JP4299332B2 - 酵素免疫検定方法およびこれに用いる展開用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、酵素免疫測定方法およびこれに用いる展開用組成物に関するものである。詳しく述べると本発明は、ペルオキシダーゼ等の過酸化物分解性物質、酸化性物質等を検出するベンジジン系誘導体を発色性試薬として用いた酵素免疫検定方法において、短時間で高感度な検出を可能とする技術に関するものである。
近年、試料中の種々の物質を抗体抗原反応といった免疫学的反応を用いて簡便に検出することができる免疫クロマトグラフ法が、臨床診断を初めとする広い分野において着目されている。
この方法は、例えば次のようにして行われる。
まず、吸水性基材からなる固定相に、試料中の被検物質、例えば、抗原に特異的に反応する第1免疫性物質、例えば、モノクローナル抗体を固定化しておく。この固定部に被検物質を結合させた後、この被検物質に結合可能な標識化された第2免疫性物質、例えば、標識化抗体を展開し、複合体を形成させる。続いて、固定部にて結合した標識化第2免疫性物質を検出することにより、試料中の被検物質を定性的または定量的に測定するものである。
このような免疫クロマトグラフ法を応用して、従来、妊娠検査キットや、B型肝炎診断キット等が従来、各社から開発され市販されているが、これらはいずれも標識として酵素を用いたものではない。
酵素を標識として用いた免疫検定法は、ELISA(Enzyme Linked Immuno Sorbent Assay)に代表されるように、免疫性物質成分に標識された酵素とその発色基質成分との反応によりシグナルを増幅させ高感度な測定を可能としている。
このため、上述したような免疫クロマトグラフ法においても、標識としてペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼ等の酵素を用いた方法の開発が進められている。
例えば、特許文献1および特許文献2には、標識としてアルカリホスファターゼを用い、発色基質、蛍光基質、発光基質等で呈色させる方法が開示されている。また、特許文献3には、標識としてペルオキシダーゼを用い、ベンジジン系誘導体を発色基質として用いる方法が開示されている。
しかしながら、このような酵素基質の展開溶液中での保存安定性には問題があり、長期間にわたる保存によって、分解が起こり、発色感度が低下するということも指摘されている。特に、ベンジジン系誘導体は、低毒性のものもあり、高感度であるという利点があるが、水には僅かしか溶解せず、低温では析出することから、保存安定性に問題があった。
そのため、従来、ベンジジン系誘導体は、従来、メタノール、1−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を含む水溶液に、ベンジジン系発色剤を高濃度溶解させ、使用前に緩衝液等で適当な濃度に希釈して使用されていた。しかしながら、従来の有機溶剤を多く含むベンジジン系指示薬はこの指示薬を調製する前の有機溶剤が高濃度の時は比較的安定であるのに対し、使用濃度に希釈して指示薬とした後は不安定で、発色度が低下する等の問題があり、使用濃度で長期間保存出来ないことから、使用直前に調製することが必要であった。これらのことは、上記したような免疫クロマトグラフ法を利用し、キット化された診断セット等の製品を開発する上で大きな制限となるものであった。
なお、溶液中での不安定さを改善するために、酵素基質をクロマトグラフ片上に乾燥固定することも提案されている。しかしながら、乾燥固定した酵素基質は、クロマトグラフ片の中を展開してくる展開液によって完全に再溶解される必要があるが、溶解が不充分であると酵素反応が充分に起らず、その結果、発色性の低下を招いたり、また、充分に溶解しないと、多孔性基材からなるクロマトグラフ片の目詰まりを起こして展開不良を起こす恐れがある等の問題点が生じるものであった。
特開2000−329767号公報 特開2000−193665号公報 特開2001−13144号公報
従って、本発明は、上記した従来技術における問題点を解決してなる酵素免疫検定方法およびこれに用いる展開用組成物を提供することを課題とする。本発明はまた、発色性試薬としてベンジジン系誘導体を用い、該ベンジジン系誘導体を基質とする酵素によって標識化された第2免疫性物質を用いて被検物質を検出する酵素免疫検定方法において、短時間で高感度な検出を可能とする酵素免疫検定方法およびこれに用いる展開用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、発色性試薬としてベンジジン系誘導体を用い、該ベンジジン系誘導体を基質とする酵素によって標識化された第2免疫性物質を用いて被検物質を検出する酵素免疫検定方法において、驚くべきことに、反応系にカルボキシメチルセルロースを存在させることにより、検出時間を延長することなく、検出感度(発色性)を増幅し得ることを見出し、本発明に到ったものである。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、発色試薬としてベンジジン系誘導体を用い、該ベンジジン系誘導体を基質とする酵素によって標識化された第2免疫性物質を用いて被検物質を検出する酵素免疫検定方法において、移動相中にカルボキシメチルセルロースを含有させたことを特徴とする酵素免疫検定方法である。
本発明はまた、ベンジジン系誘導体が、3,3',5,5'−テトラメチルベンジジンである上記酵素免疫検定方法を示すものである。
本発明はさらに、吸水性基材からなる固定相の下流側に、試料中の被検物質に特異的に反応する第1免疫性物質を固定化し、
前記固定相の上流側において、試料中の被検物質に対し、当該被検物質と結合し得る酵素標識化された第2免疫性物質を接触させて反応系を形成し、
さらに上流側より、ベンジジン系誘導体およびカルボキシメチルセルロースを含有する移動相を流下して前記反応系を下流側へと展開し、
酵素標識化された第2免疫性物質と反応した被検物質を前記固定化第1免疫性物質と結合させ、ベンジジン系誘導体と第2免疫性物質に標識化されている酵素との反応により発色させ、試料中の被検物質を検出する上記酵素免疫検定法を示すものである。
本発明はまた、吸水性基材からなる固定相の下流側に、試料中の被検物質に特異的に反応する第1免疫性物質を固定化し、
前記固定相の上流側において、試料中の被検物質に対し、当該被検物質と競合し得る、酵素標識化された第2免疫性物質を混合して混合系を形成し、
さらに上流側より、ベンジジン系誘導体およびカルボキシメチルセルロースを含有する移動相を流下し、前記混合系を下流側へと展開し、
酵素標識化された第2免疫性物質と被検物質を前記固定化第1免疫性物質と競合的に結合させ、ベンジジン系誘導体と第2免疫性物質に標識化されている酵素との反応により発色させ、その程度もしくは有無により、試料中の被検物質を検出する上記酵素免疫検定法を示すものである。
本発明はまた、ベンジジン系誘導体を基質とする酵素が、ペルオキシダーゼである上記酵素免疫検定法を示すものである。
本発明はさらに、固定相の前記第1免疫性物質が固定化された位置より上流位置に、オキシダーゼを固定化しておき、一方、前記展開液中にこのオキシダーゼの基質物質を添加しておき、展開液が固定化されたオキシダーゼと接触することによって活性酸素を発生させるものである上記酵素免疫検定法を示すものである。
さらに、上記課題を解決する本発明は、発色試薬としてベンジジン系誘導体を用い、該ベンジジン系誘導体を基質とする酵素によって標識化された第2免疫性物質を用いて被検物質を検出する酵素免疫検定方法において用いられる展開液組成物であって、カルボキシメチルセルロースを含有することを特徴とする展開液組成物である。
本発明はまた、ベンジジン系誘導体が、3,3',5,5'−テトラメチルベンジジンである展開液組成物を示すものである。
本発明はさらに、前記カルボキシメチルセルロースは、展開液中に0.003質量%以上の割合で配合されてなるものである上記展開液組成物を示すものである。
本発明はさらに、前記カルボキシメチルセルロースは、平均置換度(グルコース単位当りのカルボキシチル基の数)が、0.6以上のものである上記展開液組成物を示すものである。
本発明によれば、発色性試薬としてベンジジン系誘導体を用いた酵素免疫検定方法において、短時間で高感度な検出を可能となるものであり、各種病因性物質等の検出、診断等において大きく貢献することができる。
以下、本発明を具体的実施の形態に基づき、詳細に説明する。
本発明は、発色試薬としてベンジジン系誘導体を用い、該ベンジジン系誘導体を基質とする酵素によって標識化された第2免疫性物質を用いて被検物質を検出する酵素免疫検定方法において、移動相中にカルボキシメチルセルロースを含有させたことを特徴とする酵素免疫検定方法である。
本発明に係る酵素免疫検定方法の測定原理としては、サンドイッチ法、競合法のいずれの方法を用いることができる。また、さらに、標識化された被検物質(例えば、抗原)を、固定化された免疫性物質(例えば、抗体)と結合させる上で、被検物質を直接結合させるのではなく、被検物質に予め免疫性物質(例えば、一次抗体)を反応させておき、この免疫性物質に特異的に結合する免疫性物質(例えば、二次抗体)を固定化しておき、間接的に被検物質を結合させる二重ないし多重サンドイッチ法、二重ないし多重競合法を用いることも可能である。
本発明に係る酵素免疫検定方法は、例えば、以下のような工程を含むが、これらに何ら限定されるものではない。
まず、本発明に係る酵素免疫検定方法として、サンドイッチ法を応用した一実施形態においては、(a)吸水性基材からなる固定相の下流側に、試料中の被検物質に特異的に反応する第1免疫性物質を固定化し、(b)前記固定相の上流側において、試料中の被検物質に対し、当該被検物質と結合し得る酵素標識化された第2免疫性物質を接触させて反応系を形成し、(c)さらに上流側より、ベンジジン系誘導体およびカルボキシメチルセルロースを含有する移動相を流下して前記反応系を下流側へと展開し、(d)酵素標識化された第2免疫性物質と反応した被検物質を前記固定化第1免疫性物質と結合させ、ベンジジン系誘導体と第2免疫性物質に標識化されている酵素との反応により発色させ、試料中の被検物質を検出する。
また、本発明に係る酵素免疫検定方法として、競合法を応用した一実施形態においては、(a)吸水性基材からなる固定相の下流側に、試料中の被検物質に特異的に反応する第1免疫性物質を固定化し、(b)前記固定相の上流側において、試料中の被検物質に対し、当該被検物質と競合し得る、酵素標識化された第2免疫性物質を混合して混合系を形成し、(c)さらに上流側より、ベンジジン系誘導体およびカルボキシメチルセルロースを含有する移動相を流下し、前記混合系を下流側へと展開し、(d)酵素標識化された第2免疫性物質と被検物質を前記固定化第1免疫性物質と競合的に結合させ、ベンジジン系誘導体と第2免疫性物質に標識化されている酵素との反応により発色させ、その程度もしくは有無により、試料中の被検物質を検出する。
本発明に係る酵素免疫検定方法により検出されうる被検物質としては、上述したようなサンドイッチ法、競合法により検出可能なものであれば特に制限されない。例えば、血栓症を検出する上でのフィブリン分解産物、急性白血病、重症肝疾患などを検出する上でのα2−プラスミンインヒビター・プラスミン複合体(PIC)、ビタミンK欠乏性蛋白−II(PIVKAII)(ビタミンK欠乏を伴う疾患や肝癌のマーカーでもある);大腸菌O−157、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、ヘリコバクター・ピロリ菌、クラミジア・トリコマティス菌等の病原性細菌およびその構成成分;ベロトキシン、ストレプトリシンO等の細菌が産生する毒素;例えば、ヒトトランスフェリン、ヒトアルブミン、ヒト免疫グロブリン、マイクログロブリンおよびC反応性タンパク質等のタンパク質;B型肝炎ウイルスのHBs、HBc、HBe抗原ならびに抗体、C型肝炎ウイルス抗原および抗体、ヒト免疫不全ウイルス抗原および抗体、ロタウイルス抗原および抗体ならびにアデノウイルス抗原および抗体などのウイルス抗原および抗体;および、その他の酵母、かびなどの微生物またはそれらに対する抗体などが例示できる。
前記被検物質と特異的に反応し得る第1免疫性物質とは、検出対象の被検物質と特異的に結合しうるものであり、対象とする被検物質に応じて選択され得るものである。具体例としては、抗体または抗原が挙げられ(ここで、抗原としてはタンパク質、ペプチド、ハプテン等が含まれる)、検出対象の被検物質に応じて、サンドイッチ法などで用いられる公知のものを適宜選択する。例えば被検物質が抗原の場合は、対応する抗体を免疫体として用いることができる。この場合、固定化する第1免疫性物質と後述の酵素標識特異的結合体の構成要素として用いる第2免疫性物質には、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を使用することができ、一方の免疫性物質がモノクローナル抗体である場合には、もう一方の免疫体は当該モノクローナル抗体とは異なる抗原決定基を認識するものが好ましい。また、被検物質が抗体の場合は、対応する抗原を免疫性物質として用いることができる。この場合、第1免疫性物質および第2免疫性物質として、対応する抗原および被検物質である抗体に対する抗抗体(抗免疫グロブリン抗体)をそれぞれ用いてもよい。
本発明において発色試薬として用いられる、ベンジジン系誘導体としては、特に限定されることはないが、例えば、ベンジジン、3,3’,5,5’−テトラ(アルキル)ベンジジン、3,3’,5,5’−テトラ(アルキル)ベンジジンニ塩酸塩、3,3’−ジアミノベンジシン、3,3’−ジアミノベンジシン四塩酸塩等、及びこれらの混合物が挙げられる。なお、上記3,3’,5,5’−テトラ(アルキル)ベンジジンないし3,3’,5,5’−テトラ(アルキル)ベンジジンニ塩酸塩のアルキル置換基としては、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピル、ならびに各種ブチル、ペンチル及びヘキシル等の炭素数1〜6のアルキル基が含まれる。
これらのうち、好ましくは、3,3’,5,5’−テトラアルキルベンジジンで、特に、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンが望ましい。これらベンジジン系誘導体のうち、塩の形のものはそのまま水性媒体中に添加することができ、塩の形でないものは少量の有機溶剤に溶解して水性媒体中に添加することができる。
一方、本発明において標識酵素として用いられる、該ベンジジン系誘導体を基質とする酵素としては、例えば、西洋ワサビ、大豆、モミガラ等より抽出される植物由来、あるいは牛乳、白血球等から抽出された動物由来の、各種ペルオキシダーゼまたはカタラーゼ等が挙げられるが、このうち好ましくはペルオキシダーゼであり、特に、西洋ワサビペルオキシダーゼである。
カルボキシメチルセルロースとしては、カルボキシメチルセルロースまたは、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩等の水溶性カルボキシメチルセルロース塩を使用することができる。カルボキシメチルセルロースとしては、特に限定されるものではないが、平均置換度(グルコース単位当りのカルボキシメチル基の数)が、0.6以上、より好ましくは1.3以上、さらに好ましくは、2.3以上であることが望ましい。特に、平均置換度が2.3以上であると、より効果的な増感効果が期待できる。
また、カルボキシメチルセルロースの分子量(重量平均分子量Mw)としては、特に限定されるわけではないが、例えば、10000〜2000000、より好ましくは、50000〜1000000、さらに好ましくは、90000〜700000程度である。
なお、カルボキシメチルセルロースの平均置換度が比較的低い場合(例えば、0.6〜0.9)であっても、分子量を大きくすれば、有効な増感効果が期待できる。
本発明において、ベンジジン系誘導体およびカルボキシメチルセルロースを含有する移動相である展開溶液中において、前記カルボキシメチルセルロースの含有量としては、例えば、0.003質量%以上、より好ましくは0.010質量%以上である。カルボキシメチルセルロースの含有量が、0.003質量%未満であると、有効な増感効果が期待できない虞れがあるためである。なお、カルボキシメチルセルロースの含有量が、0.010質量%以上となっても、増感効果は、0.010質量%よりさほど向上が期待できず、極端に多くなると、展開液が粘稠なものとなり検出時間の遅延化が生じる虞れがあるために、その上限濃度としては1.000質量%程度、より好ましくは0.100質量%程度である。
なお、上記展開溶液の組成中には、水に加えて、ベンジジン系誘導体を溶解させるための適当な水溶性有機溶媒を含まれる。水溶性有機溶剤としては、ベンジジン系誘導体を溶解可能で、かつ、含有される濃度では酵素反応の阻害および吸水性基材等の腐食を起こさないものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、ジオキサン、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(NMP)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、2−メトキシエタノールまたは2−エトキシエタノール等が挙げられ、酵素活性を阻害し難いという観点からDMSOまたはDMFが好ましい。特に限定されるわけではないが、DMSOを用いる場合、その含有量は0.1〜10質量%程度である。また、DMFを用いる場合、特に限定されるわけではないが、その含有量は0.1〜10質量%が程度である。
また展開溶液中には、ペルオキシダーゼ等の標識酵素の反応を阻害しない適当なpH領域、例えば、pH4〜8、より好ましくはpH5〜7に調整するために、適当な緩衝成分を含有し得る。このような緩衝成分としては、特に限定されないが、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、Tris−HCl緩衝液、Bis−Tris−HCl緩衝液、イミダゾール緩衝液等が挙げられる。緩衝成分の濃度は、適宜設定することができ、特に限定されないが、5mM〜0.2M程度が好ましい。
さらに展開溶液中には、過酸化水素を配合することも可能であるが、過酸化水素は、保存安定性に乏しいため、診断キット等の試験用器具に展開溶液を予め収納するような実施形態においては、あまり適当ではない。この場合には、固定化層の流路途中、好ましくは、被検物質と結合し得る酵素標識化された第2免疫性物質の配置位置より下流側でかつ第1免疫性物質を固定化した位置より上流側の位置に、オキシダーゼ酵素を配置し、展開溶液中の基質物質を含有させ、当該基質物質が展開されてオキシダーゼ酵素と接触し反応することで、反応系に過酸化水素(活性酸素)が提供されるような形態とすることが望ましい。
このような形態において用いられるオキシダーゼ酵素としては、例えば、グルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ等公知の各種のものの中から免疫反応系における反応を阻害しないものを適宜選択して用いることができ、それぞれ対応したグルコース、コレステロール等を基質物質として用いることができる。
さらに展開溶液中には、必要に応じて、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等の界面活性剤、保存安定性を増すためのアミンポリアセテートないしその塩を添加することができる。アミンポリアセテートとしては、例えば、N−(2−ヒドロキシルエチル)エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、シクロヘキシレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、α−エチレンジアミン二酢酸二プロピオン酸、β−エチレンジアミン二酢酸二プロピオン酸、ヒドロキシルエチルアミノ二酢酸及びこれらの混合物等が挙げられる。またこれらの塩としてはナトリウム、カリウム等が挙げられる。
また、固定相を構成する吸水性基材としては、毛管作用を示す多孔質材料や繊維材料であれば特に限定されず、例えばニトロセルロース、セルロース、ガラス繊維等を含むろ紙を用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき、より具体的に説明する。以下の実施例は本発明の理解を容易とする目的のためのみに示されるものであって、何ら本発明を限定するものではない。
実施例1
表1に示す2種の検出用抗体(1 mg/ml)と、それぞれの検出対象物を用い、検出を行った。検定は、それぞれの検出対象物を含む血漿試料20 μlをコンジュゲートパッドに滴下し、直ちに上流側より上記展開液を固定相に流すことにより開始した。得られた結果を表1および図1に示す。
なお、展開液には、1%グルコース、0.01%カルボキシメチルセルロース、1 mM 3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジンを含む100 mM Bis-Tris HCl pH 6.0を用い、コンジュゲート組成には4 μl/ml ペルオキシダーゼ標識検出用抗体を含む50 mM PBS,pH 7.0を用い、コントロール用抗体として1 mg/ml抗マウスIgG抗体を用いた。
実施例2
次に、カルボキシメチルセルロース(CMC)の置換度の違いが検出感度に与える影響ついて検討を行った。
実施例3
次に、CMCの濃度の違いが検出感度に与える影響ついて検討を行った。
CMC置換度は>2.3(分子量は20万)とし、下記の検出条件のもと、CMC濃度を0、0.001、0.003、0.010、0.032および0.100%の6通り作成し、それぞれの違いを観察した。
(A)検出条件
検出用抗体:抗FDP D dimmer モノクローナル抗体
検出時間:5分
検出物:FDP D dimmer、20 μl(500 ng/ml)
なお、その他の検出条件(検出液組成、コンジュゲート組成およびメンブレート上の組成)は、実施例1と同様のものとした。
(B)検出方法
実施例1と同様の方法により行った。
得られた結果を、図3に示す。
図3に示すように、CMCを添加しない場合は検出ラインが見られなかった。また、CMCの濃度は0.003%以上で検出ラインを確認することができるが、0.01%でよりはっきりとしたラインを得ることができるようになる。なお、CMC濃度を上げても実質的に増感効果の向上は見られなかった。
実施例
次に、カルボキシメチルセルロース(CMC)の分子量の違いが検出感度に与える影響ついて検討を行った。
CMC置換度は0.7〜0.9とし、CMC濃度は0.01%とした。
下記の検出条件のもと、CMCの分子量を90,000、250,000および700,000の3通り作成し、それぞれの違いを観察した。
(A)検出条件
検出用抗体:抗FDP D dimmer モノクローナル抗体
検出時間:5分
検出物:FDP D dimmer、20 μl(500 ng/ml)
なお、その他の検出条件(検出液組成、コンジュゲート組成およびメンブレート上の組成)は、実施例1と同様のものとした。
(B)検出方法
実施例1と同様の方法により行った。
得られた結果を、図4に示す。図4に示すように、CMCは置換度が低くても(CMC置換度:0.7〜0.9)、分子量が大きければ検出可能となった。なお、CMCの分子量は大きいほど検出時間を要する傾向にあるが、分子量700,000であっても5分以内で検出することができた(但しCMCの置換度は0.7〜0.9)。
実施例における検出結果を示す図面代用写真である。 別の実施例における検出結果を示す図面代用写真である。 さらに別の実施例における検出結果を示す図面代用写真である。 さらに別の実施例における検出結果を示す図面代用写真である。

Claims (10)

  1. (a)固定相に固定化された、試料中の被検物質と特異的に反応する第1免疫性物質と、(b)発色試薬としてベンジジン系誘導体を用い、該ベンジジン系誘導体を基質とする酵素によって標識化され第2免疫系物質と、を用いて被検物質を検出する酵素免疫検定方法において、前記ベンジジン系誘導体、前記被検物質、および前記酵素によって標識化される第2免疫系物質とを前記固定化第1免疫性物質側へと移動させるために用いられる移動相中にカルボキシメチルセルロースを含有させたことを特徴とする酵素免疫検定方法。
  2. ベンジジン系誘導体が、3,3',5,5'−テトラメチルベンジジンである請求項1に記載の酵素免疫検定方法。
  3. 吸水性基材からなる固定相の下流側に、試料中の被検物質に特異的に反応する第1免疫性物質を固定化し、
    前記固定相の上流側において、試料中の被検物質に対し、当該被検物質と結合し得る酵素標識化された第2免疫性物質を接触させて反応系を形成し、
    さらに上流側より、ベンジジン系誘導体およびカルボキシメチルセルロースを含有する移動相を流下して前記反応系を下流側へと展開し、
    酵素標識化された第2免疫性物質と反応した被検物質を前記固定化第1免疫性物質と結合させ、ベンジジン系誘導体と第2免疫性物質に標識化されている酵素との反応により発色させ、試料中の被検物質を検出する請求項1または2に記載の酵素免疫検定法。
  4. 吸水性基材からなる固定相の下流側に、試料中の被検物質に特異的に反応する第1免疫性物質を固定化し、
    前記固定相の上流側において、試料中の被検物質に対し、当該被検物質と競合し得る、酵素標識化された第2免疫性物質を混合して混合系を形成し、
    さらに上流側より、ベンジジン系誘導体およびカルボキシメチルセルロースを含有する移動相を流下し、前記混合系を下流側へと展開し、
    酵素標識化された第2免疫性物質と被検物質を前記固定化第1免疫性物質と競合的に結合させ、ベンジジン系誘導体と第2免疫性物質に標識化されている酵素との反応により発色させ、その程度もしくは有無により、試料中の被検物質を検出する請求項1または2に記載の酵素免疫検定法。
  5. ベンジジン系誘導体を基質とする標識酵素が、ペルオキシダーゼである請求項1〜4のいずれか1つに記載の酵素免疫検定法。
  6. 固定相の前記第1免疫性物質が固定化された位置より上流位置に、オキシダーゼを固定化しておき、一方、前記移動相中にこのオキシダーゼの基質物質を添加しておき、移動相が固定化されたオキシダーゼと接触することによって活性酸素を発生させるものである請求項3〜5のいずれか1つに記載の酵素免疫検定法。
  7. (a)固定相に固定化された、試料中の被検物質と特異的に反応する第1免疫性物質と、(b)発色試薬としてベンジジン系誘導体を用い、該ベンジジン系誘導体を基質とする酵素によって標識化され第2免疫系物質と、を用いて被検物質を検出する酵素免疫検定方法において、前記ベンジジン系誘導体、前記被検物質および前記した酵素によって標識化される第2免疫系物質とを前記固定化第1免疫性物質側へと移動させるために用いられる展開液組成物であって、カルボキシメチルセルロースを含有することを特徴とする展開液組成物。
  8. ベンジジン系誘導体が、3,3',5,5'−テトラメチルベンジジンである請求項7に記載の展開液組成物。
  9. 前記カルボキシメチルセルロースは、展開液中に0.003質量%以上の割合で配合されてなるものである請求項7または8に記載の展開液組成物。
  10. 前記カルボキシメチルセルロースは、平均置換度(グルコース単位当りのカルボキシチル基の数)が、0.6以上のものである請求項7〜9のいずれか1つに記載の展開液組成物。
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