JP4292675B2 - 工作機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は可動部材を有する工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
可動部材を有する工作機械は、可動部材、例えば回転工具のバランスがとれていない場合、回転工具の回転運動によって回転工具を支持するテーブルが工作物を支持するベッドに対して振動する。この振動によりテーブルとベッド、従って回転工具と工作物との位置ずれが発生するため加工精度が低下する。特に、精密加工を行う場合はこれが問題になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、この問題を解決するために、例えば、オートバランサ等を用いて回転工具のバランスを調整することにより、回転工具のアンバランスによる振動を減少させていた。しかし、回転工具のアンバランスを調整する方法は、準備に時間を要する、設備に費用が嵩む等の問題があった。
本発明は、可動部材の稼動により生じる振動等に基づく位置ずれを、容易に、安価に防止することができる工作機械を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1発明は、請求項1に記載されたとおりの工作物である。請求項1に記載の工作機械は、可動部材を支持するテーブルと、ベッドとの位置が調整手段により調整可能であり、制御手段は、可動部材の稼動に伴い発生するテーブル送り方向の微小振動を相殺するように調整手段を制御する。
従って、可動部材の稼動により生じる振動等に基づく位置ずれを容易で安価に防止することができる。
【0005】
さらに請求項に記載の工作機械によれば、例えば、工作物を加工する前に、可動部材の稼動に伴い発生するテーブル送り方向の微小振動によるテーブルの位置ずれ量に基づいて、テーブルの位置ずれの補正量を可動部材の位置に対応させて、予め求めておく。従って、可動部材の稼動により生じる位置ずれを確実に防止することができる。また第2発明は、請求項2に記載されたとおりの工作機械であり、位置ずれ量と位置ずれ補正量は、工具のテーブルに対する稼動位置に対応して変化するものであり、制御手段は、工具のテーブルに対する稼動位置に対応してテーブルの移動量を制御する。
【0006】
次に、第3発明は、請求項3に記載されたとおりの工作機械である。請求項に記載の工作機械によれば、位置ずれ量を可動部材である工具テーブルに対する稼動位置に対応する関係式で近似し、各可動部材に対する位置ずれの補正量をその関係式より求める。そのため、測定していない可動部材の位置に対する位置ずれ量を柔軟に求めることが可能になり、可動部材のすべての各位置に対して位置ずれ量を求めた場合よりも測定点を少なくすることができ、測定時間を削減できる。また、各可動部材の位置に対しての位置ずれ量もしくは位置ずれ補正量を記録する場合と比較して、記憶装置の容量が少なくすむ。
【0007】
さらに、第4発明は、請求項4に記載されたとおりの工作機械である。請求項4の記載の工作機械によれば、複数の可動部材の稼動速度に対応したテーブルとベッドとの位置ずれ量を測定し、その測定した位置ずれ量に基づいて、テーブルの位置ずれの補正量を求め、その補正量に基づいて調整手段を制御する。従って、可動部材の稼動により生じる位置ずれ量が、可動部材の稼動速度(回転工具にあっては回転速度)により異なる場合に、複数の可動部材の各稼動速度に対応した位置ずれ量から位置ずれの補正量を求めるため、可動部材の稼動速度により変化する位置ずれに対しても確実に位置ずれを防止することができる。
【0008】
また、第5発明は、請求項5に記載されたとおりの工作機械である。請求項に記載の工作機械では、位置ずれ量を可動部材の稼動速度及び可動部材の位置に対応する関係式で近似し、位置ずれの補正量をその関係式より求める。そのため、測定していない可動部材の稼動速度及び可動部材のテーブルに対する稼動位置に対応する位置ずれ量を柔軟に求めることが可能になり、すべての可動部材の速度及び可動部材の位置に対しての位置ずれ量を求める場合よりも測定点を少なくすることができ、測定時間を削減できる。また、各可動部材の速度及び可動部材の位置に対して、位置ずれ量もしくは位置ずれ補正量を記録する場合と比較して、記憶装置の容量が少なくすむ。
