JP4313980B2 - 共生菌を用いたイネ科植物の病虫害防除方法、防除剤および防除剤を結合した種子 - Google Patents

共生菌を用いたイネ科植物の病虫害防除方法、防除剤および防除剤を結合した種子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は共生菌を用いたイネ科植物の病虫害防除方法、共生菌を用いた防除剤および防除剤を結合した種子に係るものである。とくに本発明は、イネ科植物体に導入感染して抵抗性機能を発現させる細菌から成る共生菌を利用したイネ科植物の病虫害の生物的防除方法、防除剤、および防除剤を結合した種子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イネ科植物はイネ、コムギおよびトウモロコシの世界3大穀物、アフリカやインドなどの地域で主食とされているソルガム、家畜飼料である牧草や公園、運動場、ゴルフ場、緑地などに使用されている芝草など、世界的に栽培利用されている人間にとって最も有用な植物である。このようなあらゆる分野で利用されてイネ科植物の栽培において、最も深刻な問題とて病害虫による被害がある。
【0003】
そして、これまでに多種多様な方法において、病害虫に対する防除技術が開発されている。その中で最も一般的に使用され、かつ多く開発されたのもが、化学農薬を用いた化学的防除方法である。化学農薬は植物体に発生した病害虫に即効的に作用し、手軽に防除できる反面、特定毒物、毒物、劇物などとされ、法律で規制されている。近年、化学農薬の乱用によって、急性毒性による中毒患者や死亡者が出現したり、農作物への残存による食品への残留や農薬利用余剰分の流出による人体や環境への影響が社会的問題化してきている。また、化学農薬に対して耐性を持った病害虫の出現により、際限なく新たな農薬の開発が余儀なくされ、終わりがない状態となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、環境保護を考慮し、環境に影響の少ない防除技術として、生物的防除方法の開発が行なわれてきている。植物体自体に病虫害抵抗性を持たせる育種技術として、人工交配法、選抜法、突然変異法、細胞融合法、遺伝子導入法などが存在している。特に、遺伝子導入方法の利用は目覚しく、害虫防除技術として上記のようなBacillus thuringensis (Bt)トキシン殺虫タンパク質合成遺伝子導入トウモロコシやイネが育成され、トウモロコシにおいては、飼料用のデントコーンに遺伝子導入された品種が実際に栽培されている例がある。
【0005】
しかしながら、Btトキシンのような殺虫タンパク質は、標的とする害虫のみでなく、無害の一般生物にも影響を及ぼし、Btトキシン殺虫タンパク質合成遺伝子導入トウモロコシの花粉を食したオオカバマダラが死亡した例が報告され、自然環境かく乱リスクが問題となっている。
【0006】
また、生物的防除方法として自然界に存在する微生物や天敵昆虫に利用などがあり、病原菌に対して拮抗作用を示す微生物の利用、上述のようなBacillus thuringensis (Bt)トキシンのような殺虫タンパク質の利用、害虫捕食昆虫の天敵昆虫の利用などが代表される。病原菌に対する拮抗微生物はそのほとんどが土壌病害菌に対応したものであり、例えばイネいもち病菌など胞子が直接植物体の茎葉部分に付着して、植物体内に侵入、発病させる病原菌に対する拮抗微生物の利用はない。燐翅目害虫に対するBtトキシンは、予防的利用はできず、害虫が確認されてから処理するため、害虫の発生状況を把握し、適切に用いないとまったく効果を示すことができない。天敵の利用は、温室などの施設栽培に発生する害虫には効果的であるが、イネ科植物など外環境に発生する害虫に対しては利用困難である。
【0007】
ところで、自然界には植物体内部共生菌、すなわちエンドファイトと呼ばれる微生物が存在している。エンドファイトは植物体の組織中に、とくに細胞間隙と呼ばれる細胞と細胞との間に生息している。これまでに、Neotyphodium属である糸状菌、共生菌が感染したイネ科植物体は、共生していない個体に比べ害虫に対する抵抗性、病原菌に対する抵抗性、生育速度、暑さや乾燥などの環境ストレスに対する抵抗性が向上することが知られている。
【0008】
エンドファイトが感染共生している植物は、植物自体に上記抵抗性が付与されているため、農薬の使用を省くことができ、病害虫の発生予測に関係なく防除可能である。また、もともとの自然界の摂理を応用した技術であるため、遺伝子導入植物に見られる弊害や植物自体のその他の形質に影響がでない。
【0009】
エンドファイトには大別して糸状菌と細菌に分かれる。糸状菌エンドファイトはNeotyphodiumが感染共生したイネ科植物で利用さている。しかしながら、糸状菌エンドファイトは、感染共生できる植物が近縁種に限定された宿主特異という性質がある。そのため、その利用は、牧草、芝草種に留まっている。
細菌から成る共生菌のエンドファイトは、その利用は大気中の窒素を固定し、植物に供給している根粒菌であるRizobium, Bradyrhizobium, Mesorhizobium, Sinorhizobiumなどのマメ科植物根に根粒を作って生活する細菌のみしか実用化されていない。
【0010】
イネ科植物においても、サトウキビやイネで窒素固定をする共生菌、細菌エンドファイトが探索されているという報告がある。しかしながら、病害虫に対して抵抗性を付与させる機能を持った細菌共生菌はマメ科やイネ科問わず存在していない。
【0011】
本願発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、植物に感染共生可能であり、感染共生した植物体に病害虫に対して抵抗性を付与させる機能をもつ細菌から成る共生菌を人為的に導入するようにした共生菌導入植物を利用した生物的防除方法、防除剤、および防除剤を結合した種子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
