JP4315610B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、***物に起因する菌汚染や悪臭の発生、及び高吸収性ポリマーの劣化、分解が抑制された吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
***物に起因する菌汚染や悪臭の発生を抑えるために、抗菌剤を含む吸収性物品が種々提案されており、抗菌剤としては4級アンモニウム塩や金属を含む無機系の抗菌剤が使用されている。これらのうち、金属を含む無機系の抗菌剤、特に遷移金属を含む抗菌剤は安全性の点で優れているため有望であるが、一方で大人用のおむつの着用現場において吸収性能が劣化する場合があることが見出された。その原因を調査したところ、介護施設の現場等では被介護者への点滴が行われることがあり、この点滴中に多量のビタミンC(L−アスコルビン酸)が含まれていると、前記抗菌剤中に含まれる金属イオンが触媒となってL−アスコルビン酸又はその塩が分解反応を起こしてラジカルが発生し、このラジカルによって高吸収性ポリマーが分解することによる液保持力の低下が原因であることが見出された。
【0003】
高吸収性ポリマーの劣化、分解を抑制するための手段として、例えば、特開昭63−272349号公報、特公平5−34383号公報、特開平2−255804号公報、特開平3−179008号公報では、含硫黄還元剤、含酸素還元性無機塩、水溶性連鎖移動剤等の添加剤を用いる方法が提案されている。しかし、これらの添加剤は、悪臭を発したり、刺激やアレルギー誘因物質であることが懸念され、人体との接触が起こり得る条件下では安全性に対する十分な注意が必要である。そのため、より一層安全性の高い抑制手段が望まれている。
【0004】
従って、本発明は、使用者により安全で且つ効率よく、***物に起因する菌汚染や悪臭の発生及び高吸収性ポリマーの劣化、分解を抑制し得る吸収性物品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在され且つ高吸収性ポリマーを少なくともその一部に含有している液保持性の吸収体を有する吸収性物品において、
前記表面シートと前記吸収体における前記高吸収性ポリマーを含む領域との間に、抗酸化剤及び金属を含む抗菌剤が含有されている吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0006】
また本発明は、抗酸化剤及び金属を含む抗菌剤が含有されており、液透過性を有するシート材を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収性物品の好ましい実施形態を、該吸収性物品として使い捨ておむつを例にとり図面を参照して説明する。図1には、第1の実施形態の使い捨ておむつを表面シート側からみた一部破断平面図が示されている。
【0008】
図1に示すように、本実施形態の使い捨ておむつ1は、液透過性の表面シート2と、熱可塑性樹脂のシート等からなる液不透過性の裏面シート3と、表面シート2及び裏面シート3間に介在された液保持性の吸収体4とを有して構成されている。吸収体4は、おむつ1の股下領域に対応する領域がくびれた砂時計形状に湾曲形成され、表面シート2及び裏面シート3も、吸収体4の形状に即しておむつ1の股下領域に対応する領域が湾曲形成されている。そして、吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3によって挟持固定されている。
【0009】
吸収体4の前後端から外方に延出する表面シート2及び裏面シート3によって形成される背側および腹側のウエスト部5,5’には、おむつ1を着用した際に、ウエスト部5,5’を着用者の身体にフィットさせるための弾性伸縮部材5a,5a’が配されており、該弾性伸縮部材5a,5a’は表面シート2及び裏面シート3によって固定されている。また吸収体4の左右端縁から外方に延出する表面シート2及び裏面シート3によって形成される一対のレッグ部6,6には、糸状の3本の弾性伸縮部材6a,6aが配されており、該弾性伸縮部材6aは表面シート2及び裏面シート3によって固定されている。そして、これらの弾性伸縮部材5a,6aが収縮することで、おむつ1における着用者の肌当接面側にウエストギャザー及びレッグギャザーが形成される。
【0010】
おむつ1の左右両側部それぞれには、表面シート2の側部を覆うように立体ギャザー形成用シート7,7が配されている。各立体ギャザー形成用シート7は、その外側部及び前後端部が表面シート2に固着されていると共にその内側部が自由状態となっている。そして、該内側部の側縁に、その長手方向に沿って弾性伸縮部材7a,7aが固定されている。そして弾性伸縮部材7aが収縮することで、立体ギャザー形成用シート7の前記内側部が立ち上がり、おむつ1における着用者の肌当接面側に立体ギャザーが形成される。
【0011】
背側のウエスト部5の幅方向両端にはそれぞれテープファスナー等からなる一対の止着具8が取り付けられており、また、腹側のウエスト部5’における裏面シート3上には矩形状のランディングテープ等からなる被着具(図示せず)が貼付されている。そして、本実施形態の使い捨ておむつ1が着用される際に、止着具8,8が被着具上に止着するようになされている。
【0012】
表面シート2としては、不織布や開孔された合成樹脂製のフィルムなどが用いられる。これら不織布やフィルムは適宜親水化処理がなされている。裏面シート3としては、合成樹脂製のフィルムなどが用いられる。このフィルムは透湿性を有していてもよい。吸収体4は、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーの粒子の混合体がティッシュペーパに包まれて構成されている。高吸収性ポリマーは、吸収体4の全体に均一に含有されている。おむつ1を構成するその他の部材としては、従来の使い捨ておむつに用いられているものと同様のものが用いられる。
【0013】
高吸収性ポリマーとしては、ポリアクリル酸塩架橋体、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体架橋体、澱粉−アクリル酸塩グラフト共重合体架橋体及びポリビニルアルコール−ポリ無水マレイン酸塩グラフト共重合体架橋体のようなカルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物の部分架橋体や、カルボキシメチルセルロース塩架橋体のような多糖類の部分架橋体が挙げられる。特に吸水性能の点からは、ポリアクリル酸塩架橋体又は澱粉−アクリル酸塩グラフト共重合体架橋体を用いることが好ましく、とりわけポリアクリル酸塩架橋体を用いることが好ましい。
【0014】
表面シート2と吸収体4との間には、シート材9が配されている。シート材9は、吸収体4の上面全域を覆うように吸収体4の直上に配されている。シート材9は、液透過性を有している。またシート材9は、抗酸化剤及び金属を含む抗菌剤を含有している。
【0015】
表面シート2と吸収体4との間に前述したシート材9が配されていることで、本実施形態のおむつ1は、主として以下の効果(a)及び(b)を奏する。
(a)シート材9に含有されている抗菌剤によって、***物に起因する菌の増殖ひいては菌による汚染や悪臭の発生が防止される。特に、シート材9が吸収体4の直上に配されているので、シート材9が、吸収体4から発生する悪臭の発散に対するいわゆる蓋の役割を果たし、悪臭の発生が一層防止される。
(b)シート材9に含有されている抗酸化剤によって、尿や経血などの***物に含まれているL−アスコルビン酸又はその塩の酸化分解及びラジカルの発生が抑えられ、高吸収性ポリマーの劣化、分解が防止される。特に、前述した抗菌剤に含まれている金属は、これが酸化還元することによってL−アスコルビン酸又はその塩の酸化分解の触媒となり、該金属の存在によって該酸化分解が一層促進されるが、該金属の酸化還元も抗酸化剤によって抑えられるので、高吸収性ポリマーの劣化、分解が一層防止される。
(c)抗菌剤及び抗酸化剤を含有しているシート材9は、表面シート2と吸収体4の間に配されており、抗菌剤及び抗酸化剤は何れも着用者の肌に直接接触しないので安全性が高い。
【0016】
金属を含む抗菌剤としては、カルボキシメチル化セルロースの表面に金属イオンが結合してなるもの(以下、金属CMCという)、鉄クロロフィル、鉄フタロシアニン、銅フタロシアニン、鉄ゼオライト、銅ゼオライトなどが挙げられる。特に、抗菌効果が効果的に発現する点から、尿等の***物と接触して初めて抗菌効果を発現する抗菌剤を用いることが好ましい。体液と接触して初めて抗菌効果を発現する抗菌剤としては、前述した金属CMCを挙げることができる。また金属CMCを用は、金属イオンの溶出が少ない点、及び人体への安全性が高い点からも好ましい抗菌剤である。金属イオンの溶出は、高吸収性ポリマーの分解、劣化の原因となり得る。
【0017】
金属CMCとしては、金属として銀、銅、亜鉛又は鉄を含有するものが、高抗菌効果の点から好ましい。金属CMCとして市販品も用いることができる。例えば、銅CMCである株式会社興人製の「クリーンスカイ」(商品名)を用いることができる。
【0018】
抗菌剤は、これに含まれる金属の重量を基準として、シート材9の重量に対して10〜10000重量ppm、特に50〜500重量ppm配合されていることが、十分な強度、柔軟性及び抗菌効果の発現の点から好ましい。
【0019】
抗菌剤は、それ自体はシート材9に強固に固定されていることが好ましい。また抗菌剤は、おむつ1に***された尿や経血等の***物によってシート材9から金属イオンが流出可能な状態でシート材9に含有固定されていることが好ましい。抗菌剤がこのような状態で含有されていることで、抗菌剤に含まれている金属が、おむつ1の着用前及び着用中に高吸収ポリマーを溶解することを防ぐ。また、***物中の悪臭原因物質や雑菌と金属との効率的な接触がなされる。
【0020】
抗酸化剤としては、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、茶粉末、ポリフェノール含有の植物エキス等のポリフェノール類、エデト酸塩などが用いられ、特に安全性の面から、ポリフェノール類を用いることが好ましい。
【0021】
抗酸化剤は、おむつ1に***された尿や経血等の***物によってシート材9から流出可能な状態でシート材9に含有されていることが好ましい。抗酸化剤がこのような状態で含有されていることで、金属を含む抗菌剤が尿などによってシート材9から流出して吸収体に達してしまっても、これと共に抗酸化剤がシート材9から流出できれば、抗菌剤に含まれている金属の酸化還元を該抗酸化剤によって抑えることができ、該酸化還元に起因する高吸収性ポリマーの劣化、分解を防止することができる。また、金属を含む抗菌剤が流出しない場合であっても、吸収体4中には不可避的に微量の遷移金属イオンが存在することがあるので、抗酸化剤がシート材9から流出できれば、該遷移金属イオンに起因する高吸収性ポリマーの劣化、分解を防止することができる。
【0022】
抗酸化剤は、シート材9の重量に対して0.01〜20重量%、特に0.02〜1重量%配合されていることが、加工性、安全性、十分な抗酸化作用及び経済性の点から好ましい。また、抗酸化剤は、吸収体4に含まれている高吸収性ポリマーの重量に対して0.0025〜10重量%、特に0.004〜0.2重量%配合されていることが、十分な抗菌作用及び経済性の点から好ましい。
【0023】
抗酸化剤及び前述の抗菌剤は、両者の割合が、抗酸化剤:抗菌剤=1:0.001〜1:1、特に1:0.05〜1:0.5であることが、抗菌効果及び高吸収性ポリマーの劣化、分解抑制効果の点から好ましい。
【0024】
シート材9は、液透過性を有しているものが使用される。その例としては、紙や不織布などの繊維材料からなるシート、多数の開孔を有する合成樹脂製のフィルムなどが挙げられる。特に、抗菌剤及び抗酸化剤をそれぞれ前述した状態で含有させ易い点から、シート材9として繊維材料からなるシートが好ましく用いられ、とりわけ紙が好ましく用いられる。
【0025】
シート材9が繊維材料からなるシートから構成される場合、該繊維材料としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)や広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)などの木材パルプ、再生セルロース繊維、及び藁や綿などの非木材パルプ等の親水性繊維が好ましく用いられる。
【0026】
シート材9が木材パルプを主体とする場合、シート材9にはその強度を向上させる目的で、バインダーを配合させることも好ましい。バインダーは、シート材9の重量に対して0.01〜20重量%、特に0.1〜0.5重量%配合されていることが、十分な強度発現の点から好ましい。バインダーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)やカルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
【0027】
シート材9の坪量は、10〜30g/m2、特に12〜17g/m2であることが、加工性、経済性の点から好ましい。
【0028】
抗酸化剤及び抗菌剤を含有するシート材9は、好ましくは次の方法で製造される。シート材9の構成材料として木材パルプを用い、これを原料として湿式抄紙を行う。湿式抄紙に際して、パルプスラリーに抗酸化剤及び抗菌剤を含有させておく。これによって抗酸化剤及び抗菌剤を抄き込む。その結果、シート材9に抗酸化剤及び抗菌剤が含有される。抄き込みを用いれば、抗酸化剤を、***された***物によってシート材9から流出可能な状態でシート材9に含有させることができる。また、抗菌剤として前述した金属CMCを用いることで、金属CMCが木材パルプと絡み合ってシート材9に固定され、***された***物によって金属イオンのみが流出可能となり、CMC自体はシート材9から流出しないようになる。
【0029】
次に、本発明の第2の実施形態を図2を参照しながら説明する。図2には、おむつをその股下部で幅方向に切断した状態の要部断面図が示されている。第2の実施形態については、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図2、図1と同じ部材には同じ符号を付してある。
【0030】
本実施形態においては、吸収体4が、高吸収性ポリマーを含む層(以下、下層吸収体という)4b及び下層吸収体4b上に位置する高吸収性ポリマーを含まない層(以下、上層吸収体という)4aを有する2層構造となっている。上層吸収体4aは、パルプ繊維の積繊体がティッシュペーパー等の薄手の吸収紙で被覆されて構成されている。一方、下層吸収体4bは高吸収性ポリマーの粒子の堆積層から構成されている。下層吸収体4bには、高吸収性ポリマーの粒子に加えてパルプ繊維などが含有されていてもよい。
【0031】
上層吸収体4a中には、抗酸化剤及び抗菌剤が含有されている。抗酸化剤及び抗菌剤は、上層吸収体4aを構成するパルプ繊維に付着固定されている。本実施形態のおむつが斯かる構成を有していることによって、前述した第1の実施形態と同様の効果が奏される。抗酸化剤及び抗菌剤をパルプ繊維に付着固定する手段としては、例えば抗酸化剤及び抗菌剤の水溶液や水分散液をパルプ繊維に噴霧する方法や、パルプ繊維を水に分散させたスラリーに抗酸化剤及び抗菌剤を添加し、その後パルプ繊維を引き上げて乾燥させる方法を用いることができる。抗酸化剤の配合量は、上層吸収体4aの重量の0.001〜10重量%、特に0.01〜1重量%であることが、加工性、安全性、十分な抗酸化作用及び経済性の点から好ましい。抗菌剤の配合量は、上層吸収体4aの重量の10-4〜1重量%、特に5×10-3〜5×10-1重量%であることが、十分な抗菌作用及び経済性の点から好ましい。上層吸収体4aにおけるパルプ繊維の量は30〜500g/m2、特に50〜300g/m2であることが体液の迅速な拡散・吸収と抗菌性とのバランスの点から好ましい。
【0032】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、裏面シート3が透湿性を有する場合には、裏面シート3と吸収体4との間に、抗酸化剤及び抗菌剤を含有するシート材を更に配してもよい。これによって、裏面シート3を通じて外部へ放出するおそれのある悪臭の放出を防止することができる。
【0033】
また本発明は、使い捨ておむつに限られず、生理用ナプキンや失禁パッド等の他の吸収性物品にも同様に適用可能である。
【0034】
【実施例】
以下の例中、特に断らない限り、「%」は「重量%」を意味する。
【0035】
〔実施例1〕
NBKP、抗菌剤としての銅CMC〔株式会社興人製の「クリーンスカイ」(商品名)〕、抗酸化剤としてのポリフェノール〔三井農林製のポリフェノンHG(商品名)〕及びバインダー〔第一工業製薬製のCMC〕を含有するスラリーを抄紙原料として、湿式抄紙法によって乾燥坪量16g/m2のシート材を製造した。シート材におけるパルプの割合は99%、銅CMCの割合は0.03%(銅の重量基準)、抗酸化剤の割合は0.5%、バインダーの割合は0.1%であった。
【0036】
パルプと高吸収性ポリマーの粒子〔花王株式会社製のポイズSA−20(商品名)〕との混合物をティッシュペーパーで包んでなる吸収体の上に前述のシート材を重ね、この上下に、サクションヒートボンド不織布からなるトップシート及びポリエチレンフィルムからなるバックシートをそれぞれ配し、図1に示す構造の使い捨ておむつを得た。
【0037】
〔実施例2〕
実施例1における銅CMCに代えて鉄クロロフィルを用いる以外は実施例1と同様にしてシート材を得、得られたシート材を用いて実施例1と同様の使い捨ておむつを得た。鉄クロロフィルの割合は、シート材の重量の0.5重量%であった(鉄の重量基準)。このシート材においては、鉄クロロフィルは水分で流出してしまう程度に固定化されていた。
【0038】
〔比較例1〕
実施例1において抗酸化剤を配合しない以外は実施例1と同様にしてシート材を得、得られたシート材を用いて実施例1と同様の使い捨ておむつを得た。
【0039】
〔比較例2〕
実施例1において抗菌剤を配合しない以外は実施例1と同様にしてシート材を得、得られたシート材を用いて実施例1と同様の使い捨ておむつを得た。
【0040】
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られたおむつについて、以下の方法で高吸収性ポリマーの分解防止効果を評価した。その結果を以下の表1に示す。
【0041】
〔高吸収性ポリマーの分解防止効果〕
L−アスコルビン酸を500ppm含有する生理食塩水溶液150ccを、実施例及び比較例で得られたおむつに注入する。次いでおむつを37℃恒温槽に静置する。6時間経過後の高吸収性ポリマーの分解状態を目視観察し、以下の基準で分解防止効果を評価した。
A:高吸収性ポリマーは分解せず、保水性能を維持した。
B:高吸収性ポリマーが一部分解して部分的にポリマーの保形性が失われたが、保水性能は維持した。
C:高吸収性ポリマーの溶解(分解)が著しく液状化し、保水性能を失った。
【0042】
〔抗菌効果〕
SCP培地に黄色ブドウ球菌又は大腸菌を接種し、その培地150ccを実施例及び比較例で得られたおむつに含浸させ、30℃恒温下に12時間静置する。次いで、おむつから表面シート及びシート材を合計で2g切り取り、40ccの生理食塩水に浸漬して菌を抽出する。抽出液をSCP培地に加え、該培地を20℃で24時間静置して菌の増殖数を観察し、比較例2のおむつを対照として以下の基準で抗菌効果を評価した。
−:対照よりも菌の増殖が抑制されている。
+:対照と菌数が同等又は増加している。
【0043】
【表1】
Figure 0004315610
【0044】
表1に示す結果から明らかなように、抗酸化剤及び金属を含む抗菌剤を含有するシート材が配されている実施例のおむつ(本発明品)においては、比較例のおむつに比して、高吸収性ポリマーの分解防止効果に優れると共に抗菌効果にも優れることが判る。特に、抗菌剤が、***された***物によってシート材から流出しない状態で含有されている実施例1のおむつは、高吸収性ポリマーの分解防止効果が非常に高いことが判る。
【0045】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品によれば、使用者により安全で且つ効率よく、***物に起因する菌汚染や悪臭の発生及び高吸収性ポリマーの劣化、分解を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の一例としての使い捨ておむつを示す一部破断斜視図である。
【図2】本発明の吸収性物品の別の実施形態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
9 シート材

Claims (1)

  1. 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在され且つ高吸収性ポリマーを少なくともその一部に含有している液保持性の吸収体を有する吸収性物品において、
    前記吸収体が、前記高吸収性ポリマーを含む層及び該層上に位置する前記高吸収性ポリマーを含まない層を有し、該高吸収性ポリマーを含まない層中に、抗酸化剤及び金属を含む抗菌剤が含有されており、
    前記抗酸化剤は、前記吸収性物品に***された***物によって流出可能な状態で含有されており、前記抗菌剤は、前記吸収性物品に***された***物によって前記金属が流出可能な状態で含有されている吸収性物品。
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