JP4318637B2 - 微生物由来新規(d)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ、およびそれを用いたグリオキシル酸の生化学的製造方法 - Google Patents

微生物由来新規(d)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ、およびそれを用いたグリオキシル酸の生化学的製造方法 Download PDF

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Description

本発明はグリコール酸をグリオキシル酸へ変換する能力を有する微生物由来の新規(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼに関する。本発明はまた、前記オキシダーゼおよび/または該オキシダーゼを産生する微生物、もしくはその処理物を用いてグリコール酸を酸化することによってグリオキシル酸へ変換することを特徴とするグリオキシル酸の生化学的製造法に関する。
グリオキシル酸はバニリン、エチルバニリンなどの合成原料として用いられ、農薬、さらには医薬品の合成の中間体としても有用な化合物である。従来よりグリオキシル酸の製造方法としては、グリオキサールの硝酸酸化などの化学的手法が知られており、また現在はグリオキシル酸のほとんどがこれら化学的手法により製造されている。しかしながら、グリオキサールの硝酸酸化などの化学的手法はグリオキシル酸以外の有機酸などの副生成物を生じやすく、製造されたグリオキシル酸の品質に好ましくない影響を与え、これら副生成物を除去するためには煩雑な工程を必要とする。また、大量に使用された硝酸などの中和工程で生成する大量の塩類廃棄物の処理が問題となる。
一方、グリオキシル酸の生化学的製造方法としては、ホウレンソウ由来のグリコール酸オキシダーゼを用い、グリコール酸をグリオキシル酸へ変換する方法(特許文献1、特許文献2)が知られている。グリコール酸オキシダーゼは従来より主に緑色植物にその存在が認められている酵素である。しかしながら、ホウレンソウなどの植物由来のグリコール酸オキシダーゼはグリオキシル酸に対しても比較的高い活性を有しており、その結果これらグリコール酸オキシダーゼを用いた場合、グリオキシル酸がさらに酸化されシュウ酸などの副生成物が生じる。シュウ酸などの副生成物の生成を防止するため大量のアミン類の添加が必要であるが、高価なアミン類を大量に使用することは工業的には大きな問題となる。さらに植物由来のグリコール酸オキシダーゼを用いる方法では、植物から抽出して得られる高価な酵素を使用するため、工業生産においてはそのコスト高が問題となる。
一方、礒部らはアスペルギルス・ジャポニカスの生産するグリセロールオキシダーゼが、グリコール酸を酸化する活性を有することを報告している。しかし、グリセロールオキシダーゼのグリコール酸に対する活性は低く、グリオキシル酸蓄積には多量の酵素を必要とする(特許文献3、非特許文献1)。さらに礒部らはアスペルギルス属由来のグリセロールオキシダーゼ以外に、グリセロールデヒドロゲナーゼ生産菌であるジオトリカム属、グルコノバクター属、アセトバクター属の微生物がグリコール酸をグリオキシル酸へ変換、蓄積する能力を有することを報告しており、グリセロールデヒドロゲナーゼによるグリコール酸のグリオキシル酸への変換を示唆している(特許文献3)。またシュードモナス属、アルカリゲネス属の微生物がグリコール酸をグリオキシル酸へ変換、蓄積する能力を有することが報告されているが、これら菌株におけるグリコール酸をグリオキシル酸へと変換する酵素に関する詳細な知見は報告されていない(特許文献4)。このように、微生物由来のグリセロールオキシダーゼもしくはグリセロールデヒドロゲナーゼ、または該微生物を利用したグリコール酸からグリオキシル酸への変換について若干の報告はあるが、該酵素または該微生物は、活性や完成度の点で、工業的利用に適したレベルのものではない。
一般に、グリコール酸のグリオキシル酸への酸化反応においてオキシダーゼを利用すれば、基質であるグリコール酸以外には酸素があればよく、デヒドロゲナーゼのように、NADまたはNADPなどの酸化型補酵素、反応により生じた還元型補酵素を酸化型への再生するための酵素および基質などの別途添加を必要としない。したがってグリコール酸からグリオキシル酸への酸化反応にオキシダーゼを用いることは工業的に有利な方法である。しかしながら、前述したように、現在グリコール酸に対し高い活性および選択性を示すオキシダーゼタイプの酵素は見出されていない。
特表平7−502895号公報 特表平8−508159号公報 特開平7−163380号公報 特開平8−322581号公報
Biosci. Biotech. Biochem.,59(4),576-581,1995
