JP4296858B2 - 易開封性ガセット貼り袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は味噌、スティック状砂糖、酒粕、粉体、パン粉等の収容容積を大きく必要とする収容物を包装するガセット袋に関し、詳しくは、ガセット袋に収容されている収容物を取り出す際に開封が容易にできるガセット貼り袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、袋の表裏面板が同じ大きさで収容物を多く収容するためのガセット袋はガセット製袋機の製袋工程で表裏面板の両サイドに折込み(ガセット)を形成したガセット袋か、あるいはチューブ状のフイルムからガセット袋を作って使用されている。また、ガセット袋に収容されている収納物を取り出す場合、ガセット袋の両側端部で内方に折込部が形成されている熱接着シール部にガセット袋を開封するためのIノッチあるいはVノッチまたはUノッチ等が施されている。しかし、IノッチあるいはVノッチまたはUノッチ等が施されている箇所から手で開封することが難しく、はさみやカッターナイフあるいは包丁等を用いて開封しなければならないと言う問題がある。このようなことから、ガセット袋の開口部の両側端部で内方に折込部が形成されている折込部分を外側に折り返して直線状態で開口部を密封シールし、密封シールされた外側周縁部分に開封するする為の直線状の切り込み(Iノッチ)あるいはV字形の切り込み(Vノッチ)またはU字形の切り込み(Uノッチ)等の開封手段を設けたものが知られている。しかし直線状態で開口部を密封シールする場合に作業上の制約が多く生産し難いと言う問題がある。この為に、はさみやカッターナイフあるいは包丁等を用いずに、易開封できるガセット袋として、熱可塑性樹脂層を有する積層フイルムからなり端縁熱接着部にて筒状とし両端部を内側に折り込んで上下熱接着部を設けたガセット袋の横方向の全周にわたって積層フイルムの外面にテープ材が接着され、端縁熱接着におけるテープ材が接着された部分の一方の積層フイルムの端縁部に切欠けが形成されるとともに、切欠けに対向する位置の他方の積層フイルムの端縁部のテープ材の両側に切目が設けられた構成の易開封袋が開示されている。(例えば、特許文献1)
【0003】
さらに、(特許文献1)に、積層フイルムの外側に接着されるテープ材の製造方法として、易開封袋を作製するための所定幅にスリットした後に積層フイルムの外面の所定位置に積層フイルムの流れに直角方向にテープ材を全幅にわたって接着し、テープ材が接着された部分の一方の端部に切欠を形成するとともに、積層フイルムのテープ材が接着された他方の端部におけるテープ材の両側に2箇所の切目を形成すると記載されている。さらに積層フイルムのテープ材が接着された他方の端部にテープ材の両側に2個所の切目が形成された積層フイルムを、製袋機にかけてガセット袋とするか、あるいは、自動充填包装機にかけて内容物を充填する工程でガセット袋にするとも記載されている。
【0004】
しかし、(特許文献1)に記載されているように製袋機あるいは自動充填機で易開封性袋を作製する際にあらかじめ積層フイルムの流れに直角方向にテープ材が接着され、さらに端部の一方に切欠等を形成したものを使用する場合、積層フイルムは製袋機あるいは自動充填機にかける前に他の加工機械により積層フイルムの流れに直角方向にテープ材を接着し、さらに端部の一方に切欠等を形成した後に一定の長さに巻き取らなければ成らず、巻き取られた積層フイルムの巻き取り紙の表面がテープ材が接着されていることにより凹凸状態になり、さらに積層フイルムがテープ材による凹凸で積層フイルムに厚薄が生じると言う問題がある。また積層フイルムの流れ方向に直角にテープ材が接着されている巻き取り紙を用いて製袋機あるい自動充填製袋包装機で製袋加工を施した場合、機械のガイド板等に接着されているテープ材が引っかかり易く、さらにテープ材の凹凸により厚薄が生じた積層フイルムを用いることにより製袋加工作業時にフイルムの蛇行が発生するなど非常に作業適正が悪く生産効率が著しく低下する問題がある。またテープ材を貼る作業工程が増え、テープの材料費もかかり生産コストが高くなると言う問題がある。
【0005】
また、開封容易なガセット袋として、ガセット袋天部の、片側の折込み側シール位置より下部に、折込み側袋体幅より短い切れ目を形成すると共に、該切れ目を含んで一定幅の接着剤層を設けるか、少なくても折込み側袋体内側のシール部分にシール強度低下機能を付与したものが開示されている。(例えば、特許文献2)上記(特許文献2)はガセット袋天部の、片側の折り込み側シール位置より下部に、折り込み側袋体幅より短い切れ目を形成すると共に、該切れ目を含んで一定幅の接着層を設けて成るガセット袋である。また接着層の代わりに切れ目上に剥離可能なラベルを貼り付けることも記載されている。またガセット袋に収容されている収容物を取り出す場合には上記切れ目から取り出される粉体、あるいは粒体の収容物であるとも記載されている。さらにガセット袋に収容している収容物が一体物の場合は、熱シールされる部分全体の接着力を低下させておけば、ガセット袋を破損する事無く容易に開封することが出来るとも記載されている。このようなことから引き裂き切り目等の開封するための対応が全く施されていない。しかしガセット袋は平袋と異なり、熱シールされる部分は積層フイルムが4枚に重ね合わされる部分と2枚が重ね合わされる部分とがあり、さらに4枚に重ね合わされている部分と2枚が重ね合わされている部分が対面する状態で熱シールされる個所もあり、接着力を低下させる事により熱シール部に未シール部あるいはピンホール等が生じガセット袋の防湿性、ガス遮断性等が著しく低下すると言う問題があり、ガセット袋を破損する事無く容易に開封出来る状態の接着は困難である。さらにラベル貼りをする場合には専用のラベル貼り機等を使用したり、さらにラベルの費用がかかり生産コストが高く成ると言う問題と作業工程が煩雑になる等の問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−278502号公報
【特許文献2】
特開平5−310257号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み為されたもので、その目的とするところは、ガセット袋を煩雑な作業工程等を用いる事無く、既存の製袋機あるいは自動充填製袋包装機を用いて作製出来、且つガセット袋に収容されている収納物を取り出す際にナイフやはさみを用いずに手先で容易に開封ができる易開封性ガセット貼り袋を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために成されるもので、請求項1に係る発明は、プラスチックを主体とした基材シートからなり、対面する表裏面板の両側端部に内方への折込部を形成し、該折込部の端縁と表裏面板の両側端部が重なり合っている4箇所の長手方向を貼り合わせて端縁熱接着部を形成し、該端縁熱接着部の端辺に開封するための引き裂き切り込みを付けたガセット袋において、前記折込部の、引き裂き切り込みの形成位置に、折り込み部で折り返して重なり合う切り欠け部を設け、該切り欠け部およびその周縁を接着シールしたことを特徴とする易開封性ガセット貼り袋である。
【0009】
本発明の請求項2に係る発明は、上記表裏面板および折込部のプラスチックを主体とした基材シート、または一部の層が引き裂き方向に引き裂き容易になっていることを特徴とする請求項1記載の易開封性ガセット貼り袋である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の易開封性ガセット貼り袋を実施の形態に沿って以下に図面を参照しながら詳細に説明する。図2及び図6〜図8は本発明の易開封性ガセット貼り袋の一実施形態を示す。また図1(a) は本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋の一実施形態の正面を示す正面図あり、(b)は図1(a)の本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋の構成状態を説明する斜視図である。
【0011】
本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋(100)は図1(b)に示すようにプラスチックを主体とした基材シート(1)から成る表面板(7)と裏面板(8)、および表面板(7)と裏面板(8)とが対面する内側縦方向の両端部に内方へ折り込んだ部分を外側に折り返して成る2つのプラスチックを主体とした基材シート(1)の折り返し部材(10)とから形成されている。表面板(7)と裏面板(8)とが対面する内側縦方向の両端部と折り返し部材(10)の外側端部の4個所が重なり合って接着シールにより長手方向に端縁熱接着部(3)が4個所形成され、四角形の筒状に形成される。また、4個所に形成されている長手方向の端縁熱接着部(3)の上部開口部(9)の下方周縁にガセット貼り袋を開封する引き裂き切り込み(2)が形成され、さらに引き裂き切り込み(2)からの引き裂きを容易にさせるために折り返し部材(10)に貫通した易封孔部(11)が形成され、貫通した易封孔部(11)の周縁に表面板(7)の内側面と折り返し部材(10)の内側面、裏面板(8)の内側面と折り返し部材(10)の内側面が重なり合っている状態でスポット状に接着シールされ、貫通孔周縁接着シール部(14)が形成されると同時に貫通した易封孔部(11)を介し表面板(7)の内側面と裏面板(8)の内側面がスポット状に接着シールされた部分が溶融状態で一体化されてスポット状接着シール部(5)が形成され、その部分が引き裂き切り込みの下方周縁に形成されると同時に下部開口部の表裏面板の端部に折り返し部材が内方に折り込まれている状態で接着シールされ、図1(a)に示すような下部底接着シール部(4)が形成され、上部開口部(9)が表裏面板(7)(8)の端部に折り返し部材(10)が内方に折り込まれている状態で易開封性ガセット貼り袋(100)が作製されている。また図1(a)あるいは(b)に示すような引き裂き切り込み(2)からの開封を促進するために折り返し部材(10)に形成される貫通した易封孔部(11)は易開封性ガセット貼り袋(100)を製袋する既存の製袋機上で長手方向に端縁熱接着部(3)が形成される前工程で、折り返し部材(10)を折り曲げ、折り重ねた状態、あるいは折り曲げる前の平らな状態のいずれかの状態で貫通した易封孔部(11)が設けられる。また折り返し部材(10)に設けられる貫通した易封孔部(11)の大きさは易開封性ガセット貼り袋(100)の大きさあるいは折返し部材(10)のガセット(折り返し)の幅または収容される収容物、プラスチックを主体とした基材シート(1)の構成等で異なるが直径が3mm〜30mm程度になされる。また貫通した易封孔部(11)に形成される形状は特に円形に限定されるものでなく、易開封性ガセット貼り袋(100)の機能、大きさ、収容する収容物あるいはデザイン、意匠性などにより形状が選定される。
【0012】
また、図1(a)に示す本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋(100)の両端縁熱接着部(3)に形成されている引き裂き切り込み(2)は袋の開封を容易にするために形成されるものであり既存の製袋機あるいは充填製袋包装機上で直線状の引き裂き切り込み(Iノッチ)あるいはホームベース形状の五角形の引き裂き切り込み(亀の子ノッチ)またはU字型の引き裂き切り込み(Uノッチ)あるいは図1(a)に示すようなV字型の引き裂き切り込み(Vノッチ)等が、端縁熱接着部(3)が形成されると同時か、あるいは端縁熱接着部(3)が形成された後に施される。また、Iノッチあるいは亀の子ノッチまたは図1(a)に示すようなVノッチは既製の製袋機上で施すこともできるが、製袋された後で引き裂き切り込み等を加工する専用の加工機により作製することも出来る。本発明の易開封性ガセット貼り袋(100)の端縁熱接着部(3)端辺に施される引き裂き切り込みは引き裂きの際に引き裂き切り込みの先端に引っ張り力が一点に集中し易い直線状の引き裂き切り込みあるいはV字型の引き裂き切り込み(Vノッチ)またはホームベース形状の五角形の引き裂き切り込み(亀の子ノッチ)等が用いられる。
【0013】
次に、図2(a)は本発明の易開封性ガセット貼り袋(100)の一実施形態の正面を示す正面図あり、(b)は図2(a)の易開封性ガセット袋の構成を説明するための斜視図である。図2(b)に示すように易開封製ガセット袋(100)はプラスチックを主体とした基材シート(1)から成る表面板(7)と裏面板(8)、および表面板(7)と裏面板(8)とが対面する内側縦方向の両端部に内方へ折り込んだ部分を外側に折り返して成る2つのプラスチックを主体とした基材シート(1)の折り返し部材(10)とからなっている。表面板(7)と裏面板(8)とが対面する内側縦方向の両端部と折り返し部材(10)の内側端部の4個所が重なり合って接着シールにより長手方向に端縁熱接着部(3)が4個所形成され、四角形の筒状に形成される。また、4個所に形成されている端縁熱接着部(3)の上部開口部(9)が接着シールされる接着シール部の下方周縁に易開封性ガセット貼り袋(100)を開封する引き裂き切り込み(2)が形成され、さらに端縁熱接着部(3)に引き裂き切り込み(2)が形成されている表面板(7)と裏面板(8)と重なり合って端縁熱接着部(3)が形成されている折り返し部材(10)の周縁に引き裂きを容易にさせるために易封切り欠け部(12)が形成され、該易封切り欠け部(12)の周縁に表面板(7)の内側面と折り返し部材(10)の内側面、裏面板(8)の内側面と折り返し部(10)の内側面が折り畳まれ重なり合った状態でスポット状に接着シールされ、切り欠けスポット状接着部(23)が形成されると同時に易封切り欠け部(12)を介して表面板(7)と裏面板(8)がスポット状に接着シールされ、接着シールされた表面板(7)と裏面板(8)および折り込み部材が一体化され、同時に下部の表裏面板(7)(8)の端部に折り返し部材(10)が内方に折り込まれている状態で接着シールされ図2(a)に示すような下部底接着シール部(4)が形成され、上部開口部(9)が表裏面板(7)(8)の端部に折り返し部材(10)が内方に折り込まれている状態で易開封性ガセット貼り袋(100)が作製される。折り返し部材(10)に形成される易封切り欠け部(12)の大きさは易開封性ガセット貼り袋(100)の大きさあるいは易開封性ガセット貼り袋(100)のガセット(折り返し)の幅または収容される収容物、プラスチックを主体とした基材シート(1)の構成等により異なるが幅3mm〜30mm程度、長さが5mm〜30mm程度に成される。また、折り返し部材(10)に形成される易封切り欠け部(12)は製袋機あるいは充填製袋包装機上で施す事も出来、また製袋機あるいは充填製袋包装機で製袋あるいは充填包装する前に施すこともできる。
【0014】
また、上記端縁熱接着部(3)の接着シールはバーシール、回転シール、インパルスシール、高周波シール、超音波シールなどのシール方式によりなされる。また貫通した易封孔部(11)あるいは易封切り欠け部(12)または周縁のスポット状の接着シールはスポット状に接着シールされる形状にバーシールあるいはインパルスシールの加熱部材を作製して製袋機あるいは充填製袋包装機上で施すことが出来る。また超音波シールの場合には、スポット状に接着シールされる接着シール形状に超音波発振用ホーンを作製して製袋機あるいは充填製袋包装機上で施すことが出来る。
【0015】
また、図2(a)に示す本発明の易開封性ガセット貼り袋(100)は図2(b)に示すように表面板(7)と裏面板(8)および折り返し部材(10)の3つの部材から構成され、3つの部材が製袋機上あるいは充填製袋包装機上で製袋されるが、必ずしも3つの部材を使用して易開封性ガセット貼り袋を製袋することに特に限定されるものでは無い。図には示していないが例えば一枚のプラスチックを主体とした基材シート(1)で両側端に内方への折り返し部が形成され、長手方向に端縁熱接着部(3)および引き裂き切り込み(2)さらに易封切り欠け部(12)を設け、易封切り欠け部(12)またはその周縁にスポット状の接着シールを施し切り欠けスポット状接着部(23)を形成させたものが既存の製袋機あるいは自動充填製袋包装機で作製することが容易にできる。さらにチューブ状のプラスチックを主体とした基材シート(1)を用いて上記と同様の易開封性ガセット貼り袋(100)を容易に作製することも出来る。
【0016】
次に、図3は本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋(100)の一実施形態を示す斜視図である。図3に示すように易開封性ガセット貼り袋(100)は表面板(7)と裏面板(8)の端部に折り込み部材(10)が端部の内方に形成され、両端部に4個所の長手方向に端縁熱接着部(3)が形成され、さらに下部が折り込み部材(10)を端部の内方に形成されている状態で下部底接着シール部(4)が形成されている。また、上部開口部(9)が接着シールされる、接着シール部の下方の端縁熱接着部(3)に開封するための引き裂き切り込み(2)が形成され、さらに、表裏面板(7)(8)の両端端縁熱接着部(3)の内方に折り込まれている折り込み部材(10)に引き裂き切り込み(2)が形成された下方周縁に貫通した易封孔部(11)が形成されている。貫通した易封孔部(11)周縁に施されるスポット状の接着シールの加工および加工工程は特に限定するものでなく、易開封性ガセット貼り袋(100)を製袋する製袋機上で貫通した易封孔部(11)の周縁にスポット状の接着シール加工を施すこともできる。さらに折り込み部材(10)に貫通した易封孔部(11)が成形され製袋加工されているガセット袋に収容物を収容し、上部開口部(9)の端部に折り込み部材(10)が内方に形成されている状態で上部開口部(9)を接着シールにより密封する際に同時あるいは前後に貫通した易封孔部(11)の周縁にスポット状の接着シール加工を施すこともできる。さらに易開封性ガセット貼り袋に収容される収容物の種類あるいは形状あるいは充填製袋包装機の形式等により充填製袋包装機上で易開封性ガセット貼り袋(100)を製袋加工を施しながら易開封性ガセット貼り袋(100)に収容物を収容した後に上部開口部(9)の端部に折り込み部材(10)が内方に形成されている状態で上部開口部(9)を接着シールし、上部天接着シール部を形成すると同時あるいは前後に貫通した易封孔部(11)周縁をスポット状に接着シールを施すことも出来る。いずれかの方法により易開封性ガセット貼り袋(100)に収容物を詰めたりあるいは充填した後に、上部開口部(9)を密封シールすることにより図5に示すような易開封性ガセット貼り袋の包装形態が形成される。また表面板(7)の内側面と折り返し部材(10)の内側面、裏面板(8)の内側面と折り返し部材(10)の内側面にスポット状のスポット状接着シール部が形成されると同時に貫通した易封孔部(11)を介し表面板(7)の内側面と裏面板(8)の内側面が貫通した易封孔部(11)の孔の形状に接着シールされ、表面板(7)と裏面板(8)が接着シールされると同時に表面板(7)と折り返し部材(10)と裏面板(10)が一体化されていることにより、上部接着シール部が形成される下方端縁熱接着部(3)に施されている引き裂き切り込み(2)から上部天接着シール部の下方を僅かな力で容易に引き裂き、切り取り開封する事ができる。
【0017】
次に、図4は参考例に係る本発明の易開封性ガセット貼り袋(100)のまた他の一実施形態の正面を示す正面図である。本易開封性ガセット貼り袋(100)の底部に角底形を形成させる場合、図3に示すような表裏面板(7)(8)の端部に折り込み部材(10)が内方に形成されている状態で下部底接着シール部(4)を形成する以外に、図4に示すように表裏面板(7)(8)の端部に折り込み部材(10)が内方に形成されている状態で下部底接着シール部(4)を形成し、さらに下部底接着シール部(4)と端縁熱接着部(3)を連接する逆ハの字形の傾斜接着シール部(6)を形成することにより液体あるいはペースト状の収容物を充填する際に逆ハの字形の傾斜接着シール部(6)で液体あるいはペースト状の収容物が防止される事により底部が容易に角底形に形成される。このために図4に示すような製袋した易開封性ガセット貼り袋(100)は液体あるいはペースト状の収容物等に適している包装形態の一つである。
【0018】
また、図5は本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋(100)に収容物が収容されている一実施形態を示す斜視図である。図5に示すように易開封性ガセット貼り袋(100)に収容物が収容され底部は角底形(ひだつき)に形成され、上部は屋根型状の三角形に形成されている。また、易開封性ガセット貼り袋(100)に収容される収容物によって屋根型状の三角形に形成されている部分を表面板(7)あるいは裏面板(8)のいずれかの方向に折り畳み上部天接着シール部(13)周縁に粘着ラベル等により上部天接着シール部(13)と表面板(7)あるいは裏面板(8)とを重ね合わされて上部も底部と同じように角型形状に施すことも可能である。また、図5に示すような易開封性ガセット貼り袋(100)に収容されている収容物を取り出す場合には、易開封性ガセット貼り袋(100)の上部天接着シール部(13)両端の下方端縁熱接着部(3)に形成されている引き裂き切り込み(2)の両側を両手の指先で摘んで引き裂くことにより、引き裂き切り込み(2)に施されているV字型ノッチあるいはI字型ノッチ等の切れ目の内側方向の下方周縁に表裏面板(7)(8)および折り込み部材(10)が一体化され、スポット状にスポット状接着シール部(5)が形成されている事により易開封性ガセット貼り袋(100)の上部天接着シール部(13)の下方周縁が容易に引き裂かれ、上部天接着シール部(13)が切り取られ収容している収容物を取り出すことができる。
【0019】
次に図6は本発明の易開封性ガセット貼り袋(100)に用いられるプラスチックを主体とする基材シートの一実施形態の構成を示す断面図である。図7は本発明の易開封性ガセット貼り袋(100)に用いられるプラスチックを主体とする基材シート(1)の他の一実施形態の構成を示す断面図である。図6に示すように易開封性ガセット貼り袋(100)に用いられるプラスチックを主体とする基材シート(16)は少なくとも基材層(18)と熱可塑性樹脂層(19)の積層シートからなる。また、易開封性ガセット貼り袋(100)に収容する収容物によって品質の劣化あるいは保存期間などの問題から酸素遮断性や水蒸気あるいは遮光性を目的としてバリアフイルムあるいはアルミニウム箔などによる中間層(20)が図7に示すようなプラスチックを主体とする基材シート(17)に形成される。また中間層(20)は易開封性ガセット貼り袋(100)に収容する収容物の品質の劣化あるいは保存を長く保つ為に施されるだけでなく易開封性ガセット貼り袋(100)の美粧性や意匠性を付与するために紙等も用いられる。さらに中間層(20)にも開封性を良くするために、開封の際に引き裂かれる方向に引き裂かれ易い樹脂フイルムを用いることもできる。例えば、一定の分子配向で横直線カット性のある延伸ポリエチレン樹脂フイルム、メタロセン系の直鎖低密度ポリエチレン樹脂フイルム等も使用できる。さらに中間層(20)に用いられるバリアフイルムとしては未延伸バリアフイルム/アルミニウム箔あるいは未延伸ポリプロピレンフイルム、またはポリエチレンフイルムに酸化錫、酸化インジウム、ケイ素酸化物、酸化ジルコニウム、アルミニウム、酸化アルミニウム等の薄膜層を形成した蒸着フイルム等が使用できる。上記薄膜を形成する方法は、イオンビーム法、電子ビーム法、物理蒸着法、化学蒸着法やスパッタリング法等があり、いずれかの方法を用いて形成される。
【0020】
次に、図8は本発明の易開封性ガセット貼り袋(100)に用いられるプラスチックを主体とする基材シート(22)のまた他の一実施形態の構成を示す断面図である。図8に示すように基材層(18)を形成する基材フイルムは美粧性等を施す為の印刷加工が施される。印刷加工は一般に基材フイルムの裏側面にグラビア印刷か、あるいはフレキソ印刷等により施される。グラビア印刷の場合、印刷インキはウレタン系あるいはアクリル系またはビニル系、ゴム系樹脂を含む公知のインキが用いられる。さらに印刷層(21)の裏側面に中間層(20)あるいは熱可塑性樹脂層(19)が形成されるが樹脂あるいは樹脂フイルムが押出ラミネート、サンドイッチラミネート、ドライラミネート、無溶剤ラミネート、サーマルラミネート、ウエットラミネートなどのいずれかにより施される。
【0021】
次に、プラスチックを主体とする基材シート(16,17,22)を構成する基材層(18)の樹脂としては延伸ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレン‐プロピレン共重合樹脂、エチレン‐プロピレン‐ブテン三元重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が使用できる。また、樹脂層の厚さは6μm〜40μm程度に形成される。
【0022】
また、プラスチックを主体とする基材シート(16,17,22)を構成する熱可塑性樹脂層(19)に使用される樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン‐プロピレン共重合体樹脂、エチレン‐プロピレン‐ブテン三元重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、アイオノマー樹脂等が用いられる。また、熱可塑性樹脂層(19)は10μm〜60μm程度の厚さに形成される。
【0023】
上記のように、本発明の易開封性ガセット貼り袋(100)に用いられるプラスチックを主体とした基材シート(16,17,22)は各樹脂層が積層され、積層された樹脂層、あるいは樹脂構成によって引き裂き切り込みからの引き裂き性を容易にすることができる。引き裂き性が容易な樹脂構成としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂あるいは延伸ポリプロピレン樹脂/接着剤/一定の分子配向で横直線カット性のある延伸ポリエチレン樹脂/接着剤/横カット性の良いメタロセン系の直鎖低密度ポリエチレン樹脂または横カット性の良い低密度ポリエチレン‐エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、あるいは一定の分子配向で横直線カット性のあるポリエチレンテレフタレート樹脂/接着剤/横カット性の良いメタロセン系の直鎖低密度ポリエチレン樹脂あるいは横カット性の良い低密度ポリエチレン‐エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂等がある。また上記の樹脂構成の積層方法はドライラミネート法により成されたが、積層方法は特に限定するものでない。
【0024】
【発明の効果】
本発明の易開封性ガセット貼り袋は対面する表面板と裏面板の両側端部に内方にへの折込部が形成され、表面板と裏面板および折込部が重なり合つている4個所の長手方向を貼り合わせて端縁熱接着部を形成し、該端縁熱接着部の端辺に引き裂き切り込み部が形成され、該引き裂き切り込み部の位置あるいは引き裂き切り込み部の下側周縁に折込部が折り返されたプラスチックを主体とする基材シートに折り返して重なり合う切り欠け部を形成し、さらにその周縁が接着シールされ、該接着シール部が折返部の内側面と表裏側面の内側面同士が接着シールされている以外に折込部に形成している切り欠け部を介して表側面の内側面と外側面の内側面が接着シールされ一体化されている。このことにより易開封性ガセット貼り袋を開封するときに易開封性ガセット貼り袋の長手方向端縁熱接着部端辺に形成されている引き裂き切り込みの両側を両方の指先で摘んで外側に引き裂くことにより、僅かな力で容易に開口部の上部接着シール部を切り取り除去することができる優れた易開封性ガセット貼り袋である。
【0025】
また、長手方向端縁熱接着部端辺に形成されている引き裂き切り込みの位置、あるいは引き裂き切り込みの下側周縁の折り込み部の内側面と表裏側面の内側面同士が接着シールされている以外に折り込み部に形成している切り欠け部を介して表側面の内側面と外側面の内側面が接着シールされ一体化され、引き裂き性を向上させている以外に易開封性ガセット貼り袋を形成しているプラスチックを主体とした基材シートの基材層あるいは中間層または熱可塑性樹脂層に一定の分子配向で横直線カット性のある樹脂層が形成されていることにより、一層易開封性ガセット貼り袋に収容している収容物を取り出す際に上部天接着シール部の下側を引き裂き、切り取ることが容易になり、幼い子供やお年寄りあるいは身体が悪く、力が弱い人でも僅かの力で容易に開封することがでまる。さらに本発明の易開封性ガセット貼り袋は煩雑な作業工程等によることなく、従来から使用されている既製の製袋機あるいは充填製袋包装機上で容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋の一実施形態の正面を示す正面図である。 (b)は図1(a)の易開封性ガセット貼り袋が形成される状態を示す斜視図である。
【図2】 (a)は本発明の易開封性ガセット貼り袋の他の一実施形態の正面を示す正面図である。
(b)は図2(a)の易開封性ガセット貼り袋が形成される引き裂き切れ込み状態を示す斜視図である。
【図3】 本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋の上部開口部が開口されている一実施形態を示す斜視図である。
【図4】 本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋のまた他の一実施形態の正面を示す正面図である。
【図5】 本発明の参考例に係る易開封性ガセット貼り袋に収容物が収容された一実施形態を示す斜視図である。
【図6】 本発明の易開封性ガセット貼り袋が形成されるプラスチックを主体とした基材シートの一実施形態の断面を示す断面図である。
【図7】 本発明の易開封性ガセット貼り袋が形成されるプラスチックを主体とした基材シートの
他の一実施形態の断面を示す断面図である。
【図8】 本発明の易開封性ガセット貼り袋が形成されるプラスチックを主体とした基材シートのまた他の一実施形態の断面を示す断面図である。
【符号の説明】
1…プラスチックを主体とした基材シート
2…引き裂き切り込み
3…端縁熱接着部
4…下部底接着シール部
5…スポット状接着シール部
6…底傾斜接着シール部
7…表面板
8…裏面板
9…上部開口部
10…折り込み部材
11…貫通した易封孔部
12…易封切り欠け部
13…上部天接着シール部
14…貫通孔周縁接着シール部
15…切り欠け周縁接着シール部
16…プラスチックを主体とした基材シート
17…プラスチックを主体とした基材シート
18…基材層
19…熱可塑性樹脂層
20…中間層
21…印刷層
22…プラスチックを主体とした基材シート
23…切り欠けスポット状接着部
100…易開封性ガセット貼り袋
Claims (2)
- プラスチックを主体とした基材シートからなり、対面する表裏面板の両側端部に内方への折込部を形成し、該折込部の端縁と表裏面板の両側端部が重なり合っている4箇所の長手方向を貼り合わせて端縁熱接着部を形成し、該端縁熱接着部の端辺に開封するための引き裂き切り込みを付けたガセット袋において、前記折込部の、引き裂き切り込みの形成位置に、折り込み部で折り返して重なり合う切り欠け部を設け、該切り欠け部およびその周縁を接着シールしたことを特徴とする易開封性ガセット貼り袋。
- 上記表裏面板および折込部のプラスチックを主体とした基材シート、または一部の層が引き裂き方向に引き裂き容易になっていることを特徴とする請求項1記載の易開封性ガセット貼り袋。
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