JP4285195B2 - Continuously variable transmission - Google Patents
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Description
この発明は、車両(自動車)用自動変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の改良に関し、変速比制御の為のステッピングモータの特性変化に拘らず、上記トロイダル型無段変速機の変速比制御を迅速且つ正確に行なえる構造を実現するものである。 The present invention relates to an improvement of a continuously variable transmission incorporating a toroidal type continuously variable transmission used as an automatic transmission for a vehicle (automobile), and relates to the above-described toroidal regardless of changes in the characteristics of a stepping motor for gear ratio control. The present invention realizes a structure that can perform speed ratio control of a type continuously variable transmission quickly and accurately.
「公知の従来技術の説明」
自動車用自動変速装置として、図3〜5に示す様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、入力軸1の両端部周囲に入力側ディスク2、2を、ボールスプライン3、3を介して支持している。従ってこれら両入力側ディスク2、2は、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。又、上記入力軸1の中間部周囲に出力歯車4を、この入力軸1に対する相対回転を自在として支持している。そして、この出力歯車4の中心部に設けた円筒部の両端部に出力側ディスク5、5を、それぞれスプライン係合させている。従ってこれら両出力側ディスク5、5は、上記出力歯車4と共に、同期して回転する。
"Description of known prior art"
The use of a toroidal type continuously variable transmission as shown in FIGS. 3 to 5 as an automatic transmission for automobiles has been studied and implemented in part. This toroidal type continuously variable transmission is called a double cavity type, and supports input-
又、上記各入力側ディスク2、2と上記各出力側ディスク5、5との間には、それぞれ複数個ずつ(通常2〜3個ずつ)のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7の内側面に、支持軸8、8及び複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。上記各トラニオン7、7は、それぞれの長さ方向(図3、5の上下方向、図4の表裏方向)両端部に、これら各トラニオン7、7毎に互いに同心に設けられた枢軸9、9を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン7、7を傾斜させる動作は、油圧式のアクチュエータ10、10により、これら各トラニオン7、7を上記枢軸9、9の軸方向に変位させる事で行なうが、総てのトラニオン7、7の傾斜角度は、油圧式及び機械式に互いに同期させる。
A plurality (usually 2 to 3) of
即ち、前記入力軸1と出力歯車4との間の変速比を変えるべく、上記各トラニオン7、7の傾斜角度を変える場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を、それぞれ逆方向(前記各ディスク2、5の回転方向に関して同方向)に、例えば、図5の右側のパワーローラ6を同図の下側に、同図の左側のパワーローラ6を同図の上側に、それぞれ同じ距離だけ変位させる。この結果、これら各パワーローラ6、6の周面と上記各入力側ディスク2、2及び各出力側ディスク5、5の内側面との当接部(転がり接触部)に作用する、接線方向の力の向きが変化(当接部にサイドスリップが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板11、11に枢支された上記各枢軸9、9を中心として、互いに逆方向に揺動(傾斜)する。この結果、上記各パワーローラ6、6の周面と上記入力側、出力側各ディスク2、5の内側面との当接位置が変化し、上記入力軸1と出力歯車4との間の回転変速比が変化する。
That is, when changing the inclination angle of the
上記各アクチュエータ10、10への圧油の給排状態は、これら各アクチュエータ10、10の数に関係なく1個の制御弁12により行ない、何れか1個のトラニオン7の動きをこの制御弁12にフィードバックする様にしている。この制御弁12は、ステッピングモータ13により軸方向(図3の表裏方向、図5の左右方向)に変位させられるスリーブ14と、このスリーブ14の内径側に軸方向の変位自在に嵌装されたスプール15とを有する。又、上記各トラニオン7、7と上記各アクチュエータ10、10のピストン16、16とを連結するロッド17、17のうち、何れか1個のトラニオン7に付属のロッド17の端部にプリセスカム18を固定しており、このプリセスカム18とリンク腕19とを介して、上記ロッド17の動き、即ち、軸方向の変位量と回転方向の変位量との合成値を上記スプール15に伝達する、フィードバック機構を構成している。又、上記各トラニオン7、7同士の間には同期ケーブル20を掛け渡して、油圧系の故障時にも、これら各トラニオン7、7の傾斜角度を、機械的に同期させられる様にしている。
Regardless of the number of these
変速状態を切り換える際には、上記ステッピングモータ13により上記スリーブ14を、得ようとする変速比に見合う所定位置にまで変位させて、上記制御弁12の所定方向の流路を開く。この結果、上記各アクチュエータ10、10に圧油が、所定方向に送り込まれて、これら各アクチュエータ10、10が上記各トラニオン7、7を所定方向に変位させる。即ち、上記圧油の送り込みに伴ってこれら各トラニオン7、7が、前記各枢軸9、9の軸方向に変位しつつ、これら各枢軸9、9を中心に揺動する。そして、上記何れか1個のトラニオン7の動き(軸方向及び揺動変位)が、上記ロッド17の端部に固定したプリセスカム18とリンク腕19とを介して上記スプール15に伝達され、このスプール15を軸方向に変位させる。この結果、上記トラニオン7が所定量変位した状態で、上記制御弁12の流路が閉じられ、上記各アクチュエータ10、10への圧油の給排が停止される。
When switching the speed change state, the
この際の上記トラニオン7及び上記プリセスカム18のカム面21の変位に基づく上記制御弁12の動きは、次の通りである。先ず、上記制御弁12の流路が開かれる事に伴って上記トラニオン7が軸方向に変位すると、前述した様に、パワーローラ6の周面と入力側ディスク2及び出力側ディスク5の内側面との当接部に発生するサイドスリップにより、上記トラニオン7が上記各枢軸9、9を中心とする揺動変位を開始する。又、上記トラニオン7の軸方向変位に伴って上記カム面21の変位が、上記リンク腕19を介して上記スプール15に伝わり、このスプール15が軸方向に変位して、上記制御弁12の切り換え状態を変更する。具体的には、上記アクチュエータ10により上記トラニオン7を中立位置に戻す方向に、上記制御弁12が切り換わる。
At this time, the movement of the
従って上記トラニオン7は、軸方向に変位した直後から、中立位置に向け、逆方向に変位し始める。但し、上記トラニオン7は、中立位置からの変位が存在する限り、上記各枢軸9、9を中心とする揺動を継続する。この結果、上記プリセスカム18のカム面21の円周方向に関する変位が、上記リンク腕19を介して上記スプール15に伝わり、このスプール15が軸方向に変位する。そして、上記トラニオン7の傾斜角度が、得ようとする変速比に見合う所定角度に達した状態で、このトラニオン7が中立位置に復帰すると同時に、上記制御弁12が閉じられて、上記アクチュエータ10への圧油の給排が停止される。この結果上記トラニオン7の傾斜角度が、前記ステッピングモータ13により前記スリーブ14を軸方向に変位させた量に見合う角度になる。
Therefore, immediately after the
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸22により一方(図3、4の左方)の入力側ディスク2を、図示の様なローディングカム式の押圧装置23を介して回転駆動する。この結果、前記入力軸1の両端部に支持された1対の入力側ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ6、6を介して上記各出力側ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
During operation of the toroidal type continuously variable transmission as described above, one input side disk 2 (left side in FIGS. 3 and 4) is connected to a loading cam type as shown by a