したがって、本発明は、グリコール酸をグリオキシル酸へ変換する活性を有する微生物由来のオキシダーゼ、および該微生物由来のオキシダーゼまたは該酵素を生産する微生物を利用した効率的なグリオキシル酸の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、グリオキシル酸の効率的な製造方法を開発すべく鋭意検討を行った結果、グリコール酸に対し高いオキシダーゼ活性を有する微生物を土壌より見出し、その微生物より該活性を有する酵素を単離、精製し、詳細な検討を行うことにより本発明を完成するに至った。すなわち、本発明はグリコール酸をグリオキシル酸へ変換する新規なオキシダーゼ、ならびに該酵素を生産する微生物の菌体および/または菌体処理物をグリコール酸に作用させグリオキシル酸に変換、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするグリオキシル酸の製造方法である。
本発明の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼは、効率よくグリコール酸をグリオキシル酸へと変換する能力を有しており、該酵素または該酵素を生産する微生物を用いるグリコール酸からのグリオキシル酸の製造方法によれば、温和な条件で、副生成物を生じることなくグリオキシル酸を製造することが可能である。また、本発明の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼは、D体の2−ヒドロキシ酸のみに選択的に作用する、初めて見い出された酵素である。
オキシダーゼ反応の活性測定法の原理を示す図である。 本願発明の酵素の温度安定性を示す図である。 本願発明の酵素の反応至適pHを示す図である。■は緩衝液として0.1Mリン酸緩衝液を、□は緩衝液として0.1MTris−HCl緩衝液を使用した。 本願発明の酵素のpH安定性を示す図である。
本発明のグリコール酸をグリオキシル酸へと変換する酵素は、下記(1)および(2)の理化学的性質:
(1)作用:2−ヒドロキシ酸に作用し、対応する2−ケト酸を生成する、
(2)基質特異性:グリコール酸、およびD−乳酸に活性を示し、L−乳酸に活性を示さない、
を有することを1つの大きな特徴とする(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼである。
さらに本発明の酵素としては、下記(3)の理化学的性質:
(3)L−2−ヒドロキシイソカプロン酸、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、およびグリセリンには活性を示さない、
を有する前記(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼがあげられる。
さらに本発明の酵素としては、下記理化学的性質:
(4)分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動分析において約60,000Da、
(5)安定性:pH7.2で40℃、20分間処理した後、90%以上の活性を保持している、
(6)至適反応pH:7〜10、
を有する前記(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼがあげられる。
本発明の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼの起源として用いられる微生物としては特に限定はしないが、たとえばアースロバクター(Arthrobacter)属細菌があげられ、好ましくは、本発明者によって初めて土壌より単離され、同定された、アースロバクター・スピーシーズ(Arthrobacter sp.)KNK−GA1(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)があげられる。前記アースロバクター・スピーシーズKNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)(以下、単にKNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)という場合もある)の菌学的な性質を以下に示す。
細胞の形態 :桿菌
グラム染色 :+
胞子形成 :−
運動性 :−
コロニーの形態 :円形、全縁なめらか、低凸状、光沢あり、
クリーム色
生育(37℃) :+
(41℃) :−
カタラーゼ :+
オキシダーゼ :−
OFテスト(グルコース):−
前記KNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)由来の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼは、たとえば以下のようにして単離、精製することができる。
まず、KNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)を適当な培地で培養する。この際に用いる培地としては特に限定しないが、たとえば、グリコール酸5g、酵母エキス1g、リン酸二水素カリウム3.5g、リン酸水素二アンモニウム6.5g、硫酸マグネシウム7水和物0.5g、硫酸亜鉛7水和物0.02g、硫酸第一鉄7水和物0.03g、硫酸銅5水和物0.002g、塩化カルシウム2水和物0.1g、塩化ナトリウム0.3g(いずれも1Lあたり)の組成よりなる培地(pH7)を好ましく用いることができる。
