下の領域のうち少なくとも1つがポテンシャルバリアになっているので、隣接する各画素間で蓄積される電子が混入することを抑制することができる。
上記第1転送ゲート電極および第2転送ゲート電極を含む固体撮像装置において、好ましくは、隣接する画素の第1転送ゲート電極間の境界部と、画素の上方に設けられた複数の色領域を有するカラーフィルタの各色領域の境界部との間に設けられ、各画素間を分離するための遮光膜をさらに備える。このように構成すれば、容易に、所定の画素に隣接する画素に入射された光が、所定の画素に混入するのを抑制することができる。
上記一の局面による固体撮像装置において、好ましくは、転送ゲート電極は、各画素間の境界近傍に位置する第3転送ゲート電極を含み、第3転送ゲート電極は、撮像期間の際に、常にオフ状態に保持されている。このように構成すれば、撮像期間を通して、各画素間の境界近傍に位置する第3転送ゲート電極下の領域にポテンシャルバリアが形成された状態が保持されるので、容易に、各画素間の分離を行うことができる。
この場合、好ましくは、転送ゲート電極は、第3転送ゲート電極に挟まれるように、各画素の内側にそれぞれ配置された複数の第4転送ゲート電極をさらに含み、複数の第4転送ゲート電極は、撮像期間の際に、オン状態とオフ状態とに切り替えられる。このように構成すれば、撮像期間の際に、同一の画素内において、電子を蓄積するためのポテンシャル井戸を、所定の第4転送ゲート電極下の領域と、所定の第4転送ゲート電極とは別の第4転送ゲート電極下の領域とに交互に形成することができる。これにより、撮像期間の際に、同一の画素内において、複数の第4転送ゲート電極下の領域で発生する暗電流を平均化処理することができるので、複数の第4転送ゲート電極下の領域で発生する暗電流のばらつきを抑制することができる。
上記一の局面による固体撮像装置において、好ましくは、転送ゲート電極を含むとともに、撮像期間の際に電子を生成する撮像部と、転送期間の際に撮像部から電子が転送されるとともに、電子を蓄積する蓄積部とをさらに備える。このように構成すれば、撮像部および蓄積部を備えたいわゆるフレームトランスファ型の固体撮像装置において、混色や暗電流の発生を抑制し、かつ、電子(信号電荷)の転送効率を向上させることができる。
上記転送ゲート電極が第3転送ゲート電極を含む構成において、好ましくは、画素の上方に設けられ、複数の色領域を有するカラーフィルタをさらに備え、カラーフィルタの各色領域の境界部は、第3転送ゲート電極が位置する領域の上方に配置されている。このように構成すれば、撮像期間における第3転送ゲート電極は、各画素間の分離を行うポテンシャルバリアを形成する機能のみを有するので、第3転送ゲート電極(カラーフィルタの各色領域の境界部)を覆うように画素分離のための遮光膜を設けた場合には、電子が蓄積される領域の露出面積が小さくなるのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、第3転送ゲート電極と、カラーフィルタの各色領域の境界部との間に設けられ、各画素間を分離するための遮光膜をさらに備える。このように構成すれば、容易に、電子が蓄積される領域の露出面積が小さくなるのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による固体撮像装置の全体構成を示した概略図である。図2は、図1に示した第1実施形態による固体撮像装置の撮像部および蓄積部の構造を説明するための平面図である。図3は、図1に示した第1実施形態による固体撮像装置の撮像部の構造を説明するための断面図である。まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態による固体撮像装置の構造について説明する。
第1実施形態による固体撮像装置は、図1に示すように、撮像部1と、蓄積部2と、水平転送部3と、出力部4とを備えたフレームトランスファ構造を有する。撮像部1は、図2に示すように、複数の画素5(1点鎖線で囲まれた領域)がマトリクス状に配置された構造を有する。なお、図2には、図面の簡略化のため、9つの画素5のみを図示しているが、実際には、9つ以上の画素5がマトリクス状に配置されている。この撮像部1(画素5)は、光の入射量に応じて電子(信号電荷)を生成および蓄積するとともに、その電子を蓄積部2に転送する機能を有する。また、図1に示すように、蓄積部2は、撮像部1から転送された電子を蓄積するとともに、その電子を水平転送部3に転送する機能を有する。水平転送部3は、蓄積部2から転送された電子を出力部4に順次転送する機能を有する。出力部4は、水平転送部3から転送された電子を電気信号として出力する機能を有する。
また、図2に示すように、撮像部1および蓄積部2には、複数の転送ゲート電極6が転送方向と直交する方向(行方向)に延びるように設けられている。また、複数の転送ゲート電極6は、転送方向に互いに所定の間隔を隔てて配列されている。また、撮像部1に位置する複数の転送ゲート電極6には、それぞれ、電子を転送するための3相のクロック信号CLK1〜CLK3が供給されるとともに、蓄積部2に位置する転送ゲート電極6には、それぞれ、電子を転送するための3相のクロック信号CLK4〜CLK6が供給される。そして、複数の転送ゲート電極6の各々にクロック信号CLK1〜CLK6が供給されることにより、複数の転送ゲート電極6下の領域の各々に、電子を蓄積および転送するためのポテンシャル井戸が形成される。また、行方向に隣接する画素5間には、行方向に隣接する画素5間を分離するための画素分離領域7が、転送方向に沿って蓄積部2にまで延びるように形成されている。
ここで、第1実施形態では、撮像部1において、転送ゲート電極6は、転送ゲート電極6a、6bおよび6cを含んでいる。撮像部1の転送ゲート電極6cは、各画素5間の転送方向の境界に配置されているとともに、その転送ゲート電極6cには、クロック信号CLK3が供給される。また、撮像部1の転送ゲート電極6aおよび6bは、転送ゲート電極6cに挟まれるように、各画素5の内側に配置されているとともに、その転送ゲート電極6aおよび6bには、それぞれ、クロック信号CLK1およびCLK2が供給される。なお、転送ゲート電極6aおよび6bは、本発明の「第4転送ゲート電極」の一例であり、転送ゲート電極6cは、本発明の「第3転送ゲート電極」の一例である。
そして、第1実施形態では、撮像期間の際には、転送ゲート電極6aおよび6bが所定の周期でオン状態とオフ状態とに切り替わるとともに、転送ゲート電極6cが常にオフ状態に保持されるように、3相のクロック信号CLK1〜CLK3が制御される。また、転送期間の際には、撮像部1および蓄積部2の全ての転送ゲート電極6がオン状態とオフ状態とに所定の周期で切り替わるように、3相のクロック信号CLK1〜CLK3およびCLK4〜CLK6が制御される。また、3相のクロック信号CLK1〜CLK3は、撮像期間における転送ゲート電極6のオフ電圧が、転送期間における転送ゲート電極6のオフ電圧よりも低くなるように設定されている。第1実施形態では、撮像期間における転送ゲート電極6のオフ電圧が約−8Vに設定されているとともに、転送期間における転送ゲート電極6のオフ電圧が約−5Vに設定されている。
