JP4318256B2 - ボールペンリフィール - Google Patents

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Description

本発明は、ボールペンリフィールに関し、さらに詳しくは、インクのボテを防止しつつ、ボールハウス内への繊維屑の巻き込みを防止して、快適な筆記を維持できるようにしたボールペンリフィールに関するものである。
ボールペンリフィールは、通常、その先端に、紙面にインクを塗布するためのチップを備えている。
図6及び図7は、従来のボールペンリフィール10が備えるチップ20の一例を示している。このチップ20は、ボール50と、ボール50を保持するためのホルダー60とを備えている。また、ホルダー60は、ボールハウス61と、インク誘導孔62と、インク溝63と、カシメ部64とを有している。また、ボールハウス61は、ボール50を収納するためのものであって、ホルダー60の先端付近に設けられており、円筒状の側面部70と、円錐状の底面部71とを有している。また、底面部71のうち、ボール50の後端側が当接する部分は、ボール受け座72とされている。また、インク誘導孔62は、ボールハウス61に収納したボール50にインクを供給するためのものであって、ホルダー60の後端からボールハウス61まで貫通している。また、インク溝63は、ボールハウス61に収納したボール50にインクが十分に供給されるようにするためのものであって、インク誘導孔62の内周面に、インク誘導孔62の中心から見て放射状に設けられている。また、カシメ部64は、ボールハウス61に収納したボール50が飛び出さないようにするためのものであって、ホルダー60の先端に設けられている。また、ボール50の表面とカシメ部64の内周面64aとの間には、クリアランス65と呼ばれる微小な間隙が設けられ、このクリアランス65が、筆記時におけるインクの通路となっている。
ここで、チップ20の長軸20aと直交し、かつ、ボール50の中心50aを通る平面を、ボール中心面Pとし、また、カシメ部64の内周面64aの後端64bを通る平面を、カシメ部内周後端面Qとする。
図6及び図7に示すチップ20では、カシメ部内周後端面Qは、ボール中心面Pよりも先端側に位置している。このように、カシメ部内周後端面Qをボール中心面Pよりも先端側に位置させると、ボール50の前後の中間位置が押さえられなくなることから、ボールハウス61内におけるボール50の横方向の遊びが比較的大きくなる。そうすると、図7に示すように、チップ20の長軸20aを紙面110に対して傾けて使用した際には、ボール50が紙面110とは反対側に押されて移動することにより、図7中のA1部近辺において、クリアランス65が比較的小さくなるとともに、図7中のB1部近辺において、クリアランス65が比較的大きくなる。このため、図7中のX1方向に筆記し、ボール50が図7中のY1方向に回転したときに、ボール50の表面に付着した繊維屑が、図7中のA1部近辺のクリアランス65からボールハウス61内に巻き込まれにくくなり、また、ボールハウス61内に巻き込まれてしまった繊維屑は、図7中のB1部近辺のクリアランス65からインクとともにボールハウス61外に吐き出されやすくなる。このようなチップ20は、下記の特許文献1に開示されている。
このように、カシメ部内周後端面Qをボール中心面Pよりも先端側に位置させると、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に巻き込みにくくなるとともに、ボールハウス61内に巻き込んでしまった繊維屑をボールハウス61外に吐き出しやすくなるものの、その反面、図7中のB1部近辺のクリアランス65からインクが多く出過ぎてしまうことにより、チップ20の先端や紙面110をインクのかたまりで汚してしまう、いわゆる「インクのボテ」が発生しやすくなってしまう。
また、図8及び図9も、従来のボールペンリフィール10が備えるチップ20の一例を示すものである。このチップ20では、カシメ部内周後端面Qは、ボール中心面Pよりも後端側に位置している。このように、カシメ部内周後端面Qをボール中心面Pよりも後端側に位置させると、ボール50の前後の中間位置が押さえられることから、ボールハウス61内におけるボール50の遊びが比較的小さくなり、ボールハウス61内におけるボール50の位置が比較的安定する。そうすると、図9に示すように、チップ20の長軸20aを紙面110に対して傾けて使用した際にも、クリアランス65からのインクの吐出量が安定し、インクのボテが発生しにくくなる。このようなチップ20も、下記の特許文献1に開示されている。
このように、カシメ部内周後端面Qをボール中心面Pよりも後端側に位置させると、ボールハウス61内におけるボール50の位置が比較的安定し、クリアランス65からのインクの吐出量が安定して、インクのボテが発生しにくくなるものの、その反面、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に巻き込みやすくなってしまうとともに、ボールハウス61内に巻き込んだ繊維屑をボールハウス61外に吐き出しにくくなってしまう。つまり、図6及び図7に示すチップ20と比較すると、図8及び図9に示すチップは、図9に示すように紙面110に対して傾けて使用しても、図9中のA2部近辺のクリアランス65はさほど小さくならず、また、図9中のB2部近辺のクリアランス65はさほど大きくならない。このため、図9中のX2方向に筆記し、ボール50が図9中のY2方向に回転したときに、ボール50の表面に付着した繊維屑が、図9中のA2部近辺のクリアランス65からボールハウス61内に比較的巻き込まれやすくなり、また、ボールハウス61内に巻き込まれてしまった繊維屑は、図9中のB1部近辺のクリアランス65からボールハウス61外に比較的吐き出されにくくなる。
また、図示しないが、下記の特許文献2には、インク収容管と、インク収容管の先端に固定したチップとを備え、インク収容管の先端側には、インクが充填され、インク収容管の後端側には、加圧ガスが充填され、加圧ガスの圧力により、インクをチップ方向へ押し出すようにした、いわゆる加圧式のボールペンリフィールが開示されている。
このような加圧式のボールペンリフィールは、加圧ガスがインクを常にチップ方向へ押圧するので、チップを上向きにした状態でも筆記可能となっている。
特開2000−37985号公報 特開2002−205483号公報
上述したように、カシメ部内周後端面をボール中心面よりも先端側に位置させると、ボールハウス内におけるボールの遊びが比較的大きくなり、ボールの表面に付着した繊維屑をボールハウス内に巻き込みにくくなるとともに、ボールハウス内に巻き込んでしまった繊維屑をボールハウス外に吐き出しやすくなるものの、その反面、クリアランスからインクが多く出過ぎてしまうことにより、インクのボテが発生しやすくなってしまう。
一方、カシメ部内周後端面をボール中心面よりも後端側に位置させると、ボールハウス内におけるボールの位置が比較的安定し、クリアランスからのインクの吐出量が安定して、インクのボテが発生しにくくなるものの、その反面、ボールの表面に付着した繊維屑をボールハウス内に巻き込みやすくなってしまうとともに、ボールハウス内に巻き込んだ繊維屑をボールハウス外に吐き出しにくくなってしまう。
また、加圧式のボールペンリフィールにおいては、ボールハウス内におけるボールの遊びを比較的大きくして、クリアランスを比較的大きくすると、加圧ガスの圧力により、クリアランスからインクが漏れ出してしまったり、ボールがボールハウスから飛び出してしまうことがあり、一方、ボールハウス内におけるボールの遊びを比較的小さくして、クリアランスを比較的小さくすると、加圧ガスがインクをチップ方向へ押圧するものの、インクのかすれが発生しやすくなってしまう。
このため、特に加圧式のボールペンリフィールにおいては、インクのボテの発生を防止しつつ、ボールの表面に付着した繊維屑をボールハウス内に巻き込みにくくし、かつ、ボールハウス内に巻き込んでしまった繊維屑をボールハウス外に吐き出しやすくして、快適な筆記を維持することは、きわめて困難なのである。
そこで、本発明は、加圧式のボールペンリフィールにおいて、インクのボテの発生を防止しつつ、ボールの表面に付着した繊維屑をボールハウス内に巻き込みにくくし、かつ、ボールハウス内に巻き込んでしまった繊維屑をボールハウス外に吐き出しやすくして、快適な筆記を維持できるようにすることを、第1の課題とする。
