JP4295048B2 - ノズル装置および衛生洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置に関する。
人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置においては、使用者の好みに応じた洗浄を実現すべく各種機能が案出されてきた。例えば、使用者の好みに応じた洗浄を実現するためにノズルから噴出される洗浄水の水勢や噴出形態を調整する機能が設けられている。使用者は、自己の嗜好に応じてノズルから噴出される洗浄水の水勢や噴出形態を調整することができる。
例えば、洗浄水の広がり角度の変更が可能な人体洗浄装置がある(例えば、特許文献1参照)。
従来の人体洗浄装置は、吐水孔に連通するようにノズルに形成された旋回付与室と、旋回付与室の軸心に指向した軸心指向管路と、旋回付与室に偏心した偏心管路とを備える。この場合、旋回付与室への軸心指向管路と偏心管路との両管路から洗浄水の流入を図ることで、旋回付与室の内壁面に沿った旋回力を付与した洗浄水の吐水を行うことができ、また、軸心指向管路のみへの洗浄水の流入を図ることで、旋回力のない洗浄水の吐水を行うことができる。
このように、従来の人体洗浄装置では、旋回力程度の可変並びに洗浄範囲の広狭設定を行うことができる。
特許3292185号公報
しかしながら、上記の従来の人体洗浄装置において、軸心指向管路のみから旋回付与室に洗浄水が供給された場合、旋回付与室内で洗浄水の流れが乱れ、必ずしも直線流を安定して被洗浄面に供給することができない。
本発明の目的は、噴出孔から噴出される洗浄水の流れを安定して制御することができるノズル装置およびそれを備えた衛生洗浄装置を提供することである。
従来の課題を解決するために、本発明のノズル装置は、洗浄水を噴出するための噴出孔を有するノズル本体と、上流部および筒状の噴出孔近傍部からなり、噴出孔に洗浄水を供給する第1の流路と、噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように噴出孔近傍部に連通し、洗浄水を供給する第2の流路とを備え、第1の流路の噴出孔近傍部は、噴出孔に連通する上部開口、断面略円形の内周面、および底部を有し、第1の流路の上流部は噴出孔近傍部の中心軸に対して第2の流路と反対側にかつ第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように噴出孔近傍部に底部側から連通し、第2の流路は、噴出孔近傍部の底部と噴出孔との中間部で内周面から噴出孔近傍部内に連通するものである。
また、本発明のノズル装置は、洗浄水を噴出するための噴出孔を有するノズル本体と、上流部および筒状の噴出孔近傍部からなり、噴出孔に洗浄水を供給する第1の流路と、噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように噴出孔近傍部に連通し、洗浄水を供給する第2の流路とを備え、第1の流路の噴出孔近傍部は、噴出孔に連通する上部開口、断面略円形の内周面、および底部を有し、第1の流路の上流部は、噴出孔近傍部の中心軸に対して第2の流路と反対側にかつ第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように噴出孔近傍部に底部側から連通し、記噴出孔近傍部は、第1の流路の上流部から噴出孔近傍部の中心軸に対して交差する方向に供給される洗浄水の流れを噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向に案内する整流部を有するものである。
本発明によれば、第2の流路は、第1の流路の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように噴出孔近傍部に連通している。それにより、第2の流路を流動して噴出孔近傍部の中心軸に交差する方向から供給される洗浄水の運動エネルギーが、噴出孔近傍部の曲面により強い周方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第2の流路を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、強い分散流となる。
また、第1の流路の上流部は、噴出孔近傍部の中心軸に対して第2の流路と反対側にかつ第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように噴出孔近傍部に底部側から連通している。それにより、第1の流路の上流部を流動して供給される洗浄水の運動エネルギーの一部が、周方向の運動エネルギーに変換されるとともに、運動エネルギーの大部分が噴出孔に向いた中心軸方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第1の流路の上流部を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、わずかな分散流を含む直線流となる。この場合、洗浄水が、第1の流路の上流部のみから噴出孔近傍部に供給された場合でも、噴出孔から噴出される洗浄水の流れが安定し、安定した直線流を被洗浄面に供給することができる。さらに、第2の流路から噴出孔近傍部内に供給される洗浄水の流れの周方向が、第1の流路の上流部から噴出孔近傍部内に供給される洗浄水の流れの方向と逆方向になる。それにより、第1の流路の上流部を流れる洗浄水と第2の流路を流れる洗浄水とが噴出孔近傍部で合流することにより、安定した分散流を噴出孔から噴出させたり、安定した直線流を噴出孔から噴出させたりすることができる。その結果、噴出孔から噴出される洗浄水の形態を容易に制御することが可能となる。
請求項1記載のノズル装置は、洗浄水を噴出するノズル装置であって、洗浄水を噴出するための噴出孔を有するノズル本体と、上流部および筒状の噴出孔近傍部からなり、噴出孔に洗浄水を供給する第1の流路と、噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように噴出孔近傍部に連通し、洗浄水を供給する第2の流路とを備え、第1の流路の噴出孔近傍部は、噴出孔に連通する上部開口、断面略円形の内周面、および底部を有し、第1の流路の上流部は噴出孔近傍部の中心軸に対して第2の流路と反対側にかつ第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように噴出孔近傍部に底部側から連通し、第2の流路は、噴出孔近傍部の底部と噴出孔との中間部で内周面から噴出孔近傍部内に連通するものである。
請求項1記載のノズル装置においては、第2の流路から洗浄水が筒状の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心しつつ噴出孔近傍部内に供給される。噴出孔近傍部に供給された洗浄水は、噴出孔近傍部の上部に連通する噴出孔から噴出される。また、第1の流路の上流部から洗浄水が筒状の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心しつつ噴出孔近傍部内に供給される。噴出孔近傍部に供給された洗浄水は、噴出孔近傍部の上部に連通する噴出孔から噴出される。
この場合、第2の流路は、第1の流路の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように噴出孔近傍部の底部と噴出孔との中間部で内周面から噴出孔近傍部内に連通している。そのため、第2の流路から噴出孔までの距離が短い。それにより、第2の流路を流動して噴出孔近傍部内に供給される洗浄水の運動エネルギーが、噴出孔近傍部の曲面により強い周方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第2の流路を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、強い分散流となる。
また、第1の流路の上流部は、噴出孔近傍部の中心軸に対して第2の流路と反対側にかつ第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように噴出孔近傍部に底部側から連通している。それにより、第1の流路の上流部を流動して供給される洗浄水の運動エネルギーの一部が周方向の運動エネルギーに変換されるとともに、運動エネルギーの大部分が噴出孔に向いた噴出孔近傍部の中心軸方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第1の流路を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、わずかな分散流を含む直線流となる。
この場合、洗浄水が、第1の流路の上流部のみから供給された場合でも、噴出孔から噴出される洗浄水の流れが安定し、安定した直線流を被洗浄面に供給することができる。さらに、第2の流路から噴出孔近傍部内に供給される洗浄水の流れの周方向が、第1の流路の上流部から噴出孔近傍部内に供給される洗浄水の流れの方向と逆方向になる。その結果、第1の流路の上流部を流れる洗浄水と第2の流路を流れる洗浄水とが噴出孔近傍部で合流することにより、安定した分散流を噴出孔から噴出させたり、安定した直線流を噴出孔から噴出させたりすることができる。その結果、噴出孔から噴出される洗浄水の形態を容易に制御することが可能となる。
請求項2記載のノズル装置は、請求項1記載のいずれかのノズル装置の構成において、第2の流路は、噴出孔近傍部の内周面から噴出孔近傍部内に連通するように設けられるものである。
この場合、第2の流路は、噴出孔近傍部の内周面から噴出孔近傍部内に連通するように設けられるので、噴出孔までの距離が短く、強い周方向の洗浄水を噴出孔から噴出させることができる。一方、第1の流路の上流部は、噴出孔近傍部に連通しているので、洗浄水を噴出孔近傍部の中心軸方向に沿って、ほぼ直線流として噴出孔から噴出させることができる。
請求項3記載のノズル装置は、洗浄水を噴出するノズル装置であって、洗浄水を噴出するための噴出孔を有するノズル本体と、上流部および筒状の噴出孔近傍部からなり、噴出孔に洗浄水を供給する第1の流路と、噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように噴出孔近傍部に連通し、洗浄水を供給する第2の流路とを備え、第1の流路の噴出孔近傍部は、噴出孔に連通する上部開口、断面略円形の内周面、および底部を有し、第1の流路の上流部は、噴出孔近傍部の中心軸に対して第2の流路と反対側にかつ第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように噴出孔近傍部に底部側から連通し、噴出孔近傍部は、第1の流路の上流部から噴出孔近傍部の中心軸に対して交差する方向に供給される洗浄水の流れを噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向に案内する整流部を有するものである。
請求項3記載のノズル装置においては、第2の流路から洗浄水が筒状の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心しつつ噴出孔近傍部の中心軸に対して交差する方向に供給される。噴出孔近傍部に供給された洗浄水は、噴出孔近傍部の上部に連通する噴出孔から噴出される。また、第1の流路の上流部から洗浄水が筒状の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心しつつ噴出孔近傍部内に供給される。噴出孔近傍部に供給された洗浄水は、噴出孔近傍部の上部に連通する噴出孔から噴出される。
