JP4326260B2 - サーボモータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、データ通信機能を備えたサーボモータ制御装置に係り、詳しくは、ハンチング防止のためにフィードバック制御を停止している状態を上位装置等からの指令を解除できるようにしたサーボモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の空調ユニット内に配設された各種のドアに対して、ドアを駆動するモータと、ドアの現在位置を電圧として出力する位置検出部と、与えられた目標位置データと位置検出部の出力とに基づいてモータを制御する制御部とを備えた同種の複数のアクチュエータを設け、これら同種の複数のアクチュエータをシリアル通信を使って制御手段によって統合制御するようにした自動車用空調システムにおいて、制御手段は、アクチュエータから受信した目標位置到達信号の状態変化の回数をカウントし、そのカウント値が所定値以上になったときにアクチュエータを停止させる信号を送信することで、アクチュエータが長時間ハンチングするのを防止するようにした自動車用空調システムは、従来から知られている(特許文献1参照)。
【0003】
目標位置と現在位置が一致したところでモータの駆動を終了しても、慣性によるオーバーランで目標位置を越えるため、制御回路はモータを逆転させて目標位置に一致させようとする。この繰り返しにより、いわゆるハンチングと呼ばれる振動現象が発生し、適用システムによって異音発生の原因となる。このハンチングを防ぐために、従来は目標位置に対してオーバーラン以上の幅をヒステリシスとして設定し、現在位置がそのヒステリシス内に入っているときは、モータの回転を停止するという方法を採っている(特許文献2参照)。
【0004】
制御対象を目標位置に停止させるようにモータをフィードバック制御する位置決め装置において、停止範囲外信号が所定時間以上継続したときに駆動回路へ駆動許可信号を出力し、また、駆動許可信号の出力開始から所定時間の間はその出力を継続するものとすることにより、現在位置信号等に外来ノイズが入っても駆動回路がオン/オフを繰り返さないようにした位置決め装置は、従来から知られている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−332832号公報
【特許文献2】
特開平8−186881号公報(段落番号0008)
【特許文献3】
特開平9−134218号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
アクチュエータから受信した目標位置到達信号の状態変化を監視してハンチングを防止する方式は、制御手段側の負荷(処理量)が多い。また、ハンチングが生じた場合、アクチュエータは制御手段側から停止信号が供給されるまで、不要な動作および不要な電力消費を継続することがある。
【0007】
現在位置が目標範囲内に到達した後はモータの回転を停止させるようにしたものでは、位置検出信号にノイズが混入する等によって目標位置よりも手前に停止したり行き過ぎたりした場合、上位装置(コントローラ等)はアクチュエータを再起動させるために目標値から大きく外れたダミー目標値を送信し、再度適正な目標値を送信するといった複雑な対処方法をとらなければならない。
【0008】
外来ノイズの影響を受けないようにするために、停止範囲外信号が所定時間以上継続したときに駆動許可信号を出力するようにすると目標値を変更したときの応答が遅くなり、また、駆動許可信号の出力を所定時間は継続するようにするとオーバーランが生じやすくなる虞れがある。
【0009】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、現在位置が目標範囲内に到達した後は動作を禁止するようにしたものにおいて、外部からの指令によって動作禁止状態を強制的に解除できるようにしたサーボモータ制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係るサーボモータ制御装置は、電動モータを有する電動モータ式アクチュエータを駆動するサーボモータ制御装置であって、シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、受信した情報の中に含まれる制御対象の目標値と位置検出部によって検出された現在位置とに基づいて制御対象の位置が目標値になるよう電動モータ式アクチュエータを駆動して制御対象の位置をフィードバック制御するアクチュエータ駆動制御部と、目標値と現在値との偏差が予め設定した許容範囲内であることを検出した後はアクチュエータ駆動制御部の動作を禁止する動作禁止手段と、該動作禁止手段による前記アクチュエータ駆動制御部の動作の禁止後に、前記上位装置が、供給した前記目標値に対して前記現在値にずれが生じていることを検出した時に、上位装置が強制動作要求を与えるように構成すると共に、前記上位装置から受信した情報の中に含まれる強制動作要求に基づいてアクチュエータ駆動制御部の動作が禁止されている状態を解除する動作許可手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
この発明に係るサーボモータ制御装置は、動作禁止手段によるアクチュエータ駆動制御部の動作の禁止後に、上位装置が、供給した目標値に対して現在値にずれが生じていることを検出した時に、上位装置は強制動作要求を与えると共に、動作許可手段は上位装置から強制動作要求が供給されると動作禁止状態を解除する。これにより、先に供給された目標値に対して現在値にずれが生じている場合には、制御対象の位置が目標値になるようフィードバック制御がなされる。したがって、現在値が目標値からずれている場合でも、上位装置は新たな目標値を送信することなくそのずれを解消させることができる。
【0012】
