JP4285302B2 - 微細介在物含有ステンレス鋼とその製造方法 - Google Patents

微細介在物含有ステンレス鋼とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ステンレス鋼、特に介在物の大きさ、組成を規定したステンレス鋼とその製造方法に関する。
本発明にかかるステンレス鋼は、多くの用途に使用可能であるが、2、3例を挙げると、電子機器や精密機器に使用される金属製精密部品の成型に用いられるエッチング加工に適するステンレス鋼板として、ならびに深絞り、張出し、曲げ等により成形されるシンク、浴槽、フレキシブル管等に最適であるステンレス鋼板として、さらには、表面性状、耐食性に優れる医療用の注射針、電車内や階段等の手摺りとして使用される化粧パイプ等、あるいは化学機器、食品用機器等、幅広い用途において配管等に使用される溶接管等にも適するステンレス鋼板として、利用が可能である。
これらの用途に用いるステンレス鋼は、概ね、次のようにして製造されている。その一例を以下に説明する。
例えば電気炉で所望組成となるように各成分原料を溶解して粗溶鋼を製造した後、例えばVOD炉に移送して、真空アルゴン−酸素ガスによる脱炭精錬を行って〔C〕濃度を目標値に調整する。その後、不可避的に酸化してスラグに移行した〔Cr〕を回収するために、SiあるいはAl等を添加して還元精錬を行う。この時に、Si、Mn等の成分の調整も実施する。その後、上記溶鋼を連続鋳造にて鋳造し、得られた鋳片に熱間圧延、冷間圧延を行って所望厚みの板材としたあと、それぞれの用途に用いられる。
この溶製過程では、溶鋼中に不可避的に酸化物系の各種非金属介在物(以下、単に介在物という)が生成する。例えば、前記還元精錬時に還元剤としてSiを使用する場合にはSiO2系の介在物、Alを使用する場合にはAl2O3系の介在物が生成する。また、原料成分中のMnおよびCrも一部MnO、Cr2O3 系の介在物になる。
ステンレス鋼板に含まれる介在物は、例えばエッチング加工を阻害する要因となるため、できるだけ数が少なく、微細であることが望ましい。特に近年は機器の小型化、高性能化にともない、そこに使用される部品は従来よりも高精度の加工が要求されるようになり、従来よりもさらに介在物を微細化する必要が生じてきた。
ここに、エッチング加工とは金属の腐食溶解現象を利用した加工方法である。はじめに被加工金属薄板を脱脂洗浄し、その表面に感光性のフォトレジストを被覆する。次いでフォトレジスト上に目的とする製品形状を露光焼付けし、これを現像してフォトレジストパターンを形成させる。次いで、エッチング液をスプレー噴霧して不要な金属露出部分を溶解することで所望の製品形状に加工し、最後にフォトレジスト膜を剥離することにより目的製品を得るのである。
一方、オ−ステナイト系ステンレス鋼では、これらの介在物の中でMgOを多量に含んだCaO-SiO2-MgO系の介在物やAl2O3単体の介在物等の硬質の大きな介在物が鋳片中に多量に存在した場合には、そのような介在物が塑性変形しづらいために、成形性が劣る材料となる。したがって、成形用に用いる鋼板に対しても、溶製時に硬質介在物の生成量を減少させると共に、介在物が軟質介在物となるように介在物組成を制御するという努力がなされてきた。
また、注射針、化粧パイプにはSUS304やSUS316ステンレス鋼薄板を素材とする溶接管が数多く使用され、安全(表面傷による痛み、怪我)、衛生(表面傷による錆やばい菌の発生)、外観上の問題等から、溶接後に鏡面等への表面仕上げが施されていた。しかし、このような用途においても鋼板中に粗大な介在物が存在し、溶接時の溶融部表面ないしその近傍に介在物が浮上した場合、研削や研磨での表面仕上げ時に穴やささくれ状の不良が発生する問題があった。また、介在物を起点とする早期腐食(錆発生)の問題があった。しかも、注射針、化粧パイプ等は、不特定多数の人々に適用される、ないし触れる製品であることから、それらの問題の発生率を極力低くするという高い信頼性が必要不可避であった。
