JP4300487B2 - エンジンの油供給装置 - Google Patents
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Description
そして、該オイルバスから作動油を汲上げる第2オイルポンプは、弁作動特性変更手段の油圧室に接続されていた。
これにより、第2オイルポンプの容量を他の潤滑部で必要な油量とは無関係に設定して、機関高速回転時のフリクションロスの増大を抑えることができ、しかもオイルバスおよびオイルパンが連通していることによりメンテナンス作業を簡略化することが可能となっていた。
これにより、例えば、機関低回転高負荷時には、前記切替機構によって第2オイルポンプと制御油圧回路とを連通し、第1オイルポンプと制御油圧回路との連通を遮断することができる。このため、カムシャフトとスプロケットとの相対回動位相変換を行う位相変換機構には、潤滑用などには供されない第2オイルポンプから要求量に応じた十分な作動油圧が速やかに供給されるため、前記位相変換機構の作動速度が迅速となっていた。
本発明の第1の特徴構成は、クランクシャフトと同期して駆動され、油を保持するオイル保持部(13)から第1油路(21)を介してオイルを吸入する第1オイルポンプ(11)と、前記第1オイルポンプ(11)と直列になるように接続油路(26)を介して接続され、かつ、前記第1オイルポンプ(11)と独立して駆動する第2オイルポンプ(12)とを備えると共に、前記第1オイルポンプ(11)から第1循環部(41)に油を供給する第1供給油路(23)と、前記第2オイルポンプ(12)から第2循環部(42)に油を供給する第2供給油路(24)とを備えたエンジンの油供給装置において、前記第2オイルポンプ(12)に供給する油を保持し、外部から遮蔽された前記オイル保持部(13)とは独立した第1オイル溜部(15)を備えるとともに、前記オイル保持部(13)又は、前記オイル保持部(13)よりも高い位置に設けた第2オイル溜部(16)から前記第2オイルポンプ(12)へ前記接続油路(26)に連通する第2油路(22)を介して油を供給するように構成し、前記第2油路(22)に、前記第2オイルポンプ(12)への油の流通を制御する第1弁(31)を備え、前記第1オイル溜部(15)に、前記第1循環部(41)或いは前記第2循環部(42)からの油が返送される還流油路(27)を接続してある点にある。
本構成のごとく、前記第2オイルポンプに供給する油を保持する第1オイル溜部を、前記オイル保持部とは独立して備えることで、例えば、エンジンを始動した際に、前記第1オイルポンプには前記オイル保持部から油が吸入され、前記第2オイルポンプには前記第1オイル溜部から、夫々独立に油が吸入される。このように、前記第1オイルポンプの駆動の有無に関わらず、前記第2オイルポンプは油を吸入することができる。
そして、第2油路に第1弁を備えておき、第2油路から第2オイルポンプへの油の流通制御を行うことで、前記第2オイルポンプのみを駆動させる時に第1弁を開操作すると、前記第2オイルポンプは前記第2オイル溜部のみから油を吸入することができる。
さらに、前記循環部から還流される油を前記第2オイル溜部に貯溜するため、エンジン駆動中は常に油が還流され、前記第2オイル溜部には常に油が充填される状態とすることができる。このため、前記第2オイルポンプは、確実に前記第2オイル溜部から油を吸入することができる。
本発明の第2の特徴構成は、クランクシャフトと同期して駆動され、油を保持するオイル保持部(13)から第1油路(21)を介してオイルを吸入する第1オイルポンプ(11)と、前記第1オイルポンプ(11)と直列になるように接続油路(26)を介して接続され、かつ、前記第1オイルポンプ(11)と独立して駆動する第2オイルポンプ(12)とを備えると共に、前記第1オイルポンプ(11)から第1循環部(41)に油を供給する第1供給油路(23)と、前記第2オイルポンプ(12)から第2循環部(42)に油を供給する第2供給油路(24)とを備えたエンジンの油供給装置において、前記第2オイルポンプ(12)に供給する油を保持し、外部から遮蔽された前記オイル保持部(13)とは独立した第1オイル溜部(15)を備えるとともに、前記オイル保持部(13)又は、前記オイル保持部(13)よりも高い位置に設けた第2オイル溜部(16)から前記第2オイルポンプ(12)へ前記接続油路(26)に連通する第2油路(22)を介して油を供給するように構成し、前記第2油路(22)に、前記第2オイルポンプ(12)への油の流通を制御する第1弁(31)を備え、前記第2オイル溜部(16)に、前記第1オイルポンプ(11)が吐出した油を供給する第3供給油路(28)を接続してある点にある。
本構成のごとく、前記第1オイル溜部に、前記第1オイルポンプが吐出した油を供給する第3供給油路を接続してあれば、前記第1オイル溜部に前記第3供給油路を介して油を貯溜することができる。このように前記接続油路に加えて別の第3供給油路を設けることで、より効率的に前記第1オイル溜部に油を貯留できる。
図1に、エンジンXの側面から見た本発明の油供給装置Yの概略図を示す。図5には、油供給装置Yにおいて、油の供給経路を示した制御油圧回路10を模式的に示したものを示す。
制御油圧回路10には、エンジン内の要潤滑部に油を供給するためのオイルポンプ、油が流通する油路及び油の流通を制御する弁等が設けられている。油はオイル保持部13にて保持されている。
第1オイルポンプ11は、オイル保持部13から油を吸入するための第1油路21と接続している。吸入された油は第1オイルポンプ11から吐出し、オイルフィルタ14を通過する。その後、一部の油はメインギャラリ412に流入し、また、一部の油は第1供給油路23を介してシリンダヘッド411等の潤滑系(第1循環部41)に供給される。
第1オイル溜部15の容積は、エンジン始動時等にエンジンの要潤滑部に油を循環させる最低限の量の油を溜めることができる大きさであるのが好ましい。具体的には、5〜20mL程度とすることが可能であるが、これ以外にもエンジンの大きさ等に合わせて種々の容量を適用できる。
本発明においては、図2および図6に示すように、第1オイル溜部15とは別に、第2オイル溜部16を設けることができる。
その場合に、第2オイル溜部16をオイル保持部13よりも高い位置に設けることができる。第2オイル溜部16から第2オイルポンプ12への給油は、例えば、当該第2オイルポンプ16からメインギャラリ412に連接した第2油路22と、さらに、第2オイルポンプ12に続く接続油路26とを介して行う。
しかし、本構成のように、第2油路22を介して、油を第2オイルポンプ12に供給可能に構成しておけば、第2オイルポンプ12が第1オイルポンプ11の側から空気を吸入しようとする際に第1弁31を開き操作することで、油のみを第2オイルポンプ12に供給することができる。
このうち、チェック弁は、バネ構造等の単純な構造を採用した逆流防止可能な弁であり、当該チェック弁を用いた場合には、チェック弁にかかる油圧により弁の開閉が制御され、これにより、第2オイルポンプ12への油の流通を制御することができる。
また、チェック弁は構造が単純な弁であるため、油供給装置の低コスト化を実現することができる。さらに、ECU5との接続等が不要となって制御油圧回路10の構成を簡略化することもできる。
この他、第1弁31としては、他の公知の弁を用いることが可能である。
このような第3油路25を備えることで、第2オイルポンプ12を停止した後も、第2供給油路24を経由して第2オイルポンプ12の下流である第2循環部42に油を供給することができる。本構成であれば、エンジン始動後等において、第2オイルポンプ12のみを停止させることができる。このため、第2オイルポンプ12の動力に使用するエネルギーを節約することができる。よって、エンジンの駆動力を低減することができ、エンジンの運転効率を高めることができる。
図3および図7には、第1の実施形態の改変例を示す。
ここでは、第2オイルポンプ12の専用の第2オイル溜部16を第2オイルポンプ12に対して下方に設けてある。この第2オイル溜部16は、オイル保持部13とは別に構成してある。これにより、第2オイルポンプ12へ確実に油を供給することができる。第2オイル溜部16の油は、接続油路26に連接した第2油路22を介して行う。当該第2油路22には第1弁31を設けてある。
この第1弁31も上記実施形態と同様に、例えば、チェック弁で構成する。エンジン始動時等においては、第1オイルポンプ11から油が供給されるまでの間、第2油路22を介して油が第2オイルポンプ12に供給される。そして、第1オイルポンプ11の圧力が高まると、第2油路22からの供給に代わって、第2オイルポンプ12に油を供給するようになる。このとき、第1弁31は、第1オイルポンプ11からの油が第2オイル溜部16に逆流するのを防止する機能を発揮する。
図4および図8には、第2の実施形態の改変例を示す。
ここでは、第2オイル溜部16を第2オイルポンプ12に対して下方に設けてある。ただし、当該第2オイル溜部16は、オイル保持部13とは別に構成してある。これにより、第2オイルポンプ12へ確実に油を供給することができる。第3の実施形態と同様に、第2オイル溜部16の油は、接続油路26に連接した第2油路22を介して行い、第2油路22には第1弁31を設けてある。
この第1弁31も、上記第3の実施形態と同様に、例えば、チェック弁で構成する。そして、当該第1弁31も、上記と同様の制御機能および逆流防止機能を有する。
図9に示したように、第1オイル溜部15に、第1循環部41或いは第2循環部42からの油が還流される還流油路27を接続した構成とすることが可能である。さらに具体的には、第1循環部41或いは第2循環部42から還流された油を、第3弁33を設けた還流油路27を介して第2オイル溜部16に還流させる。さらに、ここから第1弁31および第2油路22を介して油を第1オイル溜部15に戻すよう構成してある。
このように構成すると、一旦、第1循環部41或いは第2循環部42に供給した油を、還流油路27を介して再び第1オイル溜部15に貯溜することができる。この間、第1オイルポンプ11及び第2オイルポンプ12の吐出圧は十分に確保され、エンジン各部への油の供給状態が滞ることはない。
本実施形態に係る油供給装置においても、図10に示したごとく、第1オイルポンプ11が吐出した油は第1オイル溜部15に供給される。そして、本実施形態の装置では、接続油路26の途中から、第2オイル溜部16に連通する第3供給油路28を設けてある。これにより、第1オイル溜部15に供給する油の一部を、第3供給油路28を介して第2オイル溜部16に貯溜することができる。この結果、第2オイル溜部から第1オイル溜部15に対して油を常に供給可能な状態にできるから、第2オイルポンプ12のみを駆動させる場合であっても、第2オイルポンプ12に対する油の供給量を十分に確保することができる。
図11には、第1オイルポンプ11と第2オイルポンプ12とを接続する接続油路26に、第2オイルポンプ12に第2油路22からの油のみを供給可能に制御する第3弁35を備えた例を示す。
本実施形態では、接続油路26において、第1オイル溜部15の下流位置に第3弁35を備えている。この構成により、エンジン始動時等において第2オイルポンプ12を駆動させた場合、第3弁35を閉じ操作し、第2オイルポンプ12には、第2オイル溜部16および第2油路22からのみ油を吸入させることとする。
これにより、第2循環部42やエンジン等における上記不都合の発生を有効に防止することができる。
第3弁35は、制御弁を適用することができる。
この時、第3弁35の制御弁はECU5と接続しており、第3弁35の開閉をECU5により制御可能に構成してある。
上述の実施例では、第1オイルポンプ11と第2オイルポンプ12とを直列に接続したのに対し、本実施形態では、図12に示すごとく、第1オイルポンプ11と第2オイルポンプ12とを並列に接続し、双方のオイルポンプを独立に駆動できるように構成してある。
第1オイルポンプ11は、オイル保持部13から油を吸入する第1油路21に接続してある。第1オイルポンプ11から吐出した油は、オイルフィルタ14を経た後、一部の油はメインギャラリに流入させ、第1供給油路23を介してシリンダヘッド等の第1循環部41に供給される。
第1オイルポンプ11の下流には、オイルフィルタ14を設けてある。また、接続油路26には、第2循環部42への油の流通を制御する第5弁38を設けてある。
一方、第1オイルポンプ11と並列に設けた第2オイルポンプ12は、第1オイル溜部15から第2油路22を介して油を吸引する。
第2オイルポンプ12から吐出された油は、オイルフィルタ17、第2供給油路24を介して第2循環部42に供給される。第2オイルポンプ12の下流には、第2循環部42への油の流通を制御する第6弁37を設けてある。
通常、エンジンは、エンジンカバー等により覆われており、油供給装置Yもエンジン内に設けてある。このようなエンジンの一部であるカバー部材に、接続油路26及び第1オイル溜部15を一体形成してもよい。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、同様の作用効果を奏するものであれば、各部構成を適宜変更することが可能である。
Claims (2)
- クランクシャフトと同期して駆動され、油を保持するオイル保持部(13)から第1油路(21)を介してオイルを吸入する第1オイルポンプ(11)と、
前記第1オイルポンプ(11)と直列になるように接続油路(26)を介して接続され、かつ、前記第1オイルポンプ(11)と独立して駆動する第2オイルポンプ(12)とを備えると共に、前記第1オイルポンプ(11)から第1循環部(41)に油を供給する第1供給油路(23)と、
前記第2オイルポンプ(12)から第2循環部(42)に油を供給する第2供給油路(24)とを備えたエンジンの油供給装置において、
前記第2オイルポンプ(12)に供給する油を保持し、外部から遮蔽された前記オイル保持部(13)とは独立した第1オイル溜部(15)を備えるとともに、
前記オイル保持部(13)又は、前記オイル保持部(13)よりも高い位置に設けた第2オイル溜部(16)から前記第2オイルポンプ(12)へ前記接続油路(26)に連通する第2油路(22)を介して油を供給するように構成し、前記第2油路(22)に、前記第2オイルポンプ(12)への油の流通を制御する第1弁(31)を備え、
前記第1オイル溜部(15)に、前記第1循環部(41)或いは前記第2循環部(42)からの油が返送される還流油路(27)を接続してあるエンジンの油供給装置。 - クランクシャフトと同期して駆動され、油を保持するオイル保持部(13)から第1油路(21)を介してオイルを吸入する第1オイルポンプ(11)と、
前記第1オイルポンプ(11)と直列になるように接続油路(26)を介して接続され、かつ、前記第1オイルポンプ(11)と独立して駆動する第2オイルポンプ(12)とを備えると共に、前記第1オイルポンプ(11)から第1循環部(41)に油を供給する第1供給油路(23)と、
前記第2オイルポンプ(12)から第2循環部(42)に油を供給する第2供給油路(24)とを備えたエンジンの油供給装置において、
前記第2オイルポンプ(12)に供給する油を保持し、外部から遮蔽された前記オイル保持部(13)とは独立した第1オイル溜部(15)を備えるとともに、
前記オイル保持部(13)又は、前記オイル保持部(13)よりも高い位置に設けた第2オイル溜部(16)から前記第2オイルポンプ(12)へ前記接続油路(26)に連通する第2油路(22)を介して油を供給するように構成し、前記第2油路(22)に、前記第2オイルポンプ(12)への油の流通を制御する第1弁(31)を備え、
前記第2オイル溜部(16)に、前記第1オイルポンプ(11)が吐出した油を供給する第3供給油路(28)を接続してあるエンジンの油供給装置。
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