JP4290355B2 - 核酸の検出法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多重鎖核酸を簡便かつ高精度に検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒト遺伝子配列の解析がほぼ終了し、今後これらの情報を元に遺伝子の機能解明が急速に進むものと予想されている。DNAチップは、スライドガラス等の固相担体に多数のDNA分子を整列させたマイクロアレイであり、遺伝子の発現、変異、多型性等の同時解析に非常に有用である。このDNAチップを用いるDNAチップ技術は、DNA以外の生体分子にも適用可能であり、創薬研究、疾病の診断や予防法の開発、エネルギーや環境問題対策等の研究開発に新しい手段を提供するものとして期待されている。
【0003】
DNAチップ技術の具体化は、DNAの塩基配列をオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによって決定する方法(SBH,sequencing by hybridization)が考案されたことに始まる(Dr m a n a c,R.et al.,Genomics,4,page 114(1989)),SBHは、ゲル電気泳動を用いる塩基配列決定法の限界を克服できる方法ではあったが、実用化には至らなかった。その後、DNAチップ作製技術が開発され、遺伝子の発現、変異、多型等を短時間で効率よく調べるいわゆるHTS(high−throughput screening)が可能となった(Fodor,S.P.A.,Science,251,page 767(1991)及びSchena,M.,Science,270,page 467(1995))。
【0004】
しかしながら、DNAチップ作製技術を実用化するためには、多数のDNA断片やオリゴヌクレオチドを固相担体表面に整列させるためのDNAチップの作製技術が必要とされるほか、作製されたDNAチップ上のDNA断片と試料核酸断片とのハイブリダイゼーションを高感度かつ正確に検出する技術も必要となる。一般的には、試料核酸断片を標識した後にハイブリダイゼーションさせることにより検出が行なわれるが、この標識工程は各試料毎に行う必要があり、標識反応の他に標識された核酸と反応せずに残存する標識用化合物とを分離するための精製工程も必要になるなど煩雑である。
【0005】
この煩雑な標識工程を省略する方法として、例えば特開平5−199898号公報に記載されているように、インターカレーターを用いてハイブリダイゼーションにより形成される多重鎖核酸のみを検出する方法が提案されている。共有結合による標識が検出対象核酸を変成させ、正確なハイブリダイゼーションを阻害してしまう懸念があるのに対して、インターカレーターを用いる方法は標識工程を不要にするばかりでなく、上記問題を解消できる可能性があるものと考えられている。
【0006】
上記特開平5−199898号公報に記載されているインターカレーターは検出を電気化学的に行うものであり、電気化学的な検出のために装置の小型化が可能であるなどいくつかの有利な点はあるものの、電気化学的に検出を行うためにプローブ核酸を電極表面に固定する必要があるため、電極の作成や電極表面への核酸の固定化などいくつかの新たな難しい課題が生じてしまう。
【0007】
このような理由から、現在広く行われている蛍光スキャナーを用いて検出を行う方法に適したインターカレーターの開発が望まれている。しかし、これまでに知られているインターカレーターは多重鎖核酸と相互作用しうるばかりでなく、試料となる単鎖核酸とも相互作用し、その選択性が不十分であるという問題を有している。この問題以外にも、多重鎖核酸検出用のインターカレーターとして具備すべき条件として、高い感度、高いS/Nを実現するため、多重鎖核酸へのインターカレート効率が高いこと、インターカレートした状態としていない状態とでインターカレーターから発せられるシグナル強度が大きく異なることなどが要求される。また、蛍光色素を結合した形のインターカレーターにおいては、高い蛍光色素の発光効率のほか、可視領域に吸収極大を有するなど蛍光スキャナーの励起光源及び検出波長に適性を有していることが必要であり、波長調節性の高い色素骨格が望まれている。以上の条件を満たすインターカレーターが強く望まれているが、実用的なレベルのものが見出されているとは言えない状況にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、多重鎖核酸の検出方法を提供することにある。より具体的には、DNAチップあるいはDNAアレイなどの遺伝子解析に利用可能な多重鎖核酸の検出方法を提供することにあり、検出シグナルの強度向上と高いS/N比を与える多重核酸の検出方法を提供することが本発明の課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、発光性クロモフォアを有し、単鎖核酸よりも多重鎖核酸に対して選択的な親和性を有する化合物(以下、この性質を有する化合物を「多重鎖核酸親和性化合物」と称する。)