JP4288454B2 - 薬物代謝の第i相反応に関与する酵素の測定方法、そのためのプローブおよびキット - Google Patents

薬物代謝の第i相反応に関与する酵素の測定方法、そのためのプローブおよびキット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬物代謝の第I相反応に関与する酵素の測定方法およびそのためのプローブおよびキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトにおける薬物代謝反応は、大別すると、第I相(phase I)の酸化、還元および加水分解反応および第II相(phase II)の抱合反応からなっている。この薬物代謝反応に関与する酵素群(drug-metabolizing enzymes)に属する酵素は、約1500種に及ぶ既知酵素の、約1割を占めることが知られている。
【0003】
特に、上記薬物代謝の第I相反応に関与する酵素としては、例えば下記表1に示すような各酵素(ファミリー)およびそれらの分子種が知られている。
【0004】
【表1】
Figure 0004288454
【0005】
新薬を開発する上で、該新薬を投与した際の薬物代謝の第I相反応に関与する酵素の働き(発現量の増減)を把握することは、殊に重要である。何故なら、この第I相反応に関与する酵素の変動が判らないと、新薬と併用される併用薬剤の効力や副作用の増減或いは併用薬剤、他の摂取物による新薬の効力、副作用の増減などが予測できず、該新薬の安全性を確認することができないからである。
【0006】
従って、新薬開発などの分野においては、かかる薬物代謝の第I相反応に関与する酵素に関する情報、殊に該酵素およびその各分子種を区別して測定できる測定技術の開発が、要望されている。かかる技術が開発できれば、例えば、新薬の他剤との相互作用、特殊病態時における影響などが容易に把握でき、該新薬の副作用に関する有用な情報を得ることができ、かくして新薬の安全性を確保することができる。
【0007】
一方、ポリメラーゼチェインリアクション(PCR)は、核酸の増幅法として広く知られており、例えばRT-PCR(Reverse Transcription-PCR)、コンペティティブRT-PCRなどが微量のmRNAの検出、定量に威力を発揮している。
【0008】
近年、PCRを利用したリアルタイム定量検出法が確立された(Taq Man PCR (Genome Res., 6(10), 986 (1996)), ABI PRISMTM Sequence Detection System (Applied Biosystems社))。この検出法は、特定の蛍光標識プローブ(TaqMan probe)を用いて核酸を測定する方法であり、その原理は次の通りである。即ち、例えば5'末端にリポーター色素および3'末端にクエンチャー色素を付加して蛍光標識したプローブをターゲットDNAにアニールさせた状態で、通常のPCR反応を行わせると、伸長反応の進行に伴って、DNAポリメラーゼの有する5'-3'エキソヌクレアーゼ活性により、上記プローブが5'末端から加水分解される。その結果、5'末端のリポーター色素が3'末端のクエンチャー色素から離れ、これにより、当初一定の空間的距離を保っていたことによるFRET(Fluoresence Resonance Energy Transfer, 両蛍光色素の共鳴によるリポーター色素のエネルギー順位の低下に基づく蛍光強度の低下現象)効果がなくなり、クエンチャー色素により制御されていたリポーター色素の蛍光強度が増加する。該蛍光強度の増加を測定すれば、ターゲット核酸をリアルタイムに選択的に定量検出できる。
【0009】
この方法には、PCR反応後に増幅物を例えばアガロースゲル電気泳動して、泳動パターンを解析するなどの複雑な工程が不要となり、短時間で且つ同時に多種のサンプルを定量できる利点がある。
【0010】
一般に、臨床検査センターなどで臨床検査を行う場合は、非常に多数の検体について限られた時間内に検査をする必要があり、検査を効率良く行い得る手法の開発が要望されており、上記リアルタイム検出法は、この要望に合致するものとして期待できる。
【0011】
本発明者らは、上記PCRによるリアルタイム検出法に着目し、その薬物代謝の第I相反応に関与する酵素の検出への応用を着想した。即ち、かかる応用によって、同じ装置を用いて同一のPCR条件で多数の検体を同時に検査でき、しかもこれによって各酵素の分子種までも区別して測定、検出することが可能となると考えた。
【0012】
しかるに、現在知られている薬物代謝の第I相反応に関与する酵素は、前述したとおり、非常に多数であり、それぞれのmRNAの配列は、知られているものの、これらをターゲット遺伝子として、互いに重複する配列部分を有さず、しかも同一PCR条件で充分に増幅し得、更に、該ターゲット遺伝子の特定位置にハイブリダイズし得る各プライマー対としてのオリゴヌクレオチドの検索自体困難であると考えられた。
【0013】
また、かかるプライマー対に挟まれた特定領域に、同一PCR条件下にこれらのプライマーよりも早くハイブリダイズし得、しかも薬物代謝の第I相反応に関与する各酵素に対して特異的なプローブの構築もまた、同様に困難であると考えられた。
【0014】
特に、ヌクレオチド配列が既知の2つの核酸のハイブリダイズのし易さは、融点(Tm)の計算によりある程度推定することはできるものの、この推定によって選択したプライマーとプローブとの組合せが、必ずしもDNA測定において好結果をもたらすわけではないことが知られており、現在知られている薬物代謝の第I相反応に関与する多種の酵素について、これらを同時に区別して測定可能な、上記PCRによるリアルタイム検出用の各プライマー対とプローブとの組合せの選択には、熟練者の試行錯誤による多大な実験などが必要となると予想された。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、薬物代謝の第I相反応に関与する酵素のPCRによる測定法、特にリアルタイム検出法の確立と、そのためのプローブおよびプライマー対を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的より薬物代謝の第I相反応に関与する多種の酵素について、多大な実験、研究を繰返し行った結果、上記酵素の内の39種に対する目的プライマー対およびプローブの組合せを提供するに成功し、ここに本発明を完成するに至った。
