JP4289740B2 - 接続片を備えた熱交換器 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項１の前文に従って構成された、非冷却管と複数の冷却管との間に接続片を備えた熱交換器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
高温の非冷却管の端部がフォーク状に外向きに拡がっていて、断熱が行われるように構成された熱交換器に使用される接続片は公知（例えば、ＤＥ−ＰＳ３９１０６３０号参照）である。この接続片は、例えば、沸騰水により冷却される外管のうちの１本だけに高温ガスを導いている。この原理が確かなものであることは実証されている。しかし、直径がほぼ非冷却管のそれに等しい冷却管を、その直径が大きいため、比較的長く延設させなければならないことが欠点であるとみなされている。このことは、高温のガスを所定の温度に冷却するために必要であることから熱力学的な理由に基づいて明らかである。
【０００３】
高温の流体は非冷却管から直径がより小さい複数の冷却管に分配されるので、冷却管の長さを大幅に短縮し、これにより熱交換器をコスト的により有利に構成することができる。この構成を実現するために入口側の高温の流体が入口チャンバーを使用することにより複数の冷却管に分散され、該冷却管が共通の管支持部で保持されるよう実施される構造は公知である。
【０００４】
二重管が管寄せとして機能する楕円管（Ｏｖａｌｒｏｈｒ）と接続されるよう構成された二重管式熱交換器はＵＳ−ＰＳ５４６４０５７号より公知である。熱交換器のガス流入側には入口片が設けられていて、該入口片にガス供給管と接続される複数のガス通過部が形成されている。各ガス貫流部は流動方向に広げられていて、供給された高温のガスは複数の冷却された冷却管に分配される。この熱交換器の欠点は、長さ方向に見た構造体の長さが大きいことと、各冷却管が冷却媒体を受け取るために専用の被覆管を必要とすることである。その他、入口片の構造態様は費用がかかり、これに応じて高価なものになる。
【０００５】
他の公知の二重管式熱交換器においては、ズボン・パイプ（ｈｏｓｅｎｒｏｈｒｅｓ）の態様に従って設計されていて、横断面積を保持しながら２つまたは３つの分岐管に分岐されている接続片が使用されている。この二重管式熱交換器の欠点は、基本的にはＵＳ−ＰＳ５４６４０５７号に従って構成されている二重管式熱交換器のものと同じであることである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、比較的簡単でコスト的に有利な構造態様の接続片を使用することにより非冷却管からの高温の流体を乱流を伴うことなく複数の冷却管に分配すると同時に、管支持部が該流体の直接衝突を回避し得るように構成されたコンパクトで場所を取らない当初に挙げた種類の熱交換器を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項１の特徴項に規定されている当初に挙げた種類の熱交換器が本発明に従って提供されたのである。本発明の有利な実施態様については請求項２より６までを参照されたい。
【０００８】
本発明によれば、できるだけ小さい面上に案内通路とこれに対応する冷却管を配置することにより、案内通路のために好適には円筒状のジャケットをあらかじめ用意しておくことが可能である。このことは、共通の外部ジャケットの中に導き入れることができる冷却管にも当てはまることである。これにより、熱交換器のためにコスト的に有利で場所を取らない構造態様を実現することが可能となる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図解した添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
部分的にしか示されていない熱交換器１は、好適には沸騰水である冷却媒体を用いて高温のガスを冷却するために使用される。高温のガスは好適には、分解炉で製造されて、短時間のうちに低い温度に冷却しなければならない分解ガスである。この高温のガスは、１つまたは複数の非冷却管２を通って分解炉から流出する。各非冷却管２は、接続片３を介して熱交換器１と接続されている。
【００１０】
熱交換器１は、内径が非冷却管２の内径より小さく寸法ぎめされている複数の冷却管４、例えば、４本の冷却管４から構成されている。それらの冷却管４は部分円上に配置されていて、円筒状の外部ジャケット５により取り囲まれている。各冷却管４は、共通の管支持部６に溶接されている。冷却媒体を供給する入口チャンバー７は、冷却管４の長さ方向に管支持部６に取り付けられている。入口チャンバー７の外壁は、軸方向に見て一方の側が管支持部６と溶接されているとともに、他方の側が外部ジャケット５と溶接されている。冷却管４は、熱交換器１の図示されていない他方の端部が第２の管支持部で保持されていて、冷却媒体の出口チャンバーにより取り囲まれている。
【００１１】
接続片３は円筒状の入口区画８を備えていて、該入口区画の内径は非冷却管２の内径と同一に寸法ぎめされている。入口区画８は、例えば、溶接により非冷却管２に取り付けられている。接続片３の入口区画８は、円筒状の端部区画９で拡径されている。
【００１２】
接続片３の入口区画８は星形に配列された複数の案内通路１０に分岐されていて、該案内通路１０はそれぞれ、冷却管４のひとつひとつと対応している。接続片３の端部区画９は案内通路１０を取り囲んでいる。各案内通路１０は、各冷却管４と同軸的に配置されていて、同じ部分円上で向きぎめされている。各冷却管の内径は、案内通路１０の内径と同じ寸法であるかまたはこれより大きく寸法ぎめされている。
【００１３】
端部区画９は、冷却管４を担持している管支持部６に溶接されている。案内通路１０の端面と冷却管４との間にはギャップが設けられており、このギャップのおかげで熱膨張が生じてもなんらさしつかえない。
【００１４】
案内通路１０と接続片３の端部区画９との間のスペースは断熱材料で充填されている。接続片３は、耐熱性を有する金属材料から安価にかつ一体物に鋳造するようにしてもよく、あるいは溶接構造物として製作してもよい。
【００１５】
上述の接続片３を使用すれば、高温のガスを乱流を伴うことなく冷却管に導くことができる。案内通路１０と冷却管４の内径と輪郭を相互に調整することにより、ガスの渦流を取り除くことができ、しかも管支持部６が腐食するおそれはない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、接続片を有する熱交換器の下部を長さ方向に切断した断面図である。
【図２】 図２は、接続片を上から目視した平面図である。
【符号の説明】
１ 熱交換器
２ 非冷却管
３ 接続片
４ 冷却管
５ 外部ジャケット
６ 管支持部
７ 入口チャンバー
８ 入口区画
９ 端部区画
１０ 案内通路

