JP4314779B2 - 透明導電膜、その形成方法及びそれを有する物品 - Google Patents

透明導電膜、その形成方法及びそれを有する物品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)、電子ペーパー、タッチパネルや太陽電池等の各種エレクトロニクス素子に好適な透明導電膜の形成方法、該方法により形成された透明導電膜及び該透明導電膜を有する物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より透明導電膜は、液晶表示素子、有機EL素子、太陽電池、タッチパネル、電磁波シールド材、赤外線反射膜等に広く使用されている。透明導電膜としてはPt、Au、Ag、Cu等の金属膜、SnO2、In23、CdO、ZnO、SbドープSnO2、FドープSnO2、AlドープZnO、SnドープIn23等の酸化物またはドーパントによる複合酸化物膜、カルコゲナイド、LaB6、TiN、TiC等の非酸化物がある。中でも錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜が、優れた電気特性とエッチングによる加工の容易さからもっとも広く使用されている。これらは真空蒸着法やスパッタリング法,イオンプレーティング法、真空プラズマCVD法、スプレーパイロリシス法、熱CVD法、ゾルゲル法等により形成されている。
【0003】
近年液晶表示素子、有機EL素子等のフラットパネルディスプレイにおいては大面積化、高精細化が進んでおり、より高性能な透明導電膜が求められている。また、液晶素子においては電界応答性の高い素子あるいは装置を得るために、電子移動度(キャリア移動度)の高い透明導電膜の利用が求められている。各種ディスプレイ素子を電極として用いる場合、基板上に回路を描くパターニング工程は必須なものであり、パターニングが容易に行うことが出来るかが工程適性上重要な課題となっている。一般に、パターニングはフォトリソグラフィー法により行われることが多く、導通を必要としない部分はエッチングにより溶解、除去するため、該部分のエッチング液による溶解の速さが重要な課題となっている。
【0004】
一般的に、透明導電膜の形成方法のうちの真空蒸着法やスパッタリング法による形成方法では、電気抵抗値の低い(低抵抗)透明導電膜を得ることが出来る。工業的にはDCマグネトロンスパッタリング装置を用いることにより比抵抗値で10-4Ω・cmオーダーの優れた導電性を有する透明導電膜を得ることが出来る。
【0005】
しかしながら、これらの物理的製膜法(PVD法)では真空中で気相により目的物質を基板に堆積させて膜を成長させるものである。そのため真空装置が大がかりで高価なうえ、原料の使用効率や真空と常圧との入れ替え効率が悪くて生産性が低い。また大面積の成膜も困難であった。更に、製膜時に200〜300℃に加熱する必要があり、プラスティックフィルム上に低抵抗の透明導電膜を製膜するのは難しかった。
【0006】
ゾルゲル法(塗布製膜法)は、塗布液の分散調液、塗布、乾燥等多くのプロセスが必要であるばかりでなく、膜の被処理基材との接着性が低いため、塗布液にバインダー樹脂を含有させることが必要で、その結果、膜厚が厚くなったり、透明性に劣るという課題がある。また、得られた透明導電膜の電気特性もPVD法に比較すると劣る傾向にあった。
【0007】
熱CVD法は、スピンコート法やディップコート法、印刷法などにより基材に目的物質の前駆物質を塗布し、これを焼成(熱分解)することで膜を形成するもので、装置が簡単で生産性に優れ、大面積の成膜が容易であるという利点があるが、焼成時に400〜500℃という高温処理が必要とするため基材の種類が限られ、特に、プラスティックフィルム基材への品質の良好な成膜が得られにくいという欠点があった。
【0008】
上記の各方法のデメリットを克服する方法として、特開2000−303175に大気圧プラズマ放電処理法による透明導電膜の形成する技術が開示されている。この大気圧プラズマ放電処理法は、大気圧もしくはその近傍の圧力下で放電して混合ガスをプラズマ励起し、基材上に膜を形成する方法で、スパッタリングや真空蒸着のような真空系と異なり、装置のコスト的にも、大面積を処理出来るという生産性面からも有利な点がある。この特開2000−303175においては、透明導電膜を、トリエチルインジウムのような有機金属化合物を使用しているが、得られる透明導電膜の比抵抗値のオーダーがせいぜい10-2Ω・cm台と高く、1×10-3Ω・cm以下の比抵抗値の電気特性が要求される液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(ELD)、PDP、電子ペーパー等のフラットパネルディスプレイ用の透明導電膜としては不十分であった。また同技術ではトリエチルインジウムを用いることによる常温あるいは大気中での発火や爆発の危険性があり安全上の問題もある。
【0009】
また、特開平9−50712あるいは特開2000−129427では、スパッタリング法により透明導電膜を得る際のIn−Sn−O(ITO)を主成分とするターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法による反応性ガス組成についての検討がなされているが、エッチング(パターニング)速度が遅い結晶部分が多く出来易いという課題がある。また、スパッタ法は真空プロセスであるために生産性が低く大量生産に向かないという課題もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、透明性に優れ、高い導電性(比抵抗値が低い)を有し、エッチング(パターニング)速度が均一でしかも速く、更に形成過程において安全性が高い透明導電膜形成方法を提供することにあり、第2の目的は上記方法で作製された透明導電膜及び透明導電膜を有する物品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に用いる大気圧もしくはその近傍における圧力下でプラズマ放電処理方法は、印加電極とアース電極で構成される対向電極の電極間を大気圧もしくはその近傍の圧力とし、該電極間に反応性ガス及び希ガスを含有する混合ガスを導入して高周波電圧を印加して放電させることによって混合ガスをプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の混合ガスに晒すことによって該基材上に膜(透明導電膜)を形成させる方法である。前述の特開2000−303175と異なるところは、混合ガスに反応性ガスの一つとしての水を含有させてプラズマ状態として基材を処理するもので、水(ガス状)を混合することによって、非常に低い比抵抗値を有する透明導電膜を得ることが出来、かかる透明導電膜のほとんどがアモルファス膜で構成されているということである。そうすることによって低比抵抗値を有し、エッチング(パターニング)速度が均一で速い透明導電膜を得ることが出来る。
【0013】
) 印加電極とアース電極で構成される対向電極の電極間を大気圧もしくはその近傍の圧力とし、該電極間に反応性ガス及び希ガスを含有する混合ガスを導入して高周波電圧を印加して放電させることによって該混合ガスをプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の混合ガスに晒すことによって該基材上に膜を形成後、エネルギー処理を行い透明導電膜を形成する方法において、該反応性ガスが少なくとも水を含有することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
【0014】
) 前記混合ガス中の水の濃度が0.0001〜10体積%であることを特徴とする(1)に記載の透明導電膜の形成方法。
【0015】
) 前記反応性ガスが少なくとも有機金属化合物を含有することを特徴とする(1)または)の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0016】
) 前記有機金属化合物の少なくとも一つが、β−ケトン、β−ケト酸、β−ケト酸エステル、及びケトオキシから選ばれる金属錯体基を有する化合物であることを特徴とする()に記載の透明導電膜の形成方法。
【0017】
) 前記有機金属化合物の少なくとも一つがアルコキシド基を有する化合物であることを特徴とする()または()に記載の透明導電膜の形成方法。
【0018】
) 前記有機金属化合物と共にドーピング用の有機金属化合物またはフッ素化合物を用いることを特徴とする()乃至()の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0019】
) 前記反応性ガスが、少なくとも酸化ガスを含有することを特徴とする(1)乃至()の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0020】
) 前記反応性ガスが、少なくとも還元性ガスを含有することを特徴とする(1)乃至()の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0021】
) 前記希ガスがアルゴンまたはヘリウムであることを特徴とする(1)乃至()の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0022】
(1) 前記電極間に印加する電界が、周波数100kHzを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm以上の電力を供給して放電させることを特徴とする(1)乃至()の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0023】
(1) 前記周波数が150MHz以下であることを特徴とする(1)に記載の透明導電膜の形成方法。
【0024】
(1) 前記周波数が200kHz以上であることを特徴とする(1)または(1)に記載の透明導電膜の形成方法。
【0025】