得られた培養液から遠心分離により菌体を集め、0.05Mリン酸緩衝液(pH7)などに懸濁し、ダイノミル(Dyno−Mill社製)などで破砕し、遠心分離により菌体残渣を除き、上清(無細胞抽出液)を得る。得られた上清に硫酸プロタミンを添加し、生じた不溶物を遠心分離により除き、核酸を除去する。
目的の活性を有する酵素は、得られたプロタミン処理液より、塩析(硫酸アンモニウムなど)、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィーなどに代表される各種クロマトグラフィーにより、さらに精製され得る。
本発明の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼは、上記KNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)由来の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼとほぼ同一の性質を有する酵素であれば、天然酵素であってもよく、または組替え酵素であってもよい。たとえば、組替え酵素は、KNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)に由来する(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼのアミノ酸配列中の1つまたは数個のアミノ酸を置換、欠失、挿入または付加させることにより作製することができる。また、KNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)を変異処理したものや、他の天然または非天然微生物から得られる(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼであってもよい。
本明細書におけるオキシダーゼ反応の活性測定法は図1に示すように、酸化反応により発生するH22をペルオキシダーゼ存在下に4−アミノアンチピリンとN−エチル−(2−ヒドロキシ−3−スルフォプロピル)−m−トルイジンと反応させ、生成するキノンイミン色素の吸収を測定することにより行なう。
基本的には、オキシダーゼ反応の活性測定法は、下記組成を有する100mMリン酸緩衝液(pH7)0.9mlに、酵素液0.lmlを添加し、30℃での波長555nmの吸光度の増加を測定することにより行なう。本明細書において、1分間に1μmolのH22を生成する酵素活性を1unitと定義する。
組成:
グリコール酸 10mM、
4−アミノアンチピリン(以下4−AA) 0.67mM、
N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルフォプロヒル)−m−
トルイジン(以下TOOS) 1.09mM、
ワサビ由来ペルオキシダーゼ(以下POD) 2U/ml
また、グリコール酸およびグリオキシル酸の定量は、高速液体クロマトグラフィーで分析することができる。高速液体クロマトグラフィーによる分析は、たとえば、バイオラッド・アミネックスHPX−87H(7.8mm×300mm)カラムを用い、溶媒として5mMのH2SO4水溶液を用い、流速0.4ml/minで行う。検出は230mMの吸光度を測定することにより行う。本条件においては、開始からグリコール酸は20分後、グリオキシル酸は開始から15分後に溶出される。
本発明の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼおよびホウレンソウ、レムナ ミナー(Lemna minor)(J. Biochem., 16, 1373-1378, 1984)、スパトグロッサム パシフィカム(Spatoglossum pacificum)(J. Phycol., 32, 790-798, 1996)など植物、藻類由来のグリコール酸オキシダーゼの基質特異性を表1に示す。表1において、各酵素のグリコール酸に対する活性を100%とした。
Figure 0004318637
既知のグリコール酸オキシダーゼはグリコール酸以外にも2−ヒドロキシ酸に活性を示すが、いずれもL−乳酸、L−2−ヒドロキシイソカプロン酸に活性を示し、かつD−乳酸にはほとんど活性を示さず、その立体特異性より現在は(S)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ(EC 1.1.3.15)として分類されている。一方、本発明の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼはグリコール酸に高い活性を示すが、それ以外にもD−乳酸などのD体の2−ヒドロキシ酸に活性を示す一方で、L−乳酸には活性を示さない。また、2−ヒドロキシイソカプロン酸についても、DL体には活性が検出されるが、L体には活性を示さない。したがって、本発明の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼは、D体に特異的な活性を有すると推察される。他に、D体の2−ヒドロキシ酸に対し作用する酵素としては土壌グラム陰性菌由来の乳酸オキシダーゼが報告されている(Appl. Biochem. Biotechnol., 56, 277-288, 1996)。しかしこの酵素はL−乳酸に対してもD−乳酸に対する活性の57%の活性を有しており、その反応はD体特異的というものではない。
