JP4287729B2 - ショルダアジャスタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されて、搭乗者の安全を確保するためのシートベルト装置のスルーアンカの高さを調整するためのショルダアジャスタ装置に関する。
自動車には搭乗者の安全を守るためシートベルト装置の装着が義務付けられている。このシートベルト装置を操作して搭乗者がシートベルト(ウェビング)をセットする際、搭乗者の座高如何によっては、ウェビングによるいわゆる首吊り現象が生じるおそれがある。この首吊り現象を防止し、快適なドライブを保証するために、スルーアンカの高さ位置を搭乗者の座高に合せて位置調節することができるショルダアジャスタ装置が種々提案されている。
この種のショルダアジャスタ装置の中には、本発明者がショルダアジャスタ装置として提案したシートベルトアンカ装置、スルーアンカ装置がある(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2001-341614号公報 特開平2-279445号公報 特開平5-294208号公報
ショルダアジャスタ装置は、過大な荷重が付与された場合に十分な耐衝撃性を有するために、強度に優れた剛性の高い材質で形成されている。
近年、特に車両に対する側面衝突の際の安全確保が課題とされている。この側面衝突のケースにおいて、搭乗者の頭部がスルーアンカに衝突し、障害を受ける危険性が指摘されている。従って、側面衝突のケースにおいて、搭乗者に対する衝撃を緩和し、搭乗者の安全を確保する技術は、極めて重要なテーマとして認識されている。
こうした事情を考慮して、搭乗者の安全を確保するために、近年、自動車にサイドエアバッグが装備される傾向にある。サイドエアバッグは、車体内側面に装備されて、搭乗者に対する側面方向の衝撃を緩和し、搭乗者を保護する機能部材である。このサイドエアバッグのスムーズで正常な作動を実現するには、サイドエアバッグの膨張方向には、何らの障害物が設置されないことが好ましい。
しかしながら、ショルダアジャスタ装置は、車体センタピラーに取り付けられる構造上、センタピラーより車内空間側に張り出して設置されることが通常である。そのため、サイドエアバッグの作動時に、ショルダアジャスタ装置のセンタピラーからの張り出し部が干渉し、サイドエアバッグの正常な膨張が妨害される恐れがあった。
また一方、ショルダアジャスタ装置は、搭乗者の座高に応じて高さ調整する機能を有する関係上、操作部としてのボタン部を有する構造とされており、ショルダアジャスタ装置の車内空間側の外面は、このボタン部において分割されたパーツ形状とせざるを得ない。
しかしながら、この分割されたパーツ形状とされたショルダアジャスタ装置は、サイドエアバッグの作動時にショルダアジャスタ装置の外表面とエアバッグとの摩擦抵抗が大きくなり、特にショルダアジャスタ装置のパーツ分割部においてサイドエアバッグの機能が妨害されるケースもありうる。例えば、ショルダアジャスタ装置外表面のパーツ分割部のエッジ部分は、サイドエアバッグの表面に傷を付けることが予想され、また、溝部にサイドエアバッグの生地がトラップされて膨張そのものが阻害され、サイドエアバッグの正常な機能が阻害される可能性がある。
また、摩擦係数が大きいと、サイドエアバッグの生地とショルダアジャスタ装置の摩擦熱により、ショルダアジャスタ装置の外表面の樹脂部品が溶融することも考えられ、このような場合には、ショルダアジャスタ装置の高さ調整機能に支障をもたらすことも予想された。
本発明は、上述したような事情を考慮してなされたものであり、自動車内に設置されるサイドエアバッグの正常な起動を妨げず、搭乗者の安全を確保するショルダアジャスタ装置を提供することを目的とする。