また、本発明は、クリアランスからのインクの漏れ出しや、ボールハウスからのボールの飛び出しを防止しつつ、インクのかすれの発生を防止し、更には、インクを最後まで使い切れるようにすることを、第2の課題とする。
(1)第1の発明
本発明者は、上記第1の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、加圧式のボールペンリフィール10において、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pと一致させるか、又はボール中心面Pよりも後端側の所定範囲内に位置させると、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくくなり、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすくなって、快適な筆記が維持できることを見出し、以下の発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のうち第1の発明は、インク収容管30と、インク収容管30の先端に固定したチップ20とを備え、インク収容管30の先端側には、インク80が充填され、インク収容管30の後端側には、加圧ガス90が充填され、加圧ガス90の圧力により、インク80をチップ20方向へ押し出すようにしたボールペンリフィール10であって、チップ20は、ボール50と、ボール50を保持するためのホルダー60とを備え、ホルダー60の先端付近には、ボール50を収納するためのボールハウス61が設けられ、ホルダー60の先端には、ボールハウス61に収納したボール50がボールハウス61から飛び出さないようにするためのカシメ部64が設けられ、チップ20の長軸20aと直交し且つボール50の中心50aを通る平面をボール中心面Pとし、カシメ部64の内周面64aの後端64bを通る平面をカシメ部内周後端面Qとしたときに、カシメ部内周後端面Qは、ボール中心面Pと一致するか、又はボール中心面Pよりも後端側に位置するとともに、ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとの距離をLとし、ボールの直径をRとしたときに、(L/R)≦0.036、を満たすことを特徴とする。
ここで、「インク収容管30と、インク収容管30の先端に固定したチップ20とを備え、インク収容管30の先端側には、インク80が充填され、インク収容管30の後端側には、加圧ガス90が充填され、加圧ガス90の圧力により、インク80をチップ20方向へ押し出すようにしたボールペンリフィール10」とは、いわゆる加圧式のボールペンリフィール10をいう。
また、「インク収容管30」は、インク80を収容するためのものである。
また、インク収容管30は、例えば、円筒状に形成することができる。
また、インク収容管30は、例えば、ステンレス又は真鍮などの金属材料を用いて、プレス加工によって一体的に形成することができるし、また、プラスチック材料を用いて、押し出し成形や射出成形などによって一体的に形成することもできる。
また、インク収容管30は、一体的に形成される場合に限られず、例えば、インク80を収容するためのインク収容部と、このインク収容部とチップ20とを連結するための継手部とを別々に形成し、これらを繋ぎ合わせることによって形成することもできる。
また、「チップ20」は、ボール50と、ボール50を保持するためのホルダー60とを備える。
また、チップ20は、インク収容管30の先端に固定される。また、チップ20のインク収容管30への固定は、例えば、チップ20の後端付近をインク収容管30の先端付近の内部に圧入することによって行うことができるし、また、チップ20の後端付近に雄ネジを形成するとともに、インク収容管30の先端付近に雌ネジを形成して、チップ20の後端付近の雄ネジをインク収容管30の先端付近の雌ネジに螺合させることによって行うこともできる。
また、「ボール50」は、紙面にインク80を塗布するためのものである。
また、ボール50は、例えば、超硬合金、ステンレス、焼入鋼、又はセラミックなどを用いて形成することができる。
また、「ホルダー60」は、ボール50を保持するためのものである。
また、ホルダー60は、例えば、ステンレス、洋白、真鍮、又は黄銅などの線材を用いて形成することができる。
また、ホルダー60は、ボールハウス61と、カシメ部64とを有する。
また、「ボールハウス61」は、ボール50を収納するためのものであって、ホルダー60の先端付近に設けられている。
また、「カシメ部64」は、ボールハウス61に収納したボール50がボールハウス61から飛び出さないようにするためのものであって、ホルダー60の先端に設けられている。
また、「チップ20の長軸20a」とは、チップ20の長手方向の中心を通る軸をいう。チップ20の長軸20aは、仮想の軸であって、チップ20がこのような軸を現実に備えるわけではない。
また、「ボール中心面P」とは、チップ20の長軸20aと直交し、かつ、ボール50の中心50aを通る平面をいう。ボール中心面Pは、仮想の平面であって、チップ20がこのような平面を現実に備えるわけではない。
また、「カシメ部内周後端面Q」とは、カシメ部64の内周面64aの後端64bを通る平面をいう。カシメ部内周後端面Qは、仮想の平面であって、チップ20がこのような平面を現実に備えるわけではない。また、ホルダー60は、円筒状に形成されることから、カシメ部64の内周面64aの後端64bは、チップ20の長軸20aから等距離の同一平面上に位置する。したがって、カシメ部内周後端面Qは、チップ20の長軸20aと直交し、また、ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとは平行になる。
また、本発明に係るボールペンリフィール10では、カシメ部内周後端面Qは、ボール中心面Pと一致するか、又はボール中心面Pよりも後端側に位置する。このため、本発明に係るボールペンリフィール10では、ボール10の前後の中間位置が押さえられることとなる。
更に、本発明に係るボールペンリフィール10では、ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとの距離をLとし、ボールの直径をRとしたときに、
(L/R)≦0.036
を満たす。
上述したように、ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとは平行である。したがって、ボール中心面P及びカシメ部内周後端面Qの双方と直交する直線を引くことができる。そして、この直線のボール中心面Pからカシメ部内周後端面Qまでの長さが、ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとの距離Lである。
そして、本発明に係るボールペンリフィール10は、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pと一致させるか、又はボール中心面Pよりも後端側の所定範囲内((L/R)≦0.036を満たす範囲内)に位置させることにより、インク80のボテの発生を防止しつつ、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に巻き込みにくくし、かつ、ボールハウス61内に巻き込んでしまった繊維屑をボールハウス61外に吐き出しやすくして、快適な筆記を維持できるようにしているのである。
なお、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pよりも先端側に位置させると、ボールハウス61内におけるボール50の遊びが大きくなり過ぎて、クリアランス65からインク80が多く出過ぎてしまい、インク80のボテが発生しやすくなってしまう。
一方、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pよりも後端側の所定範囲外(0.036<(L/R))に位置させると、ボールハウス61内におけるボール50の遊びが小さくなり過ぎ、ボールハウス61内においてボール50が安定し過ぎて、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に反って巻き込みやすくなってしまうとともに、ボールハウス61内に巻き込んだ繊維屑をボールハウス61外に吐き出しにくくなってしまう。