以上のことより本発明の酵素は、D体の2−ヒドロキシ酸に活性を示し、かつグリコール酸に対して高い活性を示す微生物により見出された新規な(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼと特徴づけられる。また、本(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼは、別の命名法では、(R)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼと表記される場合もある。D体の2−ヒドロキシ酸のみに選択的に作用し、L体の2−ヒドロキシ酸には作用しない(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼは、本発明で初めて見いだされた。従来のグリコール酸オキシダーゼでは、基質がD体の場合には、ほとんど反応しないか反応しても低い活性しか示すことができなかったが、本発明の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼによって、初めてD体の2−ヒドロキシ酸を効率的に反応させることが可能となった。したがって、本発明の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼは、グリコール酸をグリオキシル酸に変換させるだけでなく、D体の2−ヒドロキシ酸が基質の場合の反応やD体を選択的に反応させることを目的とする光学分割にも利用できるという点で優れている。
また、表1に示すように従来のグリコール酸オキシダーゼ((S)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ)はグリオキシル酸に対しても比較的高い活性を有することが知られているが、本発明の酵素はグリオキシル酸に対して比較的低い活性しか示さない。したがって、本発明の酵素はグリコール酸からグリオキシル酸への変換において、グリオキシル酸の酵素的酸化によるシュウ酸などの副生成物の生成が少ないなどの点でも有利である。
本発明のグリオキシル酸の製造方法は、前記微生物由来の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ、または該酵素を産生する微生物の培養液、該培養液より分離した微生物菌体、微生物菌体の処理物のいずれかをグリコール酸に作用させ、グリコール酸をグリオキシル酸へと変換蓄積せしめることを1つの大きな特徴とする。ここで、微生物菌体処理物とは、たとえば、粗酵素液、凍結乾燥菌体、アセトン乾燥菌体、またはそれら菌体の破砕物などを意味する。用語「粗酵素液」には、たとえば、培養液から菌体を遠心分離したのち、適当な緩衝液中に懸濁し、グラスビーズなどを用いる物理的手法、酵素などを用いる生化学的手法などにより該菌体を破砕または溶解した溶液、さらには遠心分離により該溶液中の固形物を除去して得た無細胞抽出液が含まれる。また、さらには、当業者が通常用いる手法、たとえば、透析、硫酸アンモニウム沈殿、クロマトグラフィーを単独でまたは組み合わせて用い前記無細胞抽出液を部分的に精製した酵素液も、「粗酵素液」に含まれる。さらに微生物菌体処理物は、酵素あるいは菌体のまま公知の手段で固定化されて用いることもできる。固定化は当業者に周知の方法(たとえば、架橋法、物理的吸着法、包括法など)で行ない得る。このように、本発明のグリオキシル酸の製造方法においては、酵素を精製することなく微生物培養液や菌体をそのまま用いることもできるので、工業生産において優位な製造方法である。
反応条件は使用する酵素、微生物またはその処理物、基質濃度などにより異なるが、反応は酸素存在下で行ない、反応温度は10℃〜70℃、熱安定性の観点から10℃〜50℃が好ましく、反応pHは4〜12、最適pH、pH安定性の観点からpH6〜10が好ましい。
なお、オキシダーゼによるグリコール酸のグリオキシル酸への酸化において、過酸化水素が生成するが、この過酸化水素は酵素を失活させたり、グリオキシル酸をギ酸へと分解する場合もある。しかし、反応系にカタラーゼを添加することによりオキシダーゼ反応により生じた過酸化水素を分解、除去し、酵素の失活やグリオキシル酸の分解を防ぐことが可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
実施例1
