特許文献1に開示された米飯加工食品の包装体は、内フィルム20が一対のサイドフィルム21,21とセンターフィルム22とを有し、両フィルム21,21,22がシールSされることによって、密封性を向上させている。しかし、開封時において、内フィルム20が容易に二分割されるようにするため、センターフィルム22には引裂きの起点となる切り目23が入れられている。この切り目23によって、内フィルム20の内外が連通し、米飯加工食品2の水分(湿気)が外フィルム10との間に密封されたシート状食品1の方へ流入し、シート状食品1を湿気らせてしまう。すると、開封されたときに、シート状食品1のパリパリ感を食することができない。
そこで、本発明は、容易に開封することができるようにしつつ、包装された状態において、米飯加工食品の水分をシート状食品から完全に遮断することができるようにした米飯加工食品用包装材、及び米飯加工食品用包装材の内フィルム原反を提供することを課題とする。
本発明に係る米飯加工食品用包装材は、内側側縁が突き合わされて、離間して又は重なり合って配置される一対のサイドフィルムと該サイドフィルムの内側側部に重ね合わされるセンターフィルムとをシールして一体化されている内フィルムと、長さ方向に分断される外フィルムとがシート状食品を介して重ね合わされるとともに、前記内フィルムと外フィルムの周縁部がシールされている米飯加工食品用包装材において、
前記センターフィルムは、表面がイージーピール性を有し、裏面がイージーピール性を有さず、裏面が両サイドフィルムの表面側又は裏面側と対向するように配置され、表面が一方のサイドフィルムと対向するように折り返された折返部が一方の側部に設けられ、該折返部の表面と一方のサイドフィルムの内側側部とが接合し、他方の側部の裏面と他方のサイドフィルムの内側側部とが接合し、それぞれ全長にわたってシールされていることを特徴としている。
この米飯加工食品用包装材によれば、センターフィルムは、表面がイージーピール性を有し、裏面がイージーピール性を有さず、一方の側部の表面と一方のサイドフィルムの内側側部とが接合し、他方の側部の裏面と他方のサイドフィルムの内側側部とが接合し、それぞれ全長にわたってシールされることにより、内フィルムは隙間や切り目等が形成されることなく一体化される。したがって、この内フィルムと外フィルムとがシート状食品を挟み、両フィルムの周縁部がシールされた米飯加工食品用包装材は、シート状食品を完全に密封することができる。
この米飯加工食品用包装材は、内フィルム側に米飯加工食品を置いて包装することによって、包装具となる。この包装具を開封するときは、外フィルムを分断し、包装具の底側の両端部を反対方向に引っ張る。すると、センターフィルムの表面がイージーピール性を有し、一方のサイドフィルムの内側側部と剥離しやすい状態でシールされていることから、センターフィルムの一方の側部の表面と一方のサイドフィルムの内側側部とのシールが剥離して分離し、一方のサイドフィルムがシート状食品と米飯加工食品との間から引き抜かれる。
他方、センターフィルムの裏面はイージーピール性を有していないことから、センターフィルムの他方の側部の裏面と他方のサイドフィルムの内側側部とのシールは剥離しない。したがって、センターフィルムがシート状食品と米飯加工食品との間に残存することなく、センターフィルムと他方のサイドフィルムとは、一体となったまま、シート状食品と米飯加工食品との間から反対方向に引き抜かれる。このようにしてパリパリの状態のシート状食品が米飯加工食品を包んだ状態となって食することができる。
また、センターフィルムの一方の側部が折り返され、表面が露出する折返部が設けられることにより、センターフィルムが両サイドフィルムと対向する面は、表面と裏面が並列する。したがって、センターフィルムが両サイドフィルムの表面側又は裏面側に配置されると、センターフィルムの一方に設けられた折返部に露出している表面と一方のサイドフィルムの内側側部の表面又は裏面とが接合し、センターフィルムの他方の側部に露出している裏面と他方のサイドフィルムの内側側部の表面又は裏面とが接合し、それぞれ全長にわたってシールされる。
そして、センターフィルムは、折返部の表面が一方のサイドフィルムの内側側部と接合してシールされることにより、両サイドフィルムが反対方向に引っ張られたときに、折返部は、他方のサイドフィルムの方へ捲(めく)り上げられるように引っ張られるため、シールは容易に剥離する。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記センターフィルムは、裏面が露出するように折り返された折返部が他方の側部に設けられ、該折返部と中間部との間に連続して設けられた重合部と前記他方のサイドフィルムの内側側部とが接合してシールされていてもよい。
この米飯加工食品用包装材によれば、センターフィルムの端面形状は、両方の側部に折返部が設けられたS字形となり、センターフィルムの両側が両折返部によって同じ厚さとなるため、内フィルムの原反をロールに巻き取るときに偏肉しないようにすることができる。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記センターフィルムの表面が一方のサイドフィルムに接合する折返部の裏面と該折返部と中間部との間に連続して設けられた重合部の裏面は、シールされないで接合していることが好ましい。
この米飯加工食品用包装材によれば、センターフィルムの剥離される側の一方の側部は、折返部の裏面と重合部の裏面とがシールされないで接合し、折返部の表面と一方のサイドフィルムの内側側部とが接合してシールされる。したがって、このセンターフィルムの一方の側部と一方のサイドフィルムの内側側部とは、センターフィルムの折返部の裏面と重合部の裏面とがシールされている場合よりも容易に剥離し、開封性を向上させることができる。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記各サイドフィルムには、内側側部からセンターフィルムを配置していない側に折り返された折返片が設けられていることが好ましい。
この米飯加工食品用包装材によれば、各サイドフィルムに内側側部に折返片が設けられていることにより、この折返片が米飯加工食品と接合するように包装される。そして、開封に際して、内フィルムが分離して反対方向に引き抜かれるときに、サイドフィルムの内側側部が米飯加工食品と面状に接合して引っ張ることがなく、折返片の折返縁が米飯加工食品上を移動するだけであるため、米飯加工食品が割れないようにすることができる。
また、前記と異なる本発明に係る米飯加工食品用包装材は、内側側縁が突き合わされて、離間して又は重なり合って配置される一対のサイドフィルムと該サイドフィルムの内側側部に重ね合わされるセンターフィルムとをシールして一体化されている内フィルムと、長さ方向に分断される外フィルムとがシート状食品を介して重ね合わされるとともに、前記内フィルムと外フィルムの周縁部がシールされている米飯加工食品用包装材において、前記センターフィルムは、表面がイージーピール性を有し、裏面がイージーピール性を有さず、前記内フィルムは、センターフィルムの中間部が両サイドフィルムの間に挟まれ、センターフィルムの一方の側部の表面が一方のサイドフィルムの内側側部の表面と接合し、センターフィルムの他方の側部の裏面が他方のサイドフィルムの内側側部の裏面と接合し、それぞれ全長にわたってシールされていることを特徴としている。
この米飯加工食品用包装材によれば、センターフィルムの中間部が両サイドフィルムの間に挟まれることにより、センターフィルムの側部が折り返さなくても、センターフィルムの一方の側部の表面が一方のサイドフィルムの内側側部の表面と接合し、センターフィルムの他方の側部の裏面が他方のサイドフィルムの内側側部の裏面と接合し、それぞれ全長にわたってシールして一体化することができる。そして、開封に際して、各サイドフィルムが反対方向に引っ張られると、センターフィルムの一方の側部の表面と一方のサイドフィルムの内側側部とのシールが剥離し、一方のサイドフィルムがシート状食品と米飯加工食品との間から引き抜かれ、センターフィルムの他方の側部の裏面と他方のサイドフィルムの内側側部とはシールされた状態を維持し、シート所食品と米飯加工食品との間から反対方向に引き抜かれる。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記一方のサイドフィルムの内側側部には、折返部が設けられ、該折返部と前記センターフィルムの一方の側部の表面とが接合し、シールされていることが好ましい。
この米飯加工食品用包装材によれば、一方のサイドフィルムの内側側部に設けられた折返部とセンターフィルムの一方の側部の表面とが接合し、シールされていることにより、米飯加工食品を包装した包装具を開封に際して、両サイドフィルムが反対方向に引っ張られたときに、折返部が捲り上げられるようになって、シールが容易に剥離する。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記各サイドフィルムの内側側部には、折返部が設けられ、一方の折返部と前記センターフィルムの一方の側部の表面とが接合し、他方の折返部と前記センターフィルムの他方の側部の裏面とが接合し、それぞれシールされていてもよい。
この米飯加工食品用包装材によれば、両方のサイドフィルムの内側端部に折返部が設けられていることにより、センターフィルムの両側部は、同じ枚数のフィルムが重ね合わされ、内フィルム原反がロール状に巻き取られたときに、偏肉しないようにすることができる。また、センターフィルムの一方の側部の表面と一方のサイドフィルムの折返部とが接合して接合されている部分は、両サイドフィルムが反対方向に引っ張られたときに、容易に剥離する。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記センターフィルムの一方の側部の表面と重なり合う一方のサイドフィルムの折返部と、該折返部と中間部との間に連続して設けられた重合部とは、シールされないで接合していることが好ましい。
この米飯加工食品用包装材によれば、センターフィルムの表面と接合する一方のサイドフィルムの折返部と、この折返部に連続して設けられる重合部とがシールされないで接合し、この折返部とセンターフィルムの表面とがシールされることにより、一方のサイドフィルムの折返部と重合部ともシールされている場合よりも容易に剥離し、開封性を向上させることができる。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記センターフィルムの一方の側部には、裏面が露出するように折り返された折返部が設けられ、該折返部と中間部との間に連続して設けられた重合部の裏面と一方のサイドフィルムの折り返されていない内側側部とが接合し、前記他方のサイドフィルムの内側側部には、折返部が設けられ、該折返部とセンターフィルムの折り返されていない他方の側部の表面とが接合し、それぞれ全長にわたってシールされていてもよい。
この米飯加工食品用包装材によれば、他方のサイドフィルムの折返部とセンターフィルムの一方の側部の表面とが接合してシールされているため、開封に際して、他方のサイドフィルムが引っ張られると、この折返部が捲り上げられるようになって容易に剥離し、一方のサイドフィルムがシート状食品と米飯加工食品との間から引き抜かれる。そして、センターフィルムの一方の側部に設けられた折返部に連続する重合部の裏面と他方のサイドフィルムとが接合してシールされることにより、開封の際に他方のサイドフィルムが引っ張られても、このシールが剥離することなく、センターフィルムと他方のサイドフィルムとが一体となって、シート状食品と米飯加工食品との間から引き抜かれる。さらに、センターフィルムの一方の側部に折返部が設けられることにより、センターフィルムの両側部と各サイドフィルムとは3枚のフィルムが重ね合わされ、内フィルム原反がロール状に巻き取られたときに偏肉しないようにすることができる。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記センターフィルムの表面を接合したいずれか一方のサイドフィルムに、柱用フィルムが接合してシールされていてもよい。
この米飯加工食品用包装材によれば、センターフィルムの一方の側部の表面と一方のサイドフィルムとが接合する部分をシート状食品及び米飯加工食品の中心に位置させ、この中心からシールが剥離するようにすることができる。そして、センターフィルムの他方の側部と他方のサイドフィルムとが偏心して接合し、シールされる。また、センターフィルムの表面を接合したいずれか一方のサイドフィルムに柱用フィルムが接合してシールされる。したがって、この米飯加工食品用包装材は3本のラインでシールされ、各シールが柱のようになってサイドフィルムを補強する。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記柱用フィルムは、センターフィルムの折返部又はサイドフィルムの折返部と同様に二つ折りとされていることが好ましい。
この米飯加工食品用包装材によれば、柱用フィルムが二つ折りとされることにより、柱用フィルムといずれか一方のサイドフィルムとが接合するフィルムは、3枚となり、他の折返部が接合する3枚のフィルムと同じ枚数となるため、内フィルム原反をロール状に巻き取っても偏肉しないようにすることができる。
また、前記と異なる本発明に係る米飯加工食品用包装材は、内側側縁が突き合わされて、離間して又は重なり合って配置される一対のサイドフィルムと該サイドフィルムの内側側部に重ね合わされるセンターフィルムとをシールして一体化されている内フィルムと、長さ方向に分断される外フィルムとがシート状食品を介して重ね合わされるとともに、前記内フィルムと外フィルムの周縁部がシールされている米飯加工食品用包装材において、前記センターフィルムは、表面がイージーピール性を有し、裏面がイージーピール性を有さず、前記一方のサイドフィルムの内側側部に折返部が設けられ、該折返部とセンターフィルムの一方の側部の表面とが接合してシールされ、該センターフィルムの裏面と他方のサイドフィルムの内側側部とが接合してシールされていることを特徴としている。
この米飯加工食品用包装材によれば、一方のサイドフィルムに設けられた折返部とセンターフィルムの一方の側部とが接合してシールされることにより、米飯加工食品を包装した包装具を開封に際して、両サイドフィルムが反対方向に引っ張られたときに、折返部が捲り上げられるようになって、シールが容易に剥離し、そして、他方のサイドフィルムとセンターフィルムの裏面とは剥離することなく、それぞれシート状食品と米飯加工食品との間から引き抜かれる。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記センターフィルムの表面といずれか一方のサイドフィルムの内側側部とは、一部又は全長にわたって鋸歯形状にシールされていることが好ましい。
この米飯加工食品用包装材によれば、センターフィルムの表面と一方のサイドフィルムの内側側部とのシールが一部又は全長にわたって鋸歯形状とされることにより、開封に際して、サイドフィルムが反対方向に引っ張られたときに、鋸歯形状のシールの頂部に集中荷重が作用するようになり、その頂部を起点としてシールが容易に剥離するようにすることができる。
また、本発明に係る米飯加工食品用包装材の内フィルム原反は、内側側縁が突き合わされて又は離間して配置される一対のサイドフィルムと該サイドフィルムの内側側部に重ね合わされるセンターフィルムとをシールして一体化されている内フィルムと、前記センターフィルムの長さ方向に分断される外フィルムとがシート状食品を介して重ね合わされるとともに、前記内フィルムと外フィルムの周縁部がシールされている米飯加工食品用包装材の内フィルム原反であって、内側側部が突き合わされて又は離間して配置される一対のサイドフィルム原反と、表面がイージーピール性を有し、裏面がイージーピール性を有しないセンターフィルム原反とを有し、前記センターフィルム原反の一方の側部に表面を露出させる折返部が設けられ、該折返部と一方のサイドフィルム原反の内側側部の片面とが接合してシールされ、前記センターフィルム原反の他方の側部に裏面を露出させる折返部が設けられ、該折返部と中間部との間に連続して設けられた重合部と他方のサイドフィルム原反の内側側部の前記と同じ側の片面とが接合し、それぞれ長さ方向にシールされていることを特徴としている。
この米飯加工食品用包装材の内フィルム原反によれば、一方のサイドフィルム原反の内側側部とセンターフィルム原反のイージーピール性を有する表面の一方の側部とが接合し、他方のサイドフィルム原反の内側側部とセンターフィルム原反のイージーピール性を有しない裏面の他方の側部とが接合し、それぞれ長さ方向にシールされることにより、密封性を確保し、しかも、イージーピール性を有する表面の側部が一方のサイドフィルム原反の内側側部と接合してシールされることにより、このシール部分を容易に剥離することができるような内フィルムを製造することができる。
また、センターフィルム原反の両側部に折返部が設けられ、この各折返部が両サイドフィルム原反の同じ側の片面に接合してシールされることにより、センターフィルム原反の両側部に同じ枚数のフィルムが重ね合わされ、内フィルム原反が偏肉しないようにロール状に巻き取ることができる。
また、前記と異なる本発明に係る内フィルム原反は、内側側縁が突き合わされて又は離間して配置される一対のサイドフィルムと該サイドフィルムの内側側部に重ね合わされるセンターフィルムとをシールして一体化されている内フィルムと、前記センターフィルムの長さ方向に分断される外フィルムとがシート状食品を介して重ね合わされるとともに、前記内フィルムと外フィルムの周縁部がシールされている米飯加工食品用包装材の内フィルム原反であって、内側側部が突き合わされて又は離間して配置される一対のサイドフィルム原反と、表面がイージーピール性を有し、裏面がイージーピール性を有しないセンターフィルム原反とを有し、前記センターフィルム原反の中間部が内側側部に折返部を設けた両サイドフィルム原反の間に挟まれ、センターフィルム原反の一方の側部の表面が一方のサイドフィルム原反の折返部に接合してシールされ、センターフィルム原反の他方の側部の裏面が他方のサイドフィルム原反の折返部と中間部との間に連続して設けられた重合部と接合し、それぞれ長さ方向にシールされていることを特徴とする。
この米飯加工食品用包装材の内フィルム原反によれば、センターフィルム原反の中間部が両サイドフィルム原反の間に挟まれ、センターフィルム原反の一方の側部の表面が一方のサイドフィルム原反の折返部に接合してシールされ、センターフィルム原反の他方の側部の裏面が他方のサイドフィルム原反の折返部に連続して設けられる重合部と接合してシールされることにより、センターフィルム原反と両サイドフィルム原反とは同じ枚数のフィルムが重ね合わされ、内フィルム原反が偏肉しないようにロール状に巻き取ることができる。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材の内フィルム原反において、前記センターフィルム原反の表面を接合したいずれか一方のサイドフィルム原反に二つ折りにされた柱用フィルム原反が接合してシールされていてもよい。
この米飯加工食品用包装材の内フィルム原反によれば、センターフィルム原反の一方の側部の表面と一方のサイドフィルム原反とが接合する接合部をセンターラインとし、センターフィルム原反の他方の側部の表面と他方のサイドフィルム原反とが偏心して接合していても、二つ折りにされた柱用フィルム原反がセンターフィルム原反の表面を接合したいずれか一方のサイドフィルム原反に接合してシールされることにより、センターラインを対称軸として3枚のフィルムが重ね合わされるため、この内フィルム原反をロール状に巻き取っても偏肉しないようにすることができる。
また、前記と異なる本発明に係る米飯加工食品用包装材の内フィルム原反は、内側側縁が重なり合って配置される一対のサイドフィルムと該サイドフィルムの内側側部に重ね合わされるセンターフィルムとをシールして一体化されている内フィルムと、前記センターフィルムの長さ方向に分断される外フィルムとがシート状食品を介して重ね合わされるとともに、前記内フィルムと外フィルムの周縁部がシールされている米飯加工食品用包装材の内フィルム原反であって、表面がイージーピール性を有し、裏面がイージーピール性を有しないセンターフィルム原反を2枚のサイドフィルム原反が挟むように、かつ、センターフィルム原反及び2枚のサイドフィルム原反の一方の側縁が揃えられて重ね合わされ、それぞれ長さ方向にシールされていることを特徴としている。
この米飯加工食品用包装材の内フィルム原反によれば、2枚のサイドフィルム原反がセンターフィルム原反を挟んでいる状態でロール状に巻き取られ、そして、各サイドフィルム原反の外側側部が反対方向を向くようにして繰り出される。したがって、センターフィルムの表面と接合している一方のサイドフィルム原反の内側側部に折返部が設けられる。そして、この一方のサイドフィルム原反とセンターフィルム原反の表面と他方のサイドフィルム原反とが別途供給される外フィルム原反と対向しつつ、両者間にシート状食品が供給され、このシート状食品を密封するように両原反を溶断すると、米飯加工食品用包装材が製造される。
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材の内フィルム原反において、前記センターフィルム原反の表面と、該表面に接合するいずれか一方のサイドフィルム原反の内側側部との長さ方向のシールは、部分的又は全長にわたる鋸歯形状とされていることが好ましい。
この米飯加工食品用包装材の内フィルム原反によれば、内フィルム原反の表面と、該表面に接合するいずれか一方のサイドフィルム原反の内側側部とが、部分的又は全長にわたって鋸歯形状にシールされることにより、この内フィルム原反から製造される内フィルムと、シート状食品を介して重ね合わされる外フィルムとの周縁部をシールした米飯加工食品用包装材が米飯加工食品を包装した包装具を開封するに際して、サイドフィルムが反対方向に引っ張られたときに、鋸歯形状のシールの頂部にシールが作用するようになり、その頂部を起点としてシールが容易に剥離するようにすることができる。
本発明によれば、内フィルムは、センターフィルムのイージーピール性を有する表面とイージーピール性を有しない裏面の各側部が各サイドフィルムの内側側部と接合して全長にわたってシールされることにより、また、センターフィルムなどに切り目などが入れられていないことにより、外フィルムとの間に挟むシート状食品を完全に密封することができる。したがって、開封されたときに、シート状食品のパリパリ感を食することができる。
また、センターフィルムのイージーピール性を有する表面の側部と一方のサイドフィルムの内側側部とは、貼着力が弱くシールされるため、一方のサイドフィルムが引っ張られると、このシールは容易に剥離し、一方のサイドフィルムは、シート状食品と米飯加工食品との間から引き抜かれる。そして、センターフィルムのイージーピール性を有していない裏面の側部と他方のサイドフィルムの内側側部とは、シールが剥離しないため、センターフィルムがシート状食品と米飯加工食品との間に残存することなく、他方のサイドフィルムとセンターフィルムとは、一体となってシート状食品と米飯加工食品との間から反対方向に引き抜かれる。したがって、この米飯加工食品用包装材は、開封の操作性を向上することができる。
さらに、本発明によれば、米飯加工食品用包装材の内フィルム原反は、ロール状に巻き取られたときに偏肉しないため、巻きずれが生じず、良好な状態で保管することができる。したがって、内フィルム原反はロール状から所期の状態で繰り出され、米飯加工食品用包装材を良好に製造することができる。
〔実施形態1〕
本発明に係る米飯加工食品用包装材(以下、「包装材」という。)の第1の実施形態について図1から図8を参照しながら説明する。この包装材は、図1に示すように、米飯加工食品2を収納できる大きさの長方形状の外フィルム100と、シート状食品1を介して外フィルム100に重ね合わされる内フィルム200とからなり、両フィルム100,200は、シート状食品1を密封するようにシールS(網点で図示)され、一体化されている。なお、米飯加工食品2には、三角形状や樽形状などに軟らかくふんわりと握られた各種おにぎりの他、寿司なども含まれるが、ここでは「おにぎり」という。また、シート状食品1には、シート状の海苔の他、畳鰯なども含まれるが、ここでは「海苔」という。
そして、外フィルム100は、切断手段によって長さ方向に分断可能とされており、そのため、カットテープ101や糸などが裏面に貼着され、あるいは、ハーフカットが形成される。カットテープ101は、ワイドオープンできるように、外フィルム100の両短辺を結ぶ平行な2本で構成されている。ただし、切断手段は、図示しないが、外フィルム100の両短辺の中心を結ぶ1本のカットテープ101だけで構成してもよい。いずれにしても、外フィルム100の両端辺には、カットテープ101の各端部を摘みやすいようにするためのノッチ102,102が形成されている。
一方、内フィルム200は、おにぎり2に接合し、おにぎり2の水分によって海苔1が湿気らないようにするためのもので、例えば、図1に示すように、帯状のセンターフィルム210と、このセンターフィルム210各外側部に重ね合わされた一対のサイドフィルム221,222の3枚で構成されている。
センターフィルム210は、表面210aがイージーピール性を有し(図5及び図6において太線で図示する。)、裏面210bがイージーピール性を有していない。イージーピール性を有するようにするため、弱シール層がセンターフィルム210のベースに積層されている。そして、センターフィルム210は、両サイドフィルム221,222が海苔1と接合する裏面側に配置した場合を図示したが、おにぎり2と接合する表面側に配置してもよい。
また、各サイドフィルム221,222の内側の端縁は、突き合うように図示したが、センターフィルム210の幅よりも狭い範囲で離隔していてもよいし、逆に重なり合ってもよい。さらに、各サイドフィルム221,222には、図2に示すように、各サイドフィルム221,222の内側側縁からセンターフィルム210を配置していない側、すなわち、おにぎり2を配置した表面側に折り返された折返片221a,222aが設けられてもよい。この折返片221a,222aによって、開封の際におにぎり2がサイドフィルム221,222の内側に引っ張られることなく、割れにくいようにすることができる。
いずれにしても、一方のサイドフィルム221の内側側部221bには、センターフィルム210の表面210aが接合し、他方のサイドフィルム222の内側側部222bには、センターフィルム210の裏面210bが接合し、それぞれ全長にわたって超音波若しくは熱板によってヒートシール又は接着剤によってシール(以下、「シール」という。)Sされている。そのため、センターフィルム210の端面形状は、両側部に折返部211,211を設けたS字形とされている。このS字形のセンターフィルム210は、各折返部211,211と中間部との間に連続して重合部212,212が設けられ、折返部211と重合部212と各サイドフィルム221,222の内側側部221b,222bが重なり合ってシールSされている。
このようにセンターフィルム210と両サイドフィルム221,222とがシールされた内フィルム200は、図3に示すような内フィルム原反200Gが一定の間隔で切断されることによって製造される。内フィルム原反200Gは、センターフィルム原反210Gの各側部と並列した一対のサイドフィルム原反221G,222Gの内側側部とをシールして一体化したもので、シールして接合している部分は、それぞれ3枚のフィルムがセンターラインを対称軸にして重なり合っている。したがって、この内フィルム原反200Gは、ロール状に巻き取られても偏肉することがなく、巻きずれしないようにすることができる。
ただし、機能的には、センターフィルム210の端面形状は、図4に示すように、一方の側部にのみ折返部211を設けたJ字形とし、折返部211で露出する表面210aが一方のサイドフィルム221の内側側部221bに接合し、折返部211が設けられていない他方の側部の裏面210bが他方のサイドフィルム222の内側側部222bに接合し、それぞれシールされてもよい。
また、センターフィルム210と両サイドフィルム221,222とのシールは、図1から図3及び図5(a)に示すような各折返部211,211の中心線上にする他、図5(b)に示すような各折返部211,211の折返縁上、図5(c)に示すような各折返部211,211の先端上のいずれにしてもよい。
さらに、センターフィルム210の折返部211と一方のサイドフィルム211とは、図6に示すように、折返部211の表面210aと一方のサイドフィルム211とのみシールSし、折返部211と重合部212とはシールSしないようにしてもよい。このようにすることにより、折返部211と重合部212とがシールSされているときよりも、折返部211と一方のサイドフィルム211とのシールSを剥離しやすくすることができる。
また、センターフィルム210の表面210aと一方のサイドフィルム221とのシールSは、図1から図4に示すような直線状のほか、図7及び図8に示すような鋸歯形状とすることにより、シールが剥離しやすいようにしてもよい。図7(a)は、直線状のシールと同じ幅内で二等辺三角形を多数連続させた鋸歯形状、図7(b)は、直線状のシールと同じ幅内で直角三角形を多数連続させた鋸歯形状、図7(c)は、中心のみ三角形に突出させた鋸歯形状である。
また、図8(a)は、各頂部が尖ったジグザグ状の鋸歯形状、図8(b)は、各頂部が丸いジグザグ状の鋸歯形状、図8(c)は、各頂部が他の部分よりも細いジグザグ状の鋸歯形状である。ただし、シールSの鋸歯形状はこれらに限定するものではなく、例えば、複数の三角形が突出した鋸歯形状などとしてもよい。いずれにしても、鋸歯形状のシールは、頂部に集中荷重が作用する状態となるため、直線状のシールよりも容易に剥離する。
一方、センターフィルム210の裏面210bと他方のサイドフィルム222とのシールは、剥離しないため、直線状としておいてもよい。そして、内フィルム200は、センターフィルム210と両サイドフィルム221,222とがシールによって隙間なく一体化されているため、この内フィルム200と前記外フィルム100とが海苔1を挟み、両フィルム200,100の周縁部がシールSされると、海苔1を完全に密封した包装材が形成される。
また、この包装材は、内フィルム200がおにぎり2と接合するように二つ折りとされ、重なり合う内フィルム200の周縁部の三方がシールされることによって、海苔1をおにぎり2から分離して包装した包装具となる。包装材が二つ折りとされることにより、おにぎり2が柔らかくふんわりと握られていても、形崩れすることがない。したがって、硬く握られたおにぎり2を包装するときは、包装材をおにぎりの形状に沿って折り曲げて包装してもよい。
いずれにしても、内フィルム200は、センターフィルム210と両サイドフィルム221,222とが隙間なく一体化され、また、切り目が入れられていないため、おにぎり2の水分を海苔1の方へ浸入させない。したがって、海苔1は、パリパリの状態が維持されて包装される。
そして、開封するには、まず、外フィルム100をカットテープ101によって分断し、包装具の底部側の両角部を反対方向に引っ張る。すると、センターフィルム210のイージーピール性を有している表面210aと一方のサイドフィルム221の内側側部221bとのシールSが剥離する。このとき、センターフィルム210の折返部211が他方のサイドフィルム222の方へ捲(めく)り上げられるように引っ張られるため、シールSは容易に剥離する。また、シールSが鋸歯形状であると、シールSはさらに容易に剥離する。
一方、センターフィルム210のイージーピール性を有していない裏面210bと他方のサイドフィルム222の内側側部222bとは剥離しない。したがって、内フィルム200は、センターフィルム210と一方のサイドフィルム221との間で分離し、一方のサイドフィルム221がおにぎり2と海苔1との間から引き抜かれるとともに、センターフィルム210と他方のサイドフィルム222とが一体となったまま、おにぎり2と海苔1との間から反対方向に引き抜かれる。すると、パリパリの状態の海苔1がおにぎり2を包む状態となって食することができる。
なお、図2に示すように、各サイドフィルム221,222に折返片221a,222aが設けられていると、開封に際して、各サイドフィルム221,222が反対方向に引き抜かれるときは、各サイドフィルム221,222の折返片221a,222aの折返縁がおにぎり2の表面を移動し、折返片221a,222aがおにぎり2を擦らないため、おにぎり2が割れにくいようにされている。
〔実施形態2〕
次に、本発明に係る包装材の第2の実施形態について図9から図14を参照しながら説明する。ただし、第1の実施形態と同一に相当する部分については、同一符号を付して説明する。
この包装材の内フィルム200は、センターフィルム210の両側部が折り返されず、一方の側部213の表面210aが一方のサイドフィルム221のおにぎり2側の表面と接合し、他方の側部214の裏面210bが他方のサイドフィルム222の海苔1側の裏面と接合する。そのため、センターフィルム210の中間部が各サイドフィルム221,222の内側縁の間に挟まれた状態となっている。
例えば、図9及び図10に示す両サイドフィルム221,222には、内側縁をおにぎり2側に折り返した折返部221c,222cが設けられている。センターフィルム210の一方の側部213の表面210aが一方のサイドフィルム221の折返部221cと接合し、センターフィルム210の他方の側部214の裏面210bが他方のサイドフィルム222の折返部222cと中間部との間に連続して設けられた重合部222dと接合し、それぞれ全長にわたってシールされる。
そして、センターフィルム210の一方の側部213は、イージーピール性を有する表面210a(図10において、太線で図示する。)が一方のサイドフィルム221の折返部221cにと接合してシールSされることにより、一方のサイドフィルム221が引っ張られたときに、折返部221cが捲り上げられるようになって、このシールSは容易に剥離する。
なお、センターフィルム210の一方の側部213と一方のサイドフィルム221とは、図10(a)に示すように、一方の側部213の表面210aと、一方のサイドフィルム221の折返部221cと、この折返部221cと中間部との間に連続して設けられた重合部221dとがシールされてもよいし、図10(b)に示すように、一方のサイドフィルム221の折返部221cと重合部221dとがシールされず、センターフィルム210の一方の側部213と一方のサイドフィルム221の折返部221cとのみシールされてもよい。図10(b)に示す内フィルム200の方が図10(a)に示す内フィルム200よりも、センターフィルム210と一方のサイドフィルム221とが剥離しやすいようにすることができる。
そして、このシールSは、図9に示すような直線状としてもよいが、さらに剥離しやすいようにするため、図7又は図8に示すような鋸歯形状にシールしてもよい。いずれにしても、このシールSされる部分は、センターフィルム210、一方のサイドフィルム221の折返部221c、そして重合部221dの3枚のフィルムが重ね合わされている。
そして、他方のサイドフィルム222とセンターフィルム210の他方の側部214のイージーピール性を有しない裏面210bとは、シールSが剥離するものではないため、他方のサイドフィルム222には折返部222cを必ずしも設ける必要はない。しかし、他方のサイドフィルム222に折返部222cを設けることによって、センターフィルム210の両側部213,214がサイドフィルム221,222と接合する部分は、ともに3枚のフィルムが重なり合い、この内フィルム200の原反200Gが図3に示すようにロール状に巻回されている状態において、偏肉することなく、巻きずれが生じないようにすることができる。
また、両折返部221c,222cがともにおにぎり2側に折り返されることにより、内フィルム200の原反200Gを製造する生産性を向上させることができる。したがって、内フィルム200の原反200Gを偏肉することなくロール状に巻回するだけであれば、他方のサイドフィルム222の折返部222cは、図11に示すように、一方のサイドフィルム221の折返片221aと逆方向の海苔1側に折り返してもよい。
また、図12及び図13に示す内フィルム200には、一方のサイドフィルム221に、二つ折りにされた柱用フィルム223が接合して全長にわたってシールSされている。この内フィルム200は、センターフィルム210のイージーピール性を有している表面210aの一方の側部213と一方のサイドフィルム221の折返部221cとがおにぎり2の中心に位置するように配置される。したがって、センターフィルム210のイージーピール性を有していない裏面210bの他方の側部214と他方のサイドフィルム222の折返部222cが偏心して配置される。そこで、柱用フィルム223を一方のサイドフィルム221に貼着することにより、一方のサイドフィルム221を補強し、バランスをとることができる。
したがって、センターフィルム210の一方の側部213と他方の側部214との間隔と、センターフィルム210の一方の側部213と柱用フィルム223との間隔とが同じになるようにされている。そして、センターフィルム210の各側部213,214と各サイドフィルム221,222の折返部221c,222c及び重合部221d,222dとが接合している部分は、3枚のフィルムが重なり合っている。したがって、柱用フィルム223を二つ折りとすることにより、柱用フィルム223と一方のサイドフィルム221とが接合する部分も3枚のフィルムが重なり合うようにし、この内フィルム200の原反200Gを図3に示すようにロール状に巻回したときに偏肉しないようにする。
また、各サイドフィルム221,222の折返部221c,222cは、図12及び図13に示すように、同じ側、例えば、おにぎり2側に折り返されることにより、効率的に生産することができる。しかし、各サイドフィルム221,222の折返部221c,222cは、図14に示すように、反対側に折り返してもよい。この場合であっても、センターフィルム210の一方の側部213の表面210aと一方のサイドフィルム221の折返部221cとが接合し、センターフィルム210の他方の側部214の裏面210bと他方のサイドフィルム222の折返部222cとが接合し、それぞれ全長にわたってシールSされる。
このような第2の実施形態における内フィルム200も、センターフィルム210と両サイドフィルム221,222とがシールされ、隙間なく一体化され、切り目が入れられていない。したがって、この内フィルム200と外フィルム100とは、海苔1を挟み、周囲がシールSされることによって海苔1を密封した包装材が形成される。この包装材も、二つ折りにされることによって、又はおにぎり2の形状に沿っておにぎり2を包装すると、包装具となる。
なお、柱用フィルム223がシールされた内フィルム200は、3枚のフィルムが重なり合っている部分が3本設けられているため、特に、柔らかく握られたおにぎり2は、ガードされた状態で包装される。
この包装具を開封するときは、まず、外フィルム100をカットテープ101によって分断し、包装具の底部側の両端部を反対方向に引っ張る。すると、センターフィルム210の一方の側部213の表面210aと一方のサイドフィルム221のシールSが剥離される。一方のサイドフィルム221は、折返部221cが捲り上げられるようになって、このシールSが容易に剥離する。しかし、センターフィルム210の他方の側部214と他方のサイドフィルム222とはシールSが剥離することなく一体のままの状態を維持する。
そして、一方のサイドフィルム221と他方のサイドフィルム222及びセンターフィルム210とは反対方向に引っ張り出され、パリパリの状態の海苔1がおにぎりを包む状態となって食することができる。なお、柱用フィルム223がシールされた内フィルム200は、おにぎり2の中心から分離するため、おにぎり2がさらに割れにくいようにされている。
〔実施形態3〕
次に、本発明に係る包装材の第3の実施形態について図15を参照しながら説明する。ただし、第1、第2の実施形態と同一に相当する部分は、同一符号を付して説明する。
この包装材の内フィルム200も第2の実施形態と同様、センターフィルム210が各サイドフィルム221,222の内側縁の間を斜交いに貫通している。このセンターフィルム210には、一方の側部213のみ折り返した折返部211が設けられている。そして、一方のサイドフィルム221の内側側部221bには折返部が設けられず、他方のサイドフィルム222の内側側部222bには折返部222cが設けられている。
センターフィルム210の折返部211は、イージーピール性を有している表面210a(太線で図示する。)が内側になるように折り返され、折返部211に連続する重合部212の裏面210bが一方のサイドフィルム221の内側側部221bと接合して全長にわたってシールSされている。そして、センターフィルム210の他方の側部214は、折り返されず、表面210aが他方のサイドフィルム222の折返部222cと接合して全長にわたってシールSされている。
そして、このセンターフィルム210の他方の側部と他方のサイドフィルム222の折返部222cがおにぎり2の中心に位置するように配置され、センターフィルム210の折返部211と一方のサイドフィルム221とが接合する部分は偏心する。そこで、他方のサイドフィルム222に二つ折りにされた柱用フィルム223が接合して全長にわたってシールされる。この柱用フィルム223は、他方のサイドフィルム222を補強する。また、柱用フィルム223が二つ折りとされることにより、重なり合うフィルムはいずれも3枚となり、図3に示すように内フィルム200の原反200Gをロール状に巻回したときに、偏肉しないようにすることができる。
したがって、第3の実施形態における内フィルム200も、センターフィルム210の両側部213,214と各サイドフィルム221,222の内側側部との重なり合う部分が、おにぎり2の両側付近となるように配置するときは、柱用フィルム223を設けないようにしてもよい。いずれにしても、内フィルム200は、センターフィルム210と両サイドフィルム221,222とがシールされ、隙間なく一体化され、切り目が入れられていないことにより、外フィルム100との間に挟む海苔1を密封した包装材が形成される。
この包装材も、二つ折りにされることによって、又はおにぎり2の形状に沿っておにぎり2を包装すると、包装具となる。この包装具を開封に際して、センターフィルム210のイージーピール性を有している表面210aと他方のサイドフィルム222とのシールは、折返部222cが捲り上げられる状態となって、容易に剥離する。したがって、一方のサイドフィルム221と、他方のサイドフィルム222及びセンターフィルム210は、おにぎり2と海苔1との間から反対方向に引き抜かれ、海苔1がおにぎり2を包んだ状態となって食することができる。
〔実施形態4〕
次に、本発明に係る包装材の第4の実施形態について図16及び図17を参照しながら説明する。ただし、第1〜第3の実施形態と同一に相当する部分は、同一符号を付して説明する。
この包装材の内フィルム200は、センターフィルム210の両側部が折り返されず、一方の側部213のイージーピール性を有している表面210aが一方のサイドフィルム221の内側縁をおにぎり2側に折り返した折返部221cと接合してシールされ、センターフィルム210の両側部213,214のイージーピール性を有していない裏面210bが他方のサイドフィルム222の内側に接合してシールSされている。
一方のサイドフィルム221とセンターフィルム210とは、図16に示すように、折返部221cと中間部との間に連続して設けられた重合部221dと折返部221cとセンターフィルム210の一方の側部213とをシールSしてもよいが、図17に示すように、重合部221dと折返部221cとをシールSしないで、折返部221cとセンターフィルム210の一方の側部213とのみシールSすることにより、一方のサイドフィルム221とセンターフィルム210とのシールSが容易に剥離できるようにしてもよい。また、センターフィルム210の一方の側部213と一方のサイドフィルム221の折返部221cとのシールSは、図16に示すような直線状としてもよいが、さらに剥離しやすいようにするため、図7又は図8に示すような鋸歯形状にシールしてもよい。
いずれにしても、このセンターフィルム210の一方の側部213と一方のサイドフィルム221の折返部221cとのシールSがおにぎり2の中心に位置するように配置される。おにぎり2の一方の側部には、センターフィルム210と他方のサイドフィルム222の2枚のフィルムが重なり合うため、おにぎり2の他方の側部には、図12から図14に示すような柱用フィルムをシールしてもよい。
このような内フィルム200は、図18に示すような内フィルム原反200Gから製造される。内フィルム原反200Gは、一方のサイドフィルム原反221G、センターフィルム原反210Gそして他方のサイドフィルム原反222Gが一方の側縁を揃えて重ね合わされて前記のようにシールされている。また、一方のサイドフィルム原反221Gは、成形される一方のサイドフィルム221に折返部221cを設け、この折返部221cがおにぎり2の中心に位置するようにするため、他方のサイドフィルム原反222Gよりも幅広に形成されている。
このような内フィルム原反200Gは、ロール状に巻回された状態から繰り出される。また、一方のサイドフィルム原反221Gは、円弧の矢印で示すように、側縁が反対向きに転換され、一方のサイドフィルム221に折返部221cが設けられるようにする。そして、内フィルム原反200Gと対向して外フィルム原反(図示せず)が繰り出され、両原反間に海苔1が供給される。そして、海苔1を挟んだ両原反が一定の間隔ごとに溶断されると、海苔1を密封した包装材が製造される。
この包装材によっておにぎり2を包装した包装具を開封するには、底部側の両角部を反対方向に引っ張ることにより、センターフィルム210の一方の側部213と一方のサイドフィルム221の折返部221cとのシールSを剥離させる。そして、一方のサイドフィルム221とシールSされたままのセンターフィルム210及び他方のサイドフィルム222とを反対方向に引き抜く。すると、パリパリの状態の海苔1によって包まれたおにぎり2を食することができる。
なお、本発明は、前記の実施形態に限定することなく、特許請求の範囲に記載した発明特定事項の範囲内において種々変更することができる。前記の各実施形態においては、センターフィルム210のイージーピール性を有している表面210aのシールSが剥離しやすいように、このシールSする部分に折返部211を設けた場合について説明したが、折返部211を設けることなくセンターフィルム210の表面210aをサイドフィルム221,222に接合してシールSしてもよい。この場合の柱用フィルム223は、二つ折りにされずに1枚のみサイドフィルム221,222に接合してシールSされる。また、第1の実施形態で説明したサイドフィルム221,222に柱用フィルム223を接合してシールSしてもよい。