(1) 前記周波数が800kHz以上であることを特徴とする(1)乃至(1)の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0026】
(1) 前記供給する電力が1.2W/cm以上であることを特徴とする(1)に記載の透明導電膜の形成方法。
【0027】
(1) 前記供給する電力が50W/cm以下であることを特徴とする(1)または(1)に記載の透明導電膜の形成方法。
【0028】
(1) 前記供給する電力が20W/cm以下であることを特徴とする(1)、(1)または(1)に記載の透明導電膜の形成方法。
【0029】
(1)前記高周波電圧が連続したサイン波であることを特徴とする(1)に記載の透明導電膜の形成方法。
【0030】
(1) 前記対向電極の少なくとも一方の電極が、誘電体で被覆されていることを特徴とする(1)乃至(1)の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0031】
19) 前記誘電体が、比誘電率6〜45の無機物であることを特徴とする(1)に記載の透明導電膜の形成方法。
【0032】
(2) 前記混合ガスに晒される基材の表面温度が、500℃以下であることを特徴とする(1)乃至(19)の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0033】
(2) 前記エネルギー処理を、空気、還元性ガス、酸化性ガス、希ガス及び真空から選ばれる少なくとも一つの雰囲気下で行われることを特徴とする()乃至(2の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0034】
(2) 前記エネルギー処理の温度が、50〜300℃であることを特徴とする()乃至(2の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0035】
(2) (1)乃至(2)の何れか1項の方法により形成されたことを特徴とする透明導電膜。
【0036】
(2) In、SnO、ZnO、FドープSnO、AlドープZnO、SbドープSnO、ITO及びIn−ZnOから選ばれる少なくとも一つを主成分とするアモルファス膜であることを特徴とする(2)に記載の透明導電膜。
【0037】
(2) 前記ITOのIn/Sn原子数比が100/0.1〜100/15であることを特徴とする(2)に記載の透明導電膜。
【0038】
(2) 炭素含有量が0〜5.0原子数濃度であることを特徴とする(2)乃至(2)の何れか1項に記載の透明導電膜。
【0039】
(2) (2)乃至(2)の何れか1項に記載の透明導電膜を基材表面に有する物品。
【0040】
(2) 前記基材が、透明樹脂フィルムであることを特徴とする(2)に記載の物品。
【0041】
29) 前記透明樹脂フィルムが、タッチパネル用フィルム基材、液晶素子プラスティック基板、有機EL素子プラスティック基板、PDP用電磁遮蔽フィルム、電子ペーパー用フィルム基板であることを特徴とする(2)または(2)に記載の物品。
【0042】
(3) 前記透明導電膜がパターニングされた透明電極であることを特徴とする(2)乃至(29)の何れか1項に記載の物品。
【0043】
以下、本発明を詳述する。
本発明において、「透明導電膜」とは、一般に工業材料としてよく知られているものであり、可視光(400〜700nm)を殆ど吸収せず透明で、しかも良導体の膜のことである。電気を運ぶ自由荷電体の透過特性が可視光域で高く、透明であり、しかも電気伝導性が高いため、透明電極や透明な帯電防止膜として用いられる。
【0044】
本発明でいう「膜」は、用途によってその機能を有する程度に被処理体(基材)上に形成出来ているものでよく、必ずしも被処理体の全部または一部を覆う連続的な膜である必要はない。
【0045】
先ず、本発明に係る大気圧もしくはその近傍の圧力下でのプラズマ放電処理方法及び装置について説明する。この本発明に係る方法を、以降において大気圧プラズマCVD法及び大気圧プラズマCVD装置と略すことがある。
【0046】
大気圧プラズマCVD装置は、アース電極と、対向する位置に配置された印加電極の対向電極を有し、これらの対向電極の間で放電させ、当該電極間に導入した希ガスと反応性ガスを含有する混合ガスをプラズマ状態とし、該電極間を移送する基材を該プラズマ状態の混合ガスに晒すことによって、該基材の上に透明導電膜の薄膜を形成させる装置である。また他の方式の大気圧プラズマCVD装置は、対向電極間に上記と同様に放電させ、該対向電極間に導入した混合ガスをプラズマ状態とし、該対向電極外にジェット状に該プラズマ状態の混合ガスを吹きつけ、該対向電極の近傍にある基材(静置していても移動していてもよい)を該プラズマ状態の混合ガスに晒すことによって該基材の上に透明導電膜の薄膜を形成させるジェット方式の装置である。
【0047】
図1は、本発明に係る大気圧プラズマCVD装置の一例を示す概略図である。図1はプラズマ放電処理装置30、ガス充填手段50、電圧印加手段40、及び電極温度調節手段60から構成されている。ロール回転電極35と角筒型固定電極群36として、基材Fをプラズマ放電処理するものである。基材Fは図示されていない元巻きから巻きほぐされて搬送して来るか、または前工程から搬送されて来てガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴して来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回されながら角筒型固定電極群36との間を移送され、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取られるか、次工程に移送する。混合ガスはガス充填手段50で、ガス発生装置51で発生させた混合ガスGを、流量制御して給気口52より放電処理室32のプラズマ放電処理容器31内に入れ、該プラズマ放電処理容器31内を混合ガスGで充填し処理排ガスG′を排気口53より排出するようにする。次に電圧印加手段40で、高周波電源41により角筒型固定電極群36に電圧を印加し、ロール回転電極35にはアースを接地し、電極間で放電プラズマを発生させる。ロール回転電極35及び角筒型固定電極群36を電極温度調節手段60を用いて媒体を加熱または冷却し電極に送液する。電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を送液ポンプPで配管61を経てロール回転電極35及び角筒型固定電極群36内側から温度を調節する。電極からの帰りの配管については省略されている。プラズマ放電処理の際、基材の温度によって得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが好ましい。媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラが出来るだけ生じないようにロールを用いた回転電極の内部の温度を制御することが望まれる。なお、68及び69はプラズマ放電処理容器31と外界を仕切る仕切板である。
【0048】
なお、放電プラズマ処理に用いられる混合ガスは、給気口52からプラズマ放電処理容器31に導入され、処理後のガスは排気口53から排気される。
【0049】
図2は、図1に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図である。
【0050】
図2において、ロール電極35aの導電性の金属質母材35Aで形成されているロールの表面側に誘電体が被覆されており、中は中空になっていて冷却水による冷却が行われるようのなっている。
【0051】
図3は、図1に示した角筒型電極の母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図である。
【0052】
図3において、角筒型電極36aは、金属等の導電性の母材に対し、図2同様の誘電体被覆層を有している。すなわち、中空の金属パイプに対し、上記同様の誘電体を被覆し、放電中は冷却水による冷却が行えるようになっている。尚、角筒型固定電極の数は、上記ロール回転電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されていおり、放電面積はロール電極に相対している角筒型電極面の面積と該電極の長さの積で表される。
【0053】
図3に示した角筒型電極36aは、円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明の薄膜形成方法に好ましく用いられる。
【0054】
図2及び図3において、ロール電極35a及び角筒型電極の導電性の金属質母材35A及び36Aに対し、誘電体被覆層として、セラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したセラミックス被覆処理した誘電体35B及び36Bを被覆した組み合わせで構成されているものである。セラミックス被覆処理誘電体を片肉で1mm被覆し、アースに接地してある。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。
【0055】
または、誘電体層として、ガラスライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
【0056】
導電性の金属質母材35A及び36Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることが出来るが、後述の理由からはチタン金属またはチタン合金が好ましい。
【0057】
アース電極と印加電極の電極間の距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、電極の一方に誘電体を設けた場合の誘電体表面と導電性の金属質母材表面の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設けた場合の誘電体表面同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5〜20mmが好ましく、特に好ましくは1±0.5mmである。