また、図3に示すように、撮像部1(画素部5)の断面構造としては、n型シリコン基板8上に、p型シリコン層9およびn型シリコン層10が順次形成されている。そして、n型シリコン層10上に、SiO2膜からなるゲート絶縁膜11を介して、上記した転送ゲート電極6a〜6cが形成されている。また、第1実施形態では、n型シリコン基板8、p型シリコン層9およびn型シリコン層10によって、縦型オーバーフロードレイン構造が構成されている。すなわち、第1実施形態では、縦型オーバーフロードレイン構造によって、オフ状態のゲート電極6a〜6c下の領域で熱励起などにより発生した暗電流となる電子がn型シリコン基板8側に引き抜かれる。
また、撮像部1の上方には、光の三原色(R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー))に対応する複数の色領域を有するベイヤー配列のカラーフィルタ12が設けられている。このカラーフィルタ12は、図2に示すように、同じ色領域が互いに隣接しないように、かつ、G(グリーン)に対応する色領域の数がR(レッド)およびB(ブルー)に対応する色領域の数の2倍になるように配列されている。
また、第1実施形態では、図3に示すように、カラーフィルタ12の各色領域の転送方向の境界部12aは、各画素5間の転送方向の境界と一致するように、転送ゲート電極6cが位置する領域の上方に配置されている。また、転送ゲート電極6cと、カラーフィルタ12の各色領域の境界部12aとの間には、各画素5間を分離するための遮光膜13が設けられている。この遮光膜13は、転送ゲート電極6cと同じ転送方向の幅を有するとともに、転送ゲート電極6cの上面の全てを覆うように配置されている。また、カラーフィルタ12と遮光膜13との間には、光を集光するためのレンズ14が各画素5毎に1つずつ設けられている。
図4は、本発明の第1実施形態による固体撮像装置の撮像期間および転送期間の動作を説明するための電圧波形図である。図5および図6は、それぞれ、本発明の第1実施形態による固体撮像装置の撮像期間および転送期間の動作を説明するためのポテンシャル図である。なお、図5および図6には、図5および図6の左端の画素5の転送ゲート電極6a、6bおよび6cの下に蓄積された電子の動作のみを表しているが、実際には、各画素5の転送ゲート電極6a、6bおよび6cの下にも電子が蓄積されており、各画素5の転送ゲート電極下の電子の動作は、左端の画素5と同様である。次に、図1〜図6を参照して、第1実施形態による固体撮像装置の撮像期間および転送期間の動作について説明する。
まず、図3に示した撮像部1において、カラーフィルタ12を透過した光がレンズ14により集光されることによって、各画素5に光が入射される。これにより、各画素5において、対応するカラーフィルタ12の色領域を透過した光が光電変換されて電子(信号電荷)が生成される。
この際、3相のクロック信号CLK1、CLK2およびCLK3を、それぞれ、約3V、約−8Vおよび約−8Vにする(図4に示すt1の期間)。これにより、図5に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極6aがオン状態となるとともに、クロック信号CLK2(約−8V)が供給される転送ゲート電極6bがオフ状態となる。また、クロック信号CLK3(約−8V)が供給される転送ゲート電極6cがオフ状態となる。このため、転送ゲート電極6a下の領域にポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、転送ゲート電極6a下の領域で生成された光電変換による電子が蓄積される。また、転送ゲート電極6a下の領域に形成されるポテンシャル井戸には、光電変換された電子に加えて、熱励起などにより発生する暗電流となる電子も蓄積される。なお、撮像期間に転送ゲート電極6cをオフ状態にするためのオフ電圧(約−8V)は、後述する転送期間に転送ゲート電極6cをオフ状態にするためのオフ電圧(約−5V)よりも低い。
ここで、転送ゲート電極6a下の領域に実際に形成されるポテンシャル井戸のポテンシャル(図5の破線)は、転送ゲート電極6a下の領域から転送ゲート電極6bおよび6c下の領域に向かって徐々に小さくなるとともに、ポテンシャルの大きい部分が転送ゲート電極6bおよび6c下の領域にまで広がる。このため、転送ゲート電極6a下の領域に実際に形成されるポテンシャル井戸には、転送ゲート電極6a下の領域で生成された光電変換による電子のみならず、転送ゲート電極6a下の領域近傍で生成された光電変換による電子も蓄積される。さらに、第1実施形態では、転送ゲート電極6a下の領域に実際に形成されるポテンシャル井戸のポテンシャルの大きい部分は、転送ゲート電極6cに低いオフ電圧(約−8V)が印加されていることにより、オフ状態の転送ゲート電極6c下の領域を越えて所定の画素5からその所定の画素5と隣接する別の画素5にまでは達しない。したがって、第1実施形態では、オフ状態の転送ゲート電極6c下の領域は、各画素5間を分離するためのポテンシャルバリアとして確実に機能する。
また、第1実施形態では、転送ゲート電極6cに低いオフ電圧(約−8V)が印加されていることにより、オフ状態の転送ゲート電極6c下のn型シリコン層10(図3参照)とゲート絶縁膜11(図3参照)との界面に多くの正孔が発生する。このため、暗電流となる電子が界面準位を介して伝導帯に励起されるのが抑制されている。
次に、クロック信号CLK1およびCLK3を、それぞれ、約3Vおよび約−8Vに保持した状態で、クロック信号CLK2を約−8Vから約3Vに変化させる(図4に示すt2の期間)。これにより、図5に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極6aがオン状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極6bがオン状態に変化する。また、クロック信号CLK3(約−8V)が供給される転送ゲート電極6cがオフ状態に保持される。このため、転送ゲート電極6aおよび6b下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t1の期間に転送ゲート電極6a下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK2およびCLK3を、それぞれ、約3Vおよび約−8Vに保持した状態で、クロック信号CLK1を約3Vから約−8Vに変化させる(図4に示すt3の期間)。これにより、図5に示すように、クロック信号CLK1(約−8V)が供給される転送ゲート電極6aがオフ状態に変化するとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極6bがオン状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約−8V)が供給される転送ゲート電極6cがオフ状態に保持される。このため、転送ゲート電極6b下の領域にのみポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t2の期間に転送ゲート電極6aおよび6b下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子と、転送ゲート電極6b下の領域で生成された光電変換による電子および熱励起などによる電子(暗電流となる電子)が蓄積される。