をプローブ核酸と試料核酸とのハイブリダイゼーションにより生成したハイブリッド多重鎖核酸に相互作用させ、該多重鎖核酸親和性化合物より発せられるシグナルを高いS/N比で検出する方法について鋭意研究を行った。その結果、それぞれ異なる波長で発光する2種以上の多重鎖核酸親和性化合物を多重鎖核酸に相互作用させ、それらの化合物間のエネルギー移動の結果として生じる発光を検出することにより、極めて高感度に多重鎖核酸を検出できることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、プローブ核酸に対して試料核酸を相互作用させ、該プローブ核酸と該試料核酸とのハイブリダイゼーションによりハイブリッド多重鎖核酸を形成させる工程を含み、上記ハイブリッド多重鎖核酸に対してそれぞれ異なる発光特性を有する2種以上の多重鎖核酸親和性化合物を相互作用させ、該2種以上の多重鎖核酸親和性化合物間で起こるエネルギー移動の結果として生じる発光を検出する方法を提供するものである。
【0011】
本発明の好ましい態様によれば、プローブ核酸が固相担体上に固定されている上記の方法;及び該ハイブリッド多重鎖核酸と該多重鎖核酸親和性化合物とを相互作用させた後、洗浄操作を行わずに該発光を検出する上記の方法が提供される。
【0012】
本発明のより好ましい態様によれば、エネルギー移動が蛍光共鳴エネルギー移動である上記の方法が提供される。この発明の好ましい態様では、エネルギー移動の結果として生じる上記発光についての励起スペクトル及び発光スペクトルの最大値の波長差が、それぞれの多重鎖核酸親和性化合物についての励起スペクトル及び発光スペクトルの最大値の波長差よりも拡大されている上記の方法;励起スペクトル及び発光スペクトルの最大値の波長差が80nm以上の発光を検出する上記の方法;励起スペクトル及び発光スペクトルの最大値の波長差が100nm以上の発光を検出する上記の方法;及び分子吸光係数が7万以上のクロモフォアを有する多重鎖核酸親和性化合物の2種以上を用いる上記の方法が提供される。
【0013】
さらに好ましい態様によれば、多重鎖核酸親和性化合物のうちの少なくとも1つの化合物が下記一般式(I):
(IC)−〔(L)m−(SIG)qn
(式中、ICは多重鎖核酸との親和性を有する基を示し;Lは2価の連結基を示し;SIGは検出可能なシグナルを発するクロモフォアを示し;nは2、3、又は4の整数を示し;mは0又は1を示し;qは0又は1を示すが、ただしn個の (L)m−(SIG)qにおいてすべてのqが0であることはなく、n個の (L)m−(SIG)qにおいて、それぞれのL、m、SIG、qは同一であっても異なっていてもよい)で表される化合物である上記の方法が提供される。また、別の観点からは、上記のいずれかの方法に用いるための上記一般式(I)で表される化合物が本発明により提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本明細書において、多重鎖核酸とは核酸が相補的配列に由来する相互作用により集合した状態を指している(相互作用による多重鎖核酸の生成過程を「ハイブリダイゼーション」と呼ぶ場合がある)。多重鎖核酸は二本鎖、三本鎖、又は四本鎖などの状態をとることが知られており、本明細書における多重鎖核酸にはこれらの多重鎖も包含される。核酸としてはDNA又はRNAのほか、これらの化学修飾体が数多く知られており、さらにPNAと呼ばれるポリペプチド鎖を主鎖に有する核酸類縁体なども知られているが、本明細書における多重鎖核酸にはこれらがすべて包含される。本発明においてより好ましく用いられる核酸はDNA、RNA、及びこれらの化学修飾体であり、二本鎖、三本鎖、又は四本鎖の中では二本鎖が好ましい。プローブ核酸と試料核酸とのハイブリダイゼーションにより生成される多重鎖核酸を本明細書において「ハイブリッド多重鎖核酸」と呼ぶ。
【0015】
一般に、2つのクロモフォア間でのエネルギー移動は非常に近接したクロモフォア間でおこり易く、距離が大きくなるとほとんど観測されなくなる。それぞれ異なる発光特性を有する2種以上の多重鎖核酸親和性化合物を核酸に相互作用させた場合、単鎖核酸では色素間の距離が大きいために該化合物間でのエネルギー移動がほとんど生じないが、多重鎖核酸ではクロモフォアが密に存在する確率が高くなるため、該化合物間でのエネルギー移動が起こる。本発明の方法では、上記のエネルギー移動の結果として生じる発光を検出することにより多重鎖核酸を検出することを特徴としている。
【0016】