【0058】
本発明に有用な導電性の金属質母材及び誘電体についての詳細については後述する。
【0059】
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとっても良い。
【0060】
図4は、本発明に係る大気圧プラズマCVD装置の一例を示す概略図である。高周波電源104により高周波電圧を印加する印加電極101とアース電極102の対向電極の電極間で放電を起こさせ、該電極間に混合ガスGを導入し、そこでプラズマ状態の混合ガスG°(点線で表している)がジェット状に下方に流れ(ジェット方式)、電極下の処理位置103において静置してある基材F(例えば、ガラス板)または移送して来る基材F(例えば、フィルム)上に透明導電膜を形成させる。フィルム状の基材Fは、図示してない基材の元巻ロールから巻きほぐされて搬送されるか、あるいは前工程から搬送されて来る。また、ガラス板のような基材Fもベルトコンベアのような移動体の上に載せられ移送されて処理されてもよい。更に、ジェット方式の該大気圧プラズマCVD装置を複数基接して直列に並べて同時に同じ放電させ、基材そのものが移送しているか、あるいは基材がベルトコンベアのようなものに載せられて移送していることにより、何回も処理を受けるため高速で処理することも出来る。また各装置が異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、積層することも出来る。G′は処理排ガスである。101A及び102Aは印加電極101及びアース電極102の導電性の金属質母材であり、101B及び102Bは誘電体である。図4においても、図示してないが、図1の電圧印加手段40、ガス充填手段50及び電極温度調節手段60を有している。また電極の内部も中空となって温度調節用のジャケットになっている。
【0061】
本発明において、放電プラズマ処理時の基材への影響を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材の温度を常温(15℃〜25℃)〜300℃の温度に調整することが好ましい。上記の温度範囲に調整するため、必要に応じて電極、基材は温度調節手段で冷却や加熱をしながら放電プラズマ処理される。
【0062】
本発明において、プラズマ放電処理が大気圧もしくはその近傍の圧力で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表すが、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
【0063】
本発明に係る大気圧プラズマCVD法において、対向する電極間に印加する高周波電圧は、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm2以下の電力(出力密度)を供給し、混合ガスを励起してプラズマを発生させる。
【0064】
本発明において、電極間に印加する高周波電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHz以下であり、より好ましくは15MHz以下である。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、好ましくは200kHz以上、より好ましくは800kHz以上である。
【0065】
また、電極間に供給する電力の上限値とは、好ましくは50W/cm2以下、より好ましくは20W/cm2以下である。下限値は、好ましくは1.2W/cm2以上である。尚、放電面積(cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
【0066】
高周波電源より印加電極に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が10V〜10kV程度で、上記のように電源周波数は100kHzを越えて150MHz以下に調整される。
【0067】
ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良いが連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られる。
【0068】
本発明においては、このような電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことが出来る電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
【0069】
本発明においては、印加電極に電圧を印加する電源としては、特に限定はないが、神鋼電機製高周波電源(10kHz)、神鋼電機製高周波電源(50kHz)、ハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、パール工業製高周波電源(2MHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(27MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が使用出来る。好ましくは、200kHz〜150MHzの高周波電源であり、より好ましくは、800kHz〜15MHzのものである。
【0070】
このような大気圧プラズマCVD法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならないので、導電性の金属質母材上に誘電体を被覆した電極が好ましい。
【0071】
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な導電性の金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、導電性の金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、さらに好ましくは5×10-6/℃以下、さらに好ましくは2×10-6/℃以下である。尚、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
【0072】
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
▲1▼導電性の金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜
▲2▼導電性の金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング
▲3▼導電性の金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜
▲4▼導電性の金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング
▲5▼導電性の金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜
▲6▼導電性の金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング
▲7▼導電性の金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜
▲8▼導電性の金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記▲1▼または▲2▼、及び▲5▼〜▲8▼が好ましく、特に▲1▼が好ましい。
【0073】
本発明において、導電性の金属質母材は、上記の特性からはチタンまたはまたはチタン合金が特に有用である。導電性の金属質母材をチタンまたはチタン合金とすることにより、誘電体を上記とすることにより、使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることが出来る。
【0074】
本発明に有用な電極の導電性の金属質母材は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金またはチタン金属である。本発明において、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用出来るが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることが出来る。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることが出来、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることが出来、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることが出来、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金またはチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、導電性の金属質母材としてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることが出来る。
【0075】
一方、誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
【0076】
または、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。尚、誘電体の空隙率は、誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーターにより測定することが出来る。後述の実施例においては、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより導電性の金属質母材に被覆された誘電体の空隙率を測定した。誘電体が、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。このような空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、後述の大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることが出来る。さらに空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