次に、クロック信号CLK2およびCLK3を、それぞれ、約3Vおよび約−8Vに保持した状態で、クロック信号CLK1を約−8Vから約3Vに変化させる(図4に示すt4の期間)。これにより、図5に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極6aがオン状態に変化するとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極6bがオン状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約−8V)が供給される転送ゲート電極6cがオフ状態に保持される。このため、転送ゲート電極6aおよび6b下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t3の期間に転送ゲート電極6b下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
この後、上記したt1〜t4の期間に行われた動作と同様の動作を繰り返し行う。すなわち、転送ゲート電極6aおよび6bを、オン状態とオフ状態とに所定の周期で切り替えるとともに、転送ゲート電極6cを、オフ状態に保持する。
次に、転送期間の際には、3相のクロック信号CLK1、CLK2およびCLK3を、それぞれ、約3V、約−5Vおよび約−5Vにする(図4に示すt11の期間)。これにより、図6に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極6aがオン状態となるとともに、クロック信号CLK2(約−5V)が供給される転送ゲート電極6bがオフ状態となる。また、クロック信号CLK3(約−5V)が供給される転送ゲート電極6cがオフ状態となる。このため、転送ゲート電極6a下の領域にポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、撮像期間に蓄積されていた電子が蓄積される。なお、転送期間に転送ゲート電極6cをオフ状態にするためのオフ電圧(約−5V)は、上記した撮像期間に転送ゲート電極6cをオフ状態にするためのオフ電圧(約−8V)よりもVd(約3V)(図4参照)だけ小さい。
ここで、第1実施形態では、転送ゲート電極6cに高いオフ電圧(約−5V)が印加されていることにより、転送期間にオフ状態の転送ゲート電極6c下の領域に発生する正孔の量が、上記した撮像期間にオフ状態の転送ゲート電極6c下の領域に発生する正孔の量よりも少なくなる。したがって、転送ゲート電極6c下の領域に電子が転送された際に、電子と正孔とが再結合する確率が低くなる。
次に、クロック信号CLK1およびCLK3を、それぞれ、約3Vおよび約−5Vに保持した状態で、クロック信号CLK2を約−5Vから約3Vに変化させる(図4に示すt12の期間)。これにより、図6に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極6aがオン状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極6bがオン状態に変化する。また、クロック信号CLK3(約−5V)が供給される転送ゲート電極6cがオフ状態に保持される。このため、転送ゲート電極6aおよび6b下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t11の期間に転送ゲート電極6a下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK2およびCLK3を、それぞれ、約3Vおよび約−5Vに保持した状態で、クロック信号CLK1を約3Vから約−5Vに変化させる(図4に示すt13の期間)。これにより、図6に示すように、クロック信号CLK1(約−5V)が供給される転送ゲート電極6aがオフ状態に変化するとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極6bがオン状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約−5V)が供給される転送ゲート電極6cがオフ状態に保持される。このため、転送ゲート電極6b下の領域にのみポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t12の期間に転送ゲート電極6aおよび6b下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK2を、それぞれ、約−5Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK3を約−5Vから約3Vに変化させる(図4に示すt14の期間)。これにより、図6に示すように、クロック信号CLK1(約−5V)が供給される転送ゲート電極6aがオフ状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極6bがオン状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約3V)が供給される転送ゲート電極6cがオン状態に変化する。このため、転送ゲート電極6bおよび6c下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t13の期間に転送ゲート電極6b下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK3を、それぞれ、約−5Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK2を約3Vから約−5Vに変化させる(図4に示すt15の期間)。これにより、図6に示すように、クロック信号CLK1(約−5V)が供給される転送ゲート電極6aがオフ状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約−5V)が供給される転送ゲート電極6bがオフ状態に変化する。また、クロック信号CLK3(約3V)が供給される転送ゲート電極6cがオン状態に保持される。このため、転送ゲート電極6c下の領域にのみポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t14の期間に転送ゲート電極6bおよび6c下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK2およびCLK3を、それぞれ、約−5Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK1を約−5Vから約3Vに変化させる(図4に示すt16の期間)。これにより、図6に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極6aがオン状態に変化するとともに、クロック信号CLK2(約−5V)が供給される転送ゲート電極6bがオフ状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約3V)が供給される転送ゲート電極6cがオン状態に保持される。このため、転送ゲート電極6cおよび6a下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t15の期間に転送ゲート電極6c下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