この様に上記各入力側ディスク2、2から上記各出力側ディスク5、5に動力を伝達する際に、上記各トラニオン7、7には、それぞれの内側面に支持した上記各パワーローラ6、6の周面と上記各ディスク2、5の内側面との転がり接触部(トラクション部)での摩擦に伴って、それぞれの両端部に設けた枢軸9、9の軸方向の力が加わる。この力は、所謂2Ftと呼ばれるもので、その大きさは、上記各入力側ディスク2、2から上記各出力側ディスク5、5(或は出力側ディスク5、5から入力側ディスク2、2)に伝達するトルクに比例する。そして、この様な力2Ftは、前記各アクチュエータ10、10により支承する。従って、トロイダル型無段変速機の運転時に、これら各アクチュエータ10、10を構成するピストン16、16の両側に存在する1対の油圧室24a、24b同士の間の圧力差は、上記力2Ftの大きさに比例する。
As described above, when power is transmitted from the
上記入力軸1と出力歯車4との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を上記各枢軸9、9の軸方向に移動させ、これら各トラニオン7、7を図4に示す位置に揺動させる。そして、上記各パワーローラ6、6の周面をこの図4に示す様に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図4と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ6、6の周面を、この図4に示した状態とは逆に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の外周寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各トラニオン7、7を傾斜させる。これら各トラニオン7、7の傾斜角度を中間にすれば、入力軸1と出力歯車4との間で、中間の変速比(速度比)を得られる。
When the rotational speed of the
更に、上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場合、遊星歯車機構等の歯車式の差動ユニットと組み合わせて無段変速装置を構成する事が、従来から提案されている。例えば特許文献1には、所謂ギヤード・ニュートラルと呼ばれ、入力軸を一方向に回転させたまま、出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転、逆転に切り換えられる無段変速装置が記載されている。図6は、この様な特許文献1に記載された無段変速装置を示している。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速機25と遊星歯車式変速機26とを組み合わせて成る。このうちのトロイダル型無段変速機25は、入力軸1と、1対の入力側ディスク2、2と、出力側ディスク5aと、複数のパワーローラ6、6とを備える。図示の例では、この出力側ディスク5aは、1対の出力側ディスクの外側面同士を突き合わせて一体とした如き構造を有する。
Furthermore, when the toroidal continuously variable transmission configured and operated as described above is incorporated into an actual continuously variable transmission for an automobile, a continuously variable transmission is configured in combination with a gear-type differential unit such as a planetary gear mechanism. It has been proposed in the past. For example,
又、上記遊星歯車式変速機26は、上記入力軸1及び一方(図6の右方)の入力側ディスク2に結合固定されたキャリア27を備える。このキャリア27の径方向中間部に、その両端部にそれぞれ遊星歯車素子28a、28bを固設した第一の伝達軸29を、回転自在に支持している。又、上記キャリア27を挟んで上記入力軸1と反対側に、その両端部に太陽歯車30a、30bを固設した第二の伝達軸31を、上記入力軸1と同心に、回転自在に支持している。そして、上記各遊星歯車素子28a、28bと、上記出力側ディスク5aにその基端部(図6の左端部)を結合した中空回転軸32の先端部(図6の右端部)に固設した太陽歯車33又は上記第二の伝達軸31の一端部(図6の左端部)に固設した太陽歯車30aとを、それぞれ噛合させている。又、一方(図6の左方)の遊星歯車素子28aを、別の遊星歯車素子34を介して、上記キャリア27の周囲に回転自在に設けたリング歯車35に噛合させている。
The planetary
一方、上記第二の伝達軸31の他端部(図6の右端部)に固設した太陽歯車30bの周囲に設けた第二のキャリア36に遊星歯車素子37a、37bを、回転自在に支持している。尚、この第二のキャリア36は、上記入力軸1及び第二の伝達軸31と同心に配置された、出力軸38の基端部(図6の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車素子37a、37bは、互いに噛合すると共に、一方の遊星歯車素子37aが上記太陽歯車30bに、他方の遊星歯車素子37bが、上記第二のキャリア36の周囲に回転自在に設けた第二のリング歯車39に、それぞれ噛合している。又、上記リング歯車35と上記第二のキャリア36とを低速用クラッチ40により係脱自在とすると共に、上記第二のリング歯車39とハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ41により係脱自在としている。
On the other hand, the
上述の様な、図6に示した無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ40を接続すると共に上記高速用クラッチ41の接続を断った、所謂低速モード状態では、上記入力軸1の動力が上記リング歯車35を介して上記出力軸38に伝えられる。そして、前記トロイダル型無段変速機25の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比、即ち、上記入力軸1と上記出力軸38との間の変速比が変化する。この様な低速モード状態では、無段変速装置全体としての変速比は、無限大に変化する。即ち、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を調節する事により、上記入力軸1を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸38の回転状態を、停止状態を挟んで、正転、逆転の変換自在となる。
In the case of the continuously variable transmission shown in FIG. 6 as described above, in the so-called low speed mode state in which the
尚、この様な低速モード状態での加速若しくは定速走行時に、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルク(通過トルク)は、上記入力軸1から、キャリヤ27及び第一の伝達軸29と太陽歯車33と中空回転軸32とを介して出力側ディスク5aに加わり、更にこの出力側ディスク5aから各パワーローラ6、6を介して各入力側ディスク2、2に加わる。即ち、加速若しくは定速走行時に上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルクは、上記各入力側ディスク2、2が上記各パワーローラ6、6からトルクを受ける方向に循環する。
Incidentally, during acceleration or constant speed running in such a low speed mode state, the torque (passing torque) passing through the toroidal continuously
これに対して、上記低速用クラッチ40の接続を断ち、上記高速用クラッチ41を接続した、所謂高速モード状態では、上記入力軸1の動力が上記第一、第二の伝達軸29、31を介して上記出力軸38に伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比が変化する。この場合には、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を大きくする程、無段変速装置全体としての変速比が大きくなる。
尚、この様な高速モード状態での加速若しくは定速走行時に、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルクは、各入力側ディスク2、2が各パワーローラ6、6にトルクを付加する方向に加わる。
On the other hand, in the so-called high speed mode state in which the
Incidentally, the torque passing through the toroidal type continuously
例えば図6に示す様な構造を有し、入力軸1を回転させた状態のまま出力軸38を停止させる、所謂無限大の変速比を実現できる無段変速装置の場合、この出力軸38を停止させた状態を含み、変速比を極端に大きくした状態で、上記トロイダル型無段変速機25に加わるトルクを適正値に維持する事が、このトロイダル型無段変速機25の耐久性確保と、運転操作の容易性確保との面から重要である。何となれば、「回転駆動力=回転速度×トルク」の関係から明らかな通り、変速比が極端に大きく、上記入力軸1が回転したまま上記出力軸38が停止又は極低速で回転する状態では、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルク(通過トルク)が、上記入力軸1に加わるトルクに比べて大きくなる。この為、上記トロイダル型無段変速機25の耐久性を、このトロイダル型無段変速機25を大型化する事なく確保する為には、上述の様にトルクを適正値に納める為に厳密な制御を行なう必要が生じる。具体的には、上記入力軸1に入力するトルクをできるだけ小さくしつつ、上記出力軸38を停止させる為、駆動源を含めた制御が必要になる。