【0077】
上記、大気プラズマ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ熱源中に投入し、溶融または半溶融状態の微粒子として被覆対象の母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解離させ、さらにエネルギーを与えて電子を放出させた高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶射材料が高速で母材に衝突するため、密着強度が高く、高密度な被膜を得ることが出来る。詳しくは、特開2000−301655に記載の高温被曝部材に熱遮蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することが出来る。この方法により、上記のような被覆する誘電体(セラミック溶射膜)の空隙率にすることが出来る。
【0078】
また、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
【0079】
誘電体の空隙率をより低減させるためには、上記のようにセラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
【0080】
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
【0081】
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極が出来る。
【0082】
本発明に係る誘電体被覆電極の金属アルコキシド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiOx(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPSにより誘電体層の断層を分析することにより測定する。
【0083】
本発明の薄膜形成方法に係る電極においては、電極の少なくとも基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。このように誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化できること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、かつ、高精度で、耐久性を大きく向上させることができる。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材と接する側の誘電体において行われることが好ましい。更にJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
【0084】
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。尚、耐熱温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、下記導電性の金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
【0085】
次に、本発明の透明導電膜を形成する混合ガスについて説明する。使用する混合ガスは、基本的に、希ガスと、透明導電膜を形成する成分の反応性ガスの混合ガスである。
【0086】
希ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等を挙げることが出来るが、本発明に記載の緻密で、低比抵抗値を有する薄膜を形成する効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。希ガスは、混合ガス100体積%に対し、90.0〜99.9体積%含有されることが好ましい。
【0087】
反応性ガスは、放電空間でプラズマ状態となり、透明導電膜を形成する成分を含有するものであり、その主成分として少なくとも有機金属化合物が好ましく用いられる。また、本発明において、反応性ガスの一つとして、水を混合ガス中に含有させることにより、比抵抗値を非常に小さくすることが出来、補助的な反応性ガスの一つとして有効なものである。水は勿論、ガス状で対向電極間に導入されプラズマ状態の混合ガス中においてガス状である。また、水ガスがどのように作用して、比抵抗値を下げるその原理はまだ解明されていないが、比抵抗値として1オーダー以上下げることが出来る。
【0088】
本発明に有用な有機金属化合物としては、金属β−ジケトン錯体、金属ケトオキシ錯体、金属アルコキシド、アルキル金属、ハロゲン化金属等を挙げることが出来るが、分子内に少なくとも一つ以上の酸素を有する有機金属化合物が好ましく、特に、爆発の危険性のない金属β−ジケトン錯体、金属ケトオキシ錯体、金属アルコキシドが好ましい。ここで、アルキル基とβ−ジケトン錯体基または金属ケトオキシ錯体とを同時に有するアルキル金属β−ジケトン錯体またはアルキルケトオキシ金属錯体、アルコキシ基とβ−ジケトン錯体基またはケトオキシ錯体基を同時に有する金属アルコキシド−β−ジケトン錯体またはケトオキシ金属アルコキシド錯体、あるいはアルキル基とアルコキシド基を同時に有するアルキル金属アルコキシド、あるいはこれらのアルキル基、アルコキシ基及びβ−ジケトン錯体基またはケトオキシ錯体基を同時に有するアルキル金属アルコキシド−β−ジケトン錯体、またはアルキルケトオキシ金属−β−ジケトン錯体も好ましい。また、アルキル基、アルコキシ基またはβ−ジケトン錯体基の炭素原子数は1〜18、好ましくは1〜10である。更にアルキル基、アルコキシ基またはβ−ジケトン錯体は水素原子をフッ素原子で置換したものでもよい。
【0089】
本発明に有用なβ−ジケトン錯体基は、β−ジケトン、β−ケトカルボン酸、またはβ−ケトカルボン酸エステルでもよく、例えば、β−ジケトンとしては、2,4−ペンタジオン(アセチルアセトン)、β−ケトカルボン酸としては、アセチル酢酸(アセト酢酸)、β−ケトカルボン酸エステルとしては、アセチル酢酸エステル(アセト酢酸エステル)等を挙げることが出来、これらはβ−ジケトン錯体を構成する骨格構造であり、これらの水素原子が他の原子あるいは分子に置換されていてもよい。例えば、上記のように、フッ素原子に置換されたもの、メチル基に置換されたもの、フェニル基に置換されたもの等である。また、ケトオキシ錯体は、例えば、酢酸基、プロピオン酸基、アクリル酸基、メタクリル酸基等の有機金属化合物も好ましく用いられる。
【0090】
本発明に好ましい有機金属化合物の金属は、インジウム(In)、亜鉛(Zn)及び錫(Sn)から選ばれる少なくとも1種の金属である。
【0091】
本発明において、上記好ましい有機金属化合物の好ましい例は、トリスアセトアセトナートインジウム(あるいはインジウムトリス(2,4−ペンタンジオナート))、インジウムトリスヘキサフルオロペンタンジオナート、トリアセトアセトオキシインジウム、トリアセトオキシインジウム、ジエトキシアセトアセトオキシインジウム、インジウムトリイソポロポキシド、ジエトキシインジウム(1,1,1−トリフルオロペンタンジオナート)、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタジオナート)インジウム、エトキシインジウムビスアセトメチルアセタート、ジ(n)ブチルビス(2,4−ペンタンジオナート)錫、ジ(n)ブチルジアセトオキシ錫、ジ(t)ブチルジアセトオキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テトラ(i)ブトキシ錫、ビスアセトアセトナート亜鉛等を挙げることが出来る。
【0092】
この中で特に、トリスアセトアセトナートインジウム、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)インジウム、ビスアセトアセトナート亜鉛、ジ(n)ブチルジアセトオキシ錫が好ましい。これらの有機金属化合物は一般に市販(例えば、東京化成工業(株)等から)されている。
【0093】
本発明においては、上記分子内に少なくとも1つの酸素原子を有する有機金属化合物の他に、該有機金属化合物から形成された透明導電膜の導電性を更に高めるために該透明導電膜をドーピングすることが好ましく、反応性ガスとしての該有機金属化合物とドーピング用有機金属化合物ガスを同時に混合して用いることが好ましい。ドーピングに用いられる有機金属化合物またはフッ素化合物の反応性ガスとしては、例えば、トリイソプロポキシアルミニウム、トリスアセトアセトナートニッケル、ビスアセトアセトナートマンガン、ボロンイソプロポキシド、トリ(n)ブトキシアンチモン、トリ(n)ブチルアンチモン、ジ(n)ブチルビス(2,4−ペンタンジオナート)錫、ジ(n)ブチルジアセトオキシ錫、ジ(t)ブチルジアセトオキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テトラブトキシ錫、テトラブチル錫、亜鉛アセトアセトナート、六フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン、四フッ化メタン等を挙げることが出来る。
【0094】
前記透明導電膜を形成するに必要な有機金属化合物と上記ドーピング用の反応性ガスの比は、成膜する透明導電膜の種類により異なるが、例えば、酸化インジウムに錫をドーピングして得られるITO膜においては、In/Snの原子数比が100/0.1〜100/15の範囲になるように反応性ガス量を調整することが必要である。好ましくは、100/0.5〜100/10になるよう調整することが好ましい。酸化錫にフッ素をドーピングして得られる透明導電膜(FTO膜という)においては、得られたFTO膜のSn/Fの原子数比が100/0.01〜100/50の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整することが好ましい。In23−ZnO系アモルファス透明導電膜においては、In/Znの原子数比が100/50〜100/5の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整することが好ましい。In/Sn、Sn/F及びIn/Znの各原子数比はXPS測定によって求めることが出来る。
【0095】
本発明において、反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。そのうち反応性ガスの一つとしての混合ガス中の水の量は、0.0001から5体積%の範囲にあることが好ましい。より好ましくは0.001から1体積%である。
【0096】
本発明において、上記反応性ガス以外の、酸化性ガスとして酸素ガス等、また還元性ガスとして水素ガス等の反応性ガスを用いることが好ましい。更にこの他、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素等も適宜用いることが出来る。
【0097】
本発明において、得られる透明導電膜は、例えば、SnO2、In23、ZnO2の酸化物膜、またはSbドープSnO2、FドープSnO2(FTO)、AlドープZnO、SnドープIn23(ITO)等ドーパントによるドーピングした複合酸化物を挙げることが出来、これらから選ばれる少なくとも一つを主成分とするアモルファス膜が好ましい。またその他にカルコゲナイド、LaB6、TiN、TiC等の非酸化物膜、Pt、Au、Ag、Cu等の金属膜、CdO等の透明導電膜を挙げることが出来る。
【0098】
上記形成された酸化物または複合酸化物の透明導電膜の膜厚は、0.1〜1000nmの範囲が好ましい。
【0099】
本発明においては、大気圧プラズマCVD法により透明導電膜が形成される際の基材の温度は特に制限はないが、基材としてガラスを用いる場合は500℃以下、後述の樹脂フィルムを用いる場合は300℃以下が好ましい。下限は常温以上である。
【0100】
更に、本発明は、大気圧プラズマCVD法により透明導電膜を形成した後にエネルギー処理を行うことによって透明導電膜の特性を向上させることが出来る。エネルギー処理としては熱処理、紫外線照射処理、電子線照射処理等を挙げることが出来るが、紫外線処理または紫外線照射処理が好ましい。エネルギー処理のうち熱処理の温度としては50〜300℃が好ましく、好ましくは100〜250℃である。紫外線としては低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯等の紫外線源を使用することが出来る。エネルギー処理の雰囲気も特に制限はないが、空気雰囲気、水素等の還元性ガスを含む還元雰囲気、酸素等の酸化性ガスを含有するような酸化雰囲気、あるいは真空下、炭酸ガス、窒素ガス、希ガス等の不活性ガス雰囲気下のうちから適宜選択して行うことが好ましい。還元雰囲気や酸化雰囲気で行う場合、これらに希ガスや窒素などの不活性ガスで希釈して用いてもよい。このような場合、還元性ガス、酸化性ガスの濃度は全気体体積中、0.01〜5体積%が好ましく、より好ましくは0.1〜3体積%である。なお、本発明のエネルギー処理を行う透明導電膜は、前述の透明導電膜と、膜形成方法、使用する装置、使用する混合ガス等は同等であり、なんら変わるところはない。
【0101】
本発明の透明導電膜の形成方法により得られる透明導電膜は高いキャリア移動度を有する特徴を持つ。よく知られているように透明導電膜の電気伝導率は以下の(1)式で表される。
【0102】
σ=n×e×μ (1)
ここで、σは電気伝導率、nはキャリア密度、eは電子の電気量、そしてμはキャリアの移動度である。電気伝導度σを上げるためにはキャリア密度nあるいはキャリア移動度μを増大させる必要があるが、キャリア密度nを増大させていくと2×1021cm-3付近から反射率が大きくなるため透明性が失われる。そのため、電気伝導率σを増大させるためにはキャリア移動度μを増大させる必要がある。市販されているDCマグネトロンスパッタリング法により作製された透明導電膜のキャリア移動度μは30cm2/sec・V程度であるが、本発明の透明導電膜の形成方法によれば条件を最適化することにより、DCマグネトロンスパッタリング法により形成された透明導電膜を超えるキャリア移動度μを有する透明導電膜を形成することが可能であることが判明した。
【0103】
本発明の透明導電膜の形成方法は高いキャリア移動度μを有するため、ドーピングなしでも比抵抗値として1×10-3Ω・cm以下の低抵抗値の透明導電膜を得ることが出来る。ドーピングを行いキャリア密度nを増加させることで更に抵抗値を下げることが出来る。また、必要に応じて抵抗値を上げる反応性ガスを用いることにより、比抵抗値として1×10-2以上の高抵抗値の透明導電膜を得ることも出来る。透明導電膜の抵抗値を調整するために用いる反応性ガスとしては、例えば、チタントリイソプロポキシド、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることが出来る。
【0104】
本発明の透明導電膜の形成方法によって得られる透明導電膜のキャリア移動度μは、30cm2/sec・V以上のものである。
【0105】
また、本発明の透明導電膜の形成方法によって得られる透明導電膜は、キャリア密度nが、1×1019cm-3以上、より好ましい条件下においては、1×1020cm-3以上となるが、透明性は低下しない。
【0106】
また、本発明の透明導電膜の形成方法によって得られる透明導電膜は、反応性ガスとして有機金属化合物を用いるため、微量の炭素を含有する場合がある。その場合の炭素含有率は、0〜5.0原子数濃度であることが好ましく、出来るだけ少ない炭素含有量であることがより好ましい。特に好ましくは0.01〜3.0原子数濃度である。
【0107】
本発明の透明導電膜を形成する基材としては、板状、シート状またはフィルム状の平面形状のもの、あるいはレンズその他成形物等の立体形状のもの等の透明導電膜をその表面に形成出来るものであれば特に限定はない。基材が電極間に静置するか移送することの出来るものであれば制限ない。平面形状のものとしては、ガラス板、樹脂フィルム等を挙げることが出来る。材質的には、ガラス、樹脂、陶器、金属、非金属等様々のものを使用出来る。具体的には、ガラスとしては、ガラス板やレンズ等、樹脂としては、樹脂レンズ、樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂板等を挙げることが出来る。
【0108】
樹脂フィルムは本発明に係る大気圧プラズマCVD装置の電極間または電極の近傍を連続的に移送させて透明導電膜を形成することが出来るので、スパッタリングのような真空系のようなバッチ式でない、大量生産に向き、連続的な生産性の高い生産方式として好適である。
【0109】
樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂レンズ、樹脂成形物等成形物の材質としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルアクリレート、アクリレートコポリマー等を挙げることが出来る。
【0110】
これらの素材は単独であるいは適宜混合されて使用することも出来る。中でもゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴム(株)製)などの市販品を好ましく使用することが出来る。更に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの固有複屈折率の大きい素材であっても、溶液流延製膜、溶融押し出し製膜等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適宜設定することにより使用することが出来るものを得ることが出来る。これらの樹脂の表面にゼラチン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂等を塗設したものも使用出来る。またこれら樹脂フィルム透明導電膜を有する側の反対側の面に防眩層、クリアハードコート層、反射防止層、防汚層等を設けてもよい。また、必要に応じて透明導電膜側に接着層、アルカリバリアコート層、ガスバリア層や耐溶剤性層等を設けてもよい。また、本発明に係る基材は、上記の記載に限定されない。フィルム形状のものの膜厚としては10〜1000μmが好ましい。
【0111】
これらの層の形成方法は特に限定はなく、塗布法、真空蒸着法、スパッタリング法、大気圧プラズマCVD法等を用いることが出来る。特に好ましいのは大気圧プラズマCVD法である。
【0112】
上記反射防止層を大気圧プラズマCVD法による形成する方法としては、例えば特願2001−021573に開示された方法を用いることが出来る。
【0113】
本発明においては、上記記載のような基材面に対して本発明に係わる透明導電膜を設ける場合、平均膜厚に対する膜厚偏差を±10%になるように設けることが好ましく、更に好ましくは±5%以内であり、特に好ましくは±1%以内になるように設けることが好ましい。
【0114】
【実施例】
以下に、本発明を実施例で詳細に説明するが、これらに制限されない。
【0115】
〔測定・評価〕
〈透過率(%)〉
JIS R 1635に従い、日立製作所製分光光度計1U−4000型を用いて550nmの波長での透過光で測定を行った。
【0116】
〈膜厚(nm)、製膜速度(nm/min)〉
透明導電膜の膜厚はPhotal社製FE−3000反射分光膜厚計により測定し、得られた膜厚を大気圧プラズマCVD処理時間で徐したものを透明導電膜の製膜速度とした。
