JP4300596B2 - 車載用ナビゲーションシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用ナビゲーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等に搭載させるナビゲーションシステムが各種開発されている。ナビゲーションシステムは、例えば道路地図データが記憶されたCD−ROM等の大容量データ記憶手段と、現在位置の検出手段と、検出した現在位置の近傍の道路地図をデータ記憶手段から読み出したデータに基づいて表示する表示手段とから構成され、目的地までの道案内や現在地等を表示手段に表示させるものである。
【0003】
ユーザはこのようなナビゲーションシステムに対して予め目的地の地名を入力する必要があるが、現在では、目的地の電話番号を入力すればその目的地が自動的に設定されるものが既に開発されている。
【0004】
また、ナビゲーションシステムは自動車の運転を妨げることなく操作できるようにする必要があるため、手操作によって電話番号を入力するだけでなく、発話された電話番号を認識して入力することができるものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発話した電話番号を入力することができるナビゲーションシステムは、一般に、認識可能な数字の桁数の制限がなく、かつ、連続して発話された数字を認識することができる音声認識装置が設けられている。
【0006】
上記音声認識装置は、発話された数字の認識を実行する際、発話区間前後の外来ノイズによって誤認識することがあり、発話した数字の桁数以上の数字を認識することがある。このとき、何らかの手段によって訂正する必要があり、ユーザにとっては、この訂正を行うための操作が非常に煩わしく、自動車の運転を妨げることになりかねない。
【0007】
また、上述のような音声認識装置は、携帯電話を手にすることなく自動車を運転しながらの電話を可能にするためのいわゆるハンズ・フリー・キットにも設けられており、上述したナビゲーションシステムと同様の問題が生じている。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、発話される連続した数字の誤認識を少なくして訂正の操作を省いて操作性を向上させることができる車載用ナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明は、目的地までの道順を示す車載用ナビゲーションシステムにおいて、地図情報、及び当該地図情報上に現在位置と前記目的地とを表示する表示手段と、音声信号を入力するマイクと、前記マイクから入力された音声信号が連続する数字である場合、複数の連続数字の候補を出力する連続数字認識手段と、前記数字の桁数を指定する桁数指定手段と、前記桁数指定手段にて連続数字の桁数の指定の無い場合に、前記連続数字認識手段の候補の中から最も認識結果の正しい可能性のものを選択し、前記桁数指定手段にて連続数字の桁数の指定のある場合に、前記連続数字認識手段から出力された複数の連続数字の候補の中から、前記桁数指定手段で指定された桁数の連続数字であって、かつ、認識確率が高いものを選択する選択手段と、前記連続数字が電話番号である場合、当該電話番号に基づいて前記目的地を設定する制御手段とを備え、前記選択手段は、前記マイクから入力された音声信号に対応する数字列が電話番号を構成する市外局番号である場合には前記桁数指定手段には連続数字の桁数の指定の無いので前記連続数字認識手段の候補の中から最も認識結果の正しい可能性のものを選択するとともに、前記桁数指定手段は、前記市外局番号に続いて入力される連続数字の桁数を予測して設定することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、例えば図1に示す構成のナビゲーションシステム1に適用することができる。
【0011】
ナビゲーションシステム1は、自動車に搭載され、その自動車現在位置を表示して目的地までの道順を示すものである。ナビゲーションシステム1は、運転手等の音声によって所定の操作を行うことができ、その音声を認識する音声認識装置10と、音声の認識結果に基づいて現在地等を表示するナビゲーション装置20により構成される。
【0012】
音声認識装置10は、自動車の運転席に設けられるハンズフリーマイク11と、音声信号をディジタル化するアナログ/ディジタル(A/D)コンバータ12と、音声信号の分析を行う音響分析回路13と、音声信号の内容を認識する音声認識回路14とを備える。
【0013】
ハンズフリーマイク11は、単一指向性を有するものであって、運転手の声を音声信号に変換してA/Dコンバータ12に供給する。また、ハンズフリーマイク11に、スイッチ11aが設けられている。なお、利用者は、数字等の音声を発話する間はスイッチ11aをオンにする必要がある。これにより、スイッチ11aがオンになっている間、音声認識回路14は、ハンズフリーマイク11に発話された連続数字を認識するようになっている。そして、A/Dコンバータ12は、ハンズフリーマイク11からの音声信号をディジタル化して、この音声信号を音響分析回路13に供給する。
【0014】
音響分析回路13は、図2に示すように、周波数分析部31と、アダプテーション部32と、ノイズサブトラクション部33と、特徴抽出部34とを備える。
【0015】
周波数分析部31は、周波数分析方法として一般的なFFTを用いて上記音声信号の周波数分析を行い、音声信号のパワースペクトルを得る。
【0016】
アダプテーション部32は、ハンズフリーマイク11に固有のマイクアダプテーションデータをメモリに格納しており、マイク固有の特性を正規化するためのマイクアダプテーション処理を実行する。なお、アダプテーションデータは、ハンズフリーマイク11の周波数特性が平坦な標準マイクの特性になるように求めたものである。すなわち、マイクアダプテーションデータは、マイクの種類によって異なり、複数のマイクを用いる場合はそれぞれ用意する必要がある。
【0017】
ノイズサブトラクション部33は、音声区間ではない信号区間をノイズ区間としてこのノイズ区間のスペクトルを求めておいて、音声区間でこのノイズスペクトルを引く処理を行う。
【0018】
特徴抽出部34は、周波数分析結果のパワースペクトルをそのまま持っていたのではパラメータの次元が多く、音声認識回路14の計算量が増えるため、適当な次元に圧縮処理を行う。特徴抽出部34は、例えばケプストラムを用い、特に、音声認識では周波数軸に聴覚的な特性の重み付けをしたメルケプストラムを用いて圧縮処理を実行し、コード化されたケプストラム係数とメルケプストラム係数を出力して、音声認識回路14に供給する。
【0019】
音声認識回路14は、上記ケプストラム係数とメルケプストラム係数から、ハンズフリーマイク11に入力された音声をHMM(Hidden Markov Model )法に基づいて認識する。すなわち、音声認識回路14は、メモリ14aに予め記憶されたモデル(HMM)を用いて、ハンズフリーマイク11に入力された音声を認識して、この認識結果をシステムコントローラ28に供給する。
【0020】
上記音声認識回路14は、具体的には図3に示すように、音響分析回路13からのケプストラム係数等に基づいて連続する数字の認識を行う連続数字認識処理回路41と、認識された複数の候補の中から所定のものを選択する認識候補選択回路42と、数字の桁数を指定するための桁数指定回路43とを備える。
【0021】
連続数字認識処理回路41は、例えば図4に示すように、認識結果が最も確からしいものから順番に複数の連続数字の候補を出力する。図4において、候補番号1である連続数字3桁の認識結果が最も正しい可能性が高く、候補番号2,3・・・となるにつれて正しい可能性が低くなる。連続数字認識処理回路41は、このような複数の連続数字の候補を認識候補選択回路42に供給する。
【0022】
認識候補選択回路42は、桁数指定回路43で連続数字の桁数の指定がないときは、連続数字認識処理回路41から供給される複数の連続数字の候補の中から最も認識結果が正しい可能性のもの選択して、この連続数字をナビゲーション装置20に供給する。また、連続数字認識処理回路41は、桁数指定回路43で連続数字の桁数が指定されているときは、複数の連続数字の候補の中から桁数指定回路43で指定された桁数であって最も認識結果が正しい可能性のもの選択して、この連続数字をナビゲーション装置20に供給する。
【0023】
桁数指定回路43は、認識候補選択回路42で選択されて出力された連続数字に基づいて、認識候補選択回路42に次に供給される連続数字の桁数を指定する。
【0024】
具体的に、東京23区の電話番号を認識する場合を例に挙げて説明する。東京23区の電話番号は、市外局番が「03」の2桁であり、その後は4桁+4桁の8桁で構成される。
【0025】
ユーザがハンズフリーマイク11に「03」を発話すると、連続数字認識処理回路41は、供給されるケプストラム係数等に基づいて複数の連続数字の候補を認識候補選択回路42に供給する。このとき、桁数指定回路43は最初は連続数字の桁数を指定していないので、認識候補選択回路42は、複数の連続数字候補の中から最も認識結果が正しい可能性のあるもの例えば「03」を選択して出力する。桁数指定回路43は、認識候補選択回路42が出力した「03」に基づき次に入力される連続数字は4桁であると判断して、連続数字の桁数を4桁に指定する。なお、桁数指定回路43は、最初の入力が例えば「06」だったときは次に3桁の指定を行い、最初の入力が「0492」だったときは次に2桁の指定を行う。すなわち、最初の市外局番に応じて次の桁数を指定するようになっている。
【0026】
つぎに、ユーザがハンズフリーマイク11に「1234」を発話すると、認識候補選択回路42は、同様に複数の連続数字の候補を認識候補選択回路42に供給する。認識候補選択回路42は、複数の連続数字の候補の中から桁数指定回路43で指定された桁数であって最も認識結果が正しい可能性のもの「3456」選択して出力する。ここで、認識候補選択回路42は、ある連続数字がたとえ候補番号1であったとしても、4桁以外の数字は誤ったものとして判断する。例えば上述した図4に示すように、候補番号1の連続数字が「123」であったとしても誤ったものとして判断し、4桁であって最も正しい可能性のある候補番号4の「3456」を選択して出力する。
【0027】
そして、桁数指定回路43は、認識候補選択回路42が出力した「3456」に基づいて次に入力される連続数字も4桁であると判断して、連続数字の桁数を4桁に指定する。同様にして、最後に発話される4桁の連続数字も認識する。
【0028】
以上のように、音声認識回路14は、連続数字の桁数に関する情報を加味して音声認識処理を行うことによって、音声認識結果の選択の条件を付加して音声認識率の向上を図ることができる。すなわち、認識される連続数字とその数字の桁数の両方の条件から最適な連続数字を探し出すことができる。
【0029】
また、上記ナビゲーション装置20は、GPSアンテナ21と、GPS受信回路22と、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )から地図データ等を読み出すCD−ROMドライブ23と、自律センサ24と、音声を出力する応答部25と、地図と共に現在位置等を表示する表示部26と、図示しない携帯電話と接続するための携帯電話接続ユニット27と、全体を制御するシステムコントローラ28とを備える。
【0030】
GPS受信回路22は、GPS用衛星から測定用信号をGPSアンテナ21を介して受信し、この信号を解析して現在位置を検出する。なお、この現在位置を示すデータは、その場所における緯度と経度のデータである。そして、GPS受信回路22は、これらの緯度と経度のデータをシステムコントローラ28に供給する。
【0031】
システムコントローラ28は、GPS受信回路22から上記位置データが供給されると、CD−ROMドライブ23からその位置データの示す位置の近傍の道路地図のデータを読み出すように制御する。システムコントローラ28は、CD−ROMドライブ23から読み出した道路地図のデータに基づいて、表示部26に道路を表示させたり、応答部25に「現在、××です。」等の現在地の音声を出力させる。
【0032】
また、システムコントローラ28は、音声認識回路14の認識結果に基づいて、発話された電話番号による目的地の設定をしたり、さらに、発話された地名の入力や表示部26の表示モードの切換等を行うことができる。例えば、運転手がスイッチ11aをオンにしてハンズフリーマイク11にある地名を発生すると、システムコントローラ28は、ハンズフリーマイク11,音響分析回路13,音声認識回路14等を介してその地名を認識し、その地名のデータをCD−ROMドライブ23から読み出して、表示部26にその地名の位置をマークする。
【0033】
一方、自律センサ24は、自動車の図示しないエンジン制御用コンピュータから供給される車速に対応するパルス信号が供給され、このパルス信号に基づいて当該自動車の正確な走行速度を算出すると共に、その内部の図示しないジャイロセンサの出力によって進行方向を検出する。さらに、速度と進行方向によって決められた位置からの自律航行による現在位置の測定を行う。
【0034】
携帯電話接続ユニット27は、携帯電話とナビゲーションシステム1とを接続するものである。これにより、利用者は、例えばハンズフリーマイク11で話をしながら電話することができる。
【0035】
以上のように、上記ナビゲーションシステム1は、例えば目的地の設定のために発話された電話番号を認識するときは、連続数字の桁数に関する情報を加味して音声認識処理を行うことによって、音声認識結果の選択の条件を付加して音声認識率の向上を図り、誤認識時の訂正のための操作の手間がなくなり、より操作性を向上させることができる。
【0036】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、発話された数字を認識する必要がある種々の装置に適用することができるのは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る車載用ナビゲーションシステムによれば、選択手段は、マイクから入力された音声信号に対応する数字列が電話番号を構成する市外局番号である場合には桁数指定手段には連続数字の桁数の指定の無いので、連続数字認識手段の候補の中から最も認識結果の正しい可能性のものを選択するとともに、前記桁数指定手段は、前記市外局番号に続いて入力される連続数字の桁数を予測して設定するので、複数の連続数字から最適なものを選択することができ、この結果、発話される連続した数字の誤認識を少なくして、訂正の操作を省いて操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したナビゲーションシステムの具体的な構成を示すブロック図である。
【図2】上記ナビゲーションシステムを構成する音声認識装置に備えられた音響分析回路の具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】上記音声認識装置に備えられた音声認識回路の構成を示すブロック図である。
【図4】上記音声認識装置が備える連続数字認識処理回路の処理結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ナビゲーションシステム、41 連続数字認識処理回路、42 認識候補選択回路、43 桁数指定回路
Claims (4)
- 目的地までの道順を示す車載用ナビゲーションシステムにおいて、
地図情報、及び当該地図情報上に現在位置と前記目的地とを表示する表示手段と、
音声信号を入力するマイクと、
前記マイクから入力された音声信号が連続する数字である場合、複数の連続数字の候補を出力する連続数字認識手段と、
前記数字の桁数を指定する桁数指定手段と、
前記桁数指定手段にて連続数字の桁数の指定の無い場合に、前記連続数字認識手段の候補の中から最も認識結果の正しい可能性のものを選択し、前記桁数指定手段にて連続数字の桁数の指定のある場合に、前記連続数字認識手段から出力された複数の連続数字の候補の中から、前記桁数指定手段で指定された桁数の連続数字であって、かつ、認識確率が高いものを選択する選択手段と、
前記連続数字が電話番号である場合、当該電話番号に基づいて前記目的地を設定する制御手段と
を備え、
前記選択手段は、前記マイクから入力された音声信号に対応する数字列が電話番号を構成する市外局番号である場合には前記桁数指定手段には連続数字の桁数の指定の無いので前記連続数字認識手段の候補の中から最も認識結果の正しい可能性のものを選択するとともに、前記桁数指定手段は、前記市外局番号に続いて入力される連続数字の桁数を予測して設定する
ことを特徴とする車載用ナビゲーションシステム。 - 前記桁数指定手段は、前記選択手段で選択された連続数字の桁数に基づいて、前記連続数字認識手段から次に出力される連続数字の桁数を指定する
ことを特徴とする請求項1記載の車載用ナビゲーションシステム。 - 音声信号が入力されることを示すスイッチ手段をさらに有し、
前記マイクは、前記スイッチ手段が押されている間に、音声信号を入力する
ことを特徴とする請求項1記載の車載用ナビゲーションシステム。 - 前記マイクから入力された音声信号が地名情報である場合、前記地図情報上の当該地名情報に対応する位置をマークする
ことを特徴とする請求項1記載の車載用ナビゲーションシステム。
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