For example, in the case of a continuously variable transmission having a structure as shown in FIG. 6 and capable of realizing a so-called infinite transmission ratio in which the
又、上記変速比が極端に大きな状態では、上記トロイダル型無段変速機25の変速比が僅かに変化した場合にも、上記出力軸38に加わるトルクが大きく変化する。この為、上記トロイダル型無段変速機25の変速比調節が厳密に行なわれないと、運転者に違和感を与えたり、運転操作を行ないにくくする可能性がある。例えば、自動車用の自動変速装置の場合、停止時には運転者がブレーキを踏んだままで、停止状態を維持する事が行なわれる。この様な場合に、上記トロイダル型無段変速機25の変速比調節が厳密に行なわれず、上記出力軸38に大きなトルクが加わると、停車時に上記ブレーキペダルを踏み込む為に要する力が大きくなり、運転者の疲労を増大させる。逆に、発進時に上記トロイダル型無段変速機25の変速比調節が厳密に行なわれず、上記出力軸38に加わるトルクが小さ過ぎると、滑らかな発進が行なわれなくなったり、上り坂での発進時に車両が後退する可能性がある。従って、停止時若しくは極低速走行時には、駆動源から上記入力軸1に伝達するトルクを制御する他、上記トロイダル型無段変速機25の変速比調節を厳密に行なう必要がある。
Further, when the gear ratio is extremely large, even when the gear ratio of the toroidal continuously
この様な点を考慮して、特許文献2には、トラニオンを変位させる為の油圧式のアクチュエータ部分の圧力差を直接制御する事により、トロイダル型無段変速機を通過するトルク(通過トルク)を規制する構造が記載されている。
但し、上記特許文献2に記載されている様な構造の場合には、上記圧力差のみで制御を行なう為、上記通過トルクが目標値に一致した瞬間にトラニオンの姿勢を停止させる事が難しい。具体的には、トルク制御の為に上記トラニオンを変位させる量が大きくなる為、上記通過トルクが目標値に一致した瞬間にトラニオンが停止せずにそのまま変位を継続する、所謂オーバシュート(更にはこれに伴うハンチング)が生じ易く、上記通過トルクの制御が安定しない。
In consideration of such points,
However, in the case of the structure as described in
特に、図3〜5に示した一般的なハーフトロイダル型無段変速機の様に、トラニオン7、7の両端部に設けた各枢軸9、9の方向と、入力側、出力側各ディスク2、5の中心軸の方向とが互いに直角方向である、所謂キャストアングルを持たないトロイダル型無段変速機25の場合に、上記オーバシュートが生じ易い。これに対して、一般的なフルトロイダル型無段変速機の様に、キャストアングルを持った構造の場合には、オーバシュートを収束させる方向の力が作用する為、上記特許文献2に記載されている様な構造でも、十分なトルク制御を行なえるものと考えられる。
In particular, like the general half-toroidal continuously variable transmission shown in FIGS. 3 to 5, the directions of the pivots 9 and 9 provided at both ends of the
「未公知の第一の先発明の説明」
この様な事情に鑑みて、特願2003−56681号には、一般的なハーフトロイダル型無段変速機の様に、キャストアングルを持たないトロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置でも、このトロイダル型無段変速機を通過するトルク(通過トルク)の制御を厳密に行なえる方法及び装置に関する発明が開示されている。
図7は、この様な第一の先発明の制御方法及び装置の対象となる、無段変速装置の構造の1例を示している。この図7に示した無段変速装置は、前述の図6に示した従来から知られている無段変速装置と同様の機能を有するものであるが、遊星歯車式変速機26a部分の構造を工夫する事により、この遊星歯車式変速機26a部分の組立性を向上させている。
"Explanation of the first prior invention not yet known"
In view of these circumstances, Japanese Patent Application No. 2003-56681 discloses a continuously variable transmission that incorporates a toroidal continuously variable transmission that does not have a cast angle, such as a general half-toroidal continuously variable transmission. An invention relating to a method and an apparatus capable of strictly controlling the torque (passing torque) passing through the toroidal-type continuously variable transmission is disclosed.
FIG. 7 shows an example of the structure of a continuously variable transmission that is the object of the control method and apparatus of the first prior invention. The continuously variable transmission shown in FIG. 7 has the same function as that of the conventionally known continuously variable transmission shown in FIG. 6, but the structure of the planetary
入力軸1及び1対の入力側ディスク2、2と共に回転するキャリア27aの両側面に、それぞれがダブルピニオン型である、第一、第二の遊星歯車42、43を支持している。即ち、これら第一、第二の遊星歯車42、43は、それぞれ1対ずつの遊星歯車素子44a、44b、45a、45bにより構成している。そして、これら各遊星歯車素子44a、44b、45a、45bを、互いに噛合させると共に、内径側の遊星歯車素子44a、45aを、出力側ディスク5aにその基端部(図7の左端部)を結合した中空回転軸32aの先端部(図7の右端部)及び伝達軸46の一端部(図7の左端部)にそれぞれ固設した第一、第二の太陽歯車47、48に、外径側の遊星歯車素子44b、45bをリング歯車49に、それぞれ噛合させている。
First and second
一方、上記伝達軸46の他端部(図7の右端部)に固設した第三の太陽歯車50の周囲に設けた第二のキャリア36aに遊星歯車素子51a、51bを、回転自在に支持している。尚、この第二のキャリア36aは、上記入力軸1と同心に配置された出力軸38aの基端部(図7の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車素子51a、51bは、互いに噛合すると共に、内径側の遊星歯車素子51aを上記第三の太陽歯車50に、外径側の遊星歯車素子51bを、上記第二のキャリア36aの周囲に回転自在に設けた第二のリング歯車39aに、それぞれ噛合させている。又、上記リング歯車49と上記第二のキャリア36aとを低速用クラッチ40aにより係脱自在とすると共に、上記第二のリング歯車39aとハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ41aにより係脱自在としている。尚、上記外径側の遊星歯車素子44b、45bに代えて大きな軸方向寸法を有する1本の遊星歯車素子を、上記リング歯車49に代えて軸方向寸法の小さなリング歯車を、それぞれ使用する事もできる。
On the other hand, the
この様に構成する改良された無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ40aを接続し、上記高速用クラッチ41aの接続を断った状態では、上記入力軸1の動力が上記リング歯車49を介して上記出力軸38aに伝えられる。そして、トロイダル型無段変速機25の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての速度比eCVT 、即ち、上記入力軸1と上記出力軸38aとの間の速度比が変化する。この際のトロイダル型無段変速機25の速度比eCVU と無段変速装置全体としての速度比eCVT との関係は、上記リング歯車49の歯数m49と前記第一の太陽歯車47の歯数m47との比をi1 (=m49/m47)とした場合に、次の(1)式で表される。
eCVT =(eCVU +i1 −1)/i1 --- (1)
そして、例えば上記歯数同士の比i1 が2である場合に、上記両速度比eCVU 、eCVT 同士の関係が、図8に線分αで示す様に変化する。
In the improved continuously variable transmission configured as described above, the power of the
e CVT = (e CVU + i 1 -1) / i 1 --- (1)
For example, when the ratio i 1 between the number of teeth is 2, the relationship between the speed ratios e CVU and e CVT changes as shown by a line segment α in FIG.