病虫害防除方法に関する主要な発明は、細菌から成る共生菌であって、生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌をイネ科植物の植物体に人為的に導入して感染させ、前記共生菌によって病虫害抵抗性を付与することを特徴とするイネ科植物の病虫害防除方法に関するものである。
【0013】
ここで細菌から成る共生菌が人為的に導入されたイネ科植物に対して細菌または糸状菌による病害に対する抵抗性を付与することができる。また細菌から成る共生菌が人為的に導入されたイネ科植物に対して燐翅目、直翅目、総翅目、鞘翅目、または半翅目の害虫に対する抵抗性を付与することができる。ここで用いられる細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属またはAzospirillum属の細菌であることが好ましい。
【0014】
また細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の内の何れか1種または2種以上の細菌であることが好適である。また細菌から成る共生菌が植物体の細胞間隙に生息して病虫害抵抗性を発現することになる。
【0015】
また共生菌が人工的に導入される植物がイネ科であって、Agegilop、Agrostis、Avena、Axonopus、Buchloe、Coix、Cynodon、Dactylis、Eragrostis、Eremochloa、Festuca、Hordeum、Lolium、Oryza、Paspalum、Pennisetum、Phleum、Poa、Saccharum、Secale、 Sorghum、Stenotaphrum、Triticum、×Triticosecala、Zea、Zoysiaの何れかであってよい。またこれらの植物の交配種をも含むものである。
【0016】
また病虫害の防除方法に関する別の主要な発明は、天然に存在する植物体から病虫害抵抗性を発現する細菌から成る共生菌を分離する工程と、分離された共生菌を人工培養する工程と、人工培養された共生菌を対象植物に導入する工程と、導入された共生菌によって植物体に感染させる工程と、を具備し、導入された共生菌が生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌であることを特徴とするイネ科植物体の病虫害防除方法に関するものである。
【0017】
ここで細菌が共生していると推定される植物を磨砕し、培地上に接種して培養により細菌を分離することができる。またイネ科植物の種子に対して細菌から成る共生菌を分散させた水溶液を接触させて前記種子または該種子から発芽する植物体に前記共生菌を導入することができる。また共生菌を分散させた水溶液が生理食塩水であることが好ましい。また播種前の浸種のための浸種液に細菌から成る共生菌を分散させておき、種子または該種子から発芽する植物体に前記共生菌を導入することが好適である。
【0018】
またここで分離した細菌から成る共生菌のDNAをPCR法によって増幅するとともに、増幅されたDNAを相同性探索を行って細菌の特定を行うことが好適である。また識別手段を発現するような外来遺伝子を前記細菌から成る共生菌に導入し、植物体に感染した前記共生菌の定着の有無を前記外来遺伝子による識別手段によって確認することが好ましい。
【0019】
また病虫害防除剤に関する主要な発明は、天然に存在する植物体から分離された細菌から成る共生菌であって、人為的に導入されたイネ科植物に対して病虫害抵抗性を発現させる生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌を主成分とする病虫害防除剤に関するものである。
【0020】
ここで細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属またはAzospirillum属の細菌であることが好ましい。また細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の内の何れか1種または2種以上の細菌であることが好ましい。また細菌から成る共生菌が結合剤中に分散されるとともに、該結合剤が種子を被覆するコート層を形成してよい。また細菌から成る共生菌を人為的に導入すると細菌または糸状菌による病害に対する抵抗性を発現するものであってよい。あるいはまた細菌から成る共生菌を人為的に導入すると、燐翅目、直翅目、総翅目、鞘翅目、または半翅目の昆虫に対する耐虫性を発現するものであってよい。
【0021】
また種子に関する主要な発明は、イネ科植物の植物体に導入すると該植物に対して病虫害抵抗性を付与する細菌から成る共生菌であって、生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌を結合剤に分散させて前記植物の種子にコートしたことを特徴とするコート剤を結合した種子に関するものである。
【0022】
ここで細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属またはAzospirillum属の細菌であることが好ましい。また細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、FERM BP−8000の内の何れか1種または2種以上の細菌であることが好ましい。また前記結合剤がカーバイト(炭化カルシウム)であることが好ましい。
【0023】