なお、強制動作要求は、少なくとも1ビットのデータ、または、2ビット以上の複合データで設定するようにすることで、上位装置側での制御が簡単になり、サーボモータ制御装置側の動作禁止状態を解除するための処理(制御負荷)が軽減される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置の一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1はこの発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置の本体の構成を概念的に示した図である。この図1において、1は自動車用空気調和装置の本体であり、この本体1は、一般の自動車用空気調和装置と同様、外気または内気を選択的に取り入れるインテークユニット2と、取り入れ空気を冷却するクーリングユニット3と、取り入れ空気を調和して温調した後にこの調和空気を車室内に吹き出すヒータユニット4とから構成されている。
【0015】
インテークユニット2には外気を取り入れる外気取入口5と内気を取り入れる内気取入口6とが開設されており、これら取入口5,6の接続部にはユニット内に取り入れる外気と内気の割合を調節するインテークドア(被駆動機構)7が回動自在に設けられている。このインテークドア7は、図2に示す電動モータ式アクチュエータ30Aによって回動される。
【0016】
図2はこの発明に係るサーボモータ制御装置によって駆動される電動モータ式アクチュエータの一具体例を示す図である。電動モータ式アクチュエータ30Aは、電動モータ30と、電動モータ30の出力軸30bに装着されたウオーム30cと、ウオーム30cに噛合された減速ギア列機構30eと、ウオーム30cおよび減速ギア列機構30eを介して回動されるアクチュエータレバー30Lとを備えている。そして、アクチュエータレバー30Lの回動を図示しないリンク機構を介して図1に示したインテークドア7へ伝達することで、インテークドア7を回動させるようにしている。また、インテークドア7の回動位置は、ポテンショメータ31によって検出されるようにしている。
【0017】
図1に示すように、インテークユニット2は、ファンモータ9によって所定の速度で回転されるファン10を備えている。このファン10の回転によってインテークドア7の位置に応じて外気取入口5または内気取入口6からそれぞれ外気または内気が選択的に吸入され、また、ファンモータ9への印加電圧を可変してファン10の回転速度を変えることによって車室内に吹き出される風量が調節される。インテークドア7が図中のA位置にあるときは外気導入(FRE)となり、図中のB位置にあるときは内気循環(REC)となる。
【0018】
クーリングユニット3には冷凍サイクルを構成するエバポレータ11が内設されており、図示しないコンプレッサを動作させることによってエバポレータ11に冷媒が供給され、この冷媒との熱交換により取り入れ空気が冷却される。
【0019】
ヒータユニット4にはエンジン冷却水が循環されるヒータコア12が内設されており、このヒータコア12の上流側にはヒータコア12を通過する空気の量とヒータコア12を迂回する空気の量との比率を調節するためのミックスドア13が回動自在に設けられている。このミックスドア13もまた、上記と同様に電動モータ式アクチュエータ30Aによってリンク機構(図示しない)を介して回動される。このミックスドア13の開度を変えることによって、ヒータコア12を通過してエンジン冷却水との熱交換により加熱された温風とヒータコア12を迂回した非加熱の冷風との混合割合が可変され、車室内に吹き出される空気の温度が調節される。ミックスドア13の回動位置は、上記と同様にポテンショメータ31によって検出される。
【0020】
調節された空気はデフ吹出口15、ベント吹出口16、フット吹出口17のいずれかの吹出口から車室内に供給される。これらの吹出口15〜17にはそれぞれデフドア18、ベントドア19、フットドア20が回動自在に設けられており、図示しないリンク機構を介して電動モータ式アクチュエータ(図示しない)によって回動される。吹出モードは各吹出口15〜17の開閉状態を組み合わせることにより任意に設定される。
【0021】
図3および図4はこの発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置のシステム構成を示す図である。図3および図4は、3つの電動モータ式アクチュエータユニット、すなわち、ミックスドア13を開閉駆動するミックスドアアクチュエータユニットMIXと、吹出口を選択するモードドアを開閉駆動するモードアクチュエータユニットMODEと、インテークドア7を開閉駆動するインテークドアアクチュエータユニットF/Rとを用いたシステムを例示している。
【0022】
図3および図4に示すように、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rは、電動モータ式アクチュエータ30Aと、アクチュエータレバー30Lの回動に連動して抵抗値が変化されるポテンショメータ31と、サーボモータ制御回路40とをケース(筺体)内に組み付けてなる。各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rは、3端子のコネクタを備える。各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rとコントローラ(上位装置)100との間は、電源線とグランド(GND)線とデータ線(BUS)との3芯のケーブルで接続される。
【0023】