これに対して、上記低速用クラッチ40aの接続を断ち、上記高速用クラッチ41aを接続した状態では、上記入力軸1の動力が、前記第一の遊星歯車42、上記リング歯車49、前記第二の遊星歯車43、前記伝達軸46、前記各遊星歯車素子51a、51b、上記第二のキャリア36aを介して、上記出力軸38aに伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を変える事により、無段変速装置全体としての速度比eCVT が変化する。この際のトロイダル型無段変速機25の速度比eCVU と無段変速装置全体としての速度比eCVT との関係は、次の(2)式の様になる。尚、この(2)式中、i1 は上記リング歯車49の歯数m49と前記第一太陽歯車47の歯数m47との比(m49/m47)を、i2 は上記リング歯車49の歯数m49と前記第二の太陽歯車48の歯数m48との比(m49/m48)を、i3 は前記第二のリング歯車39aの歯数m39と前記第三の太陽歯車50の歯数m50との比(m39/m50)を、それぞれ表している。
eCVT ={1/(1−i3 )}・{1+(i2 /i1 )(eCVU −1)} --- (2)
そして、上記各比のうち、i1 が2、i2 が2.2、i3 が2.8である場合に、上記両速度比eCVU 、eCVT 同士の関係が、図8に線分βで示す様に変化する。
In contrast, when the low speed clutch 40a is disconnected and the high speed clutch 41a is connected, the power of the
e CVT = {1 / (1-i 3 )} · {1+ (i 2 / i 1 ) (e CVU −1)} --- (2)
Of the above ratios, when i 1 is 2, i 2 is 2.2, and i 3 is 2.8, the relationship between the speed ratios e CVU and e CVT is shown in FIG. It changes as indicated by β.
上述の様に構成し作用する無段変速装置の場合、図8の線分αから明らかな通り、前記入力軸1を回転させた状態のまま上記出力軸38aを停止させる、所謂変速比無限大の状態を造り出せる。但し、この様に入力軸1を回転させた状態のまま上記出力軸38aを停止させたり、或は極低速で回転させる状態では、前述した通り、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルク(通過トルク)が、駆動源であるエンジンから上記入力軸1に加えられるトルクよりも大きくなる。この為、車両の停止時又は微速運行時には、上記通過トルクが過大(或は過小に)にならない様にする為、駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクを適正に規制する必要がある。
In the case of the continuously variable transmission constructed and operated as described above, as is apparent from the line segment α in FIG. 8, the
又、上記微速運行時、出力軸38aを停止させる状態に近い状態、即ち、上記無段変速装置の変速比が非常に大きく、上記入力軸1の回転速度に比べて上記出力軸38aの回転速度が大幅に遅い状態では、この出力軸38aに加わるトルクが、上記無段変速装置の変速比の僅かな変動により、大幅に変動する。この為、円滑な運転操作を確保する為に、やはり駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクを適正に規制する必要がある。
Further, during the slow speed operation, the
尚、この様な低速モード状態での加速若しくは定速走行時に、上記通過トルクは、前述の図6に示す従来構造と同様に、入力軸1からキャリヤ27a及び第一の遊星歯車42と第一の太陽歯車47と中空回転軸32aとを介して出力側ディスク5aに加わり、更にこの出力側ディスク5aから各パワーローラ6、6(図6参照)を介して各入力側ディスク2、2に加わる。即ち、加速若しくは定速走行時に上記通過トルクは、上記各入力側ディスク2、2が上記各パワーローラ6、6からトルクを受ける方向に循環する。
Incidentally, during acceleration or constant speed running in such a low speed mode state, the passing torque is transmitted from the
この為に、第一の先発明による変速比の制御方法及び装置の場合には、図9に示す様にして、上記駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクを適正に規制する様にしている。先ず、上記駆動源であるエンジンの回転速度を大まかに制御する。即ち、このエンジンの回転速度を、図9のw範囲内の点aに規制する。これと共に、この制御されたエンジンの回転速度に上記無段変速装置の入力軸1の回転速度を一致させる為に必要とされる、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を設定する。この設定作業は、前述の(1)式に基づいて行なう。即ち、第一の先発明の方法によりエンジンから上記入力軸1に伝達するトルクを厳密に規制する必要があるのは、前記低速用クラッチ40aを接続し、前記高速用クラッチ41aの接続を断った、所謂低速モード時である。従って、上記入力軸1の回転速度を、必要とする出力軸38aの回転速度に対応した値とすべく、上記(1)式により、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を設定する。
For this reason, in the case of the speed ratio control method and apparatus according to the first aspect of the invention, as shown in FIG. 9, the torque input to the
又、上記トロイダル型無段変速機25に組み込んだトラニオン7、7を枢軸9、9の軸方向に変位させる為の油圧式のアクチュエータ10、10を構成する1対の油圧室24a、24b(図5及び後述する図11参照)同士の間の圧力差を、油圧センサ52(後述する図12参照)により測定する。この油圧測定作業は、上記エンジンの回転速度を大まか(但し回転速度を一定に保つ状態)に制御し、これに対応して、上述の様に、(1)式により上記トロイダル型無段変速機25の変速比を設定した状態で行なう。そして、測定作業に基づいて求めた上記圧力差により、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルク(通過トルク)TCVU を算出する。
Further, a pair of
即ち、上記圧力差は、上記トロイダル型無段変速機25の変速比が一定である限り、このトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU に比例する為、上記圧力差により、このトルクTCVU を求める事ができる。この理由は、前述した様に、上記各アクチュエータ10、10が、入力側ディスク2、2から上記出力側ディスク5a(或は出力側ディスク5aから入力側ディスク2、2)に伝達されるトルク(=トロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU )に比例する大きさを有する、2Ftなる力を支承する為である。
That is, the pressure difference is proportional to the torque T CVU passing through the toroidal type continuously
一方、上記トルクTCVU は、次の(3)式によっても求められる。
TCVU =eCVU ・TIN/{eCVU +(i1 −1)ηCVU } --- (3)
この(3)式中、eCVU は上記トロイダル型無段変速機25の速度比を、TINは上記エンジンから前記入力軸1に入力されるトルクを、i1 は第一の遊星歯車42に関する遊星歯車変速機の歯数比(リング歯車49の歯数m49と第一の太陽歯車47の歯数m47との比)を、ηCVU は上記トロイダル型無段変速機25の効率を、それぞれ表している。
On the other hand, the torque T CVU is also obtained by the following equation (3).