Claims (6)

1. １本の非冷却管（２）と複数の冷却管（４）との間に接続片（３）を備えた熱交換器であって、各冷却管（４）が管支持部（６）に挿入され、かつ部分円上に配置されており、該接続片（３）が該非冷却管（２）と接続され、かつ拡径した端部区画（９）に移行する円筒状の入口区画（８）を備えており、該端部区画（９）が該入口区画（８）から延在するとともに、各冷却管（４）とそれぞれ同軸的に配置され、かつ各冷却管（４）と同一の部分円上で向きぎめされた複数の案内通路（１０）を包含する熱交換器において、該案内通路（１０）が接続片（３）の入口区画（８）から星形に分岐されていることと、各冷却管（４）が円筒状に構成された共通の外部ジャケット（５）により取り囲まれていることと、該外部ジャケット（５）が冷却媒体を供給する入口チャンバー（７）を介して前記管支持部（６）に接続されていることとを特徴とする熱交換器。
2. 接続片（３）の端部区画（９）が、円筒状を呈していることを特徴とする請求項１記載の熱交換器。
3. 接続片（３）の端部区画（９）が、冷却管（４）を担持している管支持部（６）と接続されていることを特徴とする請求項１又は２記載の熱交換器。
4. 接続片（３）の端部区画（９）と案内通路との間のスペースが、熱の伝達を阻止する物質で充填されていることを特徴とする請求項１より３までのうちのいずれか１項記載の熱交換器。
5. 案内通路（１０）の内径が、非冷却管（２）より小さいことを特徴とする請求項１より４までのうちのいずれか１項記載の熱交換器。
6. 冷却管（４）の内径が、案内通路（１０）の内径に等しいかあるいははこれより大きいことを特徴とする請求項１より５までのうちのいずれか１項記載の熱交換器。

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