【0017】
本発明は、薬物代謝の第I相反応に関与する酵素の測定に用いられるプローブであって、下記(1)〜(53)に示される領域のいずれかにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドからなる群から選ばれるプローブ;特にリポーター色素とクエンチャー色素とが結合している該プローブ;塩基配列の長さが20-40の範囲にある該プローブ;配列番号1〜配列番号53に示される配列のいずれかを含む該プローブ;並びに配列番号1〜配列番号53に示される配列のいずれかである該プローブを提供する。
(1)EPHX1遺伝子の222-248領域
(2)EPHX2遺伝子の174-203領域
(3)PIG3遺伝子の767-796領域
(4)NMOR2遺伝子の50-77領域
(5)MAOA遺伝子の853-881領域
(6)MAOB遺伝子の1491-1519領域
(7)PTGS1遺伝子の1088-1115領域
(8)PTGS2遺伝子の830-855領域
(9)DPYD遺伝子の2345-2370領域
(10)AOX1遺伝子の3500-3527領域
(11)XDH遺伝子の3504-3533領域
(12)CEL遺伝子の468-493領域
(13)CES1遺伝子の976-1005領域
(14)CES2遺伝子の328-354領域
(15)AADAC遺伝子の86-113領域
(16)GZMA遺伝子の326-353領域
(17)GZMB遺伝子の276-301領域
(18)IL17遺伝子の99-126領域
(19)LIPA遺伝子の253-282領域
(20)NTE遺伝子の3670-3697領域
(21)UCHL1遺伝子の255-280領域
(22)UCHL3遺伝子の105-134領域
(23)FMO1遺伝子の728-755領域
(24)FMO2遺伝子の727-750領域
(25)FMO2遺伝子の1117-1143領域
(26)FMO3遺伝子の735-763領域
(27)FMO4遺伝子の1326-1351領域
(28)FMO5遺伝子の1111-1138領域
(29)ALDH1遺伝子の381-407領域
(30)ALDH2遺伝子の1204-1228領域
(31)ALDH3遺伝子の461-488領域
(32)ALDH3遺伝子の1094-1121領域
(33)ALDH4遺伝子の823-848領域
(34)ALDH5遺伝子の1212-1236領域
(35)ALDH6遺伝子の1413-1439領域
(36)ALDH7遺伝子の790-816領域
(37)ALDH8遺伝子の95-122領域
(38)ALDH9遺伝子の481-504領域
(39)ALDH10遺伝子の563-588領域
(40)ADH1遺伝子の168-197領域
(41)ADH1遺伝子の298-333領域
(42)ADH2遺伝子の144-173領域
(43)ADH2遺伝子の438-467領域
(44)ADH3遺伝子の102-131領域
(45)ADH3遺伝子の939-966領域
(46)ADH4遺伝子の927-956領域
(47)ADH5遺伝子の322-351領域
(48)ADH5遺伝子の616-641領域
(49)ADH6遺伝子の912-939の領域
(50)ADH7遺伝子の745-772の領域
(51)ESD遺伝子の451-476の領域(ジーンバンク登録番号M13450の配列に基づく、以下同じ)
(52)HADH2遺伝子の483-509の領域
(53)HEP27遺伝子の610-584の領域
また、本発明は、下記(1)〜(53)のいずれかに示される各領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドからなるフォワードプライマー、プローブおよびリバースプライマーの組合せを含む、薬物代謝の第I相反応に関与する酵素の測定キット;特にプローブが更にリポーター色素とクエンチャー色素とを結合させたものである上記測定キットを提供する。
(1)フォワードプライマー;EPHX1遺伝子の200-220領域、プローブ;同遺伝子の222-248領域およびリバースプライマー;同遺伝子の302-281領域、
(2)フォワードプライマー;EPHX2遺伝子の145-165領域、プローブ;同遺伝子の174-203領域およびリバースプライマー;同遺伝子の237-217領域、
(3)フォワードプライマー;PIG3遺伝子の743-763領域、プローブ;同遺伝子の767-796領域およびリバースプライマー;同遺伝子の858-838領域、
(4)フォワードプライマー;NMOR2遺伝子の26-46領域、プローブ;同遺伝子の50-77領域およびリバースプライマー;同遺伝子の101-80領域、
(5)フォワードプライマー;MAOA遺伝子の827-849領域、プローブ;同遺伝子の853-881領域およびリバースプライマー;同遺伝子の919-898領域、
(6)フォワードプライマー;MAOB遺伝子の1440-1461領域、プローブ;同遺伝子の1491-1519領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1555-1535領域、
(7)フォワードプライマー;PTGS1遺伝子の1066-1086領域、プローブ;同遺伝子の1088-1115領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1187-1167領域、
(8)フォワードプライマー;PTGS2遺伝子の792-813領域、プローブ;同遺伝子の830-855領域およびリバースプライマー;同遺伝子の928-908領域、
(9)フォワードプライマー;DPYD遺伝子の2321-2341領域、プローブ;同遺伝子の2345-2370領域およびリバースプライマー;同遺伝子の2399-2379領域、
(10)フォワードプライマー;AOX1遺伝子の3464-3484領域、プローブ;同遺伝子の3500-3527領域およびリバースプライマー;同遺伝子の3585-3564領域、
(11)フォワードプライマー;XDH遺伝子の3446-3468領域、プローブ;同遺伝子の3504-3533領域およびリバースプライマー;同遺伝子の3562-3540領域、
(12)フォワードプライマー;CEL遺伝子の429-451領域、プローブ;同遺伝子の468-493領域およびリバースプライマー;同遺伝子の555-533領域、