図4に示すように、コントローラ100側から各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに対して電源を供給する。コントローラ100と各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rとの間では、データ線(BUS)を介して双方向のシリアルデータ通信が調歩同期方式によってなされる。通信プロトコルは、LIN(Local Interconect Network)に準拠している。データ線(BUS)は、コントローラ100側のデータ入出力回路103内のプルアップ抵抗(例えば1キロオーム)Rおよび逆流防止用ダイオードDを介して正極側電源にプルアップされている。制御回路102の送信データ出力端子TXOから出力される送信データ信号に基づいてエミッタ接地されたNPN型トランジスタQをスイッチングさせることで、データの送信を行なう。データの受信は、受信データ入力端子RXIに供給されるデータ線(BUS)の電圧を所定の電圧しきい値に基づいて2値判定することでなされる。このシリアルデータ通信は、コントローラ100がマスター側となり、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rがスレーブ側となってなされる。スレーブ側は、キャラクタ同期を取るためのスタートビットを検出して、ビット情報を読み込むためのビットクロックを生成する。
【0024】
図3に示すように、コントローラ100を構成するエアコン制御回路101は、操作パネル110からの操作入力および図示しない各種温度センサ等からの入力に基づいて空気調和装置(エアコン)の動作を制御するとともに、操作パネル110に設けられている各種の表示器に動作状態等を表示させる。エアコン制御回路101は、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに対してドア開度目標値データ等の指令データを送信することで各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rの動作を制御する。また、エアコン制御回路101は、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに動作状態に関する情報を送信させ、それを受信することで各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rの動作状態を監視したり診断したりする。なお、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rには、識別(ID)コード(アドレス)がそれぞれ割り当てられている。
【0025】
図5はLIN通信規格の1フレームのデータ構造を示す図、図6および図7はLIN通信規格の1フレーム内の各フィールドのデータ構造を示す図である。図5に示すように、LIN通信規格の1フレームは、シンクブレークフィールド(Synch Break)、シンクフィールド(Synch)、IDフィールド(ID)、データ1フィールド(DATA1)、データ2フィールド(DATA2)、チェックサムフィールド(Checksum)とからなる。
【0026】
図6(a)に示すように、シンクブレークフィールドは、少なくとも13ビット期間の間Lレベルが継続した後に、少なくとも1ビット期間の間Hレベルとなるよう構成されている。
【0027】
図6(b)に示すように、シンクフィールドは、スタートビットと、ビット同期信号として16進表記で「55」Hのデータと、少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。
【0028】
図6(c)に示すように、IDフィールドは、スタートビットと、通信相手を選択指定するための4ビットの識別コード領域(ID0〜ID3)と、2ビットの受信要求/送信要求の指定領域(ID4,ID5)と、2ビットのパリティチェックデータ(P0,P1)と、少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、このIDフィールドによって、各ドアアクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rのいずれかが指定されるとともに、DATA1フィールド以降の動作モード(ドアアクチュエータユニットがコントローラ100側から各種の指令を受け取る受信動作モードとなるか、ドアアクチュエータユニット側が動作状態等をコントローラ100側へ送信する送信動作モードとなるか)が指定される。
【0029】
図7(d)に示すように、データ1フィールドは、スタートビットと、8ビットのデータ(D0〜D7)と少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、IDフィールドで受信要求を指定した場合には、このデータ1フィールドを用いてコントローラ100側(マスター側)からサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)に、ドア開度を指定するデータ(目標値データ)を供給する。IDフィールドで送信要求を指定した場合には、このデータ1フィールドを用いてサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)からコントローラ100側(マスター側)に、現在のドア開度のデータ(現在位置データ)を供給する。
【0030】
図7(e)に示すように、データ2フィールドは、スタートビットと、8ビットのデータ(d0〜d7)と少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、IDフィールドで受信要求を指定した場合には、このデータ2フィールドを用いてコントローラ100側(マスター側)からサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)に、通信エラーフラグクリア要求、ダイアグ(診断)フラグクリア要求、モータPWM運転条件設定要求(モータのソフトスタート・ソフトストップ制御を行なうか否か、ソフトスタート制御を行なうときのトルク制御時間、モータへ供給する電力の上限を制限するか否か)、緊急停止要求、強制動作要求(リカバリー要求)等の各種の指令を供給する。