また、一般に、蛍光スキャナーを用いてシグナルを読みとる際に励起光と多重鎖核酸親和性化合物より発せられるシグナル(発光)の最大値の波長差が小さいと、励起光がシグナルに混入する問題が生じる。これを解決するために励起光をカットする光学フィルターの波長や濃度を調節すると、シグナルがフィルターによりカットされ、結果として得られるシグナルが弱められてしまうジレンマがある。この問題を回避するためには、通常、励起光の強度や波長分布(スペクトルの線幅)、光学フィルターのシャープさなど種々の条件を最適化しなければならず、極めて煩雑であるうえ、高い検出感度を達成することも困難である。本発明の方法の好ましい態様によれば、2種以上の多重核酸親和性化合物間でのエネルギー移動を利用することによって、励起スペクトルと発光スペクトルの最大値の波長差が80nm以上の条件で発光を検出することができ、さらに好ましい態様では該波長差が100nm以上の条件で発光を検出できる。このような条件では、ノイズの少ないシグナルの観測が可能になり、極めて高い検出感度と検出精度を達成できる。
【0017】
さらに、2種以上の多重鎖核酸親和性化合物が多重鎖核酸と相互作用した結果として生じる多重鎖核酸親和性化合物の間のエネルギー移動による発光は、溶液状態においても検出が容易である。固相担体上に固定されたプローブ核酸と試料核酸とがハイブリダイゼーションした多重鎖核酸を検出する場合には、余剰の多重鎖核酸親和性化合物を洗浄によって除去する必要がなく、洗浄によるシグナル強度の低下がなくなるほか、煩雑な洗浄工程そのものを省略できるという利点もある。
【0018】
通常、励起スペクトルと発光スペクトルの最大値の波長差は化合物が有するクロモフォアに依存する。励起スペクトルと発光スペクトルの最大値の波長差が大きなクロモフォアは、例えば、モレキュラー・プローブス社のHandbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals 8th Edition(Molecular Probes社刊CD−ROM、2001年)の中に多数記載されている。しかし、ごく少数の例を除いては分子吸光係数が数万程度であり、それ自体を単独で用いても高い検出感度を望むことはできない。本発明の方法においては、それぞれ異なる波長で発光するクロモフォアを有する2種以上の多重鎖核酸親和性化合物を用い、該化合物間でのエネルギー移動の結果として生じる発光を検出するが、エネルギー移動の結果として生じる発光は励起スペクトルと発光スペクトルの最大値の波長差が十分大きいことから、それぞれの化合物自体としては励起スペクトルと発光スペクトルの最大値波長差が大きい化合物を選択する必要はない。
【0019】
本発明の方法では、好ましくは、分子吸光係数が大きな色素を2種以上用いることにより、効率的なエネルギー移動を惹起させ、検出感度を高めることができる。例えば、分子吸光係数が7万以上、好ましくは10万以上、さらに好ましくは12万以上であるクロモフォアを有する多重鎖核酸親和性化合物を2種以上用い、これらの化合物間でエネルギー移動、好ましくは蛍光共鳴エネルギー移動を起こさせることにより、励起スペクトルと発光スペクトルの最大値の波長差を大きくすることが可能であり、検出系の自由度も大きくなる。クロモフォアの分子吸光係数の上限は特に限定されないが、通常は50万以下である。
【0020】
本発明の方法で用いる2種以上の多重鎖核酸親和性化合物は、それぞれ異なる発光特性を有しており、発光スペクトルにおいて最大値を与える波長が異なるが、2種以上の化合物間での最大値波長の差は該化合物間でのエネルギー移動が生じる範囲内であれば特に限定されない。通常は、エネルギー移動の結果としての励起スペクトルと発光スペクトルの最大値の波長差が80nm以上の条件、好ましくは90nm以上、さらに好ましくは100nm以上の条件で発光を検出できるように2種以上の多重鎖核酸親和性化合物を選択することが望ましい。
【0021】
一般的には、短波長側の多重鎖核酸親和性化合物の励起スペクトルの最大値を与える波長(最大蛍光波長)と長波長側の多重鎖核酸親和性化合物の発光スペクトルの最大値を与える波長(最大発光波長)との差が80nm以上、好ましくは90nm以上、最も好ましくは100nm以上となるように多重鎖核酸親和性化合物を選択できる。短波長側の多重鎖核酸親和性化合物とは、2種以上の多重鎖核酸親和性化合物の最大蛍光波長を比較した場合に最大蛍光波長が最も低波長となる化合物のことである。短波長側の多重鎖核酸親和性化合物の最大蛍光波長と長波長側の多重鎖核酸親和性化合物の最大発光波長の差の上限は特に限定されないが、通常は1000nm以下である。
【0022】
本発明の方法に利用可能な多重鎖核酸親和性化合物としては、例えば核酸染色剤を挙げることができる。核酸染色剤としては、臭化エチジウムをはじめとして、モレキュラー・プローブス社のHandbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals 8th Edition(Molecular Probes社刊CD−ROM、2001年)の中に核酸染色剤として記載されている種々の化合物が知られている。これらの色素の多くは核酸が存在しない場合には蛍光強度が小さく、核酸との相互作用により高い蛍光強度を示すことが知られている。
【0023】