(13)フォワードプライマー;CES1遺伝子の935-956領域、プローブ;同遺伝子の976-1005領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1061-1041領域、
(14)フォワードプライマー;CES2遺伝子の298-319領域、プローブ;同遺伝子の328-354領域およびリバースプライマー;同遺伝子の383-362領域、
(15)フォワードプライマー;AADAC遺伝子の63-83領域、プローブ;同遺伝子の86-113領域およびリバースプライマー;同遺伝子の206-185領域、
(16)フォワードプライマー;GZMA遺伝子の304-324領域、プローブ;同遺伝子の326-353領域およびリバースプライマー;同遺伝子の433-413領域、
(17)フォワードプライマー;GZMB遺伝子の253-274領域、プローブ;同遺伝子の276-301領域およびリバースプライマー;同遺伝子の350-328領域、
(18)フォワードプライマー;IL17遺伝子の68-88領域、プローブ;同遺伝子の99-126領域およびリバースプライマー;同遺伝子の163-142領域、
(19)フォワードプライマー;LIPA遺伝子の226-248領域、プローブ;同遺伝子の253-282領域およびリバースプライマー;同遺伝子の347-327領域、
(20)フォワードプライマー;NTE遺伝子の3634-3655領域、プローブ;同遺伝子の3670-3697領域およびリバースプライマー;同遺伝子の3747-3725領域、
(21)フォワードプライマー;UCHL1遺伝子の233-253領域、プローブ;同遺伝子の255-280領域およびリバースプライマー;同遺伝子の306-285領域、
(22)フォワードプライマー;UCHL3遺伝子の76-97領域、プローブ;同遺伝子の105-134領域およびリバースプライマー;同遺伝子の164-140領域、
(23)フォワードプライマー;FMO1遺伝子の696-716領域、プローブ;同遺伝子の728-755領域およびリバースプライマー;同遺伝子の790-769領域、
(24)フォワードプライマー;FMO2遺伝子の705-725領域、プローブ;同遺伝子の727-750領域およびリバースプライマー;同遺伝子の826-806領域、
(25)フォワードプライマー;FMO2遺伝子の1077-1097領域、プローブ;同遺伝子の1117-1143領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1165-1145領域、
(26)フォワードプライマー;FMO3遺伝子の706-726領域、プローブ;同遺伝子の735-763領域およびリバースプライマー;同遺伝子の844-823領域、
(27)フォワードプライマー;FMO4遺伝子の1297-1317領域、プローブ;同遺伝子の1326-1351領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1422-1401領域、
(28)フォワードプライマー;FMO5遺伝子の1063-1084領域、プローブ;同遺伝子の1111-1138領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1162-1141領域、
(29)フォワードプライマー;ALDH1遺伝子の359-379領域、プローブ;同遺伝子の381-407領域およびリバースプライマー;同遺伝子の494-472領域、
(30)フォワードプライマー;ALDH2遺伝子の1179-1199領域、プローブ;同遺伝子の1204-1228領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1307-1285領域、
(31)フォワードプライマー;ALDH3遺伝子の422-442領域、プローブ;同遺伝子の461-488領域およびリバースプライマー;同遺伝子の549-528領域、
(32)フォワードプライマー;ALDH3遺伝子の1058-1078領域、プローブ;同遺伝子の1094-1121領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1194-1174領域、
(33)フォワードプライマー;ALDH4遺伝子の768-788領域、プローブ;同遺伝子の823-848領域およびリバースプライマー;同遺伝子の967-947領域、
(34)フォワードプライマー;ALDH5遺伝子の1183-1206領域、プローブ;同遺伝子の1212-1236領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1261-1241領域、
(35)フォワードプライマー;ALDH6遺伝子の1382-1404領域、プローブ;同遺伝子の1413-1439領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1466-1445領域、
(36)フォワードプライマー;ALDH7遺伝子の743-764領域、プローブ;同遺伝子の790-816領域およびリバースプライマー;同遺伝子の878-858領域、
(37)フォワードプライマー;ALDH8遺伝子の55-75領域、プローブ;同遺伝子の95-122領域およびリバースプライマー;同遺伝子の182-162領域、
(38)フォワードプライマー;ALDH9遺伝子の459-479領域、プローブ;同遺伝子の481-504領域およびリバースプライマー;同遺伝子の534-513領域、
(39)フォワードプライマー;ALDH10遺伝子の525-546領域、プローブ;同遺伝子の563-588領域およびリバースプライマー;同遺伝子の644-623領域、
(40)フォワードプライマー;ADH1遺伝子の94-115領域、プローブ;同遺伝子の168-197領域およびリバースプライマー;同遺伝子の365-345領域、
(41)フォワードプライマー;ADH1遺伝子の261-281領域、プローブ;同遺伝子の298-333領域およびリバースプライマー;同遺伝子の365-345領域、
(42)フォワードプライマー;ADH2遺伝子の94-115領域、プローブ;同遺伝子の144-173領域およびリバースプライマー;同遺伝子の431-411領域、
(43)フォワードプライマー;ADH2遺伝子の411-431領域、プローブ;同遺伝子の438-467領域およびリバースプライマー;同遺伝子の518-496領域、
