JP4306302B2 - 液滴吐出ヘッドの予備吐出方法、液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法 - Google Patents
液滴吐出ヘッドの予備吐出方法、液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能液の増粘を解消するべく、ノズル孔から機能液滴を予備吐出させる液滴吐出ヘッドの予備吐出方法、液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタでは、一連の印刷動作中に適宜、液滴吐出ヘッドのノズル孔からインク滴を予備吐出させることで、ノズル孔における水分の蒸発によるインクの増粘を解消して不吐出を防止するが、その際、各ノズル孔からのインク吐出量を個別に設定できるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この場合、予備吐出は、印刷データと無関係のアナログ波形をFFC(Flat Flexible Cable)を介して液滴吐出ヘッドに印加し、全ノズル孔から同時にインクを吐出することにより行われる。そして一般的に、そのアナログ波形は、FFCの抵抗(通常、長さに比例して大きくなる。)やノズル孔数が増加するに伴ってクロストークの影響が大きくなり、乱れ(立上がり部分のヘタリや位相のズレ)が生じ易いことが知られている。
【0003】
また、他のインクジェットプリンタとしては、1ラインの描画に先立ち、印刷データに基づいて印刷対象物の縁端の外側に吐出することで、全てのノズル孔については吐出を行わないものの、実質的に予備吐出を兼ねるものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
このプリンタは、液滴吐出ヘッド内のインクを発熱させ、その発熱作用によりインク滴を吐出させる方式(バブルジェット(登録商標)方式)のものであり、その吐出方式に着目すれば、一部のノズル孔しか予備吐出されなくとも、周囲のノズル孔から予備吐出が行われることによってインクが昇温し、これにより増粘したインクの粘度が低下するため、予備吐出の効果を実質上得られるというものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−233518号公報(第10頁、第3図)
【特許文献2】
特開平6−278275号公報(第13頁、第3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェット方式を適用して、カラーフィルタのフィルタエレメント等を描画する場合には、画素ピッチやRGBの3色の配置パターンの関係で、1ラインの描画に使用するノズル孔は限られる。また、吐出するフィルタ材料等の機能液として、樹脂液のような粘度の高いものを用いる場合がある。
【0006】
特許文献1に示す予備吐出方法によれば、ノズル孔毎に個別に吐出量を設定するため、機能液の粘性を考慮した効率的な予備吐出を行うことができる。しかし、全てのノズル孔から同時に予備吐出を行うものであるため、全てのノズル孔を1ラインの描画に使用しない場合には、クロストークにより予備吐出のためのアナログ波形が乱れ、飛行曲がり等の吐出不良のノズル孔が生じ得る。これによりノズル面が汚れ、これに起因して予備吐出後の1ラインの描画が描画不良となる問題があった。
【0007】
一方、特許文献2に示す予備吐出方法によれば、1ラインの描画に使用するノズル孔についてのみ吐出させて予備吐出の効果を得るため、かかる問題は生じない。しかし、機能液の粘度が高くなると、液滴吐出ヘッド内の流路抵抗が大きくなるため、吐出されないノズル孔については、機能液の昇温効果のみでは、増粘した機能液の粘度が十分に低下しない。
このため、次の1ラインの描画に使用するノズル孔については、機能液の増粘が影響して吐出不良となり、複数ラインの描画を良好に行うことができない。そのために、ノズル孔から機能液を強制的に吸引する吸引処理などの回復措置を頻繁に講じる必要があり、生産効率が低下してしまっていた。
【0008】
本発明は、機能液の粘度に関らず、本来の機能液の増粘防止を図りつつ、不良な予備吐出を有効に防止することができる液滴吐出ヘッドの予備吐出方法、液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法を提供することをその目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の液滴吐出ヘッドの予備吐出方法は、多数のノズル孔を有する液滴吐出ヘッドによる1ラインの描画を、当該1ライン単位で設定された複数のノズル孔を用いて行う液滴吐出ヘッドの予備吐出方法において、少なくとも1ライン単位で設定された描画に用いる複数の描画ノズル孔を含む複数のノズル孔から機能液滴を予備吐出するAフラッシング工程と、全ノズル孔のうちAフラッシング工程で予備吐出しない残りの複数の非描画ノズル孔から機能液滴を予備吐出するBフラッシング工程と、を有し、Aフラッシング工程は、1ラインの描画直前に行われ、Bフラッシング工程は、1ラインの描画直後に行われることを特徴とする。
また、他の液滴吐出ヘッドの予備吐出方法は、多数のノズル孔を有する液滴吐出ヘッドによる1ラインの描画を、当該1ライン単位で設定された複数のノズル孔を用いて行う液滴吐出ヘッドの予備吐出方法において、少なくとも1ライン単位で設定された描画に用いる複数の描画ノズル孔を含む複数のノズル孔から機能液滴を予備吐出するAフラッシング工程と、全ノズル孔のうちAフラッシング工程で予備吐出しない残りの複数の非描画ノズル孔から機能液滴を予備吐出するBフラッシング工程と、を有し、1ラインの描画直前にBフラッシング工程、Aフラッシング工程の順で予備吐出が行われることを特徴とする。
【0010】
本発明の液滴吐出装置は、多数のノズル孔を有する液滴吐出ヘッドによるワークへの1ラインの描画を、当該1ライン単位で設定された複数のノズル孔から成る描画ノズル孔を用いて行う液滴吐出装置において、描画ノズル孔を含む複数のノズル孔から予備吐出させるAフラッシング駆動、および全ノズル孔のうち当該Aフラッシング駆動で予備吐出しない残りの複数の非描画ノズル孔から予備吐出させるBフラッシング駆動を制御する制御手段と、Aフラッシング駆動およびBフラッシング駆動により予備吐出される機能液滴を受ける液滴受け部と、を備え、制御手段は、Aフラッシング駆動を1ラインの描画直前に行い、Bフラッシング駆動を1ラインの描画直後に行うことを特徴とする。
また、他の液滴吐出装置は、多数のノズル孔を有する液滴吐出ヘッドによるワークへの1ラインの描画を、当該1ライン単位で設定された複数のノズル孔から成る描画ノズル孔を用いて行う液滴吐出装置において、描画ノズル孔を含む複数のノズル孔から予備吐出させるAフラッシング駆動、および全ノズル孔のうち当該Aフラッシング駆動で予備吐出しない残りの複数の非描画ノズル孔から予備吐出させるBフラッシング駆動を制御する制御手段と、Aフラッシング駆動およびBフラッシング駆動により予備吐出される機能液滴を受ける液滴受け部と、を備え、制御手段は、1ラインの描画直前にBフラッシング駆動、Aフラッシング駆動の順で予備吐出を行うことを特徴とする。
【0011】
これらの構成によれば、液滴吐出ヘッドの多数の全ノズル孔を、1ラインの描画に使用する複数のノズル孔(以下、描画ノズル孔という。)を含むものと、それ以外の残りの複数のノズル孔(以下、非描画ノズル孔という。)とで区分けし、その区分けに基づく予備吐出が時間差を存して相互に個別に、すなわち異なるタイミングで行われる。
このため、特に、描画ノズル孔の予備吐出では非描画ノズル孔の影響(非描画ノズル孔の数に起因するクロストークの影響)を受けず、描画ノズル孔の予備吐出のためのアナログの駆動波形は安定する。これにより、描画ノズル孔の予備吐出を安定して行うことができ(機能液滴の飛行曲がりが生じない)、機能液の粘度に関らず、その後の1ラインの描画を良好に行うことができる。
一方で、非描画ノズル孔についても、1ラインの描画に先立ちまたはその後に予備吐出が行われるため、同様に機能液の増粘が適切に防止されている。これにより、次の1ラインの描画で使用するノズル孔が変わったとしても、吸引処理等を別途行うことなく、次の1ラインの描画を良好に行うことができる。
なお、Aフラッシング工程・駆動において予備吐出が行われる複数のノズル孔には、描画ノズル孔以外のノズル孔(以下、余剰ノズル孔という。)をも含まれる。この場合、余剰ノズル孔の許容範囲は、機能液の性状やFFCの長さ等によって変動する流動的なものであるが、少なくとも、予備吐出のためのアナログ波形を維持可能な範囲に設定される。
【0013】
また、これらの構成によれば、データ上の処理が簡単になる。すなわち、1ラインの描画のデータに、Aフラッシング工程により予備吐出するためのデータを予め組み込むことで、余剰ノズル孔専用の予備吐出のためのデータを生成等しないで済む。
【0014】
これらの場合、複数の非描画ノズル孔は、複数組のノズル孔群に区分けされており、Bフラッシング工程は、各組のノズル孔群を単位とする予備吐出を時間差を存して相互に個別に行うことが、好ましい。
【0015】
これらの構成によれば、Bフラッシング工程での予備吐出がさらに細分化され、複数組のノズル孔群の予備吐出が互いに異なるタイミングで行われる。これにより、描画ノズル孔の数が非描画ノズル孔の数よりも極端に少ない場合であっても、非描画ノズル孔の予備吐出は、クロストークの影響を受けないため、描画ノズル孔に悪影響をおよぼすことを確実に回避することができる。
【0016】
これらの場合、Aフラッシング工程およびBフラッシング工程は、移動する液滴吐出ヘッドが同一の液滴受け部上を相対的に通過するときに、1ラインの描画に先立ち連続的に行われることが、好ましい。
【0017】
この構成によれば、液滴受け部に対する液滴吐出ヘッドの相対移動により、描画ノズル孔および非描画ノズル孔の予備吐出を、描画前に連続的に行うことができる。また、液滴受け部のための部品点数を減らすことができる。
【0018】
この場合、液滴吐出ヘッドの相対移動は、1ラインの描画における主走査に連続していることが、好ましい。
【0019】
この構成によれば、液滴吐出ヘッドを予備吐出から描画へと迅速に移行することができ、ノズル孔における機能液が良好な状態での描画が可能となる。
【0023】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した本発明の液滴吐出装置を用い、ワークとなる基板に対し複数ラインの描画を行い、液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出して当該基板上に成膜部を形成することを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、上記の液滴吐出装置を用いての成膜処理であるため、各ノズル孔から良好な液滴吐出を行うことができ、電気光学装置のスループットを向上することができる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。また、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が含まれる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置ついて説明する。この液滴吐出装置は、有機ELデバイスや液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれるものであり、インクジェット方式により、基板(ワーク)に対し液滴吐出ヘッドから発光材料等の機能液滴を選択的に吐出することで描画を行い、基板上に所望の成膜部を形成するものである。そして本発明の特徴部分は、本来の機能液の増粘防止を図りつつ、液滴吐出ヘッドが描画に先立って予備吐出(いわゆるフラッシング)を効果的に行うことにある。
【0028】
図1は、液滴吐出装置の基本的構成を示した模式図である。同図に示すように、液滴吐出装置1は、図外の機台上に設けたX軸テーブル3およびY軸テーブル4から成るX・Y移動機構2と、X軸テーブル3に移動自在に取り付けたワークテーブル7と、Y軸テーブル4に移動自在に取り付けたキャリッジ8と、を備えている。キャリッジ8には、機能液滴を吐出する液滴吐出ヘッド9が搭載されている。ワークテーブル7には、ワークである基板Wがセットされると共に、液滴吐出ヘッド9の予備吐出を受ける一対のフラッシングボックス11,11が組み込まれている。
【0029】
また、液滴吐出装置1は、いずれも図示省略するが、液滴吐出ヘッド9に機能液を供給する機能液供給系や、液滴吐出ヘッド9に対し機能液吸引および保管を行う吸引ユニット等の他、上記のX・Y移動機構2や液滴吐出ヘッド9などの各種構成装置を統括制御する制御装置12を備えている。機能液としては、一般的なインクのほか、カラーフィルタのフィルタ材料や、描画後に金属配線として機能する液状金属材料など、各種基板Wの目的に対応した材料を含有する液体が用いられる。
【0030】
図2に示すように、液滴吐出ヘッド9は、ノズル面21を有するノズルプレート22と、ノズルプレート22に連なるポンプ部23と、ポンプ部23の上方(同図では下方)に連なる液体導入部24と、ポンプ部23の側方に連なるヘッド基板25と、で構成されている。液体導入部24は、機能液供給系の供給チューブが接続される接続針を有している。
【0031】
ヘッド基板25は、信号を伝送する伝送系を介して、制御装置12に連なるヘッドドライバ72に接続されている(図1参照)。伝送系は無線のものでもよいが、本実施形態ではFFC(Flat Flexible Cable)73を用いて、ヘッドドライバ72とヘッド基板25に突設したコネクタ28とを有線接続している。
【0032】
ノズル面21は、基板Wの表面に対し所定の間隙を存して対峙する。ノズル面21には、1本のノズル列31が形成されている。ノズル列31は、多数(例えば180個)のノズル32が等ピッチでY軸方向に平行に並べられて構成されている。そして、ノズル面21に開口したノズル孔33から機能液がドット状に吐出される。
【0033】
ポンプ部23は、ノズル32の数に対応する圧力室41および圧電素子42(ピエゾ素子)を有し、各圧力室41はノズル32に連通している。ポンプ部23は、圧電素子42を収容した機構部43と、ノズルプレート22を接着したシリコンキャビティ44と、機構部43とシリコンキャビティ44とを接合する樹脂フィルム45と、を有している。
【0034】
圧電素子42は、ヘッドドライバ72から印加される駆動信号の駆動波形(アナログの台形波)に応じて変位し、圧力室41内に圧力変動を生じさせる。この圧力室41内の圧力変動により、圧力室41内の機能液は、ノズル孔33から機能液滴として吐出される。なお、基板Wへの本吐出(描画)となる駆動波形と、予備吐出のための駆動波形とは、いずれも同様の波形形状で構成される。そして、予備吐出のための予備吐出データは、本吐出のための描画パターンデータに組み込まれて、制御装置12の記憶エリアに記憶されている。
【0035】
なお、液滴吐出ヘッド9のノズル数、ノズル列数、ノズル列の延在方向は本実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、液滴吐出ヘッド9を同一方向に所定の角度傾けたものであってもよい。また、液滴吐出ヘッド9が単数のものに限らず、これらが複数の場合にあっては、その配置パターンも千鳥状配置、階段状配置など任意である。
【0036】
一対のフラッシングボックス11,11(液滴受け部)は、図1に示すように、ワークテーブル7の基板Wの載置エリアを挟むようにして、ワークテーブル7のX軸方向の両端部に組み込まれている。一対のフラッシングボックス11,11は、同一の略細長形状に形成され且つその内部には機能液吸収材が敷設されている。
【0037】
一対のフラッシングボックス11,11は、ワークテーブル7の移動により、基板Wと共に液滴吐出ヘッド9に向かって移動し、これに臨む。液滴吐出ヘッド9の各ノズル孔33から予備吐出される機能液滴は、フラッシングボックスの11の機能液吸収材に含浸保持される。そして、フラッシングボックス11で受けた機能液は、これに連通した排液用チューブを介して廃液タンクに貯留されるようになっている(いずれも図示省略)。
【0038】
X・Y移動機構2は、図1に示すように、いわゆるX・Yの2軸ロボットであり、X軸テーブル3はY軸テーブル4の下方に位置している。X軸テーブル3は、パルス駆動されるリニアモータ61と、これを内蔵すると共にワークテーブル7をX軸方向に移動自在に搭載したX軸スライダ62と、を有している。リニアモータ61は、制御装置12に連なるモータドライバ74を介して駆動され、X軸テーブル3は、ワークテーブル7を介して基板Wおよび各フラッシングボックス11をX軸方向に移動させる。
【0039】
同様に、Y軸テーブル4は、パルス駆動されるリニアモータ65と、これを内蔵すると共にキャリッジ8をY軸方向に移動自在に搭載したY軸スライダ66と、を有している。リニアモータ65は、制御装置12に連なるモータドライバ75を介して駆動され、Y軸テーブル4は、キャリッジ8を介して液滴吐出ヘッド9をY軸方向に移動させる。
【0040】
図1および図3に示すように、本実施形態の液滴吐出装置1では、液滴吐出ヘッド9による基板Wへの1ラインの描画は、X軸テーブル3による基板Wの移動に同期して液滴吐出ヘッド9が吐出駆動することで行われる。すなわち、液滴吐出ヘッド9のいわゆる主走査(1ラインの描画を含む移動動作。)は、X軸テーブル3による基板WのX軸方向への往動動作(または復動動作)により行われ、いわゆる副走査はY軸テーブル4による液滴吐出ヘッド9のY軸方向へのピッチ送り動作となる往動動作により行われる。
【0041】
そして、一連の描画動作ではこのような動作が繰り返されて、複数ライン(第1ライン、第2ライン、第3ライン…)の描画が基板Wに対して行われる。また、各ラインの描画に先立って、液滴吐出ヘッド9はフラッシングボックス11に対し予備吐出を行う(詳細は後述する)。
【0042】
なお、本実施形態では、基板Wの往復動動作のいずれにおいてもこれに描画するようにしているが、もちろん往動動作のときのみ描画する構成でもよい。また、液滴吐出ヘッド9に対し、基板Wを主走査方向に移動させるようにしているが、液滴吐出ヘッド9を主走査方向に移動させる構成であってもよい。さらに、基板Wを固定とし、液滴吐出ヘッド9を主走査方向および副走査方向に移動させる構成であってもよいし、逆に液滴吐出ヘッド9を固定とし、基板Wを主走査方向および副走査方向に移動させる構成であってもよい。
【0043】
制御装置12は、CPU71を有して各種構成装置の動作を制御するためのものであり、液滴吐出装置1の制動動作を実行するための制御プログラムや描画パターンデータなどの制御データを記憶すると共に、各種制御処理を行うための作業領域を有している。
【0044】
例えば、制御装置12は、描画パターンデータに基づいて、モータドライバ74,75を介してX・Y移動機構2によるワークテーブル7およびキャリッジ8の相対的な移動動作を制御すると共に、ヘッドドライバ72を介して液滴吐出ヘッド9に本吐出させる本吐出駆動を制御する。また、制御装置12は、各フラッシングボックス11に対して予備吐出させるノズル孔33を設定する設定手段として機能し、この設定に基づいて液滴吐出ヘッド9に予備吐出させるフラッシング駆動を制御する。
【0045】
ここで、図4および図5を参照して、液滴吐出ヘッド9の予備吐出方法の第1実施形態について詳細に説明する。
【0046】
図4は、1ラインの描画に使用する液滴吐出ヘッド9のノズル孔33について模式的に示す説明図である。同図に示すように、例えば、カラーフィルタの基板Wの表面に、R(赤)、G(緑)、B(青)のいずれかの機能液(フィルタ材料)から成るフィルタエレメント(画素)をストライプ配列でマトリックス状に形成する場合を考える。なお、ストライプ配列は、マトリックスの横列(主走査方向の列)が全て同色になる配色である。
【0047】
また、1つのフィルタエレメントは、1つのノズル孔33からの機能液滴の吐出により描画されるとする。さらに、一つの液滴吐出ヘッド9には一色の機能液を導入することが可能であるが、ここでは、R色のフィルタエレメントを描画するべく、液滴吐出ヘッド9にはR色の機能液が機能液供給系から供給されているとする。このような場合、液滴吐出ヘッド9の全ノズル孔33は次のように設定される。
【0048】
具体的には、同図に示すように、R色となるフィルタエレメントに対応して、液滴吐出ヘッド9の1ラインの描画で使用する複数のノズル孔33a(以下、描画ノズル孔33aという。)が設定される。また、残りのG色・B色となるフィルタエレメントに対応して、1ラインの描画で使用しない複数のノズル孔33b(以下、非描画ノズル孔33bという。)が設定される。すなわち、1ラインの描画は、全てのノズル孔33のうち複数のノズル孔33のみを用いた、いわゆる低デューティーの設定で行われる。
【0049】
このように描画ノズル孔33aが設定された液滴吐出ヘッド9の予備吐出方法について、図5を参照して説明する。上記のように、液滴吐出ヘッド9の1回の主走査では、液滴吐出ヘッド9は、一方のフラッシングボックス11、基板Wの描画エリア、他方のフラッシングボックス11と順に連続的に臨む。
【0050】
本実施形態では、描画ノズル孔33aによる基板Wへの1ラインの描画に先立ち、描画ノズル孔33aから一方のフラッシングボックス11に対して予備吐出させる。また、基板Wへの1ラインの描画後に、非描画ノズル孔33bから他方のフラッシングボックス11に対して予備吐出させる。すなわち、描画ノズル孔33aから予備吐出させるAフラッシング駆動と、非描画ノズル孔33bから予備吐出させるBフラッシング駆動とを、時間差を存して相互に個別に行う。
【0051】
したがって、Aフラッシング駆動によれば、描画ノズル孔33aを構成する全てのノズル孔33から同時にR色の機能液滴が予備吐出される。一方、1ラインの描画後のBフラッシング駆動によれば、先ず、非描画ノズル孔33bのうちB色に対応する複数のノズル孔33のみ、同時に機能液滴が予備吐出され、その後、G色に対応する複数のノズル孔33のみ、同時に機能液滴を予備吐出される。
【0052】
そして、1回の主走査が終了し、1ピッチ分副走査した液滴吐出ヘッド9の次の主走査も同様に、主走査開始側のフラッシングボックス11上を通過しながらAフラッシング駆動が行われ、主走査終了側のフラッシングボックス11上に臨んでBフラッシング駆動が行われる。このような予備吐出は、上記のように、FFC73を介して液滴吐出ヘッド9に伝送された描画パターンデータに基づいて行われる。
【0053】
第1実施形態の予備吐出方法によれば、液滴吐出ヘッド9の予備吐出が、描画ノズル孔33aと非描画ノズル孔33bとを同時に行わないため、FFC73による駆動波形の伝送時にクロストークの影響(主に非描画ノズル孔33bの数が要因となる。)を受けずに、描画ノズル孔33aから予備吐出を行うことができる。これにより、描画ノズル孔33aは、本来の機能液の増粘防止を図りつつ、機能液滴の飛行曲がりが生じない適切な予備吐出が行われるため、その後の基板Wへの1ラインの描画を良好に行うことができる。
【0054】
また、非描画ノズル孔33bでは、複数組(この場合、G色・B色の2組)のノズル孔群に区分けされて、各組のノズル孔群を単位とする予備吐出が時間差を存して相互に個別に行われるため、同様にクロストークの影響(主に非描画ノズル孔33bの数が描画ノズル孔33aの数よりも極端に多い場合が要因となる。)を受けずに、非描画ノズル孔33bから適切な予備吐出を行うことができると共に、非描画ノズル孔33bについても機能液の増粘を防止することができる。
【0055】
これにより、次の1ライン(例えば第2ライン)の描画で使用するノズル孔33が変わったとしても、すなわち1ライン単位で異なる描画ノズル孔33aの設定が為される場合であっても、非描画ノズル孔33bにおける機能液の増粘が防止されているため、次の1ラインの描画を良好に行うことができる。
【0056】
次に、図6を参照して、第2実施形態に係る液滴吐出ヘッド9の予備吐出方法について説明する。第2実施形態は、図4に示す描画ノズル孔33a・非描画ノズル孔33bの設定で予備吐出を行う点では、第1実施形態と同様である。異なる点は、第2実施形態では、描画ノズル孔33aからの予備吐出と非描画ノズル孔33bからの予備吐出とを、基板Wへの1ラインの描画に先立ち、同一のフラッシングボックス11に対して行うことである。
【0057】
すなわち、液滴吐出ヘッド9は、主走査開始側のフラッシングボックス11上を通過しながら、描画ノズル孔33aおよび非描画ノズル孔33bからの予備吐出を時間差を存して相互に個別に行い、基板Wへの1ラインの描画後において、主走査終了側のフラッシングボックス11に対して予備吐出を行わない。このときもちろん、非描画ノズル孔33bの予備吐出は、各組(G色・B色の2組)のノズル孔群を単位として時間差を存して相互に個別に行われる。そして、1ピッチ分副走査後の次の主走査で、同様の予備吐出を行う。
【0058】
これにより、第1実施形態と同様に、本来の機能液の増粘を防止しつつ、不良な予備吐出が有効に防止されるため、基板Wへの複数ラインの描画を良好に行うことができる。なお、描画ノズル孔33aおよび非描画ノズル孔33bの予備吐出する順番はどちらが先でもよいが、同図に示すように、描画ノズル孔33aからの予備吐出を基板Wへの描画の直前に設定することで、より良好に且つ確実に基板Wへの描画を行うことができる。
【0059】
また、上記いずれの実施形態も、描画ノズル孔33aと、Aフラッシング駆動で予備吐出する複数のノズル孔33と、を全く同一としたが、Aフラッシング駆動で予備吐出する複数のノズル孔33には、描画ノズル孔33a以外の複数のノズル孔33(以下、余剰ノズル孔という。)を含めてもよい。
【0060】
この場合、余剰ノズル孔の許容範囲は、機能液の性状やFFC73の長さ等によって変動するが、少なくとも、Aフラッシング駆動による描画ノズル孔33aおよび余剰ノズル孔の予備吐出の駆動波形が維持可能な範囲に設定される。すなわち、FFC73等の伝送系におけるクロストークの影響により駆動波形が乱れない程度にまで、余剰ノズル孔の数を設定することができる。このことはまた、上記各実施形態のように、非描画ノズル孔33bの数が描画ノズル孔33aの数よりも多い場合であっても、Bフラッシング駆動による予備吐出を一括して(複数組のノズル孔群に分けることなく。)行えることを意味する。
【0061】
また、上記いずれの実施形態も、描画ノズル孔33aをRGBの3色の配置パターンの関係で設定したが、もちろんこれに限られるものでない。例えば、マトリックス状の略全ての画素に機能液滴を吐出する場合(例えば、後述する有機EL装置500の正孔注入/輸送層510aを描画する場合。)であって、且つ画素ピッチとノズル孔ピッチとが合致していない場合には、画素に対応し得るノズル孔33が描画ノズル孔33aとなり、画素に対応し得ないノズル孔33が非描画ノズル孔33bとして設定される。
【0062】
次に、図7を参照して、第3実施形態に係る液滴吐出ヘッド9の予備吐出方法について説明する。第3実施形態では、上記各実施形態における図4に示す描画ノズル孔33aの設定とは異なり、同図(a)に示すように、液滴吐出ヘッド9は、描画ノズル孔33aおよび非描画ノズル孔33bが並び方向に交互に設定されている。そして、この設定とは関係なく、主走査開始側のフラッシングボックス11に対して、全てのノズル孔33の予備吐出が1ラインの描画に先立って行われる。
【0063】
この場合、全てのノズル孔33を複数組(図示では3組)のノズル孔群に区分けし、予備吐出するノズル孔33を当該各組のノズル孔群を単位として設定し、この設定に基づいて各組のノズル孔群からの予備吐出を時間差を存して相互に個別に行っている。すなわち、全てのノズル孔33を同時に予備吐出させない、いわゆる低デューティーでの予備吐出を行うべく、全ノズル孔33を複数の組に区分けして、基板Wへの描画前に全ノズル孔33の予備吐出をそれぞれ異なるタイミングで効果的に行う。これにより、本来の機能液の増粘を防止しつつ、不良な予備吐出を有効に防止することができる。
【0064】
ただし、各組のノズル孔群に含めることができるノズル孔33の数は、1ライン単位で設定される描画ノズル孔33aの数と同程度であればよい。具体的には、クロストークの影響を受けない描画ノズル孔33aの数以下であればよいが、上記同様に、クロストークの影響により駆動波形が乱れない程度まで、描画ノズル孔33aの数に他のノズル孔33の数を加算することが許容される。
【0065】
ところで、本実施形態の液滴吐出装置1は、各種の材料からなる機能液を用いることで、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることができる。すなわち、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造に適用することができる。もちろん、液晶表示装置等に用いるカラーフィルタの製造にも適用することができる。また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。そして、これらの電気光学装置を備えた電子機器、例えばフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話機を提供することができる。
【0066】
そこで、この液滴吐出装置1を用いた製造方法を、液晶表示装置の製造方法および有機EL装置の製造方法を例に説明し、他のデバイスについても簡単に説明する。
【0067】
図8は、液晶表示装置の断面図である。同図に示すように、液晶表示装置450は、上下の偏光板462、467間に、カラーフィルタ400と対向基板466とを組み合わせ、両者の間に液晶組成物465を封入することにより構成されている。また、カラーフィルタ400および対向基板466間には、配向膜461、464が構成され、対向基板466の内側の面には、TFT(薄膜トランジスタ)素子(図示せず)と画素電極463とがマトリクス状に形成されている。
【0068】
カラーフィルタ400は、マトリクス状に並んだ画素(フィルタエレメント)を備え、画素と画素の境目は、バンク413により区切られている。画素の1つ1つには、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかのフィルタ材料(機能液)が導入されている。すなわち、カラーフィルタ400は、透光性の基板411と、遮光性のバンク413とを備えている。バンク413が形成されていない(除去された)部分は上記画素を構成し、この画素に導入された各色のフィルタ材料は着色層421を構成する。バンク413及び着色層421の上面には、オーバーコート層422及び電極層423が形成されている。
【0069】
そして、本実施形態の液滴吐出装置1では、バンク413で区切られて形成された画素内に、液滴吐出ヘッド9により、R・G・B各色の機能液を着色層形成領域毎に選択的に吐出している。そして、塗布した機能液を乾燥させることにより、成膜部となる着色層421を得るようにしている。また、液滴吐出装置1では、液滴吐出ヘッド9により、オーバーコート層422など各種の成膜部を形成している。もちろん、これら描画の際には、上記の予備吐出方法が用いられ、液滴吐出ヘッド9は良好な状態で機能液滴を吐出することができるようになっている。
【0070】
同様に、図9を参照して、有機EL装置とその製造方法を説明する。同図に示すように、有機EL装置500は、ガラス基板501上に回路素子部502が積層され、回路素子部502上に主体を為す有機EL素子504が積層されている。また有機EL素子504の上側には、不活性ガスの空間を存して封止用基板505が形成されている。
【0071】
有機EL素子504には、無機物バンク層512aおよびこれに重ねた有機物バンク層512bによりバンク512が形成され、このバンク512により、マトリクス状の画素が画成されている。そして、各画素内には、下側から画素電極511、R・G・Bいずれかの発光層510bおよび正孔注入/輸送層510aが積層され、且つ全体がCaやAl等の薄膜を複数層に亘って積層した対向電極503で覆われている。
【0072】
そして、本実施形態の液滴吐出装置1では、R・G・Bの各発光層510bおよび正孔注入/輸送層510aの成膜部を形成するようにしている。また、液滴吐出装置1では、正孔注入/輸送層510aを形成した後に、液滴吐出ヘッド9に導入する機能液としてCaやAl等の液体金属材料を用いて、対向電極503を形成する等している。もちろん、これら描画の際には、上記の予備吐出方法が用いられ、液滴吐出ヘッド9は良好な状態で機能液滴を吐出する。
【0073】
そして、以下に示すデバイスの製造方法においても、上記の予備吐出方法が用いられている。
【0074】
すなわち、PDP装置の製造方法では、複数の液滴吐出ヘッド9にR、G、B各色の蛍光材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド9を主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出して、背面基板(ワークW)上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成する。
【0075】
電気泳動表示装置の製造方法では、複数の液滴吐出ヘッド9に各色の泳動体材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド9を主走査および副走査し、泳動体材料を選択的に吐出して、電極(ワークW)上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成する。なお、帯電粒子と染料とからなる泳動体は、マイクロカプセルに封入されていることが好ましい。
【0076】
金属配線形成方法では、複数の液滴吐出ヘッド9に液状金属材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド9を主走査および副走査し、液状金属材料を選択的に吐出して、基板(ワークW)上に金属配線を形成する。例えば、上記の液晶表示装置におけるドライバと各電極とを接続する金属配線や、上記有機EL装置におけるTFT等と各電極とを接続する金属配線に適用してこれらのデバイスを製造することができる。また、この種のフラットパネルディスプレイの他、一般的な半導体製造技術に適用できることは言うまでもない。
【0077】
レンズの形成方法では、複数の液滴吐出ヘッド9にレンズ材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド9を主走査および副走査し、レンズ材料を選択的に吐出して、透明基板(ワークW)上に多数のマイクロレンズを形成する。例えば、上記FED装置におけるビーム収束用のデバイスを製造する場合に適用可能である。また、各種光デバイスの製造技術にも適用可能である。
【0078】
レンズの製造方法では、複数の液滴吐出ヘッド9に透光性のコーティング材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド9を主走査および副走査し、コーティング材料を選択的に吐出して、レンズの表面にコーティング膜を形成する。
【0079】
レジスト形成方法では、複数の液滴吐出ヘッド9にレジスト材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド9を主走査および副走査し、レジスト材料を選択的に吐出して、基板(ワークW)上に任意形状のフォトレジストを形成する。例えば、上記の各種表示装置におけるバンクの形成はもとより、半導体製造技術の主体をなすフォトリソグラフィー法において、フォトレジストの塗布に広く適用可能である。
【0080】
光拡散体形成方法では、複数の液滴吐出ヘッド9に光拡散材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド9を主走査および副走査し、光拡散材料を選択的に吐出して、基板(ワークW)上に多数の光拡散体を形成する。この場合も、各種光デバイスに適用可能であることはいうまでもない。
【0081】
【発明の効果】
本発明の液滴吐出ヘッドの予備吐出方法によれば、1ラインの描画に使用する複数のノズル孔を含むものと、それ以外の残りの複数のノズル孔とで区分けし、その区分けに基づいて機能液滴の予備吐出を相互に独立して個別に行うため、機能液の粘度に関らず、本来の機能液の増粘防止を全てのノズル孔について図りつつ、各ノズル孔について不良な予備吐出を有効に防止することができる。
【0082】
本発明の他の液滴吐出ヘッドの予備吐出方法によれば、全てのノズル孔を複数組のノズル孔群に区分けし、1ラインの描画に先立って、ノズル孔群を単位とする予備吐出を各組が相互に独立して個別に行うため、上記同様に、本来の機能液の増粘を防止しつつ、不良な予備吐出を有効に防止することができる。
【0083】
本発明の液滴吐出装置によれば、ワークへの描画に際して上記の予備吐出方法を実行するため、機能液の粘度に関らず、1ラインの描画はもとより複数ラインの描画を良好に且つ迅速に行うことができる。
【0084】
本発明の電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器によれば、上記の液滴吐出装置を用いての成膜処理であるため、高品質で信頼性の高い各種の電気光学装置、電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の基本的構成を模式的に示した図であり、(a)平面図、(b)正面図である。
【図2】液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)斜視図、(b)ノズル孔周りを拡大して示す断面図である。
【図3】液滴吐出装置の描画動作を模式的に示す説明図である。
【図4】1ライン単位で設定される液滴吐出ヘッドのノズル孔について説明するための説明図である。
【図5】第一実施形態に係る液滴吐出ヘッドの予備吐出方法を示す説明図である。
【図6】第二実施形態に係る液滴吐出ヘッドの予備吐出方法を示す説明図である。
【図7】第三実施形態に係る液滴吐出ヘッドの予備吐出方法を示す説明図である。
【図8】実施形態の液滴吐出装置で製造する液晶表示装置の断面図である。
【図9】実施形態の液滴吐出装置で製造する有機EL装置の断面図である。
【符号の説明】
1 液滴吐出装置
2 X・Y移動機構
8 キャリッジ
9 液滴吐出ヘッド
11 フラッシングボックス(液滴受け部)
12 制御装置
33 ノズル孔
73 FFC
W 基板
450 液晶表示装置
500 有機EL装置
Claims (8)
- 多数のノズル孔を有する液滴吐出ヘッドによる1ラインの描画を、当該1ライン単位で設定された複数のノズル孔を用いて行う液滴吐出ヘッドの予備吐出方法において、
少なくとも前記1ライン単位で設定された前記描画に用いる複数の描画ノズル孔を含む複数のノズル孔から機能液滴を予備吐出するAフラッシング工程と、
全ノズル孔のうち前記Aフラッシング工程で予備吐出しない残りの複数の非描画ノズル孔から機能液滴を予備吐出するBフラッシング工程と、を有し、
前記Aフラッシング工程は、前記1ラインの描画直前に行われ、前記Bフラッシング工程は、前記1ラインの描画直後に行われることを特徴とする液滴吐出ヘッドの予備吐出方法。 - 多数のノズル孔を有する液滴吐出ヘッドによる1ラインの描画を、当該1ライン単位で設定された複数のノズル孔を用いて行う液滴吐出ヘッドの予備吐出方法において、
少なくとも前記1ライン単位で設定された前記描画に用いる複数の描画ノズル孔を含む複数のノズル孔から機能液滴を予備吐出するAフラッシング工程と、
全ノズル孔のうち前記Aフラッシング工程で予備吐出しない残りの複数の非描画ノズル孔から機能液滴を予備吐出するBフラッシング工程と、を有し、
前記1ラインの描画直前に前記Bフラッシング工程、前記Aフラッシング工程の順で予備吐出が行われることを特徴とする液滴吐出ヘッドの予備吐出方法。 - 前記Aフラッシング工程および前記Bフラッシング工程は、移動する前記液滴吐出ヘッドが同一の液滴受け部上を相対的に通過するときに、前記1ラインの描画に先立ち連続的に行われることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの予備吐出方法。
- 前記液滴吐出ヘッドの相対移動は、前記1ラインの描画における主走査に連続していることを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出ヘッドの予備吐出方法。
- 前記複数の非描画ノズル孔は、複数組のノズル孔群に区分けされており、
前記Bフラッシング工程は、前記各組のノズル孔群を単位とする予備吐出を時間差を存して相互に個別に行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの予備吐出方法。 - 多数のノズル孔を有する液滴吐出ヘッドによるワークへの1ラインの描画を、当該1ライン単位で設定された複数のノズル孔から成る描画ノズル孔を用いて行う液滴吐出装置において、
前記描画ノズル孔を含む複数のノズル孔から予備吐出させるAフラッシング駆動、および全ノズル孔のうち当該Aフラッシング駆動で予備吐出しない残りの複数の非描画ノズル孔から予備吐出させるBフラッシング駆動を制御する制御手段と、
前記Aフラッシング駆動および前記Bフラッシング駆動により予備吐出される機能液滴を受ける液滴受け部と、を備え、
前記制御手段は、前記Aフラッシング駆動を前記1ラインの描画直前に行い、前記Bフラッシング駆動を前記1ラインの描画直後に行うことを特徴とする液滴吐出装置。 - 多数のノズル孔を有する液滴吐出ヘッドによるワークへの1ラインの描画を、当該1ライン単位で設定された複数のノズル孔から成る描画ノズル孔を用いて行う液滴吐出装置において、
前記描画ノズル孔を含む複数のノズル孔から予備吐出させるAフラッシング駆動、および全ノズル孔のうち当該Aフラッシング駆動で予備吐出しない残りの複数の非描画ノズル孔から予備吐出させるBフラッシング駆動を制御する制御手段と、
前記Aフラッシング駆動および前記Bフラッシング駆動により予備吐出される機能液滴を受ける液滴受け部と、を備え、
前記制御手段は、前記1ラインの描画直前に前記Bフラッシング駆動、前記Aフラッシング駆動の順で予備吐出を行うことを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項6または7に記載の液滴吐出装置を用い、
前記ワークとなる基板に対し複数ラインの描画を行い、前記液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出して当該基板上に成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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