T CVU = e CVU · T IN / {e CVU + (i 1 -1) η CVU } --- (3)
In this equation (3), e CVU is the speed ratio of the toroidal type continuously
そこで、上記圧力差から求めた、実際にトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU1と、上記(3)式から求めた、目標とする通過トルクTCVU2とに基づいて、この実際に通過するトルクTCVU1と目標値TCVU2との偏差△T(=TCVU1−TCVU2)を求める。そして、この偏差△Tを解消する(△T=0とする)方向に、上記トロイダル型無段変速機25の速度比を調節する。尚、上記トルクの偏差△Tと、上記圧力差の偏差とは比例関係にあるので、上記変速比の調節作業は、トルクの偏差によっても、圧力差の偏差によっても行なえる。即ち、トルクの偏差による変速比制御と、圧力差の偏差による変速比制御とは、技術的に見て同じ事である。
Therefore, calculated from the pressure difference, the torque T CVU1 actually passing through the toroidal type continuously
例えば、図9に示す様に、上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1(測定値)を目標値TCVU2に規制する領域で、前記エンジンが前記入力軸1を駆動するトルクTINが、この入力軸1の回転速度が高くなる程急激に低くなる方向に変化する場合に就いて考える。この様なエンジンの特性は、電子制御されたエンジンであれば、低速回転域でも容易に得られる。この様なエンジン特性を有する場合で、上記トルクの測定値TCVU1が同じく目標値TCVU2に比べて、各入力側ディスク2、2が各パワーローラ6、6(図4〜6参照)からトルクを受ける方向の偏差を有する場合には、上記入力軸1を駆動するトルクTINを小さくする為にエンジンの回転速度を増大すべく、無段変速装置全体としての変速比を減速側に変位させる。この為に、上記トロイダル型無段変速機25の速度比を、増速側に変速する。
For example, as shown in FIG. 9, the engine drives the
但し、ブレーキペダルを踏んで停止した状態(出力軸の回転速度=0)では、上記トロイダル型無段変速機25の内部で生じる滑り、即ち、入力側、出力側各ディスク2、5aの内側面と各パワーローラ6、6の周面(図4〜6参照)との当接部(トラクション部)で生じる滑り(クリープ)により吸収できる範囲内で、上記トロイダル型無段変速機25の速度比の制御を行なう。従って、この速度比を調節できる許容範囲は、上記当接部に無理な力が加わらない範囲に止まり、低速走行時の場合に比べて限られたものとなる。
However, when the brake pedal is depressed (rotation speed of the output shaft = 0), the slip generated inside the toroidal-type continuously
例えば、図9で、上記目標値TCVU2がa点に存在し、上記測定値TCVU1が同図のb点に存在する場合には、上記各入力側ディスク2、2が上記各パワーローラ6、6からトルクを受ける方向の偏差を有する状態となる。そこで、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を増速側に変更して、無段変速装置(T/M)全体としての速度比eCVT を減速側に変更する。これに合わせてエンジンの回転速度を増速し、トルクを下げる。反対に、上記測定値TCVU1が同図のc点に存在する場合には、上記各入力側ディスク2、2が上記各パワーローラ6、6にトルクを付加する方向の偏差を有する状態となる。この場合には、上述した場合とは逆に、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を減速側に変更して、無段変速装置(T/M)全体としての速度比eCVT を増速側に変更する。これに合わせて、エンジンの回転速度を減速してトルクを上昇させる。
For example, in FIG. 9, when the target value T CVU2 is present at point a and the measured value T CVU1 is present at point b in the figure, the
以下、上記圧力差から求めた、実際にトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU1が目標値に一致するまで、上述した動作を繰り返し行なう。即ち、1回のトロイダル型無段変速機25の変速制御だけでは、このトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU1を目標値TCVU2に一致させられない場合には、上述した動作を繰り返し行なう。この結果、前記エンジンが前記入力軸1を回転駆動するトルクTINを、このトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU を目標値TCVU2にする値に近付ける事ができる。尚、この様な動作は、無段変速装置の制御器に組み込んだマイクロコンピュータからの指令により、自動的に、且つ、短時間の間に行なわれる。
Thereafter, the above-described operation is repeated until the torque T CVU1 that actually passes through the toroidal-type continuously
尚、図10は、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU と上記エンジンが上記入力軸1を回転駆動するトルクTINとの比(左側縦軸)と、無段変速装置全体としての速度比eCVT (横軸)と、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU (右側縦軸)との関係を示している。実線aが上記通過トルクTCVU と駆動トルクTINとの比と、無段変速装置全体としての速度比eCVT との関係を、破線bが上記両速度比eCVT 、eCVU 同士の関係を、それぞれ示している。第一の先発明は、上記無段変速装置全体としての速度比eCVT を所定値に規制した状態で、上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1を上記実線a上の点で表される目標値(TCVU2)に規制すべく、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を規制するものである。
10 shows the ratio (the left vertical axis) of the torque T CVU passing through the toroidal-type continuously
上述した第一の先発明の場合、この様に上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1を前記目標値TCVU2である上記実線a上の点に規制する為の制御を2段階に分けて、先ず、エンジンの回転速度を大まかに、即ち、上記目標値TCVU2を得られるであろうと考えられる回転速度に制御した後、この回転速度に合わせてトロイダル型無段変速機25の変速比制御を行なう。この為、従来方法の様なオーバシュート(及びそれに伴うハンチング)を生じさせる事なく、或は仮に生じたとしても実用上問題ない程度に低く抑えて、上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1を上記目標値TCVU2に規制できる。
In the case of the first prior invention described above, control for restricting the torque T CVU1 actually passing through the toroidal type continuously
尚、前述の様に、ブレーキペダルを踏んで停止した状態で前記出力軸38a(図7)には、上記トロイダル型無段変速機25の内部で生じる滑りに基づいて、駆動力(トルク)が加わる。このトルクの大きさは、従来から普及している、トルクコンバータを備えた一般的な自動変速装置で生じるクリープ力に見合う値に設定する事が考えられる。この理由は、一般的な自動変速装置の操作に慣れた運転者に違和感を与えない為である。又、上記トルクの方向は、運転席に設けた操作レバー(シフトレバー)の操作位置により決定する。この操作レバーが前進方向位置(D、Lレンジ)を選択された場合には、上記出力軸38aに前進方向にトルクを付与し、後退方向位置(Rレンジ)を選択された場合には、後退方向にトルクを付与する。
As described above, the driving force (torque) is applied to the
次に、上述の様にトロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1を目標値TCVU2に一致させるべく、このトロイダル型無段変速機25の速度比を制御する部分の回路に就いて、図11により説明する。トラニオン7を枢軸9、9(図5参照)の軸方向(図11の上下方向)に変位させる為の油圧式のアクチュエータ10を構成する1対の油圧室24a、24bに、制御弁12を通じて、圧油を給排自在としている。この制御弁12を構成するスリーブ14は、ステッピングモータ13により、リンク腕54とロッド53とを介して軸方向に変位自在としている。又、上記制御弁12を構成するスプール15は、リンク腕19とプリセスカム18とロッド17とを介して上記トラニオン7と係合させ、このトラニオン7の軸方向変位及び揺動変位に伴って、軸方向に変位自在としている。以上の構成は、従来から知られているトロイダル型無段変速機の変速比制御機構と、基本的に同じである。
Next, as described above, a circuit for controlling the speed ratio of the toroidal continuously
