JP4289536B2 - レーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法 - Google Patents

レーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4289536B2
JP4289536B2 JP2002093910A JP2002093910A JP4289536B2 JP 4289536 B2 JP4289536 B2 JP 4289536B2 JP 2002093910 A JP2002093910 A JP 2002093910A JP 2002093910 A JP2002093910 A JP 2002093910A JP 4289536 B2 JP4289536 B2 JP 4289536B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arc
workpiece
laser beam
torch
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002093910A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003290947A (ja
Inventor
武嗣 細田
Original Assignee
武嗣 細田
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 武嗣 細田 filed Critical 武嗣 細田
Priority to JP2002093910A priority Critical patent/JP4289536B2/ja
Publication of JP2003290947A publication Critical patent/JP2003290947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4289536B2 publication Critical patent/JP4289536B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/02Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
    • B23K26/04Automatically aligning, aiming or focusing the laser beam, e.g. using the back-scattered light
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/346Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring in combination with welding or cutting covered by groups B23K5/00 - B23K25/00, e.g. in combination with resistance welding
    • B23K26/348Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring in combination with welding or cutting covered by groups B23K5/00 - B23K25/00, e.g. in combination with resistance welding in combination with arc heating, e.g. TIG [tungsten inert gas], MIG [metal inert gas] or plasma welding

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Arc Welding In General (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光と放電アークエネルギーの両エネルギーを有効に併用した溶融加工装置及び方法に関し、特に加工装置とワーク間距離の最適調整を可能としたレーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属等の加工には、アーク放電による熱加工が従来から広く利用されてきている。一方、高密度熱エネルギーを有するレーザ光を極めて細いビーム径に絞って被加工物または被溶融物であるワークに照射して溶融させることにより加工するレーザ加工技術が、その高能率、高精度、低熱歪み特性に注目されている。
【0003】
一方、レーザ加工には、大出力レーザ光発光のために高出力レーザ光源が必要であり、発光用の電源も電力からの変換効率の悪さに起因して構造の複雑化、大型化してしまい、その応用範囲の拡大に制約を与えているため、他のガス、電気、アーク等の溶接加工と比較して、その適用範囲は薄板層の加工に制約されている。特に、レーザ溶接加工の適用は、加工精度が要求される分野が多く、また、加工速度を上げるには高出力が要求され、設備コストも高額になる。
【0004】
そこで、レーザ光とアークエネルギーのそれぞれの長所を生かすため両者を組み合わせた溶接加工方法が注目されている。レーザ光とアークエネルギーを用いて金属等を溶融して加工する技術は、最小限のアークエネルギーで済むだけでなくレーザ光による溶融点確保が可能となるため、有用であるが、次のような問題点もある。