従来にあっても、上述のようないろいろの問題があることから、介在物、特にオーステナイト系ステンレス鋼における介在物については、その低減手段あるいは制御手段に関連して多くの提案がされており、以下においてそれらの従来技術について概括する。
特許文献1には、SとOの含有量をppmS<42-0.094(ppmO)に規制し、S系またはO系介在物の生成を抑制することでエッチングピットの発生を防止したエッチング加工用のマルテンサイト系ステンレスが開示されている。
特許文献2には、C含有量<0.01%、かつ断面清浄度<0.017%に規制したエッチング加工用Fe-Ni系合金が開示されている。断面清浄度は、JIS G 0555で定義される。
特許文献3には、厚さ25μm以下のステンレス箔において、最大直径5μm以上の介在物の平均個数が圧延方向断面1mm2あたり3個以下となるように規制することによりエッチング加工中の割れをともなうトンネル状の局部腐食を防止する方法が開示されている。一般にエッチング用材料としては25μmを超える板厚が多用されるから、これは それをさらに薄くする極薄材料を目的とする。
一方、成形用ステンレス鋼については、例えば、特許文献4に記載されているように、圧延鋼材のL断面において長さ(ι)と幅(d) の比がι/d≦5の延伸性の小さい非金属介在物の平均組成がSiO2 20〜60%、MnO 10〜80%、CaO 50%以下、MgO 15%以下からなるアノ−サイトを主成分とした高清浄度鋼が知られている。
また、特許文献5に記載されているように、圧延鋼材のL断面において長さ(ι)と幅(d) の比がι/d≦5の延伸性の小さい介在物の平均組成がSiO2 35〜75%、Al2O3 30%以下、CaO 50%以下、MgO 25%以下からなるスペサタイトを主成分とした高清浄度鋼が知られている。
しかしながら、これらの従来技術に示された介在物は、ステンレス鋼の場合には、鋼組成中にCrが多く含まれるため、実際の製造においてはCr2O3が多く含まれた粗大で硬質な介在物が含まれる複合介在物となり、十分な効果が得られない。
さらに、強加工により素材厚みが薄くなるほど介在物の大きさが臨界的な影響をおよぼすため、従来にあっても、鋼材中に残存する介在物の軟質化の努力はなされてきたが、介在物の大きさと冷間加工性の関係については十分には解明されていなかった。
また、注射針、化粧パイプ等には、最近では特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9において、C、 P、 S 等の元素を調整して溶接性と溶接部での耐食性を改善したステンレス鋼が数多く報告されている。
なお、介在物の影響に関しては、特許文献10等の報告も見られる。
特開昭60-92449号公報 特開昭61-84356号公報 特開2000-273586号公報 特公平6-74485号公報 特公平6-74484号公報 特開平05-17852号公報 特開平10-81940号公報 特開2000-178697号公報 特開2003-64453号公報 特開平08-246105号公報
本発明は、上記問題点を解決するため、介在物を制御することによりエッチング加工や深絞りなどの機械加工、さらには溶接加工などを含む加工性を改善したオ−ステナイト系ステンレス鋼を提案する。
本発明者らは、介在物調査に関して、母材を腐食除去・抽出後に分析・観察するという方法を導入することで、組成、形態について従来に比べてさらに詳細に調査した。
ここに、本発明者らは、ステンレス鋼、特にエッチング加工に供されるステンレス鋼板に関して、介在物を起点とするエッチング欠陥や製品使用中の破損を防止することを目的に鋭意検討した結果、介在物の最大円相当径を20μm以下にすればよいことを見出した。
そのような微細介在物に制限することで、今度は、一般の加工性、ならびに耐食性、外観性、特に溶接部の表面性状、耐食性が顕著に改善されることを見出した。
さらに、検討の結果、そのような介在物の臨界的な大きさにまで微細化する方法について以下のような点を見出した。