特に第一の先発明の場合には、上記スリーブ14を、上記ステッピングモータ13により駆動するのに加えて、油圧式の差圧シリンダ55によっても駆動する様にしている。即ち、上記スリーブ14に基端部を結合した上記ロッド53の先端部を上記リンク腕54の中間部に枢支すると共に、このリンク腕54の両端部に設けた長孔に、上記ステッピングモータ13或は上記差圧シリンダ55の出力部に設けたピンを係合させている。上記リンク腕54の一端部に設けた長孔内のピンが押し引きされる場合、他端部の長孔内のピンは支点となる。この様な構成により、上記スリーブ14を、上記ステッピングモータ13による他、上記差圧シリンダ55によっても軸方向に変位させられる様にしている。先発明の場合、この差圧シリンダ55による上記スリーブ14の変位により、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU に応じてこのトロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を調節する様にしている。
In particular, in the case of the first prior invention, the
この為に第一の先発明の場合には、上記差圧シリンダ55に設けた1対の油圧室56a、56b内に、補正用制御弁57を通じて、互いに異なる油圧を導入自在としている。これら各油圧室56a、56bに導入される油圧は、前記アクチュエータ10を構成する1対の油圧室24a、24b内に作用する油圧PDOWN、PUPの差圧△Pと、上記補正用制御弁57の開度調節用の1対の電磁弁58a、58bの出力圧の差圧△P0 とに基づいて決定される。即ち、これら両電磁弁58a、58bの開閉は、これら両電磁弁58a、58bの出力圧の差圧△P0 が前記トロイダル型無段変速機25の目標トルクTCVU2に対応する目標差圧となる様に、図示しない制御器(コントローラ)により演算され、この制御器から出力される出力信号に基づいて制御される。従って、上記補正用制御弁57を構成するスプール59には、上記アクチュエータ10の油圧室24a、24b内に作用する油圧の差圧△Pに応じた力と、これに対抗する力となる、上記目標トルクTCVU2に対応する目標差圧である上記電磁弁58a、58bの出力圧の差圧△P0 とが作用する。
For this reason, in the case of the first prior invention, different hydraulic pressures can be introduced into the pair of
上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1と上記目標トルクTCVU2とが一致する場合、即ち、これら通過トルクTCVU1と目標トルクTCVU2との差△Tが0の場合には、上記アクチュエータ10の油圧室24a、24b内に作用する油圧の差圧△Pに応じた力と、上記電磁弁58a、58bの出力圧の差圧△P0 に応じた力とが釣り合う。この為、上記補正用制御弁57を構成するスプール59は中立位置となり、上記差圧シリンダ55の油圧室56a、56bに作用する圧力も等しくなる。この状態では、この差圧シリンダ55のスプール60は中立位置となり、上記トロイダル型無段変速機25の速度比は変わらない(補正されない)。
When the torque T CVU1 that actually passes through the toroidal-type continuously
一方、上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1と上記目標トルクTCVU2とに差が生じると、上記アクチュエータ10の油圧室24a、24b内に作用する油圧の差圧△Pに応じた力と、上記電磁弁58a、58bの出力圧の差圧△P0 に応じた力との釣り合いが崩れる。そして、上記通過トルクTCVU1と目標トルクTCVU2との差△Tの大きさ及び方向に応じて上記補正用制御弁57を構成するスプール59が軸方向に変位し、上記差圧シリンダ55の油圧室56a、56b内に、上記△Tの大きさ及び方向に応じた適切な油圧が導入される。そして、上記差圧シリンダ55のスプール60が軸方向に変位し、これに伴って、前記制御弁12を構成するスリーブ14が軸方向に変位する。この結果、前記トラニオン7が枢軸9、9の軸方向に変位して、上記トロイダル型無段変速機25の速度比が変わる(補正される)。尚、この様にして変速比が変化する方向、及び変化する量は、前述の図9〜10により説明した通りである。又、この様にトロイダル型無段変速機25の速度比が変位する量、即ち補正される量(速度比の補正量)は、このトロイダル型無段変速機25の速度比幅に対して十分小さいものである。この為に、上記差圧シリンダ55のスプール60のストロークは、前記ステッピングンモータ13の出力部のストロークよりも十分に小さくしている。
On the other hand, when the difference between the torque T CVU1 and the target torque T CVU2 actually passing through the toroidal type continuously
「未公知の第二の先発明の説明」
又、特願2003−105967号には、非走行状態で、出力軸に加わるトルクが0若しくは小さな値に収まる様にする為に、トロイダル型無段変速機の変速比を厳密に規制できる、無段変速装置に関する発明が開示されている。この第二の先発明の構造及び作用に就いて、図12〜13により説明する。尚、このうちの図12の上部には、例えば前述の図7に示した無段変速装置を模式的に示している。従って、当該部分には、できるだけ、この図7に示した符号と同じ符号を付している。又、上記図12中、太矢印は動力の伝達経路を、実線は油圧回路を、破線は電気回路を、それぞれ示している。
“Explanation of second unknown prior art”
In Japanese Patent Application No. 2003-105967, the speed ratio of the toroidal continuously variable transmission can be strictly regulated in order to keep the torque applied to the output shaft to 0 or a small value in a non-running state. An invention relating to a step transmission is disclosed. The structure and operation of the second prior invention will be described with reference to FIGS. Of these, the upper part of FIG. 12 schematically shows the continuously variable transmission shown in FIG. 7, for example. Therefore, the same reference numerals as those shown in FIG. 7 are given to the portions as much as possible. In FIG. 12, a thick arrow indicates a power transmission path, a solid line indicates a hydraulic circuit, and a broken line indicates an electric circuit.
エンジン61の出力は、ダンパ62を介して、入力軸1に入力される。このうちのダンパ62は、上記エンジン61の回転を平滑化して上記入力軸1に伝達する、弾性継手としての役目を有する。この入力軸1に伝達された動力は、トロイダル型無段変速機25aを構成する油圧式の押圧装置23aから入力側ディスク2に伝達され、更にパワーローラ6を介して出力側ディスク5aに伝達される。これら両ディスク2、5aのうち、入力側ディスク2の回転速度は入力側回転センサ63により、出力側ディスク5aの回転速度は出力側回転センサ64により、それぞれ測定して、制御器65に入力し、上記両ディスク2、5a間の(トロイダル型無段変速機25aの)変速比(速度比)を算出自在としている。
The output of the engine 61 is input to the
又、上記入力軸1に伝達された動力は、直接又は上記トロイダル型無段変速機25aを介して、差動ユニットである遊星歯車式変速機26bに伝達される。そして、この遊星歯車式変速機26bの構成部材の差動成分が、クラッチ装置66を介して、出力軸38aに取り出される。尚、このクラッチ装置66は、上記図7に示した低速用クラッチ40a及び高速用クラッチ41aを表すものである。又、出力軸回転センサ67によって、上記出力軸38aの回転速度を検出自在としている。但し、この出力軸回転センサ67は、上記入力側回転センサ63及び出力側回転センサ64の故障の有無を判定する為のフェールセーフ用に設置したもので、第二の先発明を実施する場合に必須ではない。
The power transmitted to the
一方、前記ダンパ62部分から取り出した動力によりオイルポンプ68を駆動し、このオイルポンプ68から吐出した圧油を、上記押圧装置23aと、上記パワーローラ6を支持したトラニオン7を変位させるアクチュエータ10(図5、11、13参照)の変位量を制御する為の制御弁装置69とに、送り込み自在としている。尚、この制御弁装置69とは、前述の図11及び後述する図13に示した制御弁12と、差圧シリンダ55と、補正用制御弁57(57a、57b)と、後述する図13に記載した、高速用切換弁70及び低速用切換弁71とを合わせたものである。又、上記アクチュエータ10に設けた1対の油圧室24a、24b(図5、11、13参照)内の油圧を(実際には1対の)油圧センサ52により検出して、その検出信号を、上記制御器65に入力している。この制御器65は、上記油圧センサ52からの信号に基づいて、上記トロイダル型無段変速機25aの通過トルクを算出する。
On the other hand, the