【0005】
レーザ光とアークエネルギーを放出する機構を内蔵したトーチは、操作者により把持され、またはメカニカルに把持され、被加工物であるワークに対向させてレーザ光とアークエネルギーを放出することによりワークを加工する。
【0006】
ところで、ワーク加工精度は、トーチとワーク間距離が一つの大きな要因である。例えば、レーザ光による溶融加工時にはレーザ光照射の焦点距離への合致は加工精度に大きな影響を与える。
【0007】
トーチとワーク間距離を一定値に維持することは非常に重要であり、従来は、そのためトーチとワーク間距離を測定する各種のセンサーを設け、このセンサーにより得られた情報に基づいてトーチとワーク間は所定距離に維持するように、トーチ位置を制御している。センサーとしては、例えば、キャパシタンス法、インダクタンス法、レーザ測光法がある。
【0008】
キャパシタンス法は、トーチの外周に設けた金属輪とワーク間のキャパシタンスの両者間距離依存性を利用し、キャパシタンスが一定値になるようにトーチ位置を制御するものである。インダクタンス法も同様にインダクタンスの距離依存性を利用したものである。また、レーザ測光法は、基本的にトーチ側に設けたレーザ光源から発射されたレーザ光のワークからの反射光を受光し、発射から受光までの時間を測定することにより、トーチとワーク間距離を測定し、測定結果によってトーチ位置を制御するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなキャパシタンス法とレーザ測光法には次のような問題があり、現実の実用化の大きな支障となっている。すなわち、キャパシタンス法やインダクタンス法は、トーチ外周に設けた金属輪とワーク間のキャパシタンスの測定は、設置すべき金属輪が大型化するだけでなく、測定精度もトーチの微妙な位置制御には満足できるものではない。また、レーザ測光法も高精度化のためには大型の設備が必要となるという問題がある。
【0010】
そして、これら方法の共通する大きな問題は、ほとんど点部位である溶融加工する対象としてのワークの加工部位とトーチとの間の距離を正確に測定するものではなく、ワークの面としての部位とトーチ間距離しか得られず、したがって、溶融加工点の加工には重要な情報が欠けている。
【0011】
また、一般的に使用されている工業用レーザ光(炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等)は不可視光であり、その出力も強力であるため、誤った操作が操作者に大きな危険を及ぼす恐れがある。加工条件から逸脱した条件下では、危険防止のため、加工不良発生を防止することが必要であるが、逸脱条件を検出することができない。上記工業用レーザ光が不可視光であることと、ワーク溶融点から発生する可視光線は極めて輝度が高く目視し難いことから、溶融部の視認は困難である。したがって、溶融部の視認ができず加工操作の障害となっていた。
【0012】
レーザトーチによる手動加工で、特に溶接時においては、ワークに対し適正なる焦点位置を維持するためにトーチ先端をワーク上に常時接触し、その距離を保持しようと試みられている。しかしながら、この先端接触加工はワーク上の凹凸または加工時に発生するスパッター等によりスムーズなトーチ進行が妨げられ、その結果、適正なる条件下で上記先端の非接触移動ができることが必須となる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、レーザ光エネルギーと放電アークエネルギーの両エネルギーを併用し、ワークの加工部位とトーチ間距離を正確に測定してトーチ位置を制御するレーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、溶融部の視認を可能とし、操作性を向上させたレーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0016】
(1)レーザ光源からのレーザ光を、光学系を介して絞り込んでワーク上に集光、照射するレーザ光系と、前記ワークに対向する位置に配設され、アーク放電のための高電圧が供給される電極とを有し、前記レーザ光の照射と前記アーク放電により前記ワークの溶融および加工するトーチと、
前記ワークに対する前記トーチの垂直方向位置を可変とし、ワークと該トーチの距離を移動可能に保持するホルダーと、
前記ワーク側をプラス電位とするアーク電圧を前記電極と該ワークとの間に印加し、アーク電流を出力する定電流直流電源と、
前記アーク電圧を基準電圧と比較し、両電圧の差電圧に応じた信号を制御信号として出力する制御部と、
前記制御信号に基づいて前記位置制御するホルダー駆動部と
を備えて成り、
前記電極は、径が1mm前後の細径電極でなり、
前記アーク電流は10A前後の低電流であり、
前記光学系を介して絞り込まれることにより前記ワーク上に集光された前記レーザ光は、該ワークに溶融点を形成するのに足る大きさのエネルギーを有し、
前記レーザ光により前記ワークに前記溶融点が形成されときに、前記アークによるアーク柱陽極点が該溶融点に誘導されるように、前記レーザ光学系は該アーク柱陽極点近傍に前記レーザ光の焦点を結ぶ
ことを特徴とするレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0017】