(44)フォワードプライマー;ADH3遺伝子の72-93領域、プローブ;同遺伝子の102-131領域およびリバースプライマー;同遺伝子の167-144領域、
(45)フォワードプライマー;ADH3遺伝子の743-763領域、プローブ;同遺伝子の939-966領域およびリバースプライマー;同遺伝子の1113-1091領域、
(46)フォワードプライマー;ADH4遺伝子の903-924領域、プローブ;同遺伝子の927-956領域およびリバースプライマー;同遺伝子の984-964領域、
(47)フォワードプライマー;ADH5遺伝子の289-310領域、プローブ;同遺伝子の322-351領域およびリバースプライマー;同遺伝子の495-474領域、
(48)フォワードプライマー;ADH5遺伝子の564-585領域、プローブ;同遺伝子の616-641領域およびリバースプライマー;同遺伝子の676-656領域。
(49)フォワードプライマー;ADH6遺伝子の889-910領域、プローブ;同遺伝子の912-939領域およびリバースプライマー;同遺伝子の987-967領域。
(50)フォワードプライマー;ADH7遺伝子の722-743領域、プローブ;同遺伝子の745-772領域およびリバースプライマー;同遺伝子の802-781領域。
(51)フォワードプライマー;ESD遺伝子の427-447領域、プローブ;同遺伝子の451-476領域およびリバースプライマー;同遺伝子の519-497領域(ジーンバンク登録番号M13450の配列に基づく、以下同じ)。
(52)フォワードプライマー;HADH2遺伝子の451-471領域、プローブ;同遺伝子の483-509領域およびリバースプライマー;同遺伝子の539-519領域。
(53)フォワードプライマー;HEP27遺伝子の505-526領域、プローブ;同遺伝子の610-584領域およびリバースプライマー;同遺伝子の635-615領域。
【0018】
上記測定キットを構成するフォワードプライマー、プローブおよびリバースプライマーの組合せの好ましいものとしては、下記(1)〜(53)に記載の各配列番号で示される配列を含むオリゴヌクレオチドの組合せ、より好ましくは各配列番号で示される配列のオリゴヌクレオチドの組合せを挙げることができる。
(1)フォワードプライマー;配列番号54、プローブ;配列番号1およびリバースプライマー;配列番号55、
(2)フォワードプライマー;配列番号56、プローブ;配列番号2およびリバースプライマー;配列番号57、
(3)フォワードプライマー;配列番号58、プローブ;配列番号3およびリバースプライマー;配列番号59、
(4)フォワードプライマー;配列番号60、プローブ;配列番号4およびリバースプライマー;配列番号61、
(5)フォワードプライマー;配列番号62、プローブ;配列番号5およびリバースプライマー;配列番号63、
(6)フォワードプライマー;配列番号64、プローブ;配列番号6およびリバースプライマー;配列番号65、
(7)フォワードプライマー;配列番号66、プローブ;配列番号7およびリバースプライマー;配列番号67、
(8)フォワードプライマー;配列番号68、プローブ;配列番号8およびリバースプライマー;配列番号69
(9)フォワードプライマー;配列番号70、プローブ;配列番号9およびリバースプライマー;配列番号71、
(10)フォワードプライマー;配列番号72、プローブ;配列番号10およびリバースプライマー;配列番号73、
(11)フォワードプライマー;配列番号74、プローブ;配列番号11およびリバースプライマー;配列番号75、
(12)フォワードプライマー;配列番号76、プローブ;配列番号12およびリバースプライマー;配列番号77、
(13)フォワードプライマー;配列番号78、プローブ;配列番号13およびリバースプライマー;配列番号79、
(14)フォワードプライマー;配列番号80、プローブ;配列番号14およびリバースプライマー;配列番号81、
(15)フォワードプライマー;配列番号82、プローブ;配列番号15およびリバースプライマー;配列番号83、
(16)フォワードプライマー;配列番号84、プローブ;配列番号16およびリバースプライマー;配列番号85、
(17)フォワードプライマー;配列番号86、プローブ;配列番号17およびリバースプライマー;配列番号87、
(18)フォワードプライマー;配列番号88、プローブ;配列番号18およびリバースプライマー;配列番号89、
(19)フォワードプライマー;配列番号90、プローブ;配列番号19およびリバースプライマー;配列番号91、
(20)フォワードプライマー;配列番号92、プローブ;配列番号20およびリバースプライマー;配列番号93、
(21)フォワードプライマー;配列番号94、プローブ;配列番号21およびリバースプライマー;配列番号95、
(22)フォワードプライマー;配列番号96、プローブ;配列番号22およびリバースプライマー;配列番号97、
(23)フォワードプライマー;配列番号98、プローブ;配列番号23およびリバースプライマー;配列番号99、
(24)フォワードプライマー;配列番号100、プローブ;配列番号24およびリバースプライマー;配列番号101、
(25)フォワードプライマー;配列番号102、プローブ;配列番号25およびリバースプライマー;配列番号103、
(26)フォワードプライマー;配列番号104、プローブ;配列番号26およびリバースプライマー;配列番号105、
(27)フォワードプライマー;配列番号106、プローブ;配列番号27およびリバースプライマー;配列番号107、
(28)フォワードプライマー;配列番号108、プローブ;配列番号28およびリバースプライマー;配列番号109、
(29)フォワードプライマー;配列番号110、プローブ;配列番号29およびリバースプライマー;配列番号111、
(30)フォワードプライマー;配列番号112、プローブ;配列番号30およびリバースプライマー;配列番号113、
(31)フォワードプライマー;配列番号114、プローブ;配列番号31およびリバースプライマー;配列番号115、
(32)フォワードプライマー;配列番号116、プローブ;配列番号32およびリバースプライマー;配列番号117、
(33)フォワードプライマー;配列番号118、プローブ;配列番号33およびリバースプライマー;配列番号119、
(34)フォワードプライマー;配列番号120、プローブ;配列番号34およびリバースプライマー;配列番号121、
(35)フォワードプライマー;配列番号122、プローブ;配列番号35およびリバースプライマー;配列番号123、
(36)フォワードプライマー;配列番号124、プローブ;配列番号36およびリバースプライマー;配列番号125、
(37)フォワードプライマー;配列番号126、プローブ;配列番号37およびリバースプライマー;配列番号127、
(38)フォワードプライマー;配列番号128、プローブ;配列番号38およびリバースプライマー;配列番号129、
(39)フォワードプライマー;配列番号130、プローブ;配列番号39およびリバースプライマー;配列番号131、
(40)フォワードプライマー;配列番号132、プローブ;配列番号40およびリバースプライマー;配列番号133、
(41)フォワードプライマー;配列番号134、プローブ;配列番号41およびリバースプライマー;配列番号135、
(42)フォワードプライマー;配列番号136、プローブ;配列番号42およびリバースプライマー;配列番号137、
(43)フォワードプライマー;配列番号138、プローブ;配列番号43およびリバースプライマー;配列番号139、
(44)フォワードプライマー;配列番号140、プローブ;配列番号44およびリバースプライマー;配列番号141、
(45)フォワードプライマー;配列番号142、プローブ;配列番号45およびリバースプライマー;配列番号143、
(46)フォワードプライマー;配列番号144、プローブ;配列番号46およびリバースプライマー;配列番号145、
(47)フォワードプライマー;配列番号146、プローブ;配列番号47およびリバースプライマー;配列番号147、
(48)フォワードプライマー;配列番号148、プローブ;配列番号48およびリバースプライマー;配列番号149、
(49)フォワードプライマー;配列番号150、プローブ;配列番号49およびリバースプライマー;配列番号151、
(50)フォワードプライマー;配列番号152、プローブ;配列番号50およびリバースプライマー;配列番号153、
(51)フォワードプライマー;配列番号154、プローブ;配列番号51およびリバースプライマー;配列番号155、
(52)フォワードプライマー;配列番号156、プローブ;配列番号52およびリバースプライマー;配列番号157、
(53)フォワードプライマー;配列番号158、プローブ;配列番号53およびリバースプライマー;配列番号159。
【0019】
上記各組合せは、それぞれ以下の薬物代謝の第I相反応に関与する酵素の測定用である。
(1)の組合せ;EPHX1測定用
(2)の組合せ;EPHX2測定用
(3)の組合せ;PIG3測定用
(4)の組合せ;NMOR2測定用
(5)の組合せ;MAOA測定用
(6)の組合せ;MAOB測定用
(7)の組合せ;PTGS1測定用
(8)の組合せ;PTGS2測定用
(9)の組合せ;DPYD測定用
(10)の組合せ;AOX1測定用
(11)の組合せ;XDH測定用
(12)の組合せ;CEL測定用
(13)の組合せ;CES1測定用
(14)の組合せ;CES2測定用
(15)の組合せ;AADAC測定用
(16)の組合せ;GZMA測定用
(17)の組合せ;GZMB測定用
(18)の組合せ;IL17測定用
(19)の組合せ;LIPA測定用
(20)の組合せ;NTE測定用
(21)の組合せ;UCHL1測定用
(22)の組合せ;UCHL3測定用
(23)の組合せ;FMO1測定用
(24)の組合せ;FMO2測定用
(25)の組合せ;FMO2測定用
(26)の組合せ;FMO3測定用
(27)の組合せ;FMO4測定用
(28)の組合せ;FMO5測定用
(29)の組合せ;ALDH1測定用
(30)の組合せ;ALDH2測定用
(31)の組合せ;ALDH3測定用
(32)の組合せ;ALDH3測定用
(33)の組合せ;ALDH4測定用
(34)の組合せ;ALDH5測定用
(35)の組合せ;ALDH6測定用
(36)の組合せ;ALDH7測定用
(37)の組合せ;ALDH8測定用
(38)の組合せ;ALDH9測定用
(39)の組合せ;ALDH10測定用
(40)の組合せ;ADH1測定用
(41)の組合せ;ADH1測定用
(42)の組合せ;ADH2測定用
(43)の組合せ;ADH2測定用
(44)の組合せ;ADH3測定用
(45)の組合せ;ADH3測定用
(46)の組合せ;ADH4測定用
(47)の組合せ;ADH5測定用
(48)の組合せ;ADH5測定用
(49)の組合せ;ADH6測定用
(50)の組合せ;ADH7測定用
(51)の組合せ;ESD測定用
(52)の組合せ;HADH2測定用
(53)の組合せ;HEP27測定用。
【0020】
本発明は、更に薬物代謝の第I相反応に関与する酵素の遺伝子を含む検体について、前記いずれかに記載の本発明測定キットを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、用いたプローブの加水分解の有無を測定することを特徴とする薬物代謝の第I相反応に関与する酵素の測定方法、特に上記加水分解の有無が、励起光照射による蛍光の発色の有無によりなされる上記測定方法を提供する。
【0021】
該測定方法は、より好ましくは、フォーワードプライマーおよびリバースプライマーのプライマー対、並びにレポーター色素およびクエンチャー色素が結合しており且つ上記両プライマーに挟まれた領域内で鋳型核酸とハイブリダイズするプローブを用いて、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼによりポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う、リアルタイム検出法によって実施される。
【0022】
本発明に係わる上記リアルタイム検出法は、同一PCR乃至RT-PCR反応条件下にリアルタイムで簡便且つ迅速に、各種酵素を分別定量できるものであり、その確立は、臨床分野、医薬品分野において非常に有益である。
【0023】
即ち、該方法によれば、医薬品開発における動態試験において重要な位置を占める薬物代謝の第I相反応に関与する酵素のヒト試料中でのmRNAの発現を容易に定量することができ、これによって、医薬品などの化学物質に曝露された場合の該第I相反応に関与する各酵素の変化を知ることができる。
また、該方法によれば、迅速且つ多種の試料を同時に処理でき、また僅かな組織片から抽出した全RNAを試料とすることもできるため、例えば、手術で摘出した組織やバイオプシーにより摘出した組織中の該第I相反応に関与する酵素のmRNA発現を検出、定量する方法として好適である。
【0024】
更に、特定の第I相反応に関与する酵素においては、肝臓、腎臓などでの酵素誘導などによる発現量の変化が血液中(血液に含まれる核を有する細胞)の値の変化と相関する可能性が考えられるが、この血液中の発現量は小さく、測定には多くの血液を必要とする。しかるに、特定のプライマー対とプローブとを用いる本発明方法によれば、少ない血液サンプル量で、既存の測定機器を用いて、該血液中の発現量を容易に測定することができる。
【0025】
また、特定の第I相反応に関与する酵素においては、肝臓、腎臓などでの酵素誘導などによる発現量の変化が唾液中などの分泌液中に含まれる核を有する細胞の値の変化と相関する可能性も考えられるが、この唾液中など分泌液中に含まれる核を有する細胞中の発現量も僅かである。本発明方法は、かかる唾液などの分泌液をサンプルとして、該分泌液中に含まれる核を有する細胞中の発現量も、少ないサンプル量で、既存の機器を用いて容易に測定可能である。
【0026】
以下、本発明方法に利用するプローブおよびプライマー対につき詳述する。
【0027】
これら各プローブおよびプライマーは、上述した通り、薬物代謝の第I相反応に関与する酵素の遺伝子の特定領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される。
【0028】
ここで「ハイブリダイズする」とは、後述するPCR(RT-PCR)の条件でハイブリダイズすることをいう。
【0029】
本発明に係わるプローブおよびプライマーに共通する要件としては、増幅生成物が約50-400塩基対の長さであること、プライマーとプローブができる限り近接していること、配列に含まれるG(グアニン)およびC(シトシン)の割合がなるべく50%前後であること、G(グアニン)が4つ以上連続していないことなどを挙げることができる。また、他の要件としては、本発明プローブではTm値が70℃前後であることを、本発明プライマーでは、Tm値が60℃前後であることをそれぞれ挙げることができる。
【0030】
薬物代謝の第I相反応に関与する各酵素のmRNAの配列は公知であり、それぞれジーンバンク(GenBank)に以下の登録番号で登録されている。
(1)EPHX1遺伝子;NM#000120
(2)EPHX2遺伝子;NM#001979
(3)PIG3遺伝子;NM#004881
(4)NMOR2遺伝子;NM#000904
(5)MAOA遺伝子;NM#000240
(6)MAOB遺伝子;NM#000898
(7)PTGS1遺伝子;M59979
(8)PTGS2遺伝子;NM#000963
(9)DPYD遺伝子;NM#000110
(10)AOX1遺伝子;NM#001159
(11)XDH遺伝子;NM#000379
(12)CEL遺伝子;NM#001807
(13)CES1遺伝子;NM#001266
(14)CES2遺伝子;NM#003869
(15)AADAC遺伝子;NM#001086
(16)GZMA遺伝子;NM#006144
(17)GZMB遺伝子;NM#004131
(18)IL17遺伝子;NM#002190
(19)LIPA遺伝子;NM#000235
(20)NTE遺伝子;NM#006702
(21)UCHL1遺伝子;NM#004181
(22)UCHL3遺伝子;NM#006002
(23)FMO1遺伝子;NM#002021
(24)FMO2遺伝子;NM#001460
(25)FMO2遺伝子;NM#001460
(26)FMO3遺伝子;NM#006894
(27)FMO4遺伝子;NM#002022
(28)FMO5遺伝子;NM#001461
(29)ALDH1遺伝子;AF003341
(30)ALDH2遺伝子;NM#000690
(31)ALDH3遺伝子;NM#000691
(32)ALDH3遺伝子;NM#000691
(33)ALDH4遺伝子;NM#003748
(34)ALDH5遺伝子;NM#000692
(35)ALDH6遺伝子;NM#000693
(36)ALDH7遺伝子;NM#000694
(37)ALDH8遺伝子;NM#000695
(38)ALDH9遺伝子;NM#000696
(39)ALDH10遺伝子;NM#000382
(40)ADH1遺伝子;NM#000667
(41)ADH1遺伝子;NM#000667
(42)ADH2遺伝子;NM#000668
(43)ADH2遺伝子;NM#000668
(44)ADH3遺伝子;NM#000669
(45)ADH3遺伝子;NM#000669
(46)ADH4遺伝子;NM#000670
(47)ADH5遺伝子;NM#000671
(48)ADH5遺伝子;NM#000671
(49)ADH6遺伝子;NM#000672
(50)ADH7遺伝子;NM#000673
(51)ESD遺伝子;M13450
(52)HADH2遺伝子;NM#004493
(53)HEP27遺伝子;NM#005794。
【0031】
本明細書において、各酵素の特定領域の表示は、いずれも上記各登録番号で登録された遺伝子の配列に従うものである。
【0032】
本発明に係わる各プライマーおよびプローブ用のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド数は、少なくとも15個、通常15-50個、好ましくは20-40個の範囲にあるのがよい。これらプライマーおよびプローブのヌクレオチド数が上記よりあまりに多くなりすぎると、1本鎖DNAにハイブリダイズしにくくなり、逆にあまりに小さすぎると、ハイブリダイゼーションの特異性が低下する。
【0033】
プライマーおよびプローブの特定のヌクレオチド配列の好ましい具体的配列の例は、前述したとおりであり、各分子種に応じてそれぞれ、配列番号1-53(プローブの場合)並びに配列番号54-159(プライマーの場合)に示される。
【0034】
尚、例えば20ヌクレオチドからなるプライマーまたはプローブは、鋳型鎖との間に少数のミスマッチが存在してもハイブリダイズし、PCRのプライマーとしてまたは検出用プローブとして機能し得ることが知られている。従って本発明プライマーおよびプローブもまた、上記の特定のヌクレオチド配列を有するものに限定されず、該配列をその一部として含む配列や、この配列中の例えば2個以下の、特に1個のヌクレオチドの置換、欠失および/または付加による修飾のなされた配列であることができる。
【0035】
本発明プローブおよびプライマーとしての各オリゴヌクレオチドは、常法に従い、自動合成機、例えばDNAシンセサイザー(パーキンエルマー社)などを用いて容易に合成することができる。かくして得られるオリゴヌクレオチドは、更に必要に応じて、市販の精製用カートリッジなどを用いて精製することもできる。
【0036】
本発明のリアルタイム検出用プローブは、その一端、例えば5'-末端にレポーター色素を結合しており、そして他端、例えば3'-末端にクエンチャー色素を結合している。レポーター色素は、例えば励起光の照射によって蛍光を発する物質であり、クエンチャーは、該レポーター色素に距離的に接近して存在する場合にレポーター色素に作用してその蛍光の発生を消去する作用を有するものであることができる。該レポーター色素の例としては、例えば6-カルボキシ−フルオレッセイン(FAM)、テトラクロロ-6-カルボキシフルオレッセイン(TET)、2,7-ジメトキシ-4,5-ジクロロ-6-カルボキシフルオレッセイン(JOE)、ヘキソクロロ-6-カルボキシフルオレッセイン(HEX)などが挙げられる。クエンチャー色素の例としては、例えば6-カルボキシ−テトラメチル−ローダミン(TAMRA)などが挙げられる。
【0037】
本発明プローブは、前記特定配列のプローブ用オリゴヌクレオチドにレポーター色素およびクエンチャー色素を結合させることにより調製できる。例えばプローブの5'側には、通常数個のメチレン鎖をリンカーとし、末端のリン酸基にFAM分子をリン酸エステルの形で結合させることができる。また、3'側には、下に示す構造単位を介してアミド結合によりTAMRA分子を結合させ得る。
【0038】
【化1】
Figure 0004288454
【0039】
以下、本発明プライマー対およびプローブを利用したPCR検出法およびリアルタイム検出法につき詳述する。
【0040】
本発明方法は、前述した本発明プライマー対およびプローブを利用することを必須として、他は公知のPCR法(例えば、Science, 230, 1350 (1985)参照)、RT-PCR(Genome Res., 6(10), 986 (1996)参照)など、特にリアルタイム検出法(例えばTaqMan PCR, ABI PRISMTM 7700 SEQUENCE DETECTION SYSTEM, Applied Biosystems, Ver1, June 1996参照)に従い実施することができる。
【0041】
該方法は、特に本発明が対象とする薬物代謝の第I相反応に関与する各酵素の発現量の測定方法として、mRNAを測定する場合に有用である。この場合、特定酵素を発現している生体組織を採取し、常法に従って全RNAを抽出し、次にそれに対して相補性のcDNAを常法に従って合成した後、本発明プライマー対とプローブとを用いて、PCRを行えばよい。また、常法に従って全RNAを抽出後、本発明プライマーとプローブとを用いて、直接RT-PCRを行なうこともできる。
【0042】
PCR反応およびRT-PCR反応は、基本的には公知の方法に従うことができる。それらの反応条件も公知の方法に準じて適宜決定することができ、特にこれらの方法と異なるものではない。具体的には、後記実施例に示す条件を好ましく採用できる。
【0043】
リアルタイム検出法による検出も、基本的には常法に従って、例えば、アルゴンレーザ光をPCR反応液に照射し、放射される蛍光をCCDカメラを用いて検出することにより行なうことができる。
【0044】
かくして、本発明方法の実施によって、所期の薬物代謝の第I相反応に関与する各酵素を容易且つ迅速に、しかも各酵素毎に区別して測定、検出することができる。
【0045】
本発明は、上記方法の実施のためのキットをも提供する。このキットは本発明プライマー対およびプローブを含んでなる。本発明キットは、更に対照として使用することのできる既知の核酸や、該核酸を測定するためのプライマー対およびプローブを含むことができる。
【0046】
本発明方法によれば、薬物代謝の第I相反応に関与する各酵素の遺伝子をその酵素毎に分別して測定、検出できる。また、該酵素の定量を迅速に、精度よく行なうことができる。かくして、新薬の他剤との相互作用や配合禁忌などに関連する基礎データを効率よく得ることができる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため試験例および実施例を挙げる。
【0048】
【試験例1】
リアルタイム検出法による検量線の作成
(1)試験方法
本試験で採用したリアルタイムワンステップRT-PCR法は、96ウエルを用いて、最大96の異なった反応を同時に実施して、一度に最大96の検体を測定できるものである。また、1チューブ内でRT反応とPCR反応とを行うことができる。
【0049】
本定量の原理は、隣接した2種類の蛍光色素を用いて、一方の色素(リポーター色素)の蛍光波長と他方の色素(クエンチャー色素)の励起光波長との間で、波長領域が重なる場合に生じるFRETの現象を利用している。より詳しくはこの原理は次の通り説明できる。即ち、FRETを生じる2種の蛍光色素を両末端に結合させたプローブ(TaqMan probe)は、PCRで増幅した特定の薬物代謝の第I相反応に関与する酵素種に由来するcDNAにハイブリダイゼーションし、この状態でPCRの伸長反応が始まる。この反応系に、Taq DNAポリメラーゼを存在させると、該ポリメラーゼの有する5'-3'エンドヌクレアーゼ活性によってTaqManプローブが加水分解されて、これに結合していたリポーター色素が脱離する。該色素の脱離によれば、クエンチャー色素との間の物理的距離が生じ、FRETによって抑制されていたリポーター色素の蛍光強度が増加する。この蛍光強度の増加は、PCRの増幅産物の増加量に比例する。該蛍光強度の増加をPCR反応毎に測定すれば、所望の定量が可能となる。
【0050】
本試験では、プローブの5'末端側にリポーター色素としてFAMを、3'末端側にクエンチャー色素としてTAMRAを結合させたTaqManプローブを使用した。これら各色素の結合およびこれによるTaqManプローブの作成は、文献記載の方法(Genome Res., 6(10), 986 (1996))に従った。
【0051】
また、各プライマーおよびプローブとしてのオリゴヌクレオチドは、自動シンセサイザーとしてABI社製のDNA/RNA合成機を利用して、基質(dNTP)および規定の試薬を用いて合成した。
【0052】
検体RNAとしては、成人の脳、成人の腎臓、成人の肺、成人の小腸、胎児の肝臓および成人の肝臓プールよりそれぞれ精製された全RNAを用いた。尚、これらの全RNAはいずれもクローンテック社(Clontech Laboratories, Inc.)より購入した。
【0053】
成人の脳、成人の腎臓、成人の肺、成人の小腸、胎児の肝臓および成人の肝臓プールより精製された全RNAは、RNaseフリーの水で希釈し、20μg/mLに調整した。その後、これら6種類を等量ずつ混合し、検量線作成用とした。以後は、50μg/mLのイーストtRNA(Yeast tRNA, GIBCO社製)を用いて、5倍公比で希釈した。測定には5μLを使用した。
【0054】
RT-PCR反応は、300nMフォーワードプライマー、900nMリバースプライマーおよび200nM TaqManプローブを含むキット(TaqMan One-Step RT-PCR Master Mix Reagents Kit, PE Applied Biosystems)を用いて、50μL/チューブの系で、配列検出システム(ABI PRISMTM 7700 Sequence Detection System, PE Applied Biosystems)にて行った。
【0055】
温度条件は、48℃で30分間および95℃で10分間で保温した後、95℃で15秒間および60℃で1分間のサイクルを50回行い、各サイクルごとに蛍光強度を測定した。
【0056】
下記表2および表3に示す各酵素に対して各配列番号に示される配列のプライマー対およびプローブを用いて行なった上記試験の結果(検量線)を表4および表5に示す。
【0057】
【表2】
Figure 0004288454
【0058】
【表3】
Figure 0004288454
【0059】
【表4】
Figure 0004288454
【0060】
【表5】
Figure 0004288454
【0061】
上記表4および5に示す結果より、100000pg全RNA/50μL反応液量から5倍公比で希釈された検量線を作成したところ、EPHX1については、6.4pg全RNA/50μL反応液量まで定量性を有しており、他の酵素についても0.256pgから4000pg全RNAを定量限界とした検量線の相関係数(r)は0.99以上であった。但し、IL17は0.93、ALDH7は0.97であった。
【0062】
【配列表】
Figure 0004288454
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Claims (6)

  1. リアルタイムRT−PCR法に用いられる下記(13)〜(14)のいずれかに示される各領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドからなるフォワードプライマー、プローブおよびリバースプライマーの組合せを含む、カルボキシルエステラーゼの測定キット
    (13)フォワードプライマー;CES1遺伝子の935-956領域に特異的にハイブリダイズする塩基数22のヌクレオチド
    プローブ;同遺伝子の976-1005領域に特異的にハイブリダイズする塩基数30のヌクレオチドおよび
    リバースプライマー;同遺伝子の1061-1041領域に特異的にハイブリダイズする塩基数21のヌクレオチド
    (14)フォワードプライマー;CES2遺伝子の298-319領域に特異的にハイブリダイズする塩基数22のヌクレオチド
    プローブ;同遺伝子の328-354領域に特異的にハイブリダイズする塩基数27のヌクレオチドおよび
    リバースプライマー;同遺伝子の383-362領域に特異的にハイブリダイズする塩基数22のヌクレオチド
    (但し、上記オリゴヌクレオチドは、48℃で30分間、95℃で10分保温後、1サイクル95℃で15秒間、60℃で1分間の条件でRT−PCRした時に上記ハイブリダイズするものである)。
  2. 下記の各配列番号で示される配列からなるオリゴヌクレオチドからなるフォワードプライマー、プローブおよびリバースプライマーの、(13)〜(14)のいずれかの組合せから選ばれる、請求項に記載の測定キット。
    (13)フォワードプライマー;配列番号78、プローブ;配列番号13およびリバースプライマー;配列番号79、
    (14)フォワードプライマー;配列番号80、プローブ;配列番号14およびリバースプライマー;配列番号81。
  3. プローブが、更にリポーター色素とクエンチャー色素とを結合させたものである請求項1または2に記載の測定キット。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定キットであって、(13)の組合せがCES1の測定用で、(14)の組合せがCES2の測定用である測定キット。
  5. カルボキシルエステラーゼの遺伝子を含む検体について、請求項1〜4のいずれかに記載の測定キットを用いてリアルタイムRT−PCR反応を行い、用いたプローブの加水分解の有無を測定することを特徴とするカルボキシルエステラーゼを測定する方法。
  6. 加水分解の有無が、励起光照射による蛍光の発色の有無によりなされる請求項に記載の測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012144784A3 (ko) * 2011-04-18 2013-01-17 연세대학교 산학협력단 인간 간-카르복실에스터라제 1을 특이적으로 인식하는 단일클론 항체, 상기 항체를 생산하는 하이브리도마 세포주 및 이의 용도

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WO2012144784A3 (ko) * 2011-04-18 2013-01-17 연세대학교 산학협력단 인간 간-카르복실에스터라제 1을 특이적으로 인식하는 단일클론 항체, 상기 항체를 생산하는 하이브리도마 세포주 및 이의 용도

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