すなわち、材料の製造方法において、溶製時に、(1) 溶鋼保持により疲労特性に特に悪影響をおよぼす粗大介在物を比重差による浮上分離を強化する、(2) 二次精錬でのスラグ組成制御により酸化物系非金属介在物を軟質組成に調整し、必要により、その後の加工において破砕する、という二重の対策を施すことにより、粗大介在物を消失させ、優れた加工特性を安定確保、信頼性の高い加工性に富むオ−ステナイト系ステンレス鋼を提供できることを見出した。
本発明によれば介在物を微細化できるためステンレス鋼の本来有する諸特性を十分に発揮することができ、例えば次のような具体的用途に適した材料とすることができる。
本発明にかかるステンレス鋼板を用いることにより、電子機器や精密機械に使われる高精細なエッチング製品の製造が可能となる。
本発明での介在物の安定制御により、優れた成形性が安定して得られる信頼性の高いオ−ステナイト系ステンレス鋼を工業的に安価かつ安定して提供できる。
本発明での介在物の安定制御により、溶接部の表面性状、耐食性に優れ、信頼性の高いステンレス鋼板および同鋼板製製品(注射針、化粧パイプ他)を工業的に安価かつ安定して提供できる。
本発明にかかるステンレス鋼における介在物の組成・形状の限定理由は次の通りである。
介在物の大きさは圧延加工時の伸展、分断の度合に大きく影響を受けるが、その伸展、分断の度合はステンレス鋼では非金属介在物のCr2O3含有量により関連付けられることを見い出したものである。更に正確に言えば、本発明によれば、Cr2O3量を増加することにより硬質な介在物を形成するAl2O3、MgO の含有量を抑制し、微細化することが可能になる。
一方、加工特性は介在物の組成ではなく、大きさに依存し、微細化することにより向上する、最大円相当径で20μm以下においては、介在物を起点とする割れが見られなくなるという臨界的な挙動を確認した。
これらより、本発明においては非金属介在物の最大円相当径を20μm以下に規定した。更に、好ましくは15μm以下である。
また、介在物組成を限定する理由は次の通りである。なお、本明細書において「%」は特にことわりがない限り、「質量%」である。
Cr2O3 の制御は、Al2O3、MgOおよびCr2O3からなる硬質な介在物の生成を抑制し、加工による効率的な微細化を可能にする。このため、CaO-SiO2-MgO-Al2O3-MnO-Cr2O3で構成される介在物の平均組成での実績より、1%以上 55%以下 とした。
Al2O3、MgOは硬質な介在物を生成し、加工にて効率的に微細化することが困難となると考えられる。このことから、CaO-SiO2-MgO-Al2O3-MnO-Cr2O3で構成される介在物の平均組成での実績より、各々を50%以下、15%以下とした。なお、それ以外の合金成分は含有量が少なかったことから無視した。
なお、本明細書では組成分析結果(合金元素量)より介在物組成をCaO-SiO2-MgO-Al2O3-MnO-Cr2O3として換算した。
上記の組成は、最終製品素材である冷延鋼板での組成である。すなわち、上記の組成を有する微細な介在物が残存していれば、臨界的な非金属介在物径である20μm超の介在物は通常存在しない。
本発明が対象とするステンレス鋼は特に成分を限定するものではなく、例えばSUS304に代表されるオーステナイト系ステンレスやSUS430に代表されるフェライト系ステンレスなど、要はエッチング加工に供されるもの全てに適用可能である。その形態は冷間圧延により板厚0.5mm以下とした薄板とする。
しかし、本発明にかかるステンレス鋼の好適組成は、次の通りである。
ステンレス鋼母相としての組成は、主に高強度と加工性を維持するという点から、以下の理由により下記組成の準安定γ系ステンレス鋼が好ましい。
Cは、侵入型固溶強化元素であり、Nと共に材料を強化する最も有効な元素である。ただし、過度に添加した場合にクロム炭化物を発生する等により、ステンレス鋼として必要な耐食性が得られない、粗大な場合に加工特性が低下する等の問題を生じる。このため、0.01%以上 0.15%以下 とした。好ましくは、0.01〜0.12%である。