(2)前記電極の先端は、鋭角な針状をなすことを特徴とする前記(1)に記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0018】
(3)前記レーザ光学系と略同軸方向に不活性ガスを流入させ、前記トーチの下部開口部からワーク面に該不活性ガスを噴出させる前記(1)または(2)のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0019】
(4)前記定電流直流電源は、前記アーク電流を調整するアーク電流調整器を備える上記(1)乃至(3)のいずれかのレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0020】
(5)前記不活性ガスは、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス、水素ガスの少なくとも一つのガスを含む上記(1)乃至(4)のいずれかのレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0021】
(6)前記レーザ光は、前記トーチとは別設されたレーザ光発信器から出射され、光ファイバを介して導入されたレーザ光である上記(1)乃至(5)のいずれかのレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0022】
(7)レーザ光を、光学系を介して絞り込んでワーク上に集光、照射するとともに、1mm前後の径の細径の電極とワークとの間でアーク放電を生じせしめて前記ワークを溶融、加工するトーチを、前記ワークに対する前記トーチの垂直方向位置を可変とするホルダーで保持し、該ワーク側をプラス電位とするアーク電圧を前記電極と該ワークとの間に定電流直流電源により印加して、10A前後の低電流のアーク電流を供給し、前記光学系を介して絞り込まれることにより前記ワーク上に集光された前記レーザ光のエネルギーを、該ワークに溶融点を形成するのに足る大きさとし、該アーク電圧を基準電圧と比較し、両電圧の差電圧に応じた制御信号を制御部で生成し、前記位置をホルダー駆動部で制御し、前記レーザ光学系による前記レーザ光の焦点を前記アークによる前記アーク柱陽極点の近傍に結ばせ、該レーザ光による前記溶融点を前記ワークに形成したときに、前記アーク柱陽極点が該溶融点に誘導されるようにすることを特徴とするレーザ光とアークを用いた溶融加工方法。
【0023】
(8)前記電極の先端を鋭角な針状とすることにより該電極におけるアーク極点の安定化を図る前記(7)のレーザ光とアークを用いた溶融加工方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び溶融加工方法の好適実施形態例について添付図を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び溶融加工方法の一実施形態例を示す一部断面の構成図である。また、図2には、図1のトーチ部(溶融加工ユニット)1の簡略化した断面図が示されている。
【0026】
レーザ光発信器(例えば、YAGレーザ)2から発信されたレーザ光は、光ファイバ20を通ってトーチ部1の頂部102に設けられた開口部101を通ってレーザ光導光部に入射される。溶融加工部の空気遮蔽、電極の消耗防止やアーク発生を容易とするための不活性ガス(例えば、アルゴンArガス、水素Hガス、ヘリウムHeガス、窒素Nガス等)は、ガスホース30を通ってトーチ1に導入される。
【0027】
図2にも示すように、トーチ1は、外筒100上部の頂部102の開口部101には、光ファイバ20の先端部が挿入される。この先端部から出射されたレーザ光は、コリメート用のレンズ103Aと集光用のレンズ103B(レンズ支え110で固定されている)等から成る光学系によりきわめて細径のビームに絞り込まれ、ワークWの近傍で焦光される。
【0028】
外筒100の下端部には、図示されていないが、先端部径が小さい(絞り込まれた)耐熱材から成り、断面逆円錐形状のシールドカップがネジ部でネジ止め固定されている。このネジ止め固定は、耐熱性材(例えば、セラミック材)から成る略逆円錐形状のシールドカップが高熱に晒され、消耗が他部よりも激しく、取り替えを容易とするためである。
【0029】
シールドカップの内面側には略平行に、シールドカップと相似な略逆円錐形状のノズル(シールドカップ)104が、ネジ止め等により固定されている。このネジ止め固定する理由も、上記シールドカップと同様に、高熱に晒されるため消耗が他部よりも激しく、取り替えを容易とするためである。ノズル104の内部には、電極105が配設されている。電極105は、銅材から成り、その先端部は発生したアークによる高熱に起因する損傷を避けるため高融点のタングステン材等の金属から成っている。
【0030】
直流電源4は、定電流特性直流溶接用電源であり、その−極出力端子43は、−極側ケーブル50を介してトーチ1の電極105に接続され、+極出力端子44は、+極側ケーブル60を介してワークWに接続されて、ワークWが溶融加工準備状態とされる。−極側ケーブル50を介してのトーチ1の電極105への接続は、電極押さえ107、スプリング108及びスプリング押さえ109から成る電極ホルダー部106により確実に行われる。
【0031】
さて、本発明の実施形態は上述のような基本構成を有し、次のような加工動作を行う。
【0032】
トーチ1の外筒100は、適当なホルダー10で保持され、ワークWとトーチ1の先端部(電極部)を所定の位置関係、すなわち、ワークWがトーチ1の下端のレーザ光の合焦位置になるように配設する。ここで、トーチ1は、オペレータが手で保持すれば、携帯性が拡張されるので有効であることは勿論である。