【0117】
〈比抵抗値(Ω・cm)〉
JIS R 1637に従い、四端子法により求めた。なお、測定には三菱化学製ロレスタ−GP、MCP−T600を用いた。
【0118】
〈キャリア密度(cm-3)、キャリア移動度(cm2/V・sec)〉
三和無線測器研究所製のM1−675システムを用いて、van der Pauw法にて測定を行い、キャリア密度、キャリア移動度を求めた。
【0119】
〈In/Sn組成比〉
基材上のITO透明導電膜を塩酸にて溶解し、誘導結合プラズマ発光分光装置(セイコー電子製SPS−4000)を用いて膜中のインジウムと錫の量を求めた。
【0120】
〈炭素含有率(原子数濃度%あるいは原子数%)の測定〉
透明導電膜組成、炭素含有率は、XPS表面分析装置を用いてその値を測定する。XPS表面分析装置としては、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いた。X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定した。エネルギー分解能は、Ag35/2ピークの半値幅で規定したとき、1.5〜1.7eVとなるように設定した。測定を行う前に、汚染による影響を除くために、薄膜の膜厚の10〜20%の厚さに相当する表面層を、希ガスイオンが利用出来るイオン銃(Arイオンエッチング)を用いて表面層を除去した。
【0121】
先ず、結合エネルギー0eVから1100eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定し、いかなる元素が検出されるかを求めた。
【0122】
次に、検出された、エッチングイオン種を除く全ての元素について、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンをおこない、各元素のスペクトルを測定した。得られたスペクトルは、測定装置、あるいは、コンピューターの違いによる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするために、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM(Ver.2.3)上に転送した後、同ソフトで処理を行い、炭素含有率の値を原子数濃度(atomicconcentration:at%)として求めた。錫とインジウムの比も、上記結果から得られた原子数濃度の比とした。
【0123】
定量処理をおこなう前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムージング処理を行った。定量処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(cps*eV)を用いた。バックグラウンド処理には、Shirleyによる方法を用いた。
【0124】
Shirley法については、D.A.Shirley,Phys.Rev.,B5,4709(1972)を参考にした。
【0125】
〈エッチング速度(nm/sec)〉
透明導電膜にパターニングするための下記の組成の30℃のエッチング液に基材上の透明導電膜を浸漬し、基材生地が完全に露出されるまでの時間を膜厚で除したものをエッチング速度とし、下記の3ランクで評価した。
【0126】
《エッチング液組成》
水、濃塩酸及び40質量%第二塩化鉄溶液を質量比で85:8:7で混合したものをエッチング液とした。
【0127】
《エッチング速度ランク》
○:75nm/min以上
△:74〜30nm/min
×:29nm/min以下。
【0128】
実施例1
基材として、アルカリバリアコートとして膜厚約50nmのシリカ膜が形成されている長さ50mm×幅50mm×厚さ1mmのガラス基板を用意した。
【0129】
大気圧プラズマCVD装置には、下記の電極を使用した図4に記載したものと同様な装置を使用し、対向電極の真下3mmの所の処理位置に、上記のガラス基板をアルカリバリアコートを上側にして置いた。下記混合ガスを2個の平行平板対向電極の間に導入し、下記の条件でプラズマ放電を発生させてプラズマジェットを吹かせて薄膜形成し、ITO透明導電膜を作製した。
【0130】
電極は、長さ200mm×幅200mm×厚さ100mmの大きさで、温度制御出来るように中空になっているチタン合金T64の導電性の金属質母材に、下記の誘電体を被覆したものを用いた。誘電体の被覆は、導電性の金属質母材の表面を高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行ったものである。なお、このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax5μmとなるように加工した。
【0131】
また、高周波電源には日本電子(株)製高周波電源JRF−10000を用い、周波数13.56MHzの電圧で、且つ5W/cm2の電力を供給した。
【0132】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例2
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0133】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例3
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0134】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
比較例1
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0135】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例4
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0136】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例5
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0137】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例6
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0138】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
比較例2
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0139】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例7
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0140】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例8
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0141】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
比較例3
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0142】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例9
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0143】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例10
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0144】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
比較例4
実施例1で用いたのと同様のアルカリバリアコートしたガラス基板をDCマグネトロンスパッタ装置に装着し、真空槽内を1×10-5Pa以下まで減圧した。尚、スパッタリングターゲットは酸化インジウム:酸化錫が質量比で95:5の組成のものを用いた。この後、アルゴンガス:酸素ガスが体積比で1000:3の混合ガスを1×10-3Paとなるまで導入し、スパッタ出力100W、基板温度100℃として、ITO透明導電膜を作製した。
【0145】
比較例5
実施例1で用いたと同様のアルカリバリアコートしたガラス基板をDCマグネトロンスパッタ装置に装着し、真空槽内を1×10-5Pa以下まで減圧した。尚、スパッタリングターゲットは酸化インジウム:酸化錫が質量比で95:5の組成のものを用いた。この後、アルゴンガス:酸素ガス:水ガスが体積比で1000:1:2の混合ガスの混合ガスを1×10-3Paとなるまで導入して、スパッタ出力100W、基板温度100℃として、ITO透明導電膜を作製した。
【0146】
比較例6
2−メトキシエタノール22.02gにモノエタノールアミン0.4g、酢酸インジウム3.8g及びテトラブトキシ錫0.16gを添加し、10分間攪拌混合した。この混合液を塗布液とし、実施例1と同様のアルカリバリアコートしたガラス基板に1.2m/minの速度で、ワイヤバーで塗布した後、電気炉中で500℃で1時間加熱し、ITO透明導電膜を作製した。
【0147】
比較例7
塗布液を有機ITOペーストニューフローコートEC−L(京都エレックス(株)製)に変更した以外は比較例6と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0148】
実施例11
反応性ガス2のトリス(2,4−ペンタンジオナート)インジウムをトリホルモオキシインジウムに変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0149】
実施例12
反応性ガス2のトリス(2,4−ペンタンジオナート)インジウムをトリアセトオキシインジウムに変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0150】
実施例13
反応性ガス2のトリス(2,4−ペンタンジオナート)インジウムをトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)インジウムに変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0151】
実施例14
反応性ガス2のトリス(2,4−ペンタンジオナート)インジウムをトリスヘキサフルオロペンタンジオナートインジウムに変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0152】
比較例8
反応性ガス1のトリス(2,4−ペンタンジオナート)インジウムをトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)インジウムに変更した以外は比較例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0153】
比較例9
反応性ガス1のトリス(2,4−ペンタンジオナート)インジウムをトリスヘキサフルオロペンタンジオナートインジウムに変更した以外は比較例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0154】
実施例15
高周波電源を神鋼電機(株)製高周波電源15−5を用い、周波数10kHzの電圧に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0155】
実施例16
高周波電源をパール工業(株)製高周波電源200−5を用い、周波数200kHzの電圧に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0156】
実施例17
高周波電源をパール工業(株)製高周波電源800−5を用い、周波数800kHzの電圧に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0157】
実施例18
高周波電源及び放電条件等を、特開2001−74906の実施例1記載の波高値10kV、放電電流密度100mA/cm2、周波数6kHzのパルス電界を印加し、且つ5W/cm2の電力を供給したとする以外は本発明の実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0158】
実施例19
電力5W/cm2を0.1W/cm2に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0159】
実施例20
電力を5W/cm2を1W/cm2に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0160】
実施例21
電力を5W/cm2を1.5W/cm2に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0161】
実施例22
電力を5W/cm2を10W/cm2に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0162】
実施例23
基材として、アルカリバリアコートとして膜厚約50nmのシリカ膜が形成された長さ50mm×幅50mm×厚さ1mmのガラス基板を用意した。
【0163】
大気圧プラズマCVD装置には、下記の電極を使用した図4に記載したものと同様な装置を使用し、対向電極の真下3mmの所の処理位置に、上記のガラス基板をアルカリバリアコートを上側にして置いた。下記混合ガスを2個の平行平板対向電極の間に導入し、下記の条件でプラズマ放電を発生させてプラズマジェットを吹かせて薄膜形成し、ITO透明導電膜を作製した。
【0164】
電極は、長さ200mm×幅200mm×厚さ100mmの大きさで、温度制御出来るように中空になっているチタン合金T64の導電性の金属質母材に、下記の誘電体を被覆したものを用いた。誘電体の被覆は、導電性の金属質母材の表面を高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行ったものである。なお、このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax5μmとなるように加工した。
【0165】
また、高周波電源には日本電子(株)製高周波電源JRF−10000を用い、周波数13.56MHzの電圧で、且つ5W/cm2の電力を供給した。
【0166】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
上記において作製したITO透明導電膜を空気中150℃に保った熱風温風機により1時間熱処理を行い、熱処理したITO透明導電膜を作製した。
【0167】
実施例24
反応性ガス2のトリス(2,4−ペンタンジオナート)インジウムをトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)インジウムに変更した以外は実施例23と同様に行い、熱処理したITO透明導電膜を作製した。
【0168】
実施例25
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例1と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0169】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
以上実施例1〜25及び比較例1〜9において作製したITO透明導電膜について、上記の透過率、製膜速度、比抵抗値、キャリア密度、キャリア移動度、エッチング速度、炭素含有率及びIn/Sn比を測定・評価し、その結果を表1及び2に示した。
【0170】
【表1】
Figure 0004314779
【0171】
【表2】
Figure 0004314779
【0172】
(結果)
水を含有する混合ガスを用いて大気圧プラズマCVD法によりガラス基板上に透明導電膜を形成した本発明は、比較例に対して飛躍的に製膜速度が速く生産性が高く、透明性、導電性及びパターンニング性に優れていた。
【0173】
実施例26
大気圧プラズマCVD装置として、図1に示したと同様な装置を用いた。また基材は、幅150cm、厚さ100μmのARTONフィルム(非晶質シクロポリオレフィン樹脂フィルム、JSR社製)を用意した。該装置に使用する電極を、印加電極として上述の図1及び図3に示したような誘電体で被覆した角筒型固定電極群と、アース電極として上述の図1及び図2に示したような基材のフィルムを巻き回すことの出来る誘電体で被覆したロール回転電極を用いた。
【0174】
誘電体で被覆したロール回転電極および複数の角筒型電極のセットを以下のように作製した。
【0175】
ロール回転電極35は、冷却水による冷却手段を有するチタン合金T64製ジャケットロール母材(冷却手段は図1及び2には図示していない)に対して、大気プラズマ溶射法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、ロール径1000mmφとなるようにした。ロールの長さ(幅)は145cmとした。その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行った。
【0176】
このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax5μmとなるように加工した。このロール回転電極の誘電体の空隙率は5体積%で、誘電体層のSiOx含有率は75モル%、最終的な誘電体の膜厚は1mm(膜厚変動±1%以内)、誘電体の比誘電率は10であった。
【0177】
一方、印加電極の導電性の金属質母材は中空の角筒型のチタン合金T64パイプを使用し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆し、角筒型電極とした。この角筒型固定電極群の印加電極の誘電体についても上記ロール回転電極のものと物性は同じである。この印加電極の放電総面積は、150cm(幅手方向の長さ)×2cm(搬送方向の長さ)×50本(印加電極の数)=15000cm2であった。
【0178】
使用電源は高周波電源には日本電子(株)製高周波電源JRF−10000を用い、周波数13.56MHzの電圧で、且つ5W/cm2の電力を供給した。
【0179】
上記ARTONフィルムをロール回転電極に巻き回しながら移送させながら下記混合ガス組成で、上記放電条件で処理し、ITO透明導電膜を作製した。
【0180】
〈混合ガス組成〉
Figure 0004314779
実施例27
基材を厚さ100μmのゼオノアF16フィルム(シクロオレフィン系ポリマー、日本ゼオン社製)に変えた以外は実施例25と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0181】
実施例28
基材を厚さ100μmのピュアエースフィルム(ポリカーボネートフィルム、帝人(株)製)に変更した以外は実施例26と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0182】
実施例29
基材を厚さ80μmのコニカタックKC4UXフィルム(セルローストリアセテートフィルム、コニカ(株)製)に変更した以外は実施例26と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0183】
比較例10
混合ガス組成を下記に変更した以外は実施例26と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0184】
〈混合ガス組成〉
希ガス:ヘリウム 98.75体積%
反応性ガス1:インジウムトリスアセトアセトナート 1.2体積%
反応性ガス2:ジブチルジアセトオキシ錫 0.05体積%
比較例11
基材を厚さ100μmのゼオノアF16フィルムに変更した以外は比較例10と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0185】
比較例12
基材を厚さ100μmのピュアエースフィルム(ポリカーボネートフィルム、帝人(株)製)に変更した以外は比較例10と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0186】
比較例13
基材を厚さ80μmのコニカタックKC4UXフィルム(セルローストリアセテートフィルム、コニカ(株)製)に変更した以外は比較例10と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0187】
比較例14
真空槽、スパッタリングターゲット、気体導入系を有する巻き取り式マグネトロンスパッタリング装置を用い、基材として、幅150cm、厚さ100μmの前記ARTONフィルムの上に下記のスパッタリングターゲットを用いて透明導電膜を形成させた。先ず、装置内に該フィルムを導入し、内部を3×10-6Paまで減圧した。酸化インジウム:酸化錫質量比が95:5組成のスパッタリングターゲットを用いた。フィルム中のガスを脱気するために、巻き返しを行い、脱気が終了した時点でアルゴンガス:酸素ガス:水ガス体積比が98.8:0.2:1の混合ガスを1×10-3Paとなるまで導入し、フィルムロール温度を25℃とし、フィルムの繰り出し速度を0.1m/min、投入電力密度を1W/cm2として行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0188】
比較例15
基材を厚さ100μmのゼオノアF16フィルム(日本ゼオン社製)に変更した以外は比較例10と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0189】
比較例16
基材を厚さ100μmのピュアエースフィルム(ポリカーボネートフィルム、帝人(株)製)に変更した以外は比較例10と同様に行い、ITO透明導電膜を作製した。
【0190】
以上実施例26〜29及び比較例10〜16について、上記透過率、製膜速度、比抵抗値及びエッチング速度を測定・評価し、結果を表3に示した。
【0191】
【表3】
Figure 0004314779
【0192】
(結果)
水を含有する混合ガスを用いて大気圧プラズマCVD法により透明樹脂フィルム上に透明導電膜を形成した本発明は、比較例に対して飛躍的に製膜速度が速く生産性が高く、透明性、導電性及びパターンニング性に優れていた。
【0193】
【発明の効果】
本発明により、透明性に優れ、高い導電性(比抵抗値が低い)を有し、エッチング速度が均一で速く、更に形成過程において安全性が高い透明導電膜を形成する方法と上記方法で作製された透明導電膜及び透明導電膜を有する物品を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大気圧プラズマCVD装置の一例を示す概略図である。
【図2】図1に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図である。
【図3】図1に示した角筒型電極の母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図である。
【図4】本発明に係る大気圧プラズマCVD装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
40 電圧印加手段
50 ガス充填手段
60 電極温度調節手段
101 印加電極
102 アース電極
101A、102A 導電性の金属質母材
101B、102B 誘電体
103 処理位置
F 基材

Claims (30)

  1. 印加電極とアース電極で構成される対向電極の電極間を大気圧もしくはその近傍の圧力とし、該電極間に反応性ガス及び希ガスを含有する混合ガスを導入して高周波電圧を印加して放電させることによって該混合ガスをプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の混合ガスに晒すことによって該基材上に膜を形成後、エネルギー処理を行い透明導電膜を形成する方法において、該反応性ガスが少なくとも水を含有することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  2. 前記混合ガス中の水の濃度が0.0001〜10体積%であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の形成方法。
  3. 前記反応性ガスが少なくとも有機金属化合物を含有することを特徴とする請求項1または2項に記載の透明導電膜の形成方法。
  4. 前記有機金属化合物の少なくとも一つが、β−ケトン、β−ケト酸、β−ケト酸エステル、及びケトオキシから選ばれる金属錯体基を有する化合物であることを特徴とする請求項3に記載の透明導電膜の形成方法。
  5. 前記有機金属化合物の少なくとも一つがアルコキシド基を有する化合物であることを特徴とする請求項3または4に記載の透明導電膜の形成方法。
  6. 前記有機金属化合物と共にドーピング用の有機金属化合物またはフッ素化合物を用いることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  7. 前記反応性ガスが、少なくとも酸化ガスを含有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  8. 前記反応性ガスが、少なくとも還元性ガスを含有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  9. 前記希ガスがアルゴンまたはヘリウムであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  10. 前記電極間に印加する電界が、周波数100kHzを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm 以上の電力を供給して放電させることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  11. 前記周波数が150MHz以下であることを特徴とする請求項10に記載の透明導電膜の形成方法。
  12. 前記周波数が200kHz以上であることを特徴とする請求項10または11に記載の透明導電膜の形成方法。
  13. 前記周波数が800kHz以上であることを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  14. 前記供給する電力が1.2W/cm 以上であることを特徴とする請求項10に記載の透明導電膜の形成方法。
  15. 前記供給する電力が50W/cm 以下であることを特徴とする請求項10または14に記載の透明導電膜の形成方法。
  16. 前記供給する電力が20W/cm 以下であることを特徴とする請求項10、14または15に記載の透明導電膜の形成方法。
  17. 前記高周波電圧が連続したサイン波であることを特徴とする請求項10に記載の透明導電膜の形成方法。
  18. 前記対向電極の少なくとも一方の電極が、誘電体で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  19. 前記誘電体が、比誘電率6〜45の無機物であることを特徴とする請求項18に記載の透明導電膜の形成方法。
  20. 前記混合ガスに晒される基材の表面温度が、500℃以下であることを特徴とする請求項1乃至19の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  21. 前記エネルギー処理を、空気、還元性ガス、酸化性ガス、希ガス及び真空から選ばれる少なくとも一つの雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1乃至20の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  22. 前記エネルギー処理の温度が、50〜300℃であることを特徴とする請求項1乃至21の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  23. 請求項1乃至22の何れか1項の形成方法により形成されたことを特徴とする透明導電膜。
  24. In 、SnO 、ZnO、FドープSnO 、AlドープZnO、SbドープSnO 、ITO及びIn −ZnOから選ばれる少なくとも一つを主成分とするアモルファス膜であることを特徴とする請求項23に記載の透明導電膜。
  25. 前記ITOのIn/Sn原子数比が100/0.1〜100/15であることを特徴とする請求項24に記載の透明導電膜。
  26. 炭素含有量が0〜5.0原子数濃度であることを特徴とする請求項23乃至25の何れか1項に記載の透明導電膜。
  27. 請求項23乃至26の何れか1項に記載の透明導電膜を基材表面に有する物品。
  28. 前記基材が、透明樹脂フィルムであることを特徴とする請求項27に記載の物品。
  29. 前記透明樹脂フィルムが、タッチパネル用フィルム基材、液晶素子プラスティック基板、有機EL素子プラスティック基板、プラズマディスプレイパネル用電磁遮蔽フィルム、電子ペーパー用フィルム基板であることを特徴とする請求項27または28に記載の物品。
  30. 前記透明導電膜がパターニングされた透明電極であることを特徴とする請求項27乃至29の何れか1項に記載の物品。
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