【0031】
IDフィールドで送信要求を指定した場合には、このデータ2フィールドを用いてサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)からコントローラ100側(マスター側)に、過電流検知フラグ、モータ停止中フラグ、モータ正転フラグ、モータ逆転フラグ、受信IDパリティエラーフラグ、過温度検知フラグ、受信サムチェックエラーフラグ、過電圧検知フラグ等の運転状態や異常検知に関する情報を供給する。
【0032】
図7(f)に示すように、チェックサムフィールドは、スタートビットと、8ビットのデータ(C0〜C7)と少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、このチェックサムデータとして、データ1フィールドとデータ2フィールドのデータを加算し、さらに、加算結果のキャリーを加算した結果の8ビットの反転データを送信する。
【0033】
図8はこの発明に係るサーボモータ制御装置のブロック構成を示す図である。サーボモータ制御回路40は、サーボモータ制御IC50を用いて構成されている。このサーボモータ制御IC50は、直流モータの制御用として開発した専用IC(カスタムIC)であり、例えば同一半導体チップ上にバイポーラ素子とC−MOS素子とD−MOSとを形成することのできるBiCDMOSプロセスを用いて製造されている。
【0034】
このサーボモータ制御IC50は、イグニッションスイッチやアクセサリスイッチ等を介して供給されるバッテリ電源Vaccから電力の供給を受けて例えば5ボルトの安定化電源Vrefを生成する定電圧電源回路51と、この定電圧電源回路51を保護する内蔵電源保護回路52と、LIN信号(シリアル通信信号)の入出力を行なうLIN入出力回路53と、識別コード(IDコード)を設定するためのID入力回路54と、通信処理やモータの運転制御等の各種処理・制御を行なうロジック回路部55と、モータ30に電力を供給するHブリッジ回路56と、バッテリ電源Vaccの過電圧を検出する過電圧検出回路57と、モータ電流の過電流およびHブリッジ回路56を構成する各電力用スイッチング素子(MOS−FET)の許容範囲を越える温度上昇(過温度)を検出する過電流・過温度検出回路58と、ポテンショメータ31の出力電圧(ドア開度に対応した電圧)をデジタルデータへ変換するA/D変換部59とを備える。
【0035】
VDDはHブリッジ回路56用のバッテリ電源Vaccの電源端子、Vccは電流制限抵抗R1によって電流制限されたバッテリ電源Vaccの電源端子、C1は電源安定化用コンデンサ、GNDはグランド電源端子である。
【0036】
VID0〜VID3は識別コード(IDコード)を設定するための入力端子である。本実施の形態では、識別コード(IDコード)は4ビット構成としており、最大で16通りの識別コード(言い換えればアドレス)を設定できる。これらのID入力端子VID0〜VID3をグランドに接続することでLレベル(論理0)を設定でき、オープン状態でHレベル(論理1)を設定できる。
【0037】
Vbusはシリアル通信信号(具体的にはLIN通信信号)の入出力端子、すなわちデータ線(BUS)の接続端子である。M+およびM−はHブリッジ回路56の出力端子であり、モータ30との接続端子である。
【0038】
VRは安定化電源Vrefの出力端子であり、ポテンショメータ31の一端側と接続される。Vpbrはポテンショメータ31の出力電圧(ドア開度に対応した電圧)の入力端子である。V12Vは電流制限されたバッテリ電源であり、この電源V12VはLIN入出力回路53に供給される。
【0039】
図9はサーボモータ制御装置のロジック回路部55の一具体例を示す図である。LIN通信処理部61は、LIN入出力回路53から供給される受信信号RXを解読し、IDフィールドのパリティチェック結果が正常であり、受信したIDコードが自己のIDコードと一致しており、かつ、IDフィールド内のID4,ID5の2ビットによって受信要求が指定されている場合、データ1フィールド、データ2フィールド、チェックサムフィールドの各8ビットのデータをそれぞれ仮レジスタ等に一時保存する。
【0040】
そして、LIN通信処理部61は、一時保存した各データに対してサムチェックを行なって誤りがないことをチェックした後に、データ1フィールドの8ビットのドア指示開度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62に供給するとともに、通信成立トリガ信号61aを出力して、ドア指示開度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62にラッチさせる。この際、新指示データラッチ回路62に格納されていた先のドア指示開度データ(目標値データ)は、旧指示データラッチ回路63にシフトされる。
【0041】
また、LIN通信処理部61は、データ2フィールド内の強制動作要求(リカバリー要求)が強制動作を要求する例えば論理「1」である場合には、強制動作要求信号(リカバリー要求信号)61Rを生成して出力する。LIN通信処理部61は、データ2フィールド内の緊急停止要求が例えば緊急停止を要求する論理「1」である場合には、緊急停止要求信号Kspを生成して出力する。
【0042】
さらに、LIN通信処理部61は、IDフィールドのパリティチェック結果にエラーが生じた場合には、受信IDパリティエラーフラグをセットする。また、LIN通信処理部61は、サムチェックの結果にエラーが生じた場合には、受信サムチェックエラーフラグをセットする。
【0043】