又、上記制御弁装置69は、ステッピングモータ13と、ライン圧制御用電磁開閉弁72と、上記補正用制御弁57を切り換える為の電磁弁58a(58b)と、上記高速用切換弁70及び低速用切換弁71を切り換える為のシフト用電磁弁73とにより、その作動状態を切り換えられる。そして、これらステッピングモータ13と、ライン圧制御用電磁開閉弁72と、電磁弁58a(58b)と、シフト用電磁弁73とは、何れも上記制御器65からの制御信号に基づいて切り換えられる。
The
又、この制御器65には、前記各回転センサ63、64、67及び上記油圧センサ52からの信号の他、油温センサ74の検出信号と、ポジションスイッチ75の位置信号と、アクセルセンサ76の検出信号と、ブレーキスイッチ77の信号とを入力している。このうちの油温センサ74は、無段変速装置を納めたケーシング内の潤滑油(トラクションオイル)の温度を検出するものである。又、上記ポジションスイッチ75は、後述する図13に記載した手動油圧切換弁78を切り換える為に運転席に設けられたシフトレバー(操作レバー)の操作位置を表す信号を出す為のものである。又、上記アクセルセンサ76は、アクセルペダルの開度を検出する為のものである。更に、上記ブレーキスイッチ77は、ブレーキペダルが踏まれた事、或はパーキングブレーキが操作された事を検出して、その事を表す信号を発するものである。
In addition to the signals from the
上記制御器65は、上記各スイッチ75、77及び各センサ52、63、64、67、74、76からの信号に基づいて、上記ステッピングモータ13と、ライン圧制御用電磁開閉弁72と、電磁弁58a(58b)と、シフト用電磁弁73とに上記制御信号を送る他、前記エンジン61を制御する為のエンジンコントローラ79に制御信号を送る。そして、前述した第一の先発明の場合と同様にして、入力軸1と出力軸38aとの間の速度比を変えたり、或は停止時若しくは極く低速走行時に前記トロイダル型無段変速機25aを通過して上記出力軸38aに加えられるトルク(通過トルク)を制御する。
Based on the signals from the
特に図示の構造の場合には、前記入力側回転センサ63及び前記出力側回転センサ64の検出信号に基づいて、上記出力軸38aの回転速度及び回転方向を算出し、上記通過トルクの制御を行なう様にしている。即ち、上記入力側、出力側両回転センサ63、64の検出信号を入力した上記制御器65は、これら両回転センサ63、64の検出信号に基づいて、各入力側ディスク2、2の回転速度NIDと出力側ディスク5aの回転速度NODを求める。前記エンジン61により前記入力軸1が回転駆動されている限り、上記各入力側ディスク2、2及び出力側ディスク5aは、何れも十分な速度で回転する。従って、上記両センサ63、64により、上記各ディスク2、5aの回転速度を確実に求められる。
Particularly in the case of the illustrated structure, the rotational speed and direction of the
そして、上記各入力側ディスク2、2の回転速度NIDと出力側ディスク5aの回転速度NODとから求められる、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NID(速度比eCVU とは正負逆)と、前記低速用クラッチ40aを接続しての低速モード状態時の、前記遊星歯車式変速機26bの変速比i1 とから、下記の(4)式により、上記出力軸38aの回転速度NOUT を、上記各入力側ディスク2、2の回転速度に対する比として求める。尚、上記遊星歯車式変速機26bの変速比i1 は、例えば図7に示した無段変速装置を構成する遊星歯車式変速機26aであれば、リング歯車49の歯数m49と第一の太陽歯車47の歯数m47との比である(i1 =m49/m47)。
NOUT =(i1 −1−NOD/NID)/i1 --- (4)
従って、上記出力軸38aの回転速度の絶対値は、NOUT ×NIDとなる。又、この(4)式から明らかな通り、NOD/NID=i1 −1であれば上記出力軸38aは停止し、NOD/NID>i1 −1であれば自動車を後退させる方向に回転し、NOD/NID<i1 −1であれば同じく前進させる方向に回転する。
Then, the speed ratio N OD / N ID (speed ratio e) of the toroidal type continuously
N OUT = (i 1 −1−N OD / N ID ) / i 1 --- (4)
Therefore, the absolute value of the rotation speed of the
又、上述の様な構成で第二の先発明を実施する為に、上記制御器65は、前記ポジションスイッチ75の信号に基づいて非走行状態(Pレンジ又はNレンジ)を選択された場合に、上記低速用クラッチ40aと前記高速用クラッチ41aとの接続を断つ。この状態では、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比に関係なく、前記入力軸1の回転が上記出力軸38aに伝わる事はなくなる。又、この状態では、上記トロイダル型無段変速機25aを通過するトルクは、(僅少の摩擦抵抗に見合うトルクを除き)実質的に0である。但し、この状態でも、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比を適切に規制しておかないと、次に走行状態(D、Lレンジ又はRレンジ)が選択された瞬間に、上記出力軸38aが突然、必要以上のトルク、且つ、必要以上の速度で回転し始める可能性がある。この様な事態が発生すると、運転者に違和感を与える他、各部の耐久性に悪影響を及ぼす。
Further, in order to implement the second prior invention with the above-described configuration, the controller 65, when the non-running state (P range or N range) is selected based on the signal of the position switch 75. The connection between the low speed clutch 40a and the high speed clutch 41a is cut off. In this state, the rotation of the
そこで、第二の先発明の場合には、上記両クラッチ40a、41aが繋がれた場合でも上記出力軸38aの回転速度が0となる様に、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比を規制する(第一の方法)。この場合に好ましくは、このトロイダル型無段変速機25aを通過するトルクの目標値を(上述の様に非走行状態での実質的通過トルクの値である)0にした状態で、このトロイダル型無段変速機25aの変速比を調節する(第二の方法)。或は、上記両クラッチ40a、41aが繋がれた場合に上記出力軸38aの回転速度が、ブレーキペダルの踏み込みにより停止させられる程度の低速となり、且つ、この出力軸38aに加わるトルクが小さくなる様に、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比を調節する(第三の方法)。何れの場合でも、図面に表れる構造は同じであるから、以下、それぞれの場合に就いて説明する。
Therefore, in the case of the second prior invention, the gear ratio of the toroidal continuously
先ず、第一の方法の場合に上記制御器65は、前記遊星歯車式変速機26bの変速比i1 と上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDとに基づいて、非走行状態時の上記出力軸38aの回転速度の絶対値NOUT ×NIDを求め、この回転速度を0にする。この為に、トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDをi1 −1とする(NOD/NID=i1 −1)。この際、好ましくは、第二の方法の様に、上記トロイダル型無段変速機25aを通過して上記出力軸38aに伝わるトルクの目標値を0にした状態で上記出力軸38aの回転速度を0とすべく、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDを調節する。この調節は、前述した第一の先発明の様にして(図9のa点を横軸上に設定して)行なう。
First, in the case of the first method, the controller 65 determines whether the planetary
又、この調節作業は、前記制御器65からの指令に基づいて変位する前記アクチュエータ10により、前記トラニオン7を枢軸9、9の軸方向に変位させる事で行なう。この際に、前記両回転センサ63、64の検出信号に基づいて前記各入力側ディスク2、2の回転速度NIDと前記出力側ディスク5aの回転速度NODとを求めつつ、前記制御弁装置69をフィードバック制御する。そして、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDがi1 −1になった状態で、上記アクチュエータ10を停止させる。そして、この状態での上記制御弁装置69の構成各部の状態を学習し、上記制御器65のメモリに記憶させる。そして、次に前記ポジションスイッチ75が非走行状態に切り替えられた場合に、上記メモリ内に記憶されている学習結果に基づき、上記制御弁装置69を切り替える。従って、上記トロイダル型無段変速機25aの個体差に関係なく、非走行状態から走行状態に切り替えられた瞬間に於ける上記出力軸38aの回転速度を0にできる。尚、この場合に於ける、出力軸38aの回転速度が0の状態には、完全な0だけでなく、運転者がブレーキペダルを含む等、制動装置を作動させる事により、エンジンのアイドリング回転に拘らず、車両を停止させたままにできる状態も含む。
This adjustment operation is performed by displacing the
