JP4296275B2 - 超臨界二酸化炭素中での水素化反応によるシトラールからの不飽和アルコールの合成方法 - Google Patents

超臨界二酸化炭素中での水素化反応によるシトラールからの不飽和アルコールの合成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4296275B2
JP4296275B2 JP2004106910A JP2004106910A JP4296275B2 JP 4296275 B2 JP4296275 B2 JP 4296275B2 JP 2004106910 A JP2004106910 A JP 2004106910A JP 2004106910 A JP2004106910 A JP 2004106910A JP 4296275 B2 JP4296275 B2 JP 4296275B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
citral
reaction
unsaturated alcohol
catalyst
hydrogenation reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004106910A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005289875A (ja
Inventor
豊 生島
チャタジー マヤ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2004106910A priority Critical patent/JP4296275B2/ja
Publication of JP2005289875A publication Critical patent/JP2005289875A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4296275B2 publication Critical patent/JP4296275B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/54Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、シトラールを、水素化することにより、不飽和アルコールを選択的に合成する方法に関するものであり、更に詳しくは、シトラールを、亜臨界ないし超臨界状態の二酸化炭素を反応媒体とし、ニッケル触媒の存在下に、水素化反応によって、不飽和アルコール(ゲラニオール)を、高転化率、高選択率で合成する方法に関するものである。
本発明は、例えば、薬品、ファインケミカル工業、香料工業において、原料又は反応中間体等として重要な位置を占める、不飽和アルコールを合成する有機化合物合成の技術分野において、高転化率で、しかも高選択率で、水素化反応を行うことが可能な合成方法を提供するものである。また、従来の、有機溶媒を反応媒体とした、シトラールからのゲラニオールの合成方法では、高転化率及び高選択率を得ることは困難であり、高い温度で長時間の反応を必要とすることがあり、また、反応混合物から、目的物である不飽和アルコールを分離精製するには多くの工程が必要である等の問題を有していることを踏まえ、本発明は、超臨界ないし超臨界二酸化炭素を反応媒体とし、ニッケル触媒の存在下に反応を遂行することにより、従来の、有機溶媒等を使用した合成法では得られなかった、高転化率及び高選択率を達成するものである。また、本発明は、生成物の分離精製が非常に容易であり、合成に、複雑な装置を必要とせず、低温で、短時間の反応で、環境に優しく、不飽和アルコールを合成することが可能な方法であって、シトラールからのゲラニオールの選択的合成に有用である。本発明は、例えば、合成香料の原料として、また、ビタミンAの合成中間体等として、香料、薬品、ファインケミカル等の技術分野においての技術開発、新産業の創出を推進するものとして有用である。
従来、α、β不飽和アルデヒドを選択的に水素化する反応は、例えば、医薬、ファインケミカル工業、香料工業等の分野で、広く関連する化合物の製造に有用な化学反応として知られている。不飽和アルデヒドであるシトラールの水素化反応生成物は、特に、香料工業で広く使用されている重要な香料原料である。シトラール分子は、2個のC=C結合と、一個のC=O結合を有し、C=C結合のうちの1個は、C=O結合と共役した構造となっている。
シトラールの水素化反応の反応経路を図1に示す。供役しているC=O結合を水素化すると、不飽和アルコールとなり、トランス、シス異性体である、ゲラニオールとネロールが生成する。一方、供役しているC=C結合を水素化すると、一方の不飽和結合が飽和したアルデヒドである、シトロネラール(P2)が生成する。更に、生成したゲラニオール(P1)、又は、シトロネラール(P2)の水素化反応を進めると、シトロネロール(P3)が生成する。これらの反応には、シス、トランス異性体化、数種の副反応、例えば、アセチル化反応、環化反応、が同時に進行して、アルデヒド基だけでなく、オレフィン性二重結合も同時に水素化されたり、アルデヒド基に供役する二重結合のみが水素化されたりする可能性があり、その結果、ゲラニオール又はネロールのほかに、シトロネロール、シトロネラールのような副生物が生成する可能性がある。そこで、シトラールの水素化反応において、副生成物が混在しない、選択率の良い反応方法が要望されていた。
これまで、シトラールを、貴金属担持触媒、例えば、Rh−Ge、Ru−Sn、や塩基触媒の存在下に、液相中で水素化する方法が報告されている(非特許文献1参照)。こうした、貴金属触媒による、シトラールの選択的水素化では、助触媒、例えば、Sn、Ge、Fe等により、生成物の選択率が向上する。また、不飽和アルコールを、Pt/TiO、Au/Feを用いて製造する方法は、十分な量の生成物を得るには、反応時間が長いばかりでなく、多量の有機溶媒を必要とした。有機溶媒の使用は、環境に優しいプロセスを形成するには、全く望ましくないことである。一方、温度、圧力、特に溶媒等の反応条件を調整することにより、生成物の選択率を変えることもできるが、疎水性溶媒、例えば、シクロヘキサン、アルコールを反応媒体とすると、酸性触媒の存在下では、複数の副反応が進行し、所望の化合物の選択率が低下する。また、シトラールを、有機溶媒中で、Pt/ZnOを触媒として水素化すると、高転化率で水素化が達成できると共に、シトロネロールの生成を抑えて、ゲラニオールを合成する方法(特許文献1参照)が報告されているが、高温での長時間の反応を必要とする等の問題点を有している。また、Ru−Fe触媒又は市販のRu触媒を使用し、有機溶媒を反応媒体とする水素化方法(特許文献2,3参照)は、比較的低温での反応が可能であるが、転化率及び選択率において改善すべき問題を有している。
特開2003−221351号公報 特開2003−245555号公報 特開2003−206248号公報 A.M.Silva,Appl.Catal.A2003,241,155-164
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記問題を抜本的に解説することが可能な、シトラールを原料にして、水素化反応により、不飽和アルコールを、高転化率でしかも高選択率で合成する方法を開発することを目標として、鋭意研究を積み重ねた結果、シトラールを、亜臨界ないし超臨界状態の二酸化炭素(以下、scCO2という。)を反応媒体として、ニッケル触媒の存在下に、水素化反応を行うことにより、不飽和アルコール(ゲラニオール)が、高転化率及び高選択率で得られること見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、シトラールを原料として、水素化反応により、不飽和アルコールを合成する反応において、メソポーラス物質にニッケルを担持した触媒及びscCOの持つ特性を生かして、ゲラニオールを高転化率、高選択率で合成することを目的とする。
また、本発明は、有機溶媒を使用しない合成方法により、廃液等の処理を必要としない、環境に優しい不飽和アルコール(ゲラニオール)の合成方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、所望の化合物を合成するための、反応条件が簡単に設定することが可能であり、しかも、従来例に比較して、低温度での反応を可能とする不飽和アルコールの合成方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、合成香料、化粧品、薬品及びファインケミカル等の幅広い技術分野において、原料又は反応中間体として有用な不飽和アルコール(ゲラニオール)を効率良く合成することが可能な合成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)水素及び触媒の存在下に、シトラールを水素化することにより、不飽和アルコールを製造する方法であって、亜臨界ないし超臨界状態の二酸化炭素を反応媒体とし、有機溶媒を使用しない方法により、Ni(II)を含有するニッケル触媒の存在下に、不飽和アルコールを選択的に合成することを特徴とするシトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
(2)メタポーラス物質に担持したニッケル触媒の存在下に、シトラールを水素化する、前記(1)に記載のシトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
(3)Ni(II)触媒の存在下に、シトラールを水素化する、前記(1)又は(2)に記載の、シトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
(4)Ni(II)を含有する触媒の存在下に、シトラールを水素化し、ゲラニオールを製造する、前記(1)に記載のシトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
(5)メタポーラス物質が、MCM−41である、前記(2)に記載の、シトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、水素及び触媒の存在下に、シトラールを水素化することにより、不飽和アルコール(ゲラニオール)を合成する方法であって、亜臨界ないし超臨界状態の二酸化炭素(scCO)を反応媒体とし、メソポーラス物質を担体とするニッケル触媒を使用することにより、高転化率及び高選択率で不飽和アルコールの合成を実証するものである。
本発明は、種々の反応ガスに対し高い溶解性を示すscCOを反応媒体とすることにより、従来、有機溶媒等を使用した、有機化合物のガス−液体相反応を利用した合成反応で、しばしば問題となっていた、物質輸送に基づく反応の限界、を避けることが可能になり、特に、臨界領域の近傍では、生成物の選択性を変更するために有意義である、との知見を踏まえ、本発明は、scCOを反応媒体とし、ニッケル触媒の存在下に、シトラールを水素化して、不飽和アルコールを合成する反応において、その溶媒としての特性を十分に生かすことにより、高度の転化率及び選択性を達成することを可能にした。
また、有機溶媒を反応媒体とする、シトラールの水素化反応により、ゲラニオールを合成する反応が報告され(特許文献1,2,3参照)、転化率及び選択率において、比較的良好である旨記載されているが、後述するように、本発明と、有機溶媒を使用した例を、同一反応条件下に対比した結果(表1参照)は、本発明が、転化率及び選択率ともに、格段の優れた効果を発揮することを示している。
次に、本発明の構成について更に説明する。
本発明において、ゲラニオールとは、シトラールの水素化反応で、ゲラニオールと同時に生成する、ゲラニオールの幾何異性体であるネロールをも含む。亜臨界ないし超臨界の二酸化炭素(臨界点:Tc=304K,Pc=73.8bar、dc=0.477g/ml)は、化合物の合成において、最も経済的で、商業的に実用化可能な反応媒体であり、不燃性、実質的に無毒であり、安全な媒体であり、環境の破壊がないため、化学的プロセスに適している。また、ScCOは、反応物の溶解製が高いことに起因して、反応中の物質移動の制限を克服し、反応速度の大きい等数々の利点を示す。また、簡単で迅速な、触媒と生成物との分離が可能である。更に、反応時の、媒体の、圧力、温度を変えることによりその密度等を調製し、反応条件を最適な範囲に保つことが可能である。そして、COと、触媒又は担体の相互作用により、反応性と選択性を制御できるという予想もしない可能性が生じる。
本発明において、触媒成分を担持するメソポーラス物質は、直径2〜50nmの孔を持つ多孔質体であり、具体的には、MCM−41、MCM−48、が例示される。ニッケル触媒によるscCO中での水素化反応は、これまで、報告されていない。従来の液層での水素化反応は、Ni(O)が活性点として反応に関与していることが知られているが、Ni(II)についての反応はほとんど知られていない。最近、scCO中で、Ni(II)、Ni(O)を、メソシリカに担持した触媒を使用した、αβ不飽和アルデヒドの水素化反応を報告した。この反応と対比するために、同じ系での水素化反応を、異なる有機溶媒を使用して実験した。また、シトラールを、水素化反応の対象物として選んだのは、シトラールが独立した二重結合及び共役した二重結合を有するからである。前報告では、C=Oの水素化反応は生起しなかった。
焼成した触媒を、X線光電子分光分析装置で測定したところ、オクタヘドラルNi(II)の存在が認められた。水素化反応の後には、Ni(II)からNi(O)が生成する。シトラールをscCO中で水素化反応すると、通常、ゲラニオールとネロール(P1)、シトネラール(P2)、シトロネロール(P3)が生成する。ヘキサン、エタノール、プロパノールを媒体とすると、いくつかの副反応物が生成する。これを、scCO中で、シトラールを、Ni(II)、又はNi(O)により触媒された、水素化反応と対比すると、本発明では、優れた結果が得られることが分かる。scCO中、Ni(II)系では,P1(ゲラニオール)の選択率はほぼ100%であり、図1に示すように、Ni(II)を使用すると、CO圧が7〜13MPaへと増加すると,P1の選択率は、急激に増大し〜10から97%となる。このときの、相の状態は、12MPa付近では,均一相であり、シトラールの溶解度は、圧力の増加とともに増加する。このように、不飽和アルコールの生成は単一相で起こる。
同じ反応を、Ni(II)又はNi(O)の存在下に、異なる数種類の有機溶媒中で行った結果を表1に示す。ヘキサン、トルエン、プロパノール、エタノールの有機溶媒を使用した場合(反応3〜6)は、どれも、Ni(II)が触媒活性を示さない。このことは、本発明の、scCO溶媒と、有機溶媒との最大の相違点であり、Ni(II)が触媒は、scCO溶媒中でのみで、P1(ゲラニオール)の高選択率が発揮されることを示している。更に、反応溶媒による反応への影響を確かめるために、溶媒の存在しない系で反応を行ったが、P1を生成する反応は進行しなかった。なお、表1に記載の反応の条件は、323K、全圧17MPa(水素分圧4MPa、残圧CO)で、0.1gの触媒の存在下に、反応原料を6.5mモル、有機溶媒は5ml使用し、反応時間は5時間である。
Figure 0004296275
これに対し、Ni(O)触媒は、選択的に、共役するC=Cを水素化し,P2(シトロネラール)を生成する。scCO中では、〜95%の選択率を示し、CO圧が7MPaでも、P2に対し〜60%の選択率を示す。有機溶媒中では、(反応4を除き)P2の選択率は、scCOに対して低い値を示すので、かなりの副生成物を生成していることが分かる(試料3,5,6)
次に、水素圧の影響を明確にするために、Hの圧力を、1〜6MPaの範囲で変化させて水素化反応を行った。343Kで、Ni(II)触媒とNi(O)触媒を使用した。Ni(O)触媒は、選択率については変化がなかったが、scCOへの水素の溶解性が増加したため転化率は向上する。これとは反対に、Ni(II)では、COの圧力が高い範囲内では、Hの圧力が>4MPaでは、圧力が増加すると共に、P2の選択率は〜70%となる。このことは、P1(ゲラニオール)の合成には、適度なH濃度が必要であり、過剰のHがあると、過剰の水素化反応が進行することを示唆する。
以上の実験結果は、シトラールを水素化して、その水素化物を製造するにあたり、Ni(II)触媒の存在下での水素化反応は、不飽和アルコールP1が、約95%の高選択率で生成し、Ni(O)触媒の存在下の水素化反応は、一部飽和したアルデヒドP2が、高選択率で生成することを示している。
本発明の、scCOを反応溶媒とする水素化反応は、他のアルデヒドの水素化反応に発展させることができる(表1)。Ni(II)触媒の存在下では、ケイ皮アルデヒドの水素化では、ケイ皮アルコールが高い選択率(77.8%)で生成し、クロトンアルデヒドでは、クロチルアルコール(53.0%、)を生成する。一方、Ni(O)触媒の存在下では、ケイ皮アルデヒドとクロトンアルデヒドから、それぞれヒドロケイ皮アルコールとブチルアルデヒドが選択的に、scCO中で得られる(表1、反応1、2)。
以上説明したように、本発明は、scCOを溶媒として、Ni(II)触媒の存在下に、シトラールを水素化反応により、その水素化物である、不飽和アルコール(P1)を、高反応率及び、高選択率で製造する方法に係るものであり、不飽和アルコールを全く生成しない有機溶媒を使用した反応からは、予測することもできない作用効果を本発明は示す。また、Ni(O)触媒とすると、炭素間二重結合の一部が水素化された、一部飽和アルデヒド(P2)が選択的に生成するが、不飽和アルコール(P1)の生成はほとんどない。したがって、本発明は、scCO溶媒とNi(II)触媒の組み合わせに特徴を有するものである。また、本発明は、Ni(II)触媒を用いてscCOを溶媒として、C=Oを水素化する、これまでに知られていない反応に基づくものであり、有機溶媒を有しないscCO中で、Ni(II)触媒の存在下で、シトラールの水素化反応により、P1(不飽和アルコール)が、効率的、選択的に製造されることが実証された。
本発明により、(1)シトラールを原料として、水素化反応により、不飽和アルコール(ゲラニオール)を高転化率、高選択率で合成することを可能とする製造方法を提供することができる、(2)生成物を、触媒及び反応媒体から容易に分離し精製することが可能な不飽和アルコールの製造法を提供することができる、(3)有機溶媒を使用しない方法であり、廃液等の処理を必要としないため、環境に優しい不飽和アルコールの製造方法を提供することができる(4)所望の化合物を合成するための、反応条件が簡単に設定することが可能であり、しかも、従来例に比較して、低温度での反応を可能とする、不飽和アルコールの製造方法を提供することができる(5)例えば、合成香料、化粧品、薬品及びファインケミカル等の幅広い技術分野において、原料又は反応中間体として有用な不飽和アルコールを効率良く製造し、提供することを可能にする、という格別な効果が奏される。
触媒の合成及び水素化反応例
Ni−MCM−41触媒を合成するにあたり、硫酸ニッケル(II)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、とテトラエチルオスソケイ酸を、NaOHの存在下に、413Kで96時間反応させた。出発ゲルの組成は、SiO:0.48CTAB:0.43NaO:0.0−0.04Ni:62.5HOであった。X線回折のパターンは、焼成前後も、ヘキサゴナルMCM−41相を示していた。触媒反応が、100mgの触媒(〜2wt%のニッケルを含有する。)を、ステンレス製50mlバッチ式反応器に入れ、343Kで1時間反応させた。なお、本発明の、水素化反応を実施するための詳細は、例えば、Appl.Catal.A,2003,241,271が参照される。
以上詳述したように、本発明は、シトラールを、亜臨界ないし超臨界状態の二酸化炭素を反応媒体として、メソポーラス物質に担持したニッケル触媒の存在下に、水素化反応を行うことにより、不飽和アルコールP1(ゲラニオール)を製造する方法に係るものであり、本発明により、不飽和アルコールが、高転化率及び高選択率で製造合成することが可能である。また、本発明は、生成物を、触媒及び反応媒体から容易に分離・精製することが可能な、シトラールの水素化反応によるゲラニオールの合成方法を提供することができる。しかも、本発明の、有機溶媒を使用しない合成方法により、廃液等の処理を必要としない、環境に優しいゲラニオールの合成方法を提供することができる。本発明は、合成香料、化粧品、薬品及びファインケミカル等の幅広い技術分野において、原料又は反応中間体として有用な不飽和アルコールを効率良く製造し、提供するものとして有用である。
シトラール水素化反応の経路と生成する化合物を示す。 Ni(II)を触媒とするシトラールの水素化反応における、二酸化炭素圧と、反応率、生成物の選択率との関係を示す。 Ni(O)を触媒とするシトラールの水素化反応における、二酸化炭素圧と、反応率、選択率との関係を示す。

Claims (5)

  1. 水素及び触媒の存在下に、シトラールを水素化することにより、不飽和アルコールを製造する方法であって、亜臨界ないし超臨界状態の二酸化炭素を反応媒体とし、有機溶媒を使用しない方法により、Ni(II)を含有するニッケル触媒の存在下に、不飽和アルコールを選択的に合成することを特徴とするシトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
  2. メタポーラス物質に担持したニッケル触媒の存在下に、シトラールを水素化する、請求項1に記載のシトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
  3. Ni(II)触媒の存在下に、シトラールを水素化する、請求項1又は2に記載の、シトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
  4. Ni(II)を含有する触媒の存在下に、シトラールを水素化し、ゲラニオールを製造する、請求項1に記載のシトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
  5. メタポーラス物質が、MCM−41である、請求項2に記載の、シトラールからの不飽和アルコールの合成方法。
JP2004106910A 2004-03-31 2004-03-31 超臨界二酸化炭素中での水素化反応によるシトラールからの不飽和アルコールの合成方法 Expired - Lifetime JP4296275B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004106910A JP4296275B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 超臨界二酸化炭素中での水素化反応によるシトラールからの不飽和アルコールの合成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004106910A JP4296275B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 超臨界二酸化炭素中での水素化反応によるシトラールからの不飽和アルコールの合成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005289875A JP2005289875A (ja) 2005-10-20
JP4296275B2 true JP4296275B2 (ja) 2009-07-15

Family

ID=35323235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004106910A Expired - Lifetime JP4296275B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 超臨界二酸化炭素中での水素化反応によるシトラールからの不飽和アルコールの合成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4296275B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005289875A (ja) 2005-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5149796B2 (ja) プロセス
Stolle et al. Hydrogenation of citral: a wide-spread model reaction for selective reduction of α, β-unsaturated aldehydes
CN107522583B (zh) 制备不饱和化合物的循环经济方法
US4465787A (en) Ruthenium-on-charcoal and ruthenium-on-carbon black hydrogenation catalysts, their preparation and their use for selective hydrogenation of unsaturated carbonyl compounds
JP2003506341A (ja) 3−ヒドロキシプロパナールの1,3−プロパンジオールへの接触水素添加
JP2007070358A (ja) アセトンの水素化
JP6386909B2 (ja) 異性化用銅系触媒前駆体の製造方法
Thomas et al. Bimetallic nanocatalysts for the conversion of muconic acid to adipic acid
JP2008540330A (ja) 飽和ニトリルの製造方法
TW201010791A (en) Catalyst and process for preparing saturates ethers by hydrogenating unsaturated ethers
JP4552031B2 (ja) シトラール水素化物の製造方法
Lucas et al. Hydrogenations over Silver: A Highly Active and Chemoselective Ag‐In/SiO2 Catalyst for the One‐Step Synthesis of Allyl Alcohol from Acrolein
JP2010202666A (ja) ヒドロキシエチルシクロヘキサン及びヒドロキシエチルピペリジンの製造法
Uysal et al. New heterogeneous B (OEt) 3-MCM-41 catalyst for preparation of α, β-unsaturated alcohols
WO2007013156A1 (ja) シトラール水素化物の製造方法
JP4296275B2 (ja) 超臨界二酸化炭素中での水素化反応によるシトラールからの不飽和アルコールの合成方法
JP2003221351A (ja) Pt/ZnO触媒の存在下においてカルボニル化合物の選択的液相水素化により対応するアルコールを生成させる方法
Asedegbega-Nieto et al. Modification of the stereoselectivity in the citral hydrogenation by application of carbon nanotubes as support of the Pt particles
JP2017523238A (ja) 2,3−ブタンジオールを製造するための方法
JP3961938B2 (ja) テトラヒドロゲラニオールの製造
JPS5941974B2 (ja) α,β−不飽和アルデヒド類の水素添加方法
JPS62265238A (ja) パ−ヒドロアセナフテンシス体の選択的製造方法
TW200948771A (en) Method for manufacturing compounds having an adamantane structure
Mohire et al. Ru supported on Ni phyllosilicate-modified MCF as a novel nanocatalyst for selective hydrogenation of biobased citronellal to citronellol
JP2011231048A (ja) アルキルアリールケトンの水素化法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350