【0033】
図3の模式図を参照すると、トーチ1の開口101を経て光ファイバ20の先端部から出射されたレーザ光は、上述の如く、レンズ103A及び103Bから成る光学系1を通って集光され、合焦位置に配設されているワークWを照射する。こうしてワークWは、レーザエネルギーにより瞬時に溶融され、溶融されたワーク金属は金属蒸気化され、プラズマ化される。プラズマ化されたガスが電極105に達すると、既に印加されている直流電圧により電極105の先端からアークが発生する。このアークの+極点は、周知のアーク理論から明らかなように、ワークW上の最高温部(レーザ光で溶融している部位)に誘導され確実に位置付けられ、アークは電極先端の一点から生ずる。こうして、本発明では、レーザエネルギーとアークエネルギーの両エネルギーがワークの一点に集中され、より一層の高温状態が得られ、加工が確実且つ容易となる。ワーク金属のレーザ光エネルギーの吸収率は、溶融温度が高いほど高くなることが実験的に確認されているので、本発明によれば、相乗効果が得られ、溶接点はきわめて早く溶融されることになり、溶接速度を上げることができる。
【0034】
本実施形態は、上述のように構成されており、トーチ1の下端部(電極105の先端部)とワークW間の距離を、発生したアークをセンサーとして用いてモニターし、得られた距離情報に基づいてトーチ1の位置を最適に(レーザ光の合焦やアーク放電位置の最適化)する。以下、詳細に説明する。
【0035】
アークをセンサーとして用いるときの原理について先ず説明する。図4にはアーク電圧とアーク長との関係が図示されている。図4に示すように、アーク電圧を検出することによりアーク長を知ることができる。アーク電圧が所定電圧V以上ではアーク電圧とアーク長は比例関係にあるためアーク電圧を測定できればアーク長、つまり、電極105の先端からワークWの溶融点までの距離を得ることができる。一方、アーク電圧が低い場合には、アーク電圧とアーク長との関係は不定となり、アーク電圧からアーク長を求めることはできない。また、図5には、定電流直流電源4の電源特性(定電流特性)が示されている。
【0036】
センサー用アーク電力の供給電源としての定電流直流電源4は2つの機能を有する。第1の機能は高圧パルスまたは高周波を電極部とワーク間にかけてアークを発生する機能であり、第2の機能は、アーク電流電源と電流コントロール機能である。センサー検出値は、上述のように、アーク柱の長さ変化に比例した電圧の値であり、したがって、電源としては定電流特性電源が有効で、特に直流電源が好ましい。また、電流は、上述の如く低く(10A前後)で電流調整機構により適正な値でコントロールされ、無負荷電圧は60V程度で小型小容量電源となっており、関連装置内の取り付けが容易となっている。アーク電流の調整は、アーク電流調整器42の抵抗を可変することにより行われる。
【0037】
より具体的に説明すると、トーチ1の外筒100頂部102の中心軸上に取り付けられた光ファイバ20から出射されたレーザ光は、光学レンズ系103Aと103Bを介して集光され、トーチ1の下端部の開口から出射され、シールドガスが溶融部に噴出される。この開口近接部には逆円錐状のノズル104が設置されている。
【0038】
このノズル104の内部には、レーザ光集光路の外周に、これに沿ってセンサー用のアーク発生用細径(約1mm前後)の電極(タングステン棒等)105がその先端をレーザ光焦点上部近傍に適正な距離を保持するため、トーチ1がホルダー10により調整可能に保持されている。また、これら部位は、外筒100に対して電気的に絶縁され、これに通電するためのリード線が取り付けられている。尚、この電極先端は外部の異物からの汚染消耗を防ぐため、特別な場合を除きノズル内部に位置付けられる。
【0039】
電極105の先端部は、通常鋭角な針状にしてアーク極点の安定化を図り、アーク柱外周は、不活性シールドガスで包囲されている。電極105の先端から発生したアークのセンサーとして重要な特性は、上述のように、レーザ光で作られたワーク溶融部中心点に極点をもつ安定したアークの長さに対し、比例した電圧変化を出力することである。
【0040】
レーザ光による溶融加工において、その溶融中心点は通常レーザ光中心部と合致する。また、当然その焦点も中心に存在し、アーク柱の極点が溶融中心部に存在する(アーク特性では、極点は最高温度を求めて安定する)から、アーク柱の電圧からレーザ光の焦点位置を求めることができる。
【0041】
上述のようなセンサー機能としてのアーク発生部は、ノズル104の内部の限られたスペースに設置されることが必要であり、細径電極と低電流(10A前後)の使用は有効であり、トーチ1の小型化、軽量化が容易となり自動及び手動用としての取り扱いが容易となる。
【0042】
制御部3では、アーク用電源部4の−側出力端子43と+側出力端子44に供給された電圧値(トーチ1の電極とワーク間電圧)をセンサー信号入力端子31で受け、比較制御部32において基準値設定部33で設定された基準値と比較され、基準値との差の大きさに応じた信号を制御信号としてセンサー信号出力端子34を介してトーチ駆動部5に送出される。トーチ駆動部5は、入力されたセンサー信号に基づいてトーチ1の垂直方向位置を最適位置に制御する。出力端子34からは警告信号等の任意の信号が外部へ出力される。
【0043】