本願発明は、感染共生した植物に対して病虫害抵抗性を付与させる機能をもつ共生菌に着目し、このような共生菌を植物体に人為的に導入するとともに、導入前の共生菌または共生した植物を導入後にスクリーニングし、植物体に感染させるようにしたものである。とくに、イネ科植物に感染共生する共生菌として、Herbaspirillum属またはAzospirillum属の細菌が効果的であることが確認された。
【0024】
本願発明者等によって探索培養されたエンドファイトであって、とくにHerbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株(特許生工研寄託菌FERM P−7998およびFERM P−7999)または、Azospirillum sp. MYK-B003株(特許生工研寄託菌FERM P−8000)は何れも各種のイネ科植物に導入して共生させることができ、導入感染した植物体に病虫害抵抗性機能を付与させることができるエンドファイトであることが確認された。またこのようなエンドファイトが導入される植物としては、Agegilop、Agrostis、Avena、Axonopus、Buchloe、Coix、Cynodon、Dactylis、Eragrostis、Eremochloa、Festuca、Hordeum、Lolium、Oryza、Paspalum、Pennisetum、Phleum、Poa、Saccharum、Secale 、Sorghum、Stenotaphrum、Triticum、×Triticosecala、Zea、Zoysiaの何れかの植物であってよく、ここではその後代、および上記の各植物の交配種も含むものである。
【0025】
次に細菌エンドファイトの導入方法について説明する。この方法は自然界に存在する植物に共生しているエンドファイトを分離して人工増殖を行なう。そして人工増殖されたエンドファイトをイネ科植物に人工接種する。そして人工接種されたエンドファイトをイネ科植物に感染させて共生させることによりイネ科植物へのエンドファイトの導入が行なわれる。エンドファイトは植物体に人工接種する前に、あるいは人工接種後にスクリーニングして選択する。
【0026】
ここでエンドファイトを人工接種する工程において特許生工研寄託センタ−に寄託された上記のエンドファイトの何れかを人工接種するようにしてよい。またエンドファイト導入は必ずしも1種類のエンドファイトである必要はなく、2種類以上のエンドファイトを同時に、あるいはまた時間的にずらして導入することもできる。
【0027】
本願発明者等はHerbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株とAzospirillum sp. MYK-B003株をイネ科植物に接種、定着させた。そして、それぞれの植物種の病害虫検定を行なったところ、何れもエンドファイトが感染していない個体が、罹病、摂食阻害を受けたのに対して、エンドファイト感染個体は、病害虫ともに強度抵抗性を示した。
【0028】
このことはエンドファイトを一度感染共生させることによってイネ科植物自体に病害虫抵抗性機能をほぼ永続的に付与させることができ、病虫害防除に対して、これまで使用してきている化学農薬の使用なしで栽培可能となる。また、その他の生物防除方法と比較して、発生予測や発生状況による使用検討、環境に対する影響検討などを大幅に削減可能となり、環境への負荷の低減だけでなく、栽培の際のコストを抑えることができる効果を生ずる。
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るイネ科植物へのエンドファイト導入による病虫害防除方法をその手順に従って詳細に説明する。
【0029】
段階1 エンドファイトの分離工程
(1)エンドファイトの分離・培養工程
探索採取された天然に存在する植物片を滅菌処理するとともに、滅菌処理前または処理後に磨砕し、エンドファイト分離培地へ置床し、数日間培養を行なうことにより、エンドファイトを分離する。
(2)エンドファイトの同定工程
培地上でシングルコロニーとして単離された菌はそれぞれ16srRNA遺伝子の解析によって同定を行なう。
(3)エンドファイトの標識工程
種が同定されたエンドファイトは接種後に植物体内で感染を確認するために、必要であれば一部をGFP標識する。
【0030】
段階2 エンドファイトの導入工程
分離したエンドファイトを目的あるいは対象とするイネ科植物であるAgegilop、Agrostis、Avena、Axonopus、Buchloe、Coix、Cynodon、Dactylis、Eragrostis、Eremochloa、Festuca、Hordeum、Lolium、Oryza、Paspalum、Pennisetum、Phleum、Poa、Saccharum、Secale 、Sorghum、Stenotaphrum、Triticum、×Triticosecala、Zea、Zoysiaの何れかの属の植物へ人工的に導入する。エンドファイト導入方法は、種子に付着させ接種する方法、種子にコーティングする方法、植物体に直接接種する方法とがある。これらはエンドファイトの導入となる植物の種類に応じて任意に選択されてよい。
【0031】
とくに種子に付着させて接種する方法は、分離された細菌から成る共生菌、すなわちエンドファイトを生理食塩水中に分散させておき、細菌が分散されている生理食塩水を種子に接触させることによって容易に接種できる。すなわち細菌が分散された生理食塩水を種子中に撒布するか、細菌が分散された生理食塩水中に種子を浸漬することによって接種してよい。
【0032】
とくにイネ科植物中の栽培イネの種子である籾に接触させる場合には、播種時の浸種に適用することができる。すなわち種籾を浸種する浸種液中に細菌から成る共生菌を分散させておき、この播種液中に種籾を浸漬する。これによって浸漬液中の細菌が種子あるいはこの種子から発芽する植物体に感染する。
