JP4297308B2 - 湿式摩擦部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は湿式摩擦部材に関する。特に詳しくはコアプレート上に、摩擦材のセグメント即ちセグメント摩擦材を複数枚貼り付けて構成される湿式摩擦部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
湿式摩擦部材は一般に自動車のクラッチディスク等に多く用いられている。この場合、湿式摩擦部材は一般にリング状の形状をしたコアプレートとこのコアプレートの表面にやはりリング状に貼付された摩擦材とから構成され、この摩擦材が貼付された表面が摩擦面になる。
【0003】
このように湿式摩擦部材はクラッチディスク等に多く用いられるので、適切な摩擦係数、少ない引きずりトルクを有していることが必要である。また摩擦によって摩擦面が発熱するので耐熱性、耐熱寿命に優れていることも要請されている。
【0004】
そこで湿式摩擦部材の耐熱性を確保するために、湿式摩擦部材の摩擦面に油溝を設けて、発熱した摩擦面、具体的にはコアプレートに貼付された摩擦材を油溝を通過する油によって冷却することが従来から行われてきた。湿式摩擦部材がクラッチディスクとして用いられた場合、湿式摩擦部材は軸心を中心として回転運動をするので、遠心力が働き、この遠心力によって油が油溝をコアプレートの内周側から外周側へと流れることになる。
【0005】
この油溝を設ける手法としては、コアプレートに複数のセグメント摩擦材を間隔を隔ててリング状に貼付し、この間隔を油溝として利用することが従来から行われてきた。即ち隣り合うセグメント摩擦材の対向端面でコアプレートの内周側と外周側とを結ぶ油溝を区画形成する手法である。このようにして油溝を設けた湿式摩擦材としては、例えば図19に示すように、油溝を区画形成するセグメント摩擦材の対向端面が直線状で、従って設けられた油溝も直線状でかつ油溝の溝幅が概ね一定である湿式摩擦部材が存在していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのような油溝が直線状でかつ油溝が概ね一定である湿式摩擦部材は、油溝が設けられていない湿式摩擦部材と比べれば、冷却性能が向上しているが、まだ冷却性能が十分ではないという問題があった。
【0007】
そこで油溝の形状について様々な改良がされてきた。例えば特開平10−318308号公報及び特開平11−141570号公報には、様々な形状の油溝が開示されている。これらの公報には、コアプレートの内周側と外周側とを結ぶ油溝の様々な形状、更にコアプレートの内周側には開口しているが外周側には開口していない油溝等が開示されている。しかしこれらの形状では冷却性能が必ずしも十分ではなかった。
【0008】
そこで本発明の目的は、冷却性能に優れたセグメント摩擦材の形状を有し、耐熱性に優れた湿式摩擦部材を提供することにある。また本発明の目的は、引きずりトルクを低下させることができるセグメント摩擦材の形状を有する湿式摩擦部材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、鋭意研究の結果、コアプレートとコアプレートに間隔を隔ててリング状に貼付された複数のセグメント摩擦材とを有し、隣り合う2つのセグメント摩擦材の対向端面でコアプレートの内周側と外周側とを結ぶ油溝を区画形成した湿式摩擦部材において、少なくとも一方のセグメント摩擦材の対向端面は内部に切り込まれた切り込み部を対向端面の内周側端部及び/又は中間部に有し、油溝は該切り込み部によって溝幅の広い広幅部を油溝の内周側開口部及び/又は中間部に持ち、前記広幅部を持つ前記油溝と前記広幅部を持たない前記油溝とが交互に組み合わされていることを特徴とする湿式摩擦部材を発明した。
【0010】
油溝を通過する油が冷却効果を有するので、油が通過する油溝の近傍は冷却効果が高いが、油が通過しない油溝と油溝との間は冷却効果が低いことになる。従って直線状でかつ概ね一定の溝幅の油溝では、油が油溝を円滑に流れすぎてしまい、通過する油の冷却効果を十分に利用することができない。
【0011】
そこで本発明の湿式摩擦部材は、油溝を区画形成するセグメント摩擦材の対向端面の内周側端部及び/又は中間部に内部に切り込まれた切り込み部を設けることによって、対向端面を非直線状にしている。そしてこのように切り込み部を設けることによって、本発明の湿式摩擦部材は、油溝の溝幅が一定ではなく、油溝の内周側開口部及び/又は中間部に溝幅の広い広幅部を持つことになる。つまり油溝は溝幅の広い広幅部と広幅部よりも溝幅が狭い非広幅部を持つことになる。
【0012】
このように対向端面が内部に切り込まれた切り込み部を設けて油溝が広幅部と非広幅部とを持つと、内周側から外周側へと油溝を流れる油は、一旦溝幅の変化するポイント即ち広幅部から非広幅部へと変化するポイントで堰き止められて、一部の油がセグメント摩擦材の表面に溢れ出て、セグメント摩擦材の表面を流れることになる。
【0013】
従って本発明の湿式摩擦部材は、セグメント摩擦面の広い面に油が供給されることによって冷却効果を向上することができ、耐熱性を向上することができる。
【0014】
また空転時においても、内周側から遠心力で外周側へと油溝を流れる油が溝幅の変化するポイントで堰き止められ、その一部の油がセグメント摩擦の表面へ流れ出るため、本発明の湿式摩擦部材は、相手プレートとの接触を抑制することができ、引きずりトルクを低下させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の湿式摩擦部材の実施の形態について説明する。本発明の湿式摩擦部材は、コアプレートとコアプレートに間隔を隔ててリング状に貼付された複数のセグメント摩擦材とを有し、隣り合う2つのセグメント摩擦材の対向端面でコアプレートの内周側と外周側とを結ぶ油溝を区画形成した湿式摩擦部材において、少なくとも一方のセグメント摩擦材の対向端面は内部に切り込まれた切り込み部を内周側開口端部及び/又は中間部に有し、油溝は切り込み部によって溝幅の広い広幅部を内周側開口部及び/又は中間部に持つことを特徴とする。
【0016】
本発明の湿式摩擦部材はコアプレートと複数のセグメント摩擦材とを有している。コアプレートの形状は通常は外円周と内円周とにより構成されるリング状の形状とすることができる。セグメント摩擦材は、通常用いられるセグメント摩擦材から適切なものを選択して用いることができる。例えばペーパーフェーシングのほか、レジンモールド、ウーブンモールド、セミメタリック、セラミック等の摩擦材を用いることができる。
【0017】
このセグメント摩擦材はコアプレートに貼付されている。コアプレートの両面にセグメント摩擦材を貼付することができるし、あるいは片面に貼付することができる。貼付は通常行われている方法で行うことができる。
【0018】
セグメント摩擦材は、コアプレートにリング状に間隔を隔てて貼り付けられる。セグメント摩擦材を間隔を隔てて貼付するので、隣り合うセグメント摩擦材の対向端面即ち対向する2つの対向端面によって、油溝が区画形成され、コアプレートの内周側と外周側とを結ぶ油溝を湿式摩擦部材の表面に形成することができる。 この場合等間隔に隔ててセグメント摩擦材が貼付されているのが好ましい。上述したようにこの間隔が油溝として利用されるので、等間隔に貼付すれば油溝も均等に形成することができ、油を湿式摩擦部材の表面を均等に通過させ、冷却効果を湿式摩擦部材全体において均一に発揮させることができる。
【0019】
本発明の湿式摩擦部材においては、油溝を区画形成する2つの対向端面の一方或いは両方にセグメント摩擦材の内部に切り込まれた切り込み部を有している。一般にセグメント摩擦材の対向端面は、切り込み部を設けていなければ基本的には内周側から外周側へ半径方向に延びる直線形状を有することになるが、本発明の湿式摩擦部材は、この対向端面の内周側端部及び/或いは中間部に切り込み部を設けている。つまり本発明の湿式摩擦部材においては、切り込み部を対向端面の内周側端部に設けることができるし、また対向端面の中間部に設けることもできる。また切り込み部を中間部に2以上設けることもできる。更に対向端面の内周側端部と中間部との両方に設けることもできる。切り込み部以外の対向端面即ち非切り込み部は半径方向に伸びる直線状であるので、本発明の湿式摩擦部材においては、対向端面は内部に切り込まれた切り込み部と半径方向に伸びる直線状の非切り込み部とを有することになる。
【0020】
このように対向端面に切り込み部を対向端面の内周側端部及び/又は中間部に設けることによって、溝幅の広い広幅部が油溝の内周側開口部及び/又は中間部に形成することができる。即ち広幅部は油溝の内周側開口部に形成することができる。また油溝の中間部に形成することもできる。また中間部に広幅部を2以上形成することもできる。更に開口部と中間部の両方に広幅部を形成することもできる。
【0021】
この切り込み部の形状は対向端面がセグメント摩擦材の内部に切り込まれているように形成されていれば限定はない。対向端面が内部に切り込まれるように形成されるということは、対向端面がセグメント摩擦材の内部に屈曲したということもできる。即ち切り込み部は対向端面の内部に屈曲した部分である。従って対向端面が内部に屈曲した分だけ油溝の広幅部は非広幅部に対して溝幅が広くなる。
【0022】
例えば切り込み部を対向端面の中間部に設ける場合、対向端面の中間部に概ね半円形を切り取るように切り込みをいれて、対向端面に内側に弧即ち概ねC字を描くように切り込み部を設けることができる。また対向端面に三角形を切り取るように切り込みをいれて、対向端面を概ねく字を描くように切り込み部を設けることもできる。更に対向端面に長方形を切り取るように切り込みをいれて、対向端面を概ね匚字を描くように切り込み部を設けることもできる。
【0023】
また切り込み部を対向端面の内周側端部に設ける場合、対向端面の内周側端部に長方形を切り取るように切り込みをいれて、対向端面を内周側から見て逆L字を描くように切り込み部を設けることができる。
【0024】
いずれにせよ上述したように切り込み部の形状には特に限定はなく、要は対向端面がセグメント摩擦材の内部に屈曲して油溝から油が溢れ出すように構成されていればよい。
【0025】
なお切り込み部は対向する対向端面の両方に有することができるし、対向する対向端面の一方のみに設けることもできる。切り込み部を対向する対向端面の両方に設ける場合には、対向端面が線対称となるように切り込み部を設けることが好ましい。このように対向端面を線対称となるように構成した方が油幅の広幅部と非広幅部との溝幅の差が大きくなって、油溝を通過する油が溢れ出やすくなる。
【0026】
対向端面の一方のみに切り込み部を有する場合には、湿式摩擦部材の回転方向にとって後ろ側になる対向端面に切り込み部を設けることが好ましい。回転方向にとって後ろ側になる対向端面の側の方でより多くの油が油溝から溢れ出るからである。
【0027】
また広幅部を有する油溝と広幅部を有しない油溝を交互に組み合わせる。このように組み合わせることで広幅部を有する油溝は交互に存在しているので、均等にセグメント摩擦材の表面に油が流れるようにすることができる。
【0028】
尚これらのセグメント摩擦材は予め上述の形状に成形して、コアプレートの貼付することができる。
【0029】
このように構成された湿式摩擦部材をクラッチディスク等として用いて、軸心を中心にして回転させた場合、油は遠心力によって油溝を内周側から外周側へ移動して流れるが、油溝には広幅部が設けられているので、広幅部から非広幅部に溝幅が変化する箇所では、油はセグメント摩擦材の対向端面を超えてセグメント摩擦材の上にまで流れ出すことができる。
【0030】
このように端に油溝を遠心力によって油が流れるだけではなく、セグメント摩擦材の上にまで油が流れるとそれだけ油による冷却効果が向上し、湿式摩擦部材の耐熱性を向上させることができる。更に油がセグメント摩擦材の上を流れるので、それだけ相手方のプレートとの接触を抑制することになり、引きずりトルクを低下させることが可能となる。
【0031】
【実施例】
以下図面を参照しつつ、本発明の湿式摩擦部材の実施例及び参考技術例を説明する。なお以下の実施例1及び参考技術例1から参考技術例7までの説明において、図面に用いる符号については、同種のものには同一の符号を用いた。なお以下に述べる実施例1及び参考技術例1から参考技術例7までの湿式摩擦部材50は、いずれもコアプレート40とコアプレート40に間隔を隔ててリング状に貼付された複数のセグメント摩擦材20とを有し、隣り合う2つのセグメント摩擦材20の対向端面30でコアプレート40の内周側と外周側とを結ぶ油溝10を区画形成した湿式摩擦部材50である点で共通する。従ってこのような湿式摩擦部材50であることを前提として説明する。
【0032】
(参考技術例1)図1は参考技術例1の湿式摩擦部材50の一部形状を示す。湿式摩擦部材50の回転方向をAに示す。参考技術例1の湿式摩擦部材50においては、対向する対向端面30のうち回転方向Aの後ろ側の対向端面30は内部に切り込まれた切り込み部31を内周側端部に有している。この切り込み部31の形状は概ね4角形を対向端面30から切り取った形状をしている。この切り込み部31を有する対向端面30は、この切り込み部31の外周側に半径方向に伸びる直線状の非切り込み部32を有している。また対向する対向端面30の他方は、切り込み部31を有していない。従って他方の側の対向端面30は半径方向に伸びる直線状の端面のみからなる。
【0033】
油溝10はこの切り込み部31によって溝幅の広い広幅部11を油溝10の内周側開口部に持っている。この広幅部11の外周側に広幅部11よりも溝幅が狭い非広幅部12が位置している。また参考技術例1では全ての油溝10が広幅部11を有し、同一の形状を有するように構成されている。
【0034】
図2に参考技術例1の湿式摩擦部材50の一部形状を更に拡大した図を示す。湿式摩擦部材50を回転させると油は遠心力によってBに示すように内周側から外周側に流れるが、油溝10の広幅部11から非広幅部12に変化する箇所で、油が対向端面30の切り込み部31に堰き止められ、油溝10から溢れてセグメント摩擦材20の上に流れ出すことになる。
【0035】
このようにして本参考技術例の湿式摩擦部材50は、油が油溝10を通過するだけではなく、セグメント摩擦材20の表面を流れるので、セグメント摩擦材20を冷却することができ、湿式摩擦部材50の耐熱性を向上させることができる。また油がセグメント摩擦材20の表面に供給されるので、引きずりトルクを低下することができる。
【0036】
(参考技術例2)図3は参考技術例2の湿式摩擦部材50の一部形状を示す。参考技術例2の湿式摩擦部材50においては、対向する2つの対向端面30は共に内部に切り込まれた切り込み部31を対向端面30の内周側端部に有している。この切り込み部31の形状は概ね4角形を対向端面30から切り取った形状をしている。この切り込み部31を有する対向端面30は、この切り込み部31の外周側に半径方向に伸びる直線状の非切り込み部32を有している。対向する2つの対向端面30の両方とも切り込み部31を有しており、対向する2つの対向端面30は線対称であるように構成されている。
【0037】
油溝10は切り込み部31によって溝幅の広い広幅部11を油溝10の内周側開口部に持っている。この広幅部11の外周側に広幅部11よりも溝幅が狭い非広幅部12が位置している。更に本参考技術例においては、全ての油溝10が広幅部11を有し、同一の形状を有するように構成されている。
【0038】
本参考技術例では切り込み部31は対向する2つの対向端面30の両方に設けられており、油溝10を通過する油は切り込み部31で堰き止められて、油溝を対向端面で区画形成する隣り合う双方のセグメント摩擦材20の表面に溢れ出て流れることになる。線対称で切り込み部31が設けられているので、溝幅の変化は急激であり、それだけ油は油溝10から溢れやすくなっている。
【0039】
本参考技術例においても、油は油溝10を通過するだけではなく、セグメント摩擦材20の表面を流れるため、セグメント摩擦材20を冷却することができ、湿式摩擦部材50の耐熱性を向上させることができる。また油がセグメント摩擦材20の表面に供給されるので、引きずりトルクを低下させることができる。
【0040】
(参考技術例3)図4は参考技術例3の湿式摩擦部材50の一部形状を示す。参考技術例3の湿式摩擦部材50においては、対向する2つの対向端面30は共に内部に切り込まれた切り込み部31を対向端面30の内周側端部に有している。この切り込み部31の形状は概ね4角形を対向端面30から切り取った形状をしている。この切り込み部31を有する対向端面30は、この切り込み部31の外周側に半径方向に伸びる直線状の非切り込み部32を有している。対向する2つの対向端面30の両方とも切り込み部31を有しており、対向する2つの対向端面30は線対称であるように構成されている。
【0041】
油溝10は切り込み部31によって溝幅の広い広幅部11を油溝10の内周側開口部に持っている。この広幅部11の外周側に広幅部11よりも溝幅が狭い非広幅部12が位置している。また対向する2つの対向端面30は線対称であるように構成されている。更に全ての油溝10が上述の広幅部11を有するように構成されているが、広幅部11の半径方向の長さが油溝10毎に異なっている。
【0042】
本参考技術例では切り込み部31は対向する2つの対向端面30の両方に設けられており、油溝10を通過する油は切り込み部31で堰き止められて、油溝を対向端面で区画形成する隣り合う双方のセグメント摩擦材20の表面に溢れ出て流れることになる。線対称で切り込み部が設けられているので、溝幅の変化は急激であり、それだけ油は油溝10から溢れやすくなっている。
【0043】
本参考技術例においても、油は油溝10を通過するだけではなく、セグメント摩擦材20の表面を流れるため、セグメント摩擦材20を冷却することができ、湿式摩擦部材50の耐熱性を向上させることができる。また油がセグメント摩擦材20の表面に供給されるので、引きずりトルクを低下させることができる。
【0044】
(実施例1)図5は実施例1の湿式摩擦部材50の一部形状を示す。実施例1の湿式摩擦部材50は、広幅部11を有する油溝10と広幅部11を有しない油溝10を交互に組み合わされた湿式摩擦部材50である。広幅部11を有する油溝10は、参考技術例2で説明した油溝10と同一である。従って広幅部11を有する油溝10の説明は参考技術例2における油溝10の説明と基本的の同一のであるので、それに代える。
【0045】
広幅部11を有しない油溝10は、切り込み部31を有しない半径方向に伸びる直線状の対向する2つの対向端面30によって区画形成されている。広幅部11を有しない油溝10は、溝幅が一定であり、直線状である。
【0046】
実施例1においては、広幅部11を有しない油溝に比べて広幅部11を有する油溝10から多く油が溢れ出て油溝10を区画形成するセグメント摩擦材の双方に流れることになる。従って油は油溝10を通過するだけではなく、セグメント摩擦材20の表面を流れるため、セグメント摩擦材20を冷却することができ、湿式摩擦部材50の耐熱性を向上させることができる。また油がセグメント摩擦材20の表面に供給されるので、引きずりトルクを低下させることができる。
【0047】
(参考技術例4)図6は参考技術例4の湿式摩擦部材50の一部形状を示す。参考技術例4の湿式摩擦部材50においては、対向する2つの対向端面30は共に内部に切り込まれた切り込み部31を対向端面30の中間部に有する。この切り込み部31はセグメント摩擦材20の対向端面30の中間部から概ね三角形を切り取った形状をしている。即ち対向端面30は切り込み部31においてく字状に内部に屈曲している。この切り込み部31を有する対向端面30は、この切り込み部31の内周側と外周側とに半径方向に伸びる直線状の非切り込み部32a、32bを有している。対向する2つの対向端面30の両方とも切り込み部31を有しており、対向する2つの対向端面30は線対称であるように構成されている。
【0048】
油溝10は切り込み部31によって溝幅の広い広幅部11を油溝10の中間部に持っている。この広幅部11の内周側と外周側に広幅部11よりも溝幅が狭い非広幅部12a、12bが位置している。更に本参考技術例では全ての油溝10が広幅部11を有するように構成されている。
【0049】
本参考技術例では切り込み部31は対向する2つの対向端面30の両方に設けられており、油溝10を通過する油は切り込み部31で堰き止められて、油溝を対向端面で区画形成する隣り合う双方のセグメント摩擦材20の表面に溢れ出て流れることになる。線対称で切り込み部31が設けられているので、溝幅の変化は急激であり、それだけ油は油溝10から溢れやすくなっている。
【0050】
本参考技術例においても、油は油溝10を通過するだけではなく、セグメント摩擦材20の表面を流れるため、セグメント摩擦材20を冷却することができ、湿式摩擦部材50の耐熱性を向上させることができる。また油がセグメント摩擦材20の表面に供給されるので、引きずりトルクを低下させることができる。
【0051】
(参考技術例5)図7は参考技術例5の湿式摩擦部材50の一部形状を示す。参考技術例5の湿式摩擦部材50においては、対向する2つの対向端面30は共に内部に切り込まれた切り込み部31を対向端面30の中間部に有する。この切り込み部31はセグメント摩擦材20の対向端面30の中間部から概ね三角形を切り取った形状をしている。即ち対向端面30は切り込み部31においてく字状に内部に屈曲している。この切り込み部31を有する対向端面30は、この切り込み部31の内周側と外周側とに半径方向に伸びる直線状の非切り込み部32a、32bを有している。対向する2つの対向端面30の両方とも切り込み部31を有しているが、切り込み部31を有する位置が対向する2つの対向端面30では異なっている。従って本参考技術例では対向する2つの対向端面30は線対称ではない。
【0052】
油溝10は対向する2つの対向端面の両方に設けられた2つの切り込み部31によって溝幅の広い広幅部11を油溝10の中間部に持っている。この広幅部11の内周側と外周側に広幅部11よりも溝幅が狭い非広幅部12a、12bが位置している。2つの切り込み部31が設けられる位置によっては、広幅部11が2つに分離して形成される場合もあるが、本参考技術例では広幅部11は分離しないでひとかたまりになっている。更に本参考技術例では全ての油溝10が広幅部11を有するように構成されている。
【0053】
なお本参考技術例では、切り込み部31は2つの対向端面30に設けられており、油溝10を通過する油は切り込み部31で堰き止められて、油溝を対向端面で区画形成する隣り合う両方のセグメント摩擦材20の表面に溢れ出て流れることになる。線対称で切り込み部31が設けられているので、溝幅の変化は急激であり、それだけ油は油溝10から溢れやすくなっている。
【0054】
本参考技術例においても、油は油溝10を通過するだけではなく、セグメント摩擦材20の表面を流れるため、セグメント摩擦材20を冷却することができ、湿式摩擦部材50の耐熱性を向上させることができる。また油がセグメント摩擦材20の表面に供給されるので、引きずりトルクを低下させることができる。
【0055】
(参考技術例6)図8は参考技術例6の湿式摩擦部材50の一部形状を示す。参考技術例6は、参考技術例2の変形例である。参考技術例6の湿式摩擦部材においては、対向する2つの対向端面30は共に内部に切り込まれた切り込み部31を2つ対向端面に有している。この切り込み部31の形状は、概ね4角形を対向端面の内周側端面から切り取り、更にこの切り込まれた部分の内周側端部から再度概ね4角形を切り取った形状をしている。つまり切り込みが対向端面の内周側端部において2度行われたということが可能である。従って本参考技術例では切り込み部31はいわば2段階構成である。また対向する2つの対向端面30に設けられ、線対称であるように構成されている。従って1つの対向端面30に切り込み部31が1つ設けられた湿式摩擦部材50である参考技術例2に対して、本参考技術例の湿式摩擦部材50は、1つの対向端面30に切り込み部31が2つ設けられた湿式摩擦部材50である。
【0056】
油溝10は、切り込み部31によって溝幅の広い広幅部11を油溝10の内周側開口部に持っている。この広幅部11の外周側に広幅部11よりも溝幅が狭い非広幅部12が位置している。また切り込み部31が2段構成となっているので、幅広部11をそれに対応していわば2段構成となっている。従って油溝10の溝幅が変化する箇所が2箇所となっている。本参考技術例では、全ての油溝10が広幅部11を有し、同一の形状を有するように構成されている。
【0057】
本参考技術例では、切り込み部31は対向する2つの対向端面30の両方にいわば2段構成で設けられており、油溝10を通過する油はこの2段構成の切り込み部31で堰き止められて、油溝を対向端面で区画形成する隣り合う2つのセグメント摩擦材20の表面に溢れ出て流れることになる。2段構成で切り込み部31が形成されているので、それだけセグメント摩擦材の表面に溢れ出やすくなっている。
【0058】
本参考技術例においても、油は油溝10を通過するだけではなく、セグメント摩擦材20の表面を流れるため、セグメント摩擦材20を冷却することができ、湿式摩擦部材50の耐熱性を向上させることができる。また油がセグメント摩擦材20の表面に供給されるので、引きずりトルクを低下させることができる。
【0059】
(参考技術例7)図9は参考技術例7の湿式摩擦部材50の一部形状を示す。参考技術例7は、参考技術例4の変形例である。参考技術例7の湿式摩擦部材50においては、対向する2つの対向端面30の両方とも内部に切り込まれた切り込み部31を2つ有している。この切り込み部31は2つとも対向端面30の中間部から概ね三角形を切り取った形状をしている。即ち対向端面30はく字状に内部に屈曲している。また対向する2つの対向端面30は線対称であるように構成されている。従って1つの対向端面30に切り込み部31が1つ設けられた湿式摩擦部材50である参考技術例4に対して、参考技術例7は1つの対向端面30に切り込み部31を2つ有する湿式摩擦部材50である。
【0060】
油溝10は切り込み部31により溝幅の広い広幅部11を油溝10の中間部に2つ持っている。これら2つの広幅部11に挟まれた部分、外周側開口部、内周側開口部に広幅部11よりも溝幅が狭い非広幅部12が位置している。
【0061】
本参考技術例では切り込み部31は対向する2つの対向端面30の両方共に2つずつ設けられており、油溝10を通過する油は油溝10を区画形成する隣り合うセグメント摩擦材20の双方の表面に溢れ出て流れることになる。線対称に切り込み部31が設けられているので、それだけ油溝10の溝幅は急激に変化することになり、油が油溝10から溢れやすくなっている。また2つの対向端面30に切り込み部をそれぞれ2つずつ有しているので、それだけ油が油溝10から溢れやすくなっている。
【0062】
本参考技術例においても、油は油溝10を通過するだけではなく、セグメント摩擦材20の表面を流れるため、湿式摩擦部材50の耐熱性を向上させることができる。また油が、セグメント摩擦材20の表面に供給されるので、引きずりトルクを低下させることができる。
【0063】
なお参考技術例7は参考技術例4の変形例であるが、参考技術例5においても切り込み部が一つ設けられている対向端面に代えて切り込み部が2つ設けられている対向端面とした湿式摩擦部材と変形することも可能である。更に変形例として、切り込み部を一の対向端面に2つではなく、3つ以上とすることも可能である。
(セグメント摩擦材の形状)
本発明の湿式摩擦部材に用いられるセグメント摩擦材の対向端面の形状について更に詳細に説明する。以下に述べるその1及びその2において、切り込み部が対向端面の内周側端部に設けられた場合を説明する。更にその3において、切り込み部が対向端面の中間部に設けられた場合を説明する。なお図面に用いる符号については同種の要素については、実施例及び参考技術例において用いた符号を用いる。
(1) その1
図10は、対向端面30の内周側端部に切り込み部31を有するセグメント摩擦材20を示す。この切り込み部31はセグメント摩擦材20から長方形を切り取ったような形状をしている。このセグメント摩擦材20の対向端面30はこのように切り取られた切り込み部31と半径方向に伸びる非切り込み部32とで構成されている。切り込み部31は内周側端から外周側へ半径方向に延びる端面31aと他方の対向端面方向に延びる端面31bとで構成され、半径方向に延びる端面31aと他方の対向端面30方向に延びる端面31bの間の角度は概ね直角である。
【0064】
ここでセグメント摩擦材20の半径方向の長さ即ち内周側から外周側までの長さをLとする。また切り込み部31の半径方向に伸びる端面31aの長さをL1とする。また非切り込み部32の長さをL2とする。更に油溝10の中心線から切り込み部31の半径方向に伸びる端面31aまでの長さをW1とする。油溝10の中心線から非切り込み部32即ち切り込み部31以外の対向端面30までの長さをWとする。
【0065】
この場合L1がLの10〜90%であることが好ましい。L1が10%未満であるとセグメント摩擦材の表面に供給される油が不足することになる。またL2がLの10〜90%であることが好ましい。L2が10%未満であるとセグメント摩擦材の外周側の強度が不足することになる。
【0066】
またW1はWの1.3〜5.0倍、好ましくは1.5〜3.0倍にすることができる。W1がWの1.3倍未満であるとセグメント摩擦材20の表面への油の供給が不足する。W1がWの5.0倍を超えるとセグメント摩擦材20の表面の油膜が過大となり、湿式摩擦部材の係合時の摩擦力が低下しすぎることになる。
(2) その2
図11は、その1に示したセグメント摩擦材20と同様に、対向端面30の内周側端部に切り込み部31を有するセグメント摩擦材20を示す。この切り込み部31はセグメント摩擦材20から1つの辺が傾斜している台形を切り取ったような形状をしている。このセグメント摩擦材20の対向端面30はこのように切り取られた切り込み部31と半径方向に伸びる非切り込み部32とで構成されている。即ち図11のセグメント摩擦材20においても、切り込み部31は半径方向に延びる端面31aと他方の対向端面30方向に延びる端面31bとによって構成されている。但し半径方向に延びる端面31aと他方の対向端面30方向に延びる端面31bとの間の角度は直角ではなく、鈍角となっている。この場合直角になるとその1で示したセグメント摩擦材20となる。
【0067】
ここでセグメント摩擦材20の幅即ち内周側から外周側までの長さをLとする。また切り込み部31の半径方向の長さをL1とする。また非切り込み部32の長さをL2とする。更に切り込み部31の他方の対向端面30方向に伸びる端面31bの半径方向の長さをL3とする。
【0068】
また油溝10の中心線から切り込み部31の半径方向へ延びる端面31aまでの長さをW1とする。油溝10の中心線から非切り込み部32即ち切り込み部31以外の対向端面30までの距離をWとする。
【0069】
この場合L1がLの10〜90%であることが好ましい。L1が10%未満であるとセグメント摩擦材20の表面に供給される油が不足することになる。またL2がLの10〜90%であることが好ましい。L2が10%未満であるとセグメント摩擦材20の外周側の強度が不足することになる。即ちその1及びその2においても共に切り込み部の半径方向の長さ即ちL1は、セグメント摩擦材の半径方向の長さ即ちLの10〜90%であることが好ましい。更にL3はLの30%未満であることが好ましい。L3が30%以上となると内周側から外周側へ流れる油を堰き止める効果が低下し、それだけセグメント摩擦材20の表面に溢れ出す油の量も低下する。
【0070】
なおその1で示したセグメント摩擦材20はここで説明したセグメント摩擦材20の特殊な形態ということが可能である。この場合他方の対向端面30方向に伸びる端面31bと半径方向に伸びる端面21aとの間の角度は90〜150度であることが好ましい。この程度の角度を有していれば、油を効果的に堰き止めることができる。
【0071】
同様に、W1はWの1.3〜5.0倍、好ましくは1.5〜3.0倍にすることができる。W1がWの1.3倍未満であるとセグメント摩擦材20の表面への油の供給が不足する。W1がWの5.0倍を超えるとセグメント摩擦材20の表面に供給される油が過剰となり、セグメント摩擦材20の表面の油膜が過大となる。その結果湿式摩擦部材の係合時の摩擦力が低下する。
【0072】
なおここで半径方向に伸びる端面31aと他方の端面方向に伸びる端面31bは、図10及び図11で示した切り込み部31のように角部を形成していなくてもよい。即ち図12(A)及び(B)に示されるように、切り込み部31は半径方向に延びる端面31aと他方の対向端面方向に延びる端面31bとがR形状を形成していてもよい。なお図12(B)の切り込み部31は、図12(A)の切り込み部31よりも大きいR形状を形成している。
【0073】
このように半径方向に伸びる端面31aと他方の対向端面方向に伸びる端面31bが、角部を形成する代わりにR形状を形成していても上述の説明は妥当する。
(3) その3
図13は、対向端面30の中間部に切り込み部31を有するセグメント摩擦材20を示す。この切り込み部31はセグメント摩擦材20から三角形を切り取ったような形状をしている。切り込み部31の形状は概ねく字形状をしている。このセグメント摩擦材20の対向端面30は内部に屈曲した切り込み部31と半径方向に伸びる非切り込み部32とで構成されている。従ってこのセグメント摩擦材の対向端面30は概ねく字形状に内部に屈曲した切り込み部31とこの切り込み部31の内周側及び外周側に位置する半径方向に延びる非切り込み部32a、32bとで構成される。
【0074】
ここでセグメント摩擦材20の幅即ち内周側から外周側までの長さをLとする。また半径方向に延びる2つの非切り込み部32a、32bの長さをそれぞれL4、L5とする。また切り込み部31の半径方向の長さをL6とする。更に切り込み部31がセグメント摩擦材の内部に切り込んだ深さをDとする。更に油溝10の中心線から非切り込み部32a、32b即ち切り込み部31以外の対向端面30までの距離をWとする。
【0075】
この場合L4はLの10〜80%で、L5はLの10〜80%で、L6はLの5〜30%であることがそれぞれ好ましい。L4がLの10%未満であるとセグメント摩擦材20の内周側の強度が不足することになる。またL5が10%未満であるとセグメント摩擦材20の外周側の強度が不足することになる。L6が30%を超えると油のたまりが多くなってセグメント摩擦材20の表面に供給される油が過剰となり、セグメント摩擦材20の表面の油膜が過大となる。その結果湿式摩擦部材の係合時の摩擦力が低下する。逆に5%未満であるとセグメント摩擦材20の表面に供給される油が不足することになる。
【0076】
またDはWの0.3〜5.0倍、好ましくは0.5〜2.0倍にすることができる。DがWの0.3倍未満であるとセグメント摩擦材20の表面への油の供給が不足する。DがWの5.0倍を超えるとセグメント摩擦材20の表面に供給される油が過剰となってセグメント摩擦材の表面の油膜が過大となる。その結果湿式摩擦部材の係合時の摩擦力が低下しすぎることになる。
(4)その4
図14及び図15にその3に示した切り込み部31を変形したセグメント摩擦材20を示す。図14及び図15は、いずれも図13で示したセグメント摩擦材と同様に、対向端面30の中間部に切り込み部31を有するセグメント摩擦材20を示す。
【0077】
図14においては、切り込み部31はセグメント摩擦材20から半円形を切り取ったような形状をしている。このように三角形の形状の代わりに半円形の形状を切り取ることも可能である。この場合においても、その3で記載したセグメント摩擦材20と同様に、これらセグメント摩擦材20の対向端面30は切り込み部31と非切り込み部32とで構成されている。切り込み部31は概ねC字形状をしている。
【0078】
図15においては、切り込み部はセグメント摩擦材20から長方形を切り取ったような形状をしている。四角形の形状を切り取ることも可能である。この場合においても、その3で記載したセグメント摩擦材20と同様に、これらセグメント摩擦材20の対向端面30は切り込み部31と非切り込み部32とで構成されている。切り込み部31概ね匚字をしている。
【0079】
図14及び図15のこれらセグメント摩擦材20の対向端面30はいずれもそれぞれ概ねC字形状及び概ね匚字形状に屈曲した切り込み部31とこの切り込み部31の内周側及び外周側に位置する半径方向に延びる端面32a、32bとで構成される。
【0080】
この場合もその3と同様なことを述べることが可能である。即ちセグメント摩擦材20の幅即ち内周側から外周側までの長さをLとする。また非切り込み部32a、32bの長さをそれぞれL4、L5とする。また切り込み部31の半径方向の距離をL6とする。更に切り込み部31がセグメント摩擦材の内部に切り込んだ深さをDとする。更に油溝10の中心線から非切り込み部32a、32b即ち切り込み部31以外の対向端面30までの距離をWとする。
【0081】
この場合L4はLの10〜80%で、L5はLの10〜80%で、L6はLの5〜30%であることがそれぞれ好ましい。L4がLの10%未満であるとセグメント摩擦材20の内周側の強度が不足することになる。またL5が10%未満であるとセグメント摩擦材20の外周側の強度が不足することになる。L6が30%を超えると油のたまりが多くなってセグメント摩擦材20の表面に供給される油が過剰となり、セグメント摩擦材20の表面の油膜が過大となる。その結果湿式摩擦部材の係合時の摩擦力が低下する。逆に5%未満であるとセグメント摩擦材の表面に供給される油が不足することになる。
【0082】
またDはWの0.3〜5.0倍、好ましくは0.5〜2.0倍にすることができる。DがWの0.3倍未満であるとセグメント摩擦材20の表面への油の供給が不足する。DがWの5.0倍を超えるとセグメント摩擦材20の表面に供給される油が過剰となってセグメント摩擦材20の表面の油膜が過大となる。その結果湿式摩擦部材の係合時の摩擦力が低下しすぎることになる。
(試験)
本発明の湿式摩擦部材の参考技術例について耐熱試験及び引きずりトルクを行った。試験に用いた湿式摩擦部材は、図3で図示した参考技術例2の湿式摩擦部材、図6で図示した参考技術例4の湿式摩擦部材であった。また比較のために比較例1として図19で図示した油溝が一定である湿式摩擦部材と、更に比較例2として油溝がない湿式摩擦部材を用いた。
【0083】
参考技術例2、参考技術例4、比較例1の湿式摩擦部材は、いずれも20個のセグメント摩擦材がリング状に貼付され、油溝が形成されていた。これらの湿式摩擦部材は、いずれもセグメント摩擦材によって形成されるリングの内径がφ110mmで、リングの外径がφ130mmであった。比較例2の湿式摩擦部材は、コアプレートとコアプレートにリング状に貼付された1個の摩擦材とを有する湿式摩擦部材であった。これもまたリングの内径がφ110mmで、リングの外径がφ130mmであった。
【0084】
参考技術例2のセグメント摩擦材20は、図17に示すように、切り込み部31の長さが5mmで、非切り込み部32の長さが5mmであった。また切り込み部31における油溝の中心から切り込み部31までの距離が1.0mmで、非切り込み部32における油溝の中心から非切り込み部までの距離が0.5mmであった。
【0085】
参考技術例4のセグメント摩擦材20は、図18に示すように、内周側及び外周側の非切り込み部32a、32bの長さはいずれも4mmで、切り込み部31の半径方向の長さは2mmであった。また非切り込み部32a、32bにおける油溝の中心から非切り込み部32a、32bまでの距離は1.0mmで、油溝の中心から切り込み部31の内部に切り込んだ深さは2.0mmであった。つまり切り込み部31自体の切り込みの深さは1mmである。
【0086】
比較例1のセグメント摩擦材70は、図20に示すように対向端面80の半径方向の長さが10mmで、油溝の中心から対向端面までの距離が1.0mmであった。
【0087】
耐熱試験においては、参考技術例2、比較例1及び比較例2の湿式摩擦部材を試験した。引きずりトルク試験では参考技術例2、参考技術例4、比較例1及び比較例2の湿式摩擦部材を試験した。
(1)耐熱試験
耐熱試験の概要を図16に示す。4個のクラッチプレート120とカラー110がそれぞれに設けられたスプラインで噛み合わされ、3個の湿式摩擦部材140とハブ130とがやはりそれぞれに設けられたスプラインで噛み合わされている。そして4個のクラッチプレート120と3個の湿式摩擦部材140が交互に並べられている。なお湿式摩擦部材140とハブ130とはスプラインで噛み合わされているので、水平方向に移動可能である。またクラッチプレート120とカラー110も同様に水平方向に移動可能である。但しカバー160によってクラッチプレート120の図16における右方向への移動が制限されている。この状態でハブ130を回転させて、湿式摩擦部材140を回転させた。一定の回転数(係合回転数)にまで達した段階で、ピストン150でクラッチプレート120を押圧し、クラッチプレート120によって湿式摩擦部材140を両側から狭圧して、湿式摩擦部材140が停止するまでの時間(停止時間)を計測した。そしてこの湿式摩擦部材140の停止時間が最初に計測した停止時間と比較して10%伸びるまでの回数を測定した。
【0088】
停止時間が10%伸びるまでの回数が長くなれば、摩擦による発熱に対する耐熱性が向上し、湿式摩擦部材140の耐久性即ち寿命が延びたと言える。
【0089】
湿式摩擦部材140の係合回転数は4500rpmで、湿式摩擦部材140の慣性モーメントは0.25kg・m2であった。即ち係合回転数4500rpmで湿式摩擦部材140をクラッチプレート120によって狭圧する時点では、湿式摩擦部材140を慣性によって回転させた。潤滑油の油量(軸心潤滑)は200cc/分であった。また油温は100℃であった。クラッチプレート120の面圧は1.0MPaであった。なおこの試験に用いた湿式摩擦部材140は、上述したように参考技術例2、比較例1及び比較例2の湿式摩擦部材140である。試験の結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
ここから参考技術例2の湿式摩擦部材は、湿式摩擦部材が停止するまでの時間が10%伸びるまで5000回上記試験を繰り返す必要があることが分かった。これは比較例1、比較例2の3500回、2000回と比較すると、摩擦材の寿命が大幅に延びていることを示すものである。
(2) 引きずりトルク試験
引きずりトルク試験の概要を図21に示す。5個のクラッチプレート120とカラー110がそれぞれに設けられたスプラインで噛み合わされ、4個の湿式摩擦部材140とハブ130とがやはりそれぞれに設けられたスプラインで噛み合わされている。そして5個のクラッチプレート120と4個の湿式摩擦部材140が交互に並べられている。なお湿式摩擦部材140とハブ130とはスプラインで噛み合わされているので、水平方向に移動可能である。またクラッチプレート120とカラー110も同様に水平方向に移動可能である。但しカバー160によってクラッチプレート120の図21における右方向への移動が制限されている。
【0092】
この状態でハブ130を回転させて、湿式摩擦部材140を回転させて、引きずりトルクを計測した。
【0093】
湿式摩擦部材140の回転数は1000rpmに設定した。また隣り合うクラッチプレート120の間隔から湿式摩擦部材140の厚さを引いた差即ちパッククリアランスが1つの湿式摩擦部材140当たりで平均0.1mmとなるような位置、言い換えれば隣り合うクラッチプレート120の間隔の4つの合計から4つの湿式摩擦部材140の厚さの合計を引いた差が0.4mmとなるような位置にピストン150をおいて、1つの湿式摩擦部材140のパッククリアランスが平均0.1mmとなるようにした。潤滑油の油量(軸心潤滑)は500cc/分で、油温は80℃であった。
【0094】
なおこの試験に用いた湿式摩擦部材140は、上述したように参考技術例2、参考技術例4、比較例1及び比較例2の湿式摩擦部材140であった。試験の結果を表2に示す。
【0095】
【表2】
【0096】
参考技術例2及び参考技術例4の湿式摩擦部材は、比較例1及び比較例2の湿式摩擦部材と比較すると引きずりトルクが低下している。セグメント摩擦材の表面に油が供給され、油が流れる遠心力によって、クラッチプレート120と湿式摩擦部材140とを押し離す力が働いていると考えられる。
【0097】
【発明の効果】
本発明の湿式摩擦部材は、冷却効果を向上することができ、耐熱性を向上することができる。本発明の湿式摩擦部材は、相手プレートとの接触を抑制することができ、引きずりトルクを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考技術例1の湿式摩擦部材の一部形状を示す図である。
【図2】参考技術例1の湿式摩擦部材の一部形状を拡大した図である。
【図3】参考技術例2の湿式摩擦部材の一部形状を示す図である。
【図4】参考技術例3の湿式摩擦部材の一部形状を示す図である。
【図5】実施例1の湿式摩擦部材の一部形状を示す図である。
【図6】参考技術例4の湿式摩擦部材の一部形状を示す図である。
【図7】参考技術例5の湿式摩擦部材の一部形状を示す図である。
【図8】参考技術例6の湿式摩擦部材の一部形状を示す図である。
【図9】参考技術例7の湿式摩擦部材の一部形状を示す図である。
【図10】対向端面の内周側端部に切り込み部を有するセグメント摩擦材の形状を示す図である。
【図11】対向端面の内周側端部に切り込み部を有するセグメント摩擦材の形状を示す図である。
【図12】対向端面の内周側端部に切り込み部を有するセグメント摩擦材の形状を示す図である。
【図13】対向端面の中間部に切り込み部を有するセグメント摩擦材の形状を示す図である。
【図14】対向端面の中間部に切り込み部を有するセグメント摩擦材の形状を示す図である。
【図15】対向端面の中間部に切り込み部を有するセグメント摩擦材の形状を示す図である。
【図16】耐熱試験の概要を示す図である。
【図17】参考技術例2で用いたセグメント摩擦材を示す図である。
【図18】参考技術例4で用いたセグメント摩擦材を示す図である。
【図19】従来の湿式摩擦材の一部形状を示す図である。
【図20】比較例1で用いたセグメント摩擦材を示す図である。
【図21】引きずりトルク試験の概要を示す図である。
【符号の説明】
10:油溝 11:広幅部 12:非広幅部
20:セグメント摩擦材 30:対向端面
31:切り込み部 32:非切り込み部
40:コアプレート 50:湿式摩擦部材
60:油溝 70:セグメント摩擦材
80:対向端面
Claims (9)
- コアプレートと該コアプレートに間隔を隔ててリング状に貼付された複数のセグメント摩擦材とを有し、隣り合う2つの該セグメント摩擦材の対向端面で該コアプレートの内周側と外周側とを結ぶ油溝を区画形成した湿式摩擦部材において、少なくとも一方の前記セグメント摩擦材の前記対向端面は内部に切り込まれた切り込み部を前記対向端面の内周側端部及び/又は中間部に有し、前記油溝は該切り込み部によって溝幅の広い広幅部を前記油溝の内周側開口部及び/又は中間部に持ち、前記広幅部を持つ前記油溝と前記広幅部を持たない前記油溝とが交互に組み合わされていることを特徴とする湿式摩擦部材。
- 前記切り込み部を対向する2つの前記対向端面のうちの回転方向に対して後側の前記対向端面に有する請求項1に記載の湿式摩擦部材。
- 前記切り込み部を対向する2つの前記対向端面の両方に有し、対向する2つの前記対向端面は線対称である請求項1に記載の湿式摩擦部材。
- 前記対向端面は前記切り込み部を前記対向端面の内周側端部に有し、前記切り込み部は半径方向に伸びる端面と他方の対向端面方向に伸びる端面とからなる請求項1、2又は3に記載の湿式摩擦部材。
- 前記半径方向に伸びる端面と前記他方の対向端面方向に伸びる端面との間の角度は、90〜150度である請求項4に記載の湿式摩擦部材。
- 前記切り込み部の半径方向の長さは、前記セグメント摩擦材の半径方向の長さを100%とした場合に、10〜90%である請求項4又は5に記載の湿式摩擦部材。
- 前記油溝の中心線から前記切り込み部の前記半径方向に伸びる端面までの長さは、前記油溝の中心線から前記切り込み部以外の前記対向端面までの長さの1.3〜5.0倍である請求項4、5又は6に記載の湿式摩擦部材。
- 前記対向端面は前記切り込み部を前記対向端面の中間部に有し、前記切り込み部の半径方向の長さは、前記セグメント摩擦材の半径方向の長さを100%とした場合に、5〜30%である請求項1、2又は3に記載の湿式摩擦部材。
- 前記切り込み部の前記セグメント摩擦材の内部に切り込んだ深さは、前記油溝の中心線から前記切り込み部以外の前記対向端面までの長さの0.3〜5.0倍である請求項8に記載の湿式摩擦部材。
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