JP4315305B2 - マグネット式ヒーター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に寒冷時や極寒時におけるディーゼルエンジンやガソリンエンジンを動力源とする主に自動車などの各種車両用エンジンの起動性向上や電気自動車を含む各種車両や船舶のキャビン暖房などに使用されるエンジン冷却水などの熱媒体用流体の補助加熱手段として用いられ、またエンジン駆動される発電機、溶接機、コンプレッサー、建設機械などのエンジン冷却水の予熱あるいは急速昇温(ウォーミングアップ時間の短縮)、さらには温水を昇温しながら圧送する装置や空調装置の暖房器、ヘアドライヤーなどの乾燥器などに用いるマグネット式ヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
寒冷地などにおける始動時のエンジン冷却水の暖房に利用される自動車などの車両用補助暖房熱源として、ビスカス式ヒーターが知られている(特開平2−246823号公報、実開平4−11716号公報、特開平9−254637号公報、特開平9−66729号公報、特開平9−323530号公報等参照)。
ビスカス式ヒーターは、シリコンオイルなどの粘性流体をせん断により発熱させ、ウォータージャケット内を循環する循環水に熱交換して暖房熱源に利用する方式であって、その構造としては、例えばハウジング内部に発熱室と、この発熱室の外域にウォータージャケットを形成し、ハウジングには軸受装置を介して駆動軸が回動可能に支承され、駆動軸には発熱室内で回動可能なロータが固定されており、発熱室の壁面とロータとの間隙にシリコンオイルなどの粘性流体が封入され、ウォータージャケット内では循環水が入水ポートから取入れられ、出水ポートから外部の暖房回路へ送り出されるべく循環されている。
【0003】
車両の暖房装置に組込まれたこのビスカス式ヒーターでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれば、発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱室の壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱し、この発熱がウォータージャケット内の循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回路でエンジン冷却水など車両の暖房に供されることとなる。
【0004】
しかし、上記したビスカス式ヒーターは、シンプルな構造により、小型化と低コストを実現でき、また摩耗のない非接触式の機構で高い信頼性と安全性を確保することができ、さらに水温が上昇し、補助ヒーターが不要になると温度制御により自動的に運転が停止するため、無駄なエネルギーは使用しないなどの特徴を有するが、粘性流体として用いるシリコンオイルの耐熱性は240℃程度が限界であり、シリコンオイルの温度をあまり高くできないことと、始動時シリコンオイルが撹拌されて高温に発熱するまでに時間がかかると共に、シリコンオイルの温度が上昇すると粘度が低下することによりせん断抵抗が低下して単位時間当りの発熱量が次第に減少する傾向があるためにエンジン冷間時間での急速な暖房効果が得られないという難点がある。また、ビスカス式ヒーターは、使用環境が極低温の場合粘性流体の粘度が高くなるため、起動時の負荷トルクが増大する。特にエンジン駆動の場合は起動時に過大な負荷がかかることになる。このため、特にディーゼルエンジン搭載の寒冷地仕様車の場合、このようなビスカス式ヒーターは有効性において十分とはいえず、より短時間にかつ効率よく熱媒体用流体を高温に加熱することができる補助ヒーターが望まれていた。
【0005】
そこで本発明者は、このようなビスカス式ヒーターの有する問題点に鑑み、ビスカス式ヒーターに比しより高温にしかも短時間に熱媒体用流体の温度を上昇させることができ、かつ耐熱性に優れたマグネット式ヒーターを開発し、先に提案している。
このマグネット式ヒーターの原理は磁石と導体間に形成される磁路をせん断することにより導体側に発生するスリップ発熱を熱媒体用流体に熱交換する方式であり、具体的には永久磁石、サーマルフェライトなどの磁石と、磁気ヒステリシスの大きな材料やエディカレント材などの導体(発熱体)の2つの部材が僅かなギャップを隔てて向かい合い、磁石と導体を相対的に回転させて磁路をせん断することにより導体側に発生するスリップ発熱を利用したもので、導体にエディカレント材またはヒステリシス材を用いることによって数秒〜数十秒で200〜600℃の温度に発熱させることができるという特徴を有する。なお、上記した「スリップ発熱」とは前記磁石により発生した磁界内で、該磁界を切る方向に導体を動かす(回転させる)と、当該導体内に渦電流(エディカレント)が発生し、この渦電流の導体内における電気抵抗により発熱することを意味する。
【0006】
この方式のマグネット式ヒーターとしては、例えば前記導体を熱媒体用流体ジャケットとなして駆動軸に軸受装置を介して非回動に支承され、該前記駆動軸により回動可能に設けられ前記熱媒体用流体ジャケットと僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石回転体の回動により熱媒体用流体ジャケットに生じるスリップ発熱により該熱媒体用流体ジャケット内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたものや、ファンケーシング内にエンジンやモーターにて駆動されるファンの少なくともホイールディスクが導体製となし、この導体製のホイールディスクと僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石回転体を備え、ファンの回転により導体製のホイールディスクに生じるスリップ発熱によりファンケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたものなどがある。
【0007】
図5は遠心ファンを用いたマグネット式ヒーターを例示したもので、この遠心ファンはホイールディスクに導体を取付けるか、またはホイールディスクを導体製とし、前記導体または導体製のホイールディスクと僅かなギャップを隔てて対向配置する永久磁石を当該ヒーター本体に組込み、前記遠心ファンの回転により導体に生じるスリップ発熱により当該ヒーター本体内の空気が加熱される構造となしたもので、ここに例示したものはマグネット式ヒーターの回転駆動源にモーターを用いたもので、ファンケーシング11内に駆動モーター13の回転軸14に取付けられた遠心ファン12のホイールディスク12aを導体製とし、この導体製のホイールディスク12aと僅かなギャップを隔てて対向する環状の磁石支持体15がファンケーシング11に取付けられ、該磁石支持体15の背面に前記駆動モーター13が取付けられている。前記磁石支持体15にはドーナツ状の永久磁石16がヨーク16aを介して装着されている。
なお、前記導体製のホイールディスク12aはアルニコ、フェライト系ステンレス鋼、ヒステリシス材、鉄板などの材料製の基材の永久磁石16側の表面に銅アルミなどのエディカレント材を貼着して構成されたもの、あるいはエディカレント材そのもので構成されている。
【0008】
上記構成のマグネット式ヒーターにおいて、駆動モーター13を起動させると、空気流入口17より当該ファンケーシング11内に流入した低温な空気が矢印で示すように流れると同時に、導体製のホイールディスク12aとファンケーシング11に取付けられた磁石支持体15の永久磁石16との間に形成されている磁路がせん断されて導体製のホイールディスク12aにスリップ発熱が生じる。この導体製のホイールディスク12aに生じた発熱は、遠心ファン12を介してファンケーシング11内を流れる空気に熱交換されて温風または熱風となって空気吐出口18より吐出する。
なおここでは遠心ファンを示したが、シロッコファン、ベーンタイプファン、軸流ファン、ターボファンなどいずれでもよい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した永久磁石、サーマルフェライトなどの磁石と、磁気ヒステリシスの大きな材料やエディカレント材などの導体(発熱体)の2つの部材が僅かなギャップを隔てて向かい合い、磁石と導体を相対的に回転させて磁路をせん断することにより導体側に発生するスリップ発熱を熱媒体用流体に熱交換する方式のマグネット式ヒーターの場合、該ヒーターの発熱量はトルク×回転数で決まり、トルク一定の時磁石と導体の相対回転数により発熱量が増減する。しかるにこれまでのマグネット式ヒーターは、磁石側と導体側のいずれか一方のみを回転させることによって導体側にスリップ発熱を発生させる方式となっているため、磁石側と導体側の相対回転数を十分広い範囲に確保できず、発熱効率をより高めることができなかった。また磁石側と導体側のいずれか一方のみを回転させる方式では、発熱量のコントロールを容易に行うことができなかった。
【0010】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、遊星歯車機構を使って磁石側と導体側を相互に逆回転させる方式を採用することによって、磁石側と導体側の相対回転数を十分広い範囲に確保できるようにするとともに、発熱量を容易にコントロールできるマグネット式ヒーターを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマグネット式ヒーターは、磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることにより導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する方式であって、その第1の実施態様は駆動軸に前記導体を取付け、該駆動軸に遊星歯車機構を介して磁石回転体を前記導体に対し逆回転可能に支承する構成となしたことを特徴とし、
第2の実施態様は駆動軸に取付けられてケーシング内に収納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱により該ケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体は前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して相互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記駆動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介して支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび前記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構成され、前記キャリアを固定した状態で前記導体製回転部材と磁石回転体とを相互に逆回転させることにより該ケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたことを特徴とし、
第3の実施態様は駆動軸に取付けられてケーシング内に収納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱によりケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体は前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して相互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記駆動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介して支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび前記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構成され、前記キャリアを駆動軸と逆方向に回転させることにより前記磁石回転体を前記導体製回転部材とは逆方向でかつ駆動軸の回転速度より増速してケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたことを特徴とし、
第4の実施態様は駆動軸に取付けられてケーシング内に収納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱によりケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体は前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して相互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記駆動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介して支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび前記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構成され、前記キャリアを非固定にした状態で前記導体製回転部材と磁石回転体との相対回転速度を最小または零にして等速として加熱をほぼ停止することを特徴とするものである。
また前記導体製回転部材はファンまたはポンプ機能を有するインペラーもしくはベーンを有するもの、例えばホイールディスクなどを用いることができる。
【0012】
すなわち本発明は駆動軸側と磁石回転体側を遊星歯車機構を介して逆方向にも回転できるように構成するとともに、遊星歯車機構のキャリアを固定、回転、フリーのいずれかを選択して駆動軸側と磁石回転体側を逆回転、増速回転、等速回転などができるようにしたもので、これにより駆動軸側と磁石回転体側の相対回転数の確保および発熱量のコントロールが容易となる。
【0013】
なおこのマグネット式ヒーターのON/OFF制御手段としては、電磁クラッチ、サーマルフェライト、電磁ブレーキ、電磁コイルなどを用いることができる。サーマルフェライトは、永久磁石にソフトフェライトを貼り付けたものが一般的であり、ある温度以上に発熱すると磁路がソフトフェライト中を通るようになり、反対に発熱温度がある温度以下に下がると磁路がソフトフェライトの外側に形成されるという特性を有する磁石であるため、永久磁石にサーマルフェライトを用いた場合は、自動的にON/OFF制御が可能となるので、ON/OFF制御系は不要である。また本発明は遊星歯車機構のキャリアをフリーにしてヒーターをOFFにすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の請求項2に対応するマグネット式ヒーターの一実施例を示す縦断側面図、図2は図1のイーイ線上の拡大断面図、図3は同請求項3に対応するマグネット式ヒーターの一実施例を示す縦断側面図、図4は同請求項4に対応するマグネット式ヒーターの一実施例を示す縦断側面図であり、1はファンケーシング、2は遠心ファン、2aはホイールディスク、3は駆動軸、4は磁石回転体、4aはフィン、5は永久磁石、6はサンギヤ、7はピニオンギヤ、8はキャリア、9はリングギヤ、10、11は軸受装置、12は固定アーム、13は支持固定部、14はプーリ、15はシール部、16は熱媒体流体流入口、17は熱媒体流体吐出口である。なおここでは遠心ファンを用いたマグネット式ヒーターに適用した例について説明する。
【0015】
すなわち図1、図2に示すマグネット式ヒーターは、遠心ファンのホイールディスクに導体を取付けるか、またはホイールディスク自体を導体製とし、この導体または導体製のホイールディスクと僅かなギャップを隔てて対向配置する永久磁石を当該ヒーター本体に組込み、前記遠心ファンの回転により導体に生じるスリップ発熱により当該ヒーター本体内の空気などの熱媒体用流体が加熱される構造となしたもので、ここに例示したものは遠心ファンの駆動軸に遊星歯車機構を介して磁石回転体を逆回転可能に支承した構造となしたもので、その構造は駆動軸3に取付けられてファンケーシング1内に収納された遠心ファン2のホイールディスク2aを導体製とし、この導体製のホイールディスク2aと僅かなギャップを隔てて対向する筒形の磁石回転体4が駆動軸3にサンギヤ6、ピニオンギヤ7、キャリア8およびリングギヤ9とから構成された遊星歯車機構を介して逆回転可能に支承されている。この遊星歯車機構のサンギヤ6は駆動軸3に取付けられ、このサンギヤ6と噛合するピニオンギヤ7は駆動軸3に軸受装置10を介して取付けられたキャリア8に軸支され、このピニオンギヤ7と噛合するリングギヤ9は磁石回転体4に一体に内嵌されかつキャリア8との間に設けた軸受装置11にて支持されている。そしてキャリア8は固定アーム12を介して支持固定部13に固定されている。またこの磁石回転体4とファンケーシング1との接合部はシール部15にて回転可能にシールされている。なお、磁石回転体4の背面に設けたフィン4aは冷却のために設けたもので、必ずしも必要とするものではない。
【0016】
上記構成のマグネット式ヒーターにおいて、駆動軸3が例えばエンジンにより駆動されると、該駆動軸3に取付けられた遠心ファン2が回転することにより熱媒体流体流入口16よりファンケーシング1内に流入した熱媒体流体が矢印で示すように流れると同時に、該駆動軸3に遊星歯車機構を介して支承された磁石回転体4が遠心ファン2と逆方向に回転し、遠心ファン2の導体製のホイールディスク2aと永久磁石5との間に形成されている磁路がせん断されて導体製のホイールディスク2aにスリップ発熱が生じる。このホイールディスク2aのスリップ発熱は、当該ファンケーシング1内の熱媒体用流体に熱交換される。
このマグネット式ヒーターの場合は、キャリア8が固定された状態で遠心ファン2側と永久磁石5側が逆回転するので相対回転数が増大する。したがって、駆動軸3を高速回転させなくても相対回転数を十分に確保することができ、高い発熱効率で熱交換が行われる。
【0017】
つぎに図3に示すマグネット式ヒーターは、前記図1、図2に示すマグネット式ヒーターにおいてキャリア8を駆動軸3側と逆方向に回転させることによって遠心ファン2と永久磁石5の相対速度をより増速させて最大発熱量が得られるようにしたもので、前記図1、図2に示すマグネット式ヒーターと同一構成において、ピニオンギヤ7のキャリア8にプーリ14を取付け、このプーリ14を介してキャリア8を駆動軸3側と逆方向に回転できるように構成したものである。
したがって、このマグネット式ヒーターの場合は、前記と同様駆動軸1が駆動されると、熱媒体流体流入口16よりファンケーシング1内に流入した熱媒体流体が矢印で示すように流れると同時に、該駆動軸3に遊星歯車機構を介して支承された磁石回転体4が遠心ファン2と逆方向に回転すると同時に、プーリ14を介してキャリア8も駆動軸1側と逆方向に回転することにより、遠心ファン2と永久磁石5の相対速度がより増速し、最大発熱量が得られる。
【0018】
一方、図4に示すマグネット式ヒーターは、前記図1、図2に示すマグネット式ヒーターにおいて、スリップ発熱を最小限にするためにピニオンギヤ7のキャリア8をフリーにしたものである。したがって、このマグネット式ヒーターの場合は、前記と同様駆動軸1が駆動されると、熱媒体流体流入口16よりファンケーシング1内に流入した熱媒体流体が矢印で示すように流れるも、キャリア8がフリーであるため磁石回転体4は永久磁石5と導体との磁気作用により導体と同一もしくはシール部15のシール部材のフリクションロスによる僅かな速度差で回転することとなり、導体製のホイールディスク2aに生じるスリップ発熱は停止または最小となる。
【0019】
上記の図1〜図4では遠心ファンを用いたマグネット式ヒーターを例にとり説明したが、遊星歯車機構は例えば一体型のハウジング内で全体が導体の円盤状のリターダディスクが回転する方式のものなど、他のマグネット式ヒーターにも適用できることはいうまでもない。なお、前記リターダディスクは銅、アルミなどのエディカレント材を用い、これにアルニコ、フェライト系ステンレス鋼、ヒステリシス材、鉄板などの磁性材料などからなるマグネチックリングプレートを磁石と反対側に貼着して構成してもよく、またアルニコ、フェライト系ステンレス鋼、ヒステリシス材、鉄板などの磁性材料からなるマグネチックディスクに銅、アルミなどのエディカレント材からなるリターダリングプレートを磁石側に貼着して構成してもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したごとく本発明に係るマグネット式ヒーターは、駆動軸側と磁石回転体側を遊星歯車機構を介して逆方向にも回転できるように構成したことにより、駆動軸側と磁石回転体側の相対回転数を十分広い範囲に確保することができ高い発熱効率が得られるとともに、発熱量のコントロールも容易となるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項2に対応するマグネット式ヒーターの一実施例を示す縦断側面図である。
【図2】図1のイーイ線上の拡大断面図である。
【図3】同請求項3に対応するマグネット式ヒーターの一実施例を示す縦断側面図である。
【図4】同請求項4に対応するマグネット式ヒーターの一実施例を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の対象とする従来のマグネット式ヒーターの一例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 ファンケーシング
2 遠心ファン
2a ホイールディスク
3 駆動軸
4 磁石回転体
4a フィン
5 永久磁石
6 サンギヤ
7 ピニオンギヤ
8 キャリア
9 リングギヤ
10、11 軸受装置
12 固定アーム
13 支持固定部
14 プーリ
15 シール部
16 熱媒体流体流入口
17 熱媒体流体吐出口

Claims (5)

  1. 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることにより導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する方式であって、駆動軸に前記導体を取付け、該駆動軸に遊星歯車機構を介して磁石回転体を前記導体に対し逆回転可能に支承する構成となしたことを特徴とするマグネット式ヒーター。
  2. 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることにより導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する方式であって、駆動軸に取付けられてケーシング内に収納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱により該ケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体は前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して相互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記駆動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介して支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび前記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構成され、前記キャリアを固定した状態で前記導体製回転部材と磁石回転体とを相互に逆回転させることにより該ケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたことを特徴とするマグネット式ヒーター。
  3. 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることにより導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する方式であって、駆動軸に取付けられてケーシング内に収納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱によりケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体は前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して相互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記駆動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介して支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび前記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構成され、前記キャリアを駆動軸と逆方向に回転させることにより前記磁石回転体を前記導体製回転部材とは逆方向でかつ駆動軸の回転速度より増速してケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたことを特徴とするマグネット式ヒーター。
  4. 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることにより導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する方式であって、駆動軸に取付けられてケーシング内に収納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱によりケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体は前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して相互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記駆動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介して支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび前記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構成され、前記キャリアを非固定にした状態で前記導体製回転部材と磁石回転体との相対回転速度を最小または零にして等速として加熱をほぼ停止することを特徴とするマグネット式ヒーター。
  5. 導体製回転部材がファンまたはポンプ機能を有するインペラーもしくはベーンを有することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載のマグネット式ヒーター。
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