JP4311214B2 - 復調装置、ディスクドライブ装置、位相調整方法 - Google Patents
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Description
光ディスクには、例えばCD、CD−ROM、DVD−ROMなどとして知られているように再生専用タイプのものと、MD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどで知られているようにユーザーデータが記録可能なタイプがある。記録可能タイプのものは、光磁気記録方式、相変化記録方式、色素膜変化記録方式などが利用されることで、データが記録可能とされる。色素膜変化記録方式はライトワンス記録方式とも呼ばれ、一度だけデータ記録が可能で書換不能であるため、データ保存用途などに好適とされる。一方、光磁気記録方式や相変化記録方式は、データの書換が可能であり音楽、映像、ゲーム、アプリケーションプログラム等の各種コンテンツデータの記録を始めとして各種用途に利用される。
更に近年、ブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)と呼ばれる高密度光ディスクが開発され、著しい大容量化が図られている。
またデータトラック上の所定の位置にデータを記録することができるようにアドレス情報を記録する必要もあるが、このアドレス情報は、グルーブをウォブリング(蛇行)させることで記録される場合がある。
このようにすると、記録時や再生時に、反射光情報として得られるウォブリング情報からアドレスを読み取ることができ、例えばアドレスを示すピットデータ等を予めトラック上に形成しておかなくても、所望の位置にデータを記録再生することができる。
このようにウォブリンググルーブとしてアドレス情報を付加することで、例えばトラック上に離散的にアドレスエリアを設けて例えばピットデータとしてアドレスを記録することが不要となり、そのアドレスエリアが不要となる分、実データの記録容量を増大させることができる。
なお、このようなウォブリングされたグルーブにより表現される絶対時間(アドレス)情報は、ATIP(Absolute Time In Pregroove)又はADIP(Adress In Pregroove)と呼ばれる。
このMSK変調とSTW変調、及びこれらを組み合わせて形成されるADIP情報について詳しくは後述するが、MSK変調は、位相が連続したFSK(Frequency Shift Keying)変調のうちの変調指数が0.5のものである。
またSTW変調は、ウォブル基本波に対して2倍の高調波を加算又は減算することで、鋸歯状波形のような変調波形を生成する変調方式である。
ブルーレイディスクに対応するディスクドライブ装置では、このようなADIP情報を再生するために、MSK復調器、STW復調器が搭載されることになる。
特にMSK/STW変調信号の復調及びADIP情報のデコードに関する技術は上記特許文献1,2,3に開示されている。
コンパレータ112は、プッシュプル信号P/Pを2値化し、PLL回路113に供給する。PLL回路113では、2値化信号に基づいて図8(b)のように、プッシュプル信号P/P、つまりウォブリンググルーブの変調信号の周波数(ウォブル周波数)のクロック(以下、変調周波数信号)を生成する。
またPLL回路113から出力される変調周波数信号は、PLL回路114及びエッジ検出回路115に供給される。
PLL回路114では、変調周波数信号を逓倍し、クロックCKを生成する。このクロックCKは、A/D変換器111のサンプリングクロックとされ、また、エッジ検出回路115、遅延回路116、カウンタ117で用いられる。
そしてエッジ検出回路115による検出パルスは遅延回路116でクロックCKの単位で所定の遅延時間が与えられてから、カウンタ117に供給される。カウンタ117は、クロックCKをカウントする動作を行うが、遅延回路116からの検出パルスが供給されたタイミングでカウントリセットを行う。つまりカウンタ117は、検出パルスによるリセットタイミングからクロックCKをカウントしていき、そのカウント値をcosテーブル121に出力する。
cosテーブル121は、内部基準波となる波形データを記憶したテーブルであり、各データがカウンタ117のカウント値に応じて読み出される。
例えばクロックCKは、ウォブル基本波形の1周期が23クロックとなる周波数であるとする。そしてカウンタ117は、ウォブル基本波形の1周期間隔でリセットされることになるため、0〜22のカウント値を繰り返し発生させることになる。
cosテーブル121では、内部基準波となるcos波形データとして、TD0〜TD22のデータを記憶しており、これがカウント値に応じて順次読み出されていく。これによって図8(c)のように、ウォブル基本波形と同一周波数の内部基準波が発生され、乗算器118に供給される。
従って乗算器118においては、変調信号データと、内部基準波データが乗算される。この乗算値は例えば図8(d)のようになる。そして乗算値は加算器119に供給され、積算される。加算器119は、遅延回路116からの検出パルスによってリセットされる。つまり加算器119はカウンタ117と同タイミングでリセットされる。従って加算器では、1ウォブル基本波形周期の間で乗算値の積算を行うことになる。例えば23サンプルの乗算結果を積算する動作を繰り返す。
するとその積算値(乗算後加算値)は、図8(e)のように推移する。このような加算器119の出力は正負判定回路120で正負判定され、判定結果がMSK復調信号となる。例えば加算器119の出力に対して所定タイミングでサンプル/ホールドし、ホールド値の正負を判別する(2値化する)ことで、復調信号を得る。即ち図8に示されるように、入力される変調信号においてウォブル基本波の区間では乗算後加算値は正方向に推移する。一方、MSKマークの区間では乗算後加算値が負方向に推移する。従って、これを正負判定することでMSKマークと基本波を判別する復調信号が得られる。