本発明で特に好ましく用いられる多重鎖核酸親和性化合物は上記一般式(I)で表される。一般式(I)において、好ましいICとしては平面3環性構造または平面4環性構造を有する基を挙げることができる。平面3環性構造の例としては、例えば、アントラセン、アントラキノン、フェナントレン、フェナントロリン、キサンテン、カルバゾール、フェナントリジン、フェナジン、アクリジンなどが挙げられる。平面4環性構造の例としては、平面3環性構造の例として挙げたものにさらに平面性の環構造を縮合させたものが挙げられる。より好ましい構造としては「分析化学」、第48巻、12号、1095頁−1105頁(1999年)に記載の縫い込み型インターカレーターとして記載されている骨格が挙げられる。
【0024】
Lは−C(R)(R')−、−O−、−N(R)−、−N+(R)(R')−・X-、−S(O)r−、−CO−、−S(=NR)t−又はアリーレン基の中から選ばれる2価の基、又はこれらを組み合わせて得られる2価の基が好ましい。R及びR'はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、アンモニオ基から選ばれる基などを示す。rは0、1、又は2を表し、tは1又は2を示す。
【0025】
SIGは検出可能なシグナルを発するクロモフォアを表すが、発光性化合物の残基であることが最も好ましい。発光性化合物の中では蛍光性色素が好ましく、蛍光性色素としてはシアニン色素、オキソノール色素、又はキサンテン色素が好ましい。SIGで表される基を与える特に好ましい蛍光性の色素化合物としては、例えば、モレキュラー・プローブス社のHandbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals 8th Edition(Molecular Probes社刊CD−ROM、2001年)の中に記載されている色素化合物や、特開2001−270957号公報に記載の色素化合物、特開2001−163895号公報に記載の化合物の色素部分に相当するもの、あるいはアマシャム・ファルマシア社から販売されているCy3又はCy5などの蛍光性色素が挙げられる。
【0026】
本発明の方法の典型的態様は、下記の工程:
(1)プローブ核酸に対して試料核酸を相互作用させ、該プローブ核酸と該試料核酸とのハイブリダイゼーションによりハイブリッド多重鎖核酸を形成する工程;
(2)それぞれ異なる波長で発光する2種以上の多重鎖核酸親和性化合物を該ハイブリッド多重鎖核酸に対して相互作用させる工程;及び
(3)上記2種以上の多重鎖核酸親和性化合物と多重鎖核酸とが相互作用することによって生じる多重鎖核酸親和性化合物間のエネルギー移動の結果として生じる発光を検出する工程
を含んでいる。
【0027】
プローブ核酸は溶液中に存在していてもよいが、固相担体に固定されていることが好ましい。固相担体としては、疎水性の担体、あるいは親水性の低い担体が好ましい。また、その表面が凹凸を有する平面性の低いものも好ましく用いることができる。固相担体の材質としては、ガラス、セメント、陶磁器等のセラミックス若しくはニューセラミックス、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ビスフェノールAのポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポリマー、シリコン、活性炭、多孔質ガラス、多孔質セラミックス、多孔質シリコン、多孔質活性炭、織捕物、不織布、減紙、短繊維、又はメンブレンフィルター等の多孔質物質などを拳げることができる。固相担体の形状及び大きさは特に限定されず、平板状、球状、又は棒状等であってもよく、ナノメートルオーダーのものからセンチメートルオーダーのものであってもよい。多孔質物質の細孔の大きさは、例えば2〜1000nmの範囲にあることが好ましく、2〜500n mの範囲にあることが特に好ましい。表面処理の容易さや電気化学的方法による解析の容易さの観点から、固相担体の材質はガラス又はシリコンであることが特に好ましい。平板プレート状の固相担体(以下、このような形状の固相担体を「基板」と呼ぶ場合があり、本発明の好ましい態様として固相担体が基板である場合について説明する場合がある)の場合、固相担体の厚さは100〜2000μmの範囲にあることが好ましい。
【0028】
固相担体上へのプローブ核酸の固定化法は、核酸断片の種類及び固相担体の種類に応じて適当な方法を選択することができる(蛋白質・核酸・酵素,Vol.43,No.13,2004−2011(1998))。例えば、核酸断片がcDNAやPCR産物の場合には、DNAの荷電を利用して、ポリリシン、ポリエチレンイミン、ポリアルキルアミン等の陽イオンで表面処理した基板に静電結合させる方法を用いることができる。表面処理された基板上に、さらに電荷を有する親水性の高分子物質等からなる層や架橋剤からなる層を設けてもよい。また、基板によっては、その基板中に親水性の高分子等を含ませることも可能であり、このような処理を施した基板も好ましく用いることができる。表面処理を行うことによって、疎水性の基板、あるいは親水性に乏しい基板と核酸断片との静電的な相互作用を促進することができる。このような場合、基板としては、表面処理の容易さと解析の容易さのため、スライドガラスを用いることが好ましい。
【0029】
合成ヌクレオチドを固定する場合には、基板上で直接合成する方法、あるいは予め末端に共有結合のための官能基を導入したオリゴマーを合成し、表面処理した基板に共有結合させる方法を用いることができる。官能基としてはアミノ基、アルデヒド基、メルカプト基、ビオチン等を挙げることができる。基板としては、ガラスやシリコンを用いることが好ましく、ガラスやシリコンの表面処理には公知のシランカップリング剤を用いることが好ましい。
【0030】
基板上に固定される核酸は検出対象の試料核酸であってもよいが、以下、便宜上、基板に固定する核酸をプローブ核酸(以下、プローブ核酸の代表例として「DNA断片」について説明する。)とし、該プローブ核酸に相互作用させる核酸を試料核酸として説明する。
【0031】
DNA断片は、目的によって二通りに分けることができる。遺伝子の発現を調べるためには、cDNA、cDNAの一部、EST等のポリヌクレオチドを使用することが好ましい。これらのポリヌクレオチドは、その機能が未知であってもよいが、一般的にはデータベースに登録された配列を基にしてcDNAのライブラリー、ゲノムのライブラリーあるいは全ゲノムをテンプレートとしてPCR法によってDNA断片を増幅して調製する。PCR法によって増幅しないDNA断片も好ましく使用することができる。また、遺伝子の変異や多型を調べるには、標準となる既知の配列をもとにして、変異や多型に対応する種々のオリゴヌクレオチドを合成し、これを使用することが好ましい。さらに、塩基配列分析の場合には、4n(nは塩基の長さ)種のオリゴヌクレオチドを合成したものを使用することが好ましい。DNA断片の塩基配列は、一般的な塩基配列決定法によって予めその配列が決定されていることが好ましい。DNA断片は、2〜50量体であることが好ましく、10〜25量体であることが特に好ましい。
【0032】
DNA断片の固相担体上への点着は、例えば、DNA断片を水性媒体に溶解又は分散して水性液を調製し、この水性液を96穴又は384穴プラスチックプレートに分注し、分注した水性液をスポッター装置等を用いて固相担体表面上に滴下して行うことが好ましい。
【0033】
点着後のDNA断片の乾燥を防ぐために、DNA断片を溶解又は分散させた水性液中に高沸点の物質を添加してもよい。高沸点の物質としては、DNA断片を溶解又は分散させた水性液に溶解し得るものであって、DNA断片と試料核酸とのハイブリダイゼーションを妨げることがなく、かつ粘性の大きくない物質が好ましい。このような物質としては、グリセリン、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、及び低分子の親水性ポリマーを挙げることができる。親水性ポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム等を挙げることができる。ポリマーの分子量は103〜105の範囲にあることが好ましい。高沸点の物質としては、グリセリンあるいはエチレングリコールを用いることがさらに好ましく、グリセリンを用いることが特に好ましい。高沸点の物質の濃度は、DNA断片の水性液中、0.1〜2容量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜1容量%の範囲にあることが特に好ましい。また、同じ目的のために、DNA断片を点着した後の固相担体を90%以上の湿度及び25〜50℃の温度範囲の環境に置くことも好ましい。
【0034】
DNA断片を固相担体に点着後、紫外線、水素化ホウ素ナトリウム、又はシッフ試薬などによる後処理を施してもよい。これらの後処理は、複数の種類を組み合わせて行ってもよく、加熱処理と紫外線処理などを組み合わせて行うことが特に好ましい。点着後にインキュベーションを行うことも好ましい。インキュベート後、未点着のDNA断片を洗浄して除去することが好ましい。
【0035】
DNA断片の密度は、固相担体表面に対して102〜105種類/cm2の範囲にあることが好ましい。DNA断片の量は、1〜10-15モルの範囲であり、質量としては数ng以下であることが好ましい。点着によって、DNA断片の水性液は固相担体表面にドットの形状で固定される。ドットの形状は通常ほとんど円形である。形状に変動がないことは、遺伝子発現の定量的解析や一塩基変異を解析するために重要である。ドット間の距離は、0〜1.5mmの範囲にあることが好ましく、100〜300μmの範囲にあることが特に好ましい。1つのドットの大きさは、直径が50〜300μmの範囲にあることが好ましい。点着する水性液の容量は100pL〜1μLの範囲にあることが好ましく、1〜100nLの範囲にあることが特に好ましい。
【0036】