(2)第2の発明
また、本発明者は、上記第2の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、加圧式のボールペンリフィール10において、加圧ガス90の圧力を所定範囲内に設定すると、クリアランス65からのインク80の漏れ出し、及びボールハウス61からのボール50の飛び出しを防止しつつ、インク80のかすれの発生を防止でき、更には、インク80を最後まで使い切れることを見出し、以下の発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のうち第2の発明は、第1の発明の特徴に加え、加圧ガス90は、ボールペンリフィール10組立て時における圧力が、絶対気圧で、0.15MPa以上0.4MPa以下であることを特徴とする。
このように、本発明に係るボールペンリフィール10は、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を、絶対気圧で0.15MPa以上0.4MPa以下にすることにより、クリアランス65からのインク80の漏れ出し、及びボールハウス61からのボール50の飛び出しを防止しつつ、インク80のかすれの発生を防止し、更には、インク80を最後まで使い切れるようにしているのである。
なお、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が、絶対気圧で0.15MPa未満では、インク80のかすれが発生してしまうおそれがあり、また、インク80を最後まで使い切れなくなってしまうおそれがある。
一方、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が、絶対気圧で0.4MPa超では、クリアランス65からインク80が漏れ出してしまったり、ボールハウス61からボール50が飛び出してしまうおそれがある。
もちろん、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(1)第1の発明の効果
第1の発明によれば、カシメ部内周後端面が、ボール中心面と一致するか、又はボール中心面よりも後端側の所定範囲内((L/R)≦0.036を満たす範囲内)に位置する。このため、ボールハウス内におけるボールの遊びが所定範囲内に収まり、チップの長軸を紙面に対して傾けて使用した際のクリアランスの大きさも所定範囲内に収まるので、インクのボテが発生しにくくなり、また、ボールの表面に付着した繊維屑がボールハウス内に巻き込まれにくくなり、しかも、ボールハウス内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス外に吐き出されやすくなる。したがって、快適な筆記を維持できるのである。
(2)第2の発明の効果
第2の発明によれば、ボールペンリフィール組立て時における加圧ガスの圧力が、所定範囲内(絶対気圧で0.15MPa以上0.4MPa以下)にある。このため、インクにかかるチップ方向への圧力が所定範囲内に収まるので、クリアランスからのインクの漏れ出しが抑えられ、また、ボールハウスからのボールの飛び出しが防止され、また、インクのかすれの発生も抑えられ、しかも、インクを最後まで使い切れるのである。
以下、本発明の実施の形態を、図1ないし図5に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係るボールペンリフィール10の側面断面図、図2は、図1のA部拡大図、図3は、図1のB部拡大図、図4は、チップ20の要部断面図、図5は、フロート100の斜視図である。
本実施の形態に係るボールペンリフィール10は、インク収容管30と、インク収容管30の先端に固定したチップ20とを備えている。また、インク収容管30は、ほぼ円筒状に形成され、その後端には尾栓40が圧入されている。また、インク収容管30の先端側には、インク80が充填され、また、インク収容管30の後端側には、加圧ガス90が充填されている。また、インク収容管30の内部であって、インク80と加圧ガス90との間には、インク80の減少に伴って一定範囲を移動するフロート100が設けられている。そして、加圧ガス90の圧力により、インク80をチップ20方向へ押し出すようにしている。
以下更に、本実施の形態に係るボールペンリフィール10について詳述する。
(チップ20)
チップ20は、ボール50と、ボール50を保持するためのホルダー60とを備えている。
(ボール50)
ボール50は、紙面にインク80を塗布するためのものである。
また、ボール50は、超硬合金、ステンレス、焼入鋼、又はセラミックなどを用いて形成されている。
(ホルダー60)
ホルダー60は、ボール50を保持するためのものである。
また、ホルダー60は、ステンレス、洋白、真鍮、又は黄銅などの金属製の線材を用いて形成されている。
また、ホルダー60は、ボールハウス61と、インク誘導孔62と、インク溝63と、カシメ部64とを有している。
また、ホルダー60は、先端側から後端側へ向けて外径を次第に大きくする円錐状のテーパー部66と、テーパー部66の後端側に連続して設けた円筒状の胴体部67と、胴体部67の後端側に連続して設けた、胴体部67よりも径が小さい円筒状の固定部68と、胴体部67と固定部68との間に設けた、階段状の外向き段部69とを有している。
以下更に、ホルダー60の各部について詳述する。
(ボールハウス61)
ボールハウス61は、ボール50を収納するためのものであって、ホルダー60の先端付近に設けられている。
また、ボールハウス61は、円筒状の側面部70と、インク誘導孔62側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部71とを有している。
また、ボールハウス61は、線材の先端側から後端側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
また、底面部71は、インク誘導孔62の開口部の周囲に、ボール50の曲率とほぼ同一の曲率を有する凹球面状のボール受け座72を有している。
また、ボール受け座72は、ボールハウス61にボール50を収納した後に、ハンマーでボール50をインク誘導孔62側へ向けて押圧することによって形成されている。
(インク誘導孔62)
インク誘導孔62は、ボールハウス61に収納したボール50にインク80を供給するためのものであって、ホルダー60の後端からボールハウス61まで貫通している。
また、インク誘導孔62は、線材の後端からボールハウス61側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
(インク溝63)
インク溝63は、ボールハウス61に収納したボール50にインク80が十分に供給されるようにするためのものである。
また、インク溝63は、インク誘導孔62のボールハウス61側の内周面に、インク誘導孔62の中心からみて放射状に設けられている。
また、インク溝63は、線材のボールハウス61側から後端側へ向けて、ブローチ加工を施すことによって形成されている。
(カシメ部64)
カシメ部64は、ボールハウス61に収納したボール50がボールハウス61から飛び出さないようにするためのものであって、ホルダー60の先端に設けられている。
また、カシメ部64は、円錐状に形成され、その最小径部分の内径を、ボール50の直径よりも小さく形成されている。
また、カシメ部64は、ボールハウス61にボール50を収納した後に、線材の先端に外側から圧延加工を施すことによって形成されている。
そして、カシメ部64により、ボール50は、その一部をボールハウス61から突出させつつ、ホルダー60の先端に回転自在に保持されている。
更に、ボール50とカシメ部64との間には、クリアランス65と呼ばれる微小な間隙が設けられ、このクリアランス65が、筆記時におけるインク80の通路となっている。
そして、ボール50の回転に伴って、ボール50の表面に付着したインク80が紙面に転写されることにより、紙面に描線が描かれる。
またここで、チップ20の長軸20aと直交し、かつ、ボール50の中心50aを通る平面を、ボール中心面Pとする。