Siは、固溶強化元素であり、材料を強化する有効な元素である。下限として、不可避に混入および脱酸剤として不可欠な元素である。ただし、過度に含有した場合、加工性を劣化させる。このため、0.1%以上 3.0%以下 とした。更に、好ましくは0.2%以上 2.6%以下である。
Mnは、γ安定化元素である。 他の元素とのバランスを考えて0.1%以上添加されるが、過度に添加した場合、加工誘起α’相量が減少して強度不足となる場合がある。ただし、Nの固溶量を増加し、材料を強化できる側面もある。下限として、不可避に混入および熱間加工性確保として不可欠な元素である。このため、上限は特に4.0%以下とした。更に、好ましくは0.2%以上2.5%以下である。
P は熱間加工性および溶接性を損なうため少ない方が望ましく、0.050%以下とした。更に、好ましくは、0.040%以下である。
Sは熱間加工性および耐食性を損なうため少ない方が望ましく、0.020%以下とした。更に、好ましくは、0.015%以下である。
Crは、ステンレス鋼の基本元素であり、10.0%以上 添加する。ただし、Crはフェライト安定化元素でもあり、多量に添加した場合には鋼中へのフェライト相の残存を招く。一方で、Crは、Nの固溶量を増加し、材料を強化できる側面もある。このため、25.0%以下 とした。更に、好ましくは14.0%以上 24.0%以下である。
Niは、合金元素中で最も強力なオーステナイト安定化元素の一つであり、室温においてオーステナイト相組織を得るため必須である。その有効範囲は、下限3.0%、上限を22.0%と考えられる。更に、好ましくは4.4%以上12.0%以下である。
Nは、侵入型固溶強化元素であり、Cと共に材料を強化する最も有効な元素である。Mn、Cr等の添加量によりある程度の調整が可能であるが、過度に添加した場合、粗大な窒素化合物を発生し、加工特性が低下する等の問題を生じる。このため、0.01%以上 0.30%以下 とした。更に、好ましくは0.02%以上 0.24%以下である。
Ti、 Nb、V については、
Ti、Nb、V は溶接時に微細な炭、窒化物(Cr等の他合金元素を含む場合有)を析出して粒成長を抑制し、溶接部の結晶粒微細化による強度と加工性のバランス、耐食性の改善が期待される。また、これらにより耐食性劣化の原因となるクロム炭化物の析出が抑制される。同効果を得るため、少なくとも1種それぞれ0.01% 以上が添加される。ただし、過度の添加した場合、粗大な析出物を発生し、板の製造性が劣化する等の問題を生じる場合がある。また、高価な元素であり、多量に添加した場合に材料も高価なものとなる。このため、それぞれ上限を0.5%とした。更に、好ましくは、それぞれ0.04%以上、0.46%以下である。
鋼組成の残部はFeおよび不可避的不純物元素からなる。
なお、上記成分以外に、MoおよびCuをγ安定度調整のため、所望により、1種以上いずれも0.5%以下添加しても良い。また、工業的側面からの添加元素、例えば溶製時脱酸剤として使用されるAl、CaあるいはREM(希土類元素)、熱間加工性の改善が見込まれるB等を必要に応じて0.05%以下含有しても差し支えない。また、介在物を形成する主元素の一つであるMgは特に添加するものでなく、主に溶製時に様々な部位に使用される耐熱材料よりAl、Ca等とともに侵入するものであり、0.02%以下含有しても差し支えない。
このような鋼組成のステンレス鋼の溶製は、例えば、次のような条件下で行うことができる。
(1) 溶鋼保持での粗大介在物の浮上分離強化のため、保持時間≧1hr 、溶鋼攪拌動力≦40W/ton、
(2) その後の加工での介在物の効率的微細化のため、二次精錬でのスラグ組成を塩基度CaO/SiO2を1.4 以上1.8 以下、Al2O3 ≦2%、MgO≦10%とする、
のような方法で実現できる。ただし、この方法に限るものではない。
上記条件(1) は粗大介在物の浮上分離の強化、条件(2) は加工での分断、破砕を可能にする延性介在物の生成のために行うものである。なお、条件(2) は溶鋼での分析値から凝固、熱間圧延および冷間圧延、焼鈍の繰返しによる介在物の成分変化等を考慮した上で経験的に決定した値である。