グリコール酸10g、酵母エキス0.1g、硝酸アンモニウム2g、リン酸水素二カリウム1g、リン酸二水素ナトリウム1g、硫酸マグネシウム7水和物0.2g、および塩化カルシウム2水和物0.1g(いずれも1L当たり)の組成からなるS培地(pH7)5mlを試験管にいれて高圧蒸気殺菌した。そののち、該S培地に、日本国内より採取した土壌サンプル各2gを10mlの生理食塩水に懸濁しその上清液0.2mlを加えて、28℃で3〜7日間集積培養を行なった。菌が生育した培養液を2%の寒天を含むS培地プレートに0.1mlずつ塗布し、28℃で3〜7日間培養を行なった。生育したコロニーについて、それぞれの菌体を試験管中S培地5mlで28℃、3日間の振とう培養後、菌体を遠心分離により集め生理食塩水で洗浄したのち、100mMリン酸緩衝液(pH7)0.5mlに懸濁した。その菌体懸濁液0.1mlをグリコール酸100mM、4−AA 1.34mM、TOOS 2.18mM、およびペルオキシダーゼ 4U/mlを含有する100mMリン酸緩衝液0.1mlに添加し、28℃で2時間振とうした。振とう後に反応液が紫色になったもの、すなわちグリコール酸に対する反応により過酸化水素が生じたものをグリコール酸酸化活性陽性株として取得した。
さらにこのようにして得られたグリコール酸酸化活性陽性株については、S培地5mlに植菌後、28℃で2日間振とう培養を行ない前培養液を得、ついで、500ml容坂口フラスコ中S培地50mlに、前培養液0.5mlを植菌し、28℃で3日間振とう培養を行なった。得られた培養液20mlより菌体を遠心分離により集め生理食塩水で洗浄した後、グリコール酸100mMを含有する100mMリン酸緩衝液(pH7)5mlに菌体を懸濁し、28℃で6時間振とうさせた。反応後の上澄液を高速液体クロマトグラフィーにより分析し、グリオキシル酸の生成の確認および生成したグリオキシル酸を定量した。その結果、グリコール酸をグリオキシル酸へ変換する活性を有する菌株を取得した。本菌株をアースロバクター・スピーシーズ KNK−GA1株と命名し、平成14年3月7日(原寄託日)に、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566))に寄託した(受託番号 FERM BP−8375)。
実施例2
土壌より分離したKNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)を500ml容坂口フラスコ中、グリコール酸5g、酵母エキス1g、リン酸二水素カリウム3.5g、リン酸水素二アンモニウム6.5g、硫酸マグネシウム7水和物0.5g、硫酸亜鉛7水和物0.02g、硫酸第一鉄7水和物0.03g、硫酸銅5水和物0.002g、塩化カルシウム2水和物0.1g、および塩化ナトリウム0.3g(いずれも1Lあたり)の組成よりなる培地(pH7)50mlに植菌し、28℃で2日間振とう培養を行なった。得られた培養液10mlより菌体を遠心分離により試験管中に集め、菌体を2mlの100mMリン酸緩衝液(pH7)に懸濁し、その菌体懸濁液0.9mlに1Mグリコール酸溶液0.1mlを添加し、試験管中、28℃、16時間振とう反応を行なった。得られた反応液を高速液体クロマトグラフィーにより分析した。その結果、30mMのグリオキシル酸が生成していた。
高速液体クロマトグラフィーによる分析条件は、バイオラッド・アミネックスHPX−87H(7.8mm×300mm)カラムを用い、溶媒として5mMのH2SO4水溶液を用い、流速0.4ml/minで行なった。検出は230mMの吸光度を測定することにより行なった。
実施例3
実施例2記載の方法により得たKNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)の培養液50mlより菌体を遠心分離により集め、0.1Mリン酸緩衝液(pH7)で洗浄後、菌体を0.1Mリン酸緩衝液(pH7)4mlに懸濁した。該菌体懸濁液をミニビートビーター(BIOSPEC社製)で破砕後、遠心分離により上清液(無細胞抽出液)を得た。試験管中で、無細胞抽出液1.7mlに1Mグリコール酸溶液を0.2ml、40,000U/mlのカタラーゼ溶液を0.1ml添加し、28℃で4時間振とうした。反応後の反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、40mMのグリオキシル酸が生成していた。
実施例4
実施例3で得た無細胞抽出液2mlを0.1Mリン酸緩衝液4Lにより透析を行なった。そののち、透析後の無細胞抽出液1.7mlに1Mグリコール酸溶液を0.2ml、40,000U/mlのカタラーゼ溶液を0.1ml添加し、試験管中で、28℃で4時間振とうした。反応後の反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、32mMのグリオキシル酸が生成していた。
実施例5
実施例4で得た透析後の無細胞抽出液0.1mlに、4−AA 1.34mM、TOOS 2.19mM、POD 6U/mlを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7)0.05mlを添加し、さらに100mMグリコール酸溶液を0.05ml加え、試験管中で、28℃、2分間振とうした。その結果、反応液は濃い紫色を呈した。対照として100mMグリコール酸溶液の代わりに、0.1Mリン酸緩衝液0.05mlを添加した場合、反応液は変色しなかった。このことより、本無細胞抽出液によるグリコール酸の酸化により過酸化水素が生成していることが確認され、グリコール酸の酸化を触媒している酵素はオキシダーゼであることが確認された。
実施例6
土壌より分離したアースロバクター・スピーシーズ KNK−GA1株(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)を500ml容坂口フラスコ中グルコース20g、酵母エキス1g、Nutrient broth8g(いずれも1Lあたり)の組成よりなる培地(pH7)100mlに植菌し、28℃で1日間培養し、前培養液を得た。ついで、5リットル容ミニジャー中にグリコール酸5g、酵母エキス1g、リン酸二水素カリウム3.5g、リン酸水素二アンモニウム6.5g、硫酸マグネシウム7水和物0.5g、硫酸亜鉛7水和物0.02g、硫酸第一鉄7水和物0.03g、硫酸銅5水和物0.002g、塩化カルシウム2水和物0.1g、塩化ナトリウム0.3g(いずれも1Lあたり)の組成よりなる培地(pH7)3Lに、得られた前培養液を植菌し、0.5vvm、350rpm、pH7.2以下(水酸化ナトリウム水溶液でコントロール)で培養を行ない、培養開始から7、21、27、32時間後にグリコール酸をそれぞれ15gずつ添加し、45時間培養した。
ついで、得られた培養液から遠心分離により菌体を集め0.05Mリン酸緩衝液(pH7)1.2Lに懸濁した。
得られた菌体懸濁液をダイノミルにより破砕後、遠心分離により上清液1.1Lを得た。上清液に5%硫酸プロタミン水溶液を62ml添加し30分間攪拌後、遠心分離により沈殿物を除き、1.2Lの上清液を得た。
得られた上清液1.2Lを氷冷下スターラーで攪拌しながら、硫酸アンモニウムを徐々に添加し、添加した硫酸アンモニウムの飽和度が25〜40%の範囲にあるときに沈殿するタンパク質を遠心分離により集めた。
得られた硫安沈殿タンパク質を320mlの0.05Mリン酸緩衝液(pH7)で溶解し、同緩衝液15Lにより透析を行なったのち、0.05Mリン酸緩衝液(pH7.2)で予め平衡化したDEAE−トヨパール650M(東ソー製)カラム(カラム直径:4cm、高さ:20cm)にチャージし、0−0.2Mの塩化ナトリウム直線濃度勾配により、流速90ml/hrで溶出させ活性画分を集めた。得られた活性画分に硫酸アンモニウム濃度が0.6Mになるように1.2M硫酸アンモニウムを含む0.05Mリン酸緩衝液を添加後、0.6M硫酸アンモニウムを含む0.05Mリン酸緩衝液(pH7.2)で予め平衡化したPhenyl−トヨパール650M(東ソー製)カラム(カラム直径:2.4cm、高さ:24cm)にチャージした。ついで、0.6M−0Mの硫酸アンモニウム直線濃度勾配により、流速70ml/hrで溶出させ活性画分を集め、0.05Mリン酸緩衝液(pH7)により透析した。そののち、透析後の液を、0.05Mリン酸緩衝液(pH7.2)で予め平衡化したSuperQトヨパール650M(東ソー製)カラム(カラム直径:2.4cm、高さ:20cm)にチャージし、0M−0.3Mの塩化ナトリウム直線濃度勾配により、流速50ml/hrで溶出させ、活性画分を集めた。得られた活性画分の硫酸アンモニウム濃度が0.4Mになるように調整し、0.4M硫酸アンモニウムを含む0.05Mリン酸緩衝液(pH7.2)で予め平衡化したButyl−トヨパール650S(東ソー製)カラム(カラム直径:1.4cm、高さ:10cm)にチャージし、0.4M−0Mの硫酸アンモニウム直線濃度勾配により、流速30ml/hrで溶出させ活性画分を集めた。そののち、活性画分の硫酸アンモニウム濃度を0.6Mに調整したのち、0.6M硫酸アンモニウムを含む0.05Mリン酸緩衝液(pH7.2)で予め平衡化したRESOURCE 15PHE(Amersham pharmacia biotech社製)カラム(6ml)にチャージし、0.6M−0Mの硫酸アンモニウム直線濃度勾配により流速2ml/minで溶出させ活性画分を集めた。
得られた活性画分をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供したところ、分子量60,000Daに相当するところに、単一バンドが形成された。
実施例7
実施例6において得られた酵素の酵素化学的性質について検討した。
酵素活性の測定は、基本的には100mMリン酸緩衝液またはトリス緩衝液中、グリコール酸などの基質10mM、4−AA 0.67mM、TOOS 1.09mM、POD 2U/ml、および酵素溶液0.1mlを含む1.0mlの反応液を30℃、100秒間反応させ、波長555nmの吸光度の増加を測定することにより行なった。
(基質特異性)
表2に示す各種アルコールおよびアルデヒド化合物を基質として反応した結果、本願発明の酵素は表2に示すような基質特異性を示した。