この場合、第2の流路は、第1の流路の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように噴出孔近傍部に連通している。それにより、第2の流路を流動して噴出孔近傍部の中心軸に交差する方向から供給される洗浄水の運動エネルギーが、噴出孔近傍部の曲面により強い周方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第2の流路を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、強い分散流となる。
また、第1の流路の上流部は、噴出孔近傍部の中心軸に対して第2の流路と反対側にかつ第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように噴出孔近傍部に底部側から連通している。また、噴出孔近傍部は、第1の流路の上流部から噴出孔近傍部の中心軸に対して交差する方向に供給される洗浄水の流れを噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向に案内する整流部を有する。それにより、第1の流路の上流部を流動して供給される洗浄水の運動エネルギーの一部が周方向の運動エネルギーに変換されるとともに、運動エネルギーの大部分が噴出孔に向いた噴出孔近傍部の中心軸方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第1の流路の上流部から供給される洗浄水の運動エネルギーの損失を低減しつつ洗浄水を噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向に案内することができる。その結果、第1の流路を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、わずかな分散流を含む直線流となる。
この場合、洗浄水が、第1の流路の上流部のみから供給された場合でも、噴出孔から噴出される洗浄水の流れが安定し、安定した直線流を被洗浄面に供給することができる。さらに、第2の流路から噴出孔近傍部内に供給される洗浄水の流れの周方向が、第1の流路の上流部から噴出孔近傍部内に供給される洗浄水の流れの方向と逆方向になる。したがって、第1の流路の上流部を流れる洗浄水と第2の流路を流れる洗浄水とが噴出孔近傍部で合流することにより、安定した分散流を噴出孔から噴出させたり、安定した直線流を噴出孔から噴出させたりすることができる。その結果、噴出孔から噴出される洗浄水の形態を容易に制御することが可能となる。
請求項4記載のノズル装置は、請求項3記載のノズル装置の構成において、整流部は、凹面状の整流部材を含むものである。この場合、整流部が、凹面状の整流部材を含むので、さらに、第1の流路の上流部から供給される洗浄水の運動エネルギーの損失をさらに低減しつつ洗浄水を噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向に案内することができる。
請求項5記載のノズル装置は、請求項4記載のノズル装置の構成において、整流部は、第1の流路の上流部から噴出孔近傍部内に供給された洗浄水の周方向の流れを噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向の流れに変換する方向変換部を有するものである。
この場合、第1の流路の上流部から噴出孔近傍部内に供給された洗浄水の周方向の流れが方向変換部により噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向の流れに変換されるので、第1の流路の上流部から供給される洗浄水の運動エネルギーの損失をさらに低減しつつ洗浄水を噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向に効率よく案内することができる。
請求項6記載のノズル装置は、請求項5記載のノズル装置の構成において、方向変換部は、整流板を含むものである。この場合、方向変換部は、整流板を含むので、第1の流路の上流部から供給される洗浄水の運動エネルギーの損失を低減しつつ洗浄水を噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向にさらに効率よく案内することができる。
請求項7記載のノズル装置は、請求項3〜6記載のいずれかのノズル装置の構成において、整流部は、第1の流路の上流部から供給されるわずかな洗浄水の周方向の流れを抑制する方向に湾曲しているものである。
この場合、第2の流路から供給される洗浄水の周方向の流れを抑制する方向に整流部が湾曲しているので、第2の流路から供給される洗浄水の弱い周方向の流れを抑制するとともに、第2の流路から供給される洗浄水の運動エネルギーの損失を低減しつつ洗浄水を噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向に案内することができる。
請求項8記載のノズル装置は、請求項1〜7のいずれかに記載のノズル装置の構成において、第1の流路の上流部と噴出孔近傍部との接続部において噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面での上流部の幅が噴出孔近傍部の内径の2分の1以上であり、第2の流路と噴出孔近傍部との接続部において噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面での第2の流路の幅が噴出孔近傍部の内径の2分の1以下であるものである。
この場合、第2の流路と噴出孔近傍部との接続部において噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面での第2の流路の幅が噴出孔近傍部の内径の2分の1以下である。それにより、第2の流路を流動して噴出孔近傍部の中心軸に交差する方向から供給される洗浄水の運動エネルギーが、噴出孔近傍部の曲面により強い周方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第2の流路を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、強い分散流となる。
また、第1の流路の上流部と噴出孔近傍部との接続部において噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面での第1の流路の上流部の幅が噴出孔近傍部の内径の2分の1以上である。それにより、第1の流路の上流部を流動して供給される洗浄水の運動エネルギーの一部が周方向の運動エネルギーに変換されるとともに、運動エネルギーの大部分が噴出孔に向いた噴出孔近傍部の中心軸方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第1の流路を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、わずかな分散流を含む直線流となる。
この場合、洗浄水が、第1の流路の上流部のみから供給された場合でも、噴出孔から噴出される洗浄水の流れが安定し、安定した直線流を被洗浄面に供給することができる。その結果、噴出孔から噴出される洗浄水の形態を容易に制御することが可能となる。
請求項9記載のノズル装置は、請求項1〜8のいずれかに記載のノズル装置の構成において、噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面において第2の流路と噴出孔近傍部との接続部における噴出孔近傍部の内周面に沿った長さが噴出孔近傍部の内周面の全長の4分の1以下であり、噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面において第1の流路の上流部と噴出孔近傍部との接続部における噴出孔近傍部の内周面に沿った長さが噴出孔近傍部の内周面の全長の4分の1以上でかつ2分の1以下であるものである。
この場合、噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面において第2の流路と噴出孔近傍部との接続部において噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面での噴出孔近傍部の内周面に沿った全長が噴出孔近傍部の内周壁の全長の4分の1以下であるため、第2の流路を流動した洗浄水は、噴出孔近傍部の中心軸に対して大きく偏心して供給され、噴出孔近傍部内の内周壁により強い分散流となる。また、噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面において第1の流路の上流部と噴出孔近傍部との接続部における噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面での噴出孔近傍部の内周面に沿った長さが噴出孔近傍部の内周面の全長の4分の1以上でかつ2分の1以下であるため、第1の流路の上流部を流動した洗浄水の一部は、噴出孔近傍部の中心軸に対してわずかに偏心して供給され、噴出孔近傍部内の内周壁により弱い分散流を含む直線流となる。
請求項10記載の衛生洗浄装置は、給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、給水源から供給される洗浄水を第1の流路および第2の流路のうち一方または両方に選択的に供給する流路選択手段と、請求項1〜9のいずれかに記載の流路選択手段により供給された洗浄水を噴出孔から噴出するノズル装置とを備えたものである。
請求項10記載の衛生洗浄装置においては、給水源から供給される洗浄水が流路選択手段により第1の流路および第2の流路のうち一方または両方に選択的に供給される。ノズル装置では、第2の流路から洗浄水が筒状の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心しつつ中心軸に対して交差する方向に供給される。噴出孔近傍部に供給された洗浄水は、噴出孔近傍部の一端側に設けられた噴出孔から噴出される。また、第1の流路の上流部から洗浄水が筒状の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心しつつ噴出孔近傍部内に供給される。噴出孔近傍部に供給された洗浄水は、噴出孔近傍部の一端側に設けられた噴出孔から噴出される。
この場合、第2の流路は、第1の流路の噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように噴出孔近傍部に連通している。それにより、第2の流路を流動して噴出孔近傍部の中心軸に交差する方向から供給される洗浄水の運動エネルギーが、噴出孔近傍部の曲面により強い周方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第2の流路を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、強い分散流となる。
また、第1の流路の上流部は、噴出孔近傍部の中心軸に対して第2の流路と反対側にかつ第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように噴出孔近傍部に底部側から連通している。それにより、第1の流路を流動して噴出孔近傍部の他端側から供給される洗浄水の運動エネルギーの一部が周方向の運動エネルギーに変換されるとともに、運動エネルギーの大部分が噴出孔に向いた噴出孔近傍部の中心軸方向の運動エネルギーに変換される。したがって、第1の流路を流動して噴出孔から噴出される洗浄水は、わずかな分散流を含む直線流となる。
この場合、洗浄水が、第1の流路の上流部のみから供給された場合でも、噴出孔から噴出される洗浄水の流れが安定し、安定した直線流を被洗浄面に供給することができる。さらに、第2の流路から噴出孔近傍部内に供給される洗浄水の流れの周方向が、第1の流路の上流部から噴出孔近傍部内に供給される洗浄水の流れの方向と逆方向になる。その結果、第1の流路の上流部を流れる洗浄水と第2の流路を流れる洗浄水とが噴出孔近傍部で合流することにより、安定した分散流を噴出孔から噴出させたり、安定した直線流を噴出孔から噴出させたりすることができる。その結果、噴出孔から噴出される洗浄水の形態を容易に制御することが可能となる。