これらより本発明鋼の製造に際して同工程の実施が効果的と考え、本発明において溶製時の製造方法(同工程)についても限定した。その他条件は一般的なステンレス鋼の溶解と特に大きな違いは無い。
次いで、熱間および冷間圧延と焼鈍を繰返しにより厚さt1mm前後の鋼板を製造した。圧延比は次工程の調質圧延を含めて合計で60以上、特に熱間圧延比を35以上とすることが望ましい。中間および最終焼鈍は900〜1200℃にて厚さ1mm 当たりで60sec.程度保持すれば良い。
次いで、熱間および冷間圧延と焼鈍の繰返しにより厚さt0.4mmの薄板を製造する。圧延比は次工程の調質圧延を含めて75以上、特に熱間圧延比を35以上とすることが望ましい。
ここで、エッチング加工を例にとり、本発明をさらに具体的に説明すると次の通りである。
ステンレス鋼板に含まれる介在物はエッチング液に直接溶けることはないが、エッチング端面に溶け残るか、もしくはエッチング中に脱落して周辺部分の意図しない部分が溶けて形状を損なうなどのエッチング欠陥を生じてしまい、歩留りを悪化させる原因となる。
さらにエッチング加工後に曲げ加工をしたときにエッチング欠陥を起点として割れが生じることがある。あるいはジンバルバネのような繰返し応力のかかるような環境で使用しているときにエッチング欠陥部を起点として破損するなどの重大な欠陥をもたらす危険性もある。本発明によれば介在物の最大円相当径を20μm以下とすることでそのような問題は解消できる。
従来、エッチング加工におけるレジストパターンの最小幅は従来は50μm程度であったが、最近はレジスト樹脂および露光・現像装置の改良が進んで30μm以下の幅でも解像可能となってきた。レジストパターンの高精細化が進むと、介在物の大きさの影響が大きくなり、本発明によれば、介在物の大きさはレジストパターンの最小幅の少なくとも1/2以下、すなわち最大円相当径で好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下に規制することで高精細なエッチング加工を歩留りよく実施できる。
本発明においてエッチング加工用に用いるときは、次の方法で溶製されたものを使用するのが好ましい。
(1)二次精錬スラグ組成 AlO≦2%、T.CaO/SiO 1.4〜1.8、MgO 10%
(2)非晶質層と低融点介在物の比率を保ち介在物を生成させる。
(3)取鍋内溶鋼撹拌動力≦40W/ton、溶鋼保持時間≧2.0hrs
(4)圧延比を75以上とる(熱間圧延比>30)
上記工程で製造した薄板について介在物の組成・形状を調査した結果、介在物を起点とするエッチング欠陥は、最大円相当径15μm 以下において殆ど見られなくなる。
次に、実施例によって本発明の作用効果をさらに具合的に説明する。
表1に示す組成のステンレス鋼を電気炉→VOD→LF→CCMにより溶製し、スラグ組成の塩基度はCaO/SiO2、AlO3量、MgO量により制御した。No.1〜No.12はLFにおいて溶鋼を恒温で4時間保持し、40W/ton以下の動力にて攪拌した。比較鋼No.13とNo.14はVODから出鋼したのち、LFでの溶鋼保持を行わずに、直ちにCCMで鋳込みを行った。
上述の方法で得たスラブを熱間圧延して厚さ4mmとした鋼帯をさらに冷間圧延と焼鈍を繰り返して、最終的に板厚0.10mmのステンレス薄板を得た。
調査は以下の方法で実施した。
まず、5gの試料を10%臭素メタノールにより母材部を腐食除去した後、所定のフィルターを通して抽出し、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて形状を調査し、エネルギー分散X線検出器 (EDX:Energy-Dispersive X-Ray Spectrometer)を用いて組成分析を実施した。
介在物の形状は以下の円相当径により算出し、そのうちの最大値(最大円相当径)により表示した。
d=(dmax×dmin)1/2
d:円相当径(μm)、dmax、dmin:介在物の長径と短径(μm)
組成は分析結果(合金元素量)をCaO-SiO-MgO-AlO-MnO-CrOとして換算した。
上述の方法で製造したステンレス薄板を前処理(アルカリ脱脂洗浄)を行ない、次いでアクリル樹脂系フォトレジストをディップコート方式で塗布・乾燥して、乾燥膜厚を10μmとした。
ここに、図1に示すドットパターン(表面φ0.1mm、裏面φ0.03mm、ドットピッチ0.3mm)を露光・焼付けした。図2(a) はレジスト現象後のその断面図であり、図2(b) はエッチング加工後の同じく断面図である。
エッチング液(47ボーメ塩化第二鉄溶液、50℃)を両面からスプレー噴霧して貫通させた後、最後にレジスト膜を剥離した。
エッチング加工性の評価はドットパターンの50視野を光学顕微鏡(倍率400倍)で観察し、ドットの真円度不良もしくは壁面に介在物欠落あるいは介在物残存にともなう形状不良が認められたものを孔欠陥として数えた。
孔欠陥が50視野のうち1視野以下であればエッチング加工性は良好(○印)、2視野以上ある場合はエッチング加工性不良(×印)と判定した。
実施例No.1〜No.7はいずれも本発明に規定した介在物組成であり、介在物の最大円相当径も15μm以下であり、これらは孔欠陥が1視野以下であり、エッチング加工性はいずれも良好と判定された。
比較鋼No.8とNo.10は本発明に規定する介在物組成に対してMgOが多く、No.9とNo.11は同様にAl2O3が多い。これらはいずれも硬質介在物であるため圧延での破壊が進まず最大円相当径が15μmを超える粗大な介在物が存在した。
比較鋼No.12とNo.13は溶鋼中の介在物の浮上分離が不十分なため最大円相当径が15μmを超える粗大な介在物が存在した。
これらはいずれも粗大な介在物に起因した孔欠陥が2視野を超えており、エッチング性が劣ると判定された。
Figure 0004285302
本例における厚さt0.4mm前後に調質圧延した焼鈍材における介在物の円相当径と加工割れの影響を図3に示す。加工割れは、介在物の円相当径が20μm以下で皆無となる。
厚さt0.4mm前後の調質圧延した焼鈍材の加工特性におよぼす介在物の組成、最大円相当径の影響を表2に示す。介在物はCr2O3量の増加、Al2O3、MgO 量の減少により微細化する。また、加工特性は介在物組成に依然せず、微細化により向上する。これらより、溶鋼保持+組成制御により介在物を微細化した材料の加工割れは皆無となった。
なお、供試材の製造は実施例1を繰り返して行った。
また、LFにおいて溶鋼を恒温保持した。保持中の溶鋼の攪拌動力は40W/ton以下とした。そして、熱間および冷間圧延と焼鈍の繰返しにより板厚t0.4mmとした。同工程の各圧延での加工率は同一にした。
介在物調査は実施例1と同じ要領により実施した。
加工試験は、絞り比3の多段深絞り加工を行い、加工割れの発生を調査した。評価は、加工部における割れ無し、亀裂、開口の3段階とした。
Figure 0004285302
溶接部の研削性、耐食性におよぼす介在物の組成、最大円相当径の影響を表3に示す。
発明材No.1〜No.7の介在物は本発明で規定する組成を満たし、最大円相当径(最大径)で18μm以下となる。また、研削性、耐食性も優れた結果を示す。
一方、比較材No.8〜No.18は介在物の最大径が22μm以上となり、耐食性に劣る。また、最大径が30μ以上のNo.12、No.14、No.18材は溶接部研削性も不良となった。これは、No.12、No.13材が溶鋼保持を施さなかったため、No.17材が多量のAl2O3、MgOを含有し、圧延時の破砕、微細化が不充分であり、粗大な介在物が残存したことに起因すると推定される。なお、これらは粗大介在物を起点として、研削後の板表面、耐食性に不良を乗じたものである。
これらより、溶鋼保持×(組成制御+圧延での破砕)により介在物を微細化した材料での問題発生は皆無であることが確認される。
以下、上記の試験方法について補足説明する。