Figure 0004318637
(熱安定性)
0.05Mリン酸緩衝液(pH7)中、30〜70℃、20分間処理したのち、グリコール酸を基質として活性を測定した。その結果を図2に示す。30〜50℃では、処理前の90%以上の活性が残存していた。
(作用至適pH)
1Mリン酸緩衝液、および0.1Mトリス−塩酸緩衝液を用いて、pH5〜10の範囲で基質としてグリコール酸を用いて活性測定を行なった。その結果を図3に示す。至適pHは7〜9であった。
(pH安定性)
pH5.4〜8.3の0.05Mリン酸緩衝液中、5℃、24時間保存したのち、グリコール酸を基質として活性を測定して、保存前の活性と比較した。その結果を図4に示す。
(分子量)
本精製酵素を1%の2−メルカプトエタノール存在下、10%SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、標準タンパクとの相対移動度よりその分子量を推定した。その結果、本酵素は、分子量は約60000Daに相当するところに単一のバンドを形成した。
実施例8
実施例6で得た精製酵素1U、グリコール酸15mg、およびカタラーゼ4000Uを含む200mMリン酸緩衝液(pH7)1mlを試験管中、20℃、5時間振とう反応を行ない、得られた反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。その結果、3.5mgのグリオキシル酸、および0.02mgのギ酸が生成していた。シュウ酸は検出できなかった。
高速液体クロマトグラフィーによる分析条件は、バイオラッド・アミネックスHPX−87H(7.8mm×300mm)カラムを用い、溶媒として5mMのH2SO4水溶液を用い、流速0.4ml/minで行なった。検出は230mMの吸光度を測定することにより行なった。
実施例9
実施例6で得た精製酵素1U、グリコール酸15mg、およびカタラーゼ0Uまたは4000Uを含む200mMリン酸緩衝液(pH7)1mlを試験管中、20℃、2時間振とう反応を行ない、得られた反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。その結果、カタラーゼ4000Uを添加した場合、2.3mgグリオキシル酸および0.02mgのギ酸が生成したが、カタラーゼを添加しなかった場合、グリオキシル酸は0.08mgしか蓄積されず、1.6mgのギ酸が生成していた。
比較例1
実施例7と同様に、ホウレンソウ由来のグリコール酸オキシダーゼ(シグマ社製)について各種2−ヒドロキシ酸化合物に対する活性を調べ、その結果を実施例7で得た本発明の酵素と比較した。
Figure 0004318637

Claims (6)

  1. 下記(1)〜(5)の理化学的性質を有する(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ
    (1)作用:2−ヒドロキシ酸に作用し、対応する2−ケト酸を生成する、
    (2)基質特異性:グリコール酸およびD−乳酸に活性を示し、L−乳酸に活性を示さない、
    (3)分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動分析において60,000Da
    (4)熱安定性:pH7.2で40℃、20分間処理したのち、90%以上の活性を保持している、
    (5)至適反応pH:7〜10
  2. さらに、下記()の理化学的性質を有する請求項1記載の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ
    )L−2−ヒドロキシイソカプロン酸、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオールおよびグリセリンには活性を示さない。
  3. アースロバクター属に属する微生物より得られる請求項1または2記載の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ。
  4. アースロバクター属に属する微生物がアースロバクター・スピーシーズKNK−GA1(寄託機関 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、寄託日 平成14年3月7日、受託番号 FERM BP−8375)である請求項記載の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の(D)−2−ヒドロキシ酸オキシダーゼ、または該酵素を産生する微生物の培養液、該培養液より分離した微生物菌体、微生物菌体の処理物のいずれかをグリコール酸に作用させ、グリオキシル酸へと変換せしめ、グリオキシル酸を採取することを特徴とするグリオキシル酸の製造方法。
  6. 前記反応をカタラーゼ存在下で行なう請求項記載のグリオキシル酸の製造方法。
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