第1の比較回路64は、新たなドア指示開度データ(目標値データ)と旧指示開度データとを比較し、両者が異なっている場合にはその比較結果(不一致出力)を動作許可トリガ信号生成部65に供給する。
【0044】
動作許可トリガ信号生成部65は、新旧の指示開度データが異なっている場合には、動作許可トリガ信号65aを生成して、動作許可/禁止信号処理部66に供給する。また、この動作許可/禁止信号処理部66は、LIN通信処理部61から強制動作要求信号(リカバリー信号)61Rが供給された場合にも、動作許可トリガ信号65aを生成して、動作許可/禁止信号処理部66に供給する。
【0045】
動作許可/禁止信号処理部66は、動作許可トリガ信号65aが供給されると、Hブリッジ駆動処理部67に動作許可信号を供給する。
【0046】
ドア開度を検出するポテンショメータ31の出力は、図8に示したA/D変換部59によって予め設定したA/D変換周期毎に8ビットのドア実開度データ(現在値データ)AD0〜AD7に変換されている。
【0047】
図9に示すフィルタ処理部68は、時系列上で連続する所定個数のドア実開度データ(現在値データ)AD0〜AD7の平均値を求める等の処理を行なった結果をフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)として出力する。
【0048】
CW、CCW、HOLD指示信号生成部69は、ドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)とを比較し、両者の偏差に基づいてモータ30の回転方向を決定する。そして、CW、CCW、HOLD指示信号生成部69は、モータ30を正転方向(CW:時計方向)に駆動させてドアを開方向に駆動させるのか、モータ30を逆転方向(CCW:反時計方向)に駆動させてドアを閉方向に駆動させるのかを指示する回転方向指示信号(CW,CCW)を生成して出力する。また、CW、CCW、HOLD指示信号生成部69はドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)とが略一致した場合には、現在位置の保持を指示するHOLD信号を生成・出力して、モータ30の駆動を停止させることで、ハンチング現象の発生を防止している。
【0049】
Hブリッジ駆動処理部67は、動作許可/禁止信号処理部66から動作許可信号が供給されているときには、回転方向指示信号(CW,CCW)に基づいてHブリッジ回路56の各アームを構成する各電力用スイッチング素子(例えばMOS−FET)の駆動信号Out1〜Out4を生成して出力する。これにより、図8に示したHブリッジ回路56からモータ30に電力が供給され、モータ30の駆動がなされる。
【0050】
なお、Hブリッジ駆動処理部67は、データ2フィールド内のモータPWM運転条件設定要求によってモータのソフトスタートやソフトストップを行なうことが設定されている場合には、モータ30の起動時にはPWM制御によってモータ30に供給する電力を徐々に増加させるソフトスタート制御を行なって、モータ起動時の騒音を軽減させ、また、制御対象であるドア等の現在値(ドア実開度)が目標値(ドア指示開度)に近くなった時点からPWM制御によってモータ30に供給する電力を徐々に低減させるソフトストップ制御を行なって、モータ停止時の騒音を軽減させるようにしている。なお、PWM運転条件設定要求はLIN通信処理部61からHブリッジ駆動処理部67に対して供給されるが、図9ではそのための信号線の記載を省略している。
【0051】
第2の比較回路70は、ドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)と比較し、両者が一致した場合にはその比較結果(一致出力)を動作禁止信号生成部71に供給する。
【0052】
動作禁止信号生成部71は、現在のドア開度が目標値に一致している場合には、動作禁止信号71aを生成して出力する。この動作禁止信号71aは、動作許可/禁止信号処理部66に供給される。
【0053】
動作許可/禁止信号処理部66は、動作禁止信号生成部71から動作禁止信号71aが供給されると、動作許可信号の出力を停止させるともに、動作禁止信号をHブリッジ駆動処理部67に供給して、モータ30の駆動を禁止させる。
【0054】
過電流・過温度・過電圧処理部72は、過電圧検出回路57からの過電圧検出信号Ev、過電流・過温度検出回路58からの過電流検出信号Ecおよび過温度検出信号Etのいずれかが供給されると、それらの異常に対応したフラグをセットするとともに、異常発生を示す情報を動作許可/禁止信号処理部66に供給する。動作許可/禁止信号処理部66は、異常発生を示す情報が供給されると、動作許可信号の出力を停止させるともに、動作禁止信号をHブリッジ駆動処理部67に供給して、モータ30の駆動を禁止させる。
【0055】
LIN通信処理部61は、IDフィールドのパリティチェック結果が正常であり、受信したIDコードが自己のIDコードと一致しており、かつ、IDフィールド内のID4,ID5の2ビットによって送信要求が指定されている場合には、フィルタ処理後の8ビットのドア実開度データ(現在値データ)をデータ1フィールドで送信するデータとしてセットし、また、データ2フィールドで送信するデータとして次のものをセットする。
【0056】
例えば、データ2フィールドの最下位ビットd0に過電流検知フラグ、2番目のビットd1にモータ停止中フラグ、3番目のビットd3にモータ回転方向が正転方向(CW)であることを示すCWフラグ、4番目のビットd3にモータ回転方向が逆転方向(CCW)であることを示すCCWフラグ、5番目のビットd4に受信IDパリティエラーフラグ、6番目のビットd5に過温度検知フラグ、7番目のビットd6に受信サムチェックエラーフラグ、最上位ビットd7に過電圧検知フラグをそれぞれセットする。そして例えば、データ1フィールドで送信するデータとデータ2フィールドで送信するデータとの加算結果にその加算によって生じたキャリーデータを加算した結果の反転データを求め、これをチェックサムフィールドで送信するチェックサムデータとする。