また、カシメ部64の内周面64aの後端64bを通る平面を、カシメ部内周後端面Qとする。
また、チップ20の長軸20aとは、チップ20の長手方向の中心を通る軸をいう。チップ20の長軸20aは、仮想の軸であって、チップ20がこのような軸を現実に備えるわけではない。
また、ボール中心面Pとは、チップ20の長軸20aと直交し、かつ、ボール50の中心50aを通る平面をいう。ボール中心面Pは、仮想の平面であって、チップ20がこのような平面を現実に備えるわけではない。
また、カシメ部内周後端面Qとは、カシメ部64の内周面64aの後端64bを通る平面をいう。カシメ部内周後端面Qは、仮想の平面であって、チップ20がこのような平面を現実に備えるわけではない。
また、ホルダー60は、円筒状に形成されることから、カシメ部64の内周面64aの後端64bは、チップ20の長軸20aから等距離の同一平面上に位置する。したがって、カシメ部内周後端面Qは、チップ20の長軸20aと直交し、また、ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとは平行になる。このため、ボール中心面P及びカシメ部内周後端面Qの双方と直交する直線を引くことができ、この直線のボール中心面Pからカシメ部内周後端面Qまでの長さが、ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとの距離Lである。
また、本実施の形態に係るボールペンリフィール10では、カシメ部内周後端面Qは、ボール中心面Pと一致するか、又はボール中心面Pよりも後端側に位置する。このため、本発明に係るボールペンリフィール10では、ボール10の前後の中間位置が押さえられることとなる。
更に、本実施の形態に係るボールペンリフィール10では、ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとの距離をLとし、ボールの直径をRとしたときに、
(L/R)≦0.036
を満たす。
つまり、本実施の形態に係るボールペンリフィール10では、カシメ部内周後端面Qが、ボール中心面Pと一致するか、又はボール中心面Pよりも後端側の所定範囲内((L/R)≦0.036を満たす範囲内)に位置するように、線材の先端に外側から圧延加工を施して、カシメ部64を形成している。
そして、本実施の形態に係るボールペンリフィール10は、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pと一致させるか、又はボール中心面Pよりも後端側の所定範囲内((L/R)≦0.036を満たす範囲内)に位置させることにより、ボールハウス61内におけるボール50の遊びを所定範囲内に収め、チップ20の長軸20aを紙面に対して傾けて使用した際のクリアランス65の大きさを所定範囲内に収めて、インク80のボテの発生を防止しつつ、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に巻き込みにくくし、かつ、ボールハウス61内に巻き込んでしまった繊維屑をボールハウス61外に吐き出しやすくして、快適な筆記を維持できるようにしている。
なお、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pよりも先端側に位置させると、ボールハウス61内におけるボール50の遊びが大きくなり過ぎて、クリアランス65からインク80が多く出過ぎてしまい、インク80のボテが発生しやすくなってしまう。
一方、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pよりも後端側の所定範囲外(0.036<(L/R))に位置させると、ボールハウス61内におけるボール50の遊びが小さくなり過ぎ、ボールハウス61内においてボール50が安定し過ぎて、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に反って巻き込みやすくなってしまうとともに、ボールハウス61内に巻き込んだ繊維屑をボールハウス61外に吐き出しにくくなってしまう。
(インク収容管30)
インク収容管30は、ほぼ円筒状に形成されている。また、インク収容管30の先端には、チップ20が固定され、また、インク収容管30の後端には、尾栓40が圧入されている。また、インク収容管30の先端側には、インク80が充填され、また、インク収容管30の後端側には、加圧ガス90が充填されている。また、インク収容管30の内部であって、インク80と加圧ガス90との間には、インク80の減少に伴って一定範囲を移動するフロート100が設けられている。
具体的には、インク収容管30は、ステンレス又は真鍮などの金属材料を用いて、プレス加工によって一体的に形成されている。
また、インク収容管30は、円筒状の大径部31と、この大径部31の先端側に連設した、大径部31よりも径が小さい円筒状の中径部32と、この中径部32の先端側に連設した、中径部32よりも径が小さい円筒状の小径部33とを有している。
更に、インク収容管30は、大径部31と中径部32との間に設けた、階段状の内向き段部34と、中径部32と小径部33との間に設けた、円錐状の絞り部35とを有している。
また、大径部31は、加圧ガス90及びインク80を充填するための部分である。
すなわち、大径部31の後端側には、加圧ガス90が充填され、また、大径部31の先端側には、中径部32を経て小径部33に至るまで、インク80が充填されている。
また、大径部31の後端側の端部近辺には、大径部31に充填した加圧ガス90が外部に漏れないようにするための尾栓40が圧入されている。
また、大径部31の後端側の端部には、尾栓40を圧入した後に縮径部が形成され、この縮径部により、大径部31に圧入した尾栓40が加圧ガス90の圧力によって外部に飛び出さないようにしている。
また、大径部31の内部であって、インク80と加圧ガス90との間には、インク80の減少に伴って移動するフロート100が設けられている。そして、このフロート100により、大径部31の先端側に充填したインク80が後方へ流れ出さないようにしている。
すなわち、大径部31の内径は比較的大きく形成されているため、大径部31の内部では毛細管力が働きにくい。このため、大径部31に充填されたインク80は、チップ20とは反対方向へ流れ出しやすい。そこで、大径部31の内部であって、インク80と加圧ガス90との間に、ほぼ円柱状に形成したフロート100を設けることにより、大径部31に充填されたインク80が後方へ流れ出さないようにしている。更に、フロート100は、インク80の減少に伴って先端方向へ移動し、大径部31と中径部32との間に設けた内向き段部34に当接すると、先端方向への移動を停止する。
また、内向き段部34は、大径部31と中径部32とを繋ぐための部分であって、階段状に形成されている。
また、中径部32は、インク80を充填するための部分であって、大径部31よりも径が小さい円筒状に形成されている。
なお、中径部32の内径は比較的小さく形成されているため、中径部32の内部では毛細管力が働きやすい。このため、中径部32の内部においては、加圧ガス90とインク80との間にフロート100を設けなくても、インク80が後方へ流れ出しにくい。
また、絞り部35は、中径部32と小径部33とを繋ぐための部分であって、円錐状に形成されている。
また、小径部33は、チップ20を固定するための部分であって、中径部32よりも径が小さい円筒状に形成されている。
また、小径部33は、その内径を、ホルダー60の固定部68の外径よりもわずかに小さく形成されている。
そして、小径部33にホルダー60の固定部68を圧入することにより、チップ20をインク収容管30の先端に固定している。
更に、小径部33にホルダー60の固定部68を圧入する際には、小径部33の先端とホルダー60の外向き段部69とが当接しないようにし、これにより、小径部33の変形を防止して、気密性の向上を図っている。
また、小径部33は、ホルダー60の固定部68を圧入される前に焼鈍され、これにより、ホルダー60の固定部68が圧入されることによる応力腐食割れを防止している。
なお、インク収容管30は、インク80と反応して変形したり、クラック(破損)したり、あるいは膨潤したりすることなく、かつ、気密性や耐圧性などに優れた材料を用いて形成されればよく、したがって、ステンレスや真鍮などの金属材料を用いて、プレス加工によって一体的に形成される場合に限られるものではない。
具体的には、例えば、プラスチック材料を用いて、押し出し成形や射出成形などによってインク収容管30を形成してもよい。
また、インク収容管30は、一体的に形成される場合に限られるものではない。
具体的には、例えば、インク80を貯蔵するためのインク貯蔵部と、このインク貯蔵部とチップ20とを連結するための継手部とを別々に形成し、これらを繋ぎ合わせることによってインク収容管30を形成してもよい。
(インク80)
インク80は、着色剤、溶剤、構造粘性付与剤、樹脂、添加剤などを適宜配合することによって調製されている。
(着色剤)
着色剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた染料又は顔料の多くを用いることができる。
具体的には、例えば、バリファーストカラー(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、ニグロシンEX(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、アイゼンスピロン染料、アイゼンSOT染料(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、スピロンバイオレットC−RH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、スピロンイエローC−2GH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)などの染料を着色剤として用いることができる。
また、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、カーボンブラックMA−100(商品名、三菱化学株式会社製)、金属粉などの無機系顔料を着色剤として用いることもできる。
また、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などの有機系顔料を着色剤として用いることもできる。
なお、上述した染料又は顔料は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(溶剤)
溶剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた有機溶剤の多くを用いることができる。
具体的には、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、テトラリン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を溶剤として用いることができる。
なお、これらの有機溶剤は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(構造粘性付与剤)
構造粘性付与剤は、インク80の粘度を上昇させるとともに、インク80に構造粘性を付与するためのものである。
この構造粘性付与剤を添加されたインク80は、低剪断速度下では比較的高い粘度を示すものの、高剪断速度下では比較的低い粘度を示す。
ここで、非筆記時におけるチップ20の先端近辺では、インク80は、低剪断速度下におかれることとなる。このため、この構造粘性付与剤を添加されたインク80は、非筆記時におけるチップ20の先端近辺では、比較的高い粘度を示し、これにより、チップ20の先端からのインク80の漏れ出しを防止している。
一方、筆記時におけるチップ20の先端近辺では、インク80は、高剪断速度下におかれることとなる。このため、この構造粘性付与剤を添加されたインク80は、筆記時におけるチップ20の先端近辺では、比較的低い粘度を示し、これにより、なめらかに筆記できるのである。
具体的には、例えば、カーボンブラック(具体的には、例えば、三菱化学株式会社製のカーボンブラックMA−100(商品名))や微粒子シリカ(具体的には、例えば、日本アエロジル株式会社製のアエロジル380(商品名))などの無機微粒子を構造粘性付与剤として用いることができる。
なお、これらの無機微粒子は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(樹脂)
樹脂は、インク80の粘度を上昇させたり、あるいは構造粘性付与剤をインク80中に分散させたりするためのものである。
具体的には、例えば、ケトン樹脂(具体的には、例えば、日立化成株式会社製のハイラック#111(商品名))、フェノール樹脂、マレイン樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ロジン樹脂、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、クロマン−インデン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン(具体的には、例えば、ISP社製のポリビニルピロリドンK−90(商品名))、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などの樹脂を、インク80の粘度を上昇させたり、あるいは構造粘性付与剤をインク80中に分散させるための樹脂として用いることができる。
なお、これらの樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(添加剤)
添加剤としては、従来から油性ボール50ペン用インク80に用いられてきた増粘剤、曳糸性付与剤、界面活性剤、分散剤、潤滑剤、発色剤、防菌剤などを用いることができる。
具体的には、例えば、潤滑剤及び発色剤としてのオレイン酸、増粘剤及び分散剤としてのハイラック#111(商品名、日立化成株式会社製)、増粘剤、分散剤及び曳糸性付与剤としてのポリビニルピロリドンK−90(商品名、ISP社製)などを添加剤として用いることができる。
(インク80の製造方法)
インク80は、上述した各成分を混合撹拌等することによって製造されている。
具体的には、インク80は、顔料分散段階、アエロジル分散段階、染料溶解段階、混合段階、ろ過段階などを経て製造されている。
顔料分散段階は、顔料を溶剤などに分散させる段階である。
この顔料分散段階では、まず、ハイラック#111(樹脂)、オレイン酸(添加剤)、ベンジルアルコール(溶剤)、フェノキシエタノール(溶剤)などを60℃程度に加熱しながら混合し、ここにカーボンブラックMA−100(顔料)を加えて、ニーダー、プラネタリーミキサー、ロールなどを用いて撹拌する。
アエロジル分散段階は、アエロジルを溶剤などに分散させる段階である。
このアエロジル分散段階では、まず、ハイラック#111(樹脂)、ポリビニルピロリドンK−90(樹脂)、ベンジルアルコール(溶剤)、フェノキシエタノール(溶剤)などを60℃程度に加熱しながら混合し、ここにアエロジル380(構造粘性付与剤)を加えて、ニーダー、プラネタリーミキサー、ロールなどを用いて撹拌する。
染料溶解段階は、染料を溶剤などに溶解させる段階である。
この染料溶解段階では、ニグロシンEX(染料)、スピロンバイオレットC−RH(染料)、スピロンイエローC−2GH(染料)、ベンジルアルコール(溶剤)、フェノキシエタノール(溶剤)、オレイン酸(添加剤)などを60℃程度に加熱しながら撹拌して、これらを溶解させている。
混合段階は、上記各段階で得られたものを混合させる段階である。
この混合段階では、顔料分散段階によって得られたものと、アエロジル分散段階によって得られたものと、染料溶解段階によって得られたものとを60℃程度に加熱しながら約1時間撹拌して、これらを溶解及び混合させている。
ろ過段階は、混合段階で得られたものをろ過する段階である。
このろ過段階により、インク80の夾雑物を除去する。
(インク80の粘度)
インク80は、25℃における粘度が、10,000mPa・s以上60,000mPa・s以下となるように調製されている。
そして、25℃におけるインク80の粘度を10,000mPa・s以上60,000mPa・s以下に調製することにより、チップ20の先端からインク80が漏れ出さないようにしつつも、書き味がなめらかになるようにしている。
なお、25℃におけるインク80の粘度が10,000mPa・s未満では、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがある。
一方、25℃におけるインク80の粘度が60,000mPa・s超では、書き味が重くなってしまう。
もちろん、インク80の粘度が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(加圧ガス90)
加圧ガス90は、インク収容管30の内部に充填されているインク80をチップ20方向へ押し出すためのものであって、インク収容管30の後端側に充填されている。
(加圧ガス90の圧力)
加圧ガス90は、ボールペンリフィール10組立て時における圧力が、絶対気圧で0.15MPa以上0.4MPa以下となるように設定されている。
そして、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を、絶対気圧で0.15MPa以上0.4MPa以下に設定することにより、クリアランス65からのインク80の漏れ出し、及びボールハウス61からのボール50の飛び出しを防止しつつ、インク80のかすれの発生を防止し、更には、インク80を最後まで使い切れるようにしている。
なお、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が、絶対気圧で0.15MPa未満では、インク80のかすれが発生してしまうおそれがあり、また、インク80を最後まで使い切れなくなってしまうおそれがある。
一方、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が、絶対気圧で0.4MPa超では、クリアランス65からインク80が漏れ出してしまったり、ボールハウス61からボール50が飛び出してしまうおそれがある。
もちろん、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(フロート100)
フロート100は、インク収容管30に充填したインク80が後方へ流れ出さないようにするためのものである。
具体的には、フロート100は、ほぼ円柱状に形成され、その一方側の底面には、側面まで貫通する空気溝101が設けられ、また、他方側の底面には、刳り貫き部102が設けられている。
また、フロート100は、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂を用いて、射出成形によって一体的に形成されている。
そして、フロート100は、空気溝101が設けられている底面をインク80側へ向けるとともに、刳り貫き部102が設けられている底面を加圧ガス90側へ向けるようにして、インク収容管30の大径部31の内部に収納されている。
また、空気溝101は、フロート100が内向き段部34に当接した際に、中径部32の大径部31側の開口部を塞がないようにするためのものである。
すなわち、フロート100は、インク80の減少に伴って、大径部31の内部を先端方向へ移動し、内向き段部34に当接すると、その先端方向への移動を停止する。このとき、フロート100のインク80側の底面が、中径部32の大径部31側の開口部を塞いでしまうおそれがある。そこで、中径部32の大径部31側の開口部を塞がないようにするために、フロート100のインク80側の底面に、フロート100の側面まで貫通する空気溝101を設けている。
また、刳り貫き部102は、フロート100がインク80中に沈まないようにするためのものである。
すなわち、フロート100は、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂を用いて形成されているため、インク80中に沈んでしまうおそれがある。そこで、フロート100の加圧ガス90側の底面に刳り貫き部102を設けることにより、見かけの比重を小さくして、フロート100がインク80中に沈まないようにしている。
また、フロート100は、インク80と反応して変形したり、クラック(破損)したり、あるいは膨潤したりしない材料を用いて形成されればよく、したがって、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂を用いて形成される場合に限られるものではない。
また、フロート100は、インク80中に沈まないように形成されればよく、したがって、加圧ガス90側の底面に刳り貫き部102を有するように形成される場合に限られるものではない。
具体的には、例えば、インク80よりも比重が小さい材料を用いてフロート100を形成することにより、フロート100がインク80中に沈まないようにしてもよい。
また、例えば、インク80よりも比重が大きい材料を用いてフロート100を形成しても、内部に気泡などを設けることにより、見かけの比重を小さくして、フロート100がインク80中に沈まないようにすることができる。
(尾栓40)
尾栓40は、インク収容管30の内部に充填された加圧ガス90が外部に漏れ出さないようにするためのものである。
また、尾栓40は、金属製の留め具41と、この留め具41の一方側に設けたゴム製のシール部材42とを備えている。そして、尾栓40は、シール部材42を前方に向けて、インク収容管30の後端近辺の内部に圧入されている。そして、尾栓40は、ゴム製のシール部材42により、気密性の向上を図るとともに、金属製の留め具41により、耐圧性の向上を図っている。
(他の実施の形態)
なお、インク溝63は、ボールハウス61の底面部71を超えてボールハウス61の側面部70まで達するように形成することができる。そして、インク溝63の先端がボール中心面Pよりも先端側に位置するように形成することができる。具体的には、線材の後端側からボールハウス61側へ向けて、ボールハウス61の内径よりも大径のブローチを挿入し、ブローチの先端がボールハウス61の底面部71を貫いて線材の先端付近にまで達するようにする。その後に、線材の先端付近の外側を薄く切削し、その後に、ボールハウス61内にボール50を収納し、線材の先端に外側から圧延加工を施して、線材の先端にカシメ部64を形成する。そうすると、インク溝63がボールハウス61の底面部71を超えてボールハウス61の側面部70まで達し、インク溝63の先端をボール中心面Pよりも先端側に位置させることができる。これにより、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pと一致させるか、又はボール中心面Pよりも後端側の所定範囲内((L/R)≦0.036を満たす範囲内)に位置させた場合においても、ボールハウス61に収納したボール50にインク80を十分に供給できる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳しく説明する。
(ボールペンリフィール10の評価1)
下記の表1に、実施例1−1から実施例1−6まで及び比較例1−1から比較例1−10までの各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「インク80のボタ落ち」及び「濡れ紙筆記性能」についての評価をそれぞれ示し、更には「総合評価」を示す。
また、「インク80のボタ落ち」とは、チップ20の先端にインク80のかたまりができ、このインク80のかたまりが紙面に付着して紙面を汚してしまうことをいう。
また、「濡れ紙筆記性能」とは、水で濡らしたPPC用紙に筆記した後に、十分濃い描線が得られるか否かの性能をいう。つまり、水で濡らしたPPC用紙は、繊維がささくれ立ちやすい。このため、水で濡らしたPPC用紙に筆記すると、ボール50の表面に繊維屑が付着してしまう。ここで、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に巻き込みにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込んでしまった繊維屑をボールハウス61外に吐き出しやすければ、水で濡らしたPPC用紙に筆記した後であっても、十分濃い描線が得られるが、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に巻き込みやすく、かつ、ボールハウス61内に巻き込んでしまった繊維屑をボールハウス61外に吐き出しにくいと、水で濡らしたPPC用紙に筆記した後には、描線が薄くなってしまい、最悪の場合には、筆記不能になってしまう。
ここで、実施例1−1から実施例1−6まで及び比較例1−1から比較例1−10までに示す各ボールペンリフィール10は、「ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとの距離L」が、それぞれ異なるように形成したものである。すなわち、実施例1−1から実施例1−6まで及び比較例1−1から比較例1−10までに示す各ボールペンリフィール10は、「L/R」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例1−1から実施例1−6まで及び比較例1−1から比較例1−10までに示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径Rを0.7mmとし、下記の組成のインク80を用い、25℃におけるインク80の粘度を30,000mPa・sとし、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を絶対気圧で0.3MPaとした。
また、インク80の組成は、
ベンジルアルコール(溶剤):37.4重量%
フェノキシエタノール(溶剤):1.5重量%
オレイン酸(添加剤):8.0重量%
ニグロシンEX(着色剤):22.5重量%
スピロンバイオレットC−RH(着色剤):9.0重量%
スピロンイエローC−2GH(着色剤):6.0重量%
カーボンブラックMA−100(着色剤・構造粘性付与剤):8.0重量%
ハイラック#111(樹脂):5.4重量%
ポリビニルピロリドンK−90(樹脂):0.8重量%
アエロジル380(構造粘性付与剤):1.4重量%
とした。
また、「インク80のボタ落ち」の試験は、
まず、手書きにて筆記可能であることを確認し、
手書きが終了してから1時間経過後に、
ISO規格14145−1に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度:4.5m/min
筆記角度:60°
筆記負荷:0.39N
の条件で行った。
また、「インク80のボタ落ち」の評価は、
5本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
(イ)100m筆記してインク80のボタ落ちの数が5未満であった → 評価「A」
(ロ)100m筆記してインク80のボタ落ちの数が5以上15未満であった → 評価「B」
(ハ)100m筆記してインク80のボタ落ちの数が15以上30未満であった → 評価「C」
(ニ)100m筆記してインク80のボタ落ちの数が30以上であった → 評価「D」
とした。
また、「濡れ紙筆記性能」の試験は、
まず、手書きにて筆記可能であることを確認し、
次に、水で濡らしたPPC用紙の上に、直径2cmの円を手書きにて30周筆記し、これを10回繰り返し、その後に、
ISO規格14145−1に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度:4.5m/min
筆記角度:60°
筆記負荷:1.96N
の条件で行った。
また、「濡れ紙筆記性能」の評価は、
5本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
(イ)最初から最後まで十分濃い描線が得られた → 評価「A」
(ロ)最初の数mは描線が薄いが、その後、十分濃い描線が得られた → 評価「B」
(ハ)最初から最後まで描線が薄かった → 評価「C」
(ニ)インク80が出ず、筆記不能であった → 評価「D」
とした。
また、総合評価は、下記の基準で判断することにより、「○」又は「×」で示した。
(イ)インクのボタ落ちの評価が「A」であり、かつ、濡れ紙筆記性能の評価が「A」の場合、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすく、快適な筆記が維持できるといえるので、総合評価は「○」とした。
(ロ)インクのボタ落ちの評価が「A」であり、かつ、濡れ紙筆記性能の評価が「B」の場合、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすく、快適な筆記が維持できるといえるので、総合評価は「○」とした。
(ハ)インクのボタ落ちの評価が「B」であり、かつ、濡れ紙筆記性能の評価が「A」の場合、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすく、快適な筆記が維持できるといえるので、総合評価は「○」とした。
(ニ)上記の(イ)ないし(ハ)以外の場合、インク80のボテの発生が抑えられないか、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれやすいか、又はボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されにくいかのいずれか1以上の欠点を有しており、快適な筆記が維持できるとはいえないので、総合評価は「×」とした。
なお、表1中、「R」は、「ボール50の直径(単位:mm)」を、「L」は、「ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとの距離L(単位:mm)」を、それぞれ示す。
Figure 0004318256
このように、実施例1−1から実施例1−6までの各ボールペンリフィール10は、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすく、快適な筆記が維持できた。
すなわち、実施例1−1から実施例1−6までに示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすく、快適な筆記が維持できるのである。
一方、比較例1−1から比較例1−10までの各ボールペンリフィール10は、インク80のボテの発生が抑えられないか、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれやすいか、又はボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されにくいかのいずれか1以上の欠点を有しており、快適な筆記が維持できなかった。
すなわち、比較例1−1から比較例1−10までに示すようにボールペンリフィール10を形成すると、インク80のボテの発生が抑えられないか、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれやすいか、又はボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されにくいかのいずれか1以上の欠点を有することとなり、快適な筆記が維持できなくなってしまうのである。
更に、(L/R)の限界数値についての試験を行ったところ、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pと一致させるか、又はボール中心面Pよりも後端側の所定範囲内((L/R)≦0.036を満たす範囲内)に位置させれば、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすく、快適な筆記が維持できることが確認された。
また、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pよりも先端側に位置させると、ボールハウス61内におけるボール50の遊びが大きくなり過ぎて、クリアランス65からインク80が多く出過ぎてしまい、インク80のボテが発生しやすくなってしまうことが確認された。
一方、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pよりも後端側の所定範囲外(0.036<(L/R))に位置させると、ボールハウス61内におけるボール50の遊びが小さくなり過ぎ、ボールハウス61内においてボール50が安定し過ぎて、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に反って巻き込みやすくなってしまうとともに、ボールハウス61内に巻き込んだ繊維屑をボールハウス61外に吐き出しにくくなってしまうことが確認された。
なお、この試験は、インク80の組成、インク80の粘度、及び加圧ガス90の圧力などを変えて行ったが、前述した結果と同様の傾向が見られた。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。
(ボールペンリフィール10の評価2)
下記の表2に、実施例2−1から実施例2−7まで及び比較例2−1から比較例2−7までの各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「インク80のボタ落ち」及び「濡れ紙筆記性能」についての評価をそれぞれ示し、更には「総合評価」を示す。
ここで、評価1では、ボール50の直径Rを「0.7mm」としたが、評価2では、ボール50の直径Rを「0.5mm」とした。つまり、評価1と評価2とでは、ボール50の直径Rが異なる。また、評価2では、ボール50の直径R以外の点(具体的には、ボール50の材質、ホルダー60の材質、インク80の組成、インク80の粘度、及びボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力)については、評価1と同じにした。
また、実施例2−1から実施例2−7まで及び比較例2−1から比較例2−7までに示す各ボールペンリフィール10は、「ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとの距離L」が、それぞれ異なるように形成したものである。すなわち、実施例2−1から実施例2−7まで及び比較例2−1から比較例2−7までに示す各ボールペンリフィール10は、「L/R」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、「インク80のボタ落ち」の試験は、上記の評価1と同じ条件で行った。
また、「インク80のボタ落ち」の評価は、上記の評価1と同じ基準で行った。
また、「濡れ紙筆記性能」の試験は、上記の評価1と同じ条件で行った。
また、「濡れ紙筆記性能」の評価は、上記の評価1と同じ基準で行った。
また、総合評価は、上記の評価1と同じ基準で行った。
なお、表2中、「R」は、「ボール50の直径(単位:mm)」を、「L」は、「ボール中心面Pとカシメ部内周後端面Qとの距離L(単位:mm)」を、それぞれ示す。
Figure 0004318256
このように、実施例2−1から実施例2−7までの各ボールペンリフィール10は、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすく、快適な筆記が維持できた。
すなわち、実施例2−1から実施例2−7までに示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすく、快適な筆記が維持できるのである。
一方、比較例2−1から比較例2−7までの各ボールペンリフィール10は、インク80のボテの発生が抑えられないか、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれやすいか、又はボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されにくいかのいずれか1以上の欠点を有しており、快適な筆記が維持できなかった。
すなわち、比較例2−1から比較例2−7までに示すようにボールペンリフィール10を形成すると、インク80のボテの発生が抑えられないか、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれやすいか、又はボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されにくいかのいずれか1以上の欠点を有することとなり、快適な筆記が維持できなくなってしまうのである。
更に、(L/R)の限界数値についての実験を行ったところ、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pと一致させるか、又はボール中心面Pよりも後端側の所定範囲内((L/R)≦0.036を満たす範囲内)に位置させれば、インク80のボテの発生が抑えられ、かつ、ボール50の表面に付着した繊維屑がボールハウス61内に巻き込まれにくく、かつ、ボールハウス61内に巻き込まれた繊維屑がボールハウス61外に吐き出されやすく、快適な筆記が維持できることが確認された。
また、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pよりも先端側に位置させると、ボールハウス61内におけるボール50の遊びが大きくなり過ぎて、クリアランス65からインク80が多く出過ぎてしまい、インク80のボテが発生しやすくなってしまうことが確認された。
一方、カシメ部内周後端面Qを、ボール中心面Pよりも後端側の所定範囲外(0.036<(L/R))に位置させると、ボールハウス61内におけるボール50の遊びが小さくなり過ぎ、ボールハウス61内においてボール50が安定し過ぎて、ボール50の表面に付着した繊維屑をボールハウス61内に反って巻き込みやすくなってしまうとともに、ボールハウス61内に巻き込んだ繊維屑をボールハウス61外に吐き出しにくくなってしまうことが確認された。
なお、この試験は、インク80の組成、インク80の粘度、及び加圧ガス90の圧力などを変えて行ったが、前述した結果と同様の傾向が見られた。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。
本実施の形態に係るボールペンリフィールの側面断面図。 図1のA部拡大図。 図1のB部拡大図。 チップの要部断面図。 フロートの斜視図。 従来のボールペンリフィールが備えるチップの要部断面図。 従来のボールペンリフィールが備えるチップの要部断面図(チップの長軸を紙面に対して傾けて使用した状態)。 従来のボールペンリフィールが備えるチップの要部断面図。 従来のボールペンリフィールが備えるチップの要部断面図(チップの長軸を紙面に対して傾けて使用した状態)。
符号の説明
10 ボールペンリフィール
20 チップ 20a チップの長軸
30 インク収容管 31 大径部
32 中径部 33 小径部
34 内向き段部 35 絞り部
40 尾栓 41 留め具
42 シール部材
50 ボール 50a ボールの中心
60 ホルダー 61 ボールハウス
62 インク誘導孔 63 インク溝
64 カシメ部 64a カシメ部の内周面
64b カシメ部の内周面の後端 65 クリアランス
66 テーパー部 67 胴体部
68 固定部 69 外向き段部
70 側面部 71 底面部
72 ボール受け座
80 インク 90 加圧ガス
100 フロート 101 空気溝
102 刳り貫き部 110 紙面
P ボール中心面
Q カシメ部内周後端面
R ボールの直径
L ボール中心面とカシメ部内周後端面との距離

Claims (2)

  1. インク収容管と、インク収容管の先端に固定したチップとを備え、インク収容管の先端側には、インクが充填され、インク収容管の後端側には、加圧ガスが充填され、加圧ガスの圧力により、インクをチップ方向へ押し出すようにしたボールペンリフィールであって、
    チップは、ボールと、ボールを保持するためのホルダーとを備え、
    ホルダーの先端付近には、ボールを収納するためのボールハウスが設けられ、
    ホルダーの先端には、ボールハウスに収納したボールがボールハウスから飛び出さないようにするためのカシメ部が設けられ、
    チップの長軸と直交し且つボールの中心を通る平面をボール中心面とし、
    カシメ部の内周面の後端を通る平面をカシメ部内周後端面としたときに、
    カシメ部内周後端面は、ボール中心面と一致するか、又はボール中心面よりも後端側に位置するとともに、
    ボール中心面とカシメ部内周後端面との距離をLとし、
    ボールの直径をRとしたときに、
    (L/R)≦0.036
    を満たすことを特徴とするボールペンリフィール。
  2. 加圧ガスは、ボールペンリフィール組立て時における圧力が、絶対気圧で、0.15MPa以上0.4MPa以下であることを特徴とする請求項1記載のボールペンリフィール。
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