本発明のショルダアジャスタ装置は、上述した課題を解決するために、搭乗者の体型に応じてスルーアンカの固定位置を変えてウェビング長さを調整するショルダアジャスタ装置において、車体フレームに固定されるアジャストベースと、このアジャストベースを摺動可能に取り付けられた摺動体と、この摺動体に一体的に接合されてウェビングの中間部を保持するスルーアンカとを備え、前記摺動体は前記アジャストベースに摺動自在に係合するスライドベースと、このスライドベースと一体に固定されて前記摺動体の本体を構成するガーニッシュと、前記摺動体を高さ調整して固定するラッチ機構と、前記摺動体の固定位置調整を操作するボタン部とを備え、このボタン部は前記ガーニッシュに揺動自在に取り付けられ、前記摺動部の高さ調整時に前記ボタン部を把持して前記ボタン部を揺動させてラッチ機構を解除し、前記摺動部をスライドさせるように構成したことを特徴とするものである。
本発明のショルダアジャスタ装置によれば、サイドエアバッグの機能を妨げず、搭乗者の安全性を向上することが可能なショルダアジャスタ装置を提供することが可能となる。
本発明のショルダアジャスタ装置の最良の形態について、添付図面を参照して以下に詳細説明する。
なお、以下の構成および操作説明において方向を示す用語は、ショルダアジャスタ装置の車体への取り付け時における方向を示すものとする。つまり、ショルダアジャスタ装置の上下方向とは車体上下方向を示し、手前方向とは車内空間側を示す。また裏面側とは手前方向と反対方向すなわちショルダアジャスタ装置の車体取り付け面側を示す。
図1に本発明の実施例であるショルダアジャスタ装置10の斜視図を示す。
このショルダアジャスタ装置10は、車体フレームにボルト等の固定手段により一体に固定されるアジャストベース1と、アジャストベース1に係合されて上下方向に摺動可能に設けられる摺動体Sと、摺動体Sにボルト等の固定手段により固定されたスルーアンカAとから構成される。スルーアンカAのガイド部には、図示しないウェビングがスライド可能に介装される。
図2にショルダアジャスタ装置10の分解斜視図を示す。
摺動体Sは、スライドベース2と、スライドベース4に一体に固定されたガーニッシュ3とボタン部4とカバー5とから本体ケースが構成され、この本体ケース内にボタンスプリング6と、摺動体Sをアジャストベース1の所定位置に固定するピン7と、このピン7を弾性力により付勢して突出させるスプリング8とが設置されて構成される。ガーニッシュ3の裏面、すなわちアジャストベース1取り付け側にはスライドベース2が固定され、摺動体Sがアジャストベース1を摺動可能に設けられる。
図3〜図5を参照してアジャストベース1の詳細な構造を説明する。
アジャストベース1は金属製の部材で、取付けるべき車体のセンタピラーに対応して長手方向(上下方向)に沿って緩やかに湾曲した構造をとる。
これらのアジャストベース1の長手方向の湾曲形状と両側縁部の折曲形状は断面二次モーメントを考慮して各方向の引張荷重発生時の捩りや曲げに十分耐え、かつ平面方向からの加圧衝撃に対するエネルギの変形吸収が良好に行える設計としてある。
さらに、アジャストベース1の幅方向の両側縁部は、車体取付面から略直角に曲げ加工されて側壁部11を形成し、その側壁部11の先端部分は、樋状を為すアジャストベース1の内側に向けて曲げ加工されてスライドベース2を係合して摺動可能に保持するための係合部12が形成される。
この係合部12と側壁部11とで形成される角部は鋭角を為すように構成される。本発明者らによれば、角部の角度は70°〜80°の範囲に設けられることが好ましい。すなわち、図5に示すアジャストベース2の断面図において、係合部12の平坦面13に対する角度θは、10°〜20°の角度になるように曲げ加工することが好ましい。
