JP4311001B2 - 消臭性繊維及びそれを用いた繊維成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消臭性繊維に関する。更に詳しくは、おむつ、ナプキン等の吸収性物品、医療衛生材、生活関連材、一般医療材、寝装材、フィルター材、介護用品、及びペット用品等の用途として適した消臭性繊維またはこれを用いた繊維成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活様式の変化、居住環境の高密度化や機密性の高まり等による悪臭が問題とされ、悪臭除去に対する要求が高まってきている。その中で、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガス、硫化水素やメチルメルカプタン等の含硫黄化合物は代表的な悪臭成分とされている。これら以外にも、人に不快を感じさせる成分としては、インドール、スカトールのような含窒素環状化合物や、汗腺、皮脂腺等から出る***物の微生物の分解により生じた酪酸、吉草酸及びカプロン酸等の低級脂肪酸類が知られている。
【0003】
かかる臭気物質を除去する代表的な方法として、活性炭やシリカゲル等の多孔質体を用いて吸着する物理的吸着法、中和、酸化反応等により反応、除去する化学的方法、強い芳香により不快感を抑える感覚的方法等がある。なかでも高濃度の臭気物質を短時間で除去できる化学的方法は、非常に有効な消臭法の1つであり、現在、様々な消臭剤が開発されている。
【0004】
一方で、現行の化学的方法による消臭剤は、アンモニア、アミン類等の含窒素化合物には効果があるが含硫黄化合物には効果がないことや、逆に後者に対し効果があっても前者に対しては効果がないことが多く、更に低級脂肪酸類も含めた多種類の臭気物質を消臭可能な消臭剤は非常に少ないのが現状である。このような問題を改善するために、両性界面活性剤を用いた消臭剤が提案されており、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤及び穀物の熱水抽出エキスを含有する抗菌消臭剤(例えば、特許文献1参照)、等電点が7を越える両性界面活性剤、等電点7以下の両性界面活性剤、非イオン界面活性剤及びシリコーンオイルを含有する殺菌消臭清拭剤等が提案されている(例えば、特許文献2参照)。またベタイン型両性化合物と、ケトカルボン酸とを有効成分とする消臭剤を用いて、含窒素化合物、含硫黄化合物及び低級脂肪酸類に対して幅広く消臭可能な液状消臭剤が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
これら消臭剤は、その性能を効果的に発揮させるために、しばしば繊維表面に付着させて利用されている。しかしながら、上記の消臭剤は、良好な消臭性能を有するものの、繊維表面に付着して繊維成形品とする際、繊維開繊工程(例えばカード、エアレイド機によるウェブ、スライバーへの加工工程)において繊維−金属間または繊維−繊維間の摩擦により繊維が著しく帯電し、加工が困難となる問題を有していた。更に加工ができても、付着した消臭剤は、摩擦によって剥離脱落するため、得られる成形品の消臭性能は本来の性能を発現することが困難であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−175905号公報
【特許文献2】
特開2002−47105公報
【特許文献3】
特許第2717209号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、本発明の課題は、不織布等の繊維成形品に加工する場合、繊維表面に付着させた消臭剤が、その表面から剥離脱落せず、制電性に優れ、充分な消臭性能を有する消臭性繊維及びそれを用いた繊維成形品を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた。その結果、下記の構成を有する繊維が、前記課題を解決することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、以下の構成を有する。
[1]少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着している消臭性繊維であって、該繊維処理剤中の各成分の重量比率は、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び/または成分(C)が80〜20重量%であることを特徴とする繊維成形品製造用の消臭性繊維。
成分(A):ベタイン型両性化合物及び/またはカルボニル化合物を含有する組成物。
成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
成分(C):カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
[2]少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着している消臭性繊維であって、該繊維処理剤中の各成分の重量比率は、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び成分(C)が80〜20重量%であることを特徴とする繊維成形品製造用の消臭性繊維。
成分(A):ベタイン型両性化合物及び/またはカルボニル化合物を主成分とする組成物。
成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
成分(C):カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
[3]消臭性繊維が、少なくとも2種の熱可塑性樹脂からなり、低融点の樹脂成分が繊維表面に露出してなる複合繊維であることを特徴とする、前記[1]項または前記[2]項記載の繊維成形品製造用の消臭性繊維。
]成分(A)の付着量が、繊維重量に対して少なくとも0.1重量%であることを特徴とする前記[1]項または前記[2]項記載の消臭性繊維。
]成分(A)のベタイン型両性化合物が、式(1)で示されるアミドベタインであることを特徴とする前記[1]項または前記[2]項記載の消臭性繊維。
Figure 0004311001
式(1)において、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。
]成分(A)のベタイン型両性化合物が、式(2)で示されるイミダゾリウム化合物であることを特徴とする前記[1]項または前記[2]項記載の消臭性繊維。
Figure 0004311001
式(2)において、Rは、炭素数1〜7のアルキルであり、Rは、炭素数8以上のアルキルである。
]成分(B)のアルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレン多価アルコール高級脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種である前記[1]項または前記[2]項記載の消臭性繊維。
]成分(B)の多価アルコール型非イオン界面活性剤が、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトールから選ばれる少なくとも1種である前記[1]項または前記[2]項記載の消臭性繊維。
]成分(C)のリン酸エステル塩が、炭素数6〜24のリン酸エステルアルカリ金属塩である前記[1]項または前記[2]項記載の消臭性繊維。
[10]前記[1]〜[9]のいずれか1項記載の消臭性繊維を用いた繊維成形品。
[11]前記[1]〜[9]のいずれか1項記載の消臭性繊維を用いて、サーマルボンド法またはエアレイド法で不織布加工して得られた、繊維成形品
[12]少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着している消臭性繊維であって、該繊維処理剤中の各成分の重量比率は、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び/または成分(C)が80〜20重量%であることを特徴とする繊維成形品製造用の消臭性繊維を、不織布加工することを特徴とする、繊維成形品を製造する方法。
成分(A):ベタイン型両性化合物及び/またはカルボニル化合物を主成分とする組成物。
成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
成分(C):カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
[13]不織布加工が、サーマルボンド法またはエアレイド法であることを特徴とする、前記[12]項記載の繊維成形品の製造方法。
14]熱可塑性樹脂からなる繊維に、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において成分(A)を付着させた後、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において成分(A)の層の上に成分(B)及び/または成分(C)を付着させることを特徴とする前記[3]項記載の消臭性繊維の製造方法。
成分(A):ベタイン型両性化合物及び/またはカルボニル化合物を主成分とする組成物。
成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
成分(C):カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明の繊維成形品製造用の消臭性繊維は、少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着している消臭性繊維であって、該繊維処理剤中の各成分の重量比率は、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び/または成分(C)が80〜20重量%の重量比率である。
成分(A)は、ベタイン型両性化合物及び/またはカルボニル化合物を主成分とする組成物であり、成分(B)は、アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤であり、成分(C)は、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤である。なお、本発明において主成分とは、該当する成分が組成物中で50重量%を超えて含有することを意味する。
【0011】
ベタイン型両性化合物としては、例えば式(1)で示されるアミドベタインが本発明で好ましく利用できる。
Figure 0004311001
式(1)において、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。
【0012】
また、ベタイン型両性化合物としては、例えば式(2)で示されるイミダゾリウム化合物が本発明で好ましく利用できる。
Figure 0004311001
式(2)において、Rは、炭素数1〜7のアルキルであり、Rは、炭素数8以上のアルキルである。
【0013】
アミドベタインについて1例を挙げると、オクチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−エチルヘキシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−メチルノニルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジヒドロキシメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジヒドロキシメチルアミノ酢酸ベタイン及びオクタンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−エチルヘキサンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、デカンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−メチルノナンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリンアミドプロピルジヒドロキシメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジヒドロキシメチルアミノ酢酸ベタイン及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0014】
イミダゾリウム型両性化合物について1例を挙げると、2−アルキル(炭素数6〜22)−N−カルボキシアルキル(炭素数1〜3)−N−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)イミダゾリウムベタイン〔2−アルキル(炭素数6〜22)−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン[2−デシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン、2−ミリスチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン及び2−パルミチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン等];2−アルキル(炭素数8〜18)−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン[2−デシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ミリスチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン及び2−パルミチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等]及びこれらの混合物等〕が挙げられる。
【0015】
本発明で用いられるカルボニル化合物としては、例えばクロトンアルデヒド、アリルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、シトロネラール等の1価アルデヒド、グリオキサール等の2価アルデヒド、ベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド、グリコールアルデヒド等のアルデヒドアルコール、グリオキシル酸、乳酸アルデヒド、グルクロン酸等のアルデヒドカルボン酸、アセトン、メチルエチルケトン、ジブチルケトン、ヨノン類、アセチルアセトン等の脂肪族または脂肪族飽和ケトン類、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン、メチルグリオキサール等のケトアルデヒド、アセトール、ジメチルケトール等のケトアルコール、ピルビン酸、ベンゾイルギ酸、フェニルピルビン酸、アセト酢酸、プロピオニル酢酸、ベンゾイル酢酸、レブリン酸、β−ベンゾイルプロピオン酸等のケトカルボン酸等を例示することができる。
【0016】
前記の化合物は、2種以上を混合して利用してもよい。この他に、オキシ脂肪酸、有機酸性物質、ハロゲン酸アルカリまたは無水マレイン酸共重合体を添加することで消臭性能を向上できるので好ましい。このため、これらは消臭性を有する成分(A)の一つとして利用できる。
【0017】
オキシ脂肪酸としては、例えばグリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の低級オキシ脂肪酸、プロペニルグリコール酸、パラソルビン酸、リシノール酸、16−オキシ−7−ヘキサデセン酸等の不飽和オキシ脂肪酸、2−オキシパルミチン酸、オキシステアリン酸等の飽和オキシ脂肪酸等の分子内に水酸基を1個含むモノオキシ脂肪酸、ジオキシステアリン酸、トリオキシパルミチン酸等の分子内に水酸基を2個以上含むポリオキシ脂肪酸を用いることができる。
【0018】
有機酸性物質としては、例えば木酢またはその構成成分である種々の低級脂肪酸類、中級脂肪酸類、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、グリオキシル酸及びフミン酸を用いることができる。フミン酸としては、できるだけ塩基置換容量の大きいフミン酸を用いることが好ましい。
【0019】
ハロゲン酸アルカリは、MXO(Mはアルカリ金属、Xはハロゲン)で表すことができる。この化学式において、Mがナトリウムまたはカリウム、Xが塩素、臭素または沃素ハロゲンである、ハロゲン酸アルカリを用いることができる。これらの組合せのなかでは、ブロム酸カリが特に好ましい。
【0020】
無水マレイン酸共重合体としては、エチレン−無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、エチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体等のアルキル基を有するアルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、またはこれらの混合物等を用いることができる。好ましくはアルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体であり、より好ましくはメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体である。
【0021】
上記の成分より構成された組成物を用いることにより、含窒素化合物、含硫黄化合物及び低級脂肪酸類等の幅広い臭気に対して消臭が可能になる。しかし、本発明に用いられる消臭剤である成分(A)を、ただ単に繊維表面に付着させるだけでは、ウェブ、スライバーへの加工工程において、カード機またはエアレイド機と繊維とが擦れ合うことにより、繊維表面から消臭剤が剥離脱落することで帯電が起こり、加工性が著しく低下する。そこで成分(B)及び/または成分(C)を成分(A)と混合または成分(A)に被覆させることで、高速カード加工下においても充分な制電性を発揮でき、同時に繊維表面における消臭剤剥離防止性を有することができる。更に成分(A)のみを付着させた場合よりも優れた消臭性能を得ることが可能となる。
【0022】
本発明で用いられる成分(B)としては、アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤{成分(B1)}、多価アルコール型非イオン界面活性剤{成分(B2)}等の非イオン界面活性剤を挙げることができる。
【0023】
成分(B)の非イオン界面活性剤を構成するアルキルとしては、炭素数が12〜24のアルキルが利用できる。このアルキルは、任意の−CH−が−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。このアルキルは、パーム油、牛脂、ナタネ油、米糠油、魚油等の天然油脂由来のアルキルでも合成系のアルキルでもよい。
【0024】
成分(B1)は、高級アルコール、高級脂肪酸またはアルキルアミン等に直接アルキレンオキシドを付加させるか、グリコール類にアルキレンオキシドを付加させて得られるポリエチレングリコール類に高級脂肪酸等を反応させるか、または多価アルコールに高級脂肪酸を反応して得られたエステル化物にアルキレンオキシドを付加させることにより得られる。
【0025】
成分(B1)を構成するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムまたはブロック付加物が挙げられ、なかでも、エチレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムまたはブロック付加物が好ましい。付加モル数は、5〜50モルが好ましく、付加すべきアルキレンオキシドのうち50〜100重量%がエチレンオキシドであることが好ましい。なお、エチレンオキシドをEOと略し、nモル付加した場合に、EO(n)として表記する場合がある。
【0026】
成分(B1)としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル{成分(B1−1)}、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル{成分(B1−2)}、ポリオキシアルキレン多価アルコール高級脂肪酸エステル{成分(B1−3)}、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル{成分(B1−4)}、ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル{成分(B1−5)}、ポリオキシアルキレンアルキルアルカノールアミド{成分(B1−6)}等を挙げることができる。
【0027】
成分(B1−2)、成分(B1−3)、成分(B1−6)及び成分(B2)を構成する高級脂肪酸としては、パーム油、牛脂、ナタネ油、米糠油、魚油等の天然脂肪酸由来の高級脂肪酸が一般的に利用できるが、化学的に合成した高級脂肪酸を使用してもよい。
【0028】
成分(B1−3)及び成分(B2)を構成する多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、ショ糖等の3〜8価アルコールを挙げることができる。特にグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトールが好ましい。
【0029】
成分(B1−4)を構成するアルキルフェニルとしては、炭素数8〜12のアルキルを有するモノアルキルフェニルまたはジアルキルフェニルを挙げることができる。
【0030】
成分(B1−5)を構成するアルキルアミノとしては、炭素数8〜24のアルキルを有するモノアルキルアミノまたはジアルキルアミノを挙げることができる。このアルキルの任意の−CH−が−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。
【0031】
成分(B1−6)を構成するアルキルアルカノールアミドは、アルカノールアミンと高級脂肪酸の脱水反応によって得られる基である。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等を挙げることができる。
【0032】
上記の非イオン活性剤である成分(B)のうち、成分(B1−1)〜成分(B1−3)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトール等の多価アルコール型非イオン界面活性剤が特に好ましい。
【0033】
本発明で用いられるアニオン界面活性剤である成分(C)は、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩のいずれでもよい。具体的には、カルボン酸塩としては、オレイン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム等の石鹸類が利用できる。また、スルホン酸塩としては、ラウリルスルホン酸ナトリウム、セチルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ラウリルベンゼンスルホン酸塩等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類が利用できる。硫酸エステル塩としては、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩等のアルキル硫酸エステル塩、ラウリルアルコールにオキシアルキレンを付加した化合物の硫酸エステルナトリウム塩等の硫酸アルキル(ポリオキシアルキレン)エステル塩が利用できる。リン酸エステル塩としては、ステアリルアルコール等の高級アルコールまたはこれにポリオキシアルキレンを付加した化合物のリン酸エステル塩が利用できる。なかでも高級アルコール、ポリオキシアルキレンを付加した硫酸エステルアルカリ金属塩及びリン酸エステルアルカリ金属塩が制電性に優れているため好ましく、リン酸エステルアルカリ金属塩は繊維の平滑性にも優れているため特に好ましい。
【0034】
リン酸エステルアルカリ金属塩の高級アルコールの炭素数は6〜24であることが好ましく、炭素数が8〜22であることがより好ましい。このような高級アルコールとしては、例えば、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等のモノエステルまたはジエステルの完全中和塩が好ましく利用できる。炭素数が6未満の高級アルコールでは、繊維金属間摩擦が高くなり、カード通過性が低下するため、消臭剤の剥離脱落及びシリンダー巻き付きの原因となる。また炭素数が24を超える高級アルコールでは、制電性が低下する傾向にある。上記の範囲でリン酸エステルアルカリ金属塩の炭素数を変えることにより親水性、撥水性のいずれの機能も発現させることができる(例えば特開平7−216737号公報、特開平10−46470号公報等参照)。また、ポリオキシアルキレンは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン等の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位からなるが、該オキシアルキレン単位の繰り返し単位は2〜10モル%を有するものが好ましい。ポリオキシアルキレンは、オキシエチレン単位のみからなってもよいし、その他のオキシアルキレンとブロック及び/またはランダムに結合していてもよい。更にリン酸エステルアルカリ金属塩等の中和塩としては、K、Na等のアルカリ金属、アンモニア、アミン類が例示できるが、制電性の点からK塩、Na塩が好ましい。
【0035】
本発明に用いられる繊維処理剤において、前記成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)との重量比率は、20/80〜80/20、好ましくは25/75〜75/25、より好ましくは30/70〜70/30である。成分(A)の比率が20重量%未満では消臭性能が充分に発揮されず、また成分(A)の比率が80重量%を大幅に超えていると、制電性、剥離防止性が不充分となる。更に、これら繊維処理剤の繊維への付着量は、繊維重量に対して0.2〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%、より好ましくは0.3〜1.5重量%である。繊維処理剤の付着量が0.2〜5重量%の範囲であれば、消臭性、制電性を共に発揮させることができるが、消臭性能を充分に発揮させるためには、成分(A)の付着量は、少なくとも0.1重量%であることが好ましい。
繊維処理剤の付着量は、繊維を60℃の温水に10分間浸漬し、水分をしぼった後、再度、60℃の温水に10分間浸漬した後、乾燥し、浸漬前後の重量変化から、次式により求めた。
付着量(重量%)={(W1−W2)/W2}×100
W1:温水に浸漬する前の繊維の乾燥重量(g)
W2:温水に浸漬した後の繊維の乾燥重量(g)
【0036】
繊維処理剤の付着量の範囲は、繊維開繊工程での加工性を維持する上で求められる範囲であり、工程通過後に繊維成形品を作製する際には、これらの範囲を超えて付着させても、本発明の効果を何ら阻害することはない。なお、繊維処理剤を繊維へ付着する場合には、付着加工がし易いように、繊維処理剤を水で希釈し、仕上剤として使用することが好ましい。
【0037】
本発明に用いられる繊維処理剤において、成分(B)と成分(C)とは、各々単独で用いてもよいが、成分(B)と成分(C)とを併用することで、制電性と平滑性とのバランスを良好にでき、これにより繊維開繊工程での加工性の向上に繋がるので好ましい。
【0038】
本発明に用いられる繊維処理剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、ベンザルコニウムクロライド等のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、セチルピリジニウムクロライド等のアルキルピリジニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、ポリリジン等のカチオン系抗菌剤を添加することができる。
【0039】
また、必要により、繊維処理剤に、炭素数2〜4のアルカノールアミン等のpH調整剤、EDTA、ポリリン酸ナトリウム等のキレート剤、スクワラン、ヒアルロン酸ナトリウム等の皮膚保護剤、茶葉由来カテキン、甘草、アロエエキス等の植物抽出エキス、ジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)、パーフルオロアルキル基含有化合物等の撥水剤、リモネン、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナミックアルデヒド等の香料、防腐剤、防錆剤、消泡剤等を添加してもよい。なお、ここで挙げたその他成分については、添加量が微量であるため前記成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量には含めない。
【0040】
本発明で用いられる繊維は、木綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂からなる繊維(以下、熱可塑性繊維という)、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維が例示でき、特に熱可塑性樹脂からなる繊維が好ましく用いられる。
【0041】
本発明で用いられる熱可塑性繊維は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂からなる繊維であることが好ましい。また、これらの樹脂で構成された熱可塑性エラストマーからなる繊維及び不織布も好ましく用いられる。ここで、ポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン共重合体、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリメチルペンテン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンが利用できる。更にこれらの単独重合体に、単独重合体を構成する単量体以外のエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1または4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンが共重合成分として少量含有されていてもよい。また、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、スチレン及びα−メチルスチレン等の他のエチレン系不飽和モノマーが共重合成分として少量含有されていてもよい。また上記ポリオレフィン樹脂を2種以上混合して使用してもよい。これらは、通常のチーグラーナッタ触媒から重合されたポリオレフィン樹脂だけでなく、メタロセン触媒から重合されたポリオレフィン樹脂であってもよい。
【0042】
ポリエステル樹脂は、ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得ることができる。ポリエステル樹脂の縮重合に用いられるジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。また、用いられるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。本発明ではポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましく利用できる。また、これらのポリエステル樹脂は、単独重合体だけでなく、共重合ポリエステル(コポリエステル)でもよい。このとき、共重合成分としては、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸成分、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール成分が利用できる。
【0043】
ポリアミド樹脂としては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−46、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−12、ポリメタキシレンアジパミド(MXD−6)、ポリパラキシレンデカンアミド(PXD−12)、ポリビスシクロヘキシルメタンデカンアミド(PCM−12)が利用できる。更にこれらのポリアミド樹脂に用いられている単量体を構成単位とするアミドの共重合体も利用できる。
【0044】
本発明の消臭繊維としては、少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる単一繊維、少なくとも2種の熱可塑性樹脂からなる複合繊維が利用できる。複合繊維に充分な熱接着性能を発揮させるためには、該複合繊維が、第1成分と第2成分とからなる場合、第1成分の熱可塑性樹脂が第2成分の熱可塑性樹脂よりも低融点であり、第1成分が繊維表面に露出していることがよい。単一繊維を繊維成形品に成形する主な加工方法は、バインダーによる被覆や、ニードルパンチ、スパンレース等の物理的交絡であるが、これらの方法では、バインダーによって消臭剤を被覆してしまう場合や、針、高圧水流によって消臭剤を脱落させてしまう場合がある。しかし複合繊維を用いることで、熱加工により成形が可能となるため、被覆や脱落による消臭性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0045】
本発明の消臭繊維の複合形式としては、鞘芯型、並列型、偏心鞘芯型、多層型、放射型または海島型等が例示できる。複合繊維を構成する熱可塑性樹脂の組合せとしては、その組合せを第1成分/第2成分の形式で表すと、ポリオレフィン樹脂/ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂/ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂/ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂/ポリアミド樹脂の組合せが利用できる。ポリオレフィン樹脂/ポリオレフィン樹脂の組合せとしては、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレンが例示できる。ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂の組合せとしては、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートが例示できる。ポリエステル樹脂/ポリエステル樹脂の組合せとしては、共重合ポリエステル/ポリエチレンテレフタレートが例示できる。
【0046】
本発明の消臭繊維の断面形状は、円形断面形状だけでなく、異形断面形状(非円形断面形状)にすることができる。異形断面形状としては、例えば、星形、楕円形、三角形、四角形、五角形、多葉形、アレイ形、T字形及び馬蹄形等を挙げることができ、更にこれらは中空断面にすることもできる。本発明の消臭繊維は、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料及び可塑剤等の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲において、使用することができる。
【0047】
本発明において繊維処理剤を繊維に付着させる方法に制限はなく、紡糸及び/または延伸工程でオイリングロールとの接触、浸漬槽への浸漬、スプレー噴霧等により繊維に付着できる。繊維に付着するだけでなく、ウェブや繊維成形体に付着してもよい。例えば、不織布加工工程でウェブに接触法、浸漬法、噴霧法により付着させる方法や、繊維成形体に加工した後に接触法、浸漬法、噴霧法により付着させる方法が利用できる。更に付着は、上記成分(A)〜(C)の混合物を一度に付着させる方法でもよいが、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において消臭成分である成分(A)を先に付着させた後、成分(A)の上に成分(B)及び/または成分(C)を含む界面活性剤を付着させる方法が好ましく利用できる。この手法では成分(B)及び/または成分(C)が成分(A)を覆い保護するため、不織布加工工程中の繊維開繊工程における帯電の抑制(制電)及び成分(A)の脱落をより最小限に抑えることができる。
【0048】
一例として、乾式紡糸法、湿式紡糸法、ゲル紡糸法、溶融紡糸法等の公知の方法で製造された繊維に、この紡糸工程において、タッチロール等の方法で成分(A)を付着させた後、延伸工程において、成分(A)の層上に、成分(B)及び/または成分(C)からなる界面活性剤を付着させる方法が挙げられる。
【0049】
更に他の例として、ウェブ/ウォータージェット加工法、短繊維/エアレイド/サーマルボンド加工法、メルトブロー紡糸/サーマルボンド加工法、スパンボンド紡糸/サーマルボンド法等公知の方法で作製された不織布に、タッチロール、グラビアロール等で、成分(A)を付着させた後、成分(A)の層上に成分(B)及び/または成分(C)からなる界面活性剤を付着させる方法を挙げることができる。しかし、特に例示したこれらの方法に限定されない。
【0050】
本発明の消臭性繊維を用いた繊維成形品としては、ネット、ウェブ、編織物、不織布等を挙げることができ、特に不織布が好ましく用いられる。不織布加工の方法としては、サーマルボンド法(スルーエアー法、ポイントボンド法)、エアレイド法、ニードルパンチ法、ウォータージェット法等の公知の方法を用いることができる。短繊維をカード機等でウェブにした後に、前記不織布加工の方法でウェブを不織布にするだけでなく、メルトブロー法またはスパンボンド法でウェブを直接製造した後、前記不織布加工の方法でウェブを不織布にすることができる。また、混綿、混紡、混繊、交撚、交編、交繊等の方法で混合した繊維を前記不織布加工の方法で布状の形態にすることもできる。なお、本発明で得られた繊維成形品を単体で使用してもよいし、他の不織布、編織物、メッシュ状物、フィルム等の成形品と積層または一体化した状態で使用してもよい。
【0051】
本発明の消臭性繊維及びそれを用いた繊維成形品としては、おむつ、ナプキン、失禁パット等の吸収性物品、ガウン、術衣等の医療衛生材、壁用シート、床材等の室内内装材、カバークロス、生ゴミ用カバー等の生活関連材、使い捨てトイレ、トイレ用カバー等のトイレタリー製品、ペットシート、ペット用おむつ、ペット用タオル等のペット用品、一般医療材、寝装材、フィルター材、介護用品など様々な用途に利用することができる。
【0052】
特に本発明の消臭性繊維またはそれを用いた不織布を吸収性物品に用いると、消臭性以外に、おむつかぶれ等の皮膚炎から皮膚を保護する効果があるため好ましい。このおむつかぶれは、皮膚上に存在する細菌や酵素が尿等の***物と接触することにより、アンモニアを発生し、皮膚のpHを高め、これにより、蛋白質分解酵素や脂質分解酵素の活性が上がることが原因と考えられる。しかし、成分(A)中のカルボニル及びカルボキシルが、発生したアンモニアと反応すること、または弱酸性の緩衝作用を有することで、皮膚のpHを一定に保ち、結果的におむつかぶれを抑制することになる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、各例において物性評価は以下に示す方法で行った。
【0054】
(メルトフローレート)
JIS K 7210に準拠し、メルトフローレートの測定を行った。
ここで、MIは、表1の条件4に準拠し、MFRは、表1の条件14に準拠して測定した。
【0055】
(制電性)
繊維50gを20℃、相対湿度45%の条件下で7m/minの速度でローラーカード試験機を用いてウェブとし、カード通過時の制電性について以下の基準で評価した。評価はウェブに発生した静電気の電圧及びウェブの目視による状態観察との併用で行った。
◎:100V未満、帯電がほとんどなくウェブの状態は良好である。
○:100V以上1kV未満、帯電がわずかでありウェブの状態は良好である。
△:1kV以上3kV未満、帯電によるウェブの乱れが若干確認される。
×:3kV以上、ウェブの乱れ、フライコムへの巻き上がりが著しく加工不可である。
【0056】
(剥離防止性)
繊維50gを20℃、相対湿度45%の条件下で7m/minの速度のローラーカード試験機でウェブとした後、ローラーカード試験機を停止し、以下の基準で繊維の剥離状況を評価した。
○:剥離脱落による微粉の発生がない。
△:若干の微粉が確認される。
×:多量の微粉が確認される。
【0057】
(繊維処理剤の付着量)
繊維を60℃の温水に10分間浸漬し、水分をしぼった後、再度、60℃の温水に10分間浸漬した後、乾燥し、浸漬前後の重量変化から、次式により付着量を求めた。ここでは、W1を3gとした。
付着量(重量%)={(W1−W2)/W2}×100
W1:温水に浸漬する前の繊維の乾燥重量(g)
W2:温水に浸漬した後の繊維の乾燥重量(g)
【0058】
(消臭性試験)
実施例及び比較例で得られた不織布の消臭性能を、アンモニアについて次のように測定した。テドラーバッグ(容積5リットル)に所定量(3g)の不織布を入れて密封した。次いで、シリンジを用いて、所定濃度の臭気成分を含む空気を、全ガス量3リットルとなるようにテドラーバッグ内に注入した。ガスを注入してから一定時間経過後に、テドラーバッグ内のガスをガス検知管(ガステック社製、アンモニア用3La、3L型)を用いて直接測定し、下記式により臭気成分の除去率を求めた。
除去率(%)={(C0−C)/C0}×100
0:初期濃度
C:一定時間経過後のNH3濃度
【0059】
実施例1〜10、比較例1〜4
結晶性ポリプロピレン(プロピレン単独重合体、融点163℃、MFR16g/10min、略記号PP)、結晶性高密度ポリエチレン(エチレン単独重合体、融点131℃、MI16g/10min、略記号PE)、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体(エチレン含量4重量%、ブテン含量5重量%、プロピレン含量91重量%、融点131℃、MFR16g/10min、略記号co−PP)、ポリエチレンテレフタレート(極限粘度η=0.635、略記号PET)を繊維製造のための熱可塑性樹脂として用い、単一構造、鞘芯型構造、並列型構造のいずれかの断面を有する繊維とし、それぞれの樹脂は体積比率で50:50の複合繊維とした。更に表1に示した各種組成の繊維処理剤を下記の工程において付着させ、得られた繊維を以下の加工法で繊維成形品とした。
【0060】
実施例及び比較例では、以下の工程で繊維処理剤(成分(A)、(B)、(C))を付着させた。実施例1〜3では、延伸工程において、成分(A)をタッチロールで付着後、同工程で成分(B)及び/または成分(C)をタッチロールで付着させた(2段階)。実施例4〜8及び比較例2〜4では、延伸工程において、成分(A)、成分(B)及び/または成分(C)の混合物をタッチロールで付着させた(混合)。実施例9〜10では、紡糸工程において、成分(A)をタッチロールで付着後、延伸工程で成分(B)及び/または成分(C)をタッチロールで付着させた(2段階)。
【0061】
ポイントボンド加工(略記号PB):繊維をローラーカード試験機でカードウェブとし、これをエンボス加工機{ロール温度126℃、線圧20kg/cm(換算値1.96×10N/cm)、エンボス面積率25%}で熱処理して、目付約50g/mのポイントボンド不織布とした。
【0062】
スルーエアー加工(略記号TA):繊維をローラーカード試験機でカードウェブとし、サクションバンドドライヤー(138℃)で熱処理して、目付約50g/mのスルーエアー不織布とした。
【0063】
ニードルパンチ加工(略記号NP):繊維をローラーカード試験機でカードウェブとし、ニードルパンチ加工機で加工して、目付約80g/mのニードルパンチ不織布とした。
【0064】
【表1】
Figure 0004311001
【0065】
【表2】
Figure 0004311001
【0066】
【発明の効果】
本発明の消臭性繊維は、不織布等の繊維成形品に加工する場合、繊維表面に付着させた消臭剤が、その表面から剥離脱落せず、制電性に優れ、充分な消臭性能を有する。更に、本発明の消臭性繊維から得られる繊維成形体は、優れた消臭性能を有している。これらは、例えば、おむつ、ナプキン等の吸収性物品、生ゴミ用カバー等の生活関連材、トイレタリー製品、介護用品及びペット用品等に加工した後であっても、良好な消臭性能を発揮できる。

Claims (14)

  1. 少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着している消臭性繊維であって、該繊維処理剤中の各成分の重量比率は、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び/または成分(C)が80〜20重量%であることを特徴とする繊維成形品製造用の消臭性繊維。
    成分(A):ベタイン型両性化合物及び/またはカルボニル化合物を主成分とする組成物。
    成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
    成分(C):カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
  2. 少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着している消臭性繊維であって、該繊維処理剤中の各成分の重量比率は、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び成分(C)が80〜20重量%であることを特徴とする繊維成形品製造用の消臭性繊維。
    成分(A):ベタイン型両性化合物及び/またはカルボニル化合物を主成分とする組成物。
    成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
    成分(C):カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
  3. 消臭性繊維が、少なくとも2種の熱可塑性樹脂からなり、低融点の樹脂成分が繊維表面に露出してなる複合繊維であることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の繊維成形品製造用の消臭性繊維。
  4. 成分(A)の付着量が、繊維重量に対して少なくとも0.1重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の消臭性繊維。
  5. 成分(A)のベタイン型両性化合物が、式(1)で示されるアミドベタインであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の消臭性繊維。
    Figure 0004311001
    式(1)において、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。
  6. 成分(A)のベタイン型両性化合物が、式(2)で示されるイミダゾリウム化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の消臭性繊維。
    Figure 0004311001
    式(2)において、Rは、炭素数1〜7のアルキルであり、Rは、炭素数8以上のアルキルである。
  7. 成分(B)のアルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレン多価アルコール高級脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種である請求項1または請求項2記載の消臭性繊維。
  8. 成分(B)の多価アルコール型非イオン界面活性剤が、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトールから選ばれる少なくとも1種である請求項1または請求項2記載の消臭性繊維。
  9. 成分(C)のリン酸エステル塩が、炭素数6〜24のリン酸エステルアルカリ金属塩である請求項1または請求項2記載の消臭性繊維。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の消臭性繊維を用いた繊維成形品。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項記載の消臭性繊維を用いて、サーマルボンド法またはエアレイド法で不織布加工して得られた、繊維成形品。
  12. 少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着しており、該繊維処理剤中の各成分の重量比率が、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び/または成分(C)が80〜20重量%である繊維成形品製造用の消臭性繊維を、不織布加工することを特徴とする、繊維成形品の製造方法。
    成分(A):ベタイン型両性化合物及び/またはカルボニル化合物を主成分とする組成物。
    成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
    成分(C):カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
  13. 不織布加工が、サーマルボンド法またはエアレイド法であることを特徴とする、請求項12記載の繊維成形品の製造方法。
  14. 熱可塑性樹脂からなる繊維に、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において成分(A)を付着させた後、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において成分(A)の層の上に成分(B)及び/または成分(C)を付着させることを特徴とする請求項3記載の消臭性繊維の製造方法。
    成分(A):ベタイン型両性化合物及び/またはカルボニル化合物を主成分とする組成物。
    成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
    成分(C):カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
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