【0009】
第6の発明は、請求項6に記載されたとおりの工作機械である。請求項6に記載の工作機械によれば、第1から第5の発明においての可動部材が回転工具である工作機械が構成される。そのため、回転工具を有し、第1から第5の発明のそれぞれと同様の作用効果を享受できる工作機械を構成できる。
第7の発明は、請求項7に記載されたとおりの工作機械である。請求項7に記載の工作機械によれば、第1から第5の発明においての可動部材である工具は、稼動してテーブル上で往復移動し、位置ずれ量である振動は、工具の往復移動に起因して発生する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態に係る工作機械を、図面を参照して説明する。
図1は、円筒研削盤1の斜視図であり、図2は図1のII−II線断面図である。円筒研削盤1は、砥石テーブル20、砥石テーブルベース30、ベッド2、制御装置70を有している。砥石テーブルベース30はベッド2に固定され、永久磁石31およびレール32が上に固定されている。また、レール32の上にはマグネットスケール41がブラケット42により固定されている。
【0011】
砥石テーブル20には、工具である砥石50および測定ヘッド43および電磁石21が設けられ、調整手段によって砥石テーブルベース30に対して位置調整可能な構造である。本実施の形態では、調整手段として永久磁石31と電磁石21により構成されるリニアモータを用い、図1の矢印A方向に移動可能である。また、砥石テーブル20の砥石テーブルベース30に対する位置、すなわち砥石テーブル20とベッド2との位置ずれ量を測定する位置測定器40を有している。本実施の形態では、位置測定器40はマグネットスケール41と測定ヘッド43により構成されている。
【0012】
砥石50は、図2に示すように砥石軸53を介して砥石軸モータ51に連結され、図1に示す矢印B方向に回転駆動される。また、砥石50あるいは砥石軸53の回転角度を測定するための角度センサ52が設けられている。回転角度を検出する角度センサとしては、磁気式、光学式、電気式等の様々の形式のものが知られている。
【0013】
図1に示す工作物3は、矢印D方向に回転可能に設けられ、さらにベッド2に対して矢印C方向に移動可能に設けられている。
また、工作物3の回転及び移動、砥石50の回転、砥石テーブル20の移動は、制御装置70により制御される。
【0014】
制御装置70は大きく2つの役割を担う。1つめの役割は、工作物データや測定器の測定データ等に基づいて、砥石テーブル20の位置(矢印A方向)と工作物3の位置(矢印C、D方向)を制御するとともに、砥石50の回転速度を制御することである。2つめの役割は、砥石50の偏心等により発生する砥石テーブル20の砥石テーブルベース30に対する位置ずれを補正することである。
【0015】
図3は、制御装置70のブロック図を示している。制御装置70は工作物3の研削データや研削プログラム等を格納するRAM73やシステムプログラム等を記憶するROM77と、入出力手段としての操作盤71と、CPU74を有している。
また、工作物3を矢印C方向へ移動する駆動モータ82と、矢印D方向へ回転させる駆動モータ83には、位置測定器(例えば、エンコーダ)84、85が設けられている。
【0016】
本実施の形態では、制御装置70は、工作物3の加工データと、工作物3の矢印C方向の位置測定器84、矢印D方向の位置測定器85と、砥石テーブル20の矢印A方向の位置測定器40と、砥石50の回転角度を検出する角度センサ52に基づいて、ドライブユニット80、81、90、91を介して、工作物3の矢印C方向駆動モータ82、矢印D方向駆動モータ83と、砥石テーブル20の矢印A方向駆動モータとなる電磁石21と、砥石50の砥石軸モータ51を制御する。また、砥石50の回転角度を検出する角度センサ52、砥石テーブル20の矢印A方向の位置測定器40からのデータに基づいて、砥石50の回転に伴う砥石テーブル20の砥石テーブルベース30に対する位置ずれ量を測定し、位置ずれ補正量を求める。
【0017】