請求項11記載の衛生洗浄装置は、請求項10記載の衛生洗浄装置の構成において、ノズル本体は、洗浄水を収容するシリンダ部と、噴出孔ならびに第1および第2の流路を有しかつシリンダ部内に移動可能に挿入されたピストン部とを含み、供給される洗浄水の圧力によりピストン部が所定の洗浄位置までシリンダ部から突出するものである。
この場合、ノズル本体に供給される洗浄水がシリンダ部内に収容され、洗浄水の圧力によりピストン部が所定の洗浄位置までシリンダ部から突出する。それにより、衛生洗浄装置を大型化することなく非洗浄時にノズル本体に付着することが防止される。また、洗浄水の圧力によりシリンダ部内からピストン部が突出するため、モータ等の他の駆動装置を必要とせず、構造が簡素化する。したがって、衛生洗浄装置の小型化および低コスト化を実現することができる。
請求項12記載の衛生洗浄装置は、請求項10または11記載の衛生洗浄装置の構成において、第1の流路および第2の流路に供給される洗浄水の流量比を制御する流量比制御手段をさらに備えるものである。
この場合、流量比制御手段により第1の流路および第2流路に供給される洗浄水の流量比を制御することができる。それにより、第1の流路に流れる洗浄水の流量および第2の流路に流れる洗浄水の流量を任意にかつ連続的に変化させることができ、噴出孔から噴出される洗浄水の噴出形態、広がり角度および洗浄面積を連続的に変化させることができる。また、使用者の嗜好または体調に応じて洗浄水の噴出形態および流量を任意に調整することが可能となる。
請求項13記載の衛生洗浄装置は、請求項12記載の衛生洗浄装置の構成において、噴出孔から噴出される洗浄水の広がり角度を設定する広がり角度設定手段をさらに備え、
流量比制御手段は、広がり角度設定手段の設定に基づいて第1の流路に供給する洗浄水の流量および第2の流路に供給する洗浄水の流量の比率を制御するものである。
この場合、広がり角度設定手段の設定に基づいて第1の流路に供給する洗浄水の流量および第2の流路に供給する洗浄水の流量の比率を制御することにより、噴出手段から噴出される分散流の広がり角度を任意に変化させることができる。
請求項14記載の衛生洗浄装置は、請求項12または13記載の衛生洗浄装置の構成において、直線流の噴出を指示する直線流指示手段をさらに備え、流量比制御手段は、直線流指示手段の指示に応答して第2の流路に供給する洗浄水の流量よりも第1の流路に供給する洗浄水の流量を多くするように制御するものである。
この場合、直線流指示手段の指示に応答して第2の流路に供給する洗浄水の流量よりも第1の流路に供給する洗浄水の流量を多くするように制御することにより、噴出手段から直線流を噴出させることができる。
請求項15記載の衛生洗浄装置は、請求項12〜14記載のいずれかの衛生洗浄装置の構成において、流量比制御手段は、第1の流路に供給する洗浄水の流量および第2の流路に供給する洗浄水の流量の比率を連続的に制御するものである。
この場合、噴出孔から噴出される洗浄水の噴出形態および広がり角度を連続的に変化させることができる。
請求項16記載の衛生洗浄装置は、請求項12〜15記載のいずれかの衛生洗浄装置の構成において、噴出手段より噴出する洗浄水の噴出形態を繰り返し変化させる動作を指示する洗浄水変動指示手段をさらに備え、流量比制御手段は、洗浄水変動指示手段の指示に応答して、第1の流路に供給する洗浄水の流量および第2の流路に供給する洗浄水の流量の比率を連続的に繰り返し変化させるものである。
この場合、洗浄水変動指示手段の指示に応答して第1の流路に供給する洗浄水の流量および第2の流路に供給する洗浄水の流量の比率を連続的に繰り返し変化させることにより、噴出手段から噴出される洗浄水の噴出形態を分散流、直線流および分散流に連続的に切り替えるとともに分散流の広がり角度を連続的に変化させることができる。それにより、マッサージ効果を得ることが可能となる。
請求項17記載の衛生洗浄装置は、請求項12〜16記載のいずれかの衛生洗浄装置の構成において、流路選択手段は、流量比制御手段を含むものである。この場合、流量比制御手段が流路選択手段に含まれるので、流量比制御手段を別途設ける必要がなく、衛生洗浄装置の小型化および簡素化が図られる。
請求項18記載の衛生洗浄装置は、請求項10〜17記載のいずれかの衛生洗浄装置の構成において、給水源から供給される洗浄水を加熱する加熱手段をさらに備えるものである。この場合、給水源からの洗浄水が加熱手段により加熱されるので、噴出孔から適度に加熱された洗浄水を噴出することができる。これにより、使用者に不快感を感じさせることなく人体の局部を洗浄することが可能となる。
請求項19記載の衛生洗浄装置は、請求項18記載の衛生洗浄装置の構成において、加熱手段は、給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する瞬間式加熱装置である。
この場合、瞬間式加熱手段により洗浄水が流動されつつ加熱される。それにより、衛生洗浄装置の使用時にのみ洗浄水の加熱が行われるので、消費電力を最小限に抑えることができる。また、洗浄水を貯える貯水タンク等が不要となるため、省スペース化が実現される。さらに、洗浄時間が長くなった場合でも、洗浄水の温度の低下が生じない。
(第1の実施例)
以下、本発明の第1の実施例に係る衛生洗浄装置について説明する。
図1は第1の実施例に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。
図1に示すように、便器600上に衛生洗浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管に接続されており、便器600内に洗浄水を供給する。
衛生洗浄装置100は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。
本体部200には、便座部400および蓋部500が開閉自在に取り付けられる。さらに、本体部200には、ノズル部30を含む洗浄水供給機構が設けられるとともに、制御部が内蔵されている。本体部200の制御部は、後述するように遠隔操作装置300により送信される信号に基づいて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、本体部200の制御部は、便座部400に内蔵されたヒータ、本体部200に設けられた脱臭装置(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御も行う。
図2は図1の遠隔操作装置300の一例を示す模式図である。
図2に示すように、遠隔操作装置300は、複数のLED(発光ダイオード)301a,301b,301c、複数の調整スイッチ302、おしりスイッチ303、マッサージスイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307、脱臭スイッチ308およびパワースイッチ309を備える。
使用者により調整スイッチ302、おしりスイッチ303、マッサージスイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307、脱臭スイッチ308およびパワースイッチ309が押下操作される。それにより、遠隔操作装置300は、後述する衛生洗浄装置100の本体部200に設けられた制御部に所定の信号を無線送信する。本体部200の制御部は、遠隔操作装置300より無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
例えば、使用者が、おしりスイッチ303またはビデスイッチ306を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30が移動して洗浄水が噴出する。マッサージスイッチ304を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30から人体の局部に刺激を与える洗浄水が噴出される。このマッサージスイッチ304を押下操作した場合の詳細については後述する。パワースイッチ309を押下操作することによりノズル部30から多量の洗浄水が噴出される。停止スイッチ305を押下操作することによりノズル部30からの洗浄水の噴出が停止する。
また、乾燥スイッチ307を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置100の温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。脱臭スイッチ308を押下操作することにより衛生洗浄装置100の脱臭装置(図示せず)により周辺の脱臭が行われる。
調整スイッチ302は、水勢強調整スイッチ302a、水勢弱調整スイッチ302b、温度低調整スイッチ302c、温度高調整スイッチ302d、噴出形態集中調整スイッチ302eおよび噴出形態分散調整スイッチ302fを含む。
使用者が、噴出形態集中調整スイッチ302eおよび噴出形態分散調整スイッチ302fを押下操作することにより図1の衛生洗浄装置100の本体部200のノズル部30より噴出される洗浄水の噴出形態が変化し、温度低調整スイッチ302cおよび温度高調整スイッチ302dを押下操作することにより、ノズル部30より噴出される洗浄水の温度が変化する。また、水勢強調整スイッチ302aおよび水勢弱調整スイッチ302bを押下操作することにより、ノズル部30より噴出される洗浄水の水勢(圧力)が変化する。
また、水勢強調整スイッチ302aの押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301aが点灯し、水勢弱調整スイッチ302bの押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301aが消灯する。温度高調整スイッチ302dの押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301cが点灯し、温度低調整スイッチ302cの押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301cが消灯する。噴出形態分散調整スイッチ302fの押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301bが点灯し、噴出形態集中調整スイッチ302eの押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301bが消灯する。
以下、本実施例に係る衛生洗浄装置100の本体部200について説明を行う。図3は本実施例に係る衛生洗浄装置100の本体部200の構成を示す模式図である。
図3に示す本体部200は、制御部4、分岐水栓5、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10、熱交換器11、温度センサ12a,12b、ポンプ13、切替弁14およびノズル部30を含む。また、ノズル部30は、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3を含む。
図3に示すように、水道配管201に分岐水栓5が介挿される。また、分岐水栓5と熱交換器11との間に接続される配管202に、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10および温度センサ12aが順に介挿されている。さらに、熱交換器11と切替弁14との間に接続される配管203に、温度センサ12bおよびポンプ13が介挿されている。
まず、水道配管201を流れる浄水が、洗浄水として分岐水栓5によりストレーナ6に供給される。ストレーナ6により洗浄水に含まれるごみや不純物等が除去される。次に、逆止弁7により配管202内における洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁8により配管202内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。
