JP4328785B2 - モールド、パターン転写装置、及びパターン形成方法 - Google Patents

モールド、パターン転写装置、及びパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、モールド、パターン転写装置、及びパターン形成方法に関するものである。
基板上に所望のパターンを転写する代表的な技術として、半導体プロセスで使用される露光技術が挙げられる。
一般的な光を用いた露光技術では、光源の短波長化や光学系の進歩などにより解像度が著しく向上し、それによって露光パターンの一層の微細化が図られ、それに伴い半導体集積回路の微細化が実現されてきた。
現在では、ArFエキシマレーザー(λ=193nm)を用いて100nm以下といった極めて微細なパターンの露光も行われている。
また、より微細なパターンに対応するFエキシマレーザー(λ=157nm)を使用した露光技術や、更には次世代の露光技術としてEUV(超紫外線)露光やX線露光、電子線露光といったものも検討がなされている。
以上のように、露光技術は次世代に向けて進展する一方で、新たな微細加工技術も登場してきている。
具体的には、非特許文献1に紹介されているように、モールド上の微細な構造を、樹脂や金属等の被加工部材に加圧転写する微細加工技術が開発され、注目を集めている。
この技術は、ナノインプリントあるいはナノエンボッシングなどと呼ばれ、次世代の半導体製造技術としての期待が高まっている。
また、ナノインプリント法は、立体構造をウエハレベルで一括加工可能であり、幅広い分野への応用が期待されている。
すなわち、フォトニッククリスタル等の光学素子や、あるいはμ−TAS(Micro Total Analysis System)等のバイオチップの製造技術としての、応用が期待されている。
非特許文献2では、石英基板の表面に微細構造を作製してモールドとし利用する。UV硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)を塗布した基板に押し付けて、UV光を照射し、固化させることでモールド上の微細構造を転写する方法が提案されている。
また、特許文献1では、ワークとの形状誤差に応じて、モールドのサイズを補正する際に、モールド(テンプレート)の側面にピエゾアクチュエータを配置し、このアクチュエータにより、モールドの側面に外力を加える。
これにより、モールドサイズの補正をする手段が提案されている。
米国特許第6696220号明細書 Stephan Y.Chou et.al.,Appl.Phys.Lett,Vol.67,Issue 21,pp.3114−3116(1995) Proceedings of the SPIE´s 24thInternational Symposium on Microlithography:Emerging Lithographic Technologies III,Santa Clara,CA,Vol.3676,Part One,pp.379−389(March 1999)
ところで、露光技術で微細加工する際には、パターン自体に生じた変形を補正する場合、光学的な倍率補正によってその変形を補正することができる。これに対して、上記したインプリントではモールド自体がワークに直接接触してパターン形成を行うことから、露光技術のように光学的な補正方法を使用することはできない。これらを半導体製造工程に適用した場合を例にとって、以下に説明する。
露光技術による場合には、まず、Siウエハに感光性のレジストを塗布し、光露光装置によりレチクルの像を、光を用いてレジスト上に焼き付ける。
その後、現像工程により所望の形状のレジストパターンを得る。
次に、これをマスクとして、ウエハ上の所望の位置をエッチングしたり、あるいは成膜、イオン注入、研磨などを行う。続いて再度レジストを塗布し、前の層に重なるように位置決めをして次の層の露光を行い、同様の工程を繰り返す。
成膜工程においては、膜応力が発生したり、イオン拡散工程での熱応力などにより、作製されたパターン自体に変形が生ずる。
この変形を無視して次の層の露光を行うと、露光時の位置決め誤差がなかったとしても、前の層のパターン自体が変形しているため、上下の層に許容範囲外のずれが生じる恐れがある。
このため、光露光装置では、上記パターン自体に生じた変形を補正するために、光学的に倍率を補正をする機能を搭載する場合がある。
一方、上記したインプリントによる加工技術では、モールド自体が被加工物に直接接触し、パターン形成を行うことから、光露光機の倍率補正のような光学的な補正方法を使用することが難しい。
このため、上記特許文献1では、上記した光露光機の倍率補正の代替となる補正方法として、モールド(テンプレート)の側面にピエゾアクチュエータを設け、当該側面からモールドを圧縮、変形させて、モールドのサイズを補正する方法が採られている。
しかしながら、上記特許文献1の方法では、モールドの側面からの外力のみによりサイズ補正を行うので、モールドとピエゾアクチュエータからなるチャック機構とが接する部分において、モールドに欠けなどの破損が生じる恐れがある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、新規な手法によりサイズ補正をすることができるモールドを提供することを目的とするものである。
また、本発明は、当該モールドを利用したパターン転写装置及びパターン形成方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るモールドは、
凹凸パターンが形成されている第1の面と、
該モールドの厚さ方向に関して、該第1の面と反対側にある第2の面と、
熱を発生する発熱体と、を有し、該発熱体は前記第2の面に、あるいは前記第1の面と前記第2の面との間に、該モールドと直接接触して設けられていることを特徴とする