【0057】
そして、LIN通信処理部61は、IDフィールドが終了した時点後に速やかに(例えば2ビット期間までの間に)、データ1フィールド、データ2フィールド、チェックサムフィールドのデータを順次送信する。これにより、ドア実開度データ(現在位置データ)、モータの回転方向やモータ停止中であるかのモータ運転状態の情報、および、過電流、過電圧、過温度の異常検出情報、ならびに、データ受信時のエラー発生情報が上位装置(マスター側)であるコントローラ100へ供給される。
【0058】
したがって、コントローラ100は、サーボモータ制御回路40の動作を詳細に診断することが可能となる。また、コントローラ100は、サーボモータ制御回路40の過負荷を予測し、サーボモータ制御装置の動作を停止させる指令(緊急停止要求)を発したりすることで、サーボモータ制御回路40や電動式モータアクチュエータ30Aの破損を防止することも可能となる。
【0059】
前述したように、LIN通信処理部61は、LIN入出力回路53から供給される受信信号RXを解読し、IDフィールドのパリティチェック結果が正常であり、受信したIDコードが自己のIDコードと一致しており、かつ、IDフィールド内のID4,ID5の2ビットによって受信要求が指定されている場合、データ1フィールド、データ2フィールド、チェックサムフィールドの各8ビットのデータを受信する。そして、受信したデータに誤りがないことをチェックした後に、データ1フィールドの8ビットのドア指示開度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62に供給するとともに、通信成立トリガ信号61aを出力して、ドア指示開度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62にラッチさせる。
【0060】
次に、LIN通信処理部61は、データ2フィールドの内容を解読して処理する。IDフィールドで受信要求が設定されている場合、データ2フィールドを用いてコントローラ100側(マスター側)からサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)に対する各種の要求が供給される。
【0061】
本実施の形態では、データ2フィールドの最下位ビットd0によって通信エラーフラグクリア要求が供給される。LIN通信処理部61は、最下位ビットd0の論理が「1」である場合には、受信IDパリティエラーフラグおよび受信サムチェックエラーフラグをそれぞれクリアし、最下位ビットd0の論理が「0」である場合には各フラグの状態を変更しない。
【0062】
データ2フィールドの2番目のビットd1によってダイアグフラグクリア要求が供給される。LIN通信処理部61は、2番目のビットd1の論理が「1」である場合には過電流検知フラグ、過温度検知フラグ、過電圧検知フラグを全てクリアし、2番目のビットd1の論理が「1」である場合には各フラグの状態を変更しない。
【0063】
データ2フィールドの3番目のビットd2によって出力PWM制御要求が供給される。ここで、出力PWM制御とは、モータの起動時にPWM制御のデューティ比を徐々に増加させることでモータをソフトスタートさせ、また、ドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)との偏差が予め設定した値以下となった場合には、PWM制御のデューティ比を徐々に減少させることでモータをソフトストップさせることである。3番目のビットd2の論理が「1」である場合にはソフトスタートおよびソフトストップの制御が要求され、論理が「0」である場合にはソフトスタートおよびソフトストップの制御が不要である。LIN通信処理部61は、ソフトスタートおよびソフトストップの制御を行なうか否かの情報をHブリッジ駆動処理部67へ供給する。
【0064】
データ2フィールドの4番目のビットd3によってPWMトルク制御時間設定要求が供給される。ここで、PWMトルク制御時間とは、出力PWM制御によってソフトスタートを行なう時間のことである。具体的には、ソフトスタートを行なう際にデューティ比を0または最小デューティ値から100パーセントへ変化させるまでの時間のことである。本実施の形態では、4番目のビットd3の論理が「1」である場合には500ms(ミリ秒)が設定され、論理が「0」である場合には250ms(ミリ秒)が設定される。LIN通信処理部61は、出力PWM制御(ソフトスタート制御)を行なう際の制御時間に関する情報をHブリッジ駆動処理部67へ供給する。なお、図9では制御時間に関する情報をHブリッジ駆動処理部67へ供給するための信号経路の記載を省略している。なお、ソフトストップは、ドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)との偏差に基づいてデューティ比を設定するようにしている。
【0065】
データ2フィールドの5番目のビットd4および6番目のビットd5によってモータ供給電力制限要求が供給される。ここで、モータ供給電力制限とは、PWM制御によってモータに供給する電力の上限を制限するか否か、また、出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なう場合にのみモータに供給する電力の上限を制限するか、または、出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なわない場合でもモータに供給する電力の上限を制限するかを設定するものである。モータに供給する電力の制限は、PWM制御におけるデューティ比に上限を設定することで行なう。
【0066】
