JP4312729B2 - レール継目板の締結ボルトの脱落検出装置 - Google Patents
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Description
列車の乗りごこち、レールの損傷などを防止するために、継目が適当な間隔であるか否かが軌道検測車(以下検測車)あるいは点検車などにより定期的に点検され、その間隔が所定の基準幅の範囲にないときには継目間隔が調整される。
このような点検のために検測車に搭載され、レーザ光を継目板の位置に照射して継目板そのものを検出するレール継目板検出装置が公知である(特許文献1)。
また、レールを枕木に固定するボルトのボルト抜けを検出する技術としてレーザ変位計を用いたレール締結具の脱落の検知装置が公知である(特許文献2)。
しかし、現在のところ、そのようなレール継目板の締結ボルトの脱落を検出する装置はない。
図10は、レール同士を締結した状態でのレール継目板の断面説明図である。この図に示すように、継目板1を締結する締結ボルト2(以下ボルト2)が連結レール3,4の側面で継目板1を止めている。継目板1には水平方向に突き出したフランジ3aが上部にあって、それがレール3,4の頭部3b(レール3側で頭部を代表)の裏面と接触している。そのため、上からみたときにはボルト2の頭部2aは、一部が隠れ、あるいはそのナット2bにおいてはその一部しか見えない。それによりボルト2の有無を上部から光学的に検出する場合には、その判別が難しく、検測車の走行状態においてボルト抜けを検出することはなかなか難しい。そのため、特許文献1や特許文献2のような技術がそのまま継目板のボルト抜け検出には適用できない。現在のところ、継目板のボルト抜け検出は、人手に頼っているのが実状である。なお、図中、2cはワッシャであり、3cはボルト差込み穴である。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決し、前記の要請に応えるものであり、検測車の走行状態において、レール継目板のボルトの脱落を検出することができるレール継目板の締結ボルトの脱落検出装置を提供することにある。
軌道検測車に設けられレール継目を検出する非接触型の継目検出器と、軌道検測車において継目検出器に対して軌道検測車の走行方向に対して後方に設けられレールの継目板の静止画を撮像するためのカメラと、レール継目板のフランジの影がレール継目板の締結ボルトの差込み穴に重なる角度でレール継目板を照射する照射光学系と、継目検出器の検出信号に応じてカメラがレール継目に対応する位置に来たタイミングでカメラのシャッタを切ってカメラから静止画を採取する制御装置とを備えていて、
静止画におけるフランジの影の画像からの連続において締結ボルトの差込み穴に相当する画像が静止画にあるか否かを検出するものである。
そこで、この発明は、前記のように継目板の継目部分そのものの位置を検出することで、できるだけ視野の狭い継目板を主体とした画像を得ることを考えた。
この発明にあっては、前記のように、継目検出器の検出信号に応じてカメラがレール継目に来たタイミングでシャッタを切ってカメラからの静止画を採取するようにしているので、視野を制限しても継目板の画像を静止画として確実に採取することができる。しかも、レール継目板のフランジの影がレール継目板の締結ボルトの差込み穴に重なる角度で照射光学系がレール継目板を照射するので、採取された視野の狭い静止画は、継目板を主体とした映像となり、ボルトの脱落があるときにレール継目板の位置にあるフランジの影の画像部分と締結ボルトの差込み穴の画像部分とが映し出される。しかも、この画像部分において、締結ボルトの差込み穴に相当する画像を静止画におけるフランジの影の画像から連続するものとして検出することができるので信頼性の高いボルト抜け検出ができる。
その結果、検測車の走行状態においてレール継目板のボルトの脱落を検出することが容易にできる。
図1(a)において、10は、レール継目板の締結ボルトの脱落検出装置5(以下締結ボルトの脱落検出装置5)を搭載する検測車であり、10aは、その台車、10bは、車輪である。締結ボルトの脱落検出装置5は、レール継目検出器6と継目板画像撮像装置7、そしてデータ処理装置8とからなる。