ここで、細径電極(1mm前後)から低電流(10A前後)で発生させるセンサーとしてのアーク柱について具体的に説明する。不活性ガス、例えばアルゴンガス雰囲気で、正極性での直流低電流アークはワークの種類にもよるが、一般的に陽極点が不安定となり易い。この原因は、低電流からくるエネルギー不足によりワーク上に極点を安定させる高温部(溶融部)を作り難いことによるものである。
【0044】
したがって、他のエネルギー(本例では、レーザ光)により所要部に溶融部が作られた場合、この部を介してアークによるセンサーは、レーザ光低電流(10A)との相互作用で極めて簡便で安定したセンサー機能を発揮する。
【0045】
本実施形態におけるアークの発生から加工までの時系列動作は次のとおりである。
(1)アーク発生準備としてシールドガスを先行導入し、トーチ1の先端部から放出した状態でトーチ先端部をワーク上電極近くに置くか、または接触させる。
(2)アーク発生電源をONとし、無負荷電圧(DC60V)とアーク発生用高圧パルス、または高周波を電極105とワークW間にかける。この電圧によりこの間の絶縁が破られスパークに続きアークが発生する。本実施形態では、電極105及びワークWは正極性で電源に接続されている。また、ガスの先行は電極の酸化消耗を防止することと、電離電圧が低くアークの発生を容易にする効果がある。
(3)アークの発生により、電源出力の電圧は、図5に示すように、無負荷電圧から負荷(アーク)電圧に降下し、同時に負荷電流が流れる。この電圧、電流の変化は、信号として検出され、信号比較コントロール分に送られ、処理されて目的とする端子から出力される。
(4)レーザ光は、外部装置であるレーザ光発信器2から出射され、光ファイバ20によりトーチ1に導光され、光学レンズ103Aと103Bにより集光され、トーチノズル口を通してワークW上に照射される。また、上記レーザ光焦点は、予めノズル先端外部の極近傍に光学レンズ103Aと103Bにより位置付けられるように構成されている。その結果、ワークの焦点部は、レーザ光エネルギーにより溶融点を形成し始める。
(5)この時点で既に発生しているアーク柱陽極点は、形成された溶融点に誘導され、ここに安定した状態で位置付けられる。この現象はアーク特性によるもので、溶融点は最も高温部に定着することに起因する。
(6)このようにして発生したアーク柱は、低電流(10A前後)にもかかわらず極めて安定したもので、アーク長に比例した電圧をセンサー値として出力することになる。このアーク柱センサー値は、制御部3の比較制御部31に送出され、加工装置に必要な信号に変換され、トーチ駆動部5に送出されて加工が進行して行く。
【0046】
以上、本発明のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び溶融加工方法の好適実施形態例を説明したが、これは単なる例示にすぎず、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること勿論である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び溶融加工方法は、レーザ光エネルギーと放電アークエネルギーの両エネルギーを有効に併用しているので溶融加工効率が著しく改善されるだけでなく、ワークの加工部位とトーチ間距離を正確に測定してトーチ位置を制御して適正なる加工を可能とする。また、溶融部の視認が可能となるので操作性が改善され、操作者に対する安全性を確保できるという格別顕著な効果を奏する。更に、装置構成が簡素化され、小型化に適したトーチを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置の一実施形態の構成図である。
【図2】図1に示す溶融加工ユニットとしてのトーチ1の簡略化した断面図である。
【図3】本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置の動作を説明するための模式図である。
【図4】本発明の動作を説明するためのアーク電圧とアーク長との関係を示す図である。
【図5】定電流直流電源4の電源特性(定電流特性)を示す図である。
【符号の説明】
1 トーチ
2 レーザ光発信器
3 制御部
4 電源部
5 トーチ駆動部
10 ホルダー
20 光ファイバ
30 ガス管
31 入力端子
32 比較制御部
33 基準値設定部
34 出力端子
41 アーク用電源部
42 アーク電流調整部
43 −側出力端子
44 +側出力端子
50 −側ケーブル
60 +側ケーブル
100 外筒
101 開口部
102 頂部
103A コリメート用レンズ
103B 集光用レンズ
104 ノズル
105 電極
106 電極ホルダー部
107 電極押さえ
108 スプリング
109 スプリング押さえ

Claims (8)

  1. レーザ光源からのレーザ光を、光学系を介して絞り込んでワーク上に集光、照射するレーザ光系と、前記ワークに対向する位置に配設され、アーク放電のための高電圧が供給される電極とを有し、前記レーザ光の照射と前記アーク放電により前記ワークの溶融および加工するトーチと、
    前記ワークに対する前記トーチの垂直方向位置を可変とし、ワークと該トーチの距離を移動可能に保持するホルダーと、
    前記ワーク側をプラス電位とするアーク電圧を前記電極と該ワークとの間に印加し、アーク電流を出力する定電流直流電源と、
    前記アーク電圧を基準電圧と比較し、両電圧の差電圧に応じた信号を制御信号として出力する制御部と、
    前記制御信号に基づいて前記位置制御するホルダー駆動部と
