JP4309156B2 - 留め具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、雄部材と雌部材とを備えており、パネルなどの留め付け対象物に形成された取り付け穴に雌部材を差し込むことによりこの雌部材を留め付け対象物に掛合させた後、この雌部材内に雄部材の一部を入れ込むことにより、この掛合状態を安定的に確保できるようにした留め具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
外筒体(つまり雌部材)と挿入体(つまり雄部材)とからなり、取り付け穴に外筒体を差し込んだ後、この外筒体の中空部に挿入体の棒体を挿入させることにより、外筒体の拡開部を外向きに開き出させて、このように開き出された拡開部と外筒体のフランジ部とで取り付け穴の備えられた対象物への留め付けをなす留め具として、特許文献1に示されるものがある。
【0003】
【特許文献1】
実公平2−1526号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに特許文献1に示される留め具にあっては、外筒体の拡開部の開き出しをこの外筒体への挿入体の挿入によらしめていることから、この外筒体への挿入体の挿入力を低減させることに限界を有していた。すなわち、外筒体の拡開部の剛性を低めれば、外筒体への挿入体の挿入力を低くできるが、単純にこのようにしてしまうと取り付け穴に対する拡開部の掛合力を低下させてしまうこととなる。
【0005】
また、この種の留め具にあっては、外筒体内に入れ込みきられた挿入体の抜け出しの防止を確保する必要があるが、特許文献1のものにあっては、挿入体が入れ込み切られた位置での棒体の先端側に形成された顎状部に対し外筒体の拡開部の先端内側部を掛合させるようにしている。しかしながら、かかる挿入体は前記入れ込みきられた状態から予期せず抜け出すようなことがないように外筒体側に掛合されれば足り、開き出させることに一定の力を要することとせざるを得ない前記拡開部によってこの挿入体の抜け出しを防止させるようにしなければ、この点においても挿入体の挿入力の低減を図ることができるといえる。
【0006】
そこでこの発明は、雄部材と雌部材とを備えており、パネルなどの留め付け対象物に形成された取り付け穴に雌部材を差し込むことによりこの雌部材を留め付け対象物に掛合させた後、この雌部材内に雄部材の一部を入れ込むことにより、この掛合状態を安定的に確保できるようにした留め具において、雄部材を雌部材に差し込むにあたっての挿入力を留め付け対象物側への雌部材の掛合力を低下させることなく、できる限り軽減できるようにすることを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、留め具が以下の(1)〜(4)の構成を備えたものとした。
(1)頭部と、軸部とを備えた雄部材と、
(2)基部と、留め付け対象物に形成された取り付け穴への差込部とを備えると共に、この差込部に取り付け穴へのこの差込部の差し込みに伴って一旦内向きに撓み込んだ後、この取り付け穴に差込部を差し込み切った位置で弾発して基部との間で留め付け対象物を挟む弾性掛合片を備えた雌部材とを備えており、
(3)雌部材の差込部には、雄部材の軸部の入れ込み空間が形成されていると共に、
雌部材の基部には、この入れ込み空間に連通した入れ込み穴が形成されており、
雌部材の弾性掛合片は、差込部の差し込み方向に沿った一対の縦向きの割溝と、この一対の縦向きの割溝の上端間に亘る横向きの割溝とによって区分された差込部の一部によって差込部の先端側を中心として入れ込み穴の内方に向けて撓み込み可能に構成されており、
(4)雄部材の軸部には、雌部材の入れ込み空間内に入れ込まれた際に、この雌部材の弾性掛合片の内面に接してこの弾性掛合片の撓み込みを阻止する太さを備えた阻止部と、
この雄部材の軸部を雌部材の入れ込み穴から入れ込み空間に入れ込むことに伴って一旦弾性変形した後、この入れ込み空間に軸部を入れ込み切った位置で弾発して、雌部材の差込部における横向きの割溝に内方から入り込み掛合する抜け止め掛合片とが備えられている。
【0008】
かかる構成によれば、
(1)留め付け対象物の取り付け穴に雌部材の差込部を差し込むことにより、この雌部材の基部と弾性掛合片とにより、留め付け対象物を挟んで、この留め付け対象物に雌部材をワンタッチで掛合させることができる。すなわち、雌部材の差し込み手前側にある取り付け穴の穴口部に基部を、差し込み先側にある取り付け穴の穴口部に弾性掛合片をその弾発によって引っかけさせることができ、これにより、留め付け対象物に対し雌部材を掛合させることができる。
(2)次いで、留め付け対象物に対してこのように雌部材を掛合させた後、この雌部材の基部に設けられた入れ込み穴から雄部材の軸部を雌部材内に入れ込ませることにより、この軸部を差込部の入れ込み空間に入れ込ませることができる。そして、このように入れ込まれた雄部材の軸部によって、雌部材の弾性掛合片の内向きへの撓み込みを阻止させることができる。これにより、留め付け対象物に対する雌部材の掛合状態を安定的に確保させることができる。
(3)雄部材には、かかる雌部材の入れ込み空間に対する軸部の入れ込みに伴って、雌部材の差込部に形成された横向きの割溝に内方から入り込んで掛合する抜け止め掛合片が形成してあることから、この入れ込み空間に雄部材の軸部を入れ込み切った状態は安定的に維持される。雄部材の抜け止め掛合片は、雌部材内からの雄部材の軸部の抜け出しを阻止する大きさの掛合力をもって前記横向きの割溝に掛合されれば足りることから、この抜け止め掛合片の剛性を高める必要はなく、すなわち、抜け止め掛合片は撓み易く構成できる。これにより、留め付け対象物に掛合された雌部材内への雄部材の軸部の入れ込みに必要な挿入力をできる限り軽減させることができる。また、雄部材の抜け止め掛合片は、雌部材の差込部における横向きの割溝に掛合されることから、雌部材の弾性掛合片を形成させるための横向きの割溝を利用して、雌部材の構造を複雑にすることなく、雌部材内に軸部を入れ込み切らせた雄部材のその抜け止めを防止する雌部材との掛合をなさしめることができる。
【0009】
また、請求項2記載の発明あっては、請求項1記載の留め具における雄部材と雌部材とが、一端を雄部材の頭部に連接させ、かつ、他端を雌部材の基部に連接させた屈曲又は湾曲可能な連接片によって連接してあることを特徴としている。
【0010】
かかる構成によれば、雌部材に雄部材を入れ込ませるまでの間、つまり、両者を組み合わせるまでの間も、雌部材と雄部材とを一体的に取り扱うことができ、留め付け作業を行い易くすることができる。また、雌部材を留め付け対象物に留め付けた後は、連接片を屈曲又は湾曲させて、このように留め付けられた雌部材内に雄部材の軸部を支障なく入れ込むことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図12に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0012】
なお、ここで図1ないし図7は、実施の形態にかかる留め具をそれぞれ示しており、また、図8は、かかる留め具を構成する雌部材2を断面の状態として、また、図9は、かかる留め具を構成する雄部材1を断面の状態として、図10は、かかる雌部材2に雄部材1の軸部11を入れ込み切らせた状態を断面の状態として、それぞれ示している。また、図11は、留め付け対象物Pに形成された取り付け穴Phに雌部材2の差込部21を入れ込み切らせた状態を、また、図12は、図11の状態から雌部材2内に雄部材1の軸部11を入れ込み切らせた最終的な留め付け状態を、それぞれ示している。
【0013】
この実施の形態にかかる留め具は、雄部材1と雌部材2とを備えており、パネルP’などの留め付け対象物Pに形成された取り付け穴Phに雌部材2を差し込むことによりこの雌部材2を留め付け対象物Pに掛合させた後、この雌部材2内に雄部材1の一部を入れ込むことにより、この掛合状態を安定的に確保できるようにしたものであって、これにより、取り付け穴Phをそれぞれ備えた二枚以上のパネルP’、P’の留め付けをなしたり、掛合された雌部材2を利用してこの雌部材2の掛合された留め付け対象物Pに対し別の部材を取り付けたりして用いられるものである。
【0014】
かかる雄部材1は、
(1)頭部10と、
(2)軸部11とを備えている。
(3)また、この雄部材1の軸部11には、後述する雌部材2の入れ込み空間21f内に入れ込まれた際に、この雌部材2の後述する弾性掛合片21aの内面に接してこの弾性掛合片21aの撓み込みを阻止する太さを備えた阻止部11aと、
(4)この雄部材1の軸部11を雌部材2の入れ込み穴20aから入れ込み空間21fに入れ込むことに伴って一旦弾性変形した後、この入れ込み空間21fに軸部11を入れ込み切った位置で弾発して、雌部材2の差込部21における後述する横向きの割溝21hに内方から入り込み掛合する抜け止め掛合片11bとが備えられている。
【0015】
一方、かかる雌部材2は、
(1)基部20と、
(2)留め付け対象物Pに形成された取り付け穴Phへの差込部21とを備えると共に、
(3)この差込部21に取り付け穴Phへのこの差込部21の差し込みに伴って一旦内向きに撓み込んだ後、この取り付け穴Phに差込部21を差し込み切った位置で弾発して基部20との間で留め付け対象物Pを挟む弾性掛合片21aを備えている。
(4)また、雌部材2の差込部21には、雄部材1の軸部11の入れ込み空間21fが形成されていると共に、
雌部材2の基部20には、この入れ込み空間21fに連通した入れ込み穴20aが形成されており、
(5)さらに、雌部材2の弾性掛合片21aは、差込部21の差し込み方向に沿った一対の縦向きの割溝21g、21gと、この一対の縦向きの割溝21g、21gの上端間に亘る横向きの割溝21hとによって区分された差込部21の一部によって差込部21の先端側を中心として入れ込み空間21fの内方に向けて撓み込み可能に構成されている。
【0016】
これにより、この実施の形態にかかる留め具によれば、
(1)留め付け対象物Pの取り付け穴Phに雌部材2の差込部21を差し込むことにより、この雌部材2の基部20と弾性掛合片21aとにより、留め付け対象物Pを挟んで、この留め付け対象物Pに雌部材2をワンタッチで掛合させることができる。すなわち、雌部材2の差し込み手前側にある取り付け穴Phの穴口部に基部20を、差し込み先側にある取り付け穴Phの穴口部に弾性掛合片21aをその弾発によって引っかけさせることができ、これにより、留め付け対象物Pに対し雌部材2を掛合させることができる。
(2)次いで、留め付け対象物Pに対してこのように雌部材2を掛合させた後、この雌部材2の基部20に設けられた入れ込み穴20aから雄部材1の軸部11を雌部材2内に入れ込ませることにより、この軸部11を差込部21の入れ込み空間21fに入れ込ませることができる。そして、このように入れ込まれた雄部材1の軸部11によって、雌部材2の弾性掛合片21aの内向きへの撓み込みを阻止させることができる。これにより、留め付け対象物Pに対する雌部材2の掛合状態を安定的に確保させることができる。
(3)雄部材1には、かかる雌部材2の入れ込み空間21fに対する軸部11の入れ込みに伴って、雌部材2の差込部21に形成された横向きの割溝21hに内方から入り込んで掛合する抜け止め掛合片11bが形成してあることから、この入れ込み空間21fに雄部材1の軸部11を入れ込み切った状態は安定的に維持される。雄部材1の抜け止め掛合片11bは、雌部材2内からの雄部材1の軸部11の抜け出しを阻止する大きさの掛合力をもって前記横向きの割溝21hに掛合されれば足りることから、この抜け止め掛合片11bの剛性を高める必要はなく、すなわち、抜け止め掛合片11bは撓み易く構成できる。これにより、留め付け対象物Pに掛合された雌部材2内への雄部材1の軸部11の入れ込みに必要な挿入力をできる限り軽減させることができる。また、雄部材1の抜け止め掛合片11bは、雌部材2の差込部21における横向きの割溝21hに掛合されることから、雌部材2の弾性掛合片21aを形成させるための横向きの割溝21hを利用して、雌部材2の構造を複雑にすることなく、雌部材2内に軸部11を入れ込み切らせた雄部材1のその抜け止めを防止する雌部材2との掛合をなさしめることができる。
【0017】
図示の例にあっては、雄部材1の頭部10は、円盤状をなすように構成されている。軸部11は、この頭部10の一面に軸一端を一体に接合させている。この軸部11の軸他端、つまり、先端からこの軸部11の長さ方向ほぼ中程の位置までは、丸棒状をなすように構成されており、この丸棒状をなす部分が前記阻止部11aとして機能するようにしてある。
【0018】
阻止部11aの上端(頭部10の側にある阻止部11aの端)と頭部10との間に、抜け止め掛合片11bが形成してある。図示の例では、かかる抜け止め掛合片11bは、軸部11の直径方向両側にそれぞれ形成してある。図示の例では、阻止部11aの上端に下端を一体に連接させ、かつ、頭部10の一面に上端を一体に連接させた一対の側板11g、11gによって、阻止部11aと頭部10とが連接されている。そして、この一対の側板11g、11gの間に形成された空間内に、抜け止め掛合片11bが配されるようになっている。
【0019】
一対の抜け止め掛合片11b、11bはそれぞれ、下端を阻止部11aの上端に一体に連接させて頭部10の側に向けて突き出すように設けられている。一対の抜け止め掛合片11b、11bの内面間には、この抜け止め掛合片11bの撓み込みを許容させる間隔が形成されている。
【0020】
また、かかる抜け止め掛合片11bの外面部には、頭部10の側に向けられた掛合面11dを備えた掛合突部11cが形成されている。また、この掛合突部11cにおける阻止部11aの上端に向けられた側には、頭部10の側に向かうに連れて掛合突部11cの突き出し寸法を次第に大きくするように傾斜した傾斜面11eが形成されている。
【0021】
また、図示の例では、雄部材1の頭部10に、この頭部10の上面側から一対の抜け止め掛合片11b、11bをのぞき込める大きさの貫通窓10aが形成されており、この貫通窓10aを利用して抜け止め掛合片11bをプラスチックの射出成形によって容易に成形できるようにしてある。
【0022】
図示の例では、雌部材2の基部20における入れ込み穴20aが、矩形の穴状をなすように構成されていると共に、この入れ込み穴20aを構成する向き合った一対の辺部に沿った内壁面20b、20b間の間隔に対し、雄部材1における一対の抜け止め掛合片11b、11bの頂部11f、11f間の間隔がやや大きくなるようにしてある。それと共に、雌部材2の差込部21に形成された横向きの割溝21hが、この基部20に形成された入れ込み穴20aにおける前記辺部に沿って形成されるようにしてある。また、雌部材2の基部20の上面20cと横向きの割溝21hの上部溝壁面21iとの間の寸法が、雄部材1の頭部10の下面と抜け止め掛合片11bの掛合突部11cの頂部11f間の寸法よりもやや小さくなるようにしてある。
【0023】
これにより図示の例にあっては、雌部材2の入れ込み穴20aを通じて雄部材1の軸部11を雌部材2内に入れ込むことに伴って、この入れ込み穴20aの入れ込み先側にある穴縁部に抜け止め掛合片11bにおける掛合突部11cの傾斜面11eを突き当てさせてこの抜け止め掛合片11bを内向きにスムースに撓み込ませることができると共に、この雄部材1の軸部11を入れ込み切った位置(雌部材2の基部20の上面20cに雄部材1の頭部10の下面が接する位置)で抜け止め掛合片11bを弾発させることができ、この弾発によって横向きの割溝21hの上部溝壁面21iに抜け止め掛合片11bの掛合突部11cの掛合面11dを掛合させることができる。
【0024】
一方、図示の例では、雌部材2の基部20は、平面視の状態において、ほぼ矩形の外郭形状を持った盤状をなすように構成されている。また、この基部20の一面、つまり、下面20dであって、そのほぼ中央位置に、差込部21がその上端を一体に接合させた状態で、この下面20dから突き出すように設けられている。また、この雌部材2の基部20のほぼ中央位置に、前記入れ込み穴20aが貫通状態に設けられている。
【0025】
雌部材2の差込部21は、その突き出し方向に沿った四つの面部を有した角筒状をなすように構成されている。この四つの面部のうちの幅広の一対の面部にそれぞれ、前記弾性掛合片21aが形成してある。この差込部21内に前記入れ込み空間21fが形成されており、この入れ込み空間21fによって差込部21は中空となっている。そして、この差込部21の上端において、入れ込み空間21fと入れ込み穴20aとが連通するようになっている。
【0026】
弾性掛合片21aは、差込部21における幅広の面部における差込部21の先端側に溝下端を位置させて基部20側に延び、溝上端を基部20の下面20dの近傍に位置させた一対の縦向きの割溝21g、21gと、この基部20の下面に沿って横向きに延びると共に、この一対の縦向きの割溝21g、21gの溝上端間に亘る横向きの割溝21hとによって区分された、この幅広の面部の一部によって構成されている。
【0027】
この弾性掛合片21aの外面部には、この弾性掛合片21aの最上端との間に間隔を開けて基部20の下面20dに向いた掛合面21bが形成してある。また、弾性掛合片21aの外面部におけるその下端と掛合面21bとの間の箇所は、この掛合面21bの側に近付くに連れて次第に外方に張り出す傾斜面21cとなっており、この掛合面21bと傾斜面21cとの間に頂部21dが形成されている。
【0028】
そして、図示の例にあっては、矩形状をなす取り付け穴Phを備えた留め付け対象物Pとなる二枚のパネルP’、P’におけるこの取り付け穴Phの向き合った一対の穴縁部間の間隔よりも雌部材2の一対の弾性掛合片21a、21aの頂部21d間の間隔がやや広くなるようにしてある。また、雌部材2の基部20の下面20dと弾性掛合片21aの掛合面21bとの間の間隔が二枚のパネルP’、P’の厚さ寸法の和よりもやや大きくなるようにしてある。
【0029】
これにより、図示の例にあっては、取り付け穴Phを連通させるように重ね合わされた二枚のパネルP’、P’のこの取り付け穴Phに雌部材2の差込部21を入れ込むことに伴って、この取り付け穴Phの入れ込み先側にある穴縁部に弾性掛合片21aにおける傾斜面21cを突き当てさせてこの弾性掛合片21aを内向きにスムースに撓み込ませることができると共に、この雌部材2の差込部21を入れ込み切った位置(雌部材2の基部20の下面20dが二枚のパネルP’、P’のうちの上側のパネルP’の上面に接する位置)で弾性掛合片21aを弾発させることができ、この弾発によって二枚のパネルP’、P’のうちの下側のパネルP’の下面に弾性掛合片21aの掛合面21bを掛合させることができる。
【0030】
あるいはまた、取り付け穴Phを備えた一枚のパネルP’のこの取り付け穴Phに雌部材2の差込部21を入れ込むことに伴ってこの一枚のパネルP’に雌部材2を掛合させた後、取り付け穴Phを備えた他の一枚のパネルP’のこの取り付け穴Phにさらに雌部材2の差込部21を入れ込むことに伴ってこの他の一枚のパネルP’に雌部材2を重ねて掛合させることができ、これにより二枚のパネルP’、P’を雌部材2を介して留め合わせることができる。
【0031】
図示の例では、一対の弾性掛合片21a、21aの内面間の寸法は、この弾性掛合片21aの上端側以外の箇所では、雄部材1の軸部11における阻止部11aの径とほぼ等しくなるようにしてあり、前記のように雌部材2の入れ込み穴20aに雄部材1の軸部11が入れ込みきられると、雌部材2の弾性掛合片21aは内向きに撓み込み変形できなくなり、これにより、留め付け対象物Pに対する雌部材2の掛合状態は安定的に確保される。なお、弾性掛合片21aの上端側の内面部には、雄部材1の抜け止め掛合片11bの掛合突部11cとの干渉を避けるためのカット面21eが形成されている。
【0032】
また、図示の例では、雌部材2の基部20における一辺部に沿って、立ち上がり板部22が、この一辺部から上方に突き出すように設けられている。
【0033】
また、図示の例にあっては、雄部材1と雌部材2とが、一端を雄部材1の頭部10に連接させ、かつ、他端を雌部材2の基部20に連接させた屈曲又は湾曲可能な連接片3によって連接してある。
【0034】
具体的には、雌部材2の基部20における立ち上がり板部22の設けられた辺部に隣り合う一つの辺部と、雄部材1の頭部10とが、かかる連接片3によって連接されている。図示の例では、連接片3は、雄部材1の頭部10における一対の抜け止め掛合片11b、11bの一方の突き出し側にある縁部に一端を接合させ、かつ、他端を雌部材2の基部20に連接させた一方帯状片30と、この一方帯状片30に対しほぼ平行をなすように配されると共に、雄部材1の頭部10における一対の抜け止め掛合片11b、11bの他方の突き出し側にある縁部に一端を接合させ、かつ、他端を雌部材2の基部20に連接させた他方帯状片31とから構成されている。また、この連接片3によって雄部材1は、その軸部11を雌部材2の差込部21の突き出し側と反対の側に向けるようにして雌部材2の基部20の側方に連接・配されていると共に、この連接状態において雄部材1の抜け止め掛合片11bの突き出し側と雌部材2の弾性掛合片21aの突き出し側とが同じ向きに向けられれるようにしてある。
【0035】
これにより、図示の例にあっては、雌部材2に雄部材1を入れ込ませるまでの間、つまり、両者を組み合わせるまでの間も、雌部材2と雄部材1とを一体的に取り扱うことができ、留め付け作業を行い易くすることができる。また、雌部材2を留め付け対象物Pに留め付けた後は、連接片3を屈曲又は湾曲させて、このように留め付けられた雌部材2内に雄部材1の軸部11を支障なく入れ込むことができる。
【0036】
特に、図示の例にあっては、前記連接片3によって雄部材1は、その軸部11を雌部材2の差込部21の突き出し側と反対の側に向け、かつ、雄部材1の抜け止め掛合片11bの突き出し側と雌部材2の弾性掛合片21aの突き出し側とが同じ向きに向けられれるように連接されていることから、連接片3を屈曲又は湾曲させながら雄部材1の軸部11を雌部材2の入れ込み穴20aに入れ込む動作を、雄部材1の抜け止め掛合片11bが雌部材2の横向きの割溝21hに掛合される向きでのみなさしめることができるようになっている。
【0037】
なお、以上に説明した雄部材1および雌部材2における弾性変形が予定される部分へのこの弾性変形特性の付与は、典型的には、かかる両部材をプラスチックの射出成型品とすることで容易に確保することができる。
【0038】
【発明の効果】
この発明にかかる留め具によれば、雄部材を雌部材に差し込むにあたっての挿入力を留め付け対象物側への雌部材の掛合力を低下させることなく、できる限り軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】留め具の斜視図
【図2】同正面図
【図3】同平面図
【図4】同底面図
【図5】同右側面図
【図6】同断面図(図5におけるA−A線位置)
【図7】同断面図(図2におけるB−B線位置)
【図8】雌部材2の断面図(図2におけるC−C線位置)
【図9】雄部材1の断面図
【図10】雌部材2と雄部材1との組み合わせ状態を示す断面図
【図11】留め具の使用状態を示す正面図
【図12】留め具の使用状態を示す正面図
【符号の説明】
P 留め付け対象物
1 雄部材
10 頭部
11 軸部
11a 阻止部
11b 抜け止め掛合片
2 雌部材
20 基部
20a 入れ込み穴
21 差込部
21a 弾性掛合片
21f 入れ込み空間
21g 縦向きの割溝
21h 横向きの割溝
Claims (2)
- 頭部と、軸部とを備えた雄部材と、
基部と、留め付け対象物に形成された取り付け穴への差込部とを備えると共に、この差込部に取り付け穴へのこの差込部の差し込みに伴って一旦内向きに撓み込んだ後、この取り付け穴に差込部を差し込み切った位置で弾発して基部との間で留め付け対象物を挟む弾性掛合片を備えた雌部材とを備えており、
雌部材の差込部には、雄部材の軸部の入れ込み空間が形成されていると共に、
雌部材の基部には、この入れ込み空間に連通した入れ込み穴が形成されており、
雌部材の弾性掛合片は、差込部の差し込み方向に沿った一対の縦向きの割溝と、この一対の縦向きの割溝の上端間に亘る横向きの割溝とによって区分された差込部の一部によって差込部の先端側を中心として入れ込み穴の内方に向けて撓み込み可能に構成されており、
雄部材の軸部には、雌部材の入れ込み空間内に入れ込まれた際に、この雌部材の弾性掛合片の内面に接してこの弾性掛合片の撓み込みを阻止する太さを備えた阻止部と、
この雄部材の軸部を雌部材の入れ込み穴から入れ込み空間に入れ込むことに伴って一旦弾性変形した後、この入れ込み空間に軸部を入れ込み切った位置で弾発して、雌部材の差込部における横向きの割溝に内方から入り込み掛合する抜け止め掛合片とが備えられていることを特徴とする留め具。 - 雄部材と雌部材とが、一端を雄部材の頭部に連接させ、かつ、他端を雌部材の基部に連接させた屈曲又は湾曲可能な連接片によって連接してあることを特徴とする請求項1記載の留め具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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