レール継目検出器6は、図1(a),図2に示すように、電磁センサ11とケース12、そして検出回路20とからなる。ケース12に内蔵された電磁センサ11は、相互に逆方向に巻かれ、一辺が隣接して配置された巻き形が三角形の2つの空芯コイル11a、11bからなる。これを内装するケース12は、合成樹脂等の非磁性材料で構成され、空芯コイル11a、11bの中心Oa,Obをずらせて樹脂充填された完全密閉状態で固定するものであって、図1(a)に示すように、検測車10の台車10aからブラケット13を介してレール3あるいはレール4の頭部表面から所定距離、例えば、3cm前後離れて、2本のうち片側のレールに対応して設置される。そして、図1(a)のレール3とレール4との間にある継目1aを検出する。
空芯コイル11bの中心Obを中心線Oから外側にずらせる理由は、レールにはカーブがあるので、このときに検測車10が外側にシフトしたときに中心Obが必要以上に片方が内側にずれることで空芯コイル11a、11bが共に外れて電磁センサ11の検出信号が得られなくなることを防止したものである。なお、検測車10の外側へのずれは、車輪10bのフランジで阻止され、大きくずれることはない。
なお、レール3,4は、それぞれ2本が所定の軌道幅において敷設されているので、図1(a),図1(b)に示されるように、継目板撮像カメラ71が各レールに対して2台ずつ合計4台、照明光学系72が各レールに対して3台で合計6台、筐体73の内部に設置されている。
各継目板撮像カメラ71は、例えば、1画面(1フレーム)640×480画素(VGA)の静止画像を撮影画像として得るCCDカメラであり、継目板1を視野に入れた静止画像を両側のそれぞれのレールに対応してそれぞれに生成する。
ここで、重要なことは、照明光学系72の照射角φである。この照明角φは、継目板1のフランジ3aの影がボルト2のボルト差込み穴3c(図10参照)に重なる角度になっている。これにより、例えば、フランジ3aの影が継目板1のボルト部分にかかり、しかもボルトが抜けて穴となっていれば、フランジ3aの影(図6の符号15参照)に連続してボルト差込み穴3cがそのまま黒レベルとなって重なった画像部分(図6の符号16参照)となる静止画を得ることができる。そこで、フランジ3aの影の画像を基準にして撮像画像からボルト抜けの検出が可能になる。すなわち、継目板1のフランジ3aの影の画像部分(図6の符号15参照)と重なって黒の画素の塊(図6の符号15と16の画像参照)があった場合に継目板1のボルト抜け穴として検出することが可能になる。それにより、検測車10が走行した状態で継目板1にボルト抜け穴3cがあるか否かを高い信頼性をもって判定することができる。
18は、継目板1のフランジ3aの影の画像部分15に現れるノイズとしての反射光のノイズ画像部分である。
この二値化画像14において、ボルト差込み穴の画像部分16は、所定の画素数の黒レベルの画素の集合となって現れてくるので、ここでは、これを画像処理により、フランジ3aの影の画像部分15を基準に検出する。
ところで、採取した画像1画面分の全体からボルト抜けを検出すると画像処理のロードが大きくなる上に、各種のノイズが画像に乗ってくるので、高い精度でボルト差込み穴の画像部分16を検出しようとすると、そのノイズ除去処理に時間がかかる。その上に、ボルト差込み穴の画像部分16の判定処理にも時間がかかる。そこで、ここではフランジ3aの影の画像部分15の位置を検出して、これを基準にしてこれからボルトの穴分に相当する範囲でボルト差込み穴の画像部分16があるか否かを判定することでボルト抜け穴検出を高速に行う。この処理については後述する。
なお、バイアス回路22は、抵抗R1〜R4と定電圧電源回路22aとからなり、空芯コイル11a、11bにそれぞれバイアス電流を流す回路である。
レールの継目1aの部分では、継目板1とレールとレールの間隙とに応じて空芯コイル11a、11bのインダクタンスが変化し、それに応じた電圧が空芯コイル11a、11bの端子に発生するので差動増幅器21a,21bにそれに応じた検出信号を得ることができる。
距離パルスPLは、車輪10bの回転に応じて発生するパルスであって、距離パルス発生回路24により生成され、5.6mm走行に1個発生する5.6mm/Pの波長(周期)のパルス信号である。
データ処理装置8は、MPU81とメモリ82、インタフェース83、画像メモリ84、そしてこれらを接続するバス85等とを有し、距離パルスPLと、これに対応してA/D変換された差動増幅器21a,21bの信号をインタフェース83を介して測定データとして受けてこれらの差演算等をする。
なお、検出回路20と距離パルス発生回路24、そしてデータ処理装置8とは検測車10に搭載されている。
また、レール1本に2台ずつ設けられた継目板撮像カメラ71は、それぞれA/D25a,25bを介してデータ処理装置8に接続される。また、データ処理装置8からインタフェース83を介して4台の継目板撮像カメラ71のシャッタが操作され、各継目板撮像カメラ71の静止画が8ビット256階調の静止画としてA/D変換されて4枚のそれぞれが画像メモリ84の所定の領域にそれぞれに転送されて記憶される。
なお、各レールに対応する2枚のそれぞれの画像は、ボルト差込み穴以上の幅をもってX方向(幅方向)に重複する形で各1枚の画像が撮像される。
そして、データ処理装置8において、これら測定データの差BLa−BLbの演算した結果が図4(b)のグラフBLa−BLbである。これにより、レール継目位置の検出信号DLは、大きな波形の検出信号として得ることができる。しかし、検測車10は、上下左右に揺れて走行するので、それによる検出波形の変動も大きい。
そこで、さらに、これに所定のサンプル区間を設定して所定のサンプル数について1サンプルデータ毎に追加し、先頭の1サンプルデータを消去した移動平均を採ると、図5(a)のような特性グラフ(BLa−BLb)mを得ることができる。
DLがレール継目位置検出信号である。図5(b)に示すように、これにスライスレベルTH(閾値)を設定して検出信号DLを得ることで、図5(c)に示すレール継目位置信号DPを得ることができる。
なお、距離パルスPLからレール継目位置(継目1aの位置)を所定の範囲で含むゲートを設定してレール継目位置信号DPを抽出するようにすれば、検測車の走行途中で発生する各種のノイズが除去され、レール継目位置(継目1aの位置)を高精度に検出することができる。
以上の処理をするために、図3に示すように、データ処理装置8のメモリ82には、測定データBLa,BLbの差算出プログラム、移動平均値算出プログラム、閾値設定・レール継目位置検出プログラム等が格納され、MPU81によりこれらプログラムが順次実行される。
MPU81は、レール継目検出器6の測定データからレール継目位置信号DPを検出したときに、継目板画像採取プログラム82aをコールして実行する。プログラム81aは、これがMPU81に実行されたときには、距離パルスPLのカウントを開始して、そのカウント値がレール継目検出器6と継目板画像撮像装置7との間の距離Dに相当するものとなったときに、4台の継目板撮像カメラ71のシャッタを切って、A/D25a、25bを介して8ビット256階調の1フレームの静止画像を4枚、各レールに対応して2枚ずつ画像メモリ84にデジタル値として採取する。そして、二値化処理プログラム82bをコールする。
二値化処理の閾値は、レール3,4と直交する垂直方向をY方向としてレール3,4と平行なX方向を水平ラインとして、採取した各静止画像において、水平方向1ライン分640個の画素の明るさを積算し、この積算した明るさをその水平方向1ラインに対応するY方向の各1画素(Y座標値)に対応して算出して作業領域82hにそれをデータとして記憶し、次に、Y方向において積算値の極小値のうち最初に現れる最小明るさレベルの極小値を求めてそれを640で割って1水平ラインの1画素分の平均的な最小極小値として極小値LPを算出する。そして、これより少し上の明るいレベル最小極小値LP+αを閾値としてこれを基準に二値化し、二値化した画像データを生成する。
これにより、図6に示すような二値化画像14が得られる。
すなわち、水平方向1ライン分640個の画素の明るさを積算した場合、最初の最小極小値LPは、図6のフランジ3aの影の画像部分15において水平1ラインの最も黒レベルが多い領域の水平1ライン、図6では、15bとして示す位置の水平1ラインに当たる。そこで、これに対して最小極小値LP+αを閾値とすれば、図6のフランジ3aの影の画像部分15の領域を黒レベルに落とすことができ、それ以外を白レベルにする図6の二値化画像14を得ることができる。ただし、このとき、下側背景17bも黒レベルとなる。 これを画像メモリ84の4枚の静止画についてそれぞれ行い、二値化画像14を4枚、作業領域82hの所定の領域にそれぞれ記憶する。
なお、+αは、影の画像部分15(フランジ3aの影の画像)を黒レベルに落とす値として選択される。
図6に示すように、フランジ3aの影の画像部分(基準線帯)15は、大枠としてみると白のレベルの帯と白のレベルの帯との間に黒レベルを主体とする帯となって現れている。そこで、図7のような明るさ特性のグラフとなる。なお、極小値Lminの画素位置が黒レベル“0”とならないのは、ノイズとしての反射領域18が存在しているからである。 この基準線検出データにおいて、最大の明るさ255と最小の明るさ最小値Aの1/3のところのレベルを二値化画像14の明るさのスライスレベル(閾値)THaとして次の式により算出する。
THa=(255−A)/3+A
これが、図6におけるノイズ画像部分18を削除したときのフランジ3aの影の画像部分(基準線帯)15に対応する画素位置になる。この処理によりノイズが除去され、フランジ3aの影の画像部分15の画素幅Rと画像部分(基準線帯)15の上側の線を基準線15aとしてこの基準線のY座標の画素位置Sとが決定される。これら画素位置Sの座標と画素幅Rとを作業領域82hに記憶して継目板ボルト穴画像正規化処理プログラム82dをコールする。
黒画素カウント処理プログラム82eは、これがMPU81により実行されたときには、作業領域82hから正規化された二値化画像14を読出して、初期値としてi=0,j=0とし、Y座標の画素位置Sを基準として座標(i,S+j)において座標(0,S)からjを+1づつ更新してj=Mまで、各座標における黒画素の数をカウントしてこのカウント値Ciをメモリ82の作業領域82hに座標(0,S)とともにこれと対応して記憶する。次にiを+1インクリメントして同様に算出したカウント値Ciを座標(i,S)に記憶し、j=Nまで黒画素の数のカウントを繰り返す。
これは、図6の二値化画像14を規格化した二値化画像において下側方向に黒画素の数をY座標Sの基準線上(上側基準線15a)の各X座標に対応してカウントすることに当たる。そして、X座標値iがi>Nになったときにカウント処理を終了する。
ただし、Mは、撮像した画像に大きさや視野の変動があるので、これを考慮して図8の点線枠19の下側線19aを差込み穴の画像部分16より下で継目板の下側背景17bより上の位置になる値に設定される。また、Nは、差込み穴の検出範囲を超える値あるいはX方向の総画素数640である。
すなわち、図8(a)に示すように、iをX方向の+1づつ更新してカウント値Ciの値Pがn<P<n+pときでこれが例えば5画素以上X方向に連続しているときに穴判定候補と判定する。検出された穴候補の座標(i,S+j)の座標値は、それぞれ作業領域82hに穴候補座標として記憶されていく。
なお、n,pは、それぞれ採取した二値化画像により統計的な処理で決定される。穴候補であるので、これらn,pは、穴であるらしいという確からしさとして選択される数値であればよい。
継目板ボルト穴判定プログラム82gは、穴候補として記憶されたX方向で連続した複数個の座標(i,S+j)において、図8(b)に示すように、穴候補として記憶された座標(i,S+j)のX座標の原点側(図面左側)の境界点からX座標において前後に±20画素(総計40画素)の座標データ(i,S+j)を選択して下側基準線15cを基準として輪郭線16aを抽出し、基準線15cから下の画像について画素中心Oを算出して、その中心Oを通る黒画素の幅Wと中心Oから外側までの黒画素幅Hとを算出して、これが所定の範囲Wa<=W<=Wb,Ha<=H<=Hbに入っているか否かを判定する。 なお、Wa,Wb,Ha,Hbは、実際の各測定結果の回帰値として決定された画素数であり、例えば、Wa=10,Wb=15,Ha=4,Hb=8である。
ここでは、レール継目検出処理とボルト抜け穴検出処理とがタスク処理としてそれぞれパラレルに実行される。さらに、ボルト抜け穴検出処理は、各レールについて同時にタスク処理でパラレルに2枚の二値化静止画像を処理してそれぞれに検出処理がなされる。 まず、図面左側のレール継目検出処理から説明する。
レール継目検出処理は、レール継目検出器6からの検出信号を読込んで(ステップ101)、測定データBLa,BLbの差算出処理をし(ステップ102)、そして移動平均値(BLa−BLb)mの移動平均算出処理をし(ステップ103)、閾値設定・レール継目位置コールして閾値THを設定して、(BLa−BLb)m>THかにより、レール継目があるか否かを判定をする(ステップ104)。
ステップ104の判定結果がYESのときには、前記の検出信号DLの検出位置は、距離パルスPLによるサンプル数に応じて算出された検測車10の走行距離に対応して継目位置の測定データとして外部記憶装置(図示せず)等に記憶される(ステップ105)。そして、ボルト抜け穴検出処理プログラムをコールしてボルト抜け穴検出処理を起動する(ステップ106)。次に処理が終了か否かの判定に入り(ステップ107)、NOのときにはステップ101へ戻り、処理終了にならない限り、ステップ101〜ステップ107までの処理を循環して実行する。
なお、以上のうち、ステップ105の処理とステップ106の処理は、逆になり、ステップ106がステップ105より手前にあってもよい。
ボルト抜け穴検出処理では、カウンタをセットして距離パルスPLのカウントを開始し(ステップ201)、距離パルスPLのカウント値が所定値Kになったか否か判定して(ステップ202)、NOのときにはステップ201へと戻り、次の距離パルスPLを待って距離パルスPLをカウントする。このループで検測車10が図1に示すレール継目検出器6と継目板画像撮像装置7との距離Dだけ走行したかを所定値Kにより判定する。
距離パルスPLの数が所定値Kになったときには判定ステップ202で、YESとなり、検測車10が距離Dだけ走行したことが検出されて、継目板画像採取プログラム82aをMPU81がコールして実行する。そこで、4台の継目板撮像カメラ71のシャッタを切って継目の4枚の画像を画像メモリ84に記憶して、4枚の4画面の画像を採取し(ステップ203)、次にMPU81が二値化処理プログラム82bをコールして実行して、4枚の静止画像に対して最小極小値LP+αを閾値に二値化処理をして、図6に示す二値化画像14を4枚、作業領域82hにそれぞれ記憶する(ステップ204)。なお、このステップ204からは、前記したように各レール対応に2枚の静止画に対してパラレルの検出処理が行われる。以下、そのうち1枚の静止画についての処理を説明する。他のものも同時に同様な処理が行われている。
この判定でNOのときには画素位置SをS=S+pにより前記の検出された穴候補の座標p分にX座標を更新して(ステップ212)、S>=Nかを判定して継目板1のX座標の検査範囲の最大画素位置NあるいはN=640を超えたか否かを判定し(ステップ213)、NOのときにはステップ207に戻る。
ステップ213の判定でYESのときには、ボルト抜け穴検出処理は終了するが、レール継目検出処理が終了しない限り、ステップ104でレール継目が検出されるとボルト抜け穴検出処理が再び開始される。
このようにして、継目板1のボルト抜け穴検出が行われ、外部記憶装置にそのデータが記憶される。なお、継目板1は、検測開始地点から番号付けされて管理されてもよい。
ところで、この実施例では、上側の線を基準線としてそのY座標の画素位置Sとしているが、画素位置Sを画像部分(基準線帯)15の下側としてここを基準線としてもよいことはもちろんである。
また、実施例では、レール継目検出器として隣接して配置され相互に逆方向に巻かれた第1、第2の空芯コイルを利用した電磁センサを用いているが、レール継目検出器は、非接触型であれば、レーザ式変位センサや他の光学的なセンサを用いることができることはもちろんである。なお、実施例における電磁センサの空芯コイルの形状は一例であって、円形の空芯コイルであってもよいことはもちろんである。また、必ずしも、プログラム処理によりレール継目(継目1a)を検出する必要はない。
さらに、実施例では、ケース12は、樹脂充填の密閉形のものとしているが、これは、一部が開放されたケースであってもよい。
2a…ボルトの頭部、2b…ナット、
3,4…レール、3a…フランジ、3b…レールの頭部、
3c…ボルト差込み穴、
5…レール継目板の締結ボルトの脱落検出装置、
6…レール継目検出器、7…継目板画像撮像装置、
8…データ処理装置、10…検測車、
11…電磁センサ、
11a,11b…空芯コイル、
12…ケース、13…ブラケット、
20…検出回路、21a,21b…差動増幅器、
22a…定電圧電源回路、
23a,23b,25a,25b…A/D変換回路(A/D)、
24…距離パルス発生回路、
71…継目板撮像カメラ、72…照明光学系、
81…MPU、82…メモリ、
82a…継目板画像採取プログラム、
82b…二値化処理プログラムr
82c…影画像上の基準線検出プログラム、
82d…継目板ボルト穴画像正規化処理プログラム、
82e…黒画素カウント処理プログラム、
82f…継目板ボルト穴候補検出プログラム、
82g…継目板ボルト穴判定プログラム、
82h…作業領域、
83…インタフェース、84…画像メモリ、85…バス。
Claims (5)
- レールとレールとを連結するレール継目板の締結ボルト抜けを検出する軌道検測車のレール継目板の締結ボルトの脱落検出装置において、
前記軌道検測車に設けられ前記レール継目を検出する非接触型の継目検出器と、
前記軌道検測車において前記継目検出器に対して前記軌道検測車の走行方向に対して後方に設けられ前記レールの継目板の静止画を撮像するためのカメラと、
前記レール継目板のフランジの影が前記レール継目板の前記締結ボルトの差込み穴に重なる角度で前記レール継目板を照射する照射光学系と、
前記継目検出器の検出信号に応じて前記カメラが前記レール継目に対応する位置に来たタイミングで前記カメラのシャッタを切って前記カメラから前記静止画を採取する制御装置とを備え、
前記静止画における前記フランジの影の画像からの連続において前記締結ボルトの差込み穴に相当する画像が前記静止画にあるか否かを検出するレール継目板の締結ボルトの脱落検出装置。 - 前記照明光学系は、前記軌道検測車に搭載され、軌道面からの仰角として50°〜70°のうちの選択された角度で前記レールの内側から前記フランジの影を作る光りを前記継目板に照射するものであり、前記フランジの影の画像の上側または下側の画像ラインを基準としてそこからの画素数をカウントすることにより前記締結ボルトの差込み穴に相当する画像があるか否かを検出する請求項1記載のレール継目板の締結ボルトの脱落検出装置。
- 前記静止画は、前記レールと直交する垂直方向をY方向とし、前記レールと平行な水平方向をX方向として、前記X方向の1ライン分の画素の明るさを積算した明るさをY方向の各1画素に対応して算出して、前記Y方向において積算値の極小値のうち最初に現れる最小極小値を求めてこの最小極小値を前記水平方向1ライン分の画素の数で割った値を基準にして算出された所定の閾値で前記静止画が二値化処理され、この二値化された画像において前記締結ボルトの差込み穴に相当する画像が検出される請求項2記載のレール継目板の締結ボルトの脱落検出装置。
- 前記継目検出器は、前記レールの頭部の上部に対応して前記軌道検測車に設けられ隣接して配置され相互に逆方向に巻かれた第1、第2の空芯コイルと、
これら第1、第2の空芯コイルを収納したケースと、
前記第1、第2の空芯コイルにバイアス電流を流してこれら空芯コイルのインダクタンスの変化に対応する第1、第2の検出信号を得る検出回路とを備え、
前記第1の検出信号と第2の検出信号のレベルの差に基づいて前記継目検出器の検出信号を得る請求項3記載のレール継目板の締結ボルトの脱落検出装置。 - 前記ケースは密閉形のものであり、前記第1、第2の空芯コイルは、巻き形が三角形状の空芯コイルであって、それぞれの1辺が隣接して配置され、前記第1、第2の空芯コイルの1つの中心が前記レールの頭部の中心より外側にずれているものであって、前記継目検出器の検出信号は、前記第1の検出信号と第2の検出信号のレベルの差の移動平均値に基づいて決定される請求項4記載のレール継目板の締結ボルトの脱落検出装置。
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