    を備えて成り、
    前記電極は、径が1mm前後の細径電極でなり、
    前記アーク電流は10A前後の低電流であり、
    前記光学系を介して絞り込まれることにより前記ワーク上に集光された前記レーザ光は、該ワークに溶融点を形成するのに足る大きさのエネルギーを有し、
    前記レーザ光により前記ワークに前記溶融点が形成されときに、前記アークによるアーク柱陽極点が該溶融点に誘導されるように、前記レーザ光学系は該アーク柱陽極点近傍に前記レーザ光の焦点を結ぶ
    ことを特徴とするレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
  2. 前記電極の先端は、鋭角な針状をなすことを特徴とする請求項1に記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
  3. 前記レーザ光学系と略同軸方向に不活性ガスを流入させ、前記トーチの下部開口部からワーク面に該不活性ガスを噴出させることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
  4. 前記定電流直流電源は、前記アーク電流を調整するアーク電流調整器を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
  5. 前記不活性ガスは、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス、水素ガスの少なくとも一つのガスを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
  6. 前記レーザ光は、前記トーチとは別設されたレーザ光発信器から出射され、光ファイバを介して導入されたレーザ光であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
  7. レーザ光を、光学系を介して絞り込んでワーク上に集光、照射するとともに、1mm前後の径の細径の電極とワークとの間でアーク放電を生じせしめて前記ワークを溶融、加工するトーチを、前記ワークに対する前記トーチの垂直方向位置を可変とするホルダーで保持し、該ワーク側をプラス電位とするアーク電圧を前記電極と該ワークとの間に定電流直流電源により印加して、10A前後の低電流のアーク電流を供給し、前記光学系を介して絞り込まれることにより前記ワーク上に集光された前記レーザ光のエネルギーを、該ワークに溶融点を形成するのに足る大きさとし、該アーク電圧を基準電圧と比較し、両電圧の差電圧に応じた制御信号を制御部で生成し、前記位置をホルダー駆動部で制御し、前記レーザ光学系による前記レーザ光の焦点を前記アークによる前記アーク柱陽極点の近傍に結ばせ、該レーザ光による前記溶融点を前記ワークに形成したときに、前記アーク柱陽極点が該溶融点に誘導されるようにすることを特徴とするレーザ光とアークを用いた溶融加工方法。
  8. 前記電極の先端を鋭角な針状とすることにより該電極におけるアーク極点の安定化を図ることを特徴とする請求項7に記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工方法。
JP2002093910A 2002-03-29 2002-03-29 レーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法 Expired - Fee Related JP4289536B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002093910A JP4289536B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 レーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002093910A JP4289536B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 レーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003290947A JP2003290947A (ja) 2003-10-14
JP4289536B2 true JP4289536B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=29238157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002093910A Expired - Fee Related JP4289536B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 レーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4289536B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT501124B1 (de) * 2004-12-15 2007-02-15 Fronius Int Gmbh Verfahren und vorrichtung zum kombinierten laser-lichtbogenschweissen
