JP4307672B2 - 船舶推進機用チルト装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は船舶推進機用チルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船舶推進機用チルト装置として、船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間に介装されるシリンダ装置を備えるとともに、シリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をチルト動作させる作動油給排装置を備えてなるものがある。このとき、作動油給排装置を、モータとポンプとタンクと切換弁付流路にて構成している。
【0003】
そして、従来技術では、モータの外装ケースを鉄の深絞りによるものから、樹脂成形によるものに代え、結果として、モータのコスト低減、耐食性を向上しようとするものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、モータの外装ケースを樹脂にて形成した従来技術には以下の問題点がある。
【0005】
▲1▼船舶推進機では、海水等が直接モータにかかる構造であるために、モータを耐水気密構造にしており、このモータの外装ケースを樹脂化したものでは、熱伝導率の悪い樹脂ケースが保温材として働いてモータの内部に熱気を蓄積し易い。
【0006】
▲2▼上述▲1▼により、モータの内部は高温となり、アーマチュアの巻線の焼切れ、ブラシの異常摩耗等を生じ、モータの耐久性、寿命を低下させる。
【0007】
本発明の課題は、船舶推進機用チルト装置を構成する樹脂モータの内部蓄熱を防止し、モータの耐久性と寿命を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間に介装されるシリンダ装置を備えるとともに、シリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をチルト動作させる作動油給排装置を備えてなり、作動油給排装置がモータとポンプとタンクと切換弁付流路にて構成されてなる船舶推進機用チルト装置において、モータのロータを支持する外装ケースが樹脂にて形成され、ポンプが循環せしめる作動油の循環路を該モータの内部に配置してなるようにしたものである。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記ポンプをポンプ室に配置し、該ポンプ室の上部開口をモータの端板により閉塞し、前記循環路を形成する循環パイプをモータの端板を経てモータの内部に通してなるようにしたものである。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において更に、前記作動油給排装置が、シリンダ装置のチルトダウン操作時にポンプが循環せしめる作動油の余剰循環油量をタンクに戻すダウンブロー弁と、シリンダ装置のチルトアップ操作時にポンプが循環せしめる作動油の余剰循環油量をタンクに戻すアップブロー弁とを備えてなり、前記循環路をダウンブロー弁の吐出口又はアップブロー弁の吐出口に接続してなるようにしたものである。
【0011】
【作用】
請求項1の発明によれば下記▲1▼、▲2▼の作用がある。
▲1▼ポンプが循環する作動油の循環路(循環パイプ)をモータの内部に配置することにより、モータの耐水気密構造を損なうことなく、チルト装置の作動時に、モータの内部の循環路に冷媒としての作動油を流し、モータの内部を冷却する。
【0012】
▲2▼上述▲1▼により、モータのコスト低減、耐食性を向上可能とする樹脂モータにおいて、内部蓄熱を防止し、モータの耐久性と寿命を向上できる。この効果は、モータの発熱が多くなる大出力の樹脂モータにおいて顕著となる。
【0013】
請求項2の発明によれば下記▲3▼の作用がある。
▲3▼循環路を形成する循環パイプを、ポンプ室の側から、該ポンプ室を閉塞しているモータの端板経由でモータの内部に通すことにより、循環路の配管をポンプ室やモータの外部に取り回すことなく、簡易な構成により、モータの内部を冷却できる。
【0014】
請求項3の発明によれば下記▲4▼の作用がある。
▲4▼循環路(循環パイプ)を作動油給排装置のダウンブロー弁の吐出口又はアップブロー弁の吐出口に接続することにより、作動油給排装置に格別の変更を加えることなく、簡易な構成により、モータの内部を冷却できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は船舶推進機を示す模式図、図2はチルト・トリム装置を示す正面図、図3は図2の一部破断側面図、図4は作動油給排装置の要部を示す断面図、図5は図4のV-V 線に沿う端面図、図6はモータを一部破断して示す斜視図、図7はチルト・トリム装置の油圧回路図である。
【0016】
船舶推進機10(船外機、但し船内外機であっても良い)は、図1に示す如く、船体11の船尾板11Aにスターンブラケット12を固定され、スターンブラケット12にはチルト軸13を介してスイベルブラケット14が略水平軸まわりに傾動可能に枢着されている。スイベルブラケット14には、図示されない略鉛直配置される転舵軸を介して、推進ユニット15が転舵軸まわりに回動可能に枢着されている。推進ユニット15の上部にはエンジンユニット16が搭載され、推進ユニット15の下部にはプロペラ17が備えられている。
【0017】
即ち、船舶推進機10は、船体11に固定のスターンブラケット12に、チルト軸13、スイベルブラケット14を介して推進ユニット15を傾動自在に支持され、スターンブラケット12とスイベルブラケット14との間にチルト・トリム装置20のシリンダ装置21を介装し、作動油給排装置22からシリンダ装置21に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置21を伸縮させて推進ユニット15を傾動可能としている。
【0018】
(シリンダ装置21)(図2、図3、図7)
チルト・トリム装置20のシリンダ装置21は、図2、図3に示す如く、中央のチルトシリンダ31と、左右一対のトリムシリンダ32とからなる。
【0019】
チルトシリンダ31は、図2、図3、図7に示す如く、シリンダ33とピストンロッド34とからなり、シリンダ33はスターンブラケット12への取付ピン挿着孔33Aを備え、ピストンロッド34はスイベルブラケット14への取付ピン挿着孔34Aを備える。チルトシリンダ31は、ピストンロッド34の端部に固定されるピストン35により、ピストンロッド34収容側の上室36Aと、非収容側の下室36Bとに区画され、ピストン35に衝撃力吸収用アブソーバ弁37を備える。
【0020】
トリムシリンダ32は、図2、図3、図7に示す如く、シリンダ38とピストンロッド39とからなり、ピストンロッド39はスイベルブラケット14に対し相互に離間可能な状態で当接可能とされている。トリムシリンダ32は、ピストンロッド39の端部に固定されるピストン40により、ピストンロッド39収容側の上室41Aと、非収容側の下室41Bとに区画されている。
【0021】
シリンダ装置21は、チルトシリンダ31のシリンダ33と、トリムシリンダ32のシリンダ38をアルミ合金鋳物からなるシリンダブロック42に一体に形成している。
【0022】
(作動油給排装置22)(図2〜図7)
作動油給排装置22は、可逆式モータ51と可逆式ギヤポンプ52とタンク53と切換弁付流路54にて構成される。本実施形態では、タンク53を形成するアルミ合金鋳物からなるタンクハウジング61をボルト62によってシリンダブロック42の一側部に結合し、タンクハウジング61が形成するタンク53をポンプ室63として兼用し、このポンプ室63に浸漬したポンプ52をボルト64によってタンクハウジング61に固定し、ポンプ室63の上部開口をモータ51の後述する端板72により閉塞するように該端板72をボルト65によってタンクハウジング61に固定している。また、シリンダブロック42の他側部にはリザーバタンク66がボルト67によって固定されている。そして、ポンプ52とタンク53(66)とチルトシリンダ31の上室36A、下室36B、トリムシリンダ32の上室41A、下室41Bは、シリンダブロック42、タンクハウジング61に穿設される切換弁付流路54により、図7に示す如くに接続されている。
【0023】
モータ51は、図4、図6に示す如く、有天筒状の外装ケース71と、外装ケース71の下端開口を密閉する端板72とにより外郭を構成し、外装ケース71を樹脂にて形成している。モータ51は、外装ケース71の内周に筒状鉄ヨーク73を備え、鉄ヨーク73の内周に磁石74を備える。磁石74としては、鉄ヨーク73の内周を周方向に2分した各半周分に対応する2個の円弧状磁石74、74が用いられている。モータ51は、アーマチュア75を備えるロータ76の両端のそれぞれを外装ケース71の天井部と端板72のそれぞれに支持し、外装ケース71のフランジ71Aを端板72とともにボルト65により前述のタンクハウジング61に液密に固定される。そして、モータ51の出力軸51Aは、端板72を液密に貫通し、タンク53と兼用のポンプ室63においてポンプ52の被動軸52Aに接続される。
【0024】
ポンプ52は、タンクハウジング61が形成するポンプ室63(タンク53)に前述の如くに浸漬配置され、チルトアップ用吸込口81、チルトダウン用吸込口82を、フィルタ83を介してポンプ室63(タンク53)に開口し、モータ51の正逆転下で、タンク53から吸込んだ作動油を切換弁付流路54に圧送可能としている。
【0025】
切換弁付流路54は、図7に示す如く、ポンプ52をチルトシリンダ31の上室36A、下室36Bのそれぞれに連通する第1油路86、第2油路87を備え、第2油路87の中間部をトリムシリンダ32の下室41Bに連通している。尚、トリムシリンダ32の上室41Aは、フィルタ83を介してタンク53に連絡されている。このとき、切換弁付流路54は、シャトル式切換弁91、逆止弁92、93、ダウンブロー弁94、アップブロー弁95、手動弁96、逆止弁97、サーマルブロー弁98を備える。
【0026】
シャトル式切換弁91は、第1チェック機構付スプール111A、第2チェック機構付スプール111Bの両側に位置する第1逆止弁112A、第2逆止弁112Bを備え、スプール111Aとスプール111Bとを流路113で結んでいる。ポンプ52の正転時には、その送油圧力によって第1逆止弁112Aが開作動するとともに、第1チェック機構付スプール111Aのチェック機構を通る送油圧力が第2チェック機構付スプール111Bを移動させて反対側の第2逆止弁112Bも開作動せしめる。また、ポンプ52の逆転時には、その送油圧力によって第2逆止弁112Bが開作動するとともに、第2チェック機構付スプール111Bのチェック機構を通る送油圧力が第1チェック機構付スプール111Aを移動させて反対側の第1逆止弁112Aも開作動せしめる。
【0027】
逆止弁92は、ポンプ52とタンク53との中間部に介装され、シリンダ装置21のチルトアップ操作時に、シリンダ33、38の内容積がピストンロッド34、39の退出容積だけ増加して作動油の循環油量が不足することにより、この逆止弁92の開作動により、タンク53からポンプ52に循環油量の不足分を補償するものである。
【0028】
逆止弁93は、ポンプ52とタンク53との中間部に介装され、シリンダ装置21のチルトダウン終了時に、チルトダウンが完了し、下室36B、41Bからポンプ52への返油がなくなった時点で、なおポンプ52が作動する場合に、この逆止弁93の開作動により、タンク53からポンプ52に作動油を供給可能とするものである。
【0029】
ダウンブロー弁94は、オリフィスからなり、シリンダ装置21のチルトダウン操作時に、シリンダ33、38の内容積がピストンロッド34、39の進入容積だけ減少して作動油の循環油量に余りを生ずるとき、この余った作動油を吐出口94Aからタンク53に戻すものである。尚、ダウンブロー弁94の吐出口94Aは、ポンプ室63(タンク53)の内部にてポンプ52の上面に開設される。
【0030】
アップブロー弁95は、シリンダ装置21のチルトアップ操作時に、チルトシリンダ31が伸切り状態となってチルトアップが完了してもなおポンプ52が作動するときに、余剰の作動油を吐出口95Aからタンク53に戻すものである。尚、アップブロー弁95の吐出口95Aは、ポンプ室63(タンク53)の内部にてポンプ52の上面に開設される。
【0031】
手動弁96は、チルト・トリム装置20の故障時等に、手動で操作せしめられ、シリンダ装置21の下室36B、41Bの作動油をタンク53に戻し、逆止弁97の作用と相まって、シリンダ装置21を手動で収縮させ、推進ユニット15を手動でチルトダウン操作可能とするものである。
【0032】
逆止弁97は、手動弁96の使用時に、タンク53の作動油をシリンダ装置21の上室36Aに引き込み可能とするものであり、シリンダ装置21を手動で収縮させることに寄与する。
【0033】
サーマルブロー弁98は、シリンダ装置21の下室36B、41B及び第2油路87の作動油が温度変化により容積増大したときに、その容積増大した作動油をタンク53に逃がすサーマルブロー機能を果たす。
【0034】
以下、チルト・トリム装置20の基本的動作について説明する。
(1) チルトアップ
モータ51及びポンプ52を逆転すると、ポンプ52の吐出油はシャトル式切換弁91の第2チェック弁112Bを開作動するとともに、スプール111A、111Bを介して第1逆止弁112Aも開作動せしめる。これにより、ポンプ52の吐出油は第2逆止弁112B、第2油路87を通ってチルトシリンダ31の下室36Bに供給され、上室36Aの作動油は第1油路86、第1逆止弁112Aを通ってポンプ52に戻り、チルトシリンダ31を伸長させ、チルトアップする。
【0035】
チルトシリンダ31のチルトアップ動作と同時に、第2油路87に供給された作動油は、トリムシリンダ32の下室41Bに供給され、トリムシリンダ32をトリムアップする。尚、トリムシリンダ32の上室41Aの作動油はタンク53に戻る。
【0036】
チルトシリンダ31とトリムシリンダ32の上述のアップ動作により、推進ユニット15が最大トリムアップ位置に達した後には、チルトシリンダ31のピストンロッド34のみがより速い速度で伸長し、推進ユニット15を最大チルトアップ位置までチルトアップする。
【0037】
尚、第1油路86には、チルトシリンダ31とトリムシリンダ32のアップ動作を同期化するための絞り86Aが設けられている。
【0038】
(2) チルトダウン
モータ51及びポンプ52を正転すると、ポンプ52の吐出油はシャトル式切換弁91の第1逆止弁112Aを開作動するとともに、スプール111A、111Bを介して第2逆止弁112Bも開作動せしめる。これにより、ポンプ52の吐出油は第1逆止弁112A、第1油路86を通ってシリンダ装置21の上室36Aに供給され、シリンダ装置21の下室36Bの作動油は第2油路87、第2逆止弁112Bを通ってポンプ52に戻り、チルトシリンダ31を収縮させ、チルトダウンする。
【0039】
チルトシリンダ31のチルトダウン動作の中間過程で、スイベルブラケット14がトリムシリンダ32のピストンロッド39に衝合した後には、トリムシリンダ32も収縮せしめられ、トリムダウンする。
【0040】
然るに、本実施形態では、モータ51の外装ケース71を樹脂化したことによるモータ51の内部蓄熱を防止するため、ポンプ52が循環せしめる作動油を冷媒とし、この作動油の循環路100をモータ51の内部に配置した。具体的には、循環路100をアルミパイプからなる循環パイプ101にて構成し、以下の如くに取回すことができる。
【0041】
(1) 循環パイプ101の一端をポンプ室63(タンク53)の内部で、ポンプ52の上面に開設されているダウンブロー弁94の吐出口94A(又はアップブロー弁95の吐出口95A)に接続する。
【0042】
(2) 循環パイプ101をモータ51の端板72に液密に通し、鉄ヨーク73の周方向の一側で相隣る磁石74、74の間を鉄ヨーク73の表面に沿って立上げ、磁石74の上面に沿うように折曲げ、鉄ヨーク73の周方向の他側で再び相隣る磁石74、74の間を鉄ヨーク73の表面に沿って立下げ、端板72を液密に通し、結果として、循環パイプ101の他端をタンク53に開口する。
【0043】
尚、循環パイプ101はモータ51の成形組立時に同時に組込まれ、循環パイプ101が端板72を貫通する部分にはシール材が設けられる。従って、作動油給排装置22の組立に際し、循環パイプ101は、モータ51の端板72から突出している一端をダウンブロー弁94の吐出口94A(又はアップブロー弁95の吐出口95A)に接続し、他端をポンプ室63(タンク53)に配置するだけで良い。
【0044】
シリンダ装置21のチルトダウン動作時に、ポンプ52が圧送して循環せしめる作動油の余剰循環油量をダウンブロー弁94が吐出口94Aから前述の如くにタンク53に戻そうとするとき、本実施形態では、吐出口94Aに接続された循環パイプ101がこの余剰循環油をモータ51の内部に通し、モータ51の内部を冷却する。また、循環パイプ101がアップブロー弁95の吐出口95Aに接続されたときには、シリンダ装置21のチルトアップ動作の伸び切り時に、ポンプ52が圧送して循環せしめる作動油の余剰循環油量をアップブロー弁95が吐出口95Aから前述の如くにタンク53に戻そうとするとき、吐出口95Aに接続された循環パイプ101がこの余剰循環油をモータ51の内部に通し、モータ51の内部を冷却する。
【0045】
従って、本実施形態によれば、以下の作用がある。
▲1▼ポンプ52が循環する作動油の循環路100(循環パイプ101)をモータ51の内部に配置することにより、モータ51の耐水気密構造を損なうことなく、チルト・トリム装置20の作動時に、モータ51の内部の循環路100に冷媒としての作動油を流し、モータ51の内部を冷却する。
【0046】
▲2▼上述▲1▼により、モータ51のコスト低減、耐食性を向上可能とする樹脂モータ51において、内部蓄熱を防止し、モータ51の耐久性と寿命を向上できる。この効果は、モータ51の発熱が多くなる大出力の樹脂モータ51において顕著となる。
【0047】
▲3▼循環路100を形成する循環パイプ101を、ポンプ室63の側から、該ポンプ室63を閉塞しているモータ51の端板72経由でモータ51の内部に通すことにより、循環路100の配管をポンプ室63やモータ51の外部に取り回すことなく、簡易な構成により、モータ51の内部を冷却できる。
【0048】
▲4▼循環路100(循環パイプ101)を作動油給排装置22のダウンブロー弁94の吐出口94A又はアップブロー弁95の吐出口95Aに接続することにより、作動油給排装置22に格別の変更を加えることなく、簡易な構成により、モータ51の内部を冷却できる。
【0049】
尚、船舶推進機10の作動油給排装置22では、ポンプ52とタンク53とチルトシリンダ31、トリムシリンダ32とをつなぐ切換弁付流路54がシリンダブロック42、タンクハウジング61に配設され、モータ51はタンクハウジング61の上部に設置されている。従って、流路54を流れる作動油は、海水等に接し易い下位に位置するアルミ合金製のシリンダブロック42、タンクハウジング61の内部で良く冷却され、冷媒として好適となる。他方、モータ51はタンクハウジング61の上部に配置されていて海水等に接しにくい。
【0050】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、モータの内部における循環路(循環パイプ)の取回し経路は如何様であっても良く、外装樹脂ケースに穿設、埋設されていても良い。また、循環路(循環パイプ)はモータの内部で一周以上周回され、或いはジグザグに蛇行配置されても良い。
【0051】
また、循環路(循環パイプ)は、作動油給排装置のダウンブロー弁、アップブロー弁に限らず、他の油圧発生部に連結されていても良い。
【0052】
また、本発明が適用されるチルト・トリム装置にあっては、作動油給排装置が、シリンダ装置のシリンダブロックに一体成形されていても良いが、両者は必ずしも一体結合されることを要さず互いに分離配置されていても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、船舶推進機用チルト装置を構成する樹脂モータの内部蓄熱を防止し、モータの耐久性と寿命を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は船舶推進機を示す模式図である。
【図2】 図2はチルト・トリム装置を示す正面図である。
【図3】 図3は図2の一部破断側面図である。
【図4】 図4は作動油給排装置の要部を示す断面図である。
【図5】 図5は図4のV−V線に沿う端面図である。
【図6】 図6はモータを一部破断して示す斜視図である。
【図7】 図7はチルト・トリム装置の油圧回路図である。
【符号の説明】
10 船舶推進機
11 船体
21 シリンダ装置
22 作動油給排装置
51 モータ
52 ポンプ
53 タンク
54 切換弁付流路
63 ポンプ室
71 外装ケース
72 端板
76 ロータ
94 ダウンブロー弁
94A 吐出口
95 アップブロー弁
95A 吐出口
100 循環路
101 循環パイプ
Claims (3)
- 船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間に介装されるシリンダ装置を備えるとともに、シリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をチルト動作させる作動油給排装置を備えてなり、
作動油給排装置がモータとポンプとタンクと切換弁付流路にて構成されてなる船舶推進機用チルト装置において、
モータのロータを支持する外装ケースが樹脂にて形成され、ポンプが循環せしめる作動油の循環路を該モータの内部に配置してなることを特徴とする船舶推進機用チルト装置。 - 前記ポンプをポンプ室に配置し、該ポンプ室の上部開口をモータの端板により閉塞し、前記循環路を形成する循環パイプをモータの端板を経てモータの内部に通してなる請求項1記載の船舶推進機用チルト装置。
- 前記作動油給排装置が、シリンダ装置のチルトダウン操作時にポンプが循環せしめる作動油の余剰循環油量をタンクに戻すダウンブロー弁と、シリンダ装置のチルトアップ操作時にポンプが循環せしめる作動油の余剰循環油量をタンクに戻すアップブロー弁とを備えてなり、
前記循環路をダウンブロー弁の吐出口又はアップブロー弁の吐出口に接続してなる請求項1又は2記載の船舶推進機用チルト装置。
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