上記の工程によって作製されたDNA断片が固定された固相担体(以下、「DNAチップ」という)の寿命は、cDNAを固定したcDNAチップでは数週間、オリゴDNAを固定したオリゴDNAチップではさらに長期間である。これらのDNAチップは、遺伝子発現のモニタリング、塩基配列の決定、変異解析、多型解析等に利用できる。
【0037】
試料核酸としては、その配列や機能が未知であるDNA断片又はRNA断片を含む試料を用いることが好ましい。試料核酸は、遺伝子発現を調べる目的では、真核生物の細胞や組織サンプルから単離することが好ましい。試料がゲノムである場合には、赤血球を除く任意の組織サンプルから試料核酸を単離することができる。赤血球を除く任意の組織は、抹消血液りンパ球、皮膚、毛髪、***等であることが好ましい。試料がmRNAの場合には、mRNAが発現される組織サンプルから抽出することが好ましい。mRNAは、逆転写反応によりdNTP(「dNTP」は、塩基がアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)若しくはチミン(T)であるデオキシリボヌクレオチドを意味する。)を取り込ませてcDNAとすることが好ましい。dNTPとしては、化学的な安定性の観点からdCTPを用いることが好ましい。1回のハイブリダイゼーションに必要なmRNA量は、液量や標識方法によって異なるが、数μg以下であることが好ましい。DNAチップ上のDNA断片がオリゴDNAである場合には、試料核酸は低分子化しておくことが望ましい。原核生物の細胞では、mRNAの選択的な抽出が困難なため、全RNAを標識することが好ましい。
【0038】
ハイブリダイゼーションは、試料核酸を溶解又は分散させた水性液を96穴又は384穴プラスチックプレートに分注しておき、上記で作製したDNAチップ上のDNA断片の位置に点着することによって行うことができる。点着すべき水性液の容量は、例えば1〜100nLの範囲にあることが好ましい。ハイブリダイゼーションは、通常、室温〜70℃の温度範囲で6〜20時間の範囲で行うことができる。
【0039】
ハイブリダイゼーション終了後、界面活性剤と緩衝液との混合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の試料核酸を除去することが好ましい。界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いることが好ましく、緩衝液としては、クエン酸緩衝被、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝被、トリス緩衝液、グッド緩衝液等を用いることができるが、クエン酸緩衝液を用いることが特に好ましい。もっとも、ハイブリダイゼーションに際して一般式(I)で表される化合物を共存させ、ハイブリッド多重鎖核酸と該化合物とを相互作用させる場合には、上記と同様に洗浄を行ってもよいが、蛍光共鳴エネルギー移動現象を利用してエネルギー移動の結果として生じる発光を検出する場合などには洗浄を行わず、そのまま光学的検出を行うことも可能である。
【0040】
DNAチップを用いるハイブリダイゼーションの特徴は、試料核酸の使用量が非常に少ないことである。そのため、固相担体に固定するDNA断片の鎖長や試料核酸の種類によりハイブリダイゼーションの最適条件を設定する必要がある。遺伝子発現の解析には、低発現の遺伝子も十分に検出できるように、長時間のハイブリダイゼーションを行うことが好ましい。一塩基変異の検出には、短時間のハイブリダイゼーションを行うことが好ましい。
【0041】
2種以上の多重鎖核酸親和性化合物をハイブリッド多重鎖核酸に対して相互作用させる工程は、上記ハイブリダイゼーションと同時に行ってもよいが、ハイブリダイゼーションのあとに行ってもよい。2種以上の多重鎖核酸親和性化合物をハイブリダイゼーションの工程において混合してもよく、あるいはハイブリダイゼーション工程において1種以上の多重鎖核酸親和性化合物を混合し、ハイブリダイゼーションの後に上記とは異なる1種以上の多重鎖核酸親和性化合物を混合してもよい。相互作用工程の温度は特に限定されないが、ハイブリダイゼーションに際して多重鎖核酸親和性化合物を添加する場合にはすでに説明したハイブリダイゼーションの温度で行えばよく、ハイブリダイゼーションの後に多重鎖核酸親和性化合物を添加する場合には、ハイブリッド多重鎖核酸が解離しない温度で行う必要がある。例えば、10℃〜70℃の範囲が好ましく、25℃〜65℃の範囲がより好ましい。
【0042】
多重鎖核酸親和性化合物をハイブリッド多重鎖核酸に対して接触させる際の溶媒としては、水又は各種緩衝液のほか、水に混和しうる有機溶媒と水との混合溶媒を適宜用いることができる。水に混和しうる有機溶媒としてはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンなどが好ましい。また、緩衝液とこれらの有機溶媒を混合して用いることも好ましい。