【0033】
あるいはまたイネ科植物に含まれる各種の穀物の種子に上記の共生菌から成る防除剤をコートしておくことができる。この場合にカーバイト(炭カルシウム)から成る結合剤を用いて上記のコート層を形成することが好適である。
【0034】
段階3 導入確認工程
gfp遺伝子を導入した植物の組織片を蛍光顕微鏡を使用して観察することで、エンドファイトの感染を確認することができる。また組織を表面殺菌し、NB倍地上に置床することによって導入されたエンドファイトが分離される。
【0035】
段階4 エンドファイト導入植物の検定工程
虫抵抗性検定
エンドファイトを導入して共生させた植物と、エンドファイトが存在しない植物とを用い、虫害の対象となる昆虫を飼育し、人工的に食害試験を行なうことにより、耐虫抵抗性を確認できる。
【0036】
(2)病害抵抗性検定
エンドファイトを導入して共生させた植物と、エンドファイトが存在しない植物とを用い、病害の対象となる病原菌を人工培養し、それをそれぞれの植物に人為的に接種を行なって発病させる。そして、各植物の発病の程度を測定して病害抵抗性を確認できる。
【0037】
【実施例1】
(1)エンドファイトの分離
天然土壌に生育しているイネ科植物を適宜採取するとともにその植物体を切断し、70 % エタノールに 30 秒、2 % 次亜塩素酸ナトリウムに5分浸すことにより表面殺菌を行なった。その後植物体を、乳鉢で滅菌した生理食塩水と海砂を加えながら磨砕し、NB培地に接種し、30 ℃、24時間暗期条件下で数日間培養した。この操作によって培地上でシングルコロニーを単離した。
(2)エンドファイトの同定
PCR 法により16s rRNA 遺伝子領域を伸長増幅し、塩基配列決定を行なった。16S rRNA 遺伝子領域内部の順方向または逆方向の数種類のプライマを用意した。2種類の向い合うプライマーを選択し、菌株を溶解させ、抽出した DNA 溶液をテンプレートとして PCR 法を行った。増幅された DNA 断片を精製し、塩やプライマーを除去した後、塩基配列を決定した。16s rRNA 遺伝子内の約 1.5 kb の塩基配列を決定した。決定した塩基配列を DDBJ / GeneBank / EMBL データベースを用いて相同性検索を行った。
その後、決定した塩基配列、その塩基配列と相同性の高い属、種の16s rRNA 遺伝子塩基配列、その他広範囲の菌属および菌種の16s rRNA 遺伝子塩基配列の系統関係を系統樹作成プログラム ClastalW を用いて解析した。それを基に系統樹を作成した。その結果 MYK-B001 株およびMYK-B002は Herbaspirillum 属であって、MYK-B003 株は Azospirillum 属に属することが明らかとなった。
(3)標識株の作成
導入されたエンドファイト、すなわち細菌は植物組織内で観察が困難なために、自己発色するタンパク質を生産する遺伝子を組込んだ。GFP(Green Fluorescent Protein)はオワンクラゲ(AequoriaVictoria)から単離されたタンパクである。青色光または紫外光を当てると緑色の蛍光を発する。このGFPの遺伝子、すなわちgfp遺伝子が単離され菌株の標識に用いられている。腸内細菌科以外では複製不可能なプラスミドpUT上に、gfp遺伝子2つと、カナマイシン耐性異伝子がミニトランスポゾンを構成して存在しているプラスミドpUTgfpx2がある。このプラスミドを電気導入遺伝子導入法によって、例えばHerbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株に導入し、カナマイシン耐性菌を単離した。この菌に500nm付近の光を照射し、蛍光を発することを確認した。
(3) 菌株の培養
Herbaspirillium sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株をともに同様な培養方法で培養を行なった。菌株のシングルコロニーを NB培地上に接種し、30 ℃で振とう培養を行なった。
(4)イネ科植物への接種
1.種子への菌付着による接種
NB培地で培養後、対数増殖期の菌体を8000 G(G:重加速度)、1 分 遠心することにより集菌した。菌体を生理食塩水に懸濁し再び集菌することを3 回繰返し洗滌した。洗滌した菌体を生理食塩水に2 ×10 Cell/ml になるように懸濁した。植物の種子は籾を剥離し、70% エタノール中に数秒、直ぐに滅菌水で洗滌後に、2.5% 次亜塩素酸ナトリウム水溶液で30 分間振とうし、表面殺菌を行った。その後滅菌水で 15 分間振とうを 3回繰り返し洗滌した。予め121℃、15分オートクレーブ滅菌しておいた赤玉土と育苗土(商品名:くみあい宇部粒状培土 全国農業協同組合連合会)を1:3の割合で入れたプラントボックスまたは試験管内に表面殺菌した種子を置いた。上述の菌懸濁液を1 種子あたり例えば 50μl(1 × 10 Cells) になるように種子上に乗せることにより菌の接種を行なった。今回接種したイネ科植物種は一覧を表1および表2に示す。
【0038】
2.種子への菌コーティングによる接種
NB培地で培養後、対数増殖期の菌体を8000 G(G:重加速度)、1分遠心することにより集菌した。菌体を生理食塩水に懸濁し再び集菌することを3回繰返し洗滌した。洗滌した菌体を生理食塩水に1×10Cells/mlとなるように生理食塩水で懸濁した。例えは、その菌懸濁液とカーバイト(炭カルシウム CaC2 )により、種子に菌をコーティングする方法によって接種を行なった。今回接種したイネ科植物種は一覧を表1および表2に示す。
【0039】
3.植物体への菌懸濁液噴霧による接種
種子を赤玉土と育苗土(商品名:くみあい宇部粒状土 全国農業共同連合会)を1:3の割合で入れたビニルポットに播種した。播種後温度25℃、明期16時間、暗期8時間の条件の培養室で10日間、第2葉展開するまで生育させた。
【0040】
NB培地で培養後、対数増殖期の菌体を8000 G(G:重加速度)、1 分 遠心することにより集菌した。菌体を生理食塩水に懸濁し再び集菌することを3 回繰返し洗滌した。洗滌した菌体を生理食塩水に1 × 10 Cells/mlとなるように生理食塩水で懸濁した。
【0041】
そして、作成した菌懸濁液に展着剤、Tween20を5000〜10000倍希釈となるように添加して、第2葉展開まで生育させておいた植物体に噴霧接種法によりまんべんなく接種した。今回接種したイネ科植物種は一覧を表1および表2に示す。
【0042】
(5) エンドファイト感染イネ科植物の増殖
1.プラントボックスまたは試験管での栽培
プラントボックスまたは試験管内に赤玉土と育苗土(商品名:くみあい宇部粒状培土 全国農業協同組合連合会)を1:3の割合で入れた。培土上でHerbaspirillium sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株を接種した植物体を25 ℃で明期 16 時間、暗期 8 時間の条件に放置し、無菌的に 10 日から 14 日間栽培を行なった。その後、有菌状態、25 ℃で明期 16 時間、暗期 8 時間の条件でさらに10日から14日間栽培を行った。
【0043】
2.ビニルポットでの栽培
噴霧接種法によりHerbaspirillium sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株菌を接種した植物体は、接種後25℃、明期16時間、暗期8時間条件に放置して、10日から14日間栽培を行なった。
3.ワグネルポットを用いた栽培
プラントボックス、ビニルポットで生育した幼植物を赤玉土と育苗土(商品名:くみあい宇部粒状培土 全国農業協同組合連合会)を1:3の割合で入れた 1/5000 a ワグネルポットに移植し、明期 11 時間 : 28 ℃、暗期 13 時間 : 22 ℃で登熟期まで栽培を行った。
【0044】
(6)感染の確認
1.蛍光顕微鏡による感染の確認
GFP遺伝子で標識したHerbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株およびAzospirillum sp. MYK-B003株を接種した植物体を、蛍光実態顕微鏡で観察することにより検討した。さらに、植物組織内のどこに定着するか、植物の葉身を共焦点レーザ顕微鏡をもちいたて観察した。その結果、標識した菌は植物体の地上部および地下部屁の多量の定着が観察された。植物組織内では、細胞間隙に定着することが明らかとなった(写真1)。そして、表1および2に示す通り、すべての植物およびすべての接種方法の組合わせで、イネ科植物に感染・共生することが明らかとなった。
【0045】
2.分離法による感染の確認
菌接種したイネを10 日間から 14 日間栽培を行い、この幼植物全体を70% エタノールに数秒、 1 % 次亜塩素酸ナトリウムに 30 秒間浸すことにより表面殺菌を行なった。表面殺菌後に滅菌した乳鉢にて滅菌した生理食塩水と海砂を加えながら植物体を磨砕し、NB 寒天培地に塗布した。生ずるコロニーを計数し接種菌の組織内定着性について検討を行なった。その結果、エンドファイトが分離され、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株は接種した植物体に定着することが明らかとなった。そして、表1および2に示す通り、すべての植物およびすべての接種方法の組合わせで、イネ科植物に感染・共生することが明らかとなった。
【0046】
【実施例2】
エンドファイト感染イネのいもち病抵抗性評価
(1)葉いもち病に対する抵抗性評価
エンドファイト感染イネの有用機能評価として、イネの主要病害となっているいもち病に対する抵抗性検定を行なった。接種エンドファイトは、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株を用い、栽培イネOryza Sativa に接種した。いもち病菌(Ptricularia oryza Cavara)は北1菌株(レ−ス003)を使用した。
エンドファイトを上記方法で接種した栽培イネOryza Sativa 個体を第4〜5葉期まで栽培を行なった。
【0047】
いもち菌は、乾燥胞子形成培地表面を5000〜10000倍希釈になるようにTween20を加えた蒸留水で洗い、胞子懸濁液を作成し、顕微鏡100倍視野に20〜100個の胞子数となるように胞子懸濁液濃度を調整した。そして、第4〜5葉期に生長したイネ幼苗全体に噴霧接種法によりまんべんなく接種した。
【0048】
接種個体は、ビニル袋で覆って過湿機で100%湿度、温度25℃に保った状態のインキュベ−タ内で24時間処理し、菌を感染させた。24時間後から湿度自然状態で50〜60%、温度25℃明期16時間、暗期8時間条件設定したインキュベータ内で発病させた。罹病斑が最も大きな葉を最大罹病葉として、接種した全個体について罹病斑の直径、すなわち病斑長を測定した。エンドファイト無接種個体とエンドファイト接種個体との平均値差を最小有意差法により算出して、有意差の有無を求め、有意に病斑長が小さかった場合、いもち病菌に対して抵抗性と見なした。
【0049】
Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株接種個体および無接種個体のいもち病班長平均値による有意差検定を算出した結果、無接種個体と比較してHerbaspirillum sp. MYK-B002株接種個体で1%水準、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびAzospirillum sp. MYK-B003株接種個体で5%水準で有意に罹病が抑制された。
以上から、エンドファイトHerbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株が栽培イネOryza Sativaに感染・共生することによって、イネ個体に葉いもち病に対する抵抗性機能を付与されることが明となった。
【0050】
(2)穂いもち病に対する抵抗性評価
葉いもち病検定で用いたHerbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株接種栽培イネOryza Sativaを赤玉土と育苗土(商品名:くみあい宇部粒状培土 全国農業協同組合連合会)を1:3の割合で入れた 1/5000 a ワグネルポットに移植し、明期 11 時間 : 28 ℃、暗期 13 時間 : 22 ℃ で栽培を行った。そして、出穂が確認された時期にいもち菌の接種を行なった。接種は、葉いもち病検定と同様に同じ菌株を、乾燥胞子形成培地表面を5000〜10000倍希釈になるようにTween20を加えた蒸留水で洗い、胞子懸濁液を作成し、顕微鏡100倍視野に20〜100個の胞子数となるように胞子懸濁液濃度を調整し、噴霧接種法によりまんべんなく植物体に接種をした。
【0051】
接種個体は、ビニル袋で覆って過湿機で100%湿度、温度25℃に保った状態で24時間処理し、菌を感染させた。24時間後から湿度自然状態で50〜60%、温度25℃明期16時間、暗期8時間条件設定した温室内で発病させた。
接種後20〜30日目に穂首いもち、穂軸いもち、枝梗いもちの発病程度を調査した。エンドファイト無接種個体とエンドファイト接種個体との平均値差を最小有意差法により算出して、有意差の有無を求め、有意に罹病程度が小さかった場合、穂いもち病に対して抵抗性と見なした。
【0052】
葉いもち病検定結果同様に、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株接種個体および無接種個体の穂いもち病罹病程度の有意差検定を算出した結果、無接種個体と比較してHerbaspirillum sp. MYK-B002株接種個体で1%水準、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびAzospirillum sp. MYK-B003株接種個体で5%水準で有意に穂いもち病が抑制された。
【0053】
以上から、エンドファイトHerbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株が栽培イネOryza Sativaに感染・共生することによって、イネ個体に葉いもち病および穂いもち病に対する抵抗性機能を付与されることが明となった。
【0054】
ここでは、栽培イネOryza Sativaに対するイネいもち病抵抗性について評価したが、この結果から、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株が感染・共生したイネ科植物は全般に、病害に対して抵抗性機能が付与されることが示唆された。よって、イネ科植物の栽培において、細菌からなる共生菌を感染・共生させることは病害に対する生物的防除法として十分に活用できることが明らかとなった。
【0055】
【実施例3】
エンドファイト感染イネ科植物の害虫に対する抵抗性評価
イネ科植物の主要害虫である直翅目、総翅目、半翅目、燐翅目、鞘翅目など植物体を摂食したり、吸汁したりして食害する害虫対する耐虫性機能が、エンドファイト感染によって付与されるかどうかについて評価した。
【0056】
まず、ヨトウ類の中から、イネ科植物全般的に主要害虫となっているスジキリヨトウ(Spodoptera depravata Butler)に対する効果を検証した。
エンドファイトは、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株を用いた。接種個体の作成、育成は前記した方法と同様である。
【0057】
摂食試験は、エンドファイト接種個体および無接種個体の葉身を長さ20mmに切断した切葉片を90mmシャーレに静置し、ふ化直後のスジキリヨトウ幼虫を200頭程度入れ、25℃、明期16時間、暗期8時間条件設定したインキュベータ内に置き摂食させ、48時間後に摂食率を測定した。また、スジキリヨトウ3齢幼虫を20頭入れ、25℃、明期16時間、暗期8時間条件設定したインキュベータ内に置き摂食させ、48時間後に摂食率を測定した。
【0058】
スジキリヨトウふ化直後の幼虫の48時間後の摂食程度を観察した結果、無接種個体、Herbaspirillum sp. MYK-B002株 接種個体およびAzospirillum sp. MYK-B003株接種個体がほぼ100%摂食される中で、Herbaspirillum sp. MYK-B001株接種個体のみ20%程度しか摂食されないという明らかな差異が観察された(写真2)。
【0059】
なお図2に示す写真において、左上の植物はAzospirillum sp. MYK-B003株(FERM BP-8000)の接種個体を、右上の植物はHerbaspirillum sp. MYK-B001株(FERM BP-7998)の接種個体を、左下の植物はHerbaspirillum sp. MYK-B002株(FERM BP-7999)の接種個体を、右下の植物はコントロールであって無接触固体をそれぞれ示す。
【0060】
さらに、スジキリヨトウ幼虫の3齢幼虫を20頭による摂食試験では、検定開始から48時間後Herbaspirillum sp. MYK-B001株接種個体のみ5%程度の摂食と、ほとんど摂食されていなかった(写真3)。無接種個体、Herbaspirillum sp. MYK-B002株およびAzospirillum sp. MYK-B003株接種個体は差異なく摂食されていた。
【0061】
なお図3に示す写真において、左側の植物はAzospirillum sp. MYK-B003株(FERM BP-8000)の接種個体を、左から2番目の植物はコントロールであって無接種の個体を、右から2番目の植物はHerbaspirillum sp. MYK-B001株(FERM BP-7998)の接種個体を、右側の植物はHerbaspirillum sp. MYK-B002株(FERM BP-7999)の接種個体をそれぞれ示す。
【0062】
その他の植物体を摂食する害虫に対しても同様に、阻害作用を示した。
以上から、エンドファイトHerbaspirillum sp. MYK-B001株は感染・共生させたイネ科植物に強度な耐虫性を付与する特性があることが明確となり、類似するヨトウ類を含む燐翅目害虫、バッタ類などの直翅目害虫に対しても同様な耐虫性機能を示すとが明らかとなった。
【0063】
また、ウンカ類やカメムシ類が属する半翅目などの吸汁害虫に対する検定においても、忌避などの阻害作用を示すことが明らかとなった。よって、イネ科植物の栽培において、細菌からなる共生菌を感染・共生させることは害中に対する生物的防除法として十分に活用できることが明らかとなった。
【0064】
【表1】
Figure 0004313980
【0065】
【表2】
Figure 0004313980
【0066】
【発明の効果】
本願の主要な発明は、細菌から成る共生菌であって、生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌をイネ科植物の植物体に人為的に導入して感染させ、前記共生菌によって病虫害抵抗性を付与するようにしたものである。
【0067】
従ってこのような病虫害防除方法によれば、細菌から成る共生菌が人為的に感染共生された植物が病虫害に対する抵抗性機能を付与される。従って導入された共生菌によって従来の農薬に代替する機能が付与されることになり、化学合成農薬の使用量を少なくすることが可能になり、従来効果が乏しかった生物農薬の欠点を克服するとともに、生物防除を利用して環境への負担や栽培イネ科植物の栽培コストの低減を図ることが可能になる。
【0068】
本願の別の主要な発明は、天然に存在する植物体から病虫害抵抗性を発現する細菌から成る共生菌を分離する工程と、分離された共生菌を人工培養する工程と、人工培養された共生菌を対象植物に導入する工程と、導入された共生菌によって植物体に感染させる工程と、を具備し、導入された共生菌が生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌であることを特徴とするものである。
【0069】
従ってこのような病虫害防除方法によれば、高い再現性をもってイネ科植物に対して病虫害抵抗性を発現する細菌を導入感染させることが可能になり、このような共生菌によってイネ科植物が病虫害抵抗性を発現する。従って化学合成農薬の使用量を少なくすることを可能にし、生物防除を利用した環境への負担の少ないイネ科植物が提供される。
【0070】
病虫害防除剤に関する主要な発明は、天然に存在する植物体から分離された細菌から成る共生菌であって、人為的に導入されたイネ科植物に対して病虫害抵抗性を発現させる生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌を主成分とする病虫害防除剤に関するものである。
【0071】
従ってこのような病虫害防除剤をイネ科植物に適用することによって、この防除剤が導入されたイネ科植物に対して病虫害抵抗性を付与することになり、これによって化学合成農薬の使用量の低減を図ることによって栽培コストの低減を図るとともに、環境に対する負荷を少なくすることが可能になる。
【0072】
種子に関する主要な発明は、イネ科植物の植物体に導入すると該植物に対して病虫害抵抗性を付与する細菌から成る共生菌であって、生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌を結合剤に分散させて植物の種子にコートしたものである。
【0073】
従ってこのような防除剤を結合した種子によれば、その外側のコート層に結合剤に分散された状態で共生菌が付着しているために、この種子を播種すると、発芽する植物体中に上記細菌から成る共生菌が導入感染される。
【図面の簡単な説明】
【図1】共生菌が導入された植物体の顕微鏡写真である。
【図2】ヨトウ虫のふ化直後の幼虫を用いた検定試験の結果を示す写真である。
【図3】ヨトウ虫の3齢の幼虫を用いた検定の結果を示す写真である。

Claims (24)

  1. 細菌から成る共生菌であって、生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌をイネ科植物の植物体に人為的に導入して感染させ、前記共生菌によって病虫害抵抗性を付与することを特徴とするイネ科植物の病虫害防除方法。
  2. 細菌から成る共生菌が人為的に導入されたイネ科植物に対して細菌または糸状菌による病害に対する抵抗性を付与することを特徴とする請求項1に記載の病虫害防除方法。
  3. 細菌から成る共生菌が人為的に導入されたイネ科植物に対して燐翅目、直翅目、総翅目、鞘翅目、または半翅目の害虫に対する抵抗性を付与することを特徴とする請求項1に記載の病虫害防除方法。
  4. 細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属またはAzospirillum属の細菌であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の病虫害防除方法。
  5. 細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、FERM BP−8000の内の何れか1種または2種以上の細菌であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の病虫害防除方法。
  6. 細菌から成る共生菌が植物体の細胞間隙に生息して病虫害抵抗性を発現することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の病虫害防除方法。
  7. 共生菌が人為的に導入される植物がイネ科植物であって、Agegilop、Agrostis、Avena、Axonopus、Buchloe、Coix、Cynodon、Dactylis、Eragrostis、Eremochloa、Festuca、Hordeum、Lolium、Oryza、Paspalum、Pennisetum、Phleum、Poa、Saccharum、Secale、 Sorghum、Stenotaphrum、Triticum、×Triticosecala、Zea、Zoysiaの何れかであることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の病虫害防除方法。
  8. 天然に存在する植物体から病虫害抵抗性を発現する細菌から成る共生菌を分離する工程と、分離された共生菌を人工培養する工程と、人工培養された共生菌を対象植物に導入する工程と、導入された共生菌によって植物体に感染させる工程と、を具備し、導入された共生菌が生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌であることを特徴とするイネ科植物体の病虫害防除方法。
  9. 細菌が共生していると推定される植物を磨砕し、培地上に接種して培養により細菌を分離することを特徴とする請求項8に記載の病虫害防除方法。
  10. イネ科植物の種子に対して細菌から成る共生菌を分散させた水溶液を接触させて前記種子または該種子から発芽する植物体に前記共生菌を導入することを特徴とする請求項8に記載の病虫害防除方法。
  11. 共生菌を分散させた水溶液が生理食塩水であることを特徴とする請求項10に記載の病虫害防除方法。
  12. 播種前の浸種のための浸種液に細菌から成る共生菌を分散させておき、種子または該種子から発芽する植物体に前記共生菌を導入することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の病虫害防除方法。
  13. 分離した細菌から成る共生菌のDNAをPCR法によって増幅するとともに、増幅されたDNAを相同性探索を行って細菌の特定を行うことを特徴とする請求項8〜請求項12の何れかに記載の病虫害防除方法。
  14. 識別手段を発現するような外来遺伝子を前記細菌から成る共生菌に導入し、植物体に感染した前記共生菌の定着の有無を前記外来遺伝子による識別手段によって確認することを特徴とする請求項8〜請求項12の何れかに記載の病虫害防除方法。
  15. 天然に存在する植物体から分離された細菌から成る共生菌であって、人為的に導入されたイネ科植物に対して病虫害抵抗性を発現させる生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌を主成分とする病虫害防除剤。
  16. 細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属またはAzospirillum属の細菌であることを特徴とする請求項15に記載の病虫害防除剤。
  17. 細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、FERM BP−8000の内の何れか1種または2種以上の細菌であることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の病虫害防除剤。
  18. 細菌から成る共生菌が結合剤中に分散されるとともに、該結合剤が種子を被覆するコート層を形成することを特徴とする請求項15〜請求項17の何れかに記載の病虫害防除剤。
  19. 細菌から成る共生菌を人為的に導入すると細菌または糸状菌による病害に対する抵抗性を発現することを特徴とする請求項15〜請求項18の何れかに記載の病虫害防除剤。
  20. 細菌から成る共生菌を人為的に導入すると、燐翅目、直翅目、総翅目、鞘翅目、または半翅目の昆虫に対する耐虫性を発現することを特徴とする請求項15〜請求項18の何れかに記載の病虫害防除剤。
  21. イネ科植物の植物体に導入すると該植物に対して病虫害抵抗性を付与する細菌から成る共生菌であって、生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、またはFERM BP−8000の共生菌を結合剤に分散させて前記植物の種子にコートしたことを特徴とする防除剤を結合した種子。
  22. 細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属またはAzospirillum属の細菌であることを特徴とする請求項21に記載の種子。
  23. 細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FERM BP−7998、FERM BP−7999、FERM BP−8000の内の何れか1種または2種以上の細菌であることを特徴とする請求項21に記載の種子。
  24. 前記結合剤がカーバイト(炭化カルシウム)であることを特徴とする請求項21に記載の種子。
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