た、本発明に係るパターン転写装置は、
前記第1あるいは第2の本発明に記載したモールドを保持するためのモールド保持部、
前記発熱体に流す電流量を制御するための制御部、及び、
前記モールドが有する凹凸パターンが転写される被加工物を支持するための支持部を有することを特徴とする。
また、本発明に係るパターン形成方法は、
前記第1あるいは第2の本発明に記載したモールドを用意し、
前記モールドと対向して配置される該被加工物を用意し、
前記発熱体を用いて、前記モールドのサイズを調整し、
前記モールドが有する前記凹凸パターンと前記被加工物とを接触させることを特徴とする。
なお、本願には、以下の発明も包含される。
本発明に係るモールドは、転写パターンが形成された加工面を有するモールドにおいて、前記モールドは、該モールド自体の構成の一部に該モールドのサイズを変更することが可能な構成要素を含むことを特徴とする。
また、本発明のワークに対してパターン形状を転写する加圧加工用のモールドの製造方法は、
パターン層の一方の面に、光透過性の発熱層を形成する工程と、前記発熱層と電気接続された電極を形成する工程と、
前記パターン層の前記発熱層が形成された面と反対側の面に、ワークに転写するためのパターンを形成する工程と、
を有することを特徴としている。
また、本発明のワークに対してパターン形状を転写する加圧加工用のモールドの製造方法は、
パターン層の一方の面に、該面と平行なある方向に圧電素子からなる伸縮層を伸縮駆動するための伸縮電極層を形成する工程と、
前記伸縮電極層上に、前記伸縮層を形成する工程と、
前記伸縮層上に、共通電極層を形成する工程と、前記共通電極層上に、前記パターン層の一方の面と平行な前記ある方向と異なる方向に圧電素子からなる伸縮層を伸縮駆動するための伸縮電極層を形成する工程と、
前記異なる方向に伸縮駆動する伸縮電極層上に、前記異なる方向に伸縮駆動される伸縮層を形成する工程と、
前記パターン層上のこれらの伸縮層が少なくとも2層形成された面と反対側の面に、ワークに転写するためのパターンを形成する工程と、
を有することを特徴としている。
また、本発明の加圧加工装置は、モールドをワークに対して加圧し、該モールドのパターン形状を該ワークに転写するに際して、該ワークとの形状誤差に応じて該モールドのサイズを補正可能とした加圧加工装置において、
前記モールドとして、上記した加圧加工用のモールド、または上記したモールドの製造方法によって製造された加圧加工用のモールドを駆動する機構を備えていることを特徴としている。
また、本発明の加圧加工方法は、モールドをワークに対して加圧し、該モールドのパターン形状を該ワークに転写するに際し、該ワークとの形状誤差に応じて該モールドのサイズを補正しながら加工する加圧加工方法において、
前記モールドに、上記した加圧加工用のモールド、または上記したモールドの製造方法によって製造された加圧加工用のモールドを用いて加工することを特徴としている。
本発明によれば、新規な手法によりサイズ補正をすることができるモールド、パターン転写装置及びパターン形成方法、等を実現することができる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態におけるモールドについて説明する。
図1に、本実施形態に係るモールドを説明するための模式的断面図を示す。
図1(a)において、1000は、凹凸パターンを有するモールドを指している。
1050は、当該パターンが形成されている第1の面(加工面と記載する場合もある。)を、1055は、モールドの厚さ方向に関して、第1の面と反対側にある第2の面を、それぞれ示している。
1010は、モールドのサイズを変形させるための発熱体である。
モールドの凹凸パターンのサイズを変形させることができれば、発熱体の位置や大きさは特に限定されるものではない。図1(a)のように、モールドの厚さ方向の断面図を見たときに、部分的に設けてもよいし、図1(b)のように第2の面全面に設けてもよい。
更に、発熱体1010の上に更に当該発熱体を被覆する被覆膜1090を設けてもよい。なお、モールドの厚さ方向とは、前記第1の面と第2の面に直交する方向である。
発熱体の位置も必ずしも第2の面である必要はなく、第1の面と第2の面間に設けることもできる。なお、第1の面自体を発熱体となり得る材料で構成してもよい。
被覆する材料としては、例えば、放熱し難い材料を用いたり、モールドの構成材料と同一の材料を用いることができる。
また、図1(c)のように、モールドに、発熱体1010を埋め込んでもよい。凹凸パターンのサイズ補正を行うためには、発熱体の位置は、なるべく第1の面1050に近い方が良い。
図1(c)のように埋め込まれた発熱体は、例えば、モールドをシリコンで形成し、発熱体となる領域に、リン、砒素、アンチモン、ボロンなどをイオン注入することによりp+あるいはn+にする。
そして、当該領域に電流を流すことで発熱体として機能させることができる。
図1(a)から(c)で示した発熱体が電流を流すことにより発熱する場合は、電流を流すための電極をモールド自体に設けてもよいし、電気的に発熱体と接続できるのであれば、モールドを保持するためのホルダー部に電極を設けておいてもよい。
発熱体とは、例えば電流を流すことで発熱する抵抗膜や、電磁誘導を利用するものが挙げられる。
モールドは、光硬化性の樹脂を使用するインプリント方法においては、光透過性の物質(例えば、石英、パイレックス(登録商標)、サファイアなど)で構成される。勿論光を用いて透過させる必要が無い場合は、NiやCrなどの金属材料やシリコンなどを用いることもできる。
本実施形態に係るモールドは、発熱体から前記凹凸パターンへの熱伝導により、前記凹凸パターンのサイズを補正可能に構成されている。熱伝導を用いることで、輻射を利用する場合に比べ、高速に加熱し易い。
また、前記発熱体を、モールドの第2の面あるいは、第1の面と第2の面との間に複数設けることができる。その例を図5に示している。
図5の詳細は後述するが、発熱体である光透過性を有する抵抗層301、302、303、304をモールドの裏面に設けておく。
これにより、モールドの裏面(第2の面)の面内方向に等方的なサイズ補正のみならず、電流を流す抵抗層を適宜選択することで非等方的なサイズ補正も可能となる。
図5の例では、モールドの裏面に発熱体を4つ設ける例を示したが、より多くの発熱体を利用することで、より厳密なサイズ補正が可能となる。
複数の発熱体を用いる場合には、それらは互いに独立して発熱制御可能であることが望ましい。
複数の発熱体は、図5のように前記第1の面の面内方向に複数設けるのがよい。なお、どのようなインプリント法に適用するかにも依るが、前記発熱体は、光透過性を有することが望ましい。例えば、紫外線硬化の樹脂にパターンを転写する場合には、紫外線に対して吸収の少ない材料で発熱体を構成する。
なお、モールドの内部に発熱体を埋め込んだり(図1(c))や発熱体をモールドと他の層で挟持することにより、外部への放熱が抑制されるので、発熱体からの熱を効果的に凹凸パターン側に伝えることができる。
本実施形態においては、上記構成を適用して、モールド自体に変形機能を持たせ、ワークとの形状誤差に応じて、モールドのサイズを等方的に、あるいは部分的に変形させ、その形状誤差を補正するように構成することができる。
例えば、モールドのサイズを等方的に変形させるに際しては、透明な材料で形成されたパターン層の加工面と反対側の面に光透過性の発熱層(電気抵抗層)を形成し、この発熱層(電気抵抗層)と電極とを電気接続させた構成とする。
このような構成のもとで、電極を駆動し抵抗層に電流を流して発熱させ、モールドを加熱して熱膨張させることで、モールド全体を伸縮させてワークとの形状誤差を補正することが可能となる。
また、モールドのサイズを部分的に変形させるに際しては、パターン層の加工面と反対側の面に形成された光透過性の発熱層(電気抵抗層)を、加工面方向に複数の部分に分割し、この分割された部分毎に前記電極を駆動制御可能に構成する。これによってモールドを複雑な形状に変形させることができ、様々な形状誤差に対応することが可能となる。
なお、上記構成例では、抵抗層に電流を流して発熱させる構成を用いたが、本発明はこのような抵抗加熱に限られるものではない。例えば、前記パターン層の加工面反対側の面を、前記発熱層(電気抵抗層)に代えて誘導加熱をおこさせる導電層で形成し、誘導加熱を生じるように構成してもよい。
発熱体を用いる場合は、モールドのサイズを拡大させる方向にしか変形できないが、予め転写しようとしているパターンを縮小した凹凸パターンを備えたモールドを採用することで、実質的なモールドのサイズ補正が可能となる。
また、本実施形態においては説明した発熱体に替えて、吸熱あるいは冷却機能のある熱伝素子(例えば、ペルチェ素子)を採用することもできる。
なお、下記第2の実施形態において詳述するが、本実施形態に係る発明に、米国特許第6696220号明細書)に記載した技術、即ち、ピエゾアクチュエータによりモールドの側面から外力を加える技術を併用することもできる。
斯かる場合にも、モールドの側面から加えられる外力だけによることなくモールドサイズ(あるいはパターンサイズ)を変形させることができるので、本実施形態に斯かる発明は有用である。
なお、モールドのサイズ変形量は、例えば、モールドの温度とそのサイズ(あるいはサイズ変化量)の関係についてのデータベースを予め用意してそれを利用することで、モールドのサイズ制御が可能となる。
[第2の実施形態]
つぎに、本発明の第2の実施形態におけるサイズ調整部材を備えているモールドについて説明する。
図2に、本実施形態を説明するための模式的断面図を示す。
本実施形態におけるモールドは、図2に示すように凹凸パターンが形成されている第1の面1050と、該モールドの厚さ方向に関して、該第1の面と反対側にある第2の面1055とを有するモールドにおいて、以下の特徴を有する。
該凹凸パターンを該第1の面の面内方向に変形させるためのサイズ調整部材2010が、モールド本体における第2の面1055に設けられている。
第1の実施形態で図1を用いて説明したように、当該サイズ調整部材を第2の面に設けてもよいし、第1の面1050と第2の面との間に設けてもよい。
サイズ調整部材とは、例えば、前記第1の面(あるいは第2の面)の面内方向に伸縮可能な伸縮層である。このような伸縮層を必要に応じて複数層設けることもできる。
例えば、サイズ調整部材を、第1の伸縮層と、該第1の伸縮層と伸縮可能な方向が異なる第2の伸縮層とで構成することができる。伸縮層としては、圧電素子層が挙げられる。
なお、2つの伸縮層は、図5の発熱体の例で示すように面内方向に区分けして配置することもできるが、以下のように積層することもできる。
例えば、該二つの伸縮層を、前記パターン層の加工面と平行な面の面内方向(即ち、第1の面の面内方向)において、異なる2方向に伸縮駆動可能となるように構成する。
また、圧電素子からなる伸縮層を2層設け、これらに個別に電圧を印加することにより、異なる2方向にそれぞれ変形制御することができる。圧電素子を用いる場合は、温度変化を生じることなく、異方性を持った形状誤差の補正が可能となる。
更にまた、第2の面1055に、サイズ調整部材2010を設けておき、更に該部材の上に、前記モールドと同じ厚さで、且つ同じ材料からなる支持体を積層することも好ましい形態である。
本実施形態においては、サイズ調整部材として、上記伸縮層を適用できることは勿論であるが、前述の第1の実施形態で説明した発熱体をサイズ調整部材として採用することもできる。
即ち、サイズ調整部材として、熱電効果を利用した素子(ペルチェ素子など)を適用することができる。熱電効果を利用した素子としては、吸熱機能や冷却機能を有する素子を採用できる。発熱体やペルチェ素子など両者を併用することもできる。
更にまた、本実施形態に係る発明に、既述の文献(米国特許第6696220号明細書)に記載した技術、即ち、ピエゾアクチュエータによりモールドの側面から外力を加える技術を併用することもできる。
斯かる場合、モールドの破損を予防する為に、ピエゾアクチュエータがモールドに加える外力を小さくしてモールドのサイズを補正し、当該補正では不足する部分を、前述の発熱体や伸縮層やペルチェ素子などのサイズ調整部材を用いてサイズ補正を行うのである。
勿論、まず第2の面側から、サイズ調整部材によりモールドのサイズを補正した後、ピエゾアクチュエータなどにより側面に外力(引っ張り、あるいは圧縮)を加えて、サイズ補正を行うことができる。その逆でもよい。モールドの裏面側(第2の面側あるいはモールド内部)からの補正、及びモールド側面側からの補正の2つの補正機構により、サイズ調整を行うのである。
以下に、モールドの側面から外力を加えサイズ補正をする一例について説明する。
図7に、本実施形態に係るサイズ調整部材を備えているモールドを説明するための模式的断面図を示す。
図7(a)において、7900は、モールド2000の側面から外力を加えるためのピエゾアクチュエータである。2010は上述したサイズ調整部材である。
7001はモールドの裏面側を支持するための支持部であり、また7002はモールドの側面側を支持するための支持部である。
図7(b)は、図7(a)の上面図に該当する。モールドの裏面側に配置されているサイズ調整部材2010が見えるように描いており、支持部7001等は、省略している。
モールドの側面の複数箇所にピエゾアクチュエータ7900を配置した例を示している。
これら圧電素子からなるピエゾアクチュエータは、個々独立して制御可能であることが好ましい。
以上の構成により、モールドの側面から外力を加えサイズ補正をすることが可能となる。
[第3の実施形態]
つぎに、本発明の第3の実施形態におけるパターン転写装置について説明する。
本実施形態は、前記第1あるいは第2の実施形態で説明したモールドあるいはモールドを備えた装置を利用して構成した、パターン転写装置に関する。
詳細は、後述する実施例において、図4を用いて説明するが、パターン転写装置として、該モールドを保持するためのモールド保持部250を備えている。
そして、補正量を制御する制御部(あるいは、前記発熱体に流す電流量を制御する制御部や前述のサイズ調整手段による調整量を制御する制御部)を有することが特徴である。
このような装置は、光硬化性の樹脂を使用する光インプリント方式や熱インプリント方式などとして利用できる。
[第4の実施形態]
つぎに、本発明の第4の実施形態におけるパターン形成方法について説明する。
本実施形態に係るパターン形成方法は、モールドが有するパターンを用いて、被加工物にパターンを形成するための方法である。
具体的には、前述の実施形態1あるいは2において説明したモールドや、装置を用意する。
その後、当該モールドと対向して、被加工物を配置する。
そして、前記発熱体などのサイズ調整部材を用いて、前記モールドのサイズを調整する。
サイズが調整された状態で、前記モールドが有する凹凸パターンと、前記被加工物とを接触させる。
そして、紫外線などの光照射や加熱によりパターンを転写する。例えば、シリコン基板上の樹脂やレジストに、前記モールドが有する凹凸パターンを転写するのである。
ここで、被加工物(ワークという場合もある。)は、基板自体、あるいは基板上に樹脂などの被覆層を設けた部材を意味する。
基板としては、基板の材料としては、Si基板、GaAs基板等の半導体基板、あるいはこれら半導体基板に樹脂をコートしたもの、あるいは樹脂板、ガラス基板、等を用いることもできる。更に、これらの材料からなる基板に、薄膜を成長させたり、貼り合わせたりして形成される多層基板も使用できる。勿論、石英基板などの光透過性の基板を使用することもできる。
被覆材として用いられる樹脂の硬化は、例えば紫外線をモールド側から被覆材に照射することにより行われる。光硬化性樹脂の例としては、ウレタン系やエポキシ系やアクリル系などがある。
勿論、本実施形態は、光インプリント法に限られるものではない。フェノール樹脂やエポキシ樹脂やシリコーンやポリイミドなどの熱硬化性樹脂や、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネ−ト(PC)、PET、アクリルなどの熱可塑性樹脂を用いることもできる。
さらに、被覆材には、PDMS(Polydimethylsiloxane)を利用することもできる。
なお、パターンの転写は、石英基板やシリコン基板などに直接行うこともできる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1においては、本発明を適用して等方的にモールド全体のサイズの補正を可能とした加圧加工用モールドを作製する。
図3(a)、(b)に本実施例のモールドの構成を示す。図3(a)はモールドを加工面(ワークと接する面)と平行な方向から見た図であり、図3(b)は加工面に対して反対方向から見た図である。
図3(a)、(b)において、100はモールド、101は光透過抵抗層、102は電極(a)、103は電極(b)、104はパターン層である。
光透過性のパターン層104の加工面には、所望の形状が微細な凹凸として刻まれている。上記加工面と反対側には、光透過抵抗層101がパターン層104と一体となって形成され、さらに光透過抵抗層101の4辺のうち対向する2辺に装置との間で良好な電気的接続をとるため電極(a)102、電極(b)103が設けられている。
つぎに、本実施例のモールド100の作製方法の一例について説明する。