【0043】
多重鎖核酸親和性化合物の使用量は、用いるプローブ核酸の種類や塩基数などの条件により異なるが、プローブ核酸の総塩基数に対して10-3〜107倍程度、さらに好ましくは10-2〜105倍程度の分子数を供給するように溶液濃度を調整することが好ましい。また、本発明の方法において、2種以上の多重鎖核酸親和性化合物は、それぞれこの範囲で使用することができ、それぞれの化合物のクロモフォアの分子吸光係数や発光量子収率に合わせて検出感度が最適になるように使用量を調節することができる。
【0044】
多重鎖核酸親和性化合物をハイブリッド多重鎖核酸に接触させた後、過剰の多重鎖核酸親和性化合物を除去するために洗浄を行うことが好ましい。この場合にはハイブリダイゼーション後の洗浄と同様の操作で行うことができる。もっとも、本発明の方法ではこの洗浄を行わなくても光学的検出が可能であり、洗浄操作を省略することも好ましい。
【0045】
多重鎖核酸親和性化合物間の相互作用を光学的手段により検出することができるが、溶液系でハイブリッド多重鎖核酸を検出する場合には、通常の蛍光光度計を用いることもでき、あるいは多数同時検出が可能な点及び感度の点などから蛍光スキャナーを用いて行うことも好ましい。また、蛍光量の測定は、ハイブリダイゼーション後の固相担体を乾燥させるか、あるいは水性溶媒の存在下に、従来の蛍光レーザースキャナー法によって行ってもよく、あるいは固相担体を乾燥させないようにカバーガラスで覆い、冷却CCD(電荷結合素子)法によって測定を行ってもよい。
【0046】
本発明の方法を行うにあたり、核酸試料を適宜の手段で標識しておき、多重鎖核酸親和性化合物による検出と組み合わせてハイブリッド多重鎖核酸を検出してもよい。例えば、核酸試料を蛍光色素で標識しておいてもよく、あるいはRI法、非RI法としてビオチン法又は化学発光法などの標識手段を採用できる。例えば、蛍光物質としては核酸の塩基部分と結合できるものであれば何れも用いることができるが、シアニン色素(例えば、CyDyeTMシリーズのCy3、Cy5等)、ローダミン6G試薬、N−アセトキシ−N2−アセチルアミノフルオレン(AAF)あるいはAAIF(AAFのヨウ素誘導体)を使用することができる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1:DNAハイブリッドの検出
(1)DNA断片固定スライドの作成
2重量%アミノプロピルエトキシシラン(信越化学工業(株)製)のエタノール溶液に、スライドガラス(25mm×75mm)を10分間浸した後取り出し、エタノールで洗浄後、110℃で10分間乾燥して、シラン化合物被覆スライド(A)を作成した。次いで、このシラン化合物被覆スライド(A)を3質量%化合物VS−1溶液に、10分間浸した後取り出し、エタノールで洗浄後、120℃で15分間乾燥して、VS−1被覆スライド(B)を作成した。
【0048】
【化1】
Figure 0004290355
【0049】
(2)ハイブリッド多重核酸の検出
3’未端がアミノ基で修飾された配列表の配列番号1に示すDNA断片を0.1M炭酸緩衝液(pH9.8)に分散した水性液(1×10-6M、1μL)を上記(1)で得たスライド(C)に点着した。直ちに、点着後のスライドを60℃、湿度90%にて1時間放置した後、120℃で20分間加熱した。このスライドを0.1質量%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)と2×SSC(2×SSC:SSCの原液を2倍に希釈した溶液、SSC:標準食塩−クエン酸緩衝液)との混合溶液で2回、0.2×SSC水溶液で1回順次洗浄した。次いで、上記の洗浄後のスライドを0.1Mグリシン水溶液(pH10)中に1時間30分浸漬した後、蒸留水で洗浄し、室温で乾燥させ、DNA断片が固定されたスライド(D)を得た。
【0050】
このスライドに対して先ほどのDNA配列と相補的な配列を有する60m e rのDNAをハイブリダイゼーション用溶液(4×SSCおよび10質量%のSDSの混合溶液)(20μL)に分散させ、多重鎖核酸親和性化合物(比較例1、本発明1、及び本発明2として下記に示した。各々0.1mMのジメチルスルホキシド溶液を1μL)添加して、上記で得たスライド(D)に付与して表面を顕微鏡用カバーガラスで保護した後、モイスチャンバー内にて60℃で10時間インキュベートした。このスライドガラスを洗浄せずに蛍光スキャニング装置で測定した。励起波長は短波長側の色素の最大吸収波長にできるだけ近い波長で励起し、検出波長はフィルターを調節して最大値が得られるようにした。
【0051】
次いで、このスライドを0.1質量%SDSと2×SSCとの混合溶液で洗浄した後、600rpmで20秒間遠心し、室温で乾燥した。それぞれをスライドガラス表面の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定した。励起波長は短波長側の色素の最大吸収波長にできるだけ近い波長で励起し、検出波長はフィルターを調節して最大値が得られるようにした。また、同様の実験を相補的な配列を有する60merを添加しない実験を行った。