KR101053300B1 (ko) 2004-12-27 2011-08-01 주식회사 포스코 맞대기 용접부 품질 향상을 위한 하이브리드 용접 방법
CN102528283A (zh) * 2010-12-30 2012-07-04 杭州中科新松光电有限公司 一种光纤传输激光器焊接头
CN116275425B (zh) * 2023-05-11 2023-07-28 常州锐迪夫电子科技有限公司 一种多头线缆焊接机的绝缘包装装置
CN117564518B (zh) * 2024-01-15 2024-05-17 洛阳船舶材料研究所(中国船舶集团有限公司第七二五研究所) 一种真空激光焊接装置及焊接方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003290947A (ja) 2003-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5866870A (en) Enhanced laser beam welding
JP3268248B2 (ja) 複合溶接ヘッド
US8592715B2 (en) Hybrid welding method and hybrid welding apparatus
RU2317183C2 (ru) Ручная питаемая порошком горелка для лазерной сварки плавлением
US11491583B2 (en) Methods and apparatuses for controlling cutting processes
JP5398165B2 (ja) レーザ・アーク複合溶接ヘッド及びその方法
US20080169277A1 (en) Lighted welding torch
KR20030014755A (ko) 레이저 가공장치
US20120234802A1 (en) Machining Work Pieces with a Laser Apparatus and an Electric Arc Apparatus
US20110297658A1 (en) Method and system to start and use combination filler wire feed and high intensity energy source for welding
US10562131B2 (en) Laser machine
US20130105450A1 (en) Method and apparatus for the production of a welding seam or a three-dimensional structure on a surface of a metallic work piece
CN109070276B (zh) 用于借助激光束加工工件表面的设备以及设备的运行方法
JP2005334926A (ja) レーザ加工機におけるレーザ加工工具のノズルプリセッタ
JP5353181B2 (ja) 溶接ワイヤ送給装置及びレーザ・アークハイブリッド溶接装置
DE69704920D1 (de) Kombinierter Laser- und Lichtbogenplasmaschweissbrenner sowie Verfahren
WO2018145544A1 (zh) 一种用于激光束和等离子弧复合焊接的焊炬
JP4289536B2 (ja) レーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び方法
JP2008043989A (ja) レーザ加工装置及びこれを使用したレーザ加工方法
JP3946362B2 (ja) レーザ誘導アーク溶接装置および同溶接方法
JP3061268B1 (ja) レーザ光とアークを用いた溶融加工装置
US6437281B1 (en) Apparatus, system, and related method for sensing a characteristic of a workpiece in an automated process
CN111107955A (zh) 用于热接合的焊炬体
JP4394808B2 (ja) レーザ光とアークを用いた溶融加工装置
JP2013193085A (ja) 溶接システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050701

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20071114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080516

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080516

RD14 Notification of resignation of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7434

Effective date: 20080516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090313

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140410

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees