JP4309434B2 - 冷陰極蛍光ランプ及び冷陰極蛍光ランプ用電極の製造方法、冷陰極蛍光ランプ、並びに冷陰極蛍光ランプ用電極 - Google Patents

冷陰極蛍光ランプ及び冷陰極蛍光ランプ用電極の製造方法、冷陰極蛍光ランプ、並びに冷陰極蛍光ランプ用電極 Download PDF

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Description

本発明は、冷陰極蛍光ランプ及び冷陰極蛍光ランプ用電極の製造方法、冷陰極蛍光ランプ、並びに冷陰極蛍光ランプ用電極に関し、特に、冷陰極蛍光ランプの電極として用いられる筒状体の製造方法に関する。
冷陰極蛍光ランプは、小型化が容易で、低消費電力、長寿命といった特性により、近年、液晶パネルのバックライト等に多用されている。冷陰極蛍光ランプは、一般に、アルゴン等の希ガスと水銀ガスとを充填したガラス管の内部に一対の電極が対向配置され、各電極にリード線が接続された構造を有している。電極は一端が閉止され他端が開口部となった筒状形状に成形され、開口部が互いに対向するように配置される。電極間にリード線を介して電圧が印加されると、一方の電極から電子が放出され、水銀原子に衝突し、紫外線が発生する。紫外線はガラス管の表面に形成された蛍光膜で可視光線に変換され、ガラス管の内部から可視光線が放出される。したがって、冷陰極蛍光ランプの寿命は、水銀ガスの消耗に大きく依存する。
電極は通常ニッケルで製作され、混合比の一例を示すと、ニッケル99.7%、マンガン0.1%、鉄0.1%、その他の不純物(炭素、けい素、銅、硫黄)0.1%である。ニッケルは0.01%程度の微量のコバルトを含んでいてもよい。なお、以上の混合比は重量%である。ニッケルがガラス管内部のアルゴンガス等の衝撃を受けると、ニッケル原子がたたき出され、飛散する。この現象はスパッタリングと呼ばれる。飛散したニッケル原子は水銀ガスを取り込みアマルガムとなるため、水銀ガスの有効量が低減する。この結果、水銀ガスが消耗し、冷陰極蛍光ランプの寿命の低下につながる。
そこで、近年では、耐スパッタ性の良好な電極を採用し、冷陰極蛍光ランプの長寿命化を図る技術が検討されている。具体的には、ニッケルに比べて低仕事関数で耐スパッタ性に優れたモリブデン(Mo)やニオブ(Nb)を使った筒状電極が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。しかし、モリブデンやニオブは高価なだけでなく融点が高いため、リード線との接続の際にこれらの金属を融解させるために、より大きな熱量を投入する必要があり、その熱によって電極表面が酸化されてしまう。電極表面が酸化すると、耐スパッタ性が低下するため、せっかくの耐スパッタ性が生かされない。また、リード線はコバールなどで作成されるが、モリブデン等とコバールとの融点の差が大きいため、モリブデン等の電極はほとんど溶融せず、リード線との十分な接合強度が得られないおそれがある。
特許文献3には、ニッケル等で形成された外側層の内側にタングステン、モリブデン等の耐スパッタ性に優れた内側層を設けた二層構成の電極が開示されている。外側層と内側層とは圧延によって一体化され、内側層が放電面、外側層がリード線との接続部となるように、円筒形状に加工される。このため、耐スパッタ性を確保しつつ、リード線との接合性を改善することができる。しかし、この技術も、耐スパッタ性に優れた材料を大量に用いる必要があり、コスト的にはニッケルで製作された電極に比べて不利である。また、二層構成の薄板をプレス加工で円筒形状に加工する場合、内側層に用いられる材料は加工性に難がある。
そこで、これらの課題を解決するため、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン等の金属を添加した材料で電極を形成する技術が開示されている(特許文献4)。チタン等の金属は酸化物としてニッケルの結晶粒界に偏析しやすいため、結晶粒界同士の結合力が強化され、耐スパッタ性が向上する。
特開2002−358992号公報 特開2003−187740号公報 特開2005−183172号公報 特開2006−228615号公報
特許文献4に記載の技術は、経済的で製作性も良好なニッケルまたはニッケル合金を基材として用いることができる点で優れている。ところで、筒状の電極は、圧延加工によって母材インゴットから薄板のリボンを作製し、さらにプレス加工によって筒状形状に加工されることが多い。このような製造プロセスでは、圧延加工やプレス加工の際に潤滑用のオイルを用いるため、電極表面層の結晶粒界がオイルで汚染される可能性がある。付着したオイルは、電極のガラス管内部への気密封入時あるいはランプとしての動作時に電極部の温度が上昇すると、結晶粒界の粒子同士の結合力を低下させる。この結果、耐スパッタ性が劣化する可能性があった。
また、ニッケルまたはニッケル合金を基材として用いる電極では、結晶粒界は結晶自体と比べてニッケルがたたき出されやすい傾向にある。したがって、特許文献4に記載の技術に拘らず、結晶粒界の耐スパッタ性を向上させる必要性は依然として存在している。
本発明の目的は、以上の問題点に鑑みて、耐スパッタ性と製作性に優れ、かつ経済的な、冷陰極蛍光ランプおよび冷陰極蛍光ランプ用電極の製造方法を提供することである。本発明の他の目的は、耐スパッタ性と製作性に優れ、かつ経済的な冷陰極蛍光ランプおよび冷陰極蛍光ランプ用電極を提供することである。
本発明の冷陰極蛍光ランプの製造方法は、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかが添加された材料から、一端が閉止され他端が開口部となった筒状体を形成する工程と、筒状体を炭化する工程と、炭化された一対の筒状体を、内部空間に少なくとも希ガスと水銀ガスとが封入され、内壁面に蛍光体層が形成されたガラス管の中に、筒状電極として、開口部同士が対向するように気密に封入する工程と、を有している。
ニッケルまたはニッケル合金を基材とした材料に添加されたこれらの金属は、ニッケルまたはニッケル合金の結晶粒界に偏析しやすい性質がある。したがって、筒状体の表面付近の結晶粒界には、炭化工程によって、添加された元素の炭化物が形成される。結晶粒界に形成された炭化物は結晶同士の結合力を向上させ、結晶粒界の表面硬さを増加させる。その結果、耐スパッタ性が向上する。また、筒状体への形成工程で筒状体に付着したオイルは、炭化工程によって効率的に除去される。このため、残存するオイルによって結晶粒界の耐スパッタ性が劣化する可能性が低減される。
本発明の冷陰極蛍光ランプの製造方法の他の実施態様によれば、上述の炭化工程の代わりに筒状体を窒化する工程を含んでいてもよい。結晶粒界に形成された窒化物は結晶同士の結合力を向上させ、結晶粒界の表面硬さを増加させ、また、残存するオイルも窒化工程によって効率的に除去されるので、炭化処理の場合と同等の効果が得られる。
筒状体を炭化する工程はプラズマ炭化法を、筒状電極を窒化する工程はプラズマ窒化法を各々用いることが好ましい。
本発明の冷陰極蛍光ランプ用の筒状電極の製造方法は、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかが添加された材料から、一端が閉止され他端が開口部となった筒状体を形成する工程と、筒状体を炭化する工程と、を有している。
本発明の冷陰極蛍光ランプ用の筒状電極の他の製造方法は、上述の筒状体を形成する工程と、筒状体を窒化する工程と、を有している。
本発明の冷陰極蛍光ランプは、気密に封止された内部空間に少なくとも希ガスと水銀ガスとが封入され、内壁面に蛍光体層が形成されたガラス管と、内部空間に配置され、一端が閉止され他端が開口部となり、開口部同士が対向するように配置された、一対の筒状電極と、を有している。一実施態様では、筒状電極は、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかの炭化物が基材の結晶粒界に偏析している。また、他の実施態様では、電極は、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかの窒化物が基材の結晶粒界に偏析している。
本発明の電極は、冷陰極蛍光ランプに用いられる、一端が閉止され他端が開口部となった筒状の電極である。一実施態様では、電極は、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかの炭化物が基材の結晶粒界に偏析している。また、他の実施態様では、電極は、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかの窒化物が基材の結晶粒界に偏析している。
以上説明したように、本発明によれば、耐スパッタ性と製作性に優れ、かつ経済的な、冷陰極蛍光ランプおよび冷陰極蛍光ランプ用電極の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、耐スパッタ性と製作性に優れ、かつ経済的な冷陰極蛍光ランプおよび冷陰極蛍光ランプ用電極を提供することができる。
まず、本発明の冷陰極蛍光ランプおよび電極について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の冷陰極蛍光ランプは、液晶パネルのバックライトとしての用途に好適なものであるが、他の用途の冷陰極蛍光ランプにも適用できる。図1は、冷陰極ランプの一実施形態の概略構造を示す断面図である。
冷陰極蛍光ランプ1は、硼・珪酸ガラスによって形成されたガラス管2の両端が封止ガラス(ビードガラス3)で気密に封止されて構成されている。ガラス管2の外径は、1.5〜6.0mmの範囲内、好ましくは1.5〜5.0mmの範囲内である。ガラス管2の材料は、鉛ガラス、ソーダガラス、低鉛ガラスなどでもよい。
ガラス管2の内壁面4には、そのほぼ全長に亙って不図示の蛍光体層が設けられている。蛍光体層を構成する蛍光体は、ハロリン酸塩蛍光体や希土類蛍光体などの既存または新規の蛍光体から、冷陰極蛍光ランプ1の目的や用途に応じて適宜選択することができる。さらに、蛍光体層は、2種類以上の蛍光体が混合されてなる蛍光体によって構成することもできる。
内壁面4で囲まれたガラス管2の内部空間5には、アルゴン、キセノン、ネオン等の希ガスおよび水銀が所定量封入され、内部圧力は大気圧の数十分の一程度に減圧されている。
ガラス管2の長手方向両端には、一対の電極ユニット6が設けられている。各電極ユニット6は、筒状電極7と、筒状電極7の閉止端である底面部8に接合されたリード線9と、から構成されている。各電極ユニット6の筒状電極7は、ガラス管2の内部空間5の長手方向端部よりもやや内側の位置に、当該筒状電極7の開口部10と他方の電極ユニット6の開口部10同士が対向するように配置されている。各リード線9は、その一端が対応する筒状電極7の底面部8に溶接され、他端がビードガラス3を貫通してガラス管2の外部に引き出されている。リード線9は、コバール等の導電性材料で作られている。
図2は、冷陰極蛍光ランプ1が備える電極ユニット6を示す拡大斜視図である。電極ユニット6を構成している筒状電極7は、長手方向の一方が開口部10として開口し、他方が底面部8によって閉止された筒状部23を備えている。リード線9は、一方の端面12が筒状電極7の底面部8に溶接されている。
筒状電極7は、ニッケルまたはニッケル合金を基材としており、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの炭化物または窒化物が、主に筒状電極7の表面近傍に形成されている。これらの炭化物または窒化物は、ニッケルの結晶自体の中にも存在するが、主に結晶粒界に形成されている。チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムのうち2以上の元素が含まれていてもよい。チタンの混合比は混合比0.009〜0.8重量%が好ましく、ジルコニウムおよびハフニウムの混合比は0.05〜1.1重量%が好ましく、マンガンの混合比は混合比1.1〜4.0重量%が好ましい。各混合比の上限は、主として筒状電極7の製作性に依存する。すなわち、これ以上の混合比になると、材料が硬くなり円筒状へのプレス成形が難しくなる。各混合比の下限は、耐スパッタ性が十分得られるという観点から設定した。
一実施例の組成は、チタンを主たる添加物として含み、ニッケル99.7%、チタン0.05%、マンガン0.15%で、その他の不純物(炭素、けい素、銅、硫黄、マグネシウム、鉄)0.1%である。また、ニッケルには0.01%程度の微量のコバルトを含んでいる。チタンはTiまたはNi−Tiの炭化物となっている。
ここで、これらの金属を添加することで筒状電極7の耐スパッタ性が向上する理由について、図3を参照して説明する。以下、チタンを添加した場合を例に説明するが、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムを添加した場合も同様である。ニッケルまたはニッケル合金は、一般に多結晶構造をとり、結晶Gの境界面に結晶粒界Bが形成される。結晶粒界Bは粒子間の結びつきが弱いため、スパッタリングの影響を受けやすく、スパッタリングは主に結晶粒界Bから発生し、結晶Gの内部に徐々に広がっていく。
一方、ニッケルへの添加物は、結晶粒界Bに偏析する傾向があり、チタンも例外ではない。そして、チタンを結晶粒界Bに十分偏析させた状態で炭化または窒化をさせると、結晶粒界Bでのチタンが炭化物または窒化物、あるいはNi−Tiの炭化物または窒化物となる。これらの炭化物または窒化物は一般に、結晶同士の結合力を大きく向上させ、材料の表面硬さを増加させる作用があり、その結果耐スパッタ性が向上する。前述した混合比の最小値は、耐スパッタ性の向上のために十分な量のチタンが結晶粒界Bに分布するための必要量である。
次に、図4を参照して、以上説明した冷陰極蛍光ランプの製造方法について説明する。
(ステップS1)まず、ニッケルまたはニッケル合金を溶融させ、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウム(以下、添加元素という。)を添加する。その後ニッケルまたはニッケル合金を凝固させると、添加元素を含んだインゴットが形成される。ニッケルまたはニッケル合金からなる基材は前述のように多結晶構造であるため、添加元素は結晶粒界に偏析する。これらの添加元素の一部は、ニッケルおよび大気中から酸素を取り込んで、酸化物の形態でも存在していると考えられるが、すべてが酸化される訳ではなく、多くはそのままの形で存在していると考えられる。
(ステップS2)次に、一般的な圧延工程によって、インゴットを薄板(リボン)に成形する。さらに、薄板をプレス加工して、一端が閉止され他端が開口部となった筒状体を形成する。これらの工程では、潤滑剤としてオイルが使用される。オイルは洗浄によって除去されるが、一部のオイルは結晶粒界を中心に残存し、前述のように結晶粒界の粒子同士の結合力を低下させる可能性がある。筒状体は、図1,2に示す筒状電極7と同一の形状を有しているが、完成された筒状電極7に対して以下に述べる炭化処理または窒化処理を受けていない点で相違している。
(ステップS3)次に、形成された筒状体を炭化する。炭化の方法としては、固体浸炭法、液体浸炭法、ガス浸炭法、真空プラズマ浸炭法などがある。固体浸炭法は浸炭箱中で一酸化炭素(CO)を生じさせ、COを被処理物の表面で分解させ、炭素(C)を浸透拡散させる方法である。液体浸炭法は、被処理物をアルカリ金属シアン塩の浴中に浸漬させ、CNイオンが二酸化炭素と反応してできる炭素を被処理物の表面から浸入させる方法である。ガス浸炭法は、原料ガスを高温中で加熱して浸炭性ガスを発生させ、浸炭性ガス中に含まれる炭素を被処理物に浸炭させる方法である。浸炭性ガスの組成は、一例では、COが0.3%、COが0.2%、Hが37.5%、HOが0.5%、CHが0.2%であり、残りがNである。真空プラズマ浸炭法ではまず、真空炉内で被処理物を、ヒーターによって浸炭温度まで加熱する。次に、炉体および断熱材を陽極、被処理物を陰極として、メタンやフロパン等の炭化水素系ガスを含む270〜400Pa(2〜3Torr)の希ガス雰囲気中で両極間に数百ボルトの直流電圧を印加し、グロー放電を発生させる。グロー放電で生じたプラズマ中での種々の電気化学的作用により、炭化水素系ガスのイオンが被処理物表面に作用し浸炭が行われる。真空プラズマ浸炭法は、ガス浸炭法に比較して浸炭時間が短縮でき、高濃度浸炭が簡単に行え、粒界酸化のない浸炭処理ができることから、冷陰極蛍光ランプ用電極の浸炭処理としてはガス浸炭法以上に有効である。
以上の炭化工程によって、ニッケルまたはニッケル合金の基材の結晶粒界には、チタン、マンガン、ジルコニウム、もしくはハフニウムの炭化物、または、Ni−Ti,Ni−Mn,Ni−Zr,もしくはNi−Hfの炭化物が形成される。
炭化処理の変わりに窒化処理をおこなうこともできる。窒化方法としてはガス浸炭法、塩浴窒化法、プラズマ窒化法などがある。ガス浸炭法は、NHガスを2NH←→2N+3Hの反応で分解させて発生期の窒素(N)を発生させ、この窒素を被窒化物に拡散させて窒化層を得る方法である。塩浴法は、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)のシアン化塩およびシアン化酸塩を主成分とする塩浴の中に被処理物を浸漬して、窒化をおこなう方法である。プラズマ窒化法は、プラズマ状態を利用した窒化方法であり、イオン窒化とも呼ばれている。プラズマ中のイオン化した窒素の一部が被処理物に衝突するとニッケル原子が飛び出す。飛び出したニッケル原子は原子状窒素と結合して窒化ニッケルとなり非処理物に蒸着する。プラズマ窒化法は、真空プラズマ浸炭法と同様の理由により、冷陰極蛍光ランプ用電極の窒化方法としては最も優れている。
以上の窒化工程によって、ニッケルまたはニッケル合金の基材の結晶粒界には、チタン、マンガン、ジルコニウム、もしくはハフニウムの窒化物、または、Ni−Ti,Ni−Mn,Ni−Zr,もしくはNi−Hfの窒化物が形成される。
(ステップS4)次に、筒状電極7にコバール等からなるリード線9を溶着する。
(ステップS5)その後、炭化された一対の筒状体を、内部空間5に少なくとも希ガスと水銀ガスとが封入され、内壁面4に蛍光体層が形成されたガラス管2の中に、筒状電極7として、開口部10同士が対向するように気密に封入する。
本発明の冷陰極蛍光ランプは、製作性の改善も可能である。筒状電極7は、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、かつ添加物質の混合比は小さいため、融点はニッケルの融点(1455℃)とほぼ同等である。これは、リード線9の材料であるコバールの融点(1550℃)ともほぼ同等であるため、筒状電極7にリード線9を溶接して固定する場合に、両者が同程度に軟化し、相互に溶け込み合い、間に合金層を作って強固に固定される。これに対して、モリブデンやニオブなどの高融点金属からなる電極の場合、リード線9を溶融させて固定するほかなく、接着強度や接着手順の面で制約が生じやすかった。本発明は、このような問題点も同時に解決することができる。さらに、本発明の冷陰極蛍光ランプは、添加物質の混合比が小さいため、コストへの影響を最小に抑えることができる。すなわち、本発明の冷陰極蛍光ランプは、大半がニッケルまたはニッケル合金で作られるので、コストもニッケルまたはニッケル合金の電極と大差なく、経済的な冷陰極蛍光ランプを提供することが可能となる。
本発明の冷陰極蛍光ランプの一実施形態を示す模式的断面図である。 図1に示す電極ユニットの拡大斜視図である。 本発明の効果を説明するための金属組織の概念図である。 本発明の冷陰極蛍光ランプの製造方法を説明するフロー図である。
符号の説明
1 冷陰極蛍光ランプ
2 ガラス管
3 ビードガラス
4 内壁面
5 内部空間
6 電極ユニット
7 筒状電極
8 底面部
9 リード線
23 筒状部

Claims (14)

  1. ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかが添加された材料から、一端が閉止され他端が開口部となった筒状体を形成する工程と、
    前記筒状体を炭化する工程と、
    炭化された一対の前記筒状体を、内部空間に少なくとも希ガスと水銀ガスとが封入され、内壁面に蛍光体層が形成されたガラス管の中に、筒状電極として、前記開口部同士が対向するように気密に封入する工程と、
    を有する、冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  2. 前記筒状体を炭化する工程はプラズマ炭化法を用いることを含む、請求項1に記載の冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  3. ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかが添加された材料から、一端が閉止され他端が開口部となった筒状体を形成する工程と、
    前記筒状体を窒化する工程と、
    窒化された一対の前記筒状体を、内部空間に少なくとも希ガスと水銀ガスとが封入され、内壁面に蛍光体層が形成されたガラス管の中に、筒状電極として、前記開口部同士が対向するように気密に封入する工程と、
    を有する、冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  4. 前記筒状電極を窒化する工程はプラズマ窒化法を用いることを含む、請求項3に記載の冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  5. 前記材料には、混合比0.009〜0.8重量%のチタンが添加されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  6. 前記材料には、混合比1.1〜4.0重量%のマンガンが添加されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  7. 前記材料には、混合比0.05〜1.1重量%のジルコニウムが添加されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  8. 前記材料には、混合比0.05〜1.1重量%のハフニウムが添加されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  9. ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかが添加された材料から、一端が閉止され他端が開口部となった筒状体を形成する工程と、
    前記筒状体を炭化する工程と、
    を有する、冷陰極蛍光ランプ用の筒状電極の製造方法。
  10. ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかが添加された材料から、一端が閉止され他端が開口部となった筒状体を形成する工程と、
    前記筒状体を窒化する工程と、
    を有する、冷陰極蛍光ランプ用の筒状電極の製造方法。
  11. 気密に封止された内部空間に少なくとも希ガスと水銀ガスとが封入され、内壁面に蛍光体層が形成されたガラス管と、
    前記内部空間に配置され、一端が閉止され他端が開口部となり、該開口部同士が対向するように配置された、一対の筒状電極と、
    を有し、
    前記筒状電極は、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかの炭化物が前記基材の結晶粒界に偏析している、冷陰極蛍光ランプ。
  12. 気密に封止された内部空間に少なくとも希ガスと水銀ガスとが封入され、内壁面に蛍光体層が形成されたガラス管と、
    前記内部空間に配置され、一端が閉止され他端が開口部となり、該開口部同士が対向するように配置された、一対の筒状電極と、を有し、
    前記筒状電極は、ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかの窒化物が前記基材の結晶粒界に偏析している、冷陰極蛍光ランプ。
  13. 冷陰極蛍光ランプに用いられる、一端が閉止され他端が開口部となった筒状の電極であって、
    ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかの炭化物が前記基材の結晶粒界に偏析している、電極。
  14. 冷陰極蛍光ランプに用いられる、一端が閉止され他端が開口部となった筒状の電極であって、
    ニッケルまたはニッケル合金を基材とし、チタン、マンガン、ジルコニウム、またはハフニウムの少なくともいずれかの窒化物が前記基材の結晶粒界に偏析している、電極。
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