【0052】
表1では、相補鎖を添加したときの洗浄後に測定した比較例1のサンプルの蛍光強度を100として相対的な蛍光強度を数値で示した。この結果、比較例1では蛍光共鳴エネルギー移動が起こらないため、洗浄しない場合には全くシグナルが得られず、バックグラウンドも高い。これに対して、本発明1及び本発明2のサンプルでは洗浄しない場合でもシグナルを検出することができ、洗浄後においてもバックグラウンドが低く、良好なS/Nが得られた。なお、比較例1では比較例1の化合物を励起して該化合物からの発光を検出した。本発明1及び本発明2のサンプルでは短波長側の化合物を励起し、長波長側の化合物からの発光を検出した。
【0053】
【表1】
Figure 0004290355
【0054】
【化2】
Figure 0004290355
【0055】
【化3】
Figure 0004290355
【0056】
【化4】
Figure 0004290355
【0057】
例2:DNA/RNAハイブリッドの検出
例1において、スライドガラス表面に固定した60merのDNAの代わりに40merのオリゴデオキシAを固定し、相補的な配列としてオリゴUを使用した以外はまったく同様の実験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0058】
【発明の効果】
本発明の方法では、多重鎖核酸親和性化合物間のエネルギー移動の結果として生じる発光を検出するため、励起スペクトルと発光スペクトルの最大値の波長差を拡大でき、S/N比のよい検出が可能である。この結果、発光DNAチップなどを用いた試料核酸の検出においてDNA/DNA及びRNA/DNAなどのハイブリッド多重鎖核酸を煩雑な標識操作や洗浄操作を行わずに高感度に検出できる。
【0059】
【配列表】
Figure 0004290355

Claims (10)

  1. プローブ核酸に対して試料核酸を相互作用させ、該プローブ核酸と該試料核酸とのハイブリダイゼーションによりハイブリッド多重鎖核酸を形成させる工程を含み、上記ハイブリッド多重鎖核酸に対してそれぞれ異なる発光特性を有する2種以上の多重鎖核酸親和性化合物を相互作用させ、該2種以上の多重鎖核酸親和性化合物間で起こるエネルギー移動の結果として生じる発光を検出する方法であって
    前記2種以上の多重鎖核酸親和性化合物は、いずれも、下記一般式(I):(IC)−〔(L)m−(SIG)qn(式中、ICは平面3環性構造または平面4環性構造を有する基を示し;Lは2価の連結基を示し;SIGはシアニン色素、オキソノール色素、又はキサンテン色素を示し;nは2、3、又は4の整数を示し;mは0又は1を示し;qは1を示し、n個の (L)m−(SIG)qにおいて、それぞれのL、m、SIGは同一であっても異なっていてもよい)で表される化合物であり、
    前記エネルギー移動が蛍光共鳴エネルギー移動であり、
    かつ前記エネルギー移動の結果として生じる上記発光についての励起スペクトル及び発光スペクトルの最大値の波長差が、それぞれの多重鎖核酸親和性化合物についての励起スペクトル及び発光スペクトルの最大値の波長差よりも拡大されている方法。
  2. nが2であり、2個の(L)m−(SIG)qにおいて、それぞれのL、m、SIGが同一である請求項1に記載の方法。
  3. 励起スペクトル及び発光スペクトルの最大値の波長差が80nm以上の発光を検出する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 励起スペクトル及び発光スペクトルの最大値の波長差が100nm以上の発光を検出する請求項1又は2に記載の方法。
  5. 分子吸光係数が7万以上のクロモフォアを有する多重鎖核酸親和性化合物の2種以上を用いる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. プローブ核酸が固相担体上に固定されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 該ハイブリッド多重鎖核酸と該多重鎖核酸親和性化合物とを相互作用させた後、洗浄操作を行わずに該発光を検出する請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法に用いるための請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の2種以上の組み合わせ。
  9. 多重鎖核酸の検出のための下記の化合物の組み合わせ。
    Figure 0004290355
  10. 多重鎖核酸の検出のための下記の化合物の組み合わせ。
    Figure 0004290355
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