JP4326301B2 - エンドミル - Google Patents

エンドミル Download PDF

Info

Publication number
JP4326301B2
JP4326301B2 JP2003365863A JP2003365863A JP4326301B2 JP 4326301 B2 JP4326301 B2 JP 4326301B2 JP 2003365863 A JP2003365863 A JP 2003365863A JP 2003365863 A JP2003365863 A JP 2003365863A JP 4326301 B2 JP4326301 B2 JP 4326301B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
blade
rake face
end mill
gash
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003365863A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005125465A (ja
Inventor
実 夏目
謙太郎 杉浦
博俊 柳澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OSG Corp
Original Assignee
OSG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OSG Corp filed Critical OSG Corp
Priority to JP2003365863A priority Critical patent/JP4326301B2/ja
Publication of JP2005125465A publication Critical patent/JP2005125465A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4326301B2 publication Critical patent/JP4326301B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)

Description

本発明はエンドミルに関し、特に、突き加工時の刃欠けや折損を防止して、高能率な加工を行うことができるエンドミルに関するものである。
エンドミルを使用した金型の凹み加工では、エンドミルを軸心まわりに回転駆動させつつ、まず、エンドミルを被加工物に対して軸心方向(或いは、軸心を含む方向)へ移動させ(突き加工)、次いで、エンドミルを軸心と交差する方向(例えば、軸心と直角な方向)へ横送りさせる。
ところで、エンドミルの側面加工では、切削側の反対側が開放状態となるため、切り屑の排出性を考慮する必要はほとんど生じないが、突き加工においては、切り屑の排出性等が問題となる。そのため、このような突き加工を行うエンドミルでは、底刃の切削性およびチップルームの容量を確保するべく、底刃のすくい面にギャッシュを設けることが一般的である。
特に、この突き加工では、切削速度が早い底刃の外周端近傍の刃欠けを防止する必要がある。そのため、例えば、特開平1−216710号公報には、外周刃の刃裏までギャッシュを設けることにより、その部分の刃先角を大きくして、刃欠けを防止し得るように構成したエンドミルが記載されている(特許文献1)。
特開平1−216710号公報(図1から図4など)
しかしながら、上述のエンドミルのように、底刃のすくい面にギャッシュを設けただけでは、突き加工時において、チップルームの容量が未だ不足すると共に、切り屑のスムーズな排出を十分に行うことができず、刃欠けや折損を適切に防止することができないという問題点があった。
その結果、例えば、金型の凹み加工においては、突き加工時における刃欠け等を防止するべく、その送り速度を遅したり、ステップ加工を行なわなければならず、その分、加工時間が嵩み、加工能率が悪くなるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、突き加工時の刃欠けや折損を防止して、高能率な加工を行うことができるエンドミルを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の座ぐりエンドミルは、軸線まわりに回転される工具本体と、その工具本体の軸心まわりねじれて凹設されるねじれ溝と、そのねじれ溝に沿って形成される外周刃と、その外周刃に連設され前記工具本体の底部に形成される底刃と、その底刃のすくい面を形成するギャッシュとを備えるものであり、前記底刃は、前記工具本体に3枚以上が設けられると共に、その3枚以上の底刃のうちの少なくとも2枚以上の底刃のすくい面側には、前記ギャッシュとねじれ溝とが交わる稜線部に副溝が凹設され、前記ギャッシュは、少なくとも2以上の底刃を前記工具本体の軸心近傍で欠落させるべくその底刃を越えて形成される欠落用ギャッシュと、残りの底刃を少なくとも前記工具本体の軸心まで延設させるべくその底刃を越えない範囲に形成される延設用ギャッシュとを備え、その延設用ギャッシュによりすくい面が形成される底刃のすくい面側、及び、前記工具本体の軸心まで延設される底刃であって前記欠落用ギャッシュによりすくい面が形成される底刃のすくい面側には、前記副溝が凹設される一方、前記欠落用ギャッシュにより前記工具本体の軸心側が欠落される底刃であって前記欠落用ギャッシュによりすくい面が形成される底刃のすくい面側には、前記副溝が凹設されていない
この請求項1記載の座ぐりエンドミルによれば、座ぐり加工時において、底刃の切削作用により発生し、その底刃のすくい面に沿って上がってくる切り屑の少なくとも一部は、底刃とねじれ溝との稜線部に凹設された副溝によってすくい面から浮き上がらされる。その結果、切削に関与する切り屑長さ、即ち、切り屑とすくい面との接触面積が小さくなり、その分、切削抵抗が軽減される。
請求項2記載のエンドミルは、請求項1記載のエンドミルにおいて、前記副溝は、前記底刃側の端縁部と前記底刃との間の離間距離が、前記外周刃の外径Dに対して、少なくともその最短距離部において略0.12D以下の距離となるように構成されている。
請求項3記載のエンドミルは、請求項1又は2に記載のエンドミルにおいて、前記副溝は、前記外周刃側の端縁部が、前記外周刃の外径Dに対して、少なくとも略0.05D以上の距離だけ前記工具本体の外周端から離間するように構成されている。
請求項4記載のエンドミルは、請求項1から3のいずれかに記載のエンドミルにおいて、前記副溝は、前記本体工具の軸線側の端縁部が、前記外周刃の外径Dに対して、少なくとも略0.15D以上の距離だけ前記工具本体の軸心から離間するように構成されている。
請求項1記載のエンドミルによれば、底刃のすくい面側であって、ギャッシュとねじれ溝とが交わる稜線部には、副溝が凹設されている。よって、かかる副溝によって、チップルームの容量を確保することができるという効果がある。更に、すくい面に沿って上がってくる切り屑を副溝によってすくい面から浮き上がらせることができるので、切削に関与する切り屑長さ、即ち、切り屑とすくい面との接触面積を小さくして、その分、切削抵抗を軽減することができるという効果があり、その結果、切り屑の排出をスムーズに行って、突き加工時における刃欠けや折損を防止することができるという効果がある。これにより、突き加工時の送り速度を高速化して、加工時間を短縮することができるので、例えば、金型の凹み加工などを高能率に行うことができるという効果がある。
また、副溝は、ギャッシュとねじれ溝とが交わる稜線部を凹設するものであるため、副溝の周囲には、ギャッシュ及びねじれ溝により形成される空間が存在する。よって、かかる空間を利用して、砥石などの加工工具を副溝の凹設予定部位に対向配置させることができると共に、加工工具を往復移動させるための十分な空間を確保することができる。また、副溝の凹設加工は、凸形となる稜線部を削り取る加工を行えば良く、例えば、平面に凹部を凹設するなどの煩雑な加工を行う必要がない。その結果、副溝の加工が容易となり、その分、加工コストの低減を図ることができるという効果がある。
更に、延設用ギャッシュによりすくい面が形成される底刃、及び、工具本体の軸心まで延設される底刃のすくい面側にのみ副溝を形成し、欠落用ギャッシュにより工具本体の軸心側が欠落され、かつ、欠落用ギャッシュによりすくい面が形成される底刃のすくい面側には、副溝を形成しない。即ち、相対的に剛性が高い底刃のすくい面側にのみ副溝を形成し、剛性が低い底刃のすくい面側には副溝を形成しないように構成したので、工具全体としての剛性の均一化を図ることができ、その結果、工具の寿命を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載のエンドミルによれば、請求項1記載のエンドミルの奏する効果に加え、副溝の底刃側の端縁部が底刃から離間する離間距離は、外周刃の外径Dに対して、少なくともその最短距離部において略0.12D以下の距離、即ち、切り屑が自ら刃離れするまでにすくい面に沿って進む距離よりも短い距離となるように構成されている。よって、切り屑がすくい面から自ら刃離れする前に、その切り屑を副溝によりすくい面から浮き上がらせることができるので、その分、切り屑とすくい面との接触面積を小さくして、切削抵抗の軽減を確実に行うことができるという効果がある。
請求項3記載のエンドミルによれば、請求項1又は2に記載のエンドミルの奏する効果に加え、副溝は、外周刃側の端縁部が、外周刃の外径Dに対して、少なくとも略0.05D以上の距離だけ工具本体の外終端から離間するように構成されている。よって、外周刃の刃先と副溝との間に十分な離間距離を確保することができるので、副溝の凹設によって外周刃の刃先強度が低下することを抑制することができるという効果がある。
なお、このように、副溝が工具本体の外周端から軸心側へ所定距離だけ離間して配設される場合でも、外周端側のすくい面には、ねじれ溝が凹設されているので、かかるねじれ溝によって切り屑をすくい面から浮き上がらせることができ、切削抵抗の増加を抑制することができる。
請求項4記載のエンドミルによれば、請求項1から3のいずれかに記載のエンドミルの奏する効果に加え、副溝は、工具本体の軸心側の端縁部が、外周刃の外径Dに対して、少なくとも略0.15D以上の距離だけ工具本体の軸心から離間するように構成されている。よって、工具本体の軸心側やギャッシュ面と副溝との間の離間距離を大きくして、その分、砥石などの加工工具が往復移動するための空間を確保することができるので、副溝の凹設加工を行う際に、加工工具と工具本体とが干渉することを抑制することができるという効果がある。
その結果、副溝を凹設するための加工工程においては、加工工具の移動精度に余裕が生じるので、高度な制御を不要とすることができ、その分、加工コストの低減を図ることができるという効果がある。また、加工工具が工具本体へ不用意に接触して、その接触により工具本体の剛性が低下することを未然に防止することができるという効果がある。
なお、底刃は、工具本体の軸心側に近づくほど切削速度が小さくなり、そのすくい面への副溝の凹設を本来必要としない。よって、上述のように、副溝の加工範囲を工具本体の軸心から所定距離だけ離間させることにより、凹設加工時の加工工具と工具本体との干渉を防止し得るだけでなく、不必要な副溝の凹設加工を不要として、その分、加工コストの低減を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例におけるエンドミル1の正面図であり、図2は、図1の矢印II方向から見たエンドミル1の底面図である。まず、これら図1及び図2を参照してエンドミル1の全体構成について説明する。
エンドミル1は、工具本体2と、その工具本体2に形成されるねじれ溝3a〜3c、外周刃4a〜4c及び底刃5a〜5cとを主に備えて構成されるソリッドタイプのエンドミルである。このエンドミル1は、工具本体2のシャンク部2aを保持するホルダー(図示せず)を介してマシニングセンター等の加工機械の回転力が伝達され、軸心Lまわりに回転駆動されつつ移動させられることにより、被加工物の切削加工を行う。
なお、本実施例のエンドミル1は、特に、被加工物に対して軸心L方向へ移動させられる突き加工に適した工具として構成されており、かかるドリリング加工を行う際には、底刃5a〜5cの切削作用により発生した切り屑をスムーズに排出して、刃欠けや折損を効果的に抑制することができる。
工具本体2は、タングステンカーバイト(WC)等を加圧焼結した超硬合金により構成されており、その基部側(図1左側)には、図1に示すように、シャンク部2aが略円柱状に形成されると共に、そのシャンク部2aの他端側(図1右側)には、ねじれ溝3a〜3c、外周刃4a〜4c及び底刃5a〜5c等がそれぞれ形成されている。
ねじれ溝3a〜3cは、図1に示すように、工具本体2の軸心Lまわりにねじれて凹設されており、外周刃4a〜4cは、それら各ねじれ溝3a〜3cの稜線に沿って形成されている。なお、本実施例では、外周刃4a〜4cの外径DがD=φ12mm、ねじれ角が45°とされている。但し、この値を切削条件に応じて適宜変更することは当然可能である。
底刃5a〜5cは、外周刃4a〜4cにそれぞれ連設されつつ、工具本体2の底部(図1右側)に2°30’のすきま角を有して形成されている。これら各底刃5a〜5cには、図1及び図2に示すように、外周刃4の刃裏までギャッシュ6a〜6cの刃当たりがあり、これら各ギャッシュ6a〜6cによって、底刃5a〜5cのすくい面がそれぞれ形成されている。
なお、本実施例では、底刃5a〜5cのすくい角が3°、2番角が5°30’、3番角が13°とされており、また、ギャッシュ6a〜6cのギャッシュ角が45°、開き角が60°とされている。但し、これらの値を切削条件に応じて適宜変更することは当然可能である。
底刃5a,5bのすくい面には、図1に示すように、副溝7a,7bが凹設されている。この副溝7a,7bは、底刃5a,5bのすくい面に沿って上がってくる切り屑をそのすくい面から浮き上がらせるための凹部であり、ねじれ溝3a,3bとギャッシュ6a,6bとが交わる稜線部に凹設されている。ここで、副溝7a,7bの詳細構成について、図3を参照して説明する。
図3は、図2の矢印III方向から底刃5aに正対して見たエンドミル1の部分図である。なお、底刃5bのすくい面側に凹設される副溝7bは、副溝7aと同様の構成であるので、その説明は省略する。
上述したように、底刃5aには、外周刃4aの刃裏までギャッシュ6aの刃当たりがあり、副溝7aは、図3に示すように、ギャッシュ6aとねじれ溝3aとが交わる稜線部に凹設されている。
そのため、底刃5aの切削作用により発生した切り屑がすくい面に沿って上がってきた場合には、この切り屑を副溝7aによってすくい面から浮き上がらせることができるので、切削に関与する切り屑の長さ、即ち、切り屑とすくい面との接触面積を小さくして、その分、切削抵抗を軽減することができる。その結果、切り屑の排出をスムーズに行って、突き加工時における刃欠けや折損を防止することができる。
また、副溝7aは、ギャッシュ6aとねじれ溝3aとが交わる稜線部を凹設するものであるため、副溝7aの周囲には、ギャッシュ6a及びねじれ溝3aにより形成される空間が存在する。よって、かかる空間を利用して、研削砥石などの加工工具を副溝7aの凹設予定部位に対向配置させることができると共に、加工工具を往復移動させるための空間を確保することができる。更に、副溝7aの凹設加工は、凸形となる稜線部を削り取る加工を行えば良く、例えば、平面に凹部を凹設するなどの煩雑な加工を行う必要がない。その結果、副溝7aを容易に加工することができるので、その分、加工コストの低減を図ることができる。
ここで、副溝7aの底刃5a側(図3上側)の端縁部が底刃5aから離間する離間距離Hは、外周刃4a〜4cの外径Dに対して、少なくともその最短距離部において略0.12D以下となるように構成することが好ましい。これにより、切り屑がすくい面から自ら刃離れする前に、その切り屑を副溝7aによってすくい面から浮き上がらせることができるので、その分、切り屑とすくい面との接触面積を小さくして、切削抵抗の軽減を確実に行うことができるからである。
なお、離間距離Hを略0.12D以下とするのは、以下の理由による。即ち、通常、突き加工における最大の切り込み量(回転当たりの送り量)は外周刃4a〜4cの外径Dの略2%程度とされるところ、切り屑は切り込み量の略6倍程度の長さ分だけすくい面に沿って上がった後に自ら刃離れすると考えられる。よって、離間距離Hを略0.12D以下とすることにより、離間距離Hを切り屑が自ら刃離れするまでにすくい面に沿って進む距離よりも短い距離とすることができるからである。
本実施例では、この離間距離HがH=0.5mm(=0.042D)とされている。但し、この値を切削条件に応じて適宜変更することは当然可能である。
ここで、副溝7aは、外周刃4a側(図3左側)の端縁部が、外周刃4a〜4cの外径Dに対して、少なくとも略0.05D以上の距離W1だけ工具本体2の外終端(底刃5aの外終端)から軸心L側(図3右側)へ離間するように構成されることが好ましい。これにより、外周刃4aと副溝7aの間に十分な離間距離を確保することができるので、副溝7aの凹設によって外周刃4aの刃先強度が低下することを抑制することができるからである。
本実施例では、この離間距離W1がW1=1.2mm(=0.1D)とされている。但し、この値を切削条件に応じて適宜変更することは当然可能である。
なお、このように、副溝7aを外周刃4aから軸心L側(図3右側)へ距離W1だけ離間させて配設した場合でも、外周刃4a側(図3左側)のすくい面(即ち、副溝7aよりも図3左側のすくい面)には、図3に示すように、ねじれ溝3aが凹設されているので、その外周刃4a側のすくい面に沿って上がってくる切り屑は、ねじれ溝3aによってすくい面から浮き上がらされるので、切り屑とすくい面との接触面積が小さくなり、切削抵抗の増加が抑制される
ここで、副溝7aは、軸心L側(図3右側)の端縁部が、外周刃4a〜4cの外径Dに対して、少なくとも略0.15D以上の距離W2だけ軸心Lから離間するように構成されることが好ましい。これにより、工具本体2の軸心L側やギャッシュ面と副溝7aとの間の離間距離を大きくして、その分、砥石などの加工工具が往復移動するための空間を確保することができるので、副溝7aの凹設加工を行う際には、加工工具が工具本体2の軸心L側やギャッシュ面に干渉することを抑制することができる。
その結果、副溝7aを凹設するための加工工程においては、加工工具の移動精度に余裕が生じるので、高度な制御を不要とすることができ、その分、加工コストの低減を図ることができる。また、加工中に加工工具が工具本体2等へ不用意に接触してしまい、その接触により工具本体2の剛性が低下することを未然に防止することもできる。
本実施例では、この離間距離W2がW2=3.6mm(=0.3D)とされている。但し、この値を切削条件に応じて適宜変更することは当然可能である。
なお、底刃5aは、工具本体2の軸心L側(図3右側)に近づくほど切削速度が小さくなり、そのすくい面への副溝7aの凹設を本来必要としない。よって、図3に示すように、副溝7aの加工範囲を工具本体2の軸心Lから距離W2だけ離間する範囲に限ることにより、凹設加工時の加工工具と工具本体2との干渉を防止し得るだけでなく、不必要な副溝7aの凹設加工を不要とすることにより、加工量を軽減して、その分、加工コストの低減を図ることができる。
図1及び図2に戻って説明する。ギャッシュ6a及びギャッシュ6cは、図2に示すように、チップポケットの容量を確保するべく、底刃5c及び底刃5bを越えて凹設されており、これにより、底刃5b,5cが工具本体2の軸心L近傍で欠落して構成されている。一方、ギャッシュ6bは、突き加工を可能とするべく、底刃aを越えない範囲に凹設されており、これにより、底刃5aが工具本体2の軸心Lを越えて延設されている。
そのため、底刃5cは、図2に示すように、そのすくい面側及び逃げ面側がギャッシュ6a及びギャッシュ6cによって大きく削られるため、ギャッシュ6bを挟んで配設される底刃5a及び底刃5bと比較して、相対的に剛性が低くなる。そこで、本実施例のエンドミル1では、図4に示すように、底刃5cのすくい面側に副溝を凹設しないように構成されている。なお、図4は、図2の矢印IV方向から底刃5cに正対して見たエンドミル1の部分図である。
このように、相対的に剛性が高くなる底刃5a,5bのすくい面側にのみ副溝7a,7bを凹設し、相対的に剛性が低くなる底刃5cのすくい面側には副溝を凹設しないように構成することにより、各底刃5a〜5cの剛性を均一化することができるので、一部の底刃のみが他の底刃と比較して早期に刃欠けするなどの不具合を抑制して、その分、エンドミル1全体としての工具寿命を向上させることができる。
次に、上述のように構成されたエンドミル1を用いて行った切削試験について、図5を参照して説明する。この切削試験は、エンドミル1を軸心Lまわりに回転させつつ被加工物に対して軸心L方向へ移動させる突き加工を行った場合に、その軸心L方向に発生するスラスト抵抗値の値を測定する試験である。
切削試験の詳細諸元は、被削材:JIS−S50C、使用機械:縦型マシニングセンタ、切削方法:突き加工、切削油材:不使用(エアブロー)、加工深さ:6mm、下穴の有無:無し、である。
なお、本切削試験では、ステップ加工は行わず、また、切削速度は、60m/min(3185min−1)から120m/min(6370min−1)までの範囲で、送り量は、0.06mm/回転から0.18mm/回転までの範囲でそれぞれ行った(図5参照)。
切削試験には、上記実施例で説明したエンドミル1(以下、「本発明品」と称す。)を使用した。また、比較のため、副溝を有さない従来品についても同様の切削試験を行った。本発明品の外径Dは、D=φ6mmであり、副溝7a,7bの仕様(外周刃4a,4b等からの離間距離H,W1,W2)は、それぞれH=0.25mm(=0.042D)、W1=1.2mm(=0.1D)、W2=1.8mm(=0.3D)である。また、底刃5cのすくい面側には、上記実施例で説明したと同様に、副溝を設けていない(図4参照)。なお、本発明品と従来品との差異は、副溝の有無のみであり、その他の材質、寸法等の構成は同様である。
図5は、切削試験の結果を示した図である。なお、図5中において、「No.」欄は、測定No.であり、12種類の切削条件について測定したことを示している。また、「最大値」欄および「平均値」欄の値は、各切削条件において、突き加工を開始してから終了するまでの間に測定されたスラスト抵抗値の最大値および平均値をそれぞれ示している。
また、本発明品の「変化率」欄は、従来品に対する本発明品のスラスト抵抗値の変化率を示しており、例えば、「変化率」が「−25.3%」とあるのは、同じ切削条件において、本発明品のスラスト抵抗値の値が従来品のスラスト抵抗値の値よりも25.3%減少したことを示している。
図5に示すように、本発明品におけるスラスト抵抗値の値は、若干のばらつきはあるものの、最大値および平均値ともに、従来品におけるスラスト抵抗値の値よりも減少しており、「平均値」においては、切削速度や送り量の値によらず、概略8%〜20%程度のスラスト抵抗値の減少が見られる。
即ち、本発明品によれば、副溝7a,7bをすくい面側に凹設することにより、かかる副溝7a,7bによって切り屑をすくい面から浮き上がらせ、切削に関与する切り屑の長さ、即ち、切り屑とすくい面との接触面積を小さくすることができ、その結果、切削抵抗を軽減し得ることが確認された。
なお、測定No.1〜No.12に示す各切削試験においては、底刃5a〜5cの刃欠けや折損の発生は見られなかった。即ち、上記実施例で示した離間距離H,W1,W2(図3参照)に基づいて副溝7a,7bを凹設すると共に、相対的に剛性が低い底刃5cのすくい面側には副溝を凹設しないように構成した場合には、エンドミル1(底刃5a〜5cや外周刃4a〜4c等)の剛性強度が副溝7a,7bの凹設に起因して低下することがなく、かつ、切り屑の排出性も同時に確保し得ることが確認された。
以上のように、本発明のエンドミルによれば、副溝7a,7bによって、チップルームの容量を確保することができるとと共に、切り屑とすくい面との接触面積を小さくして、切削抵抗を軽減することができるので、切り屑の排出をスムーズに行って、突き加工時における刃欠けや折損を防止することができる。その結果、突き加工時におけるステップ加工を不要とすることができると共に、その軸方向への送り速度を高速化することができるので、その分、加工時間を短縮して、例えば、金型の凹み加工などを高能率に行うことができるのである。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定される物ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施例では、エンドミル1のエンド形状がスクエアエンドとして構成される場合を説明したが、必ずしもこのエンド形状に限られるわけではなく、例えば、ラジアスエンドとして構成することは当然可能である。同様に、本実施例では、エンドミル1が3枚刃で構成される場合を説明したが、エンドミル1を4枚以上の刃数で構成することは当然可能である。
本発明の一実施例におけるエンドミルの正面図である。 図1の矢印II方向から見たエンドミル1の底面図である。 図2の矢印III方向から底刃に正対して見たエンドミルの部分図である。 図2の矢印IV方向から底刃に正対して見たエンドミルの部分図である。 切削試験の結果を示した図である。
符号の説明
1 エンドミル
2 工具本体
3a〜3c ねじれ溝
4a〜4c 外周刃
5a〜5c 底刃
6a,6c ギャッシュ(欠落用ギャッシュ)
6b ギャッシュ(延設用ギャッシュ)
7a,7b 副溝
L 軸線
H 副溝の底刃側の端縁部と底刃との間の離間距離
W1 副溝の外周刃側の端縁部と工具本体の外周端との間の離間距離
W2 副溝の本体工具の軸線側の端縁部と軸心との間の離間距離

Claims (4)

  1. 軸線まわりに回転される工具本体と、その工具本体の軸心まわりねじれて凹設されるねじれ溝と、そのねじれ溝に沿って形成される外周刃と、その外周刃に連設され前記工具本体の底部に形成される底刃と、その底刃のすくい面を形成するギャッシュとを備えたエンドミルにおいて、
    前記底刃は、前記工具本体に3枚以上が設けられると共に、その3枚以上の底刃のうちの少なくとも2枚以上の底刃のすくい面側には、前記ギャッシュとねじれ溝とが交わる稜線部に副溝が凹設され
    前記ギャッシュは、少なくとも2以上の底刃を前記工具本体の軸心近傍で欠落させるべくその底刃を越えて形成される欠落用ギャッシュと、残りの底刃を少なくとも前記工具本体の軸心まで延設させるべくその底刃を越えない範囲に形成される延設用ギャッシュとを備え、
    その延設用ギャッシュによりすくい面が形成される底刃のすくい面側、及び、前記工具本体の軸心まで延設される底刃であって前記欠落用ギャッシュによりすくい面が形成される底刃のすくい面側には、前記副溝が凹設される一方、
    前記欠落用ギャッシュにより前記工具本体の軸心側が欠落される底刃であって前記欠落用ギャッシュによりすくい面が形成される底刃のすくい面側には、前記副溝が凹設されていないことを特徴とするエンドミル。
  2. 前記副溝は、前記底刃側の端縁部と前記底刃との間の離間距離が、前記外周刃の外径Dに対して、少なくともその最短距離部において略0.12D以下の距離となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のエンドミル。
  3. 前記副溝は、前記外周刃側の端縁部が、前記外周刃の外径Dに対して、少なくとも略0.05D以上の距離だけ前記工具本体の外周端から離間するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンドミル。
  4. 前記副溝は、前記本体工具の軸線側の端縁部が、前記外周刃の外径Dに対して、少なくとも略0.15D以上の距離だけ前記工具本体の軸心から離間するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンドミル。
JP2003365863A 2003-10-27 2003-10-27 エンドミル Expired - Fee Related JP4326301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003365863A JP4326301B2 (ja) 2003-10-27 2003-10-27 エンドミル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003365863A JP4326301B2 (ja) 2003-10-27 2003-10-27 エンドミル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005125465A JP2005125465A (ja) 2005-05-19
JP4326301B2 true JP4326301B2 (ja) 2009-09-02

Family

ID=34644391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003365863A Expired - Fee Related JP4326301B2 (ja) 2003-10-27 2003-10-27 エンドミル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4326301B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5535315B2 (ja) 2010-05-27 2014-07-02 京セラ株式会社 エンドミル
JP5853586B2 (ja) * 2011-10-26 2016-02-09 三菱マテリアル株式会社 エンドミル
JP5870734B2 (ja) * 2012-02-15 2016-03-01 三菱マテリアル株式会社 クーラント穴付きエンドミル
US9232952B2 (en) * 2012-04-16 2016-01-12 Medtronic Ps Medical, Inc. Surgical bur with non-paired flutes
JP5958277B2 (ja) * 2012-10-29 2016-07-27 三菱マテリアル株式会社 クーラント穴付きエンドミル
US9883873B2 (en) 2013-07-17 2018-02-06 Medtronic Ps Medical, Inc. Surgical burs with geometries having non-drifting and soft tissue protective characteristics
US10335166B2 (en) 2014-04-16 2019-07-02 Medtronics Ps Medical, Inc. Surgical burs with decoupled rake surfaces and corresponding axial and radial rake angles
US9955981B2 (en) 2015-03-31 2018-05-01 Medtronic Xomed, Inc Surgical burs with localized auxiliary flutes
US10265082B2 (en) 2015-08-31 2019-04-23 Medtronic Ps Medical, Inc. Surgical burs
JP6691441B2 (ja) * 2016-06-23 2020-04-28 株式会社Daiko Tool エンドミル
WO2018168341A1 (ja) * 2017-03-13 2018-09-20 三菱日立ツール株式会社 ボールエンドミル
MX2021001579A (es) * 2018-08-09 2021-07-15 Kyocera Sgs Prec Tools Inc Corte de radio variable.

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005125465A (ja) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101351727B1 (ko) 라디우스 엔드밀 및 절삭 가공 방법
JP4418408B2 (ja) 段付ドリル
EP2065111B1 (en) Rotary cutting tool
WO2014069265A1 (ja) クーラント穴付きエンドミル
JP2008093805A (ja) ドリル
JP5194637B2 (ja) エンドミル
WO2010084805A1 (ja) ラジアスエンドミル
US20080152438A1 (en) Ballnose end mill
US7140815B2 (en) Drill for making flat bottom hole
KR20090098655A (ko) 엔드밀
JPWO2005102572A1 (ja) ボールエンドミル
JP2008279547A (ja) 溝加工方法および総形回転切削工具
US10220451B2 (en) End mill and method for manufacturing machined product
JP4326301B2 (ja) エンドミル
JP6359419B2 (ja) ドリル
WO2017043129A1 (ja) ドリル
JP4699526B2 (ja) ドリル
JP4125909B2 (ja) スクエアエンドミル
JPS625726B2 (ja)
JP2009184043A (ja) 段付きツイストドリルおよびその製造方法
JP2010201565A (ja) エンドミル
JP2009184044A (ja) 段付きツイストドリルおよびその製造方法
JP5849817B2 (ja) スクエアエンドミル
JP2012091259A (ja) エンドミル
JP2007245338A (ja) ミリングカッタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050616

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090609

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090609

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4326301

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150619

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees