JP4296954B2 - 液体吐出装置の循環用ポンプ - Google Patents

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本発明は、液体吐出ノズルから所定の液体を対象物に吐出してドット又はドット列を形成する液体吐出装置の液体吐出ヘッドと液体タンクとの間で液体を循環させるための循環用ポンプに関し、詳しくは、上記液体吐出ノズル内に形成される液体表面のメニスカスを維持可能な低い圧力で液体を吸入する状態にて排出側からの液体の漏れを防止する液体吐出装置の循環用ポンプに係るものである。
従来の液体吐出装置、例えばインクジェット方式のインクジェットプリンタは、プリントヘッド内の液室に設置された発熱素子や圧電素子などの吐出駆動手段にエネルギーを付与して、上記液室内のインク(所定の液体)をインク吐出ノズルからインク滴として吐出し、記録紙に付着させて印画を行うもので、装置単価が安いと共に、ランニングコストが低く、高画質且つ小型であることから、一般に広く普及している。
そして、上記インクジェットプリンタは、ノズル面に形成された複数のインク吐出ノズルからインクを吐出するプリントヘッドと、このプリントヘッド内の液室に供給するインクを蓄えたインクタンクとを備えたヘッドカートリッジを、装置本体部に着脱可能な状態に保持し、該ヘッドカートリッジの各インク吐出ノズルからインクを吐出して印画を行っている。
このようなインクジェットプリンタにおいては、インク吐出ノズルから例えばピコリットルオーダーのインク滴を安定して吐出させる必要があるが、上記インク吐出ノズルが微細な孔径に形成されているので、様々な要因によりインクの吐出不良が生じて印画品質が低下することがあった。このような要因の一つとして、プリントヘッド内及びその近傍に混入する気泡がある。そして、プリントヘッドへのインク供給管路内や液室内に気泡が混入すると、インク吐出ノズルから安定したインクの吐出ができないばかりか、インク不吐出を起こして印画不能に陥る場合がある。
上記プリントヘッド内及びその近傍への気泡の混入原因としては、該プリントヘッドに対して着脱可能とされたインクタンクを交換する際にその着脱口に入る空気の巻き込み、温度や圧力の変化によるインク中の溶存空気の析出、印画中又は印画停止中の振動や衝撃によるインク吐出ノズルからの気泡の混入、インクタンクとプリントヘッドとの間のインク流路を構成する管路部材からの空気の浸透などがある。
このようにして混入した気泡を除去するために、従来は、プリントヘッド内部のインクをインクタンクに戻すインク循環流路を備え、ポンプによりインクタンクからインクを圧送して気泡を含んだインクごとインク吐出ノズルから吐出して廃棄すると共に、圧送しながらインクを上記インク循環流路を通じて循環させ、上記プリントヘッド内部及びインク流路内の気泡を排出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、第2の従来例としては、プリントヘッドのインク流路から分岐した気泡排出管を設けると共に、この気泡排出管の延長上に吸引手段としての吸引ポンプを設け、この吸引ポンプを駆動することによりプリントヘッド内からインクと共に気泡も排出するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−129501号公報 特開2002−337352号公報
しかし、上記第1の従来例においては、プリントヘッドの全インク吐出ノズルからインクを吐出廃棄するので、記録紙(例えばA4判)の一辺の幅にわたってノズル部材が長尺に形成されたフルラインタイプのプリントヘッドに適用した場合は、ノズル数が多数であることからインク吐出ノズルより廃棄されるインク量が多くなって、インクが無駄に消費されて不経済である。また、この従来例では、インク循環時に圧送されてくるインクがインク吐出ノズルから廃棄されるのを防ぐためにゴムパッドをプリントヘッドのノズル面に圧接しなければならず、フルラインタイプのプリントヘッドに対して、広大なゴムパッドを圧接するには大掛かりな装置を必要とする上に、その圧接力が大きいことからプリントヘッドのノズル面や機構部を損傷させる虞がある。
また、第2の従来例においては、上記第1の従来例におけるインクの大量廃棄による不経済や、広大なゴムパッドを圧接する大掛かりな装置の問題は解消されるが、インク吐出ノズル内に形成されるインク表面のメニスカスを維持可能な低いレベルの負圧を設定した吸引ポンプによってインクを吸引しなければならない。しかし、そのような弱い吸引力の吸引ポンプは、構造上吸入弁及び排出弁を開く開弁圧が低く設定されているため、上記排出弁のシール性が弱い状態となっており、そのポンプの運転を停止した途端にポンプ室内のインクが排出弁から漏れ始めることがあった。これに対処するため、排出側の流路に電磁弁などの流路開閉手段を設置してポンプ動作時以外はその流路を遮断する必要があった。しかし、そのような流路開閉手段を設置するのは、部品代や工数、インクジェットプリンタへの技術的な配置スペース等を考慮すると、量産には適応しないものであった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、簡単な構造を有するものであって、液体吐出ノズル内に形成される液体表面のメニスカスを維持可能な低い圧力で液体を吸入する状態にて排出側からの液体の漏れを防止する液体吐出装置の循環用ポンプを提供することを目的とする。
本発明による液体吐出装置の循環用ポンプは、ノズル面に形成された複数の液体吐出ノズルから所定の液体を吐出する液体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッドに供給する液体を蓄えた液体タンクとの間で液体を循環させるように構成された液体吐出装置の上記液体吐出ヘッドと液体タンクとの間で液体を循環させるための循環用ポンプであって、ポンプケース内に形成されたポンプ室の一側部に設けられた液体の吸入口及び排出口と、上記ポンプ室の他側部に配置された伸縮変形可能な膜部材と、上記ポンプ室内に設けられ上記膜部材を外側に押して該ポンプ室へ液体を吸入させる復帰手段と、上記ポンプ室外に設けられ上記膜部材を内側に押して該ポンプ室から液体を排出させる作動部と、上記ポンプ室の吸入口に連通して設けられ外部から該ポンプ室内へ液体を吸入可能とする吸入弁と、上記ポンプ室の排出口に連通して設けられ該ポンプ室内から外部へ液体を排出可能とする排出弁と、上記作動部に押圧力を付与する駆動部とを備え、上記排出弁を開く開弁圧の絶対値を、上記吸入弁を開く開弁圧の絶対値よりも大きくしたものである。
このような構成により、ポンプケース内に形成されたポンプ室の一側部に液体の吸入口及び排出口を有し、上記ポンプ室の他側部には伸縮変形可能な膜部材を有し、上記ポンプ室の吸入口に連通して設けられた吸入弁で外部から該ポンプ室内へ液体を吸入可能とし、上記ポンプ室の排出口に連通して設けられた排出弁で該ポンプ室内から外部へ液体を排出可能とし、上記ポンプ室内に設けられた復帰手段で上記膜部材を外側に押して該ポンプ室へ液体を吸入させ、上記ポンプ室外に設けられた駆動部により押圧力が付与される作動部で上記膜部材を内側に押して該ポンプ室から液体を排出させるように動作する。このとき、上記排出弁を開く開弁圧の絶対値が上記吸入弁を開く開弁圧の絶対値よりも大きくされている。
請求項1に係る発明によれば、ポンプ室の排出口に連通して設けられた排出弁を開く開弁圧の絶対値が上記ポンプ室の吸入口に連通して設けられた吸入弁を開く開弁圧の絶対値よりも大きくされている状態で、上記吸入弁で外部からポンプ室内へ液体を吸入可能とし、上記排出弁でポンプ室内から外部へ液体を排出可能とすることができる。これにより、上記吸入弁を開く開弁圧の絶対値よりもその開弁圧が大きくされた排出弁により上記ポンプ室の排出口を塞いでシールし、液体吐出ノズル内に形成される液体表面のメニスカスを維持可能な低い圧力で液体を吸入する状態にて排出側からの液体の漏れを防止することができる。したがって、簡単な構造の循環用ポンプにて、液体吐出ヘッドと液体タンクとの間で液体を循環させて、液体に含まれる気泡を除去することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、上記吸入弁及び排出弁を開く開弁圧は、それぞれの弁体を閉側に付勢する弁付勢部材の付勢力で設定することにより、上記弁付勢部材の付勢力を適宜調整するだけで上記吸入弁及び排出弁の開弁圧を簡易に設定することができる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、上記吸入弁及び排出弁を開く開弁圧は、それぞれの弁体を弾性部材で構成し、その弁体に設けられるスリットの寸法、弁体の厚みや材質を変えて設定することにより、上記弾性部材から成る弁体のスリットの寸法、弁体の厚みや材質を適宜変えるだけで上記吸入弁及び排出弁の開弁圧を簡易に設定することができる。
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、上記吸入弁を開く開弁圧は、上記液体吐出ノズル内に形成される液体表面のメニスカスを維持可能な圧力にて液体を吸入可能に設定されていることにより、各液体吐出ノズルのメニスカスを破壊せずにノズルからの液体の無駄な吐出を防止できる。
また、請求項5に係る発明によれば、上記吸入弁は、上記液体吐出ノズル内に形成される液体表面のメニスカスを維持困難な圧力になった際に液体の吸入量を制限する吸入圧規制構造を備えたことにより、上記吸入弁を開く開弁圧が液体表面のメニスカスを維持困難な圧力になった場合でも、その吸入弁の吸入圧規制構造により液体の吸入量を制限して各液体吐出ノズルのメニスカスを破壊しないようにできる。
さらに、請求項6に係る発明によれば、上記駆動部は、上記作動部の端面を押圧する移動部材が最大押圧量の直後に引っ込んだ際に、上記作動部の動きをフリーとする期間を与えるように構成された直線往復運動機構であることにより、上記作動部への荷重状態を直線往復運動機構の仕様や配置、電気的制御等により簡単に設定して、循環用ポンプを作動させることができる。
さらにまた、請求項7に係る発明によれば、上記駆動部は、上記作動部の端面を押圧するカム面が最大押圧部とその直後とで段差が形成されており、上記最大押圧部で押圧した直後に上記作動部の動きをフリーとする期間を与えるように構成されたカム機構であることにより、そのカム面の形状を検討することで上記作動部への荷重状態を簡単に設定できると共に、視覚的にも作動部に対する荷重タイミング等を簡易に確認して、循環用ポンプを作動させることができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による液体吐出装置の循環用ポンプの実施形態を示す断面図であり、液体吐出装置の一例としてのインクジェットプリンタに適用された状態を示す断面図である。まず、本発明の循環用ポンプが適用されるインクジェットプリンタについて、図2を参照して説明する。図2は、上記インクジェットプリンタを示す側面断面図である。このインクジェットプリンタ1は、吐出対象物である記録紙の所定位置にインク滴を吐出して画像を形成するものであり、プリンタ本体部2と、ヘッドカートリッジ3と、記録紙トレイ4とを備えている。
上記プリンタ本体部2は、装置本体部として記録紙に対して適正に印画を行わせるための記録紙搬送機構部や電気回路部を内部に納めたものであり、上面には後述のヘッドカートリッジ3を収納する収納部5が開口されている。そして、上記プリンタ本体部2の前面下部には、記録紙トレイ4が着脱可能状態に挿入されている。この記録紙トレイ4は、記録紙を重ねて収納するものであり、その上面部には上記プリンタ本体部2から排紙される記録紙の排紙受け部4aが設けられている。
上記プリンタ本体部2の収納部5には、ヘッドカートリッジ3が矢印Zのように収納されて、着脱可能な状態に保持される。このヘッドカートリッジ3は、インクジェットプリンタ1において吐出対象物である記録紙にインク滴を吐出する装置部となるもので、インク(所定の液体)を収容するインクタンク(液体タンク)6を備えている。このインクタンク6は、カラー印画に対応して例えばイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの4個のタンクを備えており、それぞれ着脱可能とされている。そして、図1に示すように、上記インクタンク6と、プリントヘッド7と、インク供給管路8と、インク還流管路9と、循環用ポンプ10と、バルブ装置11とを備えて成る。
上記プリントヘッド7は、記録紙にインクを吐出する液体吐出ヘッドとなるもので、内部に吐出すべきインク12を収容する共通液室13が構成されており、ノズル面を構成する薄板状のノズル部材14には、多数のインク吐出ノズル(液体吐出ノズル)15が列状に形成されている。ここでは、一例として記録紙(例えばA4判)の一辺の幅にわたってノズル部材14が長尺に形成されたフルラインタイプのプリントヘッド7を示しており、その上面の略中央部にインク供給口16を備え、両端部にインク排出口17a,17bを備えている。
上記プリントヘッド7の上方には、インクタンク6が配置されている。このインクタンク6は、上記プリントヘッド7内の共通液室13に供給するインク12を蓄える液体タンクとなるもので、所定の容積の箱状に形成されており、天板に大気連通孔18が穿設され、底板にはインク流出口19が形成されると共に、インク還流口20が形成されている。そして、これらのインク流出口19及びインク還流口20を、後述のインク供給管路8又はインク還流管路9との接続口として、上記インクタンク6がプリントヘッド7に対して着脱可能とされている。
上記インクタンク6のインク流出口19とプリントヘッド7のインク供給口16との間には、インク供給管路8が接続されている。このインク供給管路8は、上記インクタンク6からプリントヘッド7へインク12を供給する液体供給管路となるもので、例えば柔軟性を有する樹脂チューブから成る。
また、上記プリントヘッド7の両端部のインク排出口17a,17bとインクタンク6のインク還流口20との間には、インク還流管路9が接続されている。このインク還流管路9は、上記プリントヘッド7からインクタンク6にインク12を戻す液体還流管路となるもので、例えば柔軟性を有する樹脂チューブから成り、一方のインク排出口17aに接続された第1の還流管路9aと、他方のインク排出口17bに接続された第2の還流管路9bとを途中で管継手等により接続して1本にまとめられている。
さらに、上記インク還流管路9の途中には、循環用ポンプ10が設けられている。この循環用ポンプ10は、上記プリントヘッド7とインクタンク6との間でインク12を循環させるため吸入、排出の圧力発生部となるもので、例えばダイヤフラムポンプから成る。そして、上記インクタンク6とインク供給管路8とプリントヘッド7とインク還流管路9と循環用ポンプ10とで、図1において矢印で示す方向にインク12が循環するインク循環系を構成している。
この場合、図1の実施形態では、インクタンク6内のインク12の液面とプリントヘッド7のノズル部材14との高さの差Hにより、ノズル部材14のインク吐出ノズル15にはインクタンク6からの水頭圧が常にかかる。したがって、この水頭圧の作用により、プリントヘッド7の共通液室13内に収容されたインク12が自然に流れ出ることとなる。そこで、このインク12の流出に対処するため、上記インク供給管路8の途中にバルブ装置11が設けられている。このバルブ装置11は、通常状態では閉じており、プリントヘッド7内の負圧発生により内部の開閉弁21が開いてインクタンク6からプリントヘッド7へインク12を供給可能とするものである。そして、このバルブ装置11によって、プリントヘッド7のインク吐出ノズル15からインク12を吐出する度に、インクの供給動作が繰り返される。
このように構成されたヘッドカートリッジ3を、図2においてプリンタ本体部2の収納部5に矢印Zのように収納して、図3に示すように、プリンタ本体部2に対してヘッドカートリッジ3を組み合わせることにより、プリンタ本体部2の駆動部32の押圧力がヘッドカートリッジ3の循環用ポンプ10の作動部28に伝達可能となる。この場合、上記駆動部32のプランジャー35と循環用ポンプ10の作動部28とは、構造的には分離されていて、プリンタ本体部2の収納部5にヘッドカートリッジ3を矢印Zのように収納して両者が当接することにより、初めて上記循環用ポンプ10が動作可能となる。
このような構造にすることで、ヘッドカートリッジ3における循環用ポンプ10のインク供給系と、循環用ポンプ10の電気駆動系とを分離して設計することができると共に、インクジェットプリンタ1の保守、整備時に、インク供給管路8やインク還流管路9の接続及び引き回しや、電気配線の引き回し等に煩わされずにヘッドカートリッジ3を着脱することができる。また、循環用ポンプ10のインク供給系と電気駆動系とを分離して設計できることから、ヘッドカートリッジ3を小型化することができる。
なお、図3において、プリンタ本体部2の前面下部に挿入された記録紙トレイ4の挿入方向先端部の上部には、ローラから成る給紙手段50が設けられており、記録紙トレイ4に収納された記録紙51が随時供給できるようになっている。また、記録紙51の供給方向には、対向する二つのローラから成る分離手段52が設けられており、重ねて収納された記録紙51を1枚ずつ分離して給紙できるようになっている。さらに、この分離手段52により分離された記録紙51の搬送方向の前方でプリンタ本体部2の上方部位には、記録紙51の搬送方向を反転する反転ローラ53が設けられている。
そして、この反転ローラ53で反転された記録紙51の搬送方向の前方には、ベルト搬送手段54及びプラテン板55が設けられている。このベルト搬送手段54は、前記プリントヘッド7(図2参照)に対する記録紙51の供給側から排出側へ記録紙51を搬送するもので、所定の経路上に搬送ベルトが配置されている。また、プラテン板55は、上記プリントヘッド7のノズル面14に対向するように配置され記録紙51を支持してプリントヘッド7との位置関係を規定するもので、上記ベルト搬送手段54を支持する架台を利用して取り付けられ、該ベルト搬送手段54と共にプリントヘッド7に対して下降、又は上昇可能とされている。なお、上記プラテン板55は、プリントヘッド7のインク吐出ノズル15から吐出されるインクを受けるインクリザーバとしても機能するもので、記録紙51の紙幅(A4判)と同等又はそれより大きい長手方向の幅を有し、周囲に立上り片を有する細長い箱状に形成されている。
次に、本発明による循環用ポンプ10の具体的な構造について、図1を参照して説明する。この循環用ポンプ10は、図1に示すように、ポンプケース40内に形成されたポンプ室22の一側部に設けられた液体の吸入口41及び排出口42と、上記ポンプ室22の他側部に配置された伸縮変形可能な膜部材27と、上記ポンプ室22内に設けられ上記膜部材27を外側に押して該ポンプ室22へインク12を吸入させる復帰バネ29と、上記ポンプ室22外に設けられ上記膜部材27を内側に押して該ポンプ室22からインク12を排出させる作動部28と、上記ポンプ室22の吸入口41に連通して設けられ外部から該ポンプ室22内へインク12を吸入可能とする吸入弁23と、上記ポンプ室22の排出口42に連通して設けられ該ポンプ室22内から外部へインク12を排出可能とする排出弁24と、上記作動部28に押圧力を付与する駆動部32とを備えて構成されている。
上記ポンプケース40は、第1のポンプケース40aと第2のポンプケース40bとを組み合わせて構成されており、上記第1のポンプケース40aにはポンプ室22内に通じる吸入口41及び排出口42が形成されている。これらの吸入口41及び排出口42には、それらに連通してそれぞれ反対方向の逆止弁の作用をする吸入弁23及び排出弁24が設けられており、上記吸入口41からポンプ室22内にインク12が流入し、排出口42からインク12が排出されるようになっている。ここで、上記第1のポンプケース40aに第2のポンプケース40bが組み合わされることにより、上記吸入弁23及び排出弁24が固定され、全体として該吸入弁23及び排出弁24を備えた吸入口41及び排出口42を有するポンプケース40を構成している。そして、上記吸入弁23の上流側には吸入側の口金25が突出すると共に、上記排出弁24の下流側には排出側の口金26が突出している。
上記膜部材27は、ポンプケース40内に組み込むことによってポンプ室22を形成するもので、該ポンプ室22にて上記吸入口41及び排出口42が形成された側と反対側の側部に配置されており、伸縮変形可能な薄膜状の部材、例えばシリコンゴム等で形成されている。なお、この膜部材27は、上記ポンプケース40と、循環用ポンプ10の一部を構成するシリンダケース43とによって挟持されて固定されている。
上記復帰バネ29は、上記ポンプ室22内にて上記膜部材27を外側に押して該ポンプ室22へインク12を吸入させる復帰手段となるもので、該ポンプ室22内に設けられており、所定のバネ圧を有するコイルバネから成る。この復帰バネ29で上記膜部材27を外側に押した場合は、上記ポンプ室22内には負圧が発生する。
上記作動部28は、上記膜部材27を内側に押してポンプ室22からインク12を排出させるもので、上記ポンプ室22の外側に設けられている。この作動部28は、図1の例では、前記シリンダケース43の内部に嵌合されており、矢印P,Qのように往復摺動可能に構成されている。なお、上記作動部28で上記膜部材27を内側に押した場合は、上記ポンプ室22内には正圧が発生する。
上記駆動部32は、上記作動部28に押圧力を付与するもので、該作動部28の端面を押圧する移動部材が最大押圧量の直後に引っ込んだ際に、上記作動部28の動きをフリーとする期間を与えるように構成された直線往復運動機構から成る。この直線往復運動機構としては、例えばソレノイドコイル36でプランジャー(移動部材)35を作動部28に向けて前進、後退させて、該作動部28を押圧したり、解除したりするものである。或いは、エアシリンダでピストン棒を作動部28に向けて前進、後退させてもよい。なお、この駆動部32は、図2及び図3に示す制御部33によって動作が制御されるようになっている。すなわち、制御部33から送られる電気的な制御信号により、例えばプランジャー35の往復運動のタイミングやエネルギー等が制御される。
このような状態で、上記排出弁24を開く開弁圧の絶対値が、上記吸入弁23を開く開弁圧の絶対値よりも大きくされている。このとき、上記吸入弁23はその弁体を閉側に付勢する付勢バネ(弁付勢部材)31の付勢力(弾性力)で閉じられ、排出弁24はその弁体を閉側に付勢する付勢バネ(弁付勢部材)30の付勢力(弾性力)で閉じられるようになっており、吸入弁23又は排出弁24の上流側に掛かるインク圧力が上記付勢バネ31又は付勢バネ30の付勢力に優ったときにそれぞれの弁体が開くように構成されている。そして、上記吸入弁23及び排出弁24を開く開弁圧は、それぞれの弁体を閉側に付勢する付勢バネ31及び付勢バネ30の付勢力で設定されている。
すなわち、図1の実施形態では、吸入弁23の付勢バネ31よりも排出弁24の付勢バネ30の方がその付勢力が大きくされている。例えば、付勢バネ31となるコイルバネの線材よりも、付勢バネ30となるコイルバネの線材の方がその直径が太くされている。そして、具体的には、上記排出弁24の開弁圧は、少なくとも循環用ポンプ10の運転停止時に該排出弁24からインク漏れが生じないような圧力となるように付勢バネ30の付勢力が設定されている。これにより、前記インク吐出ノズル15内に形成されるインク表面のメニスカスを維持可能な低い圧力でインクを吸入する状態にて循環用ポンプ10の排出側からのインク12の漏れを防止することができる。
次に、このように構成された循環用ポンプ10の動作について、図4を参照して説明する。まず、図1において、インクタンク6とインク供給管路8とプリントヘッド7とインク還流管路9と循環用ポンプ10とが接続されてポンプ室22内にインク12が充満している状態が初期状態とする。これが図4(a)に示す状態である。
その後、図4(b)に示すように、駆動部32のソレノイドコイル36を駆動してプランジャー35を最大押圧量まで前進させて作動部28を矢印Pのように押圧する。これにより、作動部28がシリンダケース43内を摺動して矢印P方向に移動し、上記ポンプ室22の膜部材27が復帰バネ29の弾性力に抗して内側に変形してポンプ室22の体積が圧縮された状態になる。すると、ポンプ室22内に正圧が発生し、この正圧により押されて吸入弁23は閉じ、排出弁24が付勢バネ30の弾性力に抗して開き、ポンプ室22内のインク12が排出弁24を通って排出側の口金26から図1に示すインクタンク6側に接続されたインク還流管路9内へ送られる。このときのインク12の流量や圧力は、プランジャー35の仕様や配置、電気的制御などにより適宜に設定すればよい。
その後、図4(c)に示すように、上記ソレノイドコイル36の極性を逆にして駆動しプランジャー35を矢印Qのように後退させ、上記作動部28の押圧を解除する。ここで、上記駆動部32は、上記作動部28の端面を押圧するプランジャー35が最大押圧量の直後に引っ込んだ際に、上記作動部28の動きをフリーとする期間を与えるように構成されているので、図4(c)において、上記プランジャー35の先端面が作動部28の端面から離れた状態が発生する。この状態では、上記膜部材27は復帰バネ29の弾性力のみによって元の形状に復元して行き、これと共に作動部28もシリンダケース43内を摺動して矢印Q方向に移動する。
このとき、上記ポンプ室22の膜部材27が復帰バネ29の弾性力によって外側に変形してポンプ室22の体積が圧縮された状態(図4(b)参照)から伸張されて元に戻る。すると、ポンプ室22内に負圧が発生し、この負圧により引かれて排出弁24は閉じ、吸入弁23が付勢バネ31の弾性力に抗して吸引されて開き、図1に示すプリントヘッド7側に接続されたインク還流管路9内のインク12が吸入側の口金25からポンプ室22内へ吸入される。このように、上記作動部28をプランジャー35で矢印P,Qのように押圧し、解除することにより、吸入弁23と排出弁24とが交互に吸入側又は排出側の逆止弁の作用をして、循環用ポンプ10によりプリントヘッド7側からインク12を吸引し、インクタンク6側に排出することができる。
その後、この循環用ポンプ10の運転を停止すると、図4(a)に示す初期状態のホームポジションに戻る。このとき、前述のように、上記排出弁24を開く開弁圧の絶対値が上記吸入弁23を開く開弁圧の絶対値よりも大きくされており、上記排出弁24の開弁圧は、少なくとも循環用ポンプ10の運転停止時に該排出弁24からインク漏れが生じないような圧力となるように付勢バネ30の付勢力が設定されているので、この運転停止の状態にて循環用ポンプ10の排出側からのインク12の漏れを防止することができる。
そして、本発明では、上記吸入弁23を開く開弁圧は、前記インク吐出ノズル15内に形成されるインク表面のメニスカスを維持可能な圧力にてインク12を吸入可能に設定されている。ここで、ノズル内のインク表面のメニスカスを維持可能な状態でインク12を吸入するポンプ圧Prは、次のように規定される。インク吐出ノズル15のノズル径をφ、インクの表面張力をγL、ノズル壁面へのメニスカスの接触角をθ、とすると、必要とされるポンプ圧Prは、
Pr≦2γL・cosθ/φ+(インク流路の圧力損失) …(1)
で表される低い圧力である。したがって、上記吸入弁23の開弁圧は、上記式(1)のポンプ圧Pr程度で動作する低い圧力のものに設計すればよい。すなわち、式(1)で示されるポンプ圧Pr程度の圧力を発生する付勢バネ31を選択すればよい。
以上のような構成と動作の循環用ポンプ10では、シリンダ内をパッキンやOリング等を備えたピストンが往復摺動する構造を有していないので、摺動抵抗を非常に低くすることができる。この場合、ポンプの駆動によるインク12の流量や圧力は、前記復帰バネ29の特性に依存するところが大きくなる。したがって、前記ポンプ室22内に弱いバネ圧の復帰バネ29を組み込むことにより、低い吸引力を発生できる循環用ポンプ10を提供できる。このように、吸入弁23の開弁圧は低く、排出弁24の開弁圧は高くしてそれぞれ使い分けることで、弱い吸引力の循環用ポンプ10でありながら、排出側からのインク12の漏れに対するシール性の弱さを改善して、インク漏れを防止することができる。
次に、上記のように構成された循環用ポンプ10が組み込まれたヘッドカートリッジ3において、インク12に含まれる気泡を除去するためのインク循環の動作について、図1を参照して説明する。このようなインク循環の動作は、そのヘッドカートリッジ3がセットされたインクジェットプリンタ1の起動時(電源投入時)、印画開始前、又は記録紙51に所定の枚数印画するごと、或いは所定時間経過ごと、などに実行される。
まず、前記インク還流管路9の途中に設けられた循環用ポンプ10を、図3に示す駆動部32のプランジャー35で駆動して、作動部28を矢印P方向に押圧した状態から矢印Q方向に押圧解除する。すると、上記ポンプ室22内に負圧が発生してインク還流管路9内のインク12が矢印Aのように吸引され、プリントヘッド7の両端部のインク排出口17a,17bから該プリントヘッド7内のインク12も矢印E1,E2方向に吸引されて、循環用ポンプ10に向かって流れる。次に、上記駆動部32のプランジャー35で作動部28を矢印P方向に押圧することにより、上記ポンプ室22内に正圧が発生してインク12を後続のインク還流管路9内に押し出し、インク還流口20からインクタンク6内に矢印Bのようにインク12が送られる。これにより、プリントヘッド7のインク排出口17a,17bからインク還流管路9を介して、インクタンク6に向けてインク12が流れる。
次に、このようにしてプリントヘッド7内からインク12が流れ出ることにより、共通液室13内の圧力が下がる。すると、バルブ装置11内の開閉弁21が開いて、インクタンク6内のインク12が矢印Cのようにバルブ装置11に向けて流れ、インク供給管路8内を矢印Dのように流れて、中央部のインク供給口16からプリントヘッド7内へ流れ込む。これにより、上記循環用ポンプ10の駆動により、プリントヘッド7内のインク12が矢印E1,E2,Aのように吸引されて矢印Bのようにインクタンク6へ流れ、インクタンク6内のインク12が矢印C,Dのようにプリントヘッド7へ流れて、プリントヘッド7とインクタンク6との間でインク12が循環する。
このとき、プリントヘッド7内では、その中央部から両端部に向けて矢印E1,E2方向に流れるインク循環となるので、該プリントヘッド7内に存在する気泡が両端部のインク排出口17a,17bからインク還流管路9内へ追いやられてインク還流口20からインクタンク6内に入り、天板に穿設された大気連通孔18から空気中に放出される。これにより、インク12に含まれる気泡が除去される。
図5は、本発明による液体吐出装置の循環用ポンプ10の第2の実施形態を示す断面図である。この実施形態は、上記吸入弁23は、前記インク吐出ノズル15内に形成されるインク表面のメニスカスを維持困難な圧力になった際にインク12の吸入量を制限する吸入圧規制構造を備えたものとされている。この吸入弁23の吸入圧規制構造は、該吸入弁23のポンプ室22の吸入口41への連通部位にストッパ50を設けたものである。すなわち、図5(b)に示すように膜部材27が復帰バネ29の弾性力によって外側に変形して元に戻る際に、ポンプ室22の体積が圧縮された状態(図5(a)参照)から伸張されて負圧が発生し、この負圧による吸入圧がメニスカスを維持可能な設定値を超える場合に、上記吸入弁23の弁体がストッパ50に接触して停止し、吸入口41によるインク12の吸入量を制限して、吸入圧の安定性を向上するようになっている。ここで、上記ストッパ50の長さは、前記式(1)で示されるポンプ圧Pr程度の圧力による吸入量に制限する寸法とすればよい。
このような吸入圧規制構造を備えることにより、仮に前記インク吐出ノズル15内に形成されるインク表面のメニスカスを維持できないような圧力に近付いた場合でも、上記ストッパ50の存在によって未然にメニスカスの破壊に至らないようにすることができる。
図6は、本発明による液体吐出装置の循環用ポンプ10の第3の実施形態を示す断面図である。この実施形態は、上記吸入弁23及び排出弁24を開く開弁圧は、それぞれの弁体(23′,24′)を弾性部材で構成し、その弁体に設けられるスリットの寸法、弁体の厚みや材質を変えて設定するようにしたものである。すなわち、前記ポンプケース40内に配置されたそれぞれ反対方向の逆止弁の作用をする吸入弁23′及び排出弁24′を例えばゴム製の逆止弁で構成し、吸入弁23′の山形状弁体の厚みを小さくし、排出弁24′の山形状弁体の厚みを大きくし、それぞれの山形状弁体の頂点部分に小さなスリット又は切込みが入っており、山形状弁体の内側部分に正圧がかかったとき、又はその外側部分に負圧がかかったときに上記スリット又は切込みが開き、山形状弁体の外側部分に正圧がかかったとき、又はその内側部分に負圧がかかったときに上記スリット又は切込みが閉じるようになっている。
このような吸入弁23′及び排出弁24′の構造により、上記排出弁24′を開く開弁圧の絶対値が、上記吸入弁23′を開く開弁圧の絶対値よりも大きくされており、また上記吸入弁23′を開く開弁圧は、前記インク吐出ノズル15内に形成されるインク表面のメニスカスを維持可能な圧力にてインク12を吸入可能に設定されている。図6の実施形態では、弁体の厚みを変えることで上記吸入弁23′及び排出弁24′の開弁圧を設定するものとしたが、これに限られず、スリットの寸法や弁体の材質を変えて設定するようにしてもよい。
図7は、本発明による液体吐出装置の循環用ポンプ10の第4の実施形態を示す断面図である。この実施形態は、前記駆動部32をカム機構としたものである。このカム機構は、図示外のモータで回転されるカム軸45と、このカム軸45に固定されたカム46とを備えており、上記作動部28の端面(カムフォロアとなる)を押圧するカム面47が最大押圧部47aとその直後部分47bとで段差dが形成されており、上記最大押圧部47aで押圧した直後に上記作動部28の動きをフリーとする期間を与えるように構成されている。
このようなカム機構(45,46)による循環用ポンプ10の駆動のついて、図7(a)〜(c)を参照して説明する。まず、図7(a)に示す初期状態では、上記カム46のカム面47の直後部分47bと同じ半径を有する部分が上記作動部28の端面に当接している。この状態では、ポンプの作動部28が最も外側に出た状態となっており、膜部材27が外側に変形してポンプ室22にインク12が充満している。
その後、図7(b)に示すように、駆動部32のカム軸45を回転させてカム46を矢印R方向に回転し、カム面47の最大押圧部47aの当接により作動部28を矢印Pのように押圧する。これにより、作動部28がシリンダケース43内を摺動して矢印P方向に移動し、上記ポンプ室22の膜部材27が復帰バネ29の弾性力に抗して内側に変形してポンプ室22の体積が圧縮された状態になる。すると、ポンプ室22内に正圧が発生し、この正圧により押されて吸入弁23′は閉じ、排出弁24′が開き、ポンプ室22内のインク12が排出弁24′を通って排出側の口金26から図1に示すインクタンク6側に接続されたインク還流管路9内へ送られる。このときのインク12の流量や圧力は、排出弁24′の仕様や配置などにより適宜に設定すればよい。
その後、図7(c)に示すように、上記カム46を矢印R方向にさらに回転し、カム面47の最大押圧部47aが作動部28の端面を通過してその直後部分47bが上記作動部28の端面に位置する。すると、上記最大押圧部47aとその直後部分47bとの段差dにより、上記作動部28への押圧が解除される。ここで、上記カム機構(45,46)は、上記最大押圧部47aで押圧した直後に上記作動部28の動きをフリーとする期間を与えるように構成されているので、図7(c)において、上記カム46のカム面47が作動部28の端面から離れた状態が発生する。この状態では、上記膜部材27は復帰バネ29の弾性力のみによって元の形状に復元して行き、これと共に作動部28もシリンダケース43内を摺動して矢印Q方向に移動する。
このとき、上記ポンプ室22の膜部材27が復帰バネ29の弾性力によって外側に変形してポンプ室22の体積が圧縮された状態(図7(b)参照)から伸張されて元に戻る。すると、ポンプ室22内に負圧が発生し、この負圧により引かれて排出弁24′は閉じ、吸入弁23′が吸引されて開き、図1に示すプリントヘッド7側に接続されたインク還流管路9内のインク12が吸入側の口金25からポンプ室22内へ吸入される。このように、上記作動部28をカム46で矢印P,Qのように押圧し、解除することにより、吸入弁23′と排出弁24′とが交互に吸入側又は排出側の逆止弁の作用をして、循環用ポンプ10によりプリントヘッド7側からインク12を吸引し、インクタンク6側に排出することができる。
その後、この循環用ポンプ10の運転を停止すると、図7(a)に示す初期状態のホームポジションに戻る。このとき、前述のように、上記排出弁24′を開く開弁圧の絶対値が上記吸入弁23′を開く開弁圧の絶対値よりも大きくされており、上記排出弁24′の開弁圧は、少なくとも循環用ポンプ10の運転停止時に該排出弁24′からインク漏れが生じないような圧力となるように弁体の厚みが設定されているので、この運転停止の状態にて循環用ポンプ10の排出側からのインク12の漏れを防止することができる。
なお、図7に示すカム機構(45,46)による駆動部32を、図4又は図5に示すプランジャー35及びソレノイドコイル36に替えてポンプの駆動部としてもよい。或いは、逆に図4又は図5に示すプランジャー35及びソレノイドコイル36による駆動部32を、図7に示すカム機構(45,46)に替えてポンプの駆動部としてもよい。
また、図2及び図3の説明では、駆動部32のプランジャー35と循環用ポンプ10の作動部28とは、構造的には分離されていて、プリンタ本体部2の収納部5にヘッドカートリッジ3を矢印Zのように収納して両者が当接することにより、初めて上記循環用ポンプ10が動作可能となるものとしたが、本発明はこれに限られず、駆動部32全体をヘッドカートリッジ3側に取り付けて構成してもよい。
また、以上の説明においては、循環用ポンプをインクジェットプリンタに適用した例について述べたが、本発明はこれに限らず、所定の液体を液体吐出ノズルから液滴として吐出するものであればどのようなものでもよい。例えば、記録方式がインクジェット方式のファクシミリ装置や複写機等の画像形成装置についても適用可能である。
さらに、液体吐出ノズルから吐出される液体はインクに限られず、液体吐出ヘッド(7)を駆動して所定の液体を吐出しドット又はドット列を形成するものであるならば、他の液体の吐出装置にも適用することができる。例えば、DNA鑑定などにおいてDNA含有溶液をパレット上に吐出するための液体吐出装置、或いはプリント配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出するための液体吐出装置等にも適用することができる。
本発明による液体吐出装置の循環用ポンプの実施形態を示す断面図であり、液体吐出装置の一例としてのインクジェットプリンタに適用された状態を示す断面図である。 上記インクジェットプリンタを示す側面断面図であり、プリンタ本体部にヘッドカートリッジを組み合わせる前の状態を示す図である。 同じく上記インクジェットプリンタを示す側面断面図であり、プリンタ本体部にヘッドカートリッジを組み合わせた状態を示す図である。 図1に示す循環用ポンプの動作を示す断面説明図である。 本発明による循環用ポンプの第2の実施形態を示す断面図である。 本発明による循環用ポンプの第3の実施形態を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態による循環用ポンプ及びその動作を示す断面説明図である。
符号の説明
1…インクジェットプリンタ
2…プリンタ本体部
3…ヘッドカートリッジ
4…記録紙トレイ
5…収納部
6…インクタンク
7…プリントヘッド
8…インク供給管路
9,9a,9b…インク還流管路
10…循環用ポンプ
14…ノズル部材
15…インク吐出ノズル
16…インク供給口
17a,17b…インク排出口
18…大気連通孔
19…インク流出口
20…インク還流口
22…ポンプ室
23,23′…吸入弁
24,24′…排出弁
27…膜部材
28…作動部
29…復帰バネ
32…駆動部
33…制御部
35…プランジャー
36…ソレノイドコイル
40…ポンプケース
41…吸入口
42…排出口
45…カム軸
46…カム
47…カム面
47a…最大押圧部
47b…直後部分
50…ストッパ(吸入圧規制構造)

Claims (7)

  1. ノズル面に形成された複数の液体吐出ノズルから所定の液体を吐出する液体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッドに供給する液体を蓄えた液体タンクとの間で液体を循環させるように構成された液体吐出装置の上記液体吐出ヘッドと液体タンクとの間で液体を循環させるための循環用ポンプであって、
    ポンプケース内に形成されたポンプ室の一側部に設けられた液体の吸入口及び排出口と、上記ポンプ室の他側部に配置された伸縮変形可能な膜部材と、上記ポンプ室内に設けられ上記膜部材を外側に押して該ポンプ室へ液体を吸入させる復帰手段と、上記ポンプ室外に設けられ上記膜部材を内側に押して該ポンプ室から液体を排出させる作動部と、上記ポンプ室の吸入口に連通して設けられ外部から該ポンプ室内へ液体を吸入可能とする吸入弁と、上記ポンプ室の排出口に連通して設けられ該ポンプ室内から外部へ液体を排出可能とする排出弁と、上記作動部に押圧力を付与する駆動部とを備え、
    上記排出弁を開く開弁圧の絶対値を、上記吸入弁を開く開弁圧の絶対値よりも大きくしたことを特徴とする液体吐出装置の循環用ポンプ。
  2. 上記吸入弁及び排出弁を開く開弁圧は、それぞれの弁体を閉側に付勢する弁付勢部材の付勢力で設定することを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置の循環用ポンプ。
  3. 上記吸入弁及び排出弁を開く開弁圧は、それぞれの弁体を弾性部材で構成し、その弁体に設けられるスリットの寸法、弁体の厚みや材質を変えて設定することを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置の循環用ポンプ。
  4. 上記吸入弁を開く開弁圧は、上記液体吐出ノズル内に形成される液体表面のメニスカスを維持可能な圧力にて液体を吸入可能に設定されていることを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置の循環用ポンプ。
  5. 上記吸入弁は、上記液体吐出ノズル内に形成される液体表面のメニスカスを維持困難な圧力になった際に液体の吸入量を制限する吸入圧規制構造を備えたことを特徴とする請求項4記載の液体吐出装置の循環用ポンプ。
  6. 上記駆動部は、上記作動部の端面を押圧する移動部材が最大押圧量の直後に引っ込んだ際に、上記作動部の動きをフリーとする期間を与えるように構成された直線往復運動機構であることを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置の循環用ポンプ。
  7. 上記駆動部は、上記作動部の端面を押圧するカム面が最大押圧部とその直後とで段差が形成されており、上記最大押圧部で押圧した直後に上記作動部の動きをフリーとする期間を与えるように構成されたカム機構であることを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置の循環用ポンプ。
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