JP4312855B2 - 培養皿アッセンブリおよびその挿入体 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細孔薄膜を具えた挿入体と該挿入体が懸垂支持される液溜めとを使用して、バイオ材料を育ておよび／またはテストするのに役立つ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
微細孔薄膜を有する挿入体と該薄膜が懸垂支持される液溜めとを具えた種々のタイプのアッセンブリが開発されている。こうしたアッセンブリは、細胞を培養したりおよび／または他のバイオ材料をテストするのに使用されている。この微細孔薄膜の組成は、この種のアッセンブリの意図する用途に応じて選ばれている。
【０００３】
こうしたアッセンブリの挿入体は、実質的に不透過性の側壁と半透過性の底壁とを有する単一の容器を個々に形成するように構成されている。米国特許第4,686,190 、4,871,674 、5,026,649 及び5,534,227 号には、この記述に合致した挿入体が開示されている。その他の挿入体としては、接続壁によって開口又はその近傍で接合された複数の容器を具えたものがある。国際公開公報WO 94/28111 と同様に、米国特許第4,407,943 、5,462,874 及び5,554,536 号にはこのタイプの例が開示されている。米国特許第5,487,872 号には、円筒形の液溜めの列を具えた液溜めプレートが開示されている。
【０００４】
上述の挿入体が位置されている液溜めに対して流体を加えたり除去したりする必要があることは、前から知られている。前述の特許の多くのものは、挿入体を動かさずにピペットの液溜めへの接近を可能にする構成を開示している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、培養皿アッセンブリ及びこのようなアッセンブリに使用される挿入体に関する。このアッセンブリは、それの選ばれた箇所へピペットで容易に接近でき、汚染の可能性を最小にし、且つアッセンブリ部品を取り扱うのにロボットの使用を可能にする特長を具えている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の培養アッセンブリは、液溜めプレートと挿入体とを具えている。液溜めプレートは一つ以上の液溜めを形成している。挿入体は、天壁と該天壁に接続された複数の容器とを具えている。各容器は、上部開口を形成する上端と、底部開口を形成する下端と、前記上下端同士を接続する側壁と、前記下端に装着されて前記底部開口を被覆している半透膜とを具えている。前記天壁には複数の壁開口が設けられている。各壁開口は前記容器の一つに隣接している。各容器は、それの側壁と上端を貫通して前記壁開口の一つに隣接する半径方向の開口を具えている。この半径方向開口に隣接する側壁の部分は、挿入体の天壁に対して実質的に垂直になっている。前記容器のこれらの隣接する開口と垂直部分とによって、ピペットを受け入れることのできる比較的大きな空間が形成される。ピペットの端部は、これらの隣接する開口を通って挿入される際に、液溜めや容器のどの部分にも接触しないことが望ましい。
【０００７】
培養皿アッセンブリ用の挿入体も、本発明によって提供される。この挿入体は、少なくとも一列の壁開口を有する天壁を具えている。この天壁には複数の容器が接続され、それぞれが前記壁開口に隣接している。各容器は、上部開口を形成する上端と、底部開口を形成する下端と、これら上下端同士を接続する側壁とを具えている。各容器の各側壁と上端の一部を貫通して半径方向開口が延在している。この半径方向開口は各壁開口に隣接し、それによって比較的大きいピペット開口が形成されている。容器の各側壁は、半径方向開口に隣接してその下端に向かって延びる実質的に垂直な部分を具えている。容器の各側壁はほぼ円錐台形状をなしていることが望ましく、その前記実質的に垂直な部分は実質的に平坦な面を具えていることが望ましい。
【０００８】
液溜めプレートと挿入体と蓋とを具えた培養皿アッセンブリが提供される。このアッセンブリの液溜めプレートは、好ましくは円筒形状をなす複数の液溜めを具えている。この挿入体は、天壁と、この天壁から下方に延びる外周フランジと、前記天壁に接続された複数の容器とを具えている。前記各容器は、上部開口を形成する上端と、底部開口を形成する下端と、これら上下端同士を接続する側壁と、前記下端に装着されて前記底部開口を被覆する半透膜と、前記側壁と上端を貫通する半径方向開口とを具えている。この半径方向開口は、挿入体の天壁を貫通する開口に隣接して、比較的大きいピペット開口を形成している。各側壁は、それの前記半径方向開口に隣接してその下端に向かって延びる実質的に垂直な部分を具えている。この挿入体は、前記容器が前記液溜め内に入って好ましくは半径方向にずれた位置を占めるように前記液溜めプレートに装着可能になっている。前記蓋は天壁と下方に垂下した外周フランジとを具えている。この蓋は、蓋の天壁が容器の上端に係合するように挿入体に装着可能になっている。この蓋の外周フランジは、蓋が挿入体に被着される際に、挿入体の外周フランジの上方部分に重なる。この挿入体の外周フランジの下方部分は露出したまま残され、そのため、蓋の外周フランジの下側でアクセス可能となっている。したがって、この挿入体と蓋とは一つのユニットとして取り扱うことができ、容器の内容物を汚染する可能性が少なくなる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
液溜め挿入体１２と該挿入体を受け入れ可能な液溜めプレート１４とを具えた培養皿アッセンブリ１０がもたらされている。図１は、液溜め挿入体１２に装着可能な蓋１６と共にこのアッセンブリの分解斜視図を示している。別の実施例が図９に示され、ここでは液溜めプレート１４′が複数の液溜めの代わりに一つの大きな液溜め即ち槽(trough)を形成している。このタイプの液溜めプレートのことをフィーダ・トレー（feeder tray)と称している。
【００１０】
前記挿入体１２は、実質的に平坦な天壁１８と該天壁から下方に延びた外周フランジ２０とを具えている。この天壁は前記液溜めプレートの上面の形状に適合し、本発明の好適実施例では長方形をなしている。前記挿入体の前記液溜めプレートへの被着が容易になるように、前記フランジ２０は天壁１８に対して僅かに傾斜した角度を形成している。このフランジ２０は内面２０ａと下縁２０ｂとを有しており、好適実施例においては、下縁２０ｂは、フランジ２０の内面２０ａに向かって僅かに面取りされ、即ち傾斜が付けられている。
【００１１】
複数の容器２２が天壁１８に接続され、そこから下方に延びている。これらの容器は図示のように列状に配置されていることが望ましい。図示の挿入体は２４個の容器を具えているが、別の挿入体は６個、１２個、４８個及び９６個の容器を具え、これらは市販・使用されている標準的な容器の数の中に含まれる。容器同士の間隔も、市場の標準に合わせることが好ましい。本発明の好適実施例においては、容器は、ポリスチレン等の透明材料によって、前記天壁と一体的に形成されている。いずれにしても、これらの容器は恒久的に天壁と連結されていることが好ましいが、場合によっては天壁から取り外しできることが望ましい。
【００１２】
各容器は、上部開口を形成する上端２４と底部開口を形成する下端２６とを具えている。好ましくはほぼ円錐台形をなしている側壁２８が、前記上下端同士を連結している。半径方向の開口３０が、各容器の側壁と上端の一部を貫通して設けられている。前記側壁は、前記半径方向開口に隣接して容器の下端に向かって延在する実質的に垂直な平坦部分３２を具えている。次に述べるように、容器の側壁２８のこの実質的に垂直な部分によって、容器の一方の側面とこの側壁部分に向かい合う液溜めの壁との間に比較的大きな空間が得られる。
【００１３】
図３に示すように、各容器の下端には環状の端面３４が設けられている。図４〜図６に示すように、半透過性で微細孔を有する薄膜３６がこの端面に取付けられている。この薄膜の組成と孔サイズは培養皿アッセンブリの用途に応じて決められ、多くの薄膜が知られ且つ市販されている。これらの薄膜は疎水性であっても親水性であってもよく、また、多孔性の不活性フィルム、水和ゲル、セルロース、軌道刻印ＰＥＴ(track-etched PET)、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン等の材料で作られる。その他の微細孔薄膜もユーザーの自由裁量で採用することができる。この薄膜は、熱シールや接着等の公知の技術を使用して端面３４に取付けられる。このアッセンブリ１０は、薄膜が付いていない状態で最終ユーザーに提供され、ユーザーは彼等が好む特定の薄膜をこれに取り付けることが可能になる。
【００１４】
図３〜図６に示すように、容器の上端は挿入体１２の天壁の上面の上方にまで延びている。容器の上端面は、前記半径方向開口のために実質的にＣ型をなしている。複数の壁開口３８が挿入体の天壁を貫通して設けられ、それぞれが容器の前記半径方向開口３０に隣接している。これらの壁開口は長方形であることが好ましいが、必須ではない。壁開口と半径方向開口とは、図６に示すように、ピペットを液溜めプレートの選ばれた箇所にアクセス可能にする複数のピペット開口を形成する。
【００１５】
液溜めプレート１４は構造的には従来からあるものであり、ポリスチレン等の透明な材料で作られていることが望ましい。該プレートは列状に配列された複数の液溜めを具えている。液溜めプレートと挿入体における液溜めと容器の数は重要な要素ではないが、等しいことが望ましい。各液溜めは円筒形であることが好ましい。これらの液溜めは、その側壁同士の間に延在するリブ部分によって相互に連結されている。更に、各液溜めは共通の底壁４２を共有している。液溜めプレート１４は、更に、外周部分に沿って設けられた液溜めの外面と一体化された天壁４４を具えている。該天壁４４から下方に向かって外周壁４６が延びている。この外周壁は上方部分４６Ａと下方部分４６Ｂとを具え、肩部即ち段部４８がこれらの部分を分けている。前記上方部分は一対の面取りされた隅部５０を具えている。リブ５２が、液溜めの選ばれた箇所を前記外周壁４６に接続している。前記液溜めプレート１４と挿入体１２とは、挿入体が一方向だけから液溜めプレートに装着できるように構成されている。
【００１６】
蓋１６は構造的には従来からあるものであり、天壁５４と、これに対して僅かに傾斜した角度で下方に延びた外周フランジ５６とを具えている。この蓋はポリスチレン等の透明な材料で作られている。蓋の天壁の底面は、この蓋が挿入体１２に被着された場合に、容器２２の上端２４に係合する。
【００１７】
図９に示すように、挿入体１２は、薄膜３６が共通の浴に浸漬されるように、一つの大きな槽即ち液溜めを形成するプレート１４′に装着されてもよい。このプレート１４′は段付きの外周壁５８と底壁６０とを具えている。リブ６１がこれらの底壁と外周壁とを接続し、プレートを補強している。当該技術において公知のように、剛性を大きくするためにリブ６１の数を増加してもよい。多数のリブ６１が存在することによって剛性が大きくなるだけでなく、プレートが動かされる結果として媒体内部に生じる渦流運動が減少して、プレート１４′内にじゃま板効果(baffle effect) をもたらす。外周壁の上面は、挿入体１２の天壁１８の底面に係合する。
【００１８】
アッセンブリ１０は、図１〜図３及び図９に示されるような状態で最終使用者に提供されることもある。又は、アッセンブリは薄膜３６を容器２２に取り付けた状態で製造・販売されることもある。薄膜が一旦取付けられると、挿入体１２はいつでも使える状態になる。挿入体１２は、天壁１８の底面が液溜め４０のへり部分に係合し、各容器の側壁２８と各液溜め４０の上部へりの内側縁との間で点接触が生じるように、液溜めプレート１４に装着される。図４と図５に示すように、挿入体が正しく装着された場合には、薄膜は液溜めの底面の上方に懸垂状態で位置する。薄膜は、底壁４２の上面の上方１〜３mmの位置になければならない。挿入体１２の外周フランジ２０は、液溜めプレートのフランジの上方部分４６Ａに重なり、段部４８の上方に懸垂状態で位置する。各容器２２は、該容器とそれが位置している液溜めのこれに対面する部分との間に比較的大きな空間が形成されるように、この液溜めに対して半径方向にずれている。前記半径方向開口は、これらの比較的大きい空間に隣接している。その上、これらの空間は、容器の不規則な形状、特にこれを仕切っている前記平坦面３２によって、更に大きくなっている。挿入体の天壁１８の壁開口３８は、容器と液溜めとの間の空間の真上に位置している。図６に示すように、容器の平坦面、これに隣接する半径方向開口及び壁開口と、液溜めのずれた位置との組み合わせによって、ピペット（破線で示されている）による液溜め４０の底部へのアクセスが非常に容易に行える。蓋１６が挿入体１２に装着され、容器のＣ字型のへり部に係合する。こうして、液溜めからの蒸発や塵埃、バクテリア等の空気に由来する汚染に曝されることが最少に抑えられる。図４に示すように、蓋の外周フランジ５６は、挿入体１２の外周フランジ２０の一部分のみを覆って延在している。この構成によって、蓋と挿入体を一つのユニットとして液溜めプレートから取り外したり再被着したりすることが可能になり、汚染が生じる可能性を減少させるので、この構成は重要である。これは人手で行うこともできるし、ロボットを使用して行うこともできる。
【００１９】
挿入体１２の各容器２２は、液溜めプレート１４内のそれが入っている液溜めに対して半径方向にずれているため、容器２２の側壁２８と液溜めプレート１４の液溜め４０との間で幾らかの吸い上げ作用が生じるので、下端２６の近傍の側壁２８の外側面は、側壁２８上に複数の同心リング２６ａを有することが望ましい。これらの同心リング２６ａは、挿入体１２の側壁２８と液溜めプレート１４との間における媒体の吸い上げを防止する。図２を参照のこと。
【００２０】
薄膜を共通の浴に浸漬することを要するこれらの手順やテストを行うために、図９のアッセンブリが採用されることもある。この図に示された液溜めプレート１４′に装着される際に、挿入体１２の容器に取付けられた薄膜は、この液溜めプレートの底壁６０の上方に懸垂状態で維持される。本発明の両実施例では、蓋やその他の構成部品がすべて実質的に透明なので、これらを取り外すことなく、実験を観察することができる。
【００２１】
本発明の例示的な実施例を添付の図面を参照して説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、当業者であれば本発明の範囲又は要旨から逸脱することなく、種々の変更や改変を行うことが可能なことを銘記すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の培養皿アッセンブリの上から見た分解斜視図である。
【図２】前記培養皿アッセンブリの隅部の上から見た分解斜視図である。
【図３】前記培養皿アッセンブリの分解側断面図である。
【図４】前記培養皿アッセンブリの側断面図である。
【図５】前記培養皿アッセンブリの端部の拡大側断面図である。
【図６】前記培養皿アッセンブリの端部の拡大側断面図であり、その選ばれた箇所にピペットを挿入した状態を示している。
【図７】前記培養皿アッセンブリの平面図である。
【図８】それの隅部の拡大平面図である。
【図９】本発明の別の実施例にかかる培養皿アッセンブリの上から見た斜視図である。
【符号の説明】
１０ 培養皿アッセンブリ
１２ 液溜め挿入体
１４ 液溜めプレート
１６ 蓋
１８ 天壁
２０ 外周フランジ
２２ 容器
２４ 上端
２６ 下端
２８ 側壁
３０ 半径方向開口
３２ 垂直平坦部分
３４ 端面
３６ 薄膜
３８ 壁開口
４０ 液溜め
４２ 底壁
４４ 天壁
４６ 外周壁
４８ 段部
５０ 隅部
５２ リブ

Claims (10)

1. 少なくとも一つの液溜めを形成する液溜めプレートと、天壁と該天壁に接続された複数の容器とを有する挿入体とを具えた培養皿アッセンブリであって、
   前記各容器は、上部開口を形成する上端と、底部開口を形成する下端と、これらの上下端を接続する側壁と、前記下端に装着されて前記底部開口を被覆する半透膜と、前記天壁に設けられた複数の壁開口とを具え、前記各壁開口は前記容器の一つに隣接し、前記各容器は前記側壁と前記上端とを貫通する半径方向開口を具え、前記各側壁は前記半径方向開口に隣接して前記下端に向かって延びる垂直な部分を具え、前記半径方向開口はそれぞれ前記壁開口の一つに隣接してこれと共に複数のピペット開口を形成し、
   前記挿入体は、前記容器の少なくとも一つが前記液溜め内に位置するように前記液溜めプレートに装着可能であり、更に、前記液溜めプレートは、円筒形状をなす複数の液溜めを具え、前記挿入体は、培養が行われる状態において、前記各容器が前記液溜めの一つの中に入って該液溜めに対して半径方向にずれて位置するように、前記液溜めプレートに装着され、且つ前記液溜めプレートに装着された状態で前記壁開口が前記容器から前記液溜めの側壁まで延びていることを特徴とする培養皿アッセンブリ。
2. 前記容器の前記側壁がほぼ円錐台形状をなし、前記側壁の前記垂直部分が平坦な外面を具えていることを特徴とする請求項１に記載の培養皿アッセンブリ。
3. 前記挿入体に装着可能な蓋を具え、前記挿入体は前記天壁から下方に延びる外周フランジを具え、前記蓋は前記挿入体の前記外周フランジよりも高さの低い外周フランジを具え、前記蓋の前記外周フランジは、前記挿入体の前記外周フランジの上方部分の周囲に位置することができることを特徴とする請求項１に記載の培養皿アッセンブリ。
4. 前記液溜めプレートが、下方部分と上方部分とこれら上下方部分の間に形成された段部とを具え、前記挿入体が、前記挿入体の前記外周フランジが前記段部の上方に懸垂・支持されるように前記液溜めプレートに装着可能であることを特徴とする請求項３に記載の培養皿アッセンブリ。
5. 前記液溜めプレートが複数列の円筒形状をなす液溜めを具え、前記挿入体が、前記各容器が前記液溜めの一つの中に入って該液溜めに対して半径方向にずれて位置するように、前記液溜めプレートに装着可能であり、且つ前記壁開口が前記液溜めに一致していることを特徴とする請求項１に記載の培養皿アッセンブリ。
6. 少なくとも一列の壁開口を具えた天壁と、該天壁に接続され、それぞれが前記開口に隣接している複数の容器とを具えた培養皿アッセンブリ用の挿入体であって、前記各容器は、上部開口を形成する上端と、底部開口を形成する下端と、これら上下端同士を接続する側壁と、該側壁と前記上端の一部分を貫通して延在する半径方向開口とを具え、前記各半径方向開口は前記壁開口の一つに隣接してこれと共にピペット開口を形成し、前記容器の前記各側壁は、前記半径方向開口に隣接して前記下端に向かって延びる垂直な部分を具え、
   培養が行われる状態において、少なくとも一つの液溜めを形成する液溜めプレートに前記容器の少なくとも一つが前記液溜め内に入って該液溜めに対して半径方向にずれて位置するように装着された状態で前記壁開口が前記容器から前記液溜めの側壁まで延びている
   ことを特徴とする挿入体。
7. 前記各側壁はほぼ円錐台形状をなし、前記各容器はそれの下端に固定されて前記底部開口を被覆する微細孔薄膜を具えていることを特徴とする請求項６に記載の挿入体。
8. 前記天壁から下方に延びる外周フランジを具えていることを特徴とする請求項６に記載の挿入体。
9. 複数の液溜めを形成する液溜めプレートと、天壁と、該天壁から下方に延びる上方部分と下方部分とを具えた外周フランジと、前記天壁に接続された複数の容器とを具えた挿入体とで構成された培養皿アッセンブリであって、前記各容器は、上部開口を形成する上端と、底部開口を形成する下端と、これら上下端同士を接続する側壁と、前記下端に装着されて前記底部開口を被覆する半透膜とを具え、前記天壁には複数の壁開口が設けられ、前記各壁開口は前記容器の一つに隣接し、前記各容器は前記側壁と前記上端を貫通して延びる半径方向開口を具え、前記各側壁は前記半径方向開口に隣接して前記下端に向かって延びる垂直な部分を具え、前記各半径方向開口は前記壁開口の一つに隣接してこれと共に複数のピペット開口を形成し、前記挿入体は、培養が行われる状態において、前記容器がそれぞれ前記液溜めの中に入って該液溜めに対して半径方向にずれて位置するように、前記液溜めプレートに装着され、且つ前記液溜めプレートに装着された状態で前記壁開口が前記容器から前記液溜めの側壁まで延びており、更に天壁と下方に垂下した外周フランジとを具えた蓋が設けられ、該蓋は、その天壁が前記容器の前記上端に係合するように前記挿入体に装着可能であり、前記蓋の前記外周フランジは、前記挿入体の前記外周フランジの前記上方部分に重なり、前記挿入体の前記外周フランジの前記下方部分は、前記蓋の前記外周フランジの下側に接近し、それによって前記挿入体と蓋とが一つのユニットとして前記液溜めプレートに対して着脱自在になっていることを特徴とする培養皿アッセンブリ。
10. 前記各液溜めが円筒形状をなし、前記各容器が実質的に円錐台形状をなし、前記容器の前記各側壁が、前記半径方向開口に隣接して前記下端に向かって延びる平坦な垂直部分を具えていることを特徴とする請求項９に記載の培養皿アッセンブリ。

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