まず、パターン層104となる石英ウエハを正方形に切り出し、2辺をメタルマスクで覆い、光透過抵抗層101となるITOをスパッタ法にて成膜する。
次に、ITO膜以上の膜厚で電極(a)102、電極(b)103となる金を蒸着法にて成膜し、ITO膜全面が露出するまで研磨を行う。
次に、ここまで加工を行った面の反対面に電子線レジストを塗布し、電子線描画機で所望のパターンを描画する。これを現像した後、ドライエッチングによりパターン層104をエッチングする。
最後に、残ったレジストをアッシングや溶剤洗浄等で除去して、図3(a)、(b)に示すモールド100が完成する。
図3(c)に、本実施例で形成した光透過抵抗層101の構成例を示す。
本実施例では、図3(c)に示すような蛇行した光透過抵抗層101を形成した。このような蛇行した形状の光透過抵抗層101は、ITO成膜時のマスクにこのような蛇行した形状のものを用いることによって形成してもよいし、あるいは成膜後にさらにパターニングするなどして形成してもよい。
このような蛇行した光透過抵抗層101を形成することで、電極(a)102及び電極(b)103と光透過抵抗層101との抵抗比によらず、各部分で流れる電流量を均一化することが可能となる。これにより、モールドの製造コストは若干上昇するが、発熱量の均一化のためには有効な構成を得ることができる。
なお、各部材の材質、加工方法等は上記したものには限られない。例えば、石英ウエハの代わりにサファイヤ基板など他の光透過性材料を用いてもよく、またITO(インジウム錫酸化物)の代わりにIZO(インジウム亜鉛酸化物)など他の光透過性の抵抗材料を用いてもよい。あるいは、Taなどの金属材料を加工に必要な光量が透過する程度に薄く成膜してもかまわない。
また、加工方法についても、電子線リソグラフィーの代わりに、FIB加工や光リソグラフィーなど所望のものを適用することが可能である。
さらに、電極(a)102、電極(b)103を形成せず、光透過抵抗層101に装置側の接点を接触させるように構成してもよい。これにより電気的接続性には劣るもののモールド作製コスト低減のためには有効な構成を得ることができる。
また、電極の配置構成についても上記以外の構成を採ることができる。
図3(d)に、本実施例における別の形態による電極の配置構成を示す。
図3(d)に示すように、光透過性の電極(a)102及び電極(b)103を、光透過抵抗層101と同様に加工面の鉛直方向に積層して構成することも可能である。この場合、厚みが増して光透過性は落ちる場合もあるが、モールド裏面(パターン層104と反対の面)が電極(a)102のみで構成されるため、研磨工程等を経なくても平坦性が確保し易くなる。そのため、モールドコストの低減や、特に平坦性が要求される場合、パターン層104が先に形成されている場合、等において有効な構成を得ることができる。
つぎに、本実施例のモールドを備えた加圧加工装置について説明する。
図4に本実施例のモールドを備えた加圧加工装置の構成を示す。この加圧加工装置は、上述の実施形態で説明したパターン転写装置に該当する。
図4において、201は筐体、202はx,y,θz駆動機構、203はz,θx,θy駆動機構、204はUV光源、205はスコープ、206は補正用接点である。
207は前述した本実施例によるモールド、208はワーク、209はプロセス制御回路、210は露光量制御回路、211は補正量検出回路、212は補正量制御回路、213は姿勢制御回路、214は位置制御回路である。250はモールド保持部である。
図4に示すように、前述した本実施例によるモールド207とSiウエハ上に光硬化樹脂をコートしたワーク208が対向して配置される。
モールド207とスコープ205は部材を介してz,θx,θy駆動機構203に接続されており、この部材のモールド207の取付部には電極(a)102、電極(b)103に接触して電気的接続を取るための補正用接点206が設けられている。
スコープ205は、レンズ系とCCDカメラから構成されており、ワーク208表面の情報を画像として取得する。ワーク208はx,y,θz駆動機構202に取り付けられ、x,y,θz駆動機構202とz,θx,θy駆動機構203とは筐体201を介して接続される。
筐体201のモールド207の裏面側にあたる部分には、UV光源204が取り付けられている。
プロセス制御回路209は、露光量制御回路210、補正量検出回路211、補正量制御回路212、姿勢制御回路213、位置制御回路214に指示を出しプロセスを進めると共に、これらからの出力データを受け取る。
露光量制御回路210は、UV光源204を制御して露光を行う。
補正量検出回路211は、スコープ205の検出信号から補正量を計算し、補正量制御回路212は補正用接点206を通じてモールド207に通電しこれを変形させる。
姿勢制御回路213と位置制御回路214は、x,y,θz駆動機構202とz,θx,θy駆動機構203を駆動し、それぞれ、モールド207とワーク208との相対的な姿勢と位置を制御する。なお、x,y,z,θx,θy,θzの各軸の機構上の配置はこれに限られるものではなく、設計上適宜決められることは言うまでもない。
次に本実施例における加圧加工プロセスを説明する。
まず、z,θx,θy駆動機構203を用いて前述のワーク208にモールド207を押し付ける。つぎに、UV光源204でUV光を照射して光硬化樹脂を硬化させた後、ワーク208からモールド207を剥離することでパターン層104加工面の凹凸パターンをワーク208に転写する。
パターン層104加工面のパターンにはアライメントマーク(不図示)が含まれており、所望のパターンと一緒にワークに転写される。アライメントマークの形状は十字や長方形など光露光機で従来使われてきたものから適宜選択し、モールド207加工面の凹凸や、構成材料を変えることにより実現される。
モールド207加工面の大きさ(画角)は適宜選択できるが、ここでは説明のため25mm□(25mm×25mmの四角形という意味である。)とする。
ここで、z,θx,θy駆動機構203を使用し、ワーク208の面内方向にモールド207とワーク208を相対移動させながら、転写されたパターンで埋めて行く。
すなわち、前述の加圧、露光、剥離を繰り返し、代表的な光露光機であるステッパ、スキャナ等のように、ワーク208の表面を25mm□毎に転写されたパターンで埋めて行く。
なお、モールド作製コストは大きくなるが、より高いスループットを求める場合などには、ワーク大のモールド207を作製し、ワーク一括で加工を行うこともできる。
この後、ワーク208に作製された凹凸パターンをレジストパターンとして使用して、通常の半導体製造工程を行い、第1層の形成が完了する。
次にモールド207を第2層用ものに交換し、第1層が形成されたワーク208に再び光硬化樹脂をコートし、再びx,y,θz駆動機構202に取り付ける。次に、ステッパ、スキャナ等、代表的な光露光機と同様の方法で、第1層のアライメントマーカーを検出して各誤差量を計測する。
本実施例においては、x,y,θz駆動機構202を用いてワーク208を移動させてから、z,θx,θy駆動機構203を用いてスコープ205の焦点を合わせ、第1層のアライメントマーカーを撮影する。
この動作を複数のアライメントマーカーに対して行い、補正量検出回路211を用いて各画像の処理を行い、さらにx,y,θz駆動機構202の移動量とから第1層の形成工程で生じたパターンの伸縮量を計算する。
また、同じ処理によってx,y,θzの誤差量が計算され、スコープ205の焦点位置とx,y,θz駆動機構202の移動量とからz,θx,θyの誤差量が計算される。これらが姿勢制御回路213と位置制御回路214の補正量として使用される。なお、第1層の形成工程で生じたパターンの伸縮量の計測には、測長SEMなどの計測装置を別に設けて、それによる測定データを使用してもかまわない。
ここで本実施例における第1、2層間の伸縮量補正について説明する。
第2層用のモールド207のパターン層104の加工面には、第1層用のものに対して第1層の形成工程で生じるパターンの伸縮を見込んだ量より全体的に縮小したパターンが作製される。
補正量制御回路212は、先に検出した伸縮量に応じた電流を光透過抵抗層101に流して発熱させ、モールド207全体を加熱する。
加熱されたモールド207は熱膨張により伸張し、パターン層104加工面のパターンが第1層の伸縮量に応じた大きさに補正される。
例えば、第2層用として全体的に5ppm縮小したパターンを使用する。パターン層104の材質が線膨張係数0.5×10−6の石英である場合、前述の計測の結果、第1層が2ppm縮んでいたとすると、加熱により6℃モールド207の温度を上昇させることで、第1層と第2層のパターンの大きさを合わせることができる。
また、例えば、伸縮量が見込みを超えてしまった場合などにも、第2層以降のモールドを作り直すことなく、第1層加工時にモールドを伸張させることでも対応可能である。例えば前述の例に当てはめれば、第1層が7ppm縮んでいた場合にはこのワークは破棄せざるを得ないが、新たなワーク208を用いて第1層用のモールドを2ppm以上伸張させてから再度一連の加工を行うことで、対応可能である。
モールド207を加熱するための構成としては、本実施例以外の方式として、モールド取り付け部からの熱伝導により加熱する方法も考えられるが、このような方式ではモールド中心部までの距離が長くなるため温度の均一性を保つことが難しくなる。また、モールド以外の部材をも加熱せざるを得ないため、熱容量が大きく、応答速度が低下する。
これに対して、本実施例の方式は発熱部がモールド裏面全体にわたっており、また、伝熱方向である厚さ方向はそもそも加工の都合上、例えば数mm以下と距離が短いため温度の均一性を保つことが容易である。
さらに、加熱する部分が、ほぼモールドのみであるため、熱容量が小さく高い応答速度が得られる。
伸縮量が補正された後、第1層と同様に第2層のパターン転写が行われ、他の半導体製造工程を行われる。以上の動作を所望の層数繰り返し、デバイスを完成させる。
なお、図4の記載した加工装置においては、筐体内の温度を管理したり、温度センサを用いてモールドの温度を測定し、当該測定結果を基にモールドの補正量を調整することもできる。
なお、特許文献1に記載のように、モールドのサイズ変形を、その側面からのみ行おうとする場合、モールドを圧縮、変形させる際の反力を支えるためにチャック機構の周囲の部材が大型化することが予想される。本実施例に係る発明によれば、小型化することができる。
[実施例2]
実施例2においては、本発明を適用して部分的にモールドのサイズの補正を可能とした加圧加工用モールドを作製する。実施例1との共通部分についての説明は省略し、差異についてのみ説明する。
図5に本実施例のモールドの構成を示す。図5(a)はモールドを加工面(ワークと接する面)に対して反対方向から見た図である。
ここで、実施例1との違いは、光透過抵抗層が平面内において光透過抵抗層(a)301、光透過抵抗層(b)302、光透過抵抗層(c)303、光透過抵抗層(d)304 の4つに分割されていることである。
個々の透過抵抗体に対して、個別に電気的接続をとるための電極(a)305、電極(b)306、電極(c)307、電極(d)308と、共通の電極として共通電極309が設けられている。なお、共通電極309は接地するなどして、常に一定の電位に保たれている。
つぎに、本実施例のモールド300の作製方法の一例について説明する。
まず、光透過抵抗層となるITO膜を成膜する際に、4辺と中央を十字にメタルマスクで覆い、光透過抵抗層となるITOをスパッタ法にて成膜する。
次に、図5における各電極以外の部分をメタルマスクで覆ってから電極となる金を蒸着法にて成膜し、研磨を行って、光透過抵抗層と電極の高さを合わせる。これら以外の作製工程は実施例1と同様である。
図5(d)に、本実施例で形成した光透過抵抗層(a)301〜光透過抵抗層(d)304の構成例を示す。
本実施例では、図5(d)に示すような蛇行した光透過抵抗層(a)301〜光透過抵抗層(d)304を形成した。
このような蛇行した形状の光透過抵抗層(a)301〜光透過抵抗層(d)304は、実施例1と同様に、ITO成膜時のマスクにこのような蛇行した形状のものを用いることによって形成してもよい。あるいは成膜後にさらにパターニングするなどして形成してもよい。
これにより、各部分で流れる電流量を均一化することができ、実施例1と同様に、モールドの製造コストは若干上昇するが、発熱量の均一化のためには有効な構成を得ることができる。
装置の構成に関しても、実施例1とほぼ同一であるが、補正用接点206については図5(a)の各電極と個別に電気的接続を取るように配置する。
加圧加工プロセスについても、実施例1と基本的には同様であるが、モールドの伸縮のさせ方が異なるため、以下これについて図5(b)、図5(c)を用いて説明する。
図5(b)に、図5(a)に示す構成のモールド300に対し、光透過抵抗層(a)301と光透過抵抗層(b)302に通電した状態を示す。
ここで、通電された光透過抵抗層(a)301と光透過抵抗層(b)302のみ発熱し、パターン層のうちこれらと接する部分が熱膨張するため、図5(b)に示すように台形状に変形する。
また、図5(c)に、図5(a)に示す構成のモールド300に対し、光透過抵抗層(a)301と光透過抵抗層(d)304に通電した状態を示す。
この場合には、通電された光透過抵抗層(a)301と光透過抵抗層(d)304のみ発熱し、パターン層のうちこれらと接する部分が熱膨張するため、図5(c)に示すようにひし形様に変形する。
本実施例によれば、上記以外に例えば、4つの光透過抵抗層(a)301〜光透過抵抗層(d)304に等しく電流を流すことにより、実施例1と同様にモールド300の全体を等方的に変形させることができる。
また、これらの効果を足し合わせて、例えば、光透過抵抗層(a)301と光透過抵抗層(d)304に流す電流の半分を、光透過抵抗層(c)303と光透過抵抗層(d)304に流すなどして、全体的に膨張させながら台形に変形させることもできる。
あるいは、4つの光透過抵抗層(a)301〜光透過抵抗層(d)304における個々の光透過抵抗層に流す電流量を制御することで、より複雑な変形が可能である。
本実施例の構成によれば、モールドのより複雑な変形が可能であるため、より高精度の層間の重ね合わせが要求される場合、あるいは他の加工工程におけるワークの伸縮に異方性が大きい場合、等に特に好適である。
[実施例3]
実施例3においては、本発明を適用して上記各実施例とは異なる形態によりモールドのサイズの補正を可能とした加圧加工用モールドを作製する。
図6(a)、(b)に本実施例のモールドの構成を示す。図6(a)はモールドを加工面(ワークと接する面)と平行な方向から見た図であり、図6(b)はモールドの構成要素を説明するため層毎に分割して示した斜視図である。
光透過性のパターン層407の加工面には所望の形状が微細な凹凸として刻まれている。
また、加工面と反対側には圧電素子からなる光透過性のx伸縮電極405、x伸縮層403、共通電極406、y伸縮層402、y伸縮電極404がパターン層407と一体となって順に形成される。最後にパターン層と同じ材質、同じ厚みの支持層401が設けられる。
つぎに、本実施例のモールド400の作製方法の一例について説明する。
まず、パターン層407となる石英ウエハを正方形に切り出し、全面にx伸縮電極405となるITOをスパッタ法にて成膜する。
次に、SiOを成膜した後、光リソグラフィーで図6(b)中yの方向に並んだストライプ状のレジストパタンを形成する。これをマスクとして、SiO層をドライエッチングしてx伸縮電極405をストライプ状に露出させる。
次に、SiO層の膜厚以上に、x伸縮層403となるPZTをスパッタ法により成膜した後、研磨によりSiO層と高さを揃える。その際、PZTの最終的な膜厚は、加工に必要な光量が透過する厚さとする。
続いて、x伸縮電極405と同様に共通電極406を形成し、つぎにx伸縮層403と同様にして図中x方向にストライプ状に並んだy伸縮層402を形成する。
次に、x伸縮電極405と同様にy伸縮電極404を形成し、最後に支持層401を張り合わせる。なお、各電極層に対して電気的接続を取るために各層には切り欠きが設けられている。
さらに、共通電極406を接地してx伸縮電極405とy伸縮電極404に高電圧を印加することで、x伸縮層403とy伸縮層402を図中z方向に分極させて図6(a)、(b)に示すモールドが完成する。
なお、各部材の材質、加工方法等は上記したものには限られない。例えば、石英ウエハの代わりにサファイヤ基板など他の光透過性材料を用いてもよく、またITOの代わりにIZOなど他の光透過性の電極材料を用いてもよい。あるいはAlなどの金属材料を加工に必要な光量が透過する程度に薄く成膜してもかまわない。また、伸縮層にZnOなど別の強誘電材料を用いてもかまわない。
また、光リソグラフィーの代わりにFIB加工や切削加工など所望の加工方法を適用することが可能である。
装置構成等に関しては、上記した各実施例のものとほぼ同一であるが、補正用接点206については図5(a)各電極と個別に電気的接続を取るように配置する。
加圧加工プロセスについても上記した各実施例のものと基本的に同様であるが、モールドの伸縮のさせ方が異なるため、この点について以下に説明する。
本実施例においては、第2層用のモールドのパターン層407の加工面には、第1層用のものに対して第1層の形成工程で生じるパターンの伸縮を見込んだ量より、全体的に拡大したパターンが作製される。
補正量制御回路212は、先に検出した伸縮量に応じた電圧をx伸縮電極405とy伸縮電極404に印加する。なお、共通電極406は接地するなどして、常に一定の電位に保たれる。
x伸縮層403とy伸縮層402は、それぞれx伸縮電極405とy伸縮電極404と共通電極406の間の電界強度と向きに応じて、つぎのように伸縮しようとする。
すなわち、図中の主にx方向(パターン層の加工面と平行な一方の方向)、y方向(パターン層の加工面と平行で、且つ前記x方向と直交する方向)に伸縮しようとする。
これによりパターン層407を全体的にx方向、y方向に伸縮させることが出来る。なお、伸縮方向の力は各伸縮層にて発生するため、モールド全体が曲面状に変形する恐れがある。
これに対してパターン層407と対称になるように支持層401が設けられ、加工面方向以外の変形を防いでいる。
なお、例えば伸縮量が見込みを超えてしまった場合などには、実施例1と伸縮方向は逆になるが、第2層以降のモールドを作り直すことなく、第1層加工時にモールドを縮めて加工を行う事で同様に対応が可能である。
本実施例の構成によればモールドの伸縮を2方向独立に制御可能であるため、他の加工工程におけるワークの伸縮に異方性が大きい場合などに好適である。さらに、モールドの伸縮時に熱の発生を抑えることが出来るため、例えば、温度により粘度や感度が急激に変化するような、温度条件の厳しい樹脂を用いた加工に特に好適である。
本発明の実施の形態に係るモールドを説明するための模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係るモールドとサイズ調整部材を備えている装置を説明するための模式的断面図である。 本発明の実施例1におけるモールドの構成を説明する図である。(a)はモールドを加工面(ワークと接する面)と平行な方向から見た図、(b)は加工面に対して反対方向から見た図、(c)は光透過抵抗層の構成例を説明する図、(d)は別の形態による電極の配置構成を説明する図。 本発明の実施例1における加圧加工装置の構成を説明する図。 本発明の実施例2におけるモールドを説明する図であり、(a)はモールドを加工面(ワークと接する面)に対して反対方向から見た図、(b)及び(c)はモールドをサイズ変更させる動作の説明図、(d)は光透過抵抗層の構成例を説明する図。 本発明の実施例3におけるモールドの構成を説明する図である。(a)はモールドを加工面(ワークと接する面)と平行な方向から見た図、(b)はモールドの構成要素を説明するため層毎に分割して示した斜視図。 本発明の実施の形態に係るサイズ調整部材を備えているモールドを説明するための模式的断面図である。
符号の説明
100:モールド
101:光透過抵抗層
102:電極a
103:電極b
104:パターン層
201:筐体
202:x,y,θz駆動機構
203:Z,θx,θy駆動機構
204:UV光源
205:スコープ
206:補正用接点
207:モールド
208:ワーク
209:プロセス制御回路
210:露光量制御回路
211:補正量検出回路
212:補正量制御回路
213:姿勢制御回路
214:位置制御回路
1000:凹凸パターンを有するモールド
1010:発熱体
1050:凹凸パターンが形成されている第1の面
1055:第1の面と反対側にある第2の面
1090:被覆膜
2000:モールド
2010:サイズ調整部材
7001:モールドの裏面側を支持するための支持体
7002:モールドの側面側を支持するための支持体
7900:モールドの側面から外力を加えるピエゾアクチュエータ

Claims (9)

  1. モールドであって、
    凹凸パターンが形成されている第1の面と、
    該モールドの厚さ方向に関して、該第1の面と反対側にある第2の面と、
    熱を発生する発熱体と、を有し、該発熱体は前記第2の面に、あるいは前記第1の面と前記第2の面との間に、該モールドと直接接触して設けられていることを特徴とするモールド。
  2. 前記発熱体から前記凹凸パターンへの熱伝導により、前記凹凸パターンのサイズを補正可能に構成されている請求項1に記載のモールド。
  3. 前記発熱体が、複数設けられており、それらは互いに独立して発熱制御可能であることを特徴とする請求項1に記載のモールド。
  4. 前記発熱体が、前記第1の面の面内方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のモールド。
  5. 前記発熱体が、紫外線に対して光透過性を有することを特徴とする請求項1に記載のモールド。
  6. 前記発熱体に電流を流すための電極が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のモールド。
  7. 前記発熱体に電流を流すための電極が、前記第1の面に鉛直な方向に積層されていることを特徴とする請求項1に記載のモールド。
  8. 請求項1に記載のモールドを保持するためのモールド保持部、
    前記発熱体に流す電流量を制御するための制御部、及び
    前記モールドが有する凹凸パターンが転写される被加工物を支持するための支持部、を有することを特徴とするパターン転写装置。
  9. モールドが有するパターンを用いて、被加工物にパターンを形成するためのパターン形成方法であって、
    請求項1に記載の前記モールドを用意し、
    前記モールドと対向して配置される該被加工物を用意し、
    前記発熱体を用いて、前記モールドのサイズを調整し、
    前記モールドが有する前記凹凸パターンと前記被加工物とを接触させることを特徴とするパターン形成方法。
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