JP4301474B2 - 保護素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護素子に関し、より詳細には、特定温度で溶融する可溶合金を有する温度ヒューズや、可溶合金とこの可溶合金を通電加熱により強制的に溶断させる抵抗体とを有する抵抗体付きヒューズ等の保護素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等を過熱損傷から保護する保護素子として、特定温度で動作して回路を遮断する温度ヒューズが用いられている。この種の温度ヒューズには、感温材として特定温度で溶融する絶縁性の感温ペレットを用いて、感温ペレットの溶融時に圧縮ばねの伸長により可動接点を固定接点から開離する感温ペレットタイプのもの(a)と、感温材として特定温度で溶融する可溶合金を用いて、この可溶合金に通電し、可溶合金の溶融によって回路を遮断する可溶合金タイプ(b)とがある。また、可溶合金と抵抗体とを具備し、抵抗体の通電加熱により可溶合金を強制的に溶断させる抵抗体付きヒューズと称される保護素子(c)もある。
本発明は、前記bタイプやcタイプの保護素子の改良に関するものであるから、以下、そのようなタイプのものについて説明する。前記bタイプの保護素子としては、例えば実開昭57−141346号公報に開示されている。また、cタイプの保護素子としては、例えば実開昭58−52848号公報に開示されている。そして、前記bタイプおよびcタイプの保護素子を薄型構造にしたものもある。
【0003】
まず、前記bタイプの保護素子である温度ヒューズについて、図23および図24を用いて説明する。
図23は従来の薄型構造の温度ヒューズDの縦断面図を示し、図24は前記温度ヒューズDの絶縁キャップおよびフラックスを除去して内部構造が見えるようにした状態,すなわちフラックス塗布前の平面図である。
図23および図24において、81はアルミナ等のセラミックからなる矩形状の絶縁基板で、その一方の面の長手方向の両端部に銀ペーストや銀−パラジウムペースト等の導電ペーストの塗布焼成により形成した一対の電極82,83を有する。前記一対の電極82,83の外方端にそれぞれリード84,85がはんだ86,87により固着接続されている。また、前記電極82,83の内方端間にまたがって特定温度で溶融する可溶合金88が橋設されており、この低融点合金88の表面はフラックス89で被覆されている。そして、前記可溶合金88およびフラックス89の上方から、封止樹脂90を被せて封止されている。
【0004】
次に、上記温度ヒューズDの使用方法について説明する。
上記温度ヒューズDをそのリード84,85を介して電子機器に直列接続する。すると、周囲温度が正常範囲内にあれば、リード84−電極82−可溶合金88−電極83−リード85を介して電子機器に通電される。電子機器の異常等に起因して周囲温度が上昇して可溶合金88の融点近くになると、フラックス89が軟化溶融して可溶合金88の表面を活性化して、可溶合金88の溶融の準備状態となる。周囲温度がさらに上昇して可溶合金88の融点に達すると、可溶合金88が溶融してその表面張力によって、電極82,83に引き寄せられて、中央部から溶断し球状化(88a,88b)して、通電が遮断される。(動作後の状態は図示省略)
それによって、周囲温度が下降しても、電極82,83に引き寄せられて球状化した可溶合金88a,88bは、元の状態に復元しないので、いわゆる非復帰型の保護素子として機能する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記温度ヒューズDにおいては、リード84,85間が、電極82−可溶合金88−電極83を介して接続されているため、電極82,83の抵抗値が大きいと温度ヒューズDの内部抵抗も大きくなるため、高電流においては自己発熱により可溶合金が誤溶融することがあるし、その電圧降下により電子機器への供給電圧が低下するといったことがある。一方、電極82,83を厚く形成すると、高価な電極ペーストの使用量が多くなり、原価上昇が避けられないという問題点があった。
【0006】
なお、温度ヒューズの内部抵抗の低減の目的ではないが、可溶合金88が溶融した際に、溶融した可溶合金88が電極82,83に引き寄せられる力が弱いと、溶融した可溶合金88の切断が不安定になり、甚だしい場合は、可溶合金88の切断ができない場合があるという課題を解決するために、図25および図26に示すような保護素子Eが提案されている(実公平4−36025号公報)。
以下、この保護素子Eについて説明する。図25および図26において、91は絶縁基板で、その表面に離隔して電極92,93が形成されており、この電極92,93の上にその先端部を電極92,93の内方端近くまで延在させてリード94,95がはんだ96,97で固着されている。そして、前記電極92,93間に特定温度で溶融する可溶合金98が、その両端が前記リード94,95の先端部に接触するように固着されている。前記可溶合金98の上にはフラックス99が被着されており、フラックス99の上に封止樹脂100が被覆封止されている。
このような保護素子Eによれば、可溶合金98の溶融時に、溶融した可溶合金98が電極92,93のみならず、リード94,95の先端部によっても引き寄せられるため、溶融した可溶合金98がその中央部から確実に溶断するという作用を営む。
【0007】
ところが、この温度ヒューズEには、電極92,93の形成用の導電ペーストの使用量の低減による原価低減の技術思想は全く認められないのみならず、電極92,93の上にリード94,95をその先端部が電極92,93の内方端の近傍まで延在させて固着して、電極92,93間に可溶合金98をその両端部がリード94,95の内方端に接触するように固着することは、可溶合金98の寸法精度や、可溶合金98の固着時の位置決め精度等のためにかなり困難である。
もし、可溶合金98の両端部が共にリード94,95の内方端部に接触していない場合は、期待した作用効果が全く得られない。また、可溶合金98のいずれか一端部のみがリード94,95のいずれか一方の内方端部に接触している場合は、溶融した可溶合金98の引き寄せられる力がアンバランスとなり、溶断特性がばらつきやすいのみならず、電極92,93のみに橋設されている場合に比較して、むしろ溶断特性が低下するという問題点がある。
【0008】
このような問題点は、上記のような可溶合金98のみを有する,いわゆる温度ヒューズと称される保護素子のみならず、可溶合金と抵抗体とを有し、抵抗体への通電発熱により可溶合金を強制的に溶断させる,いわゆる抵抗付きヒューズと称される保護素子においても、同様に生じるものである。
【0009】
そこで、本発明は、上記の温度ヒューズや抵抗付き温度ヒューズ等と称される保護素子において、可溶合金の溶融時に可溶合金が確実かつ容易に溶断する温度ヒューズや抵抗付きヒューズ等の保護素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、絶縁基板と、この絶縁基板上に離隔して形成された電極と、これらの電極上に固着されたリードと、これらのリードの上に橋設された可溶合金と、この可溶合金を覆うフラックスと、フラックスの上を覆う絶縁キャップの絶縁封止材とを有することを特徴とする保護素子が提供される。このような保護素子によると、電極の上にリードを固着し、このリードの上に可溶合金が固着接続されるので、電極の抵抗値は無視でき、したがって、電極を薄く形成できるので、高価な導電ペーストの使用量を低減して、原価低減が図れる。また、可溶合金の長さ寸法が少々ばらついても、可溶合金の固着位置が少々ばらついても、可溶合金をリードの上に容易かつ確実に固着接続できる。なお、絶縁キャップは封止樹脂により絶縁基板に固着封止され、それにより、フラックスおよび可溶合金の溶融時に、それらが流動できる空間が確保でき、可溶合金が周囲温度に的確に応答して溶断する。さらに、前記リードは電極のほぼ全面を覆う形状を有することが好ましく、それにより、リードの面積が大きく、可溶合金を確実にリードの上に固着接続できる。
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明は、前記絶縁キャップが、天板部と、立ち下がり部と、前記リード間に対応する部分にリードの厚さに対応して突出する突出部を有することを特徴とする保護素子である。このような保護素子によると、前記同様にフラックスおよび可溶合金の溶融時に、それらが流動できる空間が確保でき、可溶合金が周囲温度に的確に応答して溶断するのみならず、前記突出部の存在によって、絶縁基板と絶縁キャップとを同一厚さの封止樹脂により固着封止できる。
【0014】
本発明の変形例は、前記リードの内方端の幅寸法が、前記絶縁キャップの短手方向の内法寸法よりも小さく設定されており、前記絶縁キャップの短手方向の両端の突出部が絶縁キャップの長手方向の全長にわたって形成されていることを特徴とする保護素子である。このような保護素子によると、前記絶縁キャップの短手方向の両端の突出部が絶縁キャップの長手方向の全長にわたって形成されていることにより、絶縁キャップの短手方向の両端と絶縁基板との封止部が直線状になり、封止樹脂の厚さを容易に均一にすることができる。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、前記絶縁キャップの短手方向の内法寸法が、前記絶縁基板の短手方向の幅寸法と略同一に形成されており、立ち下がり部および突出部の総寸法が、絶縁基板,電極,リード,可溶合金およびフラックスの総高さ寸法と同等以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の保護素子である。このような保護素子によると、絶縁キャップで、絶縁基板を始め電極,可溶合金,フラックス等全体をカバーすることができる。ここで、前記絶縁キャップが前記立ち下がり部および/または突出部の内面側の中途部に、前記絶縁基板を支持する段部を設けることにより、絶縁キャップの段部で絶縁基板を支持でき、フラックスおよび可溶合金の溶融時に、これらが流動するための空間を容易かつ確実に確保できる。
【0017】
本発明の別の変形例は、前記絶縁基板に抵抗体用の電極と、この電極間に橋設され通電による発熱で前記可溶合金を強制的に溶断させる抵抗体と、抵抗体を被覆する絶縁膜とを有する保護素子である。このような保護素子によると、抵抗体に通電して発熱させることにより、周囲温度と無関係に強制的に可溶体を溶断させることができ、周囲温度に応答して溶断する温度ヒューズとは異なる用途が得られる。また、可溶体の溶断温度は、周囲温度とは無関係に設定できるので、その溶融温度や合金組成の選択範囲が広がる。ここで、前記抵抗体用の電極、抵抗体および絶縁膜は絶縁基板の可溶合金が固着された側と反対側に設けるのが好ましく、それにより保護素子をコンパクトにできる。
【0019】
本発明のさらに別の変形例は、前記絶縁基板の一方の面に形成された可溶合金用の電極と、絶縁基板の他方の面に形成された抵抗体用の電極とが、絶縁基板に穿設した透孔に形成された導電層を介して接続された保護素子である。このような保護素子によると、絶縁基板の両面の電極を、絶縁基板に穿設した透孔の内面に形成された導電層を介して接続することにより、リードの本数を低減することができ、部品点数の低減および接続工数の低減による原価低減ができる。
【0020】
【発明を実施するための態様】
以下、本発明の実施態様について、図面を参照して説明する。
【実施態様1】
図1は本発明の第1実施態様の薄型抵抗体付きヒューズからなる保護素子Aの縦断面図を示す。図2は同保護素子Aの平面図、図3は正面図、図4は左側側面図、図5は絶縁キャップおよびフラックスを除去した平面図を示す。前記図1は図2におけるA−A線に沿う縦断面図である。図6ないし図11は同保護素子Aの各製造工程における絶縁基板の平面図ないし下面図を示し、図12は絶縁キャップの下面斜視図を示す。
【0021】
図1ないし図12に示す保護素子Aにおいて、1はアルミナセラミック,ガラスセラミック等よりなる矩形状の絶縁基板で、図6に示すようにその表面の長手方向の両端近傍でかつ中心軸より偏心した同一短手方向端部側に穿設された透孔2,3を有する。図7に示すように、この絶縁基板1の表面の両端部には、銀ペーストや銀−パラジウムペースト等よりなる導電ペーストを塗布焼成して3つの電極4,5,6が形成されている。ここで、前記電極4は前記透孔3を避けた領域に逆L字状に形成されており、前記電極5は前記透孔2を含む領域にL字状に形成されており、前記電極6は前記透孔3を含む領域に矩形状に形成されている。なお、これらの電極4,5,6のうち、電極4,5は後述する可溶合金用の電極であり、電極6は後述する抵抗体への中継用の電極である。なお、これらの電極4,5,6の形成工程で、前記透孔2,3の内面に導電ペーストを塗布焼成して導電層が形成されている。
【0022】
図8に示すように、前記絶縁基板1の裏面の両端部には、銀ペーストや銀−パラジウムペースト等よりなる導電ペーストを塗布焼成して2つの抵抗体用の電極7,8が形成されている。一方の電極7は前記透孔2を含む領域に形成されており、他方の電極8は前記透孔3を含む領域に形成されている。そして、これらの電極7,8は、絶縁基板1の透孔2,3の内面に形成された導電層を介して、それぞれ絶縁基板1の表面の電極5,6と接続されている。
【0023】
前記図8に示すように、前記絶縁基板1の裏面の電極7,8にまたがって、例えば酸化ルテニウムを含む抵抗ペーストを塗布焼成して抵抗体9が形成されている。そして、図9に示すように、絶縁基板1の裏面の電極7,8および抵抗体9を覆ってはんだレジスト,ガラス等よりなる絶縁膜10が形成されている。
【0024】
図10に示すように、前記絶縁基板1の表面の電極4,5,6の上には、それぞれの電極と略同一形状でかつ若干小さい寸法のリード11,12,13がはんだ14,15,16により接続されている。ここでいう若干小さいとは、はんだ14,15,16のフィレット形成代分程度をいう。前記電極4に接続されたリード11の先端部は逆L字状の形状を有している。また、前記電極5に接続されたリード12はL字状の形状を有しており、前記透孔2を覆うように接続されている。さらに、前記電極6に接続されたリード13はストレート状で、かつ前記透孔3を覆うように接続されている。このリード11,12,13の接続時に、前記各リード11,13を接続する溶融状態のはんだ15,16は、前記各透孔2,3を通って絶縁基板1の裏面に形成された電極7,8に達しており、したがって、絶縁基板1の表面の電極5と裏面の電極7、および表面の電極6と裏面の電極8との導電ペーストによる接続抵抗を低減することができる。
【0025】
前記各リード11,12,13は、各個別に成型したものを接続してもよいが、例えば平板状の銅またはニッケル等のフープ材料をプレス打ち抜き,エッチング等によりリードフレーム状に形成し、各リード11,12,13の自由端部をそれぞれ電極4,5,6に接続後に、各リード11,12,13の他端を連結一体化しているタイバー部(図示省略)を切断除去する方法を採用することにより、各リード11,12,13の電極4,5,6上での位置決めが容易かつ確実になるという利点がある。なお、このタイバー部の切断は、後述する絶縁キャップ19の固着封止前や固着封止後に実施してもよい。
【0026】
図11に示すように、前記リード11,12の内方端上面間には可溶合金17が橋設されている。この可溶合金17は、丸棒状のものでもよいが、丸棒状のものを圧潰した偏平状で断面が長円状のものや、平板状のものの方が保護素子Aの低背化ができるので望ましい。この可溶合金17のリード11,12への橋設は、溶接で行なうことができる。そして、この可溶合金17の表面全面は、それよりも若干低い軟化点を有するフラックス18によって被覆されている(図1および図5参照)。
【0027】
図1および図2に示すように、前記フラックス18の上方には、若干の隙間を保って、セラミック、ガラスセラミック、ガラス、樹脂等を成型してなる絶縁キャップ19が封止樹脂20により固着封止されている。
図12は、前記絶縁キャップ19の下面斜視図で、フラックス18を覆うのに十分な形状寸法の天板部19aと、天板部19a周辺部からの立ち下がり部19bとを有し、特に、電極4,5およびリード11,12間の凹入した段差部分に対応する部分には、電極4,5およびリード11,12の総厚さ寸法に対応した突出寸法の突起部19cを有する略箱形状のものである。
【0028】
図3に示す正面図では、上記の絶縁キャップ19を固着封止した状態がよく表れている。すなわち、前記絶縁キャップ19の突起部19cは、電極4,5およびリード11,12間に嵌合して、隙間なく封止樹脂20により封止されている。
【0029】
上記の保護素子Aによれば、可溶合金17がリード11,12の内方端の上面間に橋設されているので、リード11,12間の抵抗分には、電極4,5の抵抗値が無関係で無視できるため、保護素子Aの内部抵抗を小さくできる。また、電極4,5の抵抗値を無視できるので、電極4,5を薄く形成することができ、高価な導電ペーストの使用量を低減して、原価低減ができる。
【0030】
図13は、上記の構成を有する保護素子Aの等価回路図を示す。
すなわち、符号11,12,13はそれぞれリード11,12,13(ないしは電極4,5,6)を示し、符号7,8は電極7,8を示す。そして、リード11,12間にはヒューズF(可溶合金17)が接続されており、電極7,8間にはヒータH(抵抗体9)が接続されている。ここで、電極5と7、および電極6と8とはそれぞれ絶縁基板1の透孔2,3に形成した導電層およびはんだ15,16を介して接続されているので、リード11,12間にヒューズF(可溶合金17)が接続され、リード12,13間にはヒータH(抵抗体9)が接続されている。
【0031】
次に、この保護素子Aの使用方法例について説明する。
図14は、上記保護素子Aをリチウム電池の充電回路における過充電防止に応用した場合を示す回路図である。図14において、21,22は直流電源端子で、23,24は負荷端子である。負荷端子23,24にはリチウム電池25が接続されている。保護素子Aのリード12を直流電源端子21に、リード11をリチウム電池25の正端子に接続するとともに、直流電源端子22にリチウム電池25の負端子を接続する。また、リチウム電池25に並列にリチウム電池25の充電端子電圧検出回路を構成する抵抗26,27の直列回路を接続し、保護素子Aのリード13をトランジスタ等のスイッチング素子28の一端子(図示例ではコレクタ)に接続し、スイッチング素子28の他端子(図示例ではエミッタ)を直流電源端子22(リチウム電池25の負端子)に接続する。そして、前記両抵抗26,27の接続点29を、前記スイッチング素子28の制御端子(図示例ではベース)に接続する。
【0032】
次に、上記図14のリチウム電池の充電回路における過充電防止動作について説明する。
まず、リチウム電池25の充電開始直後は、その端子電圧が低いので、スイッチング素子28の制御端子電圧は低く、したがって、このスイッチング素子28はオフ状態に保持され、ヒューズF(可溶合金17)を介して、リチウム電池25が充電される。
充電によってリチウム電池25の端子電圧が上昇して所定値になると、スイッチング素子28の制御端子電圧がそのしきい値に達して、スイッチング素子28が導通状態になる。すると、スイッチング素子28を介してヒータH(抵抗体9)に通電され、ヒータH(抵抗体9)が発熱する。このヒータH(抵抗体9)の発熱により、ヒューズF(可溶合金17)が強制的に溶断されて、リチウム電池25の充電が停止され過充電が防止される。
【0033】
【実施態様2】
図15ないし図18は本発明の第2実施態様の薄型抵抗付きヒューズからなる保護素子Bを示し、図15は絶縁キャップおよびフラックスを除去した,すなわちフラックス塗布前の平面図、図16は正面図、図17は左側面図、図18は絶縁キャップの下面斜視図を示す。
図15ないし図18において、図1ないし図8に示す第1実施態様の保護素子Aと同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。本実施態様の保護素子Bが保護素子Aと相違する点は、透孔32,33を穿設した絶縁基板31の両端に形成した可溶合金用の電極34,35の形状と、リード41,42の形状と、絶縁キャップ49の形状とにある。すなわち、保護素子Aの電極4,5は逆L字状および矩形状であるのに対して、本実施態様の保護素子Bにおける電極34,35は、図15から明らかなように、それぞれの内方端の幅寸法を小さくして、変形逆L字状およびT字状にしたものである。また、リード41,42は前記電極34,35の形状に倣ってリード41,42は変形逆逆L字状およびT字状に形成されており、これらの電極34,35およびリード41,42の形状の変更に伴って、絶縁キャップ49の短手方向両端の立ち下がり部49bから続く突出部49cが、図18から明らかなように、絶縁キャップ49の長さ方向の全長にわたって形成されている。
【0034】
上記の形状変更によって、電極34,35およびリード41,42と、絶縁キャップ49との位置関係は、図15から明らかなように、絶縁キャップ49の突出部49cは、電極34,35およびリード41,42を避けて絶縁基板31に封止樹脂50で固着封止されている。
【0035】
この実施態様の保護素子Bにおいても、リード41,42の上に可溶合金17を橋設しているので、前記同様の作用効果が得られるのみならず、絶縁キャップ49の短手方向の両端の突出部49cが絶縁キャップ49の長手方向の全長にわたって形成されているので、絶縁キャップ49の形状が単純化され、型の製作や絶縁キャップ49の製作が容易になる特長がある。また、封止樹脂50による絶縁キャップ49の封止の確実性が向上し、信頼性も向上する。
【0036】
【実施態様3】
図19ないし図22は、本発明の第3実施態様の薄型抵抗体付きヒューズからなる保護素子Cを示し、図19は一部を断面で示した正面図、図20は左側面図、図21は下面図、図22は絶縁キャップの下面斜視図を示す。
図19ないし図22において、図1ないし図12に示す第1実施態様の保護素子Aおよび図15ないし図18に示す第2実施態様の保護素子Bと同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。本実施態様の保護素子Cが上記保護素子A,Bと相違する点は、絶縁キャップ69にある。すなわち、絶縁キャップ69は、その短手方向の内法寸法aが絶縁基板1(31)の短手方向の幅寸法と略同一で、かつ長手方向の長さ寸法bが絶縁基板1(31)の長手方向の長さ寸法よりも大きく、かつ短手方向両端の立ち下がり部69bおよび突出部69cの総寸法cが、絶縁基板1(31)、電極4,5(34,35)、リード11,12,13(41,42,43)、可溶合金17、フラックス18およびフラックス18と絶縁キャップ間の適当な隙間、絶縁基板1(31)の裏面側の電極7,8、抵抗体9および絶縁膜10との総高さ寸法と同等以上の寸法に設定されており、かつ立ち下がり部69bの途中に絶縁基板1(31)を支持するための段部69dが設けられていることである。
【0037】
このような寸法形状の絶縁キャップ69を用いれば、電極4,5(34,35)、リード11,12,13(41,42,43)、可溶合金17、およびフラックス18がすっぽりと絶縁キャップ69によって覆われるのみならず、前記絶縁キャップ69の段部69dにより絶縁基板1(31)が支持されるので、フラックス18と絶縁キャップ69の天板部69aの内面(下面)との間に、適当な隙間が容易かつ確実に形成される。ただし、第1,第2の実施態様の保護素子A,Bと異なり、側面部が空いているので、封止樹脂70により隙間を充填封止してある。
なお、本実施態様では、絶縁基板1(31)と絶縁キャップ69との隙間部分のみに封止樹脂70を充填して封止する場合を示しているが、もし必要であれば、絶縁基板1(31)の裏面側全体をも封止樹脂70により充填封止してもよい。そのようにすれば、封止樹脂70による封止作業が容易になる特長がある。また、もし必要ならば、この封止樹脂70で抵抗体9の絶縁膜10を兼用することにより、抵抗体9の上の(下面の)絶縁膜10を省略することもできる。
【0038】
この実施態様においても、リード11,12の上に可溶合金17を橋設することによって、電極4,5の抵抗値が無視できるので、電極4,5を薄く形成することができ、効果な導電ペーストの使用量を低減して、原価低減を図ることができる。また、リード11,12と可溶合金17との間の等価抵抗を低減することができ、等価抵抗に起因する発熱によってヒューズF(可溶合金17)が誤溶融することがない。さらに、保護素子C全体としての外観形状が単純化されて、絶縁キャップ21,41に外力が作用しにくくなり、絶縁キャップ21,41の剥離が生じなくなるという特長がある。
【0039】
なお、本発明の上記各実施態様は、特定の構造の保護素子について説明したが、本発明は上記実施態様に示した構造に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲で、各種の変形が可能であることはいうまでもない。
【0040】
例えば、上記各実施態様では絶縁基板1の裏面に形成した抵抗体9を絶縁膜10で被覆保護する場合について説明したが、絶縁基板1の表面側に抵抗体用の電極7,8、抵抗体9および絶縁膜10を形成することもできる。そのような場合、絶縁膜10の上に可溶合金用の電極4,5(34,35)を形成し、この電極4,5(34,35)の上にリード11,12,13(41,42,43)を固着して、このリード11,12(41,42)の上に可溶合金17を橋設することができる。
このように、抵抗体を可溶合金と同一面側に設ける場合は、絶縁基板1(31)の透孔2,3(32,33)は不要である。
【0041】
また、上記実施態様はいずれも、可溶合金17と、通電発熱によりこの可溶合金17を強制的に溶断させる抵抗体9とを具備する抵抗付きヒューズについて説明したが、絶縁基板1(31)の裏面または表面の抵抗体用の電極7,8、抵抗体9および絶縁膜10を省略するとともに、可溶合金17として、所定の周囲温度に応答して溶断する可溶合金を用いた温度ヒューズと称される保護素子に実施してもよい。
この場合、絶縁基板1(31)の透孔2,3(32,33)および抵抗体用の電極8と接続するための電極6も不要である。
【0042】
また、上記実施態様では、可溶合金17の直下に絶縁基板1の表面が露出している場合について説明したが、電極4,5(44,45)間に絶縁基板1(31)よりも溶融した可溶合金17の濡れ性が悪い材質よりなる絶縁層をこれら電極4,5(44,45)と同一厚さに形成してもよい。
そのような場合、可溶合金17の溶融時に、溶融した可溶合金17が前記絶縁層によってはじかれるために、溶断しやすくなるとともに球状化しやすくなり、溶断動作が迅速かつ確実になるという特長がある。
【0043】
【発明の効果】
本発明は以上のように、絶縁基板と、この絶縁基板上に離隔して形成された電極と、これらの電極上に固着されたリードと、これらのリードの上に固着接続された可溶合金と、この可溶合金を覆うフラックスと、フラックスの上を覆う絶縁封止材とを有することを特徴とする保護素子であるから、リードと可溶合金が直接固着接続されることによって、内部抵抗が減少し、内部抵抗に起因する発熱によって可溶合金が誤溶融することがない。また、内部抵抗に起因する電圧降下がないので、電子機器への供給電圧が低下することがない。さらに、電極の抵抗値を無視でき、電極を薄く形成できるので、高価な導電ペーストの使用量が低減でき、原価低減ができるといった各種の優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの縦断面図
【図2】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける平面図
【図3】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける正面図
【図4】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける左側面図
【図5】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける絶縁キャップおよびフラックスを除去した平面図
【図6】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける絶縁基板の平面図
【図7】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける可溶合金用電極形成後の絶縁基板の平面図
【図8】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける抵抗用電極および抵抗体形成後の絶縁基板の下面図
【図9】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける絶縁膜形成後の絶縁基板の下面図
【図10】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおけるリード固着後の絶縁基板の平面図
【図11】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける可溶合金橋設後の絶縁基板の平面図
【図12】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける絶縁キャップの下面斜視図
【図13】 本発明の第1実施態様の保護素子Aにおける等価回路図
【図14】 本発明の第1実施例の保護素子Aを過充電防止回路として用いたリチウム電池の充電回路図
【図15】 本発明の第2実施態様の保護素子Bにおけるリード固着後の絶縁基板の平面図
【図16】 本発明の第2実施態様の保護素子Bにおける正面図
【図17】 本発明の第2実施態様の保護素子Bにおける左側面図
【図18】 本発明の第2実施態様の保護素子Bにおける絶縁キャップの下面斜視図
【図19】 本発明の第3実施態様の保護素子Cにおける一部を断面で示した正面図
【図20】 本発明の第3実施態様の保護素子Cにおける左側面図
【図21】 本発明の第3実施態様の保護素子Cにおける下面図
【図22】 本発明の第3実施態様の保護素子Cにおける絶縁キャップの下面斜視図
【図23】 従来の薄型保護素子Dの縦断面図
【図24】 従来の薄型保護素子Dにおけるフラックス塗布前の状態,すなわち絶縁キャップおよびフラックスを除去して内部構造が見えるようにした状態の平面図
【図25】 従来の他の薄型保護素子Eの縦断面図
【図26】 従来の他の薄型保護素子Eにおけるフラックス塗布前の状態,すなわち絶縁キャップおよびフラックスを除去して内部構造が見えるようにした状態の平面図
【符号の説明】
1、31 絶縁基板
2、3、32、33 透孔
4、5、34、35 可溶合金用の電極
6、36 中継用の電極
7、8 抵抗体用の電極
9 抵抗体
10 絶縁膜
11、12、13、41、42、43 リード
14、15、16 はんだ
17 可溶合金
18 フラックス
19、49,69 絶縁キャップ
19a、49a、69a 天板部
19b、49b、69b 立ち下がり部
19c、49b、69c 突出部
20、50、70 封止樹脂
69d 段部

Claims (2)

  1. 絶縁基板と、絶縁基板の表面の両端部に離隔して形成された電極と、これらの電極上に固着されたリードと、これらのリードの上に橋設された可溶合金と、この可溶合金を覆うフラックスと、前記可溶合金とフラックスを覆う封止樹脂により前記絶縁基板に固着封止された絶縁キャップとを具備し、前記絶縁キャップが天板部と、立ち下がり部と、前記リード間に対応する部分にリード厚さに対応する突出部とを有することを特徴とする保護素子。
  2. 前記絶縁キャップは、その短手方向の内寸法が、前記絶縁基板の短手方向の幅寸法と略同一に形成され、前記立下り部および前記突出部の総寸法が、前記絶縁基板、電極、リード、可溶合金およびフラックスの総高さ寸法と同等以上に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の保護素子。
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