試料は実機溶製材および実験室レベルの小型鋳塊より製造したt4mmの熱間圧延板を用いて、同一工程にて製造したt1mm前後の薄板とした。なお、実機溶製は電気炉→VOD(Vacuum-Oxygen Decarburization furnace)→LF(Ladle Furnace)→CCM(Continuous Casting machine)により溶製し、スラグ組成を塩基度CaO/Si02、Al2O3 量、MgO量により制御した。また、LFでは溶鋼を恒温保持し、40W/ton以下の動力にて攪拌した。一方、小型鋳塊は真空溶解炉を用い、17Kg前後にて製造した。そして、実機ないし実験室レベルの設備によりt4mmに熱間圧延、焼鈍後、実験室レベルの設備により冷間圧延→焼鈍を1回ないし2回繰返してt1mmの薄板とした。そして、溶接部の研削性、耐食性を調査するためにTIG溶接を施した。TIG溶接は電流80A、速度0.5M/min.、シールガスとしてAr(10L/min.)を使用し、ビードオンプレートで実施した。なお、溶接は圧延方向と平行に板幅中心部付近で3回実施し、各ビード間が幅方向に約15mm程度ずつ離れるように実施した。
その後、3本のビード部を含む所定寸法の試験片を採取し、以下の試験を実施した。
介在物調査は実施例1に準じて行った。
溶接部の研削性:
溶接後の焼鈍材より板幅中心部にビードを含むようにW20mm×L20mmの試験片を採取し、湿式研磨機を用いて#400、#800、 #1000、 #1200 番の研磨紙の順で研磨した。その後、SEM を用いて表面を観察し、介在物を起点とする穴やささくれ状の欠陥の有無を確認した。評価は無の場合を○、有の場合を×とした。
溶接部の耐食性:
溶接後の焼鈍材より板幅中心部に3本のビードを含むように角100mmの試 験片を採取し、60℃に保持した0.1%NaCl水溶液に100hr.浸漬した。その後、SEM を用いて表面を観察し、介在物を起点とする発錆の有無を確認した。評価は無の場合を○、有の場合を×とした。
Figure 0004285302
ドット状パターンの平面模式図である。 図2(a) はレジストパターンを現像したあとの断面模式図、図2(b) はエッチング加工後の断面模式図である。 介在物の円相当径と加工割れの影響を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 介在物を含むステンレス鋼において、前記介在物が、CaO-SiO2-MgO-Al2O3-MnO-Cr2O3で構成され、該非金属介在物の平均組成が
    Cr2O3 10.3%以上55%以下、
    Al2O3 :50%以下、
    MgO :15%以下
    であり、かつ、前記介在物の最大円相当径が20μm 以下からなることを特徴とするステンレス鋼。
  2. 前記ステンレス鋼の鋼組成が、質量%で、
    C : 0.01%以上0.15%以下、 Si : 0.1%以上 3.0%以下
    Mn : 0.1%以上4.0%以下、 P : 0.050% 以下
    S : 0.020%以下、 Cr :10.0%以上25.0%以下
    Ni : 3.0%以上22.0%以下、 N :0.01%以上0.30%以下
    残部実質的にFe
    であることを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼。
  3. 前記鋼組成が、質量%で、さらに
    Ti : 0.01%以上0.5%以下、 Nb : 0.01%以上0.5% 以下
    V : 0.01%以上0.5%以下
    の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項2に記載のステンレス鋼。
  4. 溶製時に保持時間:1hr以上、溶鋼攪拌動力:40W/ton以下で溶鋼を保持して粗大介在物の浮上分離を図り、二次精錬でのスラグ組成を塩基度CaO/Si02 : 1.4 以上1.8 以下、 Al2O3 : 2%以下、MgO: 10%以下とする工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のステンレス鋼の製造方法。
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