また、ポンプ13と切替弁14との間にはリリーフ管204が接続され、止水電磁弁9と流量センサ10との間には、逃がし水配管205が接続されている。リリーフ配管204には、リリーフ弁206が介挿されている。リリーフ弁206は、配管203の特にポンプ13の下流側の圧力が所定値を超えると開成し、異常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止する。一方、定流量弁8によって流量が調節され供給される洗浄水のうちポンプ13で吸引されない洗浄水を逃がし水配管205から放出する。これにより、水道供給圧に左右されることなくポンプ13には所定の背圧が作用することになる。
次いで、流量センサ10は、配管202内を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部4に測定流量値を与える。また、温度センサ12aは、配管202内を流れる洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
続いて、熱交換器11は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、配管202を通して供給された洗浄水を所定の温度に加熱する。温度センサ12bは、熱交換器11により所定の温度に加熱された洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
ポンプ13は、熱交換器11により加熱された洗浄水を制御部4により与えられる制御信号に基づいて、切替弁14に圧送する。切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、ノズル部30のおしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つに洗浄水を供給する。それにより、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つより洗浄水が噴出される。また、切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、ノズル部30より噴出される洗浄水の流量を調整する。それにより、ノズル部30より噴出される洗浄水の流量が変化する。
制御部4は、図1の遠隔操作装置300から無線送信される信号、流量センサ10から与えられる測定流量値および温度センサ12a,12bから与えられる温度測定値に基づき止水電磁弁9、熱交換器11、ポンプ13および切替弁14に対して制御信号を与える。
図4は熱交換器11の構造の一例を示す一部切り欠き断面図である。
図4に示すように、樹脂ケース504内に曲折された蛇行配管510が埋設されている。蛇行配管510に接触するように平板状のセラミックヒータ505が設けられている。矢印Yで示すように、洗浄水が、給水口511から蛇行配管510内に供給され、蛇行配管510中を流れる間に、セラミックヒータ505により効率よく加熱され、排出口512から排出される。
図3の制御部4は、温度センサ12bより与えられる温度測定値に基づいて、熱交換器11のセラミックヒータ505の温度をフィードバック制御する。
本実施例においては、制御部4がフィードバック制御により熱交換器11のセラミックヒータ505の温度を制御することとしたが、これに限定されず、フィードフォワード制御によりセラミックヒータ505の温度を制御してもよく、あるいは、温度上昇時には、フィードフォワード制御によりセラミックヒータ505を制御し、定常時には、フィードバック制御によりセラミックヒータ505を制御する複合的な制御を行ってもよい。
図5はポンプ13の構造の一例を示す断面図である。図5のポンプは複動型レシプロポンプである。
図5において、本体部138内には、円柱状空間139が形成されている。円柱状空間139内には圧送ピストン136が設けられている。圧送ピストン136の外周部には、X字パッキン136aが装着されている。圧送ピストン136により円柱状空間139がポンプ室139aとポンプ室139bとに分割される。
本体部138の一側部には洗浄水入口PIが設けられ、他側部には洗浄水出口POが設けられている。洗浄水入口PIには図3の配管203を介して熱交換器11が接続され、洗浄水出口POには配管203を介して切替弁14が接続される。
洗浄水入口PIは、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに連通するとともに、内部流路P2、小室S2および小室S4を介してポンプ室139bに連通している。
ポンプ室139aは、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POに連通している。円柱状空間139bは、小室S6、小室S8および内部流路P4を介して洗浄水出口POに連通している。
小室S3、小室S4、小室S7および小室S8には、それぞれアンブレラパッキン137が設けられている。
モータ130の回転軸にギア131が取り付けられ、ギア131にギア132が噛合っている。また、ギア132には、クランクシャフト133の一端が一点支持で回動可能に取り付けられ、クランクシャフト133の他端には、ピストン保持部134およびピストン保持棒135を介して圧送ピストン136が取り付けられている。
図3の制御部4により与えられる制御信号に基づいて、モータ130の回転軸が回転すると、モータ130の回転軸に取り付けられたギア131が矢印R1の方向に回転し、ギア132が矢印R2の方向に回転する。これにより、圧送ピストン136が図中の矢印Zの方向に上下運動する。
図6はアンブレラパッキン137の動作を説明するための模式図である。例えば、図5の圧送ピストン136が、下方向に移動し、ポンプ室139aの容積を増加させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図6(b)に示すように変形する。その結果、洗浄水入口PIから供給された洗浄水が、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに流入する。この場合、小室S7の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図6(a)に示す状態のまま変形しない。そのため、洗浄水がポンプ室139a内へ流入したり、逆に洗浄水出口POより吐出されることもない。
一方、図5の圧送ピストン136が、上方向に移動し、ポンプ室139aの容積を減少させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が高くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図6(a)に示す状態のまま変形しない。その結果、小室S1内の洗浄水が、ポンプ室139aに流入しない。この場合、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図6(b)に示すように変形する。そのため、ポンプ室139a内の洗浄水が、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POから吐出される。
なお、小室S4内に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図6(b)に示すように変形し、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図6(a)に示す状態のまま変形しない。一方、小室S8に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図6(a)に示す状態のまま変形せず、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図6(b)に示すように変形する。それにより、ポンプ室139a内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出されるときに、ポンプ室139b内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入し、ポンプ室139a内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入するときに、ポンプ室139b内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出される。
図7は図5のポンプ13の圧力変化を示す図である。図7の縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。
図7に示すように、ポンプ13の洗浄水入口PIに圧力Piの洗浄水が供給される。この場合、図6の圧送ピストン136が上下方向に運動することにより、ポンプ室139a内の洗浄水の圧力Paは、点線のように変化する。一方、ポンプ室139b内の洗浄水の圧力Pbは、破線のように変化する。ポンプ13の洗浄水出口POより吐出される洗浄水の圧力Poutは、太い実線で示すように、圧力Pcを中心として上下に周期的に変化する。
なお、本実施例においては、ポンプ13の洗浄水出口POより吐出される洗浄水の圧力変動の周波数は20Hz以上60Hz以下に制御される。
このように、ポンプ13においては、圧送ピストン136が上下運動を行うことにより、ポンプ室139aまたはポンプ室139b内の洗浄水に対して交互に圧力が加えられ、洗浄水入口PIの洗浄水が昇圧されて洗浄水出口POから吐出される。また、圧力変動の周波数を20Hz以上60Hz以下に制御することにより、洗浄水の圧力変動を体感することができ、洗浄感が向上する。
図8(a)は切替弁14の縦断面図であり、図8(b)は図8(a)の切替弁14のA−A線断面図であり、図8(c)は図8(a)の切替弁14のB−B線断面図であり、図8(d)は図8(a)の切替弁14のC−C線断面図である。
図8に示す切替弁14は、モータ141、内筒142および外筒143により構成される。
外筒143内に内筒142が挿入され、モータ141の回転軸が内筒142に取り付けられている。モータ141は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて回転動作を行う。モータ141が回転することにより内筒142が回転する。
図8(a),(b),(c),(d)に示すように、外筒143の一端には、洗浄水入口143aが設けられ、側部の対向する位置に洗浄水出口143b,143cが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143cと異なる位置に洗浄水出口143dが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143c,143dと異なる位置に洗浄水出口143eが設けられている。内筒142の互いに異なる位置に孔142e,142f,142gが設けられている。孔142e,142fの周辺には、図8(b),(c)に示すように、曲線および直線で構成される面取り部が形成され、孔142gの周辺には、図8(d)に示すように、直線で構成される面取り部が形成されている。
内筒142の回転により、孔142eが外筒143の洗浄水出口143bまたは143cと対向可能になっており、孔142fが外筒143の洗浄水出口143dと対向可能になっており、孔142gが外筒143の洗浄水出口143eと対向可能になっている。
洗浄水入口143aには、図3の配管203が接続され、洗浄水出口143bには、ビデノズル2が接続され、洗浄水出口143dには、おしりノズル1の第1の流路が接続され、洗浄水出口143cには、おしりノズルの第2の流路が接続され、洗浄水出口143eには、ノズル洗浄用ノズル3が接続されている。
図9は図8の切替弁14の動作を示す断面図である。
図9(a)〜(f)は切替弁14のモータ141がそれぞれ0度、90度、135度、180度、225度および270度回転した状態を示す。
まず、図9(a)に示すように、モータ141を回転させない(0度)場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W1で示すように洗浄水出口143bから流出する。
次に、図9(b)に示すように、モータ141が内筒142を90度回転させた場合には、内筒142の孔142gの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143eに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2で示すように洗浄水出口143eから流出する。
次いで、図9(c)に示すように、モータ141が内筒142を135度回転させた場合には、内筒142の孔142gの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143eに対向するとともに、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2および矢印W3で示すように洗浄水出口143c,143eから流出する。
次に、図9(d)に示すように、モータ141が内筒142を180度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W3で示すように洗浄水出口143cから流出する。
次に、図9(e)に示すように、モータ141が内筒142を225度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143cに対向するとともに、内筒142の孔142fの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W3および矢印W4で示すように洗浄水出口143c,143dから流出する。
また、図9(f)に示すように、モータ141が内筒142を270度回転させた場合には、内筒142の孔142fの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W4で示すように洗浄水出口143dから流出する。
以上のように、制御部4からの制御信号に基づいてモータ141が回転することにより内筒142の孔142e,142f,142gのいずれかが外筒143の洗浄水出口143b〜143eに対向し、洗浄水入口143aから流入した洗浄水が洗浄水出口143b〜143eのいずれかから流出する。
図10は図9の切替弁14の洗浄水出口143c,143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量および洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量を示す図である。図10の横軸はモータ141の回転角度を示し、縦軸は洗浄水出口143b〜143eから流出する洗浄水の流量を示す。また、実線Q1が洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量の変化を示し、一点鎖線Q2が洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量の変化を示し、二点鎖線Q3が洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量の変化を示し、破線Q4が洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量の変化を示す。
例えば、図10に示すように、モータ141が回転しない場合(0度)、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度が大きくなるとともに洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3が減少し、洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4が増加する。
次いで、モータ141が90度回転した場合、洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4が減少し、洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1が増加する。
続いて、モータ141が180度回転した場合、洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1が減少し、洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2が増加する。
続いて、モータ141が270度回転した場合、洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2が減少し、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3が増加する。
以上のように、制御部4が切替弁14のモータ141の回転角度を制御することにより洗浄水出口143b〜143eから流出する洗浄水の流量を制御することができる。さらに、切替弁14のモータ141の回転角度がいかなる場合でも、洗浄水出口142e,142f,142gのいずれかまたはそれらの周囲の面取り部(凹部)が洗浄水出口143b〜143eのいずれかに対向するので、洗浄水の流路が閉塞されず、洗浄水入口143aから供給された洗浄水は、洗浄水出口143b〜143eのいずれかから流出される。
次に、図3のノズル部30について説明する。図11は図3のノズル部30および切替弁14の模式的断面図である。
図11に示すように、切替弁14の洗浄水出口143c,143dは、おしりノズル1に接続され、切替弁14の洗浄水出口143bはビデノズル2に接続され、切替弁14の洗浄水出口143eはノズル洗浄ノズル3に接続される。
まず、おしりノズル1の構成について説明し、次いで、ビデノズル2の構成について説明し、最後にノズル洗浄ノズル3の構成について説明する。
おしりノズル1は、円筒状のピストン部20、円筒状のシリンダ部21、シールパッキン22a,22bおよびスプリング23により構成される。
ピストン部20の先端近傍には、洗浄水を噴出するための噴出孔25が形成されている。ピストン部20の後端には、フランジ形状のストッパ部26a,26bが設けられている。また、ストッパ部26a,26bには、それぞれシールパッキン22a,22bが装着されている。ピストン部20の内部には、ストッパ部26aとストッパ部26bとの間におけるピストン部20の周面から噴出孔25に連通する第1の流路27bが形成されている。この第1の流路27bは、上流部27cおよび噴出孔近傍部29とからなる。また、ピストン部20の内部には、後端面から第1の流路の噴出孔近傍部27cに連通する第2の流路27aが形成されている。ピストン部20の内部に形成される第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27aは、ほぼ平行に形成されている。この第1の流路27bおよび第2の流路27aについては後述する。
一方、シリンダ部21は、先端側の径小部分と中間の径を有する中間部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と中間部分との間に、ピストン部20のストッパ部26aがシールパッキン22aを介して当接可能なストッパ面21cが形成され、中間部分と径大部分との間に、ピストン部20のストッパ部26bがシールパッキン22bを介して当接可能なストッパ面21bが形成されている。シリンダ部21の後端面には、洗浄水入口24aが設けられ、シリンダ部21の中間部分の周面には、洗浄水入口24bが設けられ、シリンダ部21の先端面には、開口部21aが設けられている。シリンダ部21の内部空間が温度変動緩衝部28となる。洗浄水入口24aは、シリンダ部21の中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24aは、切替弁14の洗浄水出口143dに接続され、洗浄水入口24bは、切替弁14の洗浄水出口143cに接続されている。ピストン部20がシリンダ部21より最も突出した場合に、洗浄水入口24bは、第1の流路27bの上流部27cと連通する。この洗浄水入口24bが第1の流路27bの上流部27cと接続する詳細については後述する。
ピストン部20は、ストッパ部26bが温度変動緩衝部28内に位置し、先端部が開口部21aから突出するように、シリンダ部21内に移動可能に挿入されている。
さらに、スプリング23は、ピストン部20のストッパ部26aとシリンダ部21の開口部21aの周縁との間に配設されており、ピストン部20をシリンダ部21の後端側に付勢する。
ピストン部20のストッパ部26a,26bの外周面とシリンダ部21の内周面との間に微小隙間が形成され、後述するピストン部20の外周面の溝とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間に微小隙間が形成されている。
次に、ビデノズル2は、円筒状のピストン部20e、円筒状のシリンダ部21e、シールパッキン22eおよびスプリング23eにより構成される。
ピストン部20eの先端近傍には、洗浄水を噴出するための複数の噴出孔25eが形成されている。ピストン部20eの後端には、フランジ形状のストッパ部26eが設けられている。また、ストッパ部26eには、シールパッキン22eが装着されている。ピストン部20eの内部には、後端面から噴出孔25eに連通する流路27eが形成されている。
一方、シリンダ部21eは、先端側の径小部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と径大部分との間に、ピストン部20eのストッパ部26eがシールパッキン22eを介して当接可能なストッパ面21fが形成されている。シリンダ部21eの後端面には、洗浄水入口24eが設けられ、シリンダ部21eの先端面には、開口部21gが設けられている。シリンダ部21eの内部空間が温度変動緩衝部28eとなる。洗浄水入口24eは、シリンダ部21eの中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24eは、切替弁14の洗浄水出口143bに接続されている。
ピストン部20eは、ストッパ部26eが温度変動緩衝部28e内に位置し、先端部が開口部21gから突出するように、シリンダ部21e内に移動可能に挿入されている。
さらに、スプリング23eは、ピストン部20eのストッパ部26eとシリンダ部21eの開口部21gの周縁との間に配設されており、ピストン部20eをシリンダ部21eの後端側に付勢する。
ピストン部20eのストッパ部26eの外周面とシリンダ部21eの内周面との間に微小隙間が形成され、ピストン部20eの外周面とシリンダ部21eの開口部21gの内周面との間に微小隙間が形成されている。
次に、ノズル洗浄ノズル3は、扇状の噴出部20kにより構成される。噴出部20kの先端近傍には、おしりノズル1側に洗浄水を噴出するための噴出孔25kとビデノズル2側に洗浄水を噴出するための噴出孔25mとが形成される。噴出部20kの後端には洗浄水入口24kが設けられる。噴出部20kの後端に設けられた洗浄水入口24kから噴出孔25kおよび噴出孔25mに連通する流路27kが形成される。洗浄水入口24kは、切替弁14の洗浄水出口143eに接続されている。
次いで、図11のおしりノズル1の動作について説明する。図12は図11のおしりノズル1の動作を説明するための断面図である。
まず、図12(a)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24a,24bより洗浄水が供給されない場合、ピストン部20が、スプリング23の弾性力により矢印Xの方向と逆方向に後退し、シリンダ部21内に収容されている。その結果、ピストン部20は、シリンダ部21の開口部21aより最も突出していない状態となる。このとき、シリンダ部21内には、温度変動緩衝部28が形成されない。
次いで、図12(b)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24aより洗浄水の供給が開始された場合、洗浄水の圧力によりピストン部20がスプリング23の弾性力に抗して矢印Xの方向に徐々に前進する。それにより、シリンダ部21内に温度変動緩衝部28が形成されるとともに温度変動緩衝部28に洗浄水が流入する。
洗浄水入口24aがシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28に流入した洗浄水は、矢印Vで示すように渦巻き状に還流する。温度変動緩衝部28の洗浄水の一部は、ピストン部20のストッパ部26a,26bの外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間を通して、ピストン部20の下面の溝20Gとシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間から流れ出るとともに、ピストン部20の第2の流路27aを通して第1の流路27bの噴出孔近傍部29に供給され、噴出孔25からわずかに噴出される。
ピストン部20がさらに前進すると、図12(c)に示すように、ストッパ部26a,26bがシールパッキン22a,22bを介してシリンダ部21のストッパ面21c,21bに水密に接触する。それにより、ピストン部20のストッパ部26a,26bの外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間からピストン部20の下面の溝20Gとシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間に至る流路が遮断される。さらに、洗浄水入口24bより供給された洗浄水が、ピストン部20の第1の流路27bの上流部27cを通して第1の流路27bの噴出孔近傍部29に供給される。それにより、ピストン部20の第1の流路27bの上流部27cを通して第1の流路27bの噴出孔近傍部29に供給された洗浄水は、ピストン部20の第2の流路27aを通して供給された洗浄水と混合され、噴出孔25から噴出される。
このように、切替弁14の洗浄水出口143c,143dより供給された洗浄水が、シリンダ部21の洗浄水入口24a,24bを介してピストン部20内の第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27aを通して第1の流路27bの噴出孔近傍部29に導かれ、噴出孔近傍部29を通して噴出孔25から噴出される。
図13(a)はピストン部20の先端部の横断面図であり、図13(b)は図13(a)のピストン部20のD−D線断面図であり、図13(c)は図13(a)のピストン部20のE−E線断面図である。
図13(a)に示すように、ピストン部20の第2の流路27aは、第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周面に沿って接続され、ピストン部20の第1の流路27bの上流部27cは、噴出孔近傍部29の中心軸よりわずかに偏心して接続される。第2の流路27aと第1の流路27bの噴出孔近傍部29との接続状態および第1の流路27bの上流部27cと噴出孔近傍部29との接続状態の詳細については後述する。
また、図13(b)に示すように、ピストン部20の第2の流路27aは、第1の流路27bの噴出孔近傍部29の側部の高さ方向の中間部に連通している。図13(c)に示すように、ピストン部20の第1の流路27bの上流部27cは、噴出孔近傍部29に下方より連通している。このように、第2の流路27aは、第2の流路27aを流れる洗浄水が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周面に沿って円周方向流れるように設けられており、第1の流路27bは、第1の流路27bの上流部27c内を流れる洗浄水が噴出孔近傍部29内を下部から上部へ直進して流れるように設けられている。さらに、噴出孔近傍部29の底部の前方側には、三次元流れ案内部70が設けられる。この三次元流れ案内部70の詳細については後述する。
次に、図14は、第1の流路27bの上流部27cおよび噴出孔近傍部29と第2の流路27aとの模式的断面図である。
図14(a)に示すように、切替弁14の洗浄水出口143dからの洗浄水が第2の流路27aに供給され、図14(b)に示すように、切替弁14の洗浄水出口143cからの洗浄水が第1の流路27bの上流部27cに供給される。
図14(a)に示すように、第2の流路27aにより第1の流路27bの噴出孔近傍部29に供給された洗浄水は、噴出孔近傍部29の内周面の曲面形状により矢印Z1の方向に強い周方向の流れで流動する。
一方、図14(b)に示すように、第1の流路27bの上流部27cより噴出孔近傍部29に供給された洗浄水は、噴出孔近傍部29の内周面の曲面形状により矢印Z1とは逆方向の矢印Z2の方向に弱い周方向の流れで流動する。
図15は、第1の流路27bの噴出孔近傍部29と第2の流路27aとの接続状態および第1の流路27bの上流部27cと噴出孔近傍部29との接続状態を示す説明図である。図15(a),(b)においては、噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な断面が示される。
本実施例では、第2の流路27aおよび第1の流路27bの上流部27cの中心軸方向に垂直な断面は円形である。なお、以下の説明において、噴出孔近傍部29の中心軸29cに平行な方向を垂直方向と呼び、噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な方向を水平方向と呼ぶ。
また、第2の流路27aと第1の流路27aの噴出孔近傍部29との接続面を流入口29aと呼び、第1の流路27bの上流部27cと噴出孔近傍部29との接続面を流入口29bと呼ぶ。
流入口29aは、噴出孔近傍部29の内周面での第2の流路27aの断面に相当し、流入口29bは、噴出孔近傍部29の円周面上での第1の流路27bの上流部27cの断面に相当する。
図15(a)に示すように、第2の流路27aは、噴出孔近傍部29との接続部において噴出孔近傍部29の内周の直径dの1/2よりも短い幅L1を有する。ここで、第2の流路27aは円形の断面を有するので、幅L1は第2の流路27aの内径に相当する。第2の流路27aは、その一方側の内周壁が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周の接線方向に一致するように噴出孔近傍部29に接続される。それにより、第2の流路27aは、第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに対して大きく偏心している。噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な断面での流入口29aの長さL3は噴出孔近傍部29の内周の全長L0の1/4よりも短い。
この場合、第2の流路27aを流れる洗浄水の水平方向の運動エネルギーのほぼ全てが、噴出孔近傍部29の曲面により周方向の運動エネルギーに変換される。その結果、第2の流路27aから噴出孔近傍部29に流入した洗浄水の周方向の流れが、噴出孔近傍部29内において強くなる。
図15(b)に示すように、第1の流路27bの上流部27cは、噴出孔近傍部29の内周の直径dの1/2よりも長く直径dよりも短い幅L2を有する。ここで、第1の流路27bの上流部27cは円形の断面を有するので、幅L2は第1の流路27bの上流部27cの内径に相当する。第1の流路27bの上流部27cは、その一方側の内周壁が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周の接線方向に一致するように噴出孔近傍部29に接続されている。それにより、第1の流路27bの上流部27cは、噴出孔近傍部29の中心軸29cに対して大きく偏心している。噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な断面での流入口29bの長さL4は噴出孔近傍部29の内周面の全長L0の1/4よりも長く、全長L0の1/2よりも短い。
この場合、第1の流路27bの上流部27cを流れる洗浄水の水平方向の運動エネルギーの一部が周方向の運動エネルギーに変換されるとともに、大部分の運動エネルギーが垂直方向の運動エネルギーに変換される。
すなわち、第1の流路27bの上流部27cを水平方向に流れる洗浄水が、第1の流路27bの噴出孔近傍部29内で垂直方向に流動しつつ噴出孔近傍部29の曲面によりわずかに周方向の流れを有することになる。その結果、第1の流路27bの上流部27cから噴出孔近傍部29に流入した洗浄水の流れが、噴出孔近傍部29内において弱い周方向の流れとなりつつ垂直方向に流動する。
なお、第2の流路27aの内径が一定でない場合、第2の流路27aの幅L1は、第2の流路27aと第1の流路27bの噴出孔近傍部29との接続部において規定される。同様に、第1の流路27bの上流部27cの内径が一定でない場合、第1の流路27bの上流部27cの幅L2は、第1の流路27bの上流部27cと第1の流路27bの噴出孔近傍部29との接続部において規定される。
また、本実施例では、第2の流路27aは、その一方側の内壁面が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周の接線に一致するように噴出孔近傍部29に接続されているが、第2の流路27aの中心軸が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに対してずれていれば、第2の流路27aの一方側の内壁面が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周の接線よりも内側に位置するように第2の流路27aが第1の流路27bの噴出孔近傍部29に接続されてもよい。
同様に、第1の流路27bの上流部27cは、その一方側の内壁面が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周の接線に一致するように噴出孔近傍部29に接続されているが、第1の流路27bの上流部27cの中心軸が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに対してずれていれば、第1の流路27bの上流部27cの一方側の内壁面が噴出孔近傍部29の内周の接線よりも内側に位置するように第1の流路27bの上流部27cが噴出孔近傍部29に接続されてもよい。
なお、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27aの断面形状は、円形に限定されず、他の任意の形状であってもよい。図16は第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの断面の他の例を示す図である。
図16(a)に示すように、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの断面が矩形の場合、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの幅L1,L2は、矩形の水平方向(第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な方向)の辺の長さL10により規定される。
図16(b)に示すように、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの断面が菱形の場合、第1および第2の流路27a,27bの幅L1,L2は、菱形の水平方向(第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な方向)の対角線の長さL11により規定される。
図16(c)に示すように、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの断面が縦長の楕円形の場合、第1および第2の流路27a,27bの幅L1,L2は、楕円形の水平方向(第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な方向)の短軸の長さL12により規定される。
図16(d)に示すように、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの断面が横長の楕円形の場合、第1および第2の流路27a,27bの幅L1,L2は、楕円形の水平方向(第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な方向)の長軸の長さL13により規定される。
図16(e)に示すように、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの断面が左右対称な三角形の場合、第1および第2の流路27a,27bの幅L1,L2は、三角形の水平方向(第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な方向)の底辺の長さL14により規定される。
図16(f)に示すように、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの断面が横向きの三角形の場合、第1および第2の流路27a,27bの幅L1,L2は、三角形の水平方向(第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な方向)の長さL15により規定される。
図16(g)に示すように、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの断面が六角形の場合、第1および第2の流路27a,27bの幅L1,L2は、六角形の水平方向(第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸29cに垂直な方向)の対向する2辺間の距離L16により規定される。
このように、第1の流路27bの上流部27cおよび第2の流路27bの幅L1,L2は、それらの中心軸に垂直な断面における水平方向の最大の長さにより規定される。
次に、図17は、第1の流路27bの上流部27cから噴出孔近傍部29への洗浄水の流れを説明するための説明図である。
図17(a),(b),(c)は比較例を示し、図17(d)は本実施例における第1の流路27bの上流部27cおよび噴出孔近傍部29の接続状態を示す。
図17(a),(b),(c)に示すように、比較例においては、流路271aの中心軸が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸に一致するように流路271aが第1の流路27bの噴出孔近傍部29に接続されている。
一方、図17(d)に示すように、本実施例においては、第1の流路27bの上流部27cの中心軸が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の中心軸からわずかにずれ、かつ第1の流路27bの上流部27cの一方側の内壁面が第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周の接線方向に沿うように、第1の流路27bの上流部27cが第1の流路27bの噴出孔近傍部29に接続されている。
図17(a)に示すように、流路271aの一方側の側壁に沿う洗浄水の流れf1の速度と他方側の側壁に沿う洗浄水の流れf1の速度とが正確に等しい場合には、洗浄水の流れf1と流れf2とが互いに打ち消し合い、周方向の流れは生じない。しかし、流路271a内の洗浄水のわずかな乱れにより、流れf1の速度と流れf2の速度とがランダムに変化する。
図17(b)に示すように、洗浄水の流れf1の速度が流れf2の速度よりもわずかに小さくなると、流れf1が、流れf2の影響により第1の流路27bの噴出孔近傍部29の壁面から外れるようになる。その結果、洗浄水の流れf2が支配的となり、右周方向の流れが発生する。
一方、図17(c)に示すように、洗浄水の流れf1の速度が流れf2の速度よりもわずかに大きくなると、流れf2が、流れf1の影響により第1の流路27bの噴出孔近傍部29の壁面から外れるようになる。その結果、洗浄水の流れf1が支配的となり、左周方向の流れが発生する。
このように、比較例においては、右周方向の流れと左周方向の流れとがランダムに生じ、第1の流路27bの噴出孔近傍部29内で洗浄水の流れが乱れることとなる。
一方、図17(d)に示す本実施例においては、第1の流路27b内を流れる洗浄水が第1の流路27bの噴出孔近傍部29内に供給される際、第1の流路27bの上流部27cの一方側の側壁に沿う洗浄水の流れf1は、噴出孔近傍部29の壁面から外れるようになる。それにより、第1の流路27bの上流部27cの他方側の側壁に沿う洗浄水の流れf2が、第1の流路27bの噴出孔近傍部29内において弱い右周方向の流れを安定して生成する。その結果、第1の流路27bの噴出孔近傍部29内で洗浄水の流れが乱れない。
次に、図18、図19および図20は、図13(b),(c)に示される三次元流れ案内部70,70a,70bの例を示す模式図である。
図18、図19および図20の(a)は三次元流れ案内部70,70a,70bの斜視図を示し、(b)は三次元流れ案内部70,70a,70bの平面図を示し、(c)は三次元流れ案内部70,70a,70bの側面図を示す。また、図18(d)は図18(c)のF−F線断面を示す。
まず、図18に示す三次元流れ案内部70は、図13(b),(c)に示すように第1の流路27bの上流部27cおよび第1の流路27bの噴出孔近傍部29の接続部である底部の前方側に取り付けられる。三次元流れ案内部70は、第1の流路27bの上流部27cから供給された洗浄水を第1の流路27bの噴出孔近傍部29の噴出孔25に向けるように流れの方向を90度変換する曲面71を有する。
この三次元流れ案内部70の曲面71には、弱い周方向の洗浄水の流れの方向(矢印Z2の方向)を打ち消すようにねじれ形状が設けられている。このねじれ形状は、曲面71がねじれるように曲面71の稜71aと稜71bとが非対称に設けられている。この曲面71のねじれ形状により、第1の流路27bの上流部27cから第1の流路27bの噴出孔近傍部29に流入した洗浄水の弱い周方向の流れが抑制され、ほぼ直線状に近い状態の洗浄水が生成される。
次に、図19に示す三次元流れ案内部70aを説明する。図19の三次元流れ案内部70aの形状が、図18の三次元流れ案内部70の形状と異なるのは以下の点である。
図19に示す三次元流れ案内部70aには、曲面71に設けられたねじれ形状の代わりにねじれのない曲面72が設けられており、さらに曲面72上に整流リブ72aが設けられている。この整流リブ72aにより、第1の流路27bの上流部27cから第1の流路27bの噴出孔近傍部29に流入した洗浄水の弱い周方向の流れが抑制され、ほぼ直線状に近い状態の洗浄水が生成される。
次に、図20に示す三次元流れ案内部70bを説明する。図20の三次元流れ案内部70bの形状が、図19の三次元流れ整流部70aの形状と異なるのは以下の点である。
図20に示す三次元流れ整流部70bには、図19に示す整流リブ72aの代わりに、洗浄水の周方向の流れと逆に湾曲した整流リブ72bが設けられている。この整流リブ72bにより、第1の流路27bの上流部27cから第1の流路27bの噴出孔近傍部29に流入した洗浄水の弱い周方向の流れが十分に抑制され、ほぼ直線状に近い状態の洗浄水が生成される。
図21はピストン部20の先端部の模式的縦断面図である。図21(a)は、噴出孔25から分散流として噴出される洗浄水の状態を示し、図21(b)は、噴出孔25から直線流として噴出される洗浄水の状態を示す。
例えば、図21(a)に示すように、切替弁14の洗浄水出口143dから第2の流路27aに洗浄水が供給された場合、第2の流路27aより第1の流路27bの噴出孔近傍部29に供給された洗浄水が、第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周面の曲面形状により矢印Z1の方向に示す強い周方向の流れで流動する。
一方、図21(b)に示すように、切替弁14の洗浄水出口143cから第1の流路27bの上流部27cに洗浄水が供給された場合、第1の流路27bの上流部27cより第1の流路27bの噴出孔近傍部29に供給された洗浄水が、第1の流路27bの噴出孔近傍部29の内周面の曲面形状により矢印Z1とは逆方向の矢印Z2の方向に弱く流動する。また、三次元流れ案内部70の働きにより弱い周方向の洗浄水の流れがさらに抑制され、噴出孔25の方向に流れが整流される。
したがって、図21(a)に示すように、第2の流路27aより供給される洗浄水の流量が第1の流路27bの上流部27cより供給される洗浄水の流量よりも多い場合、第1の流路27bの噴出孔近傍部29において混合される洗浄水は、第2の流路27aより供給される第1の流路27bの噴出孔近傍部29の曲面形状による矢印Z1の方向の流れを維持するため、矢印Hの角度で矢印Z1の方向に周回する分散流として噴出される。
また、図21(b)に示すように、第1の流路27bの上流部27cより供給される洗浄水の流量が第2の流路27aより供給される洗浄水の流量よりも多い場合、噴出孔近傍部29において、矢印Z2の方向の周方向の流れが三次元流れ案内部70により弱められ、ほぼ直線状態を維持した直線流として噴出される。
以上のように、制御部4が切替弁14のモータ141を制御して洗浄水出口143c,143dの流量比を変化させることにより、噴出孔25より噴出される洗浄水の噴出形態が矢印Z1の方向の分散流と、ほぼ直線状態を維持した直線流とに変化する。
本実施例では、噴出形態集中調整スイッチ302eを押下すると、洗浄水出口143dの流量が多くなり、洗浄水の噴出形態が直線流に近づく。また、噴出形態分散調整スイッチ302fを押下するたびに、洗浄水出口143cの流量が洗浄水出口143cの流量よりも徐々に大きくなり、矢印Z1の方向の分散流の広がり角度が大きくなる。
したがって、使用者の嗜好または体調に応じて種々の洗浄感および洗浄力を得ることが可能となる。
さらに、マッサージスイッチ304を押下すると、噴出形態集中調整スイッチ302eおよび噴出形態分散調整スイッチ302fを交互に押下操作した状態と等しくなり、洗浄水出口143cの流量が大から小へ変化するとともに、洗浄水出口143dの流量が小から大へ変化し、その後、洗浄水出口143cの流量が小から大へ変化するとともに、洗浄水出口143dの流量が大から小へ変化する。
それにより、洗浄水の噴出形態を矢印Z1の方向の分散流、直噴流、矢印Z1の方向の分散流の順に繰り返し変化させることができる。
したがって、使用者は、マッサージ効果により被洗浄面の血行をよくして筋肉や神経機能を回復することができる。また、一定方向の周方向の流れを付与した洗浄水を噴出させることができるので、被洗浄面に付着した汚物に対して強い剥離作用が働く。その結果、使用者は、確実に短時間で被洗浄面を洗浄することができる。
なお、本実施例においては、当初におしり洗浄スイッチ303を押下操作した場合、洗浄水出口143dからの洗浄水の流量が洗浄水出口143cからの洗浄水の流量よりも大きく設定される。その結果、洗浄開始時に、使用者に対して一方向の分散流が噴出されるので、人体は柔らかな洗浄から開始できる。
次に、図22は本実施例におけるおしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の説明図である。
図22に示すように、おしりノズル1の噴出孔25からは、表面張力により直径dnの幅を有した丸い粒状の洗浄水が噴出される。また、直径dnを有する洗浄水は、ポンプ13の圧力により流速vで被洗浄面SHに向けて噴出される。
この場合、丸い粒状の洗浄水は、おしりノズル1の噴出孔25より距離Lwにある被洗浄面SHに到達するまでに、空気抵抗の働きにより水平方向に広がる。それにより、直径dnの幅を有した丸い粒状の洗浄水は、直径dnよりも大きい直径dwの幅を有した偏平な粒状の洗浄水に変化する。その結果、人体は、噴出孔25において少量の洗浄水が噴出されているのにもかかわらず、被洗浄面SHにおいて直径dwの幅の洗浄水を受けるため、多量の洗浄水が噴出されているような洗浄感を得ることができる。
本実施例においては、噴出孔25が噴出孔に相当し、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄ノズル3がノズル本体に相当し、噴出孔近傍部29が噴出孔近傍部に相当し、第2の流路27aが第2の流路に相当し、第1の流路27bが第1の流路に相当し、流入口29aが第1の流路と噴出孔近傍部との接続部に相当し、流入口29bが第2の流路と噴出孔近傍部との接続部に相当し、三次元流れ案内部70,70a,70bが整流部および整流部材に相当し、曲面71、整流リブ72aおよび湾曲した整流リブ72bが方向変換部に相当し、整流リブ72aおよび湾曲した整流リブ72bが整流板に相当し、湾曲した整流リブ72bが周方向の流れを抑制する方向に湾曲している整流部に相当する。
第1の実施例に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図 図1の遠隔操作装置の一例を示す模式図 本実施例に係る衛生洗浄装置の本体部の構成を示す模式図 熱交換器の構造の一例を示す一部切り欠き断面図 ポンプの構造の一例を示す断面図 アンブレラパッキンの動作を説明するための模式図 図5のポンプ13の圧力変化を示す図 (a)は切替弁の縦断面図、(b)は(a)の切替弁のA−A線断面図、(c)は(a)の切替弁のB−B線断面図、(d)は(a)の切替弁のC−C線断面図 図8の切替弁の動作を示す断面図 図9の切替弁の洗浄水出口からおしりノズルに流出する洗浄水の流量、洗浄水出口からビデノズルに流出する洗浄水の流量および洗浄水出口からノズル洗浄ノズルに流出する洗浄水の流量を示す図 図3のノズル部および切替弁の模式的断面図 図11のおしりノズルの動作を説明するための断面図 (a)はピストン部の先端部の横断面図であり、(b)は(a)のピストン部のD−D線断面図であり、(c)は(a)のピストン部のE−E線断面図 ピストン部の先端部の模式的断面図 第1の流路の噴出孔近傍部と第2の流路との接続状態および第1の流路の上流部と噴出孔近傍部との接続状態を示す説明図 第1の流路の上流部および第2の流路の断面の他の例を示す図 第1の流路の上流部から噴出孔近傍部への洗浄水の流れを説明するための説明図 三次元流れ案内部の例を示す模式図 三次元流れ案内部の例を示す模式図 三次元流れ案内部の例を示す模式図 ピストン部の先端部の模式的縦断面図 本実施例におけるおしりノズルの噴出孔より噴出される洗浄水の説明図
符号の説明
1 おしりノズル
2 ビデノズル
3 ノズル洗浄ノズル
4 制御部
11 熱交換器
14 切替弁
15 進退モータ
20F 溝
20G 溝
24a,24b 洗浄水入口
27a 第1の流路
27b 第2の流路
27c 第1の流路の上流部
29 第1の流路の噴出孔近傍部
29a 流入口
29b 流入口
13,13b,13D ポンプ
30 ノズル部
70,70a,70b 三次元流れ案内部
72 曲面
72a 整流リブ
72b 湾曲した整流リブ
130,200 モータ
142 内筒
143 外筒
143a 洗浄水入口
143c,143d 洗浄水出口
142e 孔
200 本体部
300 遠隔操作装置
302 調整スイッチ
505 セラミックヒータ

Claims (19)

  1. 洗浄水を噴出するノズル装置であって、
    洗浄水を噴出するための噴出孔を有するノズル本体と、
    上流部および筒状の噴出孔近傍部からなり、前記噴出孔に洗浄水を供給する第1の流路と、
    前記噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように前記噴出孔近傍部に連通し、洗浄水を供給する第2の流路とを備え、
    前記第1の流路の前記噴出孔近傍部は、前記噴出孔に連通する上部開口、断面略円形の内周面、および底部を有し、
    前記第1の流路の前記上流部は前記噴出孔近傍部の中心軸に対して前記第2の流路と反対側にかつ前記第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように前記噴出孔近傍部に前記底部側から連通し、
    前記第2の流路は、前記噴出孔近傍部の前記底部と前記噴出孔との中間部で前記内周面から前記噴出孔近傍部内に連通することを特徴とするノズル装置。
  2. 前記第2の流路は、前記噴出孔近傍部の前記内周面から前記噴出孔近傍部内に連通するように設けられたことを特徴とする請求項記載のノズル装置。
  3. 洗浄水を噴出するノズル装置であって、
    洗浄水を噴出するための噴出孔を有するノズル本体と、
    上流部および筒状の噴出孔近傍部からなり、前記噴出孔に洗浄水を供給する第1の流路と、
    前記噴出孔近傍部の中心軸に対して偏心するように前記噴出孔近傍部に連通し、洗浄水を供給する第2の流路とを備え、
    前記第1の流路の前記噴出孔近傍部は、前記噴出孔に連通する上部開口、断面略円形の内周面、および底部を有し、
    前記第1の流路の前記上流部は、前記噴出孔近傍部の中心軸に対して前記第2の流路と反対側にかつ前記第2の流路の偏心よりも小さく偏心するように前記噴出孔近傍部に前記底部側から連通し、
    前記噴出孔近傍部は、前記第1の流路の前記上流部から前記噴出孔近傍部の中心軸に対して交差する方向に供給される洗浄水の流れを前記噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向に案内する整流部を有することを特徴とするノズル装置。
  4. 前記整流部は、凹面状の整流部材を含むことを特徴とする請求項記載のノズル装置。
  5. 前記整流部は、前記第1の流路の前記上流部から前記噴出孔近傍部内に供給された洗浄水の周方向の流れを前記噴出孔近傍部の中心軸と略平行な方向の流れに変換する方向変換部を有することを特徴とする請求項記載のノズル装置。
  6. 前記方向変換部は、整流板を含むことを特徴とする請求項記載のノズル装置。
  7. 前記整流部は、前記第1の流路の前記上流部から供給される洗浄水のわずかな周方向の流れを抑制する方向に湾曲していることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のノズル装置。
  8. 前記第1の流路の上流部と噴出孔近傍部との接続部において前記噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面での前記上流部の幅が前記噴出孔近傍部の内径の2分の1以上であり、
    前記第2の流路と前記噴出孔近傍部との接続部において前記噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面での前記第2の流路の幅が前記噴出孔近傍部の内径の2分の1以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のノズル装置。
  9. 前記噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面において前記第2の流路と前記噴出孔近傍部との接続部における前記噴出孔近傍部の内周面に沿った長さが前記噴出孔近傍部の内周面の全長の4分の1以下であり、
    前記噴出孔近傍部の中心軸に垂直な断面において前記第1の流路の前記上流部と前記噴出孔近傍部との接続部における前記噴出孔近傍部の内周面に沿った長さが前記噴出孔近傍部の内周面の全長の4分の1以上でかつ2分の1以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のノズル装置。
  10. 給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、
    前記給水源から供給される洗浄水を第1の流路および第2の流路のうち一方または両方に選択的に供給する流路選択手段と、
    前記流路選択手段により供給された洗浄水を噴出孔から噴出する請求項1〜9のいずれかに記載のノズル装置とを備えことを特徴とする衛生洗浄装置。
  11. 前記ノズル本体は、
    洗浄水を収容するシリンダ部と、
    前記噴出孔ならびに前記第1および第2の流路を有しかつ前記シリンダ部内に移動可能に挿入されたピストン部とを含み、
    供給される洗浄水の圧力により前記ピストン部が所定の洗浄位置まで前記シリンダ部から突出することを特徴とする請求項10記載の衛生洗浄装置。
  12. 前記第1の流路および前記第2の流路に供給される洗浄水の流量比を制御する流量比制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項10または11記載の衛生洗浄装置。
  13. 前記噴出孔から噴出される洗浄水の広がり角度を設定する広がり角度設定手段をさらに備え、
    前記流量比制御手段は、前記広がり角度設定手段の設定に基づいて前記第1の流路に供給する洗浄水の流量および第2の流路に供給する洗浄水の流量の比率を制御することを特徴とする請求項12記載の衛生洗浄装置。
  14. 直線流の噴出を指示する直線流指示手段をさらに備え、
    前記流量比制御手段は、前記直線流指示手段の指示に応答して前記第2の流路に供給する洗浄水の流量よりも前記第1の流路に供給する洗浄水の流量を多くするように制御することを特徴とする請求項12または13記載の衛生洗浄装置。
  15. 前記流量比制御手段は、前記第1の流路に供給する洗浄水の流量および前記第2の流路に供給する洗浄水の流量の比率を連続的に制御することを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  16. 前記噴出手段より噴出する洗浄水の噴出形態を繰り返し変化させる動作を指示する洗浄水変動指示手段をさらに備え、
    前記流量比制御手段は、前記洗浄水変動指示手段の指示に応答して、前記第1の流路に供給する洗浄水の流量および前記第2の流路に供給する洗浄水の流量の比率を連続的に繰り返し変化させることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  17. 前記流路選択手段は、前記流量比制御手段を含むことを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  18. 前記給水源から供給される洗浄水を加熱する加熱手段をさらに備えたことを特徴とする請求項10〜17のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  19. 前記加熱手段は、前記給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する瞬間式加熱装置であることを特徴とする請求項18記載の衛生洗浄装置。
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