また、係合部12の平坦面13に対する角度θを15°〜20°(すなわち、係合部12と側壁部11とで形成される角部の角度が75°〜80°)に設けたアジャストベース1は、特に衝撃吸収力に優れ、衝撃時のアジャストベース1の変形がより効果的に防止されるためアジャストベース1とスライドベース2との分離が、強い衝撃時にもより確実に防止される。
また、アジャストベース1の両端部にはボルト挿通用の取付孔14がそれぞれ穿設してあり、これらの取付孔14を介して挿通したボルト7によりアジャストベース1が車体に固定される。なお、アジャストベース1の下端側の取付孔14近傍には、切り起こし片により形成されたスライドベース2停止用のストッパ部15が設けてある。
アジャストベース1の中央部分には長手方向に等間隔的に所定数のラッチ孔16が形成され、ピン7を選択的に挿入することによりスライドベース2の位置決め、すなわちスルーアンカAの高さ調整が行えるように構成される。
このアジャストベース1には、ラッチ孔16は上下に4個形成されており、ラッチ孔16には爪状の傾斜片部17をその上方に配置することにより、上向きのピン7の移動のみがその斜面に沿って容易に行える一方、下向きのピン7の移動はラッチ孔16の下側縁部の係止により、一定以上抜き動作させなければ行えない構造となっている。
また、ラッチ孔16の下端部の曲面形状は、ピン7の先端曲面形状と同一の曲面形状に穿孔され、スルーアンカA固定時にピン7を密着させ、ピン7を安定的に保持することが可能である。
図1および図6〜図8を参照して、スライドベース2の構造について詳細に説明する。
スライドベース2は、アジャストベース1に係合し、良好な摺動性を保持するように、アジャストベース1の樋状の空間部よりもやや小さい断面を持つ略長方形状の平板により形成される。スライドベース1の幅方向の両端(車体固定時の左右両端)は、車体取付時の車内方向に曲げ加工されて係合部21が設けられ、車体取付側の平坦面22に対して一定の角度ψをなすよう構成される。
この係合部21は、アジャストベース1の係合部12の形状に追従して良好に係合するよう構成されている。従って、係合部21の曲げ角度θは、アジャストベース1の係合部12の角度に合わせて、平坦面22に対して10°〜20°の範囲に設けることが好ましい。
また、曲げ角度ψを平坦面22に対して10°〜20°の範囲に設けた係合部21を有するスライドベース2は、特にアジャストベース1との係合部の耐衝撃性に優れ、より好ましい。
このように設けられたスライドベース2を、アジャストベース1に挿通し、アジャストベース1の係合部12とスライドベース2の係合部21とをそれぞれ係合させることにより、アジャストベース1の長手方向に沿ってスライドベース2を摺動させることができる。
また、このようにスライドベース2の幅方向の両端を曲げ加工することにより、アジャストベース1との接触面積を大きくすることが可能であり、衝撃時の強度が大幅に向上する。
スライドベース2の平板部22の中央部分には長手方向に沿って離間する位置に2つの孔23,孔24が穿設されている。孔23は、ショルダアジャスタ装置10の使用状態で上方に位置し、ピン7を挿通させるための孔であり、この孔23はアジャストベース1と対向する側に向って窪む凹状部分の底部中央に形成してある。孔23の外縁部は環状の平坦面とされ、ピン当接部25として機能する。
孔24はショルダアジャスタ装置10の使用状態でスライドベース2の下方側に位置し、この孔24には、スルーアンカAを固定するアンカボルトを螺合させるためのアンカナット26が圧挿固定される。アンカナット26は、その端部にフランジ部27を有する筒状の部材で、スライドベース2の裏面側(アジャストベース1側)から孔24に圧入されて表面側に突出し、フランジ部27がスライドベース2の裏面に圧接した状態でスライドベース2と一体に構成される。
スライドベース2の上端部側は、平板部22の全体よりも若干幅狭となって長手方向に突出して、スライドベース2をガーニッシュ3に固定するための取付ピース28を形成する。
このようにアジャストベース1の係合部12に角度を設け、さらにスライドベース2のアジャストベース1と係合する両端に同様の角度を有する係合部21を設けたことにより、衝撃時における衝撃吸収性が向上し、アジャストベース1およびスライドベース2の変形が効果的に防止されるため、耐衝撃時にもアジャストベース1からスライドベース2が分離することが確実に防止される。よって、ショルダアジャスタ装置10の安全性が大幅に向上する。
図1および図9〜16を参照してガーニッシュ3の構造を詳細に説明する。
図9にガーニッシュ3の平面図、図10にガーニッシュ3の側面図、図11にガーニッシュ3の裏面図、図12および図13にガーニッシュ3の斜視図、図14〜図16にガーニッシュの断面図を示す。
ガーニッシュ3は、樹脂製の一体成形部材で、スルーアンカAとともにアジャストベース1上を摺動する摺動体Sの本体裏面側を構成する部材であり、このガーニッシュ3の裏面にスライドベース2が固定されてアジャストレール1に係合されることにより摺動体Sが上下方向に摺動可能に設けられる。
ガーニッシュ3のスライドベース2取付面の長手方向には、スライドベース2を取付方向の上下で固定するために、それぞれスライドベース嵌合部32およびスライドベース係止部33が設けられる。
すなわち、スライドベース2の取付ピース28をガーニッシュ3とスライドベース2との取付部であるスライドベース嵌合部32に嵌合し、スライドベース2の下端をガーニッシュ3下方のスライドベース係合部33のフックに係合して一体的に固定する。
これらのスライドベース嵌合部32およびスライドベース係合部33のアジャストベース1に対する嵌合クリアランスは、スライドベース2とアジャストベース2とのクリアランスよりも小さい値に設定されることが好ましい。このようにガーニッシュ3を構成することにより、ともに金属製であるスライドベース2とアジャストベース1との接合ガタに比較して、樹脂製のガーニッシュ3と金属製のアジャストベース1との接合ガタが全体として小さくなるので、振動等によって発生するスライドベース2とアジャストベース1との金属接触音を防止することができる。
また、ガーニッシュ3には、ボタン係止部34、スプリング取付座35がそれぞれ設けられている。後述するボタン部4は、高さ固定時にはボタン係止部34との噛合い構造により固定されており、ボタン部4を把持してこの噛合い構造を解除する操作により摺動体Sがアジャストベース1上をスライド可能となるように構成される。
ガーニッシュ3の裏面側(ショルダアジャスタ装置取り付け時の車体フレーム側)には、スプリング8の外径と略同一径の有底円筒形状の凹部が形成され、その凹部の底面に相当する面がスプリング取付座35として機能するが(図13、図14参照)、この凹部の底面には、スプリング取付座35と同心円の貫通穴36が穿孔されており、この貫通孔36に後述するピン7のピンヘッドが挿入されて、ボタン部4と当接してラッチ機構として機能する。
また、ガーニッシュ3の車体取り付け時における上方には、蝶番部37が設けられ、この蝶番部37にはボタン部4とカバー5とが蝶番構造により揺動自在に固定され、高さ調整時にはボタン部4およびカバー5が揺動して摺動体Sがスライド可能となる。
また、ガーニッシュ3の車体取り付け時の下端側には、孔部38が設けられ、この孔部38に、スライドベース2の取付時にアンカナット26が嵌合される。
孔部38の上縁に位置する立ち上がり部の左右には、フック39が一体に設けられており、ボタン部4およびカバー5の揺動角を制限する機能を有する。
このようにして、スライドベース2とガーニッシュ3とは一体となって摺動体Sを構成するとともにアジャストベース1にスライド可能に組み付けられ、そのスライド位置がラッチ機構によって定められ、スルーアンカAの高さ調節が可能となる。
ラッチ機構は、スプリング8とピン7とで構成され、このピン7がボタン部4により操作される。実施例のショルダアジャスタ装置10において、ボタン部4にはピンのラッチおよびラッチ解除を操作するための機能が付与されている。
図17〜図24にボタン部4の詳細な構造を示す。ボタン部4は、ガーニッシュ3と同様に樹脂製の成形部材で、ガーニッシュ3とは蝶番部37において揺動自在に一体的に取り付けられ、ショルダアジャスタ装置10の高さ調整時に操作部として機能する。ボタン部4にはピン7に作用するピン作用部41が設けられ、このピン作用部41の機能によりピン7の引抜きおよびラッチを操作する。
ボタン部4の側面には、ボタン部4の操作性を向上するため把持部42が設けられ、高さ調整時のグリップ性を向上し、的確な高さ調整が可能である。ボタン部4の側面は、図24の部分的断面図に示すように、ベローズ状の板バネ構造となって外向きに付勢されており、ボタン部4のガーニッシュ3取り付け状態においては、上述のガーニッシュ3のボタン係止部34に対してボタン部4の係合爪43が噛合う形で固定されるように構成される。
またボタン部4にはカバー5との接合ピースの機能を有する左右一対のカバー固定部45が設けられ、このカバー固定部45によりカバー5とボタン部4とが一体的に接合される。カバー固定部45の内側面にはカバー固定爪46が設けられ、後述するカバー5のボタン固定爪と咬合して、ボタン部4とカバー5とが一体化する。
また、ボタン部4の上端部にはガーニッシュ3の蝶番部37と接合してボタン部を揺動自在にする接合部47が設けられる。
さらに、カバー固定部45の手前方向の端面には、ボタンスプリング6を係合するボタンスプリング取り付け溝部48が設けられ、ボタンスプリング6が一体的に取り付けられる。また、カバー固定部45の下端に設けられた切欠部49は、ガーニッシュ3のフック39と係合してボタン部4およびカバー5の揺動角を決定する。
なお、ショルダアジャスタ装置10において、フック39と切欠部49とを係合させる構成としたが、ボタン部4およびカバー5の揺動角はラッチ機構によっても決定されるため、フック39および切欠部49は必ずしも設けなくても良い。
図25および図26にカバー5の詳細な構造を示す。カバー5はボタン部4と同様に樹脂製の部材で、摺動体Sの外側面を形成し、ショルダアジャスタ装置10の高さ調整時には、ボタン部4と一体となって揺動する。
このショルダアジャスタ装置10のカバー5は、ボタン部4と一体的に接合され、ボタン部4が接合部47によりガーニッシュ3の蝶番部37に揺動自在に取り付けられるが、カバー5は、この蝶番部37と咬合い結合するカバー5の一端(上端部51)から、スルーアンカAの取り付けナット覆い部である他端(下端部52)までが一体成形の単一部材で構成されたことを特徴とする。
またカバー5は、上端部51から下端部52に掛けて滑らかな略流線型の曲面構造に構成され、そのため摺動体Sの外側面には、継ぎ目や突出物等が一切存在しない。こうした一体成形形状のカバー5は、サイドエアバッグの作動時にサイドエアバッグの膨張を妨げず、またエアバッグの生地と突出物や継ぎ目との干渉が一切発生しないため、サイドエアバッグの正常な起動が妨害される心配がなく、搭乗者の安全確保に極めて有効である。
カバー5の裏面にはボタン部4の内側壁側に一体成形により設けられた左右一対のカバー固定部45と咬合ってカバー5とボタン部4とを一体的に固定する左右一対の固定ピース55が設けられる。固定ピース55は、それぞれカバー固定部45の内側面側に挿通され、この左右二枚の固定ピース55にそれぞれ2個ずつ設けられたボタン固定爪56がカバー固定部45の外側面に設けられたカバー固定爪46と咬合してカバー5とボタン部4とが一体的に固定され、ボタン部4の把持部42の弾力性を保持しつつカバー5とボタン部4とを一体の構成部材として機能させる。
ボタンスプリング6は、図1に示すように金属製の線材を略コの字型に曲げ加工して作製され、カバー固定部45に設けられたボタンスプリング取り付け溝部48に係合して、ボタンスプリング6の2本のボタンスプリング脚部61がボタン部4の把持部42とカバー固定部45との間隙にそれぞれ挿通され、把持部42を内側から外向きに付勢してボタン部4のグリップ性を高め、ショルダアジャスタ装置10の高さ調整操作の確実性を向上する。
図27にピンの詳細な構造を示す。
ピン7は、ショルダアジャスタ装置10の高さ固定時にアジャストベース1のラッチ孔16に突出して摺動体Sを固定する突出部72と、突出部72の手前方向に一体に設けられたフランジ状当接部73と、突出部72と同軸で同一外径の円柱形状の本体軸部75を備える。この本体軸部75のさらに手前方向には、本体軸部75と同軸で本体軸部75より小径の円柱形状のピン頸部76が一体に構成され、このピン頸部76のさらに手前方向には、本体軸部75とほぼ同径の円板形状のピンヘッド77が一体に設けられる。
ピン7のフランジ状当接部73とガーニッシュ3のスプリング取付座35との間にスプリング8が介装され、このスプリング8の弾性力によりピン7のフランジ状当接部73がスライドベース2のピン当接部25に押し当てられて摺動体Sが固定される。
ピン7は、一体成形により製造しても良いが、生産性を考慮してピンヘッド77およびピン頸部76を別成形の部材とし、本体軸部75にカシメ固定する製造工程によって製造しても良い。
次に、図2を参照して摺動体Sの組み立て手順について詳述する。
まず、スライドベース2の穴部23の外縁に設けられたピン当接部25にピン7のフランジ状当接部73が接するように設置し、一方ピン7の本体軸部75をスプリング8に挿入する。次に、スプリング8の手前方向端がガーニッシュ3のスプリング取付座35に当接するように位置決めしつつスライドベース2の取付ピース28をガーニッシュ3のスライドベース嵌合部32に嵌合しつつスライドベース係合部33のフックにスライドベース2の下端を係合し、スライドベース2とガーニッシュ3とを一体に構成する。このとき、ピン7のピンヘッド77は、ガーニッシュ3の貫通穴36から手前方向に突出している。
次にガーニッシュ3の蝶番部37にボタン部4の接合部47を嵌合し、揺動自在に取り付ける。このとき、ボタン部4のピン作用部41がピン頸部76を挟み込むように噛合わせ、ピンヘッド77がボタン部4のピン作用部41の作用面41aに係止される形となって一体化する。ボタン部4の側面は樹脂材を板ばね構造とすることにより外向きに付勢されているが、ボタン部4のガーニッシュ3取り付け時には、この板ばねの弾性力により係合爪43とガーニッシュ3のボタン係止部34とが係合し、ボタン部4とガーニッシュ3とが安定的に一体化する。
さらに、ボタンスプリング6をボタン部4のボタンスプリング取り付け溝部48に係合させ、ボタンスプリング脚部61がカバー固定部45と把持部42との間隙に挿通するようにして固定する。
次に、カバー5をボタン部4に一体的に揺動自在に取り付ける。カバー5の裏面側に設けられた一対の固定ピース55がボタン部4のカバー固定部45の内側面側に挿入され、固定ピース55に設けられたボタン固定爪56がカバー固定部45に設けられたカバー固定爪46に噛合ってカバー5とボタン部4とが一体的に固定される。
上記工程により組み立てられた摺動体Sのスライドベース2をアジャストベース1に挿入して、ショルダアジャスタ装置10が組み立てられる。
次にショルダアジャスタ装置10の機能について説明する。図28および図29にショルダアジャスタ装置10の高さ固定時および高さ調整時の長手方向断面図を示し、各部材の機能と位置関係について詳細に説明する。一方、図30および図31は、それぞれ図28および図29における幅方向断面図であり、それぞれショルダアジャスタ装置10の高さ固定時および高さ調整時の各構成部材の位置関係を詳細に示すものである。
なお、実施例のショルダアジャスタ装置10においてピン7の設置箇所と、ボタン部4とガーニッシュ3との咬合部とは、同一断面上にないが、図30および図31において、ボタン部4とガーニッシュ3との咬合を説明するため、同一図面に表現している。
ショルダアジャスタ装置10の高さ固定時には、スプリング8の弾性力によりピン7は車体側に付勢されてフランジ状当接部73がスライドベース2の穴部23の外縁に設けられたピン当接部25に当接している。この状態で、ピン7の突出部72はスライドベース3の穴部23より突出し、アジャストベース1のラッチ孔16に挿入されている。
このショルダアジャスタ装置10においてボタン部4とピン7とは、ボタン部4のピン作用部41とピン7のピンヘッド77とが常時接する構造としてあり、図28および図30に示す高さ固定時にはピン作用部41の作用面41aがピンヘッド77と面接触している。このとき、ボタン部4の係合爪43とガーニッシュ3のボタン係止部34とが噛合って固定されている(図30)。
一方、ショルダアジャスタ装置10の高さ調整時には、操作者がボタン部4を把持して手前方向に引抜くように操作することにより、ボタン部4とカバー5とが一体となって蝶番部37を支点として揺動する。このとき、ピン作用部41の作用面41aが図29に示すようにピンヘッド77に作用し、てこの要領でピン7がスプリング8の弾性力に抗して手前方向に引抜かれ、ピン7の突出部72がラッチ孔16から乖離する。すなわちピン7はラッチ解除となり、摺動体Sが上下方向にスライド可能となる。このときピンヘッド77とピン作用部41の作用面41aとは、点接触により接している。この高さ調整時には、ボタン部4の側面を把持することによりボタン部4の係合爪43とガーニッシュのボタン係止部34とが乖離している(図31)。
次に、所望の高さにショルダアジャスタ装置10を高さ調整した後にボタン部4を開放すると、スプリング8の弾性力によりピン7が裏面側に付勢され、ボタン部4とカバー5とが蝶番部37を支点として車体フレーム方向に揺動し、ピン7の突出部72がアジャストベース1のラッチ孔16に突出してショルダアジャスタ装置10が高さ固定される。
このような構造のショルダアジャスタ装置10は、ラッチ機構がボタン4とピン7とスプリング8から構成され、構成部品の点数が従来のショルダアジャスタ装置に比較して非常に少なく済み、部品製造コストおよび組み立てコストが低コストである。
また、摺動体Sの車内空間側の外側面を構成するカバー5が一体成形の単一部材で構成されたので上端部51から下端部52まで継ぎ目や突起物がなく、サイドエアバッグの正常な起動を妨害しない。従って、安全性の高いショルダアジャスタ装置を提供することが可能である。
本発明に係るショルダアジャスタ装置の構成を示す斜視図。 本発明に係るショルダアジャスタ装置の分解斜視図。 アジャストベースの正面図。 アジャストベースの長手方向断面図。 アジャストベースの幅方向断面図。 スライドベースの正面図。 スライドベースの長手方向断面図。 スライドベースの幅方向断面図。 ガーニッシュの正面図。 ガーニッシュの裏面図。 ガーニッシュの側面図。 ガーニッシュの正面側から見た斜視図。 ガーニッシュの裏面側から見た斜視図。 図9のXIV−XIV矢視に沿う断面図。 図9のXV−XV矢視に沿う断面図。 図9のXVI−XVI矢視に沿う断面図。 ボタン部の正面図。 ボタン部の裏面図。 ボタン部の側面図。 ボタン部の正面側から見た斜視図。 ボタン部の裏面側から見た斜視図。 ボタン部を上端面側から見た図。 ボタン部を下端面側から見た図。 図17のXXIV−XXIV矢視に沿う部分的断面図。 カバーを正面側から見た斜視図。 カバーを裏面側から見た斜視図。 ピンの正面図。 実施例のショルダアジャスタ装置の高さ固定時の長手方向断面図。 実施例のショルダアジャスタ装置の高さ調整時の長手方向断面図。 図28のXXX−XXX矢視に沿う高さ固定時の幅方向断面図。 図29のXXXI−XXXI矢視に沿う高さ調整時の幅方向断面図。
符号の説明
1 アジャストベース
2 スライドベース
3 ガーニッシュ
4 ボタン部
5 カバー
6 ボタンスプリング
7 ピン
8 スプリング
10 ショルダアジャスタ装置
11 側壁部
12 係合部
13 平坦面
14 取付孔
15 ストッパ部
16 ラッチ孔
21 係合部
22 平坦面
23 孔
24 孔
25 ピン当接部
26 アンカナット
27 フランジ部
28 取付ピース
32 嵌合部
33 スライドベース係止部
34 ボタン係止部
35 スプリング取付座
36 貫通穴
37 蝶番部
38 孔部
39 フック
41 ピン作用部
42 把持部
43 係合爪
45 カバー固定部
46 カバー固定爪
47 接合部
48 ボタンスプリング取り付け溝部
49 切欠部
51 上端部
52 下端部
55 固定ピース
56 ボタン固定爪
61 ボタンスプリング脚部
72 突出部
73 フランジ状当接部
75 本体軸部
76 ピン頸部
77 ピンヘッド

Claims (6)

  1. 搭乗者の体型に応じてスルーアンカの固定位置を変えてウェビング長さを調整するショルダアジャスタ装置において、
    車体フレームに固定されるアジャストベースと、
    このアジャストベースを摺動可能に取り付けられた摺動体と、
    この摺動体に一体的に接合されてウェビングの中間部を保持するスルーアンカとを備え、
    前記摺動体は前記アジャストベースに摺動自在に係合するスライドベースと、このスライドベースと一体に固定されて前記摺動体の本体を構成するガーニッシュと、前記摺動体を高さ調整して固定するラッチ機構と、前記摺動体の固定位置調整を操作するボタン部とを備え、
    このボタン部は前記ガーニッシュに揺動自在に取り付けられ、前記摺動部の高さ調整時に前記ボタン部を把持して前記ボタン部を揺動させてラッチ機構を解除し、前記摺動部をスライドさせるように構成したことを特徴とするショルダアジャスタ装置。
  2. 前記摺動体の車内空間側外面を構成するカバーを前記ボタン部と一体に設け、前記カバーは、前記ガーニッシュの蝶番部と揺動自在にジョイントされたボタン部の接合部を覆う一端からスルーアンカ取り付けボルト部の覆い部分である他端までが一体成形の単一部材により構成されたことを特徴とする請求項1記載のショルダアジャスタ装置。
  3. 前記摺動体の車内空間側外面を構成するカバーの外面形状が、流線型の曲面形状に設けられたことを特徴とする請求項2記載のショルダアジャスタ装置。
  4. 前記ガーニッシュが蝶番部を備え、前記ボタン部が前記蝶番部と揺動自在に接合する接合部を備えたことを特徴とする請求項1記載のショルダアジャスタ装置。
  5. 前記ラッチ機構としてピンとスプリングを備えたことを特徴とする請求項1記載のショルダアジャスタ装置。
  6. 前記ボタン部が前記ピンに係合して作用するピン作用部を備え、前記ボタン部の揺動により前記ピン作用部が前記ピンに作用し、てこ機構により前記ピンが前記アジャストベースのラッチ穴より引抜かれてラッチ解除となる請求項5記載のショルダアジャスタ装置。
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