例えば図9に、入力される変調信号(図9(a))と内部基準波(図9(c))の位相が大きくずれた場合を示している。この場合、乗算値は図9(d)のようになり、乗算後加算値は図9(e)のようになる。この乗算後加算値は、位相が合っている場合の図8(e)の乗算後加算値と比較してわかるように、正負判定の際にエラーの生じやすい状態となっている。
上記のようにクロックCKは、1ウォブル基本波形周期において23クロックとなる周波数であるとするとき、遅延回路116での遅延量を変更することで、1/23周期単位で内部基準波の位相を調整できることになる。つまり図19(a)のウォブル基本波形周期においてクロックCKが23クロックとなる場合、カウンタ117のリセットタイミングがクロックタイミング単位で可変されることになるため、cosテーブル121から出力されるデータTD0〜TD22のタイミングを、図19(c)(d)(e)・・・のように変化させ、内部基準波の位相を変更することができる。
このようにして変調信号に対して乗算器118で乗算する内部基準波の位相を合わせるように調整すれば、位相ズレによる復調エラーを回避できる。
ただし、このようなことに対しては、クロックCKの周波数を高くすれば良いものと言える。クロックCKの周波数が高くすれば、遅延回路116での遅延量もそれだけ細かい段階で調整でき、これによって内部基準波の位相も精密に調整できる。特に上記特許文献3には、サンプリング周波数を高めて信号波形の位相分解能を上げる方式が示されている。
また、この場合において、上記内部基準波発生手段は、上記基準タイミング信号生成手段からの基準タイミング信号によりリセットされるとともに、上記クロック信号タイミングでカウントを行うカウンタと、それぞれが上記クロック信号の1クロック周期の範囲内で位相の異なる内部基準波のデータを保持するとともに、それぞれが上記カウンタからのカウント値によって指定されるデータを出力するようにされた複数のテーブルとから構成されるようにし、上記選択手段は、上記複数のテーブルのうちの1つを選択する構成とする。
この場合上記デコード手段は、上記ウォブリンググルーブとして記録された情報として、ディスク記録媒体上のアドレス情報を得る。
また上記変調信号はSTW変調信号であり、上記内部基準波発生手段は、STW変調信号の基準波の二次高調波となる内部基準波を出力する。
特に、ディスクドライブ装置における高転送レートでの動作において、ディスクの高速回転とともに回路動作周波数を上げる事ができない場合、どうしてもサンプリング間隔が相対的にまばらになり、隣接トラックからのクロストーク、書き込み後の反射率の低下ウォブル信号の悪化によりMSK復調データ、STW復調データを正しく読めなくなる傾向にあるが、本発明によればクロック周波数を上げることなく位相調整の分解能を上げることができるため、ウォブルに変動が加わっても十分に復調でき、アドレスが正しく読み出せることとなる。さらにこれによっては、正しくアドレス情報が読み出されるまでの無駄時間が短縮され、またばらつきの大きい記録再生メディアに対しても安定に記録再生することができるという利点も生ずる。
また、適切な位相調整により、ピックアップ部の特性のばらつきに対しても、ウォブルアドレス復調能力を維持することができるため、ピックアップ部の歩留まりを改善することもできる。
1.MSK変調、STW変調、及びADIP
2.ディスクドライブ装置の構成
3.MSK復調器
4.STW復調器
5.実施の形態の効果及び変形例
本発明の実施の形態に対応する光ディスク1は、図1(a)に示すように、記録トラックとなるグルーブGVが形成されている。このグルーブGVは、内周側から外周側へスパイラル状に形成されている。そのため、この光ディスク1の半径方向の切断面を見ると、図1(b)に示すように、凸状のランドLと、凹状のグルーブGVとが交互に形成されることとなる。なお、図1(a)のスパイラル方向は、光ディスク1を記録面側から見た状態であり、複数の記録層を有するディスクの場合、各記録層でスパイラル状態が異なる場合がある。
このウォブル信号には、その記録位置における記録トラックのアドレス情報(物理アドレスやその他の付加情報等)が変調されている。そのため、光ディスクドライブでは、このウォブル信号からアドレス情報等を復調することによって、データの記録や再生の際のアドレス制御等を行うことができる。
MSK変調は、位相が連続したFSK(Frequency Shift Keying)変調のうちの変調指数が0.5のものである。FSK変調は、周波数f1と周波数f2の2つのキャリア信号に対して、被変調データの符号の“0”,“1”をそれぞれ対応させて変調する方式である。つまり、被変調データが“0”であれば周波数f1の正弦波波形を出力し、被変調データが“1”であれば周波数f1の正弦波波形を出力する変調方式である。さらに、位相が連続したFSK変調の場合には、被変調データの符号の切り換えタイミングにおいて、2つのキャリア信号の位相が連続する。
このFSK変調では、変調指数mというものが定義される。この変調指数mは、
m=|f1−f2|T
で定義される。ここで、Tは、被変調データの伝送速度(1/最短の符号長の時間)である。このmが0.5の場合の位相連続FSK変調のことを、MSK変調という。
上記のようにモノトーンウォブルをCos(ωt)と表現すると、MSK変調に用いられる2つの周波数は、一方を基準キャリア信号と同一の周波数とし、他方を基準キャリア信号の1.5倍の周波数とするため、MSK変調に用いられる信号波形は、一方がCos(ωt)又は−Cos(ωt)となり、他方がCos(1.5ωt)又は−Cos(1.5ωt)となる。
そして図2(a)の波形では、2つのモノトーンウォブルと、MSK変調領域と、2つのモノトーンウォブルを示しており、その場合、MSKストリームの信号波形は、1ウォブル周期毎に、Cos(wt),Cos(wt),Cos(1.5wt),-Cos(wt),-Cos(1.5wt),Cos(wt)といった波形となる。なお図面では、モノトーンウォブルのCos(ωt)=cos{2π・(fwob)・t}として示しており(fwobは基準キャリア周波数)、従って、MSK変調領域としての3ウォブル期間は、MM1=cos{2π・(1.5・fwob)・t}、MM2=−cos{2π・(fwob)・t}、MM3=−cos{2π・(1.5・fwob)・t}となる。
このように1個目のウォブル周期期間(MM1)はモノトーンウォブルの1.5倍の周波数、2個目(MM2)はモノトーンウォブルと同じ周波数、3個目(MM3)はモノトーンウォブルの1.5倍の周波数とされ、この3ウォブル期間で位相が戻る。つまり前後のモノトーンウォブルと位相が連続した状態であり、しかも2個目のウォブル(MM2)はモノトーンウォブルに対して極性が反転したものとなる。
光ディスク1のウォブル信号にMSK変調方式で被変調データを挿入する場合、まず、被変調データのデータストリームに対して、ウォブル周期に対応するクロック単位で差動符号化処理をする。すなわち、被変調データのストリームと、基準キャリア信号の1周期分遅延させた遅延データとを差分演算する。この差動符号化処理をしたデータを、プリコードデータとする。続いて、このプリコードデータをMSK変調して、上記のようなMSKストリームを生成する。
STW変調は、上述のように正弦波のキャリア信号に対して偶数次の高調波信号を付加し、当該高調波信号の極性を被変調データの符号に応じて変化させることによってデジタル符号を変調する変調方式である。
光ディスク1では、STW変調のキャリア信号は、上記MSK変調のキャリア信号である基準キャリア信号(Cos(ωt))と同一周波数及び位相の信号としている。付加する偶数次の高調波信号は、基準キャリア信号(Cos(ωt))の2次高調波であるSin(2ωt)、−Sin(2ωt)とし、その振幅は、基準キャリア信号の振幅に対して−12dBの振幅としている。被変調データの最小符号長は、ウォブル周期(基準キャリア信号の周期)の2倍としている。
そして、被変調データの符号が“1”のときにはSin(2ωt)をキャリア信号に付加し、“0”のときには−Sin(2ωt)をキャリア信号に付加して変調を行うものとする。
なお図面では、モノトーンウォブルのCos(ωt)=cos{2π・(fwob)・t}として示しており、従って、STW変調信号は、被変調データが“1”の場合、cos{2π・(fwob)・t}+a・sin{2π・(2・fwob)・t}となり、被変調データが“0”の場合、cos{2π・(fwob)・t}−a・sin{2π・(2・fwob)・t}となるとして示している。
図からわかるように、このSTW信号波形は、ディスク外周側に急峻に立ち上がり、内周側に緩やかに戻る波形と、その逆にディスク外周側に緩い傾斜で立ち上がって急峻に戻る波形となり、これによって「1」「0」の値が表現される。またどちらの波形の場合も、破線で示すモノトーンウォブルMWと共通のゼロクロスポイントを有するものとなる。従ってMSK方式のモノトーンウォブルMWの部分と共通の基本波成分からクロックを抽出するに当たって、その位相に影響を与えない。
なお、光ディスク1では、キャリア信号に加える高調波信号を2次高調波としているが、2次高調波に限らず、偶数次の高調波であればどのような信号を加算してもよい。また光ディスク1では、2次高調波のみを加算しているが、2次高調波と4次高調波との両者を同時に加算するといったように複数の高調波信号を同時に加算しても良い。
図3(b)に8種類のADIPユニットを示す。8種類とは、モノトーンユニット、リファレンスユニット、シンク0ユニット、シンク1ユニット、シンク2ユニット、シンク3ユニット、データ1ユニット、データ0ユニットである。
8種類の全てのADIPユニットでは、先頭のウォブル番号0,1,2はMSKマークとされる。
モノトーンユニットは、MSKマークに続くウォブル番号3〜55が全てモノトーンウォブルで構成される。
リファレンスユニットは、ウォブル番号18〜54が、0値を示すSTW変調ウォブルとなる。
シンク0ユニット、シンク1ユニット、シンク2ユニット、シンク3ユニットは、それぞれシンク情報の為のADIPユニットであり、図示するようにそれぞれ所定ウォブル番号位置にMSKマークが配置される。
データ1ユニットは値「1」を表現し、またデータ0ユニットは値「0」を表現するユニットである。データ1ユニットの場合、ウォブル番号12〜14にMSKマークが配され、またウォブル番号18〜54が、値「1」のSTW変調ウォブルとされる。データ0ユニットの場合、ウォブル番号14〜16にMSKマークが配され、またウォブル番号18〜54が、値「0」のSTW変調ウォブルとされる。
即ち図4に示すように、ADIP情報の1単位は、ADIPユニット0〜82により形成される。そしてADIPユニットナンバ0から7が、モノトーンユニット、シンク0ユニット、モノトーンユニット、シンク1ユニット、モノトーンユニット、シンク2ユニット、モノトーンユニット、シンク3ユニットとされる。
ADIPユニットナンバ8以降は、リファレンスユニット及び4ビット分のデータユニットとしての5つのユニットが繰り返し配される。そして各データユニット(例えばdata[0]、data[1]、data[2]、data[3]・・・data[59])は、上記データ1ユニット、データ0ユニットのいずれかとされることで、ADIP情報としての60ビットの値が示される。この60ビットには、アドレス値、付加情報、ECCパリティ等が含まれる。
次に、上記のようなディスク1に対応して記録/再生を行うことのできるディスクドライブ装置を説明する。図5はディスクドライブ装置の構成を示す。
ディスク1は、図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ52によって一定線速度(CLV)で回転駆動される。
そして光学ピックアップ(光学ヘッド)51によってディスク1上のグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報の読み出しがおこなわれる。
なお、ディスク1上には、再生専用の管理情報として例えばディスクの物理情報等がエンボスピット又はウォブリンググルーブによって記録されるが、これらの情報の読出もピックアップ51により行われる。
またデータ記録時には光学ピックアップによってトラックにユーザーデータがフェイズチェンジマークとして記録され、再生時には光学ピックアップによって記録されたマークの読出が行われる。
またピックアップ51全体はスレッド機構53によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップ51におけるレーザダイオードはレーザドライバ63からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
マトリクス回路54には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
マトリクス回路54から出力される再生データ信号はリーダ/ライタ回路55へ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号はサーボ回路61へ、プッシュプル信号はウォブル回路58へ、それぞれ供給される。
変復調回路56は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。
再生時にはデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。
またECCエンコーダ/デコーダ57は、記録時にエラー訂正コードを付加するECCエンコード処理と、再生時にエラー訂正を行うECCデコード処理を行う。
再生時には、変復調回路56で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、エラー検出/訂正処理及びデインターリーブ等の処理を行い、再生データを得る。
ECCエンコーダ/デコーダ57で再生データにまでデコードされたデータは、システムコントローラ60の指示に基づいて読み出され、AV(Audio-Visual)システム120に転送される。
アドレスデコーダ59は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、システムコントローラ60に供給する。
またアドレスデコーダ59はウォブル回路58から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
なおウォブル回路58におけるMSK復調、STW復調を行う構成は後述する。
この場合ECCエンコーダ/デコーダ57は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。
またECCエンコードされたデータは、変復調回路56においてRLL(1−7)PP方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))の変調が施され、リーダ/ライタ回路55に供給される。
記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックは上述したようにウォブル信号から生成したクロックを用いる。
レーザドライバ63では供給されたレーザドライブパルスをピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスク1に記録データに応じたピット(フェイズチェンジマーク)が形成されることになる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、ピックアップ51内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ51、マトリクス回路54、サーボ回路61、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
またサーボ回路61は、システムコントローラ60からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
またサーボ回路61は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ60からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッド機構53を駆動する。スレッド機構53には、図示しないが、ピックアップ51を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、ピックアップ51の所要のスライド移動が行なわれる。
スピンドルサーボ回路62は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、リーダ/ライタ回路55内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路62は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ62のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路62は、システムコントローラ60からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ52の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
システムコントローラ60は、AVシステム120からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
例えばAVシステム120から書込命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ60は、まず書き込むべきアドレスにピックアップ51を移動させる。そしてECCエンコーダ/デコーダ57、変復調回路56により、AVシステム120から転送されてきたデータ(例えばMPEG2などの各種方式のビデオデータや、オーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そして上記のようにリーダ/ライタ回路55からのレーザドライブパルスがレーザドライバ63に供給されることで、記録が実行される。
その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム120に転送するために必要な動作制御を行う。即ちディスク1からのデータ読出を行い、リーダ/ライタ回路55、変復調回路56、ECCエンコーダ/デコーダ57におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
さらには他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられたり、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図5とは異なるものとなる。つまり、ユーザーの操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。
もちろん構成例としては他にも多様に考えられ、例えば記録専用装置、再生専用装置としての例も考えられる。
上記図6に示したMSK復調器10の構成を図7に示す。図8、図9を参照しながら説明する。
コンパレータ12は、オペアンプ、コンパレータアンプで構成され、プッシュプル信号P/Pを2値化する。そして2値化したプッシュプル信号P/PをPLL回路13に供給する。
PLL回路13では、2値化信号に基づいて図8(b)のように、プッシュプル信号P/P、つまりウォブリンググルーブの変調信号の周波数(ウォブル周波数)のクロック(以下、変調周波数信号)を生成する。なおPLL回路13はデジタル回路を用いてもよい。
PLL回路14では、変調周波数信号を逓倍し、クロックCKを生成する。このクロックCKは、A/D変換器11のサンプリングクロックとされ、また、エッジ検出回路15、遅延回路16、カウンタ17で用いられる。PLL回路14も、アナログ回路、デジタル回路のいずれで構成しても良い。
なおエッジ検出回路15としては、立ち上がりエッジを検出する回路であればどのような構成でもよく、例えばフリップフロップを用いるほか、抵抗とコンデンサーとアンド回路などで構成してもよい。また、立下りエッジ回路を用いてもよい。
遅延回路16を介した検出パルスはカウンタ17に供給される。
カウンタ17は、クロックCKをカウントする動作を行うが、遅延回路16からの検出パルスが供給されたタイミングでカウントリセットを行う。つまりカウンタ17は、検出パルスによるリセットタイミングからクロックCKをカウントしていき、そのカウント値をテーブル群21に対してテーブルのアドレスとして出力する。
例えばクロックCKは、ウォブル基本波形の1周期が23クロックとなる周波数であるとする。そしてカウンタ17は、ウォブル基本波形の1周期間隔でリセットされることになるため、0〜22のカウント値を繰り返し発生させることになる。
各テーブルTB0〜TBnの波形データとしては、例えばTD0〜TD22の23個のデータが記憶されている。これが上記0〜22のカウント値に応じて順次読み出されていくことで、図8(c)のように、ウォブル基本波形と同一周波数の内部基準波が発生される。
ただし、各テーブルTB0〜TBnに記憶されている内部基準波の波形は、それぞれが少しづつ位相がずらされた波形とされている。つまり各テーブルTB0〜TBnのデータTD0〜TD22は、それぞれ位相をずらしたウォブル1周期の波形を示すデータとされている。各テーブルTB0〜TBnの位相差については後述する。
また、カウンタ17,テーブル群21、選択回路22は、後述するように多様な位相状態で内部基準波を発生する構成例の1つであるが、同様の動作が実行されれば構成は限定されず、例えばカウンタ17を例えばシステムコントローラ60からの設定により1の増減ではなくn個の増減で動作させ、n個のテーブルを融合して1つのテーブルとする構成も考えられる。
乗算器18においては、A/D変換器11からの変調信号データと、選択回路22で選択されたテーブルTBxからの内部基準波データが乗算される。この乗算値は例えば図8(d)のようになる。そして乗算値は加算器19に供給され、積算される。加算器19は、遅延回路16からの検出パルスによってリセットされる。つまり加算器19はカウンタ17と同タイミングでリセットされる。従って加算器では、1ウォブル基本波形周期の間で乗算値の積算を行うことになる。例えば23サンプルの乗算結果を積算する動作を繰り返す。
するとその積算値(乗算後加算値)は、図8(e)のように推移する。このような加算器19の出力は正負判定回路20で正負判定され、判定結果がMSK復調信号となる。
加算器19が2の補数表現で積算値を出力する場合は、正負判定回路20は、その最上位ビットを出力する構成とされれば良い。もちろん数値の正負を判定するものであれば他のものでもよく正負の判定はコンパレータ回路を用いてもよい。
この図8は、乗算器18に与えられるプッシュプル信号P/Pと内部基準波の位相が一致している状態である。即ち位相が一致しているときに一番よい復調結果が得られる。一方、図9にはプッシュプル信号P/Pと内部基準波の位相がずれた場合を示しているが、上述もしたように、この場合は復調精度が悪化することになる。
先に図19によっても述べたが、仮に或る1つのテーブルTBxを選択した状態で、遅延回路16による遅延時間を変化させ、カウンタ17のリセットタイミングを変化させることで行う位相調整は、1クロック単位での調整となる。ウォブル1周期を23クロック期間とする場合、内部基準波は、1/23周期単位で位相調整できることになる。例えば図12は、或るテーブルTBxから出力される内部基準波として、遅延時間調整によって1/23周期単位で位相調整できる様子を示している。
入力されるプッシュプル信号P/Pの位相が、クロックCKの位置で常にゼロクロスする波形であれば、遅延回路16による位相調整で問題ないが、回路動作の遅延等で内部動作クロックサンプリングのタイミングにより位相がずれる事がある。また動作周波数を下げるとサンプリングの間隔が大きくなり位相差が大きくなる。従ってクロック単位よりさらに精細な位相調整を行う必要が生ずる。
図10に、各テーブルTB0〜TB7に記憶される波形データ例を示している。図示するように、各テーブルTB0〜TB7に記憶されるデータは、それぞれが1/8クロック期間だけ位相がずれたデータとなっている。特に図10の破線Sの部分を拡大して図11に示しているが、図11に明瞭に示されるように、クロックCKによるサンプリング間隔の内で位相がずれるように、各テーブルTB0〜TBnのデータTDが設定されている。
テーブル数=(1/2)・2ADB×Sin(2π/S)
但し、ADBはA/D変換器11のビット数、Sは入力信号1周期のサンプル数である。
例えばA/D変換器11のビット数が6ビットで、入力信号1周期のサンプル数が上記のように23個である場合、上記式によるテーブル数は8.6となり、テーブル数は8個ないし9個が適正であるといえる。
例えば位相調整の制御信号を8ビット値で出力する。遅延回路16に対しては23クロックの間で遅延時間を調整するため、上位5ビットの制御値を与える。また選択回路22に対しては8個のテーブルの1つを指示するため、下位3ビットの制御値を与える。
ステップF101で、遅延回路16の遅延量を最初の値に設定する。そしてステップF102でその状態でADIP再生動作を実行させ、アドレスデコーダ59から復調エラーレートを取得し、現在の遅延量設定値に対応させて記憶する。
例えばこのステップF101,F102の処理を、ステップF103からF101に戻りながら繰り返す。即ち、23段階の遅延量を順次設定し、それぞれに対してエラーレートを取得する。23段階の各遅延量に対応してエラーレートが記憶できたら、ステップF103からステップF104に進み、最適な遅延量を判別する。即ちエラーレートとして最も良い遅延量を判別し、遅延回路16の遅延量を決定する。
全てのテーブルTB0〜TB7についてエラーレートが記憶できたら、ステップF108に進み、最適なテーブルを設定する。つまりエラーレートが最も良いテーブルに決定する。
つまり本例によれば、サンプリング周波数を上げること無しに内部基準波の位相を精度良く調整でき、これによってMSK復調精度を向上させることができる。
なお通常は、このような調整がディスクドライブ装置の製造段階で一度行われれば、以降はその調整状態に固定されればよい。特にクロックタイミングに対する入力信号の位相ズレは、回路の素子の特性等によるものであるため、テーブルTB0〜TBnで調整されるべき位相ズレ量はほぼ固定的なためである。
但しもちろん諸事情で位相ズレによる復調性能の低下が生ずることもあり、これに対応するため、適宜図13のような調整が行われるようにすることも考えられる。
次に、図6に示したSTW復調器30について説明する。STW復調器30は、基本的にはMSK復調器10とほぼ同様の構成でSTW復調を行う。図14にSTW復調器30の構成を示す。図15,図16を参照しながら説明する。
コンパレータ32はプッシュプル信号P/Pを2値化してPLL回路33に供給する。
PLL回路33では、2値化信号に基づいて図15(b)のように、ウォブル周波数のクロック(変調周波数信号)を生成する。
PLL回路34では、変調周波数信号を逓倍し、クロックCKを生成する。このクロックCKは、A/D変換器31のサンプリングクロックとされ、また、エッジ検出回路35、遅延回路36、カウンタ37で用いられる。
エッジ検出回路35は、変調周波数信号の立ち上がりエッジを検出し、立ち上がりエッジの検出パルスを出力する。この検出パルスはウォブル周波数信号の基準タイミングの情報となる。
遅延回路36を介した検出パルスはカウンタ37に供給される。
カウンタ37は、クロックCKをカウントする動作を行うが、遅延回路36からの検出パルスが供給されたタイミングでカウントリセットを行う。つまりカウンタ37は、検出パルスによるリセットタイミングからクロックCKをカウントしていき、そのカウント値をテーブル群41に対してテーブルのアドレスとして出力する。
例えばクロックCKは、ウォブル基本波形の1周期が23クロックとなる周波数であるとする。そしてカウンタ37は、ウォブル基本波形の1周期間隔でリセットされることになるため、0〜22のカウント値を繰り返し発生させることになる。
各テーブルTB0〜TBnの波形データとしては、例えばTD0〜TD22の23個のデータが記憶されている。これが上記0〜22のカウント値に応じて順次読み出されていくことで、図15(c)のように、ウォブル基本波形の2次高調波となる内部基準波が発生される。
ただし、各テーブルTB0〜TBnに記憶されている内部基準波の波形は、それぞれが少しづつ位相がずらされた波形とされている。つまり各テーブルTB0〜TBnのデータTD0〜TD22は、それぞれ位相をずらしたウォブル1周期の波形を示すデータとされている。
乗算器38においては、A/D変換器31からの変調信号データと、選択回路42で選択されたテーブルTBxからの内部基準波データが乗算される。この乗算値は例えば図15(d)のようになる。そして乗算値は加算器39に供給され、積算される。加算器39は、後段のアドレスデコーダ59からのSTWエリア信号によってイネーブル状態に制御される。またエッジ検出回路43でSTWエリア信号のエッジが検出され、そのエッジ検出信号によってクリアされる。
つまりこの場合、加算器39は、例えば図3(b)に示したADIPユニットのSTW変調信号の範囲で乗算値の積算を行うように制御され、1ADIPユニット毎にリセットされる。例えばウォブル番号18〜54の区間において積算を行う。
するとその積算値(乗算後加算値)は、図15(e)のように推移する。このような加算器19の出力は正負判定回路40で正負判定され、判定結果がSTW復調信号となる。
この図15は、乗算器38に与えられるプッシュプル信号P/Pと内部基準波(二次高調波)の位相が一致している状態である。即ち位相が一致しているときに一番よい復調結果が得られる。一方、図16に同様の波形を示すが、この図16はプッシュプル信号P/Pと内部基準波の位相がずれた場合を示している。この場合図16(e)からわかるように、乗算後加算値の推移が曖昧になり、正確な正負判定が困難な状態になって復調精度が悪化することになる。
基本的に上記MSK復調器10の場合と同様であるため詳細な説明は省略するが、この場合、テーブルTB0〜TBnとして16個のテーブル(TB0〜TB15)を用意する。
そしてテーブルTB0〜TB15により、1クロック期間の1/16期間単位で位相をずらした二次高調波としての内部基準波系を用意するものである。
図17に、上記図11と同様にゼロクロス近辺での、各テーブルTB0〜TB15の位相のずれた波形の様子を示している。即ち各テーブルTB0〜TB15では、クロックCKによるサンプリング間隔の内で位相がずれるように、それぞれのデータTDが設定されている。
テーブル数=(1/2)・2ADB×Sin(4π/S)
で計算できる。この場合も、ADBはA/D変換器31のビット数、Sは入力信号1周期のサンプル数である。すると、例えばA/D変換器31のビット数が6ビットで、入力信号1周期のサンプル数が上記のように23個である場合、テーブル数は16個程度が適切となる。
そして選択回路42でテーブル群41の内の1つのテーブルを選択することで、遅延回路36での位相調整に加えて、より精細な位相調整が可能となることは、上記MSK復調器10の場合と同様である。つまりこの場合も、サンプリング周波数を上げること無しに、高精度な位相調整が実現でき、もってSTW復調性能を向上させることができる。
位相調整は、システムコントローラ60が遅延回路36の遅延量及び選択回路42の選択動作を制御することによって行われるが、この場合も、上記図13のような手順で位相調整が行われればよい。
なお、STW復調器30の構成や位相調整動作タイミングについては、上記MSK復調器10の場合と同様に多様に考えられる。
以上の説明からわかるように本実施の形態では、入力される変調信号波に内部基準波を演算することによって復調を行なうMSK復調器10、STW復調器30において、内部基準波のテーブルTBとして1クロック周期内で位相を変えたテーブル(数値表)を複数備え、複数のテーブルTB0〜TBnのうちで1つを選択できる構成をとる。これにより、内部基準波を生成するクロックと入力される変調信号の位相に差がある場合でも、その位相差を解消するように内部基準波の位相を調整し、位相のそろった波形で復調のための演算を行うことができるため、ノイズの多い入力信号(変調信号)に対しても、正しく復調できるようになるという効果がある。
特に、ディスクドライブ装置における高転送レートでの動作において、ディスクの高速回転とともに回路動作周波数を上げる事ができない場合、どうしてもサンプリング間隔が相対的にまばらになり、隣接トラックからのクロストーク、書き込み後の反射率の低下ウォブル信号の悪化によりMSK復調データ、STW復調データを正しく読めなくなる傾向にあるが、本例によればクロック周波数を上げることなく位相調整の分解能を上げることができるため、ウォブルに変動が加わっても十分に復調でき、アドレスが正しく読み出せることとなる。さらにこれによっては、正しくアドレス情報が読み出されるまでの無駄時間が短縮され、またばらつきの大きい記録再生メディアに対しても安定に記録再生することができるという利点も生ずる。
また、適切な位相調整により、ピックアップ51の特性のばらつきに対しても、ウォブルアドレス復調能力を維持することができるため、ピックアップ51の歩留まりを改善することもできる。
例えば図7のMSK復調器10と図14のSTW復調器30では、共にA/D変換器(11、31)、コンパレータ(12、32)、PLL回路(13、33)、PLL回路(14、34)を備えているが、これらは、MSK復調器10とSTW復調器30の両方に別個に設けられることは必ずしも必要ではなく、両復調器で共用される回路系とされてもよい。
また、テーブル群21,41におけるテーブルTBには、cos波形、sin波形のいずれのデータが格納されるものであってもよい。
また、位相調整手順は図13の例に限られない。例えば遅延時間調整とテーブル選択の全ての組み合わせでADIP再生を行い、エラーレートが最適になる組み合わせを判別するようにしてもよい。
また上記例では相変化記録方式のディスクのウォブリンググルーブによる情報の復調装置としての例を挙げたが、本発明は、色素膜変化方式、光磁気記録方式など、他の記録方式のディスクのウォブリンググルーブ復調にも適用できる。
また、本例で示した位相調整方式はクロック周波数以上の分解能を得ることが可能であることで、多様な装置に適用できる。即ち上記のように光ディスクのウォブルアドレス復調に応用できるだけでなく、MSK変調やSTW変調を用いた信号伝送復調装置などにも適用できる。
Claims (10)
- 入力された変調信号に基づいて、変調周波数信号、及び変調周波数信号を逓倍したクロック信号を生成する信号生成手段と、
上記入力された変調信号を上記クロック信号でサンプリングしてデジタルデータとしての変調信号データを出力するA/D変換手段と、
上記変調周波数信号に基づいて基準タイミング信号を生成するとともに、該基準タイミング信号に対して上記クロック信号単位で遅延を与える基準タイミング信号生成手段と、
上記クロック信号の1クロック周期の範囲内で位相の異なる複数の内部基準波を、上記基準タイミング信号を基準として発生させることのできる内部基準波発生手段と、
上記内部基準波発生手段による複数の内部基準波のうちの1つを選択する選択手段と、
上記選択手段で選択された上記内部基準波のデータと、上記A/D変換手段から出力される変調信号データとの乗算を行い、その乗算結果を積算した値から復調信号を得る復調手段と、
上記基準タイミング信号生成手段における上記遅延の時間を段階的に変化させながら復調動作の評価値を取得していくことで最適な遅延時間を判別して上記遅延の時間を設定し、さらに上記最適な遅延時間が設定された状態で、上記選択手段により上記内部基準波発生手段による複数の内部基準波のそれぞれを順次選択しながら復調動作の評価値を取得していくことで最適な内部基準波を判別して上記選択手段を最適な内部基準波の選択状態に設定することで、上記内部基準波の位相調整を行う位相調整手段と、
を備えたことを特徴とする復調装置。 - 上記内部基準波発生手段は、
上記基準タイミング信号生成手段からの基準タイミング信号によりリセットされるとともに、上記クロック信号タイミングでカウントを行うカウンタと、
それぞれが上記クロック信号の1クロック周期の範囲内で位相の異なる内部基準波のデータを保持するとともに、それぞれが上記カウンタからのカウント値によって指定されるデータを出力するようにされた複数のテーブルと、
から構成されるとともに、
上記選択手段は、上記複数のテーブルのうちの1つを選択する構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の復調装置。 - 上記変調信号はMSK変調信号であり、
上記内部基準波発生手段は、MSK変調信号の基準波と同一周波数の内部基準波を出力することを特徴とする請求項1に記載の復調装置。 - 上記変調信号はSTW変調信号であり、
上記内部基準波発生手段は、STW変調信号の基準波の二次高調波となる内部基準波を出力することを特徴とする請求項1に記載の復調装置。 - ディスク記録媒体上でウォブリンググルーブとして記録された変調信号を読み出す読出手段と、
上記読出手段で読み出された変調信号に基づいて、変調周波数信号、及び変調周波数信号を逓倍したクロック信号を生成する信号生成手段と、
上記読出手段で読み出された変調信号を上記クロック信号でサンプリングしてデジタルデータとしての変調信号データを出力するA/D変換手段と、
上記変調周波数信号に基づいて基準タイミング信号を生成するとともに、該基準タイミング信号に対して上記クロック信号単位で遅延を与える基準タイミング信号生成手段と、
上記クロック信号の1クロック周期の範囲内で位相の異なる複数の内部基準波を、上記基準タイミング信号を基準として発生させることのできる内部基準波発生手段と、
上記内部基準波発生手段による複数の内部基準波のうちの1つを選択する選択手段と、
上記選択手段で選択された上記内部基準波のデータと、上記A/D変換手段から出力される変調信号データとの乗算を行い、その乗算結果を積算した値から復調信号を得る復調手段と、
上記基準タイミング信号生成手段における上記遅延の時間を段階的に変化させながら復調動作の評価値を取得していくことで最適な遅延時間を判別して上記遅延の時間を設定し、さらに上記最適な遅延時間が設定された状態で、上記選択手段により上記内部基準波発生手段による複数の内部基準波のそれぞれを順次選択しながら復調動作の評価値を取得していくことで最適な内部基準波を判別して上記選択手段を最適な内部基準波の選択状態に設定することで、上記内部基準波の位相調整を行う位相調整手段と、
上記復調手段で復調された復調信号をデコードし、上記ウォブリンググルーブとして記録された情報を得るデコード手段と、
を備えたことを特徴とするディスクドライブ装置。 - 上記デコード手段は、上記ウォブリンググルーブとして記録された情報として、ディスク記録媒体上のアドレス情報を得ることを特徴とする請求項5に記載のディスクドライブ装置。
- 上記内部基準波発生手段は、
上記基準タイミング信号生成手段からの基準タイミング信号によりリセットされるとともに、上記クロック信号タイミングでカウントを行うカウンタと、
それぞれが上記クロック信号の1クロック周期の範囲内で位相の異なる内部基準波のデータを保持するとともに、それぞれが上記カウンタからのカウント値によって指定されるデータを出力するようにされた複数のテーブルと、
から構成されるとともに、
上記選択手段は、上記複数のテーブルのうちの1つを選択する構成とされていることを特徴とする請求項5に記載のディスクドライブ装置。 - 上記読出手段で読み出された変調信号はMSK変調信号であり、
上記内部基準波発生手段は、MSK変調信号の基準波と同一周波数の内部基準波を出力することを特徴とする請求項5に記載のディスクドライブ装置。 - 上記読出手段で読み出された変調信号はSTW変調信号であり、
上記内部基準波発生手段は、STW変調信号の基準波の二次高調波となる内部基準波を出力することを特徴とする請求項5に記載のディスクドライブ装置。 - 入力された変調信号に基づいて、変調周波数信号、及び変調周波数信号を逓倍したクロック信号を生成する信号生成手段と、
上記入力された変調信号を上記クロック信号でサンプリングしてデジタルデータとしての変調信号データを出力するA/D変換手段と、
上記変調周波数信号に基づいて基準タイミング信号を生成するとともに、該基準タイミング信号に対して上記クロック信号単位で遅延を与える基準タイミング信号生成手段と、
上記クロック信号の1クロック周期の範囲内で位相の異なる複数の内部基準波を、上記基準タイミング信号を基準として発生させることのできる内部基準波発生手段と、
上記内部基準波発生手段による複数の内部基準波のうちの1つを選択する選択手段と、
上記選択手段で選択された上記内部基準波のデータと、上記A/D変換手段から出力される変調信号データとの乗算を行い、その乗算結果を積算した値から復調信号を得る復調手段と、
を備えた復調装置における、上記内部基準波の位相調整方法として、
上記基準タイミング信号生成手段における上記遅延の時間を段階的に変化させながら復調動作の評価値を取得していき、最適な遅延時間を判別して設定する遅延時間設定ステップと、
上記最適な遅延時間が設定された状態で、上記内部基準波発生手段による複数の内部基準波のそれぞれを順次選択しながら復調動作の評価値を取得していき、最適な内部基準波を判別し、上記選択手段を最適な内部基準波の選択状態に設定する内部基準波選択ステップと、
を備えることを特徴とする位相調整方法。
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