JP4308117B2 - 情報記録方法と装置及び情報記録媒体 - Google Patents
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Description
この要望に対して、光記録媒体に対する識別情報として、例えば再生専用型光記録媒体のピット部に、バーコードを重ね書きした追記領域(Burst Cutting Area、以下「BCA」という)を設け、光記録媒体製造時にBCA領域に光記録媒体毎に異なる識別情報(ID)、また必要に応じて、暗号鍵や復号鍵を記録する技術が一般的に適用されている。
これに対応して、光ディスクにIDを記録する方法としては、例えば相変化型光ディスクに対して、レーザービームを用いて、アモルファス部と結晶部を交互に生成し、その反射率の違いを利用し、BCAを作成した例が、報告されている(例えば、特許文献1参照)。
本構成によって、情報記録層が一層または多層の場合でも、レーザービームが入射して媒体識別情報を記録するまでの経路が同一となるため、同一の記録条件で媒体識別情報を記録可能となる。
また、本発明の情報記録方法に用いる情報記録媒体の光吸収層は、ユーザーデータの記録または再生時には反射層として機能する。
デフォーカス量は、少なすぎると効果が少なく、大きすぎると大きなレーザーパワーが必要となるため、デフォーカスの範囲は、焦点深度のプラスマイナス2倍から10倍が好ましい。
本構成によって、結晶状態とアモルファス状態の反射率の違いを利用した、良好な媒体識別情報を記録できる。情報記録層が追記型相変化記録材料から成り、媒体識別情報は、情報記録層の非晶質相を結晶相に変更することで記録されることを特徴とする。この場合に情報記録層が高温状態になるが、情報記録層は、光吸収層を介して間接的に記録されるため、情報記録層の熱変形を抑えて安定して媒体識別情報を記録できる。
本構成によって、有機色素記録材料は光吸収層の発熱を受けた熱記録となり、色素材料特有の微妙な光吸収特性の影響を受けないため、安定した記録ができる。
本構成によって、安全性を考慮して下向きレーザーのピックアップを使用した場合、芯出しはピックアップとは反対の面側で行えるため、ディスク取り付けにエアー吸着などを利用した、効率が良く量産に適した情報記録装置を実現できる。
〈実施の形態〉
図1は、本発明の実施の形態における情報記録方法に用いた情報記録層単層型の光ディスク5の断面図である。
図2は、本発明の実施の形態における情報記録方法に用いる情報記録層二層型の光ディスク6の断面図である。
図3において、13aは二層目手前側誘電体層、13cは二層目奥側誘電体層、13bは二層目記録層、14aは三層目手前側誘電体層、14cは三層目奥側誘電体層、14bは三層目記録層、15aは四層目手前側誘電体層、15cは四層目奥側誘電体層、15bは四層目記録層、1は基板であり、3b、3c、3dは中間層、2cはカバー層である。透明な基板1上に、単層光ディスクと同様に、真空スパッタ法により反射層11d、奥側誘電体層11c、記録層11b、手前側誘電体層11aを順次成膜して、その後、紫外線硬化樹脂による中間層3bを15μm設け、さらに真空スパッタ法によりZnS−SiO2による二層目奥側誘電体層13cを10nm、Te−O−Pdによる二層目記録層13bを15nm、ZnS−SiO2による二層目手前側誘電体層13aを20nm順次成膜し、その後、紫外線硬化樹脂による中間層3cを15μm設けて、さらに真空スパッタ法によりZnS−SiO2による三層目奥側誘電体層14cを5nm、Te−O−Pdによる三層目記録層14bを10nm、ZnS−SiO2による三層目手前側誘電体層14aを15nm順次成膜し、その後、紫外線硬化樹脂による中間層3dを15μm設け、さらに真空スパッタ法によりZnS−SiO2による四層目奥側誘電体層15cを5nm、Te−O−Pdによる四層目記録層15bを10nm、ZnS−SiO2による四層目手前側誘電体層15aを15nm順次成膜し、図示していない接着材により厚さ0.06mmのポリカーボネート製の透明なカバー層2cを接着することにより、四層型光ディスク7を作成した。
図4は、本発明の実施の形態における情報記録方法に用いた塗布型の光ディスク8の断面図である。
媒体識別情報は、ディスク1枚ごとの固有の製造番号に相当する信号であり、ディスクのリードイン領域の一部にバーコード状の信号として記録される。図5において、単層型光ディスク5および二層型光ディスク6に対する媒体識別情報記録レーザービームの入射側は、ユーザーデータ記録時と反対の、基板1側である。この構成により、二層型光ディスク6では、媒体識別情報は一層目記録層11bに記録されるが、二層目記録層12bなどの影響を受けない。したがって、二層型光ディスク6では、単層型光ディスク5と同じ記録条件で媒体識別情報記録が可能となる。
図12において、単層型光ディスク105および二層型光ディスク106に対する媒体識別情報記録レーザービームの入射側は、ユーザーデータ記録時と同じ、カバー層102、102b側である。二層型光ディスク106では、媒体識別情報は一層目記録相111bに記録されるが、二層目記録層112bなどの影響を受ける。したがって、二層型光ディスク106では、単層型光ディスク105の記録条件とは別の媒体識別情報記録条件を設定する必要がある。
図6において、(b)は従来の媒体識別情報記録方法であり、レーザービーム121aは直接記録層111bに焦点を合わせ、加熱するため、記録層111bは熱ダメージを受け、記録マーク122aは変形したものとなる。(a)は本発明の記録方法の特徴である間接加熱記録を説明している。媒体識別情報記録レーザービーム21bは、まず光吸収層である反射層11dを加熱し、熱伝導や熱輻射によって記録層11bを加熱する。この方式の長所は、記録層に急激な温度変化を与えないので、記録層や基板に物理的なダメージを与えることが少ない点があげられる。さらに、媒体識別情報記録レーザービーム21bの反射層11d上のビームスポットを広げる等を行い、パワー密度を下げることにより、さらにこの長所を伸ばすことが出来る。
図7において、(b)は反射層11dに対してフォーカスが合っている状態であり、23は媒体識別情報記録レーザービーム、24は反射層加熱部、25は焦点深度である。また、(a)は手前側にデフォーカスしている状態で、26aは、マイナス側デフォーカス量である。(c)は奥側にデフォーカスしている状態で、26bはプラス側デフォーカス量である。反射層加熱部24は、フォーカスが合っている状態(b)において、非常に絞れているが、デフォーカス状態(a)、(c)では拡がり、パワー密度が下がっているため更に安定して、記録層11b上に媒体識別情報を記録できる。デフォーカス量は、少な過ぎれば効果が少なく、また多過ぎれば記録パワーが増大する。
図8から、デフォーカスを付加しない場合(デフォーカス0)、変調度minは0.73であるが、デフォーカスを付加すると、変調度minは、改善される。しかし、デフォーカス量が±10×Δsを越えると、エネルギーが過度に分散するため、記録に必要な温度上昇が得られず、変調度を確保できなくなっていく。本結果より、特に良好な特性を示すデフォーカス量は、±2〜10×Δsであった。
ただし、ビームスポットの大きさ(幅)は、最小記録マークの大きさ(幅)より小さくする必要がある。熱伝播によって間接的に記録層に記録する方式であるために、記録マークがビームスポットに対して大きめになる傾向を解決するためである。
図9において、31はレーザービームの集光スポットであり、32は集光スポットの径方向の長さ、33はディスク1回転当りの光ピックアップの移動量である。本実施の形態においては、ディスクの径方向に長いレーザー集光スポット31を用いて、アモルファス状態から結晶状態に移行させることにより記録を行い、ディスク1回転あたり光ピックアップ移動量33ずつ記録を継ぎ足しながら、BCAパターンを完成させてゆく。
図10において、41は未記録出力、42は未記録出力41を1としたときの記録深さを示す変調度max、43は変調度minであり、検出ピックアップは、ユーザーデータ記録再生用のものを用いる。再生信号の品質は、変調度max42および変調度min43の値が大きく、また変調度max42と変調度min43の差が小さいほど良好である。
記録に使用したレーザーは波長810nmであり、集光スポットの径方向長さは48μm、周方向のNAは0.5、ディスク1回転あたりの半径方向移動量は6μm、記録マークの周方向の長さは17μm、線速約6m/secで実施した。また、再生ピックアップのレーザー波長は405nmであり、NAは0.85である。また再生パワーは0.35mWである。
図11において、51は媒体識別情報記録光ピックアップ、52はターンテーブル、53は芯出し機構、54はモーターであり55はフォーカス制御手段である。光ディスク5はユーザーデータ記録面側を、図示していない方法で、ターンテーブル52に固定され、モーター54によって所定の速度で回転する。媒体識別情報の記録は光ピックアップ51から、光ディスク5の反射層側へレーザービームが照射され、実施される。そして、図示していないフィード手段により光ピックアップ51は移動し、記録部が半径方向に広がり、BCAが完成する。また、本発明の情報記録装置は、媒体識別情報記録レーザービーム入射側とは反対側の内周部で中心位置を補正する芯出し機構53を設けているため、安全性を考慮して下向きレーザーの光ピックアップ51を使用した場合、芯出しは光ピックアップを行う面と反対の面側で行うことができ、エアー吸着を用いて光ディスク5をターンテーブル52に固定するなど、量産性に優れた情報記録装置を実現できる。さらに、本発明の情報記録装置は、フォーカス制御手段55を有し、焦点深度の±10倍以上まで、自由にデフォーカス量を設定できる構造となっており、記録レーザースポットのパワー密度を調整し、記録時の急激な熱変化による記録層や基板の変形を抑えることが出来るため、良好で安定した媒体識別情報記録が可能となる。
1b 塗布型用基板
2、2b、2c カバー層
2d ダミー基板
3、3b、3c、3d 中間層
4 媒体識別情報記録レーザービーム
5 単層型光ディスク
6 二層型光ディスク
7 四層型光ディスク
8 塗布型光ディスク
11a 手前側誘電体層
11b 記録層
11c 奥側誘電体層
11d 反射層
12a 二層目手前側誘電体層
12b 二層目記録層
12c 二層目奥側誘電体層
12d 二層目反射層
13a 四層二層目手前側誘電体層
13b 四層二層目記録層
13c 四層二層目奥側誘電体層
14a 四層三層目手前側誘電体層
14b 四層三層目記録層
14c 四層三層目奥側誘電体層
15a 四層四層目手前側誘電体層
15b 四層四層目記録層
15c 四層四層目奥側誘電体層
16b 塗布型記録層
16d 反射層
21a、21b 媒体識別情報記録レーザービーム
22a、22b 記録マーク
23 媒体識別情報記録レーザービーム
24 反射層加熱部
25 焦点深度
26a マイナス側デフォーカス量
26b プラス側デフォーカス量
31 集光スポット
32 集光スポット径方向長さ
33 光ピックアップの移動量(ディスク1回転あたり)
41 未記録出力
42 変調度max
43 変調度min
51 媒体識別情報記録用光ピックアップ
52 ターンテーブル
53 芯出し機構
54 モーター
55 フォーカス制御手段
Claims (15)
- 記録層と光吸収層とを含む情報記録層を有する円盤状の情報記録媒体に対して、ユーザーデータの記録又は再生を行う面とは反対側の面からレーザービームを照射して媒体識別情報を記録する情報記録方法であって、
前記光吸収層は前記レーザービームが照射される側の面と前記記録層の間に配置され、前記光吸収層を前記レーザービームによって加熱し、熱伝播により間接的に前記記録層に前記媒体識別情報を記録することを特徴とする、情報記録方法。 - 前記情報記録層が複数あることを特徴とする、請求項1に記載の情報記録方法。
- 前記情報記録媒体の前記光吸収層が、前記ユーザーデータの記録または再生時には反射層として機能することを特徴とする、請求項1に記載の情報記録方法。
- 照射するレーザービームが、前記光吸収層に対してデフォーカスであることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報記録方法。
- デフォーカスの範囲を、焦点深度の2倍から10倍とすることを特徴とする、請求項4に記載の情報記録方法。
- 前記記録層が、相変化型記録材料から成っていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報記録方法。
- 前記記録層が、追記型相変化記録材料から成り、
前記媒体識別情報は、前記記録層の非晶質相を結晶相に変更することで記録される、請求項6に記載の情報記録方法。 - 前記記録層が、有機色素型記録材料から成っていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報記録方法。
- 円盤状の基板に記録層と光吸収層とを含む情報記録層を形成する情報記録層形成工程と、
ユーザーデータの記録または再生を行う面とは反対側の面からレーザービームを前記情報記録層に照射して媒体識別情報を記録する識別情報記録工程と、
を備えている情報記録媒体の製造方法であって、
前記レーザービームが照射される側の面と前記記録層との間に前記光吸収層を形成する光吸収層形成工程をさらに備え、
前記識別情報記録工程では、前記光吸収層を前記レーザービームによって加熱し、熱伝播により間接的に前記記録層に前記媒体識別情報を記録することを特徴とする、情報記録媒体の製造方法。 - 前記情報記録層形成工程では、前記情報記録層を複数形成することを特徴とする、請求項9に記載の情報記録媒体の製造方法。
- 前記情報記録媒体の前記光吸収層が、前記ユーザーデータの記録または再生時には反射層として機能することを特徴とする、請求項9に記載の情報記録媒体の製造方法。
- 記録層と光吸収層とを含む情報記録層を有する円盤状の情報記録媒体に対して、ユーザーデータの記録または再生を行う面とは反対側の面からレーザービームを照射して媒体識別情報を記録するための光ピックアップを備えた情報記録装置であって、
前記光吸収層は前記レーザービームが照射される側の面と前記記録層の間に配置され、前記光吸収層を前記レーザービームによって加熱し、熱伝播により間接的に前記記録層に前記媒体識別情報を記録することを特徴とする、情報記録装置。 - ディスク取付部に、前記光ピックアップからの光入射側とは反対側の内周部でディスク中心位置を補正する芯出し機構をさらに備えたことを特徴とする、請求項12に記載の情報記録装置。
- 前記情報記録媒体に対する、前記光ピックアップのフォーカスの相対位置を制御する、フォーカス制御手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項12または請求項13に記載の情報記録装置。
- 前記フォーカス制御手段のフォーカス位置が焦点深度の2倍から10倍の、少なくとも1点を含むことを特徴とする、請求項14に記載の情報記録装置。
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