本実施の形態では、5番目のビットd4の論理が「1」である場合にはデューティ比の上限値が約70パーセントに設定され、論理が「0」である場合にはデューティ比の上限値が100パーセントに設定される。また、6番目のビットd5の論理が「1」である場合には出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なう場合にのみモータに供給する電力の上限を制限することが設定され、論理が「0」である場合には常に(出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なわない場合でも)モータに供給する電力の上限を制限することが設定される。
【0067】
なお、出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なう場合にのみモータに供給する電力の上限を制限するものとし、ビットd4とビットd5の2ビットを用いて、デューティ比の上限値を例えば100,約94,約88,約75パーセントの4段階に切り替えるようにしてもよい。また、常に(出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なわない場合でも)モータに供給する電力の上限を制限するものとし、ビットd4とビットd5の2ビットを用いて、デューティ比の上限値を例えば100,約94,約88,約75パーセントの4段階に切り替えるようにしてもよい。
【0068】
LIN通信処理部61は、モータ供給電力制限要求に関する情報をHブリッジ駆動処理部67に供給する。なお、図9ではそのための信号線の記載を省略している。
【0069】
データ2フィールドの7番目のビットd6によって緊急停止要求が供給される。7番目のビットd6の論理が「1」の場合、モータへの給電が強制的に遮断される。7番目のビットd6の論理が「0」の場合、モータへの給電が強制遮断されている状態が解除され、モータへの給電が可能な状態(通常の動作状態)となる。LIN通信処理部61は、緊急停止要求信号Kspを動作許可/禁止信号処理部66へ供給する。モータを緊急停止させた後に、モータを再度回転させる場合は、強制動作要求(リカバリー要求)を用いる。なお、モータを緊急停止させた後に再度回転させる場合には、以前とは異なる指示開度データを与えるようにしてもよい。
【0070】
動作許可/禁止信号処理部66は、緊急停止要求信号Kspが供給されると動作許可信号の出力を停止して、動作禁止信号をHブリッジ駆動処理部67へ供給する。
【0071】
データ2フィールドの最上位のビットd7によって、強制動作要求が供給される。最上位ビットの論理が「1」の場合、モータへの給電が強制的に開始される。最上位ビットの論理が「0」の場合、通常の動作状態となる。LIN通信処理部61は、強制動作要求信号61Rを動作許可/禁止信号処理部66へ供給する。
【0072】
なお、本実施の形態では、特許請求の範囲に記載したシリアルデータ通信部を、LIN入出力回路53とロジック回路部55とで構成している。特許請求の範囲に記載した受信処理部をロジック回路部55内のLIN通信処理部61によって構成している。特許請求の範囲に記載したアクチュエータ駆動制御部を、Hブリッジ駆動処理部67、フィルタ処理部68、CW、CCW、HOLD指示信号生成部69およびA/D変換部59によって構成している。特許請求の範囲に記載した動作禁止手段を、第2の比較回路70、動作禁止信号生成部および動作許可/禁止信号処理部66によって構成している。また、特許請求の範囲に記載した動作許可手段を、動作許可トリガ信号生成部65と動作許可/禁止信号処理部66とによって構成している。
【0073】
サーボモータ制御回路40は、コントローラ100側から目標値(ドア指示開度)が供給されると、ポテンショメータ31によって検出される現在値(ドア実開度)と目標値とに基づいて電動モータ30を駆動し、制御対象であるドアの開度が目標値となるようにフィードバック制御を行なう。そして、目標値と現在値とが一致(または略一致)した時点で、動作許可/禁止信号処理部66から動作禁止信号を出力して、電動モータ30を停止させ、フィードバック制御を停止させる。動作を停止させることで、ドア開度が目標値の前後で変動するいわゆるハンチング現象をなくすことができる。
【0074】
ここで、ポテンショメータ31で検出した現在値に係る信号にノイズが混入すると、ノイズの影響で目標値とは異なる位置で動作が停止されてしまう。一方、コントローラ100は、サーボモータ制御回路40へ送信要求を与えることで、サーボモータ制御回路40側から現在値、モータの回転方向、モータ停止状態、受信データのエラーチェック結果、過電流・過電圧・過温度等の異常検出結果を得ることができる。したがって、コントローラ100は、サーボモータ制御回路40へ供給した目標値に対して現在値にずれが生じていることを検出することができる。この場合、コントローラ100は、強制動作要求(リカバリー要求)をサーボモータ制御回路40へ与えるだけでよい。
【0075】
サーボモータ制御回路40は、強制動作要求(リカバリー要求)が供給されると、動作禁止状態を解除し、Hブリッジ駆動処理部67に動作許可信号を供給して、目標値と現在値と偏差に基づくフィードバック制御を再開させる。これにより、目標値に対する現在値のずれが解消される。
【0076】
従来と同様にコントローラ100からサーボモータ制御回路40へ新たな目標値を与えることで、目標値と現在値と偏差に基づくフィードバック制御を再開させることもできる。しかし、その場合には前回与えた目標値とは異なるダミー目標値を与えた後に、再度本来の目標値を与えなければならず、コントローラ100側の処理量が多くなる。強制動作要求(リカバリー要求)を用いることで、コントローラ100側の制御が簡単になり、サーボモータ制御回路40側の動作禁止状態を解除するための処理(制御負荷)が軽減される。
【0077】
なお、本実施の形態では、データ2フィールド内の特定の1ビットに強制動作要求(リカバリー要求)を割り当てて例を示したが、強制動作要求(リカバリー要求)を2ビット以上の複合データで設定することで、強制動作要求(リカバリー要求)と他の要求とを同時に行なわせるようにしてもよい。また、例えば通信エラーフラグクリア要求やダイアグ(診断)フラグクリア要求に強制動作要求(リカバリー要求)の機能を併合して、これらのクリア要求を受信したときには各種フラグをクリアするとともに動作禁止状態を解除して、フィードバック動作を再開するようにしてもよい。
【0078】
また、本実施の形態では、サーボモータ制御装置を用いて自動車用空気調和機の各種ドアの開度を制御する例について説明したが、この発明に係るサーボモータ制御装置は、ドアアクチュエータだけでなく制御対象を直線的に移動させるアクチュエータ等を含めた種々の用途に適用することができる。
【0079】
また、本実施の形態では、ロジック回路部55をハードウェァ主体の回路構成とした例を示したが、ロジック回路部55は1チップマイクロコンピュータ等を用いてプログラム制御でその機能を実現するようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明に係るサーボモータ制御装置は、ハンチング防止のための動作禁止状態に対し、上位装置が、供給した目標値に対して現在値にずれが生じていることを検出した時に、上位装置は強制動作要求を与えると共に、動作許可手段は上位装置から強制動作要求が供給されると動作禁止状態を解除するので、先に供給された目標値に対して現在値にずれが生じている場合には、制御対象の位置が目標値になるようフィードバック制御がなされる。したがって、現在値が目標値からずれている場合でも、上位装置は新たな目標値を送信することなくそのずれを解消させることができる。なお、強制動作要求は、少なくとも1ビットのデータ、または、2ビット以上の複合データで設定するようにすることで、上位装置側での制御が簡単になり、サーボモータ制御装置側の動作禁止状態を解除するための処理(制御負荷)が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置の本体の構成を概念的に示した説明図である。
【図2】この発明に係るサーボモータ制御装置によって駆動される電動式モータアクチュエータの一具体例を示す図である。
【図3】この発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置のシステム構成を示す図である。
【図4】この発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置のシステムの回路ブロック構成を示す図である。
【図5】この発明に係るサーボモータ制御装置のブロック構成を示す図である。
【図6】LIN通信規格の1フレーム内の各フィールドのデータ構造を示す図(その1)である。
【図7】LIN通信規格の1フレーム内の各フィールドのデータ構造を示す図(その2)である。
【図8】この発明に係るサーボモータ制御装置のブロック構成を示す図である。
【図9】この発明に係るサーボモータ制御装置のロジック回路部の一具体例を示す図である。
【符号の説明】
1 空調機本体
7 インテークドア
13 ミックスドア
18 デフドア
19 ベントドア
20 フットドア
30 モータ(電動モータ)
30A 電動モータ式アクチュエータ
31 ポテンショメータ
40 サーボモータ制御回路
50 サーボモータ制御IC
53 LIN入出力回路
54 ID入力回路
55 ロジック回路部
56 Hブリッジ回路
57 過電圧検出回路
58 過電流・過温度検出回路
59 A/D変換部
61 LIN通信処理部
62 新指示データラッチ回路
63 旧指示データラッチ回路
64 第1の比較回路
65 動作許可トリガ信号生成部
66 動作許可/禁止信号処理部
67 Hブリッジ駆動処理部
68 フィルタ処理部
69 CW、CCW、HOLD指示信号生成部
70 第2の比較回路
71 動作禁止信号生成部
72 過電流・過温度・過電圧処理部
100 コントローラ
101 エアコン制御回路
102 制御回路
110 操作パネル
F/R インテークドアアクチュエータユニット
MIX ミックスドアアクチュエータユニット
MODE モードドアアクチュエータユニット

Claims (2)

  1. 電動モータを有する電動モータ式アクチュエータを駆動するサーボモータ制御装置であって、
    シリアルデータ通信部と、
    前記シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、
    受信した情報の中に含まれる制御対象の目標値と位置検出部によって検出された現在位置とに基づいて制御対象の位置が前記目標値になるよう前記電動モータ式アクチュエータを駆動して制御対象の位置をフィードバック制御するアクチュエータ駆動制御部と、
    前記目標値と前記現在値との偏差が予め設定した許容範囲内であることを検出した後は前記アクチュエータ駆動制御部の動作を禁止する動作禁止手段と、
    該動作禁止手段による前記アクチュエータ駆動制御部の動作の禁止後に、前記上位装置が、供給した前記目標値に対して前記現在値にずれが生じていることを検出した時に、上位装置が強制動作要求を与えるように構成すると共に、
    前記上位装置から受信した情報の中に含まれる強制動作要求に基づいて前記アクチュエータ駆動制御部の動作が禁止されている状態を解除する動作許可手段とを備えることを特徴とするサーボモータ制御装置。
  2. 前記強制動作要求は、少なくとも1ビットのデータ、または、2ビット以上の複合データで設定されることを特徴とする請求項1記載のサーボモータ制御装置。
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