この後、上記したt11〜t16の期間に行われた動作と同様の動作を繰り返し行うことによって、撮像期間に所定の画素5で蓄積された電子を、所定の画素5と隣接する別の画素5に順次転送する。このようにして、撮像期間に撮像部1に蓄積された1フレーム(全ての画素5)の電子を蓄積部2(図2参照)に転送する。なお、蓄積部2では、上記したt11〜t16の期間と同様にして転送ゲート電極6を駆動させる。そして、蓄積部2に蓄積された電子を1行分ずつ水平転送部3(図1参照)に転送するとともに、その1行分の電子を出力部4(図1参照)に出力する。
第1実施形態では、上記のように、撮像期間における各画素5間の境界に位置する転送ゲート電極6cのオフ電圧(約−8V)を、転送期間における各画素5間の境界に位置する転送ゲート電極6cのオフ電圧(約−5V)よりも低くすることによって、撮像期間における各画素5間の境界に位置するオフ状態の転送ゲート電極6c下の領域のポテンシャルを、転送期間における各画素5間の境界に位置するオフ状態の転送ゲート電極6c下の領域のポテンシャル深さよりも浅くすることができる。これにより、撮像期間の際に、各画素5間の境界に位置する転送ゲート電極6c下の領域のポテンシャルバリアの高さを大きくすることができるので、撮像期間の際に、所定の画素5と隣接する別の画素5で生成された電子(信号電荷)がポテンシャルバリアを乗り越えて所定の画素5に混入するのを抑制することができる。その結果、混色が発生するのを抑制することができる。
また、撮像期間における転送ゲート電極6のオフ電圧(約−8V)を、転送期間における転送ゲート電極6のオフ電圧(約−5V)よりも低くすることによって、撮像期間においてオフ状態の転送ゲート電極6下のn型シリコン層10とゲート絶縁膜11との界面に発生する正孔の量を、転送期間においてオフ状態の転送ゲート電極6下のn型シリコン層10とゲート絶縁膜11との界面に発生する正孔の量よりも多くすることができる。これにより、撮像期間の際には、オフ状態の転送ゲート電極6下のn型シリコン層10とゲート絶縁膜11との界面に多くの正孔が存在するので、暗電流となる電子が界面準位を介して伝導帯に励起されるのを抑制することができる。したがって、撮像期間の際に、暗電流が発生するのを抑制することができる。
また、撮像期間における転送ゲート電極6のオフ電圧(約−8V)を、転送期間における転送ゲート電極6のオフ電圧(約−5V)よりも低くすることによって、転送期間においてオフ状態の転送ゲート電極6下の領域に発生する正孔の量を、撮像期間においてオフ状態の転送ゲート電極6下の領域に発生する正孔の量よりも少なくすることができる。これにより、転送期間の際に、電子と正孔とが再結合する確率を低くすることができるので、電子の転送効率を向上させることができる。これらの結果、第1実施形態では、混色や暗電流の発生を抑制し、かつ、電子(信号電荷)の転送効率を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、各画素5間の境界に位置する転送ゲート電極6cを、撮像期間の際に、常にオフ状態に保持することによって、撮像期間を通して、各画素5間の境界に位置する転送ゲート電極6c下の領域にポテンシャルバリアが形成された状態が保持されるので、容易に、各画素5間の分離を行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、各画素5の内側にそれぞれ配置された2つの転送ゲート電極6aおよび6bを、撮像期間の際に、オン状態とオフ状態とに周期的に切り替えることによって、撮像期間の際に、同一の画素5内において、電子を蓄積するためのポテンシャル井戸を、転送ゲート電極6a下の領域と、転送ゲート電極6b下の領域とに交互に形成することができる。これにより、撮像期間の際に、同一の画素5内において、転送ゲート電極6aおよび6b下の領域で発生する暗電流を平均化処理することができるので、転送ゲート電極6aおよび6b下の領域で発生する暗電流のばらつきを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、カラーフィルタ12の各色領域の境界部12aを、転送ゲート電極6cが位置する領域の上方に配置することによって、撮像期間における転送ゲート電極6cは、各画素5間の分離を行うポテンシャルバリアを形成する機能のみを有するので、転送ゲート電極6c(カラーフィルタ12の各色領域の境界部12a)を覆うように画素分離のための遮光膜13を設けたとしても、電子が蓄積される領域の露出面積が小さくなるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、転送ゲート電極6a、6bおよび6cを含むとともに、撮像期間の際に電子を生成する撮像部1と、転送期間の際に撮像部1から電子が転送されるとともに、電子を蓄積する蓄積部2とを備えることによって、撮像部1および蓄積部2を備えたいわゆるフレームトランスファ型の固体撮像装置において、混色や暗電流の発生を抑制し、かつ、電子(信号電荷)の転送効率を向上させることができる。
次に、上記した暗電流の発生の抑制および電子(信号電荷)の転送効率の向上に関する効果を確認するために行った実験について説明する。
まず、暗電流に関する効果を確認するための実験では、暗時において、上記した第1実施形態による固体撮像装置(図1〜図3参照)を用いて撮像を行った。この際、画素5の内側に配置された転送ゲート電極6aおよび6bをオン状態とオフ状態とに1回ずつ切り替えた。また、各画素5間の境界に配置された転送ゲート電極6cをオフ状態に保持した。そして、転送ゲート電極6のオフ電圧を−8V(第1実施形態)に設定することにより、各画素5の出力電圧を測定した。また、比較例として、転送ゲート電極6のオフ電圧を−5Vに設定することにより、各画素5の出力電圧を測定した。その結果、実施形態の暗時における各画素5の出力電圧のばらつきは、比較例の暗時における各画素5の出力電圧のばらつきに比べて約35%低減された。
この結果から、転送ゲート電極6のオフ電圧を−8Vに設定した第1実施形態では、暗電流の発生が比較例よりも抑制されたために、各画素5の出力電圧のばらつきが低減したと考えられる。すなわち、転送ゲート電極6のオフ電圧を−8Vに設定することによって、転送ゲート電極6のオフ電圧を−5Vに設定する場合に比べて、オフ状態の転送ゲート電極6下のn型シリコン層10とゲート絶縁膜11との界面に多くの正孔が発生するために、暗電流となる電子が界面準位を介して伝導帯に励起されるのが抑制されたと考えられる。