次に、位置ずれ量を算出する方法を図4に示すフロー図に従って説明する。まず、砥石50を砥石軸53に取付け、砥石テーブル20を所定位置に位置決めした状態で、砥石50を加工するときの回転数N1で砥石軸モータ51を回転させる(ステップS41)。
その時の位置測定器40の測定データと角度センサ52の回転角度データをサンプリングして制御装置70に取り込む(ステップS42)。
【0018】
位置ずれデータは、砥石テーブル20を位置決めした位置と、砥石50を回転させた時の砥石テーブル20の位置とのずれ量で表される。各データは、例えば1ms毎に取り込む。この時、砥石50の回転速度が9000rpmであれば、1回転中に6点の位置ずれデータを得ることができる。得られた6つの位置ずれデータを回転角度―位置ずれ線図でプロットすると、図7のX印のようになる。
【0019】
データ数が多いほど位置ずれ量を正確に解析できるため、作業時間に影響が及ぼさない程度のなるべく長い時間内の回転角度データおよび位置ずれデータを得るのが好ましい。そのため、例えばデータの測定回数を指定し、測定回数が指定回数に達したか否かを判定する(ステップS43)。
測定回数が、指定回数に達していなければ、ステップS42に戻ってデータ測定を繰り返す。
【0020】
測定回数が指定回数に達すると、サンプリングしたデータに基づいて、回転角度に対する位置ずれ量を近似する関係式を計算する。例えば、下記の式(1)の正弦関数で近似し、振幅Aおよび初期位相角φを制御装置70で計算する(ステップS44)。
式(1) P=Asin(θ+φ)
ここで、Pは位置ずれ量、θは砥石50の基準位置からの回転角度である。また、位置ずれ量Pの正負は、矢印A方向のいずれの方向を砥石テーブル20の正の移動方向にするかによって決定される。φは、砥石50の基準位置(θ=0とする回転位置)をどこに設定するかに応じて変化する。
【0021】
図7でプロットしたデータを具体的に解析した近似式線は、正弦線100で表される。この式(1)が、砥石50のアンバランス等に基づいた砥石テーブル20と砥石テーブルベース30に対する位置ずれ量である。また、砥石テーブルベース30はベッド2に固定されているため、言い換えれば、式(1)は砥石テーブル20とベッド2との位置ずれ量を示す近似式である。
【0022】
次に、研削加工処理時における砥石テーブル20の位置制御処理を、図5に示すフロー図に従って説明する。図5に示す砥石テーブル20の位置制御処理は、加工が開始されてから加工が終了するまで適宜の時間毎に実行される。
工作物3の加工データや砥石50(砥石軸モータ51)の回転速度N1等は、操作盤71等を介して入力される。
【0023】
工作物3を保持した後、加工開始操作、例えば加工開始ボタンを操作すると、制御装置70のCPU74は、工作物3の加工データや砥石軸モータ51の回転速度N1等に基づいて、工作物3の位置指示信号(矢印C方向、D方向)、砥石テーブル20の位置指示信号(矢印A方向)を演算する(ステップS51)。
その演算された工作物3の位置指示信号と砥石軸モータ51の回転速度指示信号(N1)は、ドライブユニット80、81、91に出力される。
【0024】
砥石テーブル20の位置指示信号が演算されると、砥石50の回転角度θを位置測定器40により検出する(ステップS52)。
そして、式(1)にステップS52で検出した砥石50の回転角度θを代入して、位置ずれ量Pを算出する(ステップS53)。
【0025】
次に、ステップS53で算出した位置ずれ量Pにより、砥石50の回転による砥石テーブル20の砥石テーブルベ−ス30に対する位置ずれを補正するように砥石テーブル20の位置指示信号を補正する(ステップS54)。位置指示信号を補正する方法としては、砥石テーブル20が、砥石50の回転によって砥石テーブルベ−ス30に対して位置ずれする方向と逆方向に移動するように砥石テーブル20の位置指示信号を補正する。例えば、砥石テーブル20の位置指示信号からステップS53で算出した位置ずれ量Pを減算する。つまり、砥石50の回転による位置ずれを補正するための位置ずれ補正量は、位置ずれ量の式(1)で表される。なお、位置ずれ量Pの符号の設定によっては、砥石テーブル20の位置指示信号に位置ずれ量Pを加算する場合もある。