又、第三の方法の場合には、前記両クラッチ40a、41aが繋がれた場合でも上記出力軸38aに加わるトルクを、一般的な自動変速機でPレンジ又はNレンジからDレンジ、Lレンジ又はRレンジに切り替えた瞬間に加わる程度のトルク(クリープにより微速走行させる程度のトルク)以下に規制する。この為に、非走行状態が選択されている場合には、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDを、上述した場合のi1 −1を基準として若干の補正を加えるべく、上記トロイダル型無段変速機25aを通過するトルクの目標値として、0以外の(摩擦抵抗に基づくトルクよりも明らかに大きな)値を設定する。上記両クラッチ40a、41aが何れも接続されていない状態では、上記トロイダル型無段変速機25aを通過するトルクは(僅少の回転抵抗に見合うトルクを除き)ほぼ0である。従って、上記目標値と実際の通過トルクとの間に偏差が生じる。
In the case of the third method, even when both
この結果前記制御器65は、この偏差を解消すべく、上記制御弁装置69を構成する前記差圧シリンダ55を切り替えて、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比を調節する。但し、前述した通り、上記差圧シリンダ55によりこのトロイダル型無段変速機25aの変速比を調節できる範囲は、機械的に限定された範囲内であり、上記偏差を解消する為に行なわれる、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比の調節は微小である(偏差を解消し切らない)。一方、上記第三の方法の場合には、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比の目標値を、前記出力軸38aを完全に停止させる場合に必要となる変速比i1 −1に、αなる補正値を加えた値(i1 −1+α)とする。この補正値αは、上記差圧シリンダ55により上記トロイダル型無段変速機25aの変速比を調節できる限界値(補正限界値)であり、正負は問わない。
As a result, in order to eliminate this deviation, the controller 65 switches the
この様に、上記出力軸38aを完全に停止させる場合に必要となる変速比i1 −1にαなる補正値を加えた値(i1 −1+α)を目標に、且つ、通過トルクの目標値を設定した状態で上記トロイダル型無段変速機25aの変速比調節を行なうべく、前記制御器65からの指令に基づいて変位する前記アクチュエータ10により、前記トラニオン7を枢軸9、9の軸方向に変位させる。この際も、前記両回転センサ63、64の検出信号に基づいて前記各入力側ディスク2、2の回転速度NIDと前記出力側ディスク5aの回転速度NODとを求めつつ、前記制御弁装置69をフィードバック制御する。そして、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDがi1 −1+αになった状態で、上記アクチュエータ10を停止させる。
As described above, the target value of the passing torque is set to the target value (i 1 −1 + α) obtained by adding the correction value α to the speed change ratio i 1 −1 that is required when the
そして、この状態での上記制御弁装置69の構成各部の状態を学習し、上記制御器65のメモリに記憶させる。そして、次に前記ポジションスイッチ75が非走行状態に切り替えられた場合に、このメモリ内に記憶されている学習結果に基づき、上記制御弁装置69を切り替える。従って、上記トロイダル型無段変速機25aの個体差に関係なく、非走行状態から走行状態に切り替えた瞬間に於ける上記出力軸38aの回転速度を、小さな値にできる。又、この状態でこの出力軸38aに加わるトルクを小さな値にできる。この場合には、運転者がブレーキペダルを踏み込んでさえいれば、自動車を停止状態のままに維持できる。従って、従来から一般的に使用されている自動変速機と同様の運転操作で良い。又、走行状態を選択した瞬間に、各部に大きな衝撃が加わる事はない。
Then, the state of each component of the
この様な第三の方法の場合には、各摩擦係合部に存在するヒステリシスの存在に関係なく、所定の状態(トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDがi1 −1+αになる状態)を実現する為の上記制御弁装置69の状態(学習値)を安定して得る事ができる。即ち、前述の第一の方法の場合には、前記差圧ピストン55の摩擦係合部に存在するヒステリシス等により、学習値に僅かとは言えばらつきを生じる可能性がある。これに対して、上記第三の方法の場合には、上記差圧ピストン55を構成するスプール60を片側に押し付けた状態で上記所定の状態を実現するので、上記摩擦係合部のヒステリシスに影響を受ける事なく、上記学習値を安定して求められる。
In the case of such a third method, regardless of the presence of hysteresis present in each friction engagement portion, a predetermined state (the transmission ratio N OD / N ID of the toroidal type continuously
図13は、上述の様に構成し作用する、第二の先発明の無段変速装置を制御する油圧回路の具体例を示している。この油圧回路では、油溜80から吸引されてオイルポンプ68a、68bにより吐出された圧油を、調圧弁81a、81bで所定圧に調整自在としている。上記オイルポンプ68a、68bが、前述の図12に記載したオイルポンプ68に相当する。又、上記両調圧弁81a、81bのうち、次述する手動油圧切換弁78側に送る油圧を調整する為の調圧弁81bによる調整圧を、ライン圧制御用電磁開閉弁72の開閉に基づいて調節自在としている。そして、上記両調圧弁81a、81bにより圧力を調整された圧油を、制御弁12を介してアクチュエータ10に送り込み自在とする他、差圧シリンダ55のストロークを調節する為の補正用制御弁57a、57bに、ロード電磁弁82の開閉に基づいて送り込み自在としている。
FIG. 13 shows a specific example of a hydraulic circuit for controlling the continuously variable transmission according to the second aspect of the invention that is configured and operates as described above. In this hydraulic circuit, the pressure oil sucked from the
又、上記圧油を、油圧式の押圧装置23aに送り込む様にしている。又、この圧油は、手動油圧切換弁78と、高速用切換弁70又は低速用切換弁71とを介して、低速用クラッチ40a(40)又は高速用クラッチ41a(41)の油圧室内に送り込み自在としている。上記各切換弁78、70、71のうち、上記手動油圧切換弁78は、運転席に設けられて運転者により操作されるシフトレバー(操作レバー)により操作されて、駐車レンジ(P)、リバース(後退)レンジ(R)、ニュートラルレンジ(N)、ドライブ(通常前進)レンジ(D)、高駆動力前進レンジ(L)を選択する。これら各レンジを選択した場合に於ける、上記手動油圧切換弁78の切り換え状態は、図示の通りである。尚、この手動油圧切換弁78を含め、各弁の構造及び機能の表示は、油圧機器に関する機械製図の一般的な手法によっている。
Further, the pressure oil is fed into the hydraulic
又、上記高速用、低速用両切換弁70、71はそれぞれ、シフト用電磁弁73により切り換えられるシフト用切換弁83の切り換えに基づく圧油の給排により、それぞれの連通状態を切り換えられるもので、一方の切換弁70(又は71)が高速用クラッチ41a(又は低速用クラッチ40a)の油圧室に圧油を送り込む際には、他方の切換弁71(又は70)が低速用クラッチ40a(又は高速用クラッチ41a)の油圧室から圧油を排出する。
The high-speed and low-
例えば上述の様な油圧回路により制御される、前述の様な第二の先発明を実施する場合、前述した様に、前記ポジションスイッチ75が非走行状態に切り替えられた場合に、制御器65のメモリ内に記憶されている学習結果に基づき、前記制御弁装置69を切り替える。そして、走行状態に切り替えられた瞬間に於ける上記出力軸38aの回転速度を0にすべく、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDを調節する。この様な目的で行なう、このトロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDの調節は、前記入力側、出力側両回転センサ63、64の検出値を観察しつつ、前記ステッピングモータ13により前記制御弁12を切り換える事でも行なえる。但し、上記ポジションスイッチ75が非走行状態に切り換えられる度に、上記両回転センサ63、64の検出値を観察しつつ上記制御弁12を切り換えるのでは、上記出力軸38aの回転速度を0にする為に要する時間が長くなり、現実的ではない。
For example, when the second prior invention as described above, which is controlled by the hydraulic circuit as described above, is implemented, as described above, when the position switch 75 is switched to the non-running state, the controller 65 The
この為、上記第二の先発明を実施する場合、実際には、上記出力軸38aの回転速度を0にできる上記ステッピングモータ13の位置(停止実現位置)を、上述の様に制御器65のメモリに記憶しておく。この停止実現位置をメモリに記憶させる作業は、上記第二の先発明に係る第一〜第三の方法の何れかにより、無段変速装置の初期設定作業として行なう。そして、上記ポジションスイッチ75が非走行状態に切り換えられた場合に上記ステッピングモータ13を、上記メモリに記憶されている、上記停止実現位置にまで移動させる。
For this reason, when the