次に、転送効率に関する効果を確認するための実験では、低照度の環境下において、上記した第1実施形態による固体撮像装置(図1〜図3参照)を用いて撮像を行った。撮像期間の際には、上記した暗電流に関する確認実験と同様に、転送ゲート電極6a〜6cを駆動させた。また、転送期間の際には、転送ゲート電極6を所定の周期でオン状態とオフ状態とに所定の周期で切り替えた。そして、転送期間における転送ゲート電極6のオフ電圧を−5V(第1実施形態)に設定することにより、同一の転送ラインに含まれる複数の画素5毎の出力電圧を測定した。また、比較例として、転送期間における転送ゲート電極6のオフ電圧を−6Vに設定することにより、同一の転送ラインに含まれる複数の画素5毎の出力電圧を測定した。その結果、第1実施形態における同一の転送ラインに含まれる複数の画素5毎の出力電圧のばらつきは、比較例における同一の転送ラインに含まれる複数の画素5毎の出力電圧のばらつきに比べて約45%低減された。
この結果から、転送期間における転送ゲート電極6のオフ電圧を−5Vに設定した第1実施形態では、転送期間において電子と正孔との再結合が低減されたために、同一の転送ラインに含まれる複数の画素5毎の出力電圧のばらつきが低減したと考えられる。すなわち、転送期間における転送ゲート電極6のオフ電圧を−5Vに設定することによって、転送期間における転送ゲート電極6のオフ電圧を−6Vに設定する場合に比べて、転送期間においてオフ状態の転送ゲート電極6下の領域に発生する正孔の量が少なくなるために、電子と正孔とが再結合する確率が低くなったと考えられる。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態による固体撮像装置の撮像部および蓄積部の構造を説明するための平面図である。図8は、第2実施形態による固体撮像装置の撮像部の構造を説明するための断面図である。まず、図1、図7および図8を参照して、第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、転送ゲート電極26aおよび26cが、各画素25間の転送方向の境界に配置されている固体撮像装置の構造について説明する。
第2実施形態による固体撮像装置は、図1に示す第1実施形態と同様に、撮像部21と、蓄積部22と、水平転送部3と、出力部4とを備えたフレームトランスファ構造を有する。撮像部21は、図7に示すように、複数の画素25(1点鎖線で囲まれた領域)がマトリクス状に配置された構造を有する。なお、図7には、図面の簡略化のため、9つの画素25のみを図示しているが、実際には、9つ以上の画素25がマトリクス状に配置されている。この撮像部21(画素25)は、光の入射量に応じて電子(信号電荷)を生成および蓄積するとともに、その電子を蓄積部22に転送する機能を有する。また、図1に示すように、蓄積部22は、撮像部21から転送された電子を蓄積するとともに、その電子を水平転送部3に転送する機能を有する。水平転送部3は、蓄積部22から転送された電子を出力部4に順次転送する機能を有する。出力部4は、水平転送部3から転送された電子を電気信号として出力する機能を有する。
また、図7に示すように、撮像部21および蓄積部22には、複数の転送ゲート電極26が転送方向と直交する方向(行方向)に延びるように設けられている。また、複数の転送ゲート電極26は、転送方向に互いに所定の間隔を隔てて配列されている。また、撮像部21に位置する複数の転送ゲート電極26には、それぞれ、電子を転送するための3相のクロック信号CLK1〜CLK3が供給されるとともに、蓄積部22に位置する転送ゲート電極26には、それぞれ、電子を転送するための3相のクロック信号CLK4〜CLK6が供給される。そして、複数の転送ゲート電極26の各々にクロック信号CLK1〜CLK6が供給されることにより、複数の転送ゲート電極26下の領域の各々に、電子を蓄積および転送するためのポテンシャル井戸が形成される。また、行方向に隣接する画素25間には、行方向に隣接する画素25間を分離するための画素分離領域7が、転送方向に沿って蓄積部22にまで延びるように形成されている。
ここで、第2実施形態では、撮像部21において、転送ゲート電極26は、転送ゲート電極26a、26bおよび26cを含んでいる。撮像部21の転送ゲート電極26aおよび26cは、各画素25間の転送方向の境界線を挟むように所定の間隔を隔てて配置されているとともに、その転送ゲート電極26aおよび26cには、それぞれ、クロック信号CLK1およびCLK3が供給される。また、撮像部21の転送ゲート電極26bは、転送ゲート電極26aおよび26cに挟まれるように、各画素25の内側に配置されているとともに、その転送ゲート電極26bには、クロック信号CLK2が供給される。なお、転送ゲート電極26aおよび26cは、本発明の「第1転送ゲート電極」の一例であり、転送ゲート電極26bは、本発明の「第2転送ゲート電極」の一例である。
そして、第2実施形態では、撮像期間の際には、転送ゲート電極26a、26bおよび26cが所定の周期でオン状態とオフ状態とに切り替わるように、3相のクロック信号CLK1〜CLK3が制御される。また、転送期間の際には、撮像部21および蓄積部22の全ての転送ゲート電極26がオン状態とオフ状態とに所定の周期で切り替わるように、3相のクロック信号CLK1〜CLK3およびCLK4〜CLK6が制御される。また、3相のクロック信号CLK1〜CLK3は、撮像期間における転送ゲート電極26のオフ電圧が、転送期間における転送ゲート電極26のオフ電圧よりも低くなるように設定されている。第2実施形態では、撮像期間における転送ゲート電極26のオフ電圧が約−8Vに設定されているとともに、転送期間における転送ゲート電極26のオフ電圧が約−5Vに設定されている。
また、図8に示すように、撮像部21(画素部25)の断面構造としては、n型シリコン基板28上に、p型シリコン層29およびn型シリコン層30が順次形成されている。そして、n型シリコン層30上に、SiO2膜からなるゲート絶縁膜31を介して、上記した転送ゲート電極26a〜26cが形成されている。また、第2実施形態では、n型シリコン基板28、p型シリコン層29およびn型シリコン層30によって、縦型オーバーフロードレイン構造が構成されている。すなわち、第2実施形態では、縦型オーバーフロードレイン構造によって、オフ状態の転送ゲート電極26a〜26c下の領域で熱励起などにより発生した暗電流となる電子がn型シリコン基板28側に引き抜かれる。
また、撮像部21の上方には、光の三原色(R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー))に対応する複数の色領域を有するベイヤー配列のカラーフィルタ32が設けられている。このカラーフィルタ32は、図7に示すように、同じ色領域が互いに隣接しないように、かつ、G(グリーン)に対応する色領域の数がR(レッド)およびB(ブルー)に対応する色領域の数の2倍になるように配列されている。
また、第2実施形態では、図8に示すように、カラーフィルタ32の各色領域の転送方向の境界部32aは、各画素25間の転送方向の境界と一致するように、転送ゲート電極26aおよび26cに挟まれるように所定の間隔を隔てて配置されている。また、転送ゲート電極26aおよび26cに挟まれる画素25の境界と、画素25の上方に設けられた複数の色領域を有するカラーフィルタ32の各色領域の境界部32aとの間に遮光膜33が設けられている。また、カラーフィルタ32と遮光膜33との間には、光を集光するためのレンズ34が各画素25毎に1つずつ設けられている。
図9は、本発明の第2実施形態による固体撮像装置の撮像期間および転送期間の動作を説明するための電圧波形図である。図10および図11は、それぞれ、本発明の第2実施形態による固体撮像装置の撮像期間および転送期間の動作を説明するためのポテンシャル図である。なお、図10および図11には、図10および図11の左端の画素25の転送ゲート電極下に蓄積された電子の動作のみを表しているが、実際には、各画素25の転送ゲート電極26a、26bおよび26cの下にも電子が蓄積されており、各画素25の転送ゲート電極26a、26bおよび26cの下の電子の動作は、左端の画素25と同様である。次に、図1および図7〜図11を参照して、第2実施形態による固体撮像装置の撮像期間および転送期間の動作について説明する。
まず、図8に示した撮像部21において、カラーフィルタ32を透過した光がレンズ34により集光されることによって、各画素25に光が入射される。これにより、各画素25において、対応するカラーフィルタ32の色領域を透過した光が光電変換されて電子(信号電荷)が生成される。
この際、3相のクロック信号CLK1、CLK2およびCLK3を、それぞれ、約−8V、約3Vおよび約−8Vにする(図9に示すt1の期間)。これにより、図10に示すように、クロック信号CLK1(約−8V)が供給される転送ゲート電極26aがオフ状態となるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極26bがオン状態となる。また、クロック信号CLK3(約−8V)が供給される転送ゲート電極26cがオフ状態となる。このため、転送ゲート電極26b下の領域にポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、転送ゲート電極26b下の領域で生成された光電変換による電子が蓄積される。また、転送ゲート電極26b下の領域に形成されるポテンシャル井戸には、光電変換された電子に加えて、熱励起などにより発生する暗電流となる電子も蓄積される。なお、撮像期間に転送ゲート電極26a、26bおよび26cをオフ状態にするためのオフ電圧(約−8V)は、後述する転送期間に転送ゲート電極26a、26bおよび26cをオフ状態にするためのオフ電圧(約−5V)よりも低い。
ここで、転送ゲート電極26b下の領域に実際に形成されるポテンシャル井戸のポテンシャル(図10の破線)は、転送ゲート電極26b下の領域から転送ゲート電極26aおよび26c下の領域に向かって徐々に小さくなるとともに、ポテンシャルの大きい部分が転送ゲート電極26aおよび26c下の領域にまで広がる。このため、転送ゲート電極26b下の領域に実際に形成されるポテンシャル井戸には、転送ゲート電極26b下の領域で生成された光電変換による電子のみならず、転送ゲート電極26b下の領域近傍で生成された光電変換による電子も蓄積される。さらに、第2実施形態では、転送ゲート電極26b下の領域に実際に形成されるポテンシャル井戸のポテンシャルの大きい部分は、転送ゲート電極26aおよび26cに低いオフ電圧(約−8V)が印加されていることにより、オフ状態の転送ゲート電極26aおよび26c下の領域を越えて所定の画素25からその所定の画素25と隣接する別の画素25にまでは達しない。したがって、第2実施形態では、オフ状態の転送ゲート電極26aおよび26c下の領域は、各画素25間を分離するためのポテンシャルバリアとして確実に機能する。
また、第2実施形態では、転送ゲート電極26aおよび26cに低いオフ電圧(約−8V)が印加されていることにより、オフ状態の転送ゲート電極26aおよび26c下のn型シリコン層30(図8参照)とゲート絶縁膜31(図8参照)との界面に多くの正孔が発生する。このため、暗電流となる電子が界面準位を介して伝導帯に励起されるのが抑制されている。
次に、クロック信号CLK1およびCLK2を、それぞれ、約−8Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK3を約−8Vから約3Vに変化させる(図9に示すt2の期間)。これにより、図10に示すように、クロック信号CLK1(約−8V)が供給される転送ゲート電極26aがオフ状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極26bがオン状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約3V)が供給される転送ゲート電極26cがオン状態に変化する。このため、転送ゲート電極26bおよび26c下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t1の期間に転送ゲート電極26b下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK3を、それぞれ、約−8Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK2を約3Vから約−8Vに変化させる(図9に示すt3の期間)。これにより、図10に示すように、クロック信号CLK1(約−8V)が供給される転送ゲート電極26aがオフ状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約−8V)が供給される転送ゲート電極26bがオフ状態に変化する。また、クロック信号CLK3(約3V)が供給される転送ゲート電極26cがオン状態に保持される。このため、転送ゲート電極26c下の領域にのみポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t2の期間に転送ゲート電極26bおよび26c下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子と、転送ゲート電極26c下の領域で生成された光電変換による電子および熱励起などによる電子(暗電流となる電子)が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK3を、それぞれ、約−8Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK2を約−8Vから約3Vに変化させる(図9に示すt4の期間)。これにより、図10に示すように、クロック信号CLK1(約−8V)が供給される転送ゲート電極26aがオフ状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極26bがオン状態に変化する。また、クロック信号CLK3(約3V)が供給される転送ゲート電極26cがオン状態に保持される。このため、転送ゲート電極26bおよび26c下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t3の期間に転送ゲート電極26c下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK2を、それぞれ、約−8Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK3を約3Vから約−8Vに変化させる(図9に示すt5の期間)。これにより、図10に示すように、クロック信号CLK1(約−8V)が供給される転送ゲート電極26aがオフ状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極26bがオン状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約−8V)が供給される転送ゲート電極26cがオフ状態に変化する。このため、転送ゲート電極26b下の領域にのみポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t4の期間に転送ゲート電極26bおよび26c下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子と、転送ゲート電極26b下の領域で生成された光電変換による電子および熱励起などによる電子(暗電流となる電子)が蓄積される。
次に、クロック信号CLK2およびCLK3を、それぞれ、約3Vおよび約−8Vに保持した状態で、クロック信号CLK1を約−8Vから約3Vに変化させる(図9に示すt6の期間)。これにより、図10に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極26aがオン状態に変化するとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極26bがオン状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約−8V)が供給される転送ゲート電極26cがオフ状態に保持される。このため、転送ゲート電極26aおよび26b下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t5の期間に転送ゲート電極26b下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK3を、それぞれ、約3Vおよび約−8Vに保持した状態で、クロック信号CLK2を約3Vから約−8Vに変化させる(図9に示すt7の期間)。これにより、図10に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極26aがオン状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約−8V)が供給される転送ゲート電極26bがオフ状態に変化する。また、クロック信号CLK3(約−8V)が供給される転送ゲート電極26cがオフ状態に保持される。このため、転送ゲート電極26a下の領域にのみポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t6の期間に転送ゲート電極26aおよび26b下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子と、転送ゲート電極26a下の領域で生成された光電変換による電子および熱励起などによる電子(暗電流となる電子)が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK3を、それぞれ、約3Vおよび約−8Vに保持した状態で、クロック信号CLK2を約−8Vから約3Vに変化させる(図9に示すt8の期間)。これにより、図10に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極26aがオン状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極26bがオン状態に変化する。また、クロック信号CLK3(約−8V)が供給される転送ゲート電極26cがオフ状態に保持される。このため、転送ゲート電極26aおよび26b下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t7の期間に転送ゲート電極26a下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
この後、上記したt1〜t8の期間に行われた動作と同様の動作を繰り返し行う。すなわち、転送ゲート電極26a、26bおよび26cを、オン状態とオフ状態とに所定の周期で切り替える。
次に、転送期間の際には、3相のクロック信号CLK1、CLK2およびCLK3を、それぞれ、約−5V、約3Vおよび約−5Vにする(図9に示すt11の期間)。これにより、図11に示すように、クロック信号CLK1(約−5V)が供給される転送ゲート電極26aがオフ状態となるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極26bがオン状態となる。また、クロック信号CLK3(約−5V)が供給される転送ゲート電極26cがオフ状態となる。このため、転送ゲート電極26b下の領域にポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、撮像期間に蓄積されていた電子が蓄積される。なお、転送期間に転送ゲート電極26a、26bおよび26cをオフ状態にするためのオフ電圧(約−5V)は、上記した撮像期間に転送ゲート電極26a、26bおよび26cをオフ状態にするためのオフ電圧(約−8V)よりもVd(約3V)(図9参照)だけ小さい。
ここで、第2実施形態では、転送ゲート電極26a、26bおよび26cに高いオフ電圧(約−5V)が印加されていることにより、転送期間にオフ状態の転送ゲート電極26a、26bおよび26c下の領域に発生する正孔の量が、上記した撮像期間にオフ状態の転送ゲート電極26a、26bおよび26c下の領域に発生する正孔の量よりも少なくなる。したがって、転送ゲート電極26a、26bおよび26c下の領域に電子が転送された際に、電子と正孔とが再結合する確率が低くなる。
次に、クロック信号CLK1およびCLK2を、それぞれ、約−5Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK3を約−5Vから約3Vに変化させる(図9に示すt12の期間)。これにより、図11に示すように、クロック信号CLK1(約−5V)が供給される転送ゲート電極26aがオフ状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極26bがオン状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約3V)が供給される転送ゲート電極26cがオン状態に変化する。このため、転送ゲート電極26bおよび26c下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t11の期間に転送ゲート電極26b下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK3を、それぞれ、約−5Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK2を約3Vから約−5Vに変化させる(図9に示すt13の期間)。これにより、図11に示すように、クロック信号CLK1(約−5V)が供給される転送ゲート電極26aがオフ状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約−5V)が供給される転送ゲート電極26bがオフ状態に変化する。また、クロック信号CLK3(約3V)が供給される転送ゲート電極26cがオン状態に保持される。このため、転送ゲート電極26c下の領域にのみポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t12の期間に転送ゲート電極26bおよび26c下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK2およびCLK3を、それぞれ、約−5Vおよび約3Vに保持した状態で、クロック信号CLK1を約−5Vから約3Vに変化させる(図9に示すt14の期間)。これにより、図11に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極26aがオン状態に変化するとともに、クロック信号CLK2(約−5V)が供給される転送ゲート電極26bがオフ状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約3V)が供給される転送ゲート電極26cがオン状態に保持される。このため、転送ゲート電極26aおよび26c下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t13の期間に転送ゲート電極26c下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK2を、それぞれ、約3Vおよび約−5Vに保持した状態で、クロック信号CLK3を約3Vから約−5Vに変化させる(図9に示すt15の期間)。これにより、図11に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極26aがオン状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約−5V)が供給される転送ゲート電極26bがオフ状態に保持される。また、クロック信号CLK3(約−5V)が供給される転送ゲート電極26cがオフ状態に変化する。このため、転送ゲート電極26a下の領域にのみポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t14の期間に転送ゲート電極26aおよび26c下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
次に、クロック信号CLK1およびCLK3を、それぞれ、約3Vおよび約−5Vに保持した状態で、クロック信号CLK2を約−5Vから約3Vに変化させる(図9に示すt16の期間)。これにより、図11に示すように、クロック信号CLK1(約3V)が供給される転送ゲート電極26aがオン状態に保持されるとともに、クロック信号CLK2(約3V)が供給される転送ゲート電極26bがオン状態に変化する。また、クロック信号CLK3(約−5V)が供給される転送ゲート電極26cがオフ状態に保持される。このため、転送ゲート電極26aおよび26b下の領域に連続したポテンシャル井戸が形成されるとともに、そのポテンシャル井戸に、t15の期間に転送ゲート電極26a下の領域に形成されたポテンシャル井戸に蓄積されていた電子が蓄積される。
この後、上記したt11〜t16の期間に行われた動作と同様の動作を繰り返し行うことによって、撮像期間に所定の画素25で蓄積された電子を、所定の画素25と隣接する別の画素25に順次転送する。このようにして、撮像期間に撮像部21に蓄積された1フレーム(全ての画素25)の電子を蓄積部22(図7参照)に転送する。なお、蓄積部22では、上記したt11〜t16の期間と同様にして転送ゲート電極26を駆動させる。そして、蓄積部22に蓄積された電子を1行分ずつ水平転送部3(図1参照)に転送するとともに、その1行分の電子を出力部4(図1参照)に出力する。
第2実施形態では、上記のように、転送ゲート電極26は、各画素25間の境界近傍に位置する転送ゲート電極26aおよび26cと、転送ゲート電極26aおよび26cに挟まれるように配置される転送ゲート電極26bとを含み、転送ゲート電極26a、26bおよび26cを、撮像期間の際に、オン状態とオフ状態とに切り替えることによって、撮像期間の際に、同一の画素25内において、電子を蓄積するためのポテンシャル井戸を、転送ゲート電極26a、26bおよび26c下の領域にそれぞれ形成することができる。これにより、撮像期間の際に、同一の画素25内において、転送ゲート電極26a、26bおよび26c下の領域で発生する暗電流を平均化処理することができるので、転送ゲート電極26a、26bおよび26c下の領域で発生する暗電流のばらつきを抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、撮像期間の際に、転送ゲート電極26に含まれる各画素25間の境界近傍において隣接する転送ゲート電極26aおよび26cのうち少なくとも1つを、オフ状態にすることによって、各画素25間の境界近傍において隣接する転送ゲート電極26aおよび26c下の領域のうち少なくとも1つがポテンシャルバリアになっているので、隣接する各画素25間で蓄積される電子が混入することを抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、隣接する画素25の転送ゲート電極26aおよび26cの境界部と、画素25の上方に設けられた複数の色領域を有するカラーフィルタ32の各色領域の境界部32aとの間に設けられ、各画素25間を分離するための遮光膜33を備えることによって、容易に、所定の画素25に隣接する画素25に入射された光が、所定の画素25に混入するのを抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、撮像期間においてポテンシャル井戸を形成するための転送ゲート電極を、各画素に2つずつ配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、撮像期間においてポテンシャル井戸を形成するための転送ゲート電極を、各画素に1つずつ配置してもよいし、3つ以上ずつ配置してもよい。
また、上記第1実施形態では、撮像期間の際に、各画素の内側に配置された2つの転送ゲート電極を、所定の周期でオン状態とオフ状態とに切り替えることにより、蓄積された電子を同一の画素内で転送する例を示したが、本発明はこれに限らず、撮像期間の際に、各画素の内側に配置された少なくとも1つの転送ゲート電極を、常にオン状態に保持するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、撮像期間におけるオフ電圧を約−8Vに設定し、転送期間におけるオフ電圧を約−5Vに設定する例を示したが、本発明はこれに限らず、撮像期間におけるオフ電圧が、転送期間におけるオフ電圧よりも低ければよい。たとえば、撮像期間および転送期間におけるオフ電圧を、それぞれ、0Vおよび2V(正電圧)に設定してもよい。また、撮像期間および転送期間におけるオフ電圧を、それぞれ、負電圧および正電圧に設定してもよい。
また、上記第2実施形態では、画素間の境界近傍に位置する転送ゲート電極26aおよび26cに1つの転送ゲート電極26bが挟まれる例を示したが、本発明はこれに限らず、転送ゲート電極26aおよび26cの間に2つ以上の転送ゲート電極26bを配置してもよい。