【0026】
次に、砥石テーブル20の位置指示信号を位置ずれ量Pにより補正した砥石テーブルの補正位置指示信号をドライブユニット90に出力する(ステップS55)。
なお、砥石テーブル20の位置指示信号を位置ずれ量Pで補正する補正処理をCPU74で行ったが、ドライブユニット91内で行うことも可能である。この場合には、CPU74の処理負担が減少する。
【0027】
このように、砥石50の回転による砥石テーブル20、従って砥石50のベッド2に対する位置ずれを砥石テーブル20の位置を制御することによって打ち消す(補正する)ことができるため、砥石50を外してバランス調整する作業や、オートバランサを装着する作業等を省略できる。また、オートバランサによる重量の付加がないため、重量増加による円筒研削盤1各部の剛性劣化や、駆動部(砥石軸モータ51、駆動モータ82、83、砥石軸モータ51)の耐久性劣化を防止できる。また、本発明の振動対策は測定データの解析により砥石テーブル20の位置を調整するだけでよいため、自動化することができ、作業性が向上する。
なお、上記実施の形態では、位置ずれ量を研削加工中に式(1)により計算したが、砥石50の各回転角度に対応する位置ずれ量を予めRAM73等に記憶させておくこともできる。
【0028】
また、振動発生率および大きさは、機械式連結部材を介して連結されたモータによって砥石テーブル20を駆動するタイプに比べ、砥石テーブル20をリニアモータによって駆動するタイプの方が大きい。
【0029】
ところで、工作物3を最適に研削するために、砥石50の回転数を可変制御することがある。砥石50の回転数を変更すると、砥石50の回転による砥石テーブル20の位置ずれ量が変化する。この場合、砥石50の各回転数に対して、砥石50の回転角度に対する砥石テーブル20の位置ずれ量を測定し、位置ずれ補正量を各回転数毎に予め計算、あるいは記憶させておく方法が考えられるが、各回転数に対して位置ずれ補正量を計算あるいは記憶するには時間がかかる。
【0030】
そこで、以下では、砥石50の回転数を可変制御する場合にも容易にその回転数に対応した位置ずれ量を算出することができる補正方法を説明する。
ここで、砥石50の回転数N2における回転角度―位置ずれ線図の近似正弦線101、および回転数N3における回転角度―位置ずれ線図の近似正弦線102を図7に示す。図7に示すように、回転数の異なる場合における近似正弦線を比較すると、振幅のみが異なる正弦線でよく近似されることがわかる。
【0031】
そこで、振幅Aを砥石50の回転数Nの関数とすると、位置ずれ量Pと回転角度θの関係式は、下記の式(2)で表現できる。
式(2) P(N)=A(N)sin(θ+φ)
ここで、振幅Aと回転数Nの関係を調べるため、回転数N1、N2、N3の時の振幅A1、A2、A3を図8に示す回転数−振幅線図に●印でプロットした。また、A(N)を回転数Nの2次関数と仮定し、データより近似曲線を求めると、図8に示すようになり、これらをよく近似した。そこで、回転数Nと振幅Aの関係式を式(3)のように表現する。
式(3) A(N)=a0+a1・N+a2・N2
ここで、a0、a1、a2は未知数である。
【0032】
次に、式(2)のA(N)及びφを求める方法を図6に示すフロー図に従って説明する。まず、砥石50を砥石軸53に取付け、砥石テーブル20を所定位置に位置決めした状態で、砥石50を加工するときの回転数N1で砥石軸モータ51を回転させる(ステップS61)。その時の位置測定器40の測定データ(位置ずれデータ)と、角度センサ52の回転角度データをサンプリングして制御装置70に読み込む(ステップS62)。
【0033】
そして、データの測定回数が指定回数に達したか否かを判定する(ステップS63)。測定回数が、指定回数に達していなければ、ステップS62に戻ってデータ測定を繰り返す。
【0034】
測定回数が指定回数に達したら、砥石50の回転数をN2に変更する(ステップS64)。その時の位置測定器40の測定データ(位置ずれデータ)と、角度センサ52の回転角度データをサンプリングして制御装置70に読み込む(ステップS65)。そして、測定回数が指定回数に達したか否かを判定し(ステップS66)、指定回数に達していなければ、ステップS65に戻ってデータ測定を繰り返す。
【0035】
測定回数が指定回数に達したら、砥石50の回転数をN3に変更し(ステップS67)、データをサンプリングして制御装置70に読み込む(ステップS68)。測定回数が指定回数に達するまでステップS68を繰り返す(ステップS69)。必要ならば他の数種類の回転数に対しても同様にデータをサンプリングし、制御装置70に読み込む。これらの作業は、制御装置70において自動化することも可能である。
【0036】
式(2)と式(3)より、位置ずれ量Pと回転角度θの関係式は、未知数φ、a0、a1、a2を求めることにより得られる。
そこで、制御装置70に記憶させた回転数N1、N2、N3における位置ずれデータと回転角度データより、上記近似式の未知数φ、a0、a1、a2を制御装置70で計算する(ステップS70)。これにより式(2)の位置ずれ量Pは、回転角度θと砥石50の回転数Nの関数になるため、砥石50の回転数Nが定まると、位置ずれ量Pと回転角度θの関係式が求まる。
【0037】
そして、研削加工処理時における砥石テーブル20の位置制御処理を行う場合は、図5のフロー図中のステップS53における位置ずれ量をこの式(2)より算出する。算出した位置ずれ量(位置ずれ補正量)を砥石テーブル20の位置指示信号に加算あるいは減算し(ステップS54)、その補正位置指示信号により砥石テーブル20の移動を制御する(ステップS55)。これにより、砥石50の回転数Nにおける振動は、砥石テーブル20の位置を制御することによって相殺することができる。
【0038】
砥石50の回転数Nを変更する場合は、式(2)及び式(3)に新しい回転数Nの値を代入することにより、位置ずれ量Pと回転角度θの関係式を求めることができる。このように、少ないデータで砥石50の回転数Nに対応した位置ずれ量を計算することができる。
【0039】
なお、本発明は上記した本実施の形態に限定されず、例えば以下の構成を有する工作機械であってもよい。
(1)上記実施の形態では砥石50の回転角度と振動の関数を式(1)のように正弦関数で近似したが、正弦関数に限定されない。これにより、砥石50の回転による振動がより精密に近似され、振動を減少させることができる。
(2)また、上記実施の形態では円筒研削盤1について説明したが、本発明は、円筒研削盤1に限定されず、平面研削盤、ボール盤、フライス盤などの工具が回転する工作機械に適用することができる。また、工具が回転する場合について説明したが、回転以外の、例えば往復移動する場合にも適用可能である。すなわち、可動部材の稼動によってテーブルの位置ずれが発生する場合に適応可能である。
(3)また、上記実施の形態では、砥石50の回転角度データが砥石テーブル20の位置を計算する時点と、砥石テーブル20を動作する時点の両時点において必要であったが、砥石50の回転角度データ(角度センサ52)を不要とすることもできる。例えば、回転角度のある一点のみにおいて信号を出すような装置(例えば、砥石軸53に設けられた印を光学的に検出する装置)を設け、その点を検出した時点からの位置ずれ量を時間との関係式で近似し、その位置ずれ量に基づいて位置ずれ補正量を時間の関係式で計算する。
(4)また、本実施の形態では砥石50の回転による位置ずれ量を工作物3の加工前に測定したが、加工中において位置ずれ量を測定してもよい。この場合には、加工準備の時間を短縮することが可能になる。また、加工中に位置ずれ量を適正な値に自動的に調整することもできる。
(5)また、本実施の形態では位置測定器40によって、砥石50の回転による位置ずれ量を求めたが、振動計等の他の測定器を用いて位置ずれ量を求めることもできる。
(6)また、本実施の形態では、位置ずれ補正量が位置ずれ量と同じ関係式により表現されるが、同じ関係式になる必要はなく、別の関係式にしてもよい。これにより、位置ずれに対する補正の微調整が可能になる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の工作機械を用いれば、可動部材の稼動により生じる振動(位置ずれ)を、テーブルのベッドに対する位置を調整することにより減少させることができ、容易で安価な振動対策が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒研削盤の主要部を示す本実施の形態の斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】制御ブロック図である。
【図4】位置ずれ量算出方法のフロー図である。
【図5】研削加工処理のフロー図である。
【図6】可変の砥石回転数に対応可能な位置ずれ量算出方法のフロー図である。
【図7】砥石の回転により生じる位置ずれ量と砥石の回転角度の関係を示す図である。
【図8】砥石の回転により生じる位置ずれ量の振幅と砥石の回転数の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 …円筒研削盤
2 …ベッド
3 …工作物
20…砥石テーブル
21…電磁石
30…砥石テーブルベース
31…永久磁石
40…位置測定器
50…砥石
51…砥石軸モータ
52…角度センサ
70…制御装置

Claims (7)

  1. 工作機械であって、
    テーブル上で可動する可動部材である工具と、前記可動部材を支持する前記テーブルと、前記テーブルを移動可能に支持するベッドと、前記テーブルの前記ベッドに対する位置を調整する調整手段と、前記ベッドに支持された工作物を加工する際に前記調整手段を制御して前記テーブルを前記ベッドに対してテーブル送り方向に所定の移動量で移動させる制御手段とを備え、
    前記制御手段は、加工前に予め、前記工具を稼動させて前記工具を前記テーブルに対して動かした際に発生する前記テーブルの前記ベッドに対するテーブル送り方向の微小振動である位置ずれ量を求め、加工時には、前記位置ずれ量を相殺するような位置ずれ補正量を前記ベッドに対する前記テーブルの前記所定の移動量に加減算した移動量で前記調整手段により前記テーブルを前記ベッドに対して前記テーブル送り方向に移動させることを特徴とする工作機械。
  2. 請求項1に記載の工作機械であって、
    前記位置ずれ量と前記位置ずれ補正量は、前記工具の前記テーブルに対する稼動位置に対応して変化するものであり、前記制御手段は、前記工具の前記テーブルに対する稼動位置に対応して前記テーブルの移動量を制御することを特徴とする工作機械。
  3. 請求項2に記載の工作機械であって、
    前記位置ずれ量を可動部材である工具テーブルに対する稼動位置に対応する関係式で近似し、関係式より求まる可動部材の各位置に対する位置ずれ量から位置ずれ補正量を求める工作機械。
  4. 請求項1に記載の工作機械であって、
    加工前に予め、可動部材の稼動に伴い発生するテーブルのベッドに対するテーブル送り方向の微小振動である位置ずれ量を前記テーブルに対する前記可動部材の複数の稼動速度において測定し、各稼動速度における位置ずれ量に基づいて、前記可動部材の稼動に伴い発生する前記テーブルの前記ベッドに対するテーブル送り方向の微小振動である位置ずれを補正する位置ずれ補正量を前記可動部材の稼動速度及び前記可動部材の前記テーブルに対する稼動位置に対応させて求め、制御手段は、前記位置ずれ補正量に基づいて調整手段を制御する工作機械。
  5. 請求項4に記載の工作機械であって、
    前記位置ずれ量を可動部材の稼動速度と可動部材のテーブルに対する稼動位置に対応する関係式で近似し、関係式より求まる可動部材の各稼動速度と各位置に対応する位置ずれ量から位置ずれ補正量を求める工作機械。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の工作機械であって、
    可動部材である工具は、稼動してテーブル上で回転する回転工具であり、
    位置ずれ量である振動は、前記工具のアンバランスに起因して発生する工作機械。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の工作機械であって、
    可動部材である工具は、稼動してテーブル上で往復移動し、
    位置ずれ量である振動は、前記工具の往復移動に起因する振動である工作機械。
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