JP4313421B1 - アスベスト処理の養生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータの、経路周囲の壁面のアスベストの固化処理を、乗り籠から処理液を噴射することによって行う際に、経路に配されたケーブルやレールなどの、乗り籠の移動方向に伸びる長尺配設物に対し、乗り籠上方にて噴射された処理液が付着するのを防止する。
【解決手段】長尺配置物tの長手方向に沿って載り籠上面から上方へ伸ばすことができる、中空の被覆部材8を、エレベータの乗り籠に設け、被覆部材8には、長尺配設物tに対し着脱できると共に長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮むものを採用し、被覆部材8の内部へ、長尺配設物tの、長手方向の少なくとも養生する部分を収容する。
【選択図】図6

Description

本願発明は、アスベスト処理の養生方法及びその装置に関し、詳しくは、エレベータの経路周の壁面のアスベストの処理の際に、アスベトの処理液に対して、経路に配されたケーブルやレールを養生する養生方法及びその装置に関するものである。
WO00/46139号公報
近年、既設の建造物に施された、人体に有害なアスベストの処理が問題となっている。
ビル(ビルディング)などの高層建築物に設けられた昇降用のエレベータにおいて、当該エレベータの昇降経路を囲む壁面も例外ではなく、アスベストが施された当該壁面に対して、処理液を散布して固化処理を行うことが望まれている。
本願発明者は、このようなエレベータの昇降経路を囲む壁面のアスベストを固化処理するに際し、エレベータの乗り籠から処理液を噴霧することを考えた。このように、エレベータの乗り籠を利用すれば、その昇降により、上記壁面に対して、順次処理液を散布してゆくことができ、別途足場などを設置する必要がないからである。
しかし、このようなエレベータの昇経路内には、電源ケーブルや、乗り籠のガイドレールといった、経路に沿って上下に伸びる長尺配設物があり、当該長尺配設物に対して、処理液が飛散するのを防止する必要がある。
そこで、本願発明者は、アスベスト処理のときに、このような長尺配設物を養生する手段を検討した。
一方、上記の特許文献1には、エレベータの昇降経路を囲む壁面のアスベスト処理における長尺配設物の養生手段ではないが、エレベータのロープが冠水するのを防ぐ、筒状のロープ用防水カバー29が示されている。
本願発明者は、このようなロープ用のカバーによって、アスベストの処理中、ロープや、電源ケーブル、乗り籠のガイドレールの養生を行えないか検討した。
しかし、第1の問題として、このようなカバーは、エレベータの駆動装置に固定されたものであり、乗り籠の昇降により、刻々その上下の位置を変えて養生を行うことはできない。即ち、乗り籠の昇降によって変わる養生位置に対応することができない。
また、第2の問題として、このようなカバーをアスベスト処理の養生のときのみ用い、普段のエレベータの使用時には、外しておこうとしても、カバーを破壊するか、ケーブルを、エレベータから一旦外して再び配設するという大掛かりな作業を要することとなり、現実的ではない。勿論この場合、エレベータの設置当初より、このようなカバーをエレベータに設けておくことが前提となり、既設のエレベータのアスベスト処理には適さない。
本願発明は、このような課題の解決を目的とする。
そこで、本願第1の発明は、建造物内部に設置された、箱型の乗り籠を備えるエレベータについて、昇降経路を取り囲む壁面の、アスベストの固化処理を、乗り籠から処理液を噴射することによって行う際に、経路に配されたケーブルやレールなどの、乗り籠の移動方向に伸びる長尺配設物に対し、乗り籠上方にて噴射された処理液が付着するのを防止する養生方法であって、次の手段を採るものを提供する。
即ち、このアスベスト処理の養生方法は、長尺配設物の長手方向に沿って載り籠から上方へ伸ばすことができる、中空の被覆部材を、エレベータの乗り籠に設け、被覆部材には、長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮み、このような力から開放されることによって復元する弾力性を備えるものを採用して、被覆部材の内部へ、長尺配設物の、長手方向の少なくとも養生する部分を収容し、エレベータの昇降により長尺配設物の養生する位置を変えるものであり、伸ばされた状態の被覆部材の長さは、エレベータの乗り籠が昇降経路中の最上位置にあるときの載り籠と昇降経路の天井との間の間隔よりも、大きいものであり、エレベータの乗り籠を昇降経路中の最上位置から降下させて、乗り籠と昇降経路の天井との間隔を広げて行くことにより、昇降経路の天井と当接して縮んだ状態の被覆部材を伸ばして行くものである
本願第2の発明は、建造物内部に設置された、箱型の乗り籠を備えるエレベータについて、昇降経路を取り囲む壁面の、アスベストの固化処理を、乗り籠から処理液を噴射することによって行う際に、経路に配されたケーブルやレールなどの、乗り籠の移動方向に伸びる長尺配設物に対し、乗り籠上方にて噴射された処理液が付着するのを防止する養生方法であって、次の手段を採るものを提供する。
即ち、このアスベスト処理の養生方法は、長尺配設物の長手方向に沿って載り籠から上方へ伸ばすことができる、中空の被覆部材を、エレベータの乗り籠に設け、被覆部材には、長尺配設物に対し着脱できると共に長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮むものを採用し、被覆部材の内部へ、長尺配設物の、長手方向の少なくとも養生する部分を収容し、エレベータの昇降により長尺配設物の養生する位置を変えるものであり、伸ばされた状態の被覆部材の長さは、エレベータの乗り籠が昇降経路中の最上位置にあるときの載り籠と昇降経路の天井との間の間隔よりも、大きいものであり、エレベータの乗り籠を昇降経路中の最上位置に向け上昇させて、乗り籠と昇降経路の天井との間隔を狭めて行くことにより、伸ばした状態の被覆部材を昇降経路の天井に押し付けて縮めて行くものである
本願第3の発明は、上記本願第1又は第2の発明に係るアスベスト処理の養生方法にあって、次の手段を採るものを採用する。
即ち、このアスベスト処理の養生方法では、被覆部材には、長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮み、このような力から開放されることによって復元する弾力性を備えると共に、被覆部材の上端から下端にかけて被覆部材の長手方向に沿って切欠する切欠部と、閉止手段とを備えたものを採用し、当該切欠部を通じて、被覆部材に長尺配設物を収容し、長尺配設物の収容後、切欠部によって被覆部材が備える、周方向の両端同士を係止し、当該周方向の端部を結合する。
本願第4の発明は、上記本願第1又は第2の発明に係るアスベスト処理の養生方法にあって、次の手段を採るものを採用する。
即ち、このアスベスト処理の養生方法では、被覆部材には、径の異なる複数の筒状体が重ねられ、最も内側に位置する筒状体の内部へ長尺配設物を収容することができ、外側の筒状体に対して内側の筒状体を、或いは内側の筒状体に対して外側の筒状体を、上方へ引き出した状態とすることによって、長尺配設物の少なくとも養生部分を覆うものであって、各筒状体に、上端から下端にかけて被覆部材の長手方向に沿って切欠する切欠部と、閉止手段とを備えたものを採用し、当該切欠部を通じて、各筒状体に、長尺配設物を収容し、長尺配設物の収容後、切欠部によって各筒状体が備える、周方向の両端同士を係止し、当該周方向の端部を結合する。
本願第5の発明は、上記本願第1又は第2の発明に係るアスベスト処理の養生方法にあって、次の手段を採るものを採用する。
即ち、このアスベスト処理の養生方法では、径の異なる複数の筒状体を重ねて被覆部材とし、最も内側に位置する筒状体の内部へ、長尺配設物を収容するものであり、外側の筒状体に対して内側の筒状体を、或いは内側の筒状体に対して外側の筒状体を、上方へ引き出した状態とすることによって、長尺配設物の少なくとも養生部分を覆うものであり、被覆部材の上記各筒状体には、夫々、筒状体を周方向について分割した形状に形成された複数の筒構成部材と、筒構成部材を結合して一つの筒状体として固定する閉止部とを備えたものを採用し、長尺配設物の収容後、閉止部にて筒構成部材を結合する。
本願第6の発明は、上記本願第1又は第2の発明に係るアスベスト処理の養生方法にあって、次の手段を採るものを採用する。
即ち、このアスベスト処理の養生方法では、被覆部材に、上端と下端とが開口する袋体と、袋体を上方へ伸ばした状態に支持する伸縮部とを備えると共に、伸縮部として、長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮むものを採用し、袋体に、長尺配設物の、長手方向の少なくとも養生部分を、収容し、袋体には、袋体の上端から下端にかけて被覆部材の長手方向に沿って切欠する切欠部を備えたものを用い、当該切欠部を通じて、長尺配設物を収容し、切欠部にて袋体が備える周方向の両端同士を係止して、当該周方向の端部を結合する。
本願の各発明は、エレベータの乗り籠に養生手段(被覆部材)を設けることにより、エレベータの乗り籠の昇降に伴って、長尺配設物の養生する位置を変えて行くことができ、処理作業位置の上下の移行に伴って、養生手段を付け替える必要はない。即ち、本願発明は、前記第1の問題を解決した。
従って、本願発明の実施により、エレベータの乗り籠を利用し、当該の乗り籠の天井部からの、アスベスト処理液の散布が円滑に行える。
更に、本願の第乃至第の発明では、アスベストの処理作業が終了すれば、養生手段(被覆部材)を破壊することなく、また、長尺配設物を取り外すという大掛かりな作業を要することなく、再利用可能な状態で、養生手段を回収することができる。即ち、本願の第乃至第の発明では、前記第2の問題を解決し、既設のエレベータのアスベスト処理に適した長尺配設物の養生方法を提供した。
特に、本願の発明では、エレベータの乗り籠の天井部からの処理液の散布中、エレベータの昇降経路の最上部での散布作業において、当該経路の天井面が、エレベータの乗り籠に迫った状態のときでも、養生手段(被覆部材)が縮むことによって乗り籠の天井部と昇降経路の天井面との間に収まり、乗り籠の昇降を妨げず、また、昇降経路の天井面に押されて、養生手段が、乗り籠から脱落するを防止することができる。
図面に基づき、本願発明の好ましい実施の形態について、説明する。
図1は、アスベストの処理を行う建造物内のエレベータの略斜視図である。図2は、上記エレベータの経路内に配設された、本願発明に係る、長尺配設物の養生の方法を示す説明図である。図3(A)は、図2に示す養生装置の一部切欠略正面図であり、図3(B)は図3(A)のd−d拡大略端面図であり、図3(C)は図2の一部切欠要部略平面図であり、図3(D)は養生装置の他の実施の形態を示す略端面図である。図4(A)〜(C)は図3(A)に示す養生装置の使用状態を示す説明図であり、図4(D)は養生装置の更に他の実施の形態を示す斜視図であり、図4(E)は図4(D)の養生装置の使用状態を示す略端面図であり、図4(F)は養生装置のまた更に他の実施の形態を示す斜視図である。図5(A)は養生装置の更に他の実施の形態を示す斜視図であり、図5(B)は図5(A)の養生装置の略縦端面図であり、図5(C)は図5(B)の養生装置の使用状態を示す略縦端面図である。図6(A)は図5に示す本願発明に係る養生装置の更に他の実施の形態を示す略縦端面図であり、図6(B)は当該養生装置のまた更に他の実施の形態を示す要部斜視図であり、図6(C)は当該養生装置の更に他の実施の形態を示す略縦端面図であり、図6(D)は養生装置のまた他の実施の形態を示す斜視図である。図7は、図1のエレベータの乗り籠に装着したアスベスト処理装置の一実施の形態を示す一部切欠略端面図である。図8(A)は図7に示すa方向から眺めた噴射装置の一部切欠要部背面図であり、図8(B)は図7に示すb方向から眺めた噴射装置の一部切欠要部正面図であり、図8(C)は図7の閉鎖部の一部切欠要部端面図である。図9は上記噴射装置の一部切欠要部拡大側面図である。図10(A)は噴射装置の他の実施の形態を示す略端面図であり、図10(B)は閉鎖部の他の実施の形態を示す略平面図であり、図10(C)は図10(B)c−c端面図であり、図10(D)は図10(B)に示す閉鎖部の使用状態を示す一部切欠要部側面図である。図11は、噴射装置のまた他の実施の形態を示す説明図である。
先ず、本願発明を実施する対象となるエレベータの例について説明する。
このエレベーターEは、ビルディングなどの建造物内部に設けられた昇降路e1と、当該昇降路e1を取り囲む周壁e2へ配設された乗り籠用ガイドレールe3,e3と、乗り籠用ガイドレールe3,e3にガイドされて昇降する乗り籠e4と、乗り籠e4を昇降させる昇降装置e5とを備える。
乗り籠e4は、天井部e41、床部e42、側面部e43を備えるものであり、乗り籠内部が乗り籠の外部に対して閉鎖された空間である、箱型のものである。乗り籠の側面部e43には、利用者が乗り降りする際に開閉する自動扉e44が設けられている。
昇降装置e5は、カウンタウエイトe51と、カウンタウエイト用ガイドレールe52,e52と、一方の乗り籠用ガイドレールe3の上端部に設けられたロープヒッチe53と、他の一方のかご枠用ガイドレールの上端部に設けられた巻上機e54と、カウンタウエイト用ガイドレールe52の上端部に設けられたロープヒッチe55と、乗り籠のカーシーブe56と、ロープe57と、カウンタウエイトシーブe58とを備える。ロープe57は、その一端をロープヒッチe53に固定され、乗り籠のカーシーブe56を経由して、巻上機e54に巻回され、その後カウンタウエイトe51のカウンタウエイトシーブe58を経由して他の一方のロープヒッチe54に固定されている。このような構成において、巻上機e54を駆動することによって乗り籠e4を昇降させるようになっている。
但し、昇降装置eについて、上記のものに限定するものではなく、周知の他の構成を採るものであってもよい。
図2へ示す通り、上記のエレベータの昇降経路内には、上記のガイドレールや、更に電源ケーブルといった、昇降経路に沿って伸びる長尺配設物tが配置されている。
本願発明は、上記のエレベータの乗り籠e4から、上記エレベータの昇降経路を囲む周壁e2に向けアスベストを固化する処理液を噴射することにより、当該周壁e2アスベスト処理を行うに際して、上記の長尺配設物tに対し、アスベストの処理液がかかるのを防止する、即ち、当該長尺配設物tを養生する方法を提供するものであり、以下、この養生方法ついて、詳述する。
上記の乗り籠e4からのアスベストの噴射は、マスクやフード付きの作業服を着用して身体をアスベストから防護した作業者が、噴霧装置(スプレーガン)を持って乗り籠e4の天井部上面に乗り、直接周壁e2に向けて処理液を噴射するものであってもよいが、乗り籠e4の天井部e41の上面に、噴射装置1を設置して、乗り籠e4内から噴射操作を行いものとしてもよいし、噴射ロボットを乗り籠e4上面へ設置して自動的に噴射を行うようにしてもよい。
この噴射装置1の好ましい例については、後に詳述する。
この実施の形態に係るアスベスト処理の養生方法は、上記の処理液の噴射に際して、図2へ示す通り、長尺配設物tの長手方向に沿って乗り籠e4上面(天井部e41の上面)から上方へ伸ばすことができる、中空の被覆部材8を、エレベータの乗り籠e4に設けるものである。
具体的には、図3(A)へ示す通り、被覆部材8には、被覆部材8の中空の本体80と、本体80の上端から下端にかけて被覆部材8の長手方向に沿って切欠する切欠部81と、閉止手段82とを備えたものを採用する。
上記の本体80は、図3(A)へ示す通り、軸方向について、外径の大きな大径部と、大径部より外径の小さな小径部とを交互に備える、アコーディオン状のものである。即ち、被覆部材8の本体80は、側面視において、複数の山を備えるものであり、言い換えると、本体80は、軸方向に複数の括れた部分を備える。
そして、被覆部材8の上記本体80として、長尺配設物tに対し着脱できると共に長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮むものを採用する。被覆部材8の本体80が、その内部へ、長尺配設物tの、長手方向の少なくとも養生する部分を収容する。
具体的には、前述のスプレーガンを用いたアスベストの固化剤の散布では、本体80の長さを2.5m〜5mとするのが好ましい。但しこのような数値は、変更可能である。
被覆部材8の本体80は、プラスチックにて形成することができる。この実施の形態では、被覆部材8には、長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮み、このような力から開放されることによって復元する弾力性を備えるものを採用する。この実施の形態において、本体80は、図3(A)へ示す通り、蛇腹状に形成されたものである。
被覆部材8の本体80として、自立性を有するものを採用し、下端を乗り籠e4に設置することにより、乗り籠e4の上面に配置するものとしても実施できるが、このほか、図3(D)へ示すように、被覆部材8は、乗り籠e4に配置される本体80とは別途の、支柱となる支持部材83を備えるものとし、本体80は自立性を持たずに、当該支持部材83の上端へ、本体80上端が取り付けられて、吊り下げられるものであっても実施できる。支持部材83の下端に、磁石を設けて、支柱部材83を、乗り籠e4に上面に設置するものとすればよい。
被覆部材8は、当該切欠部81を通じて、長尺配設物tを、長尺配置物t内に収容することができ、また、使用後、当該切欠部81を通じて、収容していた長尺配設物tを出すことができる。
図3(B)へ示す通り、閉止手段82として、切欠部81によって被覆部材8の本体80が備える、周方向rの両端8c,8d同士を係止するものを採用して、長尺配設物tの収容後、当該周方向rの端部8c,8dを結合する。
図3(A)及び図3(B)へ示す通り、閉止手段には、エレメント82a(務歯)と、スライダー82b(開閉部品)とを備えた、線ファスナーを採用することができる。エレメント82aは、切欠部81に沿って、上記端部8c,9dに設けられ、引き手を備えた上記のスライダー82bによって、開閉することができる。
また、ファスナーには、上記の一般的な線ファスナー以外に、周知の面ファスナーを採用することもできる。
また、閉止手段82には、ファスナー以外に、磁石を用いることもできる。この場合、上記の周方向rの端部一方に、磁石を取り付け、当該端部の他の一方に、磁石に引き付けられる金属又は磁石を取り付けておく。
更に、閉止手段82には、スナップを用いることもできる。この場合、上記周方向rの端部の一方に、雌雄一対のスナップの一方を取り付け、当該端部の他の一方に、スナップの雌雄の他の一方を取り付ける。
養生する長尺配設物tがガイドレールの場合、周壁e3へ直接取り付けられていたり、或いは、上下方向について、所定間隔ごとに、周壁e3へガイドレールを支持させる支持体(鉄道の軌道に例えると枕木に相当する部材)を備えていることがあり、そのような場合、被覆部材8本体80の、周方向rの両端8c,8d同士を係止して切欠部81を閉ざすことができない。このような場合、切欠部81は開放した状態にして長尺配設物tを覆うものとし、乗り籠昇降時、周壁や上記の支持体を開放された切欠分82にて、かわすようにすればよい。この場合、被覆部材8は、閉止手段82は不要である。
また、上記の噴射部3による処理液の噴射は、乗り籠e4の天井上方にて行われるので、即ち、噴射口51aは乗り籠e4よりも高い位置にあるので、通常は、噴射液が乗り籠e4の側方には、飛散せず、上記の被覆部材8にて、確実に長尺配設tの養生が行える。一方、噴射部3の噴射口51aの位置を低く下げたり、或いは噴射口51aを下方に向けて噴射するので、念のために、乗り籠e4の側方においても、ケーブルt1やガイドレールt2といった長尺配設物tの養生を行おうとするのであれば、図2に示す通り、副被覆部材9を用意して、被覆部材8の下端から下方の、長尺配設物tの乗り籠e4の側面部に沿う部分を養生することもできる。
副被覆部材9は、上記被覆部材8を軸方向に縦割りにした半筒状の形状を有する本体90と、当該本体90の上端に取り付けられて本体90を乗り籠e4に着脱自在に固定する支持材84とを備える。この実施の形態では、副被覆部材9の本体90も、蛇腹状に形成されている。支持材84は、図3(C)へ示す通り、平面視C字状を呈する。支持材84は、C字(円弧部84a)の内側に、長尺配設物8を通すものであり、当該C字の両端に、磁石84b,84bを備え、乗り籠e4の側部上端へ着脱自在に取り付けられる。
これにて、当該支持材84に吊り下げられた状態に、副被覆部材9の本体90は、支持され、長尺配設物tの乗り籠e4の側方に沿う部位を被覆する。
被覆部材8と異なり、副被覆部材9は、閉止部を備えず、副被覆部材9の周方向の端部は、開放された状態を維持する。
そして、乗り籠e4の側部上端へ設置した支持材84上に被覆部材8を配置する。この場合、乗り籠上面に直接被覆部材8を載せる代わりに、この支持部材84の上に被覆部材8を載せるのである。
但し、副被覆部材9の本体90と共に、当初より被覆部材8の本体80も当該支持材84へ固定されたものとしても実施できる。
この他、副被覆部材9を被覆部材8と一体に形成し、蛇腹の谷部即ち蛇腹のくびれた部分へ、支持材84の円弧部84aを回して、留めるものとしても実施できる。
但し、ガイドレールについて、前述の周壁や上記の支持体をかわすために、被覆部材8について閉止手段を設けずに、切欠部81を開放しておくような場合においては、上述してきた副被覆部材9を設けることはできない。
図4(A)〜図4(C)へ示す通り、エレベータの乗り籠e4は、昇降経路の最上位置から、順次乗り籠e4を下降させて、処理液の散布を行うことができる。図4(A)へ示す通り、昇降経路の最上位置では、被覆部材8の本体80は、乗り籠e4の天井部e41と、昇降経路の天井(上端壁e6)とに挟まれて、縮んだ状態となっている。この状態において、被覆部材8は、長尺配設物tの、当該乗り籠e4の天井部と昇降経路の天井との間の部位を被覆する。そして、図4(B)へ示す通り、乗り籠e4の降下に従い、被覆部材8の本体は、伸びる。図4(C)は、乗り籠e4の降下によって、被覆部材8の本体80の上端が、昇降経路の天井から離れて、乗り籠e4と共に下方に移行した状態を示している。このように乗り籠e4の降下により、上方から下方へ順次、固化液を周囲の壁面へ散布することができ、その間、上記の養生装置により、長尺配設物tを養生することができる。
図4において、上方から下方へ、乗り籠を降下させながら、固化液の散布を行えものとしたが、これとは逆に、乗り籠を上昇させて、下方から上方へ、固化液の散布を順次行うこともできる。この場合、乗り籠の上昇により、経路の天井と乗り籠上面の間に、被覆部材8の本体80が挟まれても、上記と逆の動作、即ち、被覆部材8本体80が縮むことにより対応することができる。即ち、上記と逆に、図4(C)に示す状態から、図4(B)へ示す状態を経て、図4(A)へ示す状態になる。
前述の通り、被覆部材8の本体80の長さh1は、圧縮する力が掛かっていない状態において2.5m〜5mであり、図4(A)に示す最も縮んだ状態において、被覆部材8の本体80の長さh0は、乗り籠と経路の天井との間の間隔と同じにまで縮むものとすればよく、通常1mとなるのが好ましい。
上記において、乗り籠を500〜1000mm降下させる毎に停止して、対象面を観察しながら、処理液の噴霧を行うのが好ましい。但し、このような設定は、変更可能である。
尚、図3(D)へ示すように支持部材83を用いる場合、当該支持部材83として、伸縮するものを採用して、上記の乗り籠の昇降に対応できるものとしておく。
この養生方法の他の実施の形態について説明する。
この養生方法は、図5(A)へ示す通り、上記の被覆部材8の本体80について、複数の筒状体80a,80b,80cで構成したものを採用する。
上記の筒状体80a,80b,80cは、夫々径が異なり、各筒状体80a,80b,80cは、重ねられる。各筒状体は、プラスチックにて形成することができる。このように重ねられた状態において、被覆部材8は、最も内側に位置する筒状体80aの内部へ長尺配設物tを収容するものである。
上記において、外側の筒状体に対して内側の筒状体を、或いは内側の筒状体に対して外側の筒状体を、上方へ引き出した状態とすることによって、長尺配設物tの少なくとも養生部分を覆う。
この実施の形態では、被覆部材8の本体80は、3個の筒状体にて構成されたものであるが、筒状体はこのような個数に限定するものではなく、2個であっても、4個以上であっても実施できる。
また、上記の各筒状体は、円筒形であるが、多角形状の断面を有する角筒形のものであっても実施できる。
図5(B)へ示す通り、個々の筒状体は、軸方向を上下方向として、上端が上面部80dにて封ぜられており、下端が開放された形態を備える。
筒状体の上面部80dは、上下に貫通する貫通部80dを備え、この貫通部80dから、内部に収容した筒状体を上方へ露出させることができる。
筒状体の下端の周囲には、筒状体の外周面よりも筒状体の径外方向へ突出する引掛部80eが設けられている。この引掛部は、他の筒状体に収容された筒状体において、他の筒状体から引き出された際に、他の筒状体の上面部80dの下面と当接して、上方へ抜け出ないようにするものである。引掛部80eは、この実施の形態では、筒状体の下部外周に形成された鍔状部分である。但し、引掛部80eを、筒状体の外周面から径外方向へ突出する突起としても実施できる。
上記の各筒状体には、筒状体の上端から下端にかけて筒状体の軸方向即ち被覆部材8の長手方向に沿って切欠する上記の切欠部81と、上記の閉止手段とが設けられている。閉止手段としては、図3(A)に示す実施の形態の説明で述べた、前述の、線ファスナや面ファスナ、或いは、スナップや、磁石を用いるものを採用することができる。
この実施の形態では、前述の磁石を用いた閉止手段を採用する。
各筒状体は、弾力を有するプラスチックにて形成することにより、変形させることができるものとし、このような変形によって、切欠部81を、磁石の磁力に抗し広げて、長尺配設物tの出し入れを行う。
この実施の形態において、本体80の筒状体80a,80bは、他の筒状体80b,80cから引き出された状態において、貫通部80fと筒体80a,80bの外周面との間の摩擦抵抗により、図5(A)(B)に示す、当該他方の筒状体80b,80cから引き出された状態を維持する。
この実施の形態においては、図3(A)に示す被覆部材8と異なり、伸ばした状態から本体80を縮めた後、再び、作業者が引き出さないと、本体80を伸ばした状態とすることはできない。このため、処理液の散布作業において、乗り籠e4を下方から上方へ移動させて、作業を行う必要がある。即ち、作業前に、図5(B)へ示す状態に、被覆部材8の本体80を伸ばしておき、乗り籠e4の上昇によって、昇降経路の天井(上端壁e6)が迫ると、当該天井と当接し、天井に押されて、本体80は、図5(C)へ示す状態に縮むようにするのである。
この図5に示す実施の形態においても、特に言及した以外の構成は、上述の他の実施の形態と同様である。
図5に示す実施の形態において、筒状体に処理液が飛散して、処理液が筒状体の貫通部80fから本体80の内部へ侵入するのを防止するために、図6(A)へ示す別途の袋体85にて、本体80を覆うものとしても実施できる。
袋体85は、矩形の一枚のシートからなる。図示は省略するが、当該シートの、向かい合う一組の辺に、前述の線ファスナや面ファスナ、或いは磁石やスナップを設けて両辺を締結し、一枚のシートを輪にして袋をなすものとすればよい。
また、このような袋体85を被覆部材8の本体として、被覆部材8の当該袋体85に覆われる部分は、袋体を支持するために設けるものとしても実施できる。この場合、被覆部材8の当該袋体85に収容された部分は、長尺配設物tを被覆する必要はなく、伸縮する構成のみを備えたものを採用することもできる。例えば、袋体85内において、被覆部材8の袋体85内に収容された部材の外側に、長尺配設物tが位置するものとしても実施でき、またこの場合、当該部材の各部を筒状体として形成する必要もない。
例えば、図6(C)へ示すように、被覆部材8として、上下に開口する袋体8aと、袋体の上部開口部を塞ぐ天板8bと、乗り籠e4上面に設置される基盤8cと、天板8bと、天板8bと基盤8cとの間に介された伸縮部材800とを備えるものを採用することができる。基盤8cは、磁石を備え、磁石の吸着力にて乗り籠上面へ取り付けられる。図6(C)へ示す通り、天板8bは、縁に切り欠き部分8eを備え、当該切り欠き部分8eへ長尺配設物tを通すことができる。また、天板8bの周縁部は、当該切り欠き部分8eを除いて、上記の袋体8aの上端が固定されている。袋体8aには、図6(A)で説明したものと同様、ファスナやスナップ、磁石が設けられた、シートからなるものを採用すればよい。伸縮部材800は、2枚の板材をX状に交差するようピン8fにて軸止したリンク体8hを、複数備える。リンク体8h…8h同士において、X字を呈する一方のリンク体の端部が同様にX字を呈する他方のXの端部へ副ピン8gに軸止されて、複数のリンク体が連なり蛇腹を構成している。ピン8fを中心として対なす板材の一方を他方の板材に対して回動することにて、リンク体が呈するX字の交差角度を変えることができる。
このようなリンク体にて形成された伸縮部材800は、図6(C)に示す状態から、乗り籠が上昇して、天板8bが、エレベータの昇降経路の天井と当接して力を受けると、各リンク体がX字の交差角度を変えて、伸縮部材800の長さを縮める。
また、更に他の実施の形態について説明する。
上記図5及び図6(A)へ示す実施の形態において、被覆部材8の本体80を構成する、各筒状体は、切欠部81を備え、当該切欠部81から、長尺配設物tを出し入れするものとした。この他、図6(B)へ示す通り、被覆部材8の本体80を構成する各筒状体が、夫々、筒状体を筒状体の周方向rについて分割した形状に形成された複数の筒構成部材と、筒構成部材を結合して一つの筒状体として固定する閉止部とを備えたものを採用することができる。
この図6(B)に示す実施の形態では、各筒状体は、筒を軸方向に縦割りにした半円筒形の2つの筒構成部材80x,80yとにて構成されている。但し、筒構成部材をこのように、筒を二分割した形状のもの、即ち、2つの筒構成部材にて、筒状体を構成するものに限定するものではなく、3つ以上の筒構成部材にて、1つの筒状体を構成するものとしても実施することができる。
閉止部には、図5に示す実施の形態と同様、図3(A)の実施の形態において採用可能としたものを採用して実施することができ、この図6(B)に示す実施の形態において、閉止部として、磁石を用いるものを採用することができる。即ち、筒構成部材20x,20yの対応する端面(筒状体の周方向における端面)に、閉止部材として、極性が逆となるように磁石を設けるか、当該端面の一方に磁石を設け、他方に磁石に引き付けられる金属を設ける。
長尺配設物tを出し入れする際には、各筒状体を構成する筒構成部材80x,80y同士を分離して、行えばよい。
上記の図5や図6へ示す各実施の形態では、図3(A)へ示す実施の形態と異なり、被覆部材8は、伸縮自在なものであるが、圧縮する力を受けて縮んだ後、当該圧縮力から開放されても、自力で元の長さに復元するものではない。この点、図5や図6へ示す夫々の被覆部材8についても、バネなどの付勢手段を設けることによって、圧縮力から開放されると元の長さに自動的に復元するものとしても実施することができる。
尚、養生の対象として、乗り籠のガイドレールについては、昇降経路の壁面に固定されている場合、当該壁面が邪魔になるので、閉止部を設けず、被覆部材8の本体の周方向の両端を開いたままの状態にして、ガイドレールに被覆部材8を装着する。即ち、この場合、前述の副被覆部9と同様に、被覆部材8を形成して対応すればよい。このような実施の形態を、図4(D)へ示す。この被覆部材8は、図4(D)へ示す通り、切欠部81に、閉止手段を備えない。そして、使用に際して、図4(E)へ示す通り、周壁へ取り付けられた部分を除き長尺配設物tの周囲を覆うように、長尺配設物tを収容する。この被覆部材8は、周方向について、弾力性を有し、径を収縮する付勢力に抗して切欠部81をこじ開けて、図4(E)へ示すように、長尺配設物tへ取り付けることができ、上記径を収縮する付勢力にて、長尺配設物tを挟み込むものとすればよい。
また、この実施の形態において、図4(D)へ示す通り、切欠部81の上端部と下端部の、左右両端へ斜めに伸びる案内辺8j…8jを形成しておくのが好ましい。詳しくは、切欠部81の上端左右に設けられた一対の案内辺8j,8jは、下方に向かうに従って互いの間隔を狭め、逆ハの字状を呈するように、夫々斜めに形成されている。また、切欠部81の下端左右に設けられた一対の案内辺8j,8jは、上方に向かうに従って互いの間隔を狭め、ハの字状を呈するように、夫々斜めに形成されている。
レールへ被覆部材を装着する際、まず最初にこのような案内辺8jをレールに当接させて行くことにより、案内辺8j,8jにガイドさせれば、上記径を縮める付勢力の、切欠部81を閉ざす作用に抗して、被覆部材8をその上端又は下端から、切欠部81をこじ開けることが容易になり、ガイドレールなどの長尺配設物tへ、図4(E)に示すように装着することが円滑に行える。
図2、図3、図4(A)〜(E)、図5、図6(A)及び図6(B)へ示す各実施の形態において、被覆部材8や副被覆部材9の本体80,90は、プラスチックにて形成するものとしたが、紙や布にて形成して実施してもよい。
また、図5(A)に示す実施の形態においても、弾力性の小さなプラスチックや上記の紙にて形成することができ、その場合、図5に示す実施の形態と同様、下方から上方へ乗り籠を移動させて、アスベストの処理を行えばよい。
また、被覆部材8について、筒状の袋体8を備えたものを図6(C)へ示したが、図4(F)へ示す通り、被覆部材8は、袋状(筒状)にされたものに限定するものではなく、布や紙、或いはプラスチック製の一枚のシートとして形成され、丸められて使用されるもの、即ち、長尺配設物tを包むように巻かれるものとしても実施できる。この場合、図4(F)に示す通り、当該シートの左右の端部801,801同士を固定せず、当該左右の端部801,801を重ねて、長尺配設物tを包むものとすればよい。
また、シートに自立性を持たせない場合、図6(D)へ示す通り、図6(C)へ示す実施の形態と同様、天板8bにシートの上端辺802を固定して、シートを天板8bの外縁から下方に垂れ下げるものとすればよい。この固定は、ネジや釘、ボルト、スナップなどの留め具を用いて、或いは接着剤を用いて行うことができる。天板8bは、図6(C)に示すものと同様、その外縁から長尺配設物tを収める貫通部80fにかけて、切り欠き部分8eが形成されている。重ねられる当該シートの左右の端部801,801は、上記切り欠き部分8eの部分に配置して、天板8bに固定しないようにしておく。長尺配設物tへの取り付けの際には、切り欠き部分8eから貫通部8fへ長尺配設物tを挿入すればよい。天板8bは、伸縮部材800にて支持されるものであり、この実施の形態において、伸縮部材800は、複数の筒を重ねて内側の筒を出し入れすることによって伸縮することができる棒状体である。この伸縮部材800も、シート内側で、嵩高とならないように細めに形成されているが、構造的には、図6(A)へ示すとものと同様である。
また、このように、天板8bの縁から、下方にシートを垂らすものである場合、複数のシートを備えるものとし、天板8bの外縁の各部から夫々のシートを垂らすものとしても実施できる。即ち、複数のシートが、長尺配設物tを取り囲むように、これら各シートを天板8へ固定するこの場合、各シートは、天板8bの周方向rについて、図6(D)に示すシートを分割した形態のものとすればよい。但し、各シートは、隣り合うシートと重なる部分を備えるものとれば、昇降の風圧などでシートが捲れてシート間から長尺配設物tが露出するといった事態を防止することができる。
図6(C)や図6(D)へ示す実施の形態において、シートの内側に伸縮部材800を配置するものとしたが、シートの外側に配置するものとしても実施できる。また、その場合、被覆部材8ごとに伸縮部材800を備えるものとしてもよいが、1つの伸縮部材が、複数の被覆部材8の天板やシートを支持するものとしても実施できる。例えば、全ての被覆部材8…8は、1つの伸縮部材800にて支持されるものとしても実施できる。
次にアスベストの処理装置1について説明する。
図1へ示す一般的なエレベータの、乗り籠e4には、通常天井部e41に、乗り籠内部と外部とを連絡する、エレベータの点検用や、照明器具の設置用、或いは脱出用の開口部e45(図7)が備えられている。この開口部e45は、平常時は、蓋部材(図示しない。)が装着されて、閉鎖されている。
この実施の形態において、図1へ示す通り、このアスベストの処理装置1は、エレベータの乗り籠e4に配置して使用される。乗り籠e4を利用することにより、乗り籠e4を昇降させることによって、昇降経路の周囲の壁面(周壁e2)の上下方向の各位置に対して、順次アスベストの固化処理を行う処理液を噴霧して行くことができる。
具体的に説明すると、この処理装置1は、図7へ示す通り、エレベータの乗り籠e4の天井部e45上面へ着脱自在に配される閉鎖部2と、アスベストの処理液を上記壁面へ噴射する噴射部3とを備える。この噴射部3が特許請求の範囲の噴射装置に対応する。
閉鎖部2は、乗り籠の天井に既設の開口部e45を、閉鎖或いは被覆するものである。この実施の形態において、閉鎖部2は、噴射部3を支持する。
この閉鎖部2は、閉鎖体20と、載置部21とを備える。
閉鎖体20は、平面視において、乗り籠e4の開口部e45の輪郭形状と同様の輪郭形状を備え、開口部e45内に挿入して、開口部e45を塞ぐことができる。
この実施の形態において、閉鎖体20は、後述する潜望鏡部を支持することができる強度を備えた発泡材にて、中空の箱型に形成されており、例えば、開口部e45が円形に開口する場合、閉鎖体20は、円柱状の中空体として形成され、開口部e45の形状が多角形の場合、多角柱状に形成される。従って、開口部e45が平面視矩形の場合、閉鎖体20の平面視の形状も矩形にしておく。
閉鎖体20は、後述の潜望鏡部を装着する、貫通口22を備える。
貫通口22は、閉鎖体20を上下に貫通する。貫通口22は、平面視円形の輪郭を有する。
貫通口22には、軸受部4が設けられる。この実施の形態では、貫通口22の上端開口と、下端開口の夫々に軸受部4,4が設けられている。但し、軸受部4の個数・配置は、上記に限定するものではなく、変更可能である。
閉鎖体20は、乗り籠e4の天井部e41の外部上面から上方へ露出する露出部を備え、載置部21は、当該露出部から横方向に伸びる突出部である。この実施の形態では、載置部21は、閉鎖体20を構成する上記硬質の発泡材にて、閉鎖体20と一体に形成された鍔状体である。但し、閉鎖体20と別体に載置部21を形成して閉鎖体20に固定するものとしても実施できる。また、上記の鍔状体は、周方向について切欠した部位を備えるものであってもよい。更に、また、載置部21を、鍔状に形成するのではなく、複数の突起として形成することもできる。
載置部21は、乗り籠e4の天井部e41の上に乗せられるものであり、開口部e45内に挿入された閉鎖体20の挿入部が開口部e45内から下方へ脱落しないように、閉鎖体20を支持する。従って、載置部21は、上記の鍔状体に限定するものではなく、開口部e45を挟んで反対側に設けられた、上記の通り複数の突起として形成することもできる。このような突起を、閉鎖体21の露出部の側面から突出するように形成し、上記の配置を採るものとすることによって、鍔状部と同様、閉鎖体20を支持することができる。
上記において、載置部21の下面が、乗り籠の天井部e41と当接する当接部である。
上記において、載置部21と閉鎖体20とは、共に、気密性の面で、クッション性を有する素材にて形成するのが好ましく、上記の通り、硬質の発泡材にて、形成するのが好ましい。例えば、載置部21と閉鎖体20に、発泡ウレタンを採用することができる。この他、載置部21と閉鎖体20は、鉄やアルミニウムといった金属、或いは木材や、プラスチックにて形成されたものであっても実施できる。この場合、図8(C)へ示す通り、別途、発泡材でできたシート21aを当接部として、載置部21の下面に設けて実施するのが好ましい。また、この図8(C)へ示す通り、このシート21aは、閉鎖体20の側部に掛かるように配設しておけば、開口部e45の密封性をより向上することができる。
図7へ示す通り、噴射部3は、潜望鏡部30と、噴射装置5と、アスベストを固化する処理液の収容部である液タンク6と、圧縮空気(エアー)を収容するエアタンク7とを備える。両タンク6,7は、乗り籠e4内に配置しておく。
処理液には、アスベストの固化により、アスベストの飛散防止を行うことができる、無機溶剤を用いる。
潜望鏡部30は、図2へ示すように、筒状の本体31と、本体31に設けられた、収光口32と、覗き口33と、本体内に設けられた反射鏡34,34と、照明灯35と、旋回操作用の把手36,36(図8(A))と、曇止め機構とを備える。
潜望鏡部30の本体31は、外筒31aと、外筒31aの内側にスペーサ(図示せず。)を介することにより外筒31a外周面と間隔を開けて配設された内筒31bとを備えた、二重の円筒部材である。
上記の本体31を、上記の閉鎖部2の閉鎖体20が備える貫通口22内に装着して、本体31下端側を乗り籠e4内に収容し、本体31上端側を乗り籠e4外部へ突出させる。
当該本体31は、上記の軸受部4,4によって、閉鎖部2に対して旋回自在に支持される。
上記本体31の先端側は、屈曲して横方向に伸びる。本体31は、先端に上記収光口32が設けられている。収光口32は、ガラス或いはプラスチックの透明体32aにて封じられている。この透明体32aには、レンズを採用して、望遠や拡大の効果を有するものを採用することができる。
図7及び図8(A)へ示す通り、上記の本体31の後端側周面に、上記の覗き口33と把手36,36とが設けらている。覗き口33は、ガラス或いはプラスチックの透明体33aにて封じられている。
反射鏡34,34は、上記本体31の内筒31b内部に配設されて、収光口32から本体31内部へ入射した光を反射するものであり、当該光を覗き口33へ導く。
照明灯35は、本体31の先端側に設けられている。図示は省略するが、照明灯35の電源は、潜望鏡部に設けることが可能な乾電池や、或いは、乗り籠内に配置する別途のバッテリを採用する。このようなバッテリを用いる場合、潜望鏡部内に電気コードを配置して、照明灯35とバッテリとを接続するのが好ましい。
本体31の先端側において、収口部32の周囲には、図8(B)へ示す通り、複数の噴出口37が設けられている。この噴出口37は、本体31の外筒31aと内筒31bとの間の隙間31c(図7)に連絡している。この隙間31cは、エアーの供給路として、本体31の後端側において、上記エアータンク7に接続チューブ70を介して接続されている。噴射口37と、隙間31cと、チューブ70と、エアータンク7とが、上記の曇止め機構を構成し、エアータンク7内のエアーを、収光口33の透明体33aに吹きかけ、透明体33aが曇るのを防止する。
また、図7及び図8(B)へ示す通り、上記噴射口37の一つ(噴射口37a)は、照明灯35へ向けられ、照明灯35の曇りを防止する。
接続チューブ70に、開閉弁(図示せず。)を設けて、当該弁の開閉によって、上記エアーの噴射操作を行うものとすればよい。
噴射装置5は、図7へ示す通り、乗り籠e4内に配置される塗装用のガン50(スプレーガン)と、乗り籠e4の外部において潜望鏡部30の本体31に設けられた噴射筒部51と、噴射筒部51とガン50のノズルとを接続する第1チューブ52と、上記の液タンク6と、液タンク6とエアガン50とを接続する第2チューブ53と、乗り籠e4内に配置されて液タンク6の処理液をガン50へ供給するポンプ54と、噴射筒部51の仰角を調整する角度調整機構55とを備える。
第1チューブ52は、図7へ示す通り、噴射筒部51基部の内部から、前記の外筒31aと内筒31bとを貫通して内筒31b内部を通って、封ぜられている潜望鏡部本体31の底を貫通して、外部のガン50のノズルと接続されている。第1チューブ52は、内筒31b内にて、収光口32から反射鏡34,34を介して覗き口32に導かれる光の進路を遮らないように、内筒31bの内周面に沿わせておくのが好ましい。
噴射筒部51の先端は、処理液の噴射口51aが設けられ、乗り籠の昇降経路を囲む壁面(周壁e2)に向けられている。
噴射筒部51の上記噴射口51aの内径は、15〜100mmとするのが好ましい。但し、このような寸法は、変更可能である。
上記ガン50は、トリガ56(引き金)を操作することによって、ポンプ54を駆動し、ノズル側から、液タンク6の処理液を第1チューブ52内へ送る。第1チューブ52に送られた処理液は、噴射筒部51内を通り、上記噴射口51aから外部へ噴射される。
上記の通り、噴射筒部51の中空の内部と、閉鎖部2を貫通した状態に設けられた潜望鏡部30内を通る第1チューブ52の内部と、ガン50内部と、第2チューブ53とが、収容部である液タンク6から噴射口51aへ処理液を供給する連絡路を構成する。
ガン50と第1チューブ52とは軸受け50aを介して接続し、潜望鏡部30を旋回させても、ガン50の向きを変えずに済むようにしておくのが便利である。
噴射口51aからアスベストの敷設面(周壁e2)までの距離は、200〜1500mmとするのが好ましい。但し、噴射部の噴射能力や、経路内の状況(温度、湿度)によって、上記の距離の設定は、変更することができる。
噴射筒部51は、図7へ示す通り、複数の筒を重ねて構成し、当該筒を引き出して伸ばし、押し戻して縮めることができる、伸縮可能なものを採用するのが好ましい。このような構成を採ることによって、噴射する処理液の射程距離や、噴射により液が広がる範囲を調整することができるからである。
前述の曇止めのエアーの供給を操作する開閉弁は、ガン50のトリガ56にワイヤにて接続されて、当該トリガ56の操作に連動するものとするのが便利である。
また、図9へ示す通り、噴射筒部51を、潜望鏡部30の本体31に設けられた後筒部51cと、後筒部51の先端へ弾力を有する弾性チューブ51dを介して接続された前筒部51bとにて構成し、屈曲できるようにする。
この場合、前筒部51bが、複数の筒を重ねて、前述の通り伸縮自在に形成されたものとする。
上記の角度調製機構55は、潜望鏡部30の本体31に設けた支持板55aと、弾性チューブ51dを伸ばす方向へ前筒部51bを付勢する付勢体51fと、前筒部51bに設けられた付勢体51fの受け部51gと、前筒部51bの側面に設けた突起51eとを備える。
上記の付勢体51fにはバネを採用することができる。
支持板55aは、前筒部51bの伸びる方向を前後方向として、その左右に配置されたものであり、左右に貫通する長穴55bを有する。長穴55bは、側面視円弧を呈して、下方から上方へ伸びる。長穴55bには、上記円弧の伸びる方向の異なる位置に、上記突起51eを受容する切欠部55c...55cが複数設けられている。
前筒部51bは、弾性チューブ51dを屈曲することよって、後筒部51cに対し仰角を変更することができる。このとき、長穴55b内を長穴の伸びる方向に沿って、突起51eを移動させて、切欠部55cの一つに対応する位置に来たとき、付勢体51fの付勢を利用して切欠部55cへ入り込ませ、前筒部51bの向きを固定することができる。
塗装用のガン50には、周知のエアガンを採用するのが好ましい。即ち、上記のガン50には、圧縮気体(圧縮空気)の噴射により、処理液を噴出するものを採用するのが好ましい。エアガンは、液の噴霧にエアーの供給が必要になる。従って、図示は省略するが、このようなエアーを供給するエアータンクを別途乗り籠内に配置するか、或いは前述の曇止め用のエアーのエアータンクを兼用するものを採用する。
他の実施の形態について説明する。
図10(A)へ示す通り、この実施の形態は、ガン50を、噴射筒部51の先端に設けて、噴射筒部51とガン50とを直接接続し、乗り籠の外部へガン50を配置するものである。この場合ガン50のノズルが図7へ示す実施の形態における噴射口51aとなる。
そして、別途のワイヤ57を用意し、上記ガン50のトリガ56に、ワイヤ57の一端を取り付け、当該ワイヤ57を、潜望鏡部30の内部を通すと共に、潜望鏡部30の後端側に別途の副トリガ56aを設け、ワイヤ57の他の一端を、当該副トリガ56aに取り付け、副トリガ56aを操作することによって、噴射装置を作動させる。
この図10(A)に示す実施の形態において、閉鎖部2について、図7へ示す実施の形態と同様の構成を採ることも可能であるが、ここでは、閉鎖部2は、金属、プラスチック、又は木材にて形成された平板20aと、当該平板20aの下に敷かれる発泡材にて形成されたシート21bにて構成されている。
この図10(A)に示す実施の形態においても、特に言及した事項以外については、図中省略した構成を含め、上記図7に示す実施の形態と同様である。
図10(B)〜(D)に、閉鎖部2の更に他の実施の形態を示す。
図10(B)へ示す通り、この実施の形態において、上記の閉鎖体20は、乗り籠の上面に配置され、開口部を覆うシート状体である。正確には、当該シート状体の、開口部e45の真上に位置する部位が、閉鎖体20である。このシート状体は、布、ウレタン、或いはプラスチック製の薄板にて形成されたものを採用することができる。このシート状体は、乗り籠e4上面に置かれて、上記の開口部e45を覆う大きさを備えたもの、即ち、平面視において、開口部e45より大きく、開口部e45を隈なく覆い尽くすものを採用する。
そして、この実施の形態において、閉鎖部2の載置部21は、当該シート状体とは、別体に形成された複数の桟23...23にて構成されている。桟23...23は、交差する第1桟23a,23aと、第2の桟23b,23bとを備える。この実施の形態では、閉鎖部2は、第1及び第2の桟23a,23bを、夫々2本づつ備え、合計4本の桟23...23を備える。この実施の形態において、第1の桟23a,23a同士は、平行に配置されている。第2の桟23b,23b同士も平行に配置されている。
図10(B)へ示す通り、第1及び第2の桟23a,23a,23b,23bは、平面視において、井桁を呈する。
但し、各桟23の数は、上記に限定するものではない。また、第1の桟23aと、第2の桟23bとは、同数であってもよいが、異なる本数であっても実施できる。
この実施の形態では、第1の桟23aと第2の桟23bとは、直角に交差するものであるが、他の角度であっても実施できる。
載置部21は、乗り籠e4の外部上面において、上記閉鎖部20を備えたシート状体の上に載せられる。
第1の桟23a,23aの伸びる方向を前後方向とし、第2の桟23b,23bの伸びる方向を左右方向とすると、第1の桟23a,23aの長さは、上記シート状体の前後の幅よりも大きく、第2の桟23b,23bの長さは、シート状体の左右の幅より大きい。
各桟23の両端は、桟23の他の部位よりも、下方に突出する接地部23eを備える。この実施の形態において、接地部23eの下端面が、上記当接部であり、図10(D)へ示す通り、乗り籠e4の外部上面と当接する。
各桟23は、開口部の寸法に応じて、長さを調製できるものとしておくのが好ましい。
即ち、各桟23には、長さを伸縮させることができるものを採用する。具体的には、図10(B)のc−c端面図である図10(C)へ示すように、各桟23は、中空の第1棒材23cと、第1棒材23c内に収容された別体の第2棒材23d,23dとを備える。そして、第1棒材23cの両端から、第2棒材23d,23dを引き出すことによって桟23を伸ばすことができ、逆に、第1棒材23c内へ第2棒材23d,23dを押し込むことにより桟23を縮めることができる。図10(C)へ示す通り、第1棒材23cとして、C型チャンネル材を採用することができる。
上記の接地部23e,23eは、第2棒材23d,23dの露出部分の先端に設けられている。図10(D)へ示す通り、接地部23eの下方への突出幅w2は、当接部と乗り籠e4の上面との間に、隙間ができないように設定される。具体的には、上記シート状体の厚みw1と中空の第1棒材23cの厚みとを加算した幅と、上記突出幅w2とが等しくなるよう、接地部23eを形成しておく。
シート状体が構成する被覆体20には、上下(表裏)に貫通する貫通口22が設けられている。この貫通口22の上方に、桟23...23が呈する井桁の中央部分23f、即ち井桁に囲まれた空間を配置する。潜望鏡部30は、貫通口22及び中央部分23fとに通される。上記の中央部分23fにおいて、桟23に潜望鏡部30を旋回自在に支持させる軸受部4が設けられている。
軸受部4(の閉鎖部2側に固定される部材)は、井桁に組まれた第1及び第2の桟23a,23a,23b,23bに直接取り付けて実施してもよく、また、桟に井桁の中央部分23fを覆う板状体を渡し、当該板状体には潜望鏡部30を通す貫通孔を設けておき、当該貫通孔に、軸受部4(の閉鎖部2側に固定される部材)を取り付けるものとしても実施できる。
上記の装置を用いて、作業者が、エレベータの乗り籠e4に乗って、当該乗り籠e4内から、潜望鏡部30の覗き口を覗きつつ、壁面潜望鏡部30を旋回させて、スプレーガンの操作を行うことにより、昇降経路周囲の壁面へアスベストの処理液を噴霧することができる。
作業中、エレベータの乗り籠の昇降にて、噴霧する上下の位置を変えることができる。
乗り籠に既設の開口部e45は、上記の閉鎖部によって塞がれているので、作業者は、アスベストから安全に作業を進めることができる。
図7〜図10へ示す実施の形態において、閉鎖部2は、噴射部3を支持するものとしたが、この他、閉鎖部2は、開口部e45を閉鎖するのみで、噴射部3を支持しないものとしても実施し得る。例えば、閉鎖部2を、布やその他のシート状体のみからなるものとし、当該閉鎖部3は、噴射部3の噴射口を乗り籠外部へ突き出すための穴を備えるものとし、乗り籠内の作業者が、噴射部3を持ち、その噴射口側を、当該穴に挿入させて、乗り籠外部へ突き出して、処理作業を行うものとしても実施できる。
また、上記において、噴射部3は、潜望鏡部30と、噴射装置5とを一体にしたものであったが、潜望鏡部30と、噴射装置5とは、別々に、閉鎖部2に取り付けられるものとしても実施できる。但し、潜望鏡部30へ噴射装置5を取り付けることによって、潜望鏡部30の旋回操作にて、噴射口の向きを変えることができ、操作が行いやすい。
上記図10(B)〜(D)に示す実施の形態においても、特に言及した事項以外の事項については、図7〜図10(A)に示す各実施の形態と同様である(噴射部について、図7に示すものと、図10(A)に示すものの、何れを採用しても実施することができる)。
上記の図7〜図10へ例示したアスベストの処理方法では、エレベータの乗り籠に既設の開口部して、乗り籠を傷つけることなく、処理装置を乗り籠に設置して、アスベストと画された安全な乗り籠内から、アスベストの処理作業を行うこととができる。
また、既述の各実施の形態において、視認手段として、上記の潜望鏡部に換えて、乗り籠e4の外部即ち乗り籠e4の天井部上面にテレビカメラを設置し、乗り籠内にモニタを設置して、処理液の噴射や、壁面を観察するものとしても実施できる。この場合、カメラに上記曇止め手段を設けて実施すればよい。
更に、図7〜図10へ示す処理方法では、噴射装置は、1箇所に設けられたものとしたが、乗り籠e4おいて、異なる位置に2つ以上の噴射装置を設けるものとしても実施できる。即ち、既設の開口部に収まる範囲において、複数の噴射装置を配置するものとして実施することができる。
上記の図7〜図10へ示す各噴射装置は、大掛かりなものとならず、設置も容易で、迅速な作業の進行を実現できる。
例えば、ロボットを用いて、自動化を図る場合と比して、現地での準備や撤収の作業が極めて迅速に行える。
一方、上記のロボットを採用して実施することも可能であり、例えば、図11へ示す処理装置1を採用することができる。
この処理装置1は、遠隔操作が可能なロボットであり、開口部e45を利用することなく、乗り籠e4の天井上面に設置して使用できるものである。
具体的には、この処理装置1は、図11へ示す通り、乗り籠e4の天井に置かれる本体ケース100と、処理液を噴射するスプレーガン50と、処理の状況を観察するカメラ30aと、ケース100から上方に旋回自在にスプレーガン50及びカメラ30aを支持する支持軸101と、支持軸101に接続された電動機102と、処理液のタンク6と、エアータンク7aと、トリガ作動部103と、バッテリ104と、制御部105とを備える。
上記の電動機102と、処理液のタンク6と、エアータンク7aと、バッテリ104と、制御部105とは、ケース100の内部に配設されている。カメラ30aは、高感度のものを採用してもよく、或いは、図示は省略するが、照明ランプを備えたものを採用しても実施できる。また、エアーを噴射してレンズの曇りを防ぐ曇止め機構を設けておくのが好ましい。
トリガ操作部103は、スプレーガン50が備えるトリガ56に一方の端部が接続されたワイヤを、巻き取る巻取りモータを備えたものである。巻取りモータを回転させ、当該モータの軸に接続された上記ワイヤの他方の端部を巻き取ることにより、ワイヤを引っ張りトリガ56を作動させることができる。スプレーガン50は、支持軸101内に配設され通路を構成するチューブにて、上記処理液のタンク6と接続されている。上記トリガ56の操作にて、ポンプ54を作動させて、処理液をスプレーガン50に送り、スプレーガンの噴出口50aから、処理液を噴射することができる。また、同様に、支持軸101内に配設された別途のチューブにて、スブレーガン50は、エアータンク7aと接続されており、トリガ56の操作にて、処理液噴射用の圧縮エアーをエアータンク7aからスプレーガン50へ供給する。
制御部105は、通信装置と制御装置とを備える。通信装置は、処理装置1と離れた場所から、無線或いは有線よって、上記電動機102の作動の指令及び上記巻取りモータ103の作動の指令を受けるものであり、制御装置は、通信装置が受けた指令によって、電動機102や上記巻取りモータ103を作動させると共に、上記ポンプ54を作動させ、また、エアータンクの弁を開く制御を行う。また、通信装置は、カメラ30aの影像を、上記遠隔操作を行う作業者がいる場所に設置されたモニタへ、影像を送信する。
上記のバッテリ104は、電動機102、巻取りモータ103、カメラ30a、ポンプ54、エアータンク7aの弁の動作に必要な電気を供給する。
エレベータを昇降すると共に、このようなロボットを遠隔操作することによって、アスベスト処理を行うことができる。
また、遠隔操作を行うのではなく、制御装置が、演算部と制御部と記憶部とを備え記憶部に格納されたプログラムに従って、処理液の噴射やスプレーガンの旋回動作を制御するものとして実施することができる。この場合、処理装置1によるアスベスト処理の作業は、完全に自動化することができる。また、この自動化にについては、処理装置1側に、上記のプログラムの実行手段を持たせるのではなく、上記の前記の通信装置に指令を送って遠隔操作を行う装置についてプログラムによる自動操作を行うものとして、遠隔操作を自動化するものとしても実施できる。
図11に示す実施の形態において、処理装置1は、ケーシング内に各タンクを備えるものとしたが、重量のあるタンクは、乗り籠e4内に配置すると共に、既設の開口部を利用して、スプレーガン50と、当該タンクとを処理液の通路をなすチューブにて接続するものとしても実施できる。この場合、開口部は、チューブのみを通す貫通口を備えた封鎖部材にて封鎖するものとする。また、別途の封鎖部材を用いるのではなく、処理装置1(タンク以外の部分、特にケーシング)自身を上記開口部の上に配置して、開口部を塞ぐものとしても実施できる。
アスベストの処理を行う建造物内のエレベータの略斜視図である。 本願発明の一実施の形態である、エレベータの経路内に配設された長尺配設物の養生の方法を示す説明図である。 (A)は、図2に示す養生装置の略正面図であり、(B)は(A)のd−d拡大略端面図であり、(C)は(A)の一部切欠要部略平面図であり、(D)は養生装置の他の実施の形態を示す略端面図である。 (A)〜(C)は図3(A)に示す養生装置の使用状態を示す説明図であり、(D)は養生装置の更に他の実施の形態を示す斜視図であり、(E)は図4(D)の養生装置の使用状態を示す略端面図であり、(F)は養生装置のまた更に他の実施の形態を示す斜視図である。 (A)は養生装置の更に他の実施の形態を示す斜視図であり、(B)は(A)の養生装置の略縦端面図であり、(C)は(B)の養生装置の使用状態を示す略縦端面図である。 (A)は図5に示す養生装置の更に他の実施の形態を示す略縦端面図であり、(B)は当該養生装置の更に他の実施の形態を示す要部斜視図であり、(C)は当該養生装置のまた更に他の実施の形態を示す要部斜視図であり、(D)は養生装置のまた他の実施の形態を示す斜視図である。 図1のエレベータの乗り籠の一部切欠略端面図である。 (A)は図7に示すa方向から眺めた噴射装置の一部切欠要部背面図であり、(B)は図7に示すb方向から眺めた噴射装置の一部切欠要部正面図であり、(C)は図7の閉鎖部の要部拡大一部切欠端面図である。 上記噴射装置の一部切欠要部拡大側面図である。 (A)は噴射装置の他の実施の形態を示す略端面図であり、(B)は閉鎖部の他の実施の形態を示す略平面図であり、(C)は(B)のc−c端面図であり、(D)は(B)に示す閉鎖部の使用状態を示す一部切欠要部側面図である。 噴射装置の更に他の実施の形態を示す説明図である。
符号の説明
8 被覆部材
9 副被覆部材

Claims (6)

  1. 建造物内部に設置された、箱型の乗り籠を備えるエレベータについて、昇降経路を取り囲む壁面の、アスベストの固化処理を、乗り籠から処理液を噴射することによって行う際に、経路に配されたケーブルやレールなどの、乗り籠の移動方向に伸びる長尺配設物に対し、乗り籠上方にて噴射された処理液が付着するのを防止する養生方法であって、
    長尺配設物の長手方向に沿って載り籠から上方へ伸ばすことができる、中空の被覆部材を、エレベータの乗り籠に設け、
    被覆部材には、長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮み、このような力から開放されることによって復元する弾力性を備えるものを採用して、被覆部材の内部へ、長尺配設物の、長手方向の少なくとも養生する部分を収容し、
    エレベータの昇降により長尺配設物の養生する位置を変えるものであり、
    伸ばされた状態の被覆部材の長さは、エレベータの乗り籠が昇降経路中の最上位置にあるときの載り籠と昇降経路の天井との間の間隔よりも、大きいものであり、
    エレベータの乗り籠を昇降経路中の最上位置から降下させて、乗り籠と昇降経路の天井との間隔を広げて行くことにより、昇降経路の天井と当接して縮んだ状態の被覆部材を伸ばして行くものであるアスベスト処理の養生方法。
  2. 建造物内部に設置された、箱型の乗り籠を備えるエレベータについて、昇降経路を取り囲む壁面の、アスベストの固化処理を、乗り籠から処理液を噴射することによって行う際に、経路に配されたケーブルやレールなどの、乗り籠の移動方向に伸びる長尺配設物に対し、乗り籠上方にて噴射された処理液が付着するのを防止する養生方法であって、
    長尺配設物の長手方向に沿って載り籠から上方へ伸ばすことができる、中空の被覆部材を、エレベータの乗り籠に設け、
    被覆部材には、長尺配設物に対し着脱できると共に長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮むものを採用し、被覆部材の内部へ、長尺配設物の、長手方向の少なくとも養生する部分を収容し、
    エレベータの昇降により長尺配設物の養生する位置を変えるものであり、
    伸ばされた状態の被覆部材の長さは、エレベータの乗り籠が昇降経路中の最上位置にあるときの載り籠と昇降経路の天井との間の間隔よりも、大きいものであり、
    エレベータの乗り籠を昇降経路中の最上位置に向け上昇させて、乗り籠と昇降経路の天井との間隔を狭めて行くことにより、伸ばした状態の被覆部材を昇降経路の天井に押し付けて縮めて行くものであるアスベスト処理の養生方法。
  3. 被覆部材には、長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮み、このような力から開放されることによって復元する弾力性を備えると共に、被覆部材の上端から下端にかけて被覆部材の長手方向に沿って切欠する切欠部と、閉止手段とを備えたものを採用し、当該切欠部を通じて、被覆部材に長尺配設物を収容し、
    長尺配設物の収容後、切欠部によって被覆部材が備える、周方向の両端同士を係止し、当該周方向の端部を結合することを特徴とする請求項1又は2記載のアスベストの養生方法。
  4. 被覆部材には、径の異なる複数の筒状体が重ねられ、最も内側に位置する筒状体の内部へ長尺配設物を収容することができ、外側の筒状体に対して内側の筒状体を、或いは内側の筒状体に対して外側の筒状体を、上方へ引き出した状態とすることによって、長尺配設物の少なくとも養生部分を覆うものであって、各筒状体に、上端から下端にかけて被覆部材の長手方向に沿って切欠する切欠部と、閉止手段とを備えたものを採用し、当該切欠部を通じて、各筒状体に、長尺配設物を収容し、
    長尺配設物の収容後、切欠部によって各筒状体が備える、周方向の両端同士を係止し、当該周方向の端部を結合することを特徴とする請求項1又は2記載のアスベストの養生方法。
  5. 径の異なる複数の筒状体を重ねて被覆部材とし、最も内側に位置する筒状体の内部へ、長尺配設物を収容するものであり、外側の筒状体に対して内側の筒状体を、或いは内側の筒状体に対して外側の筒状体を、上方へ引き出した状態とすることによって、長尺配設物の少なくとも養生部分を覆うものであり、
    被覆部材の上記各筒状体には、夫々、筒状体を周方向について分割した形状に形成された複数の筒構成部材と、筒構成部材を結合して一つの筒状体として固定する閉止部とを備えたものを採用し、長尺配設物の収容後、閉止部にて筒構成部材を結合することを特徴とする請求項1又は2記載のアスベストの養生方法。
  6. 被覆部材に、上端と下端とが開口する袋体と、袋体を上方へ伸ばした状態に支持する伸縮部とを備えると共に、伸縮部として、長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮むものを採用し、
    袋体に、長尺配設物の、長手方向の少なくとも養生部分を、収容し、
    袋体には、袋体の上端から下端にかけて被覆部材の長手方向に沿って切欠する切欠部を備えたものを用い、当該切欠部を通じて、長尺配設物を収容し、
    切欠部にて袋体が備える周方向の両端同士を係止して、当該周方向の端部を結合することを特徴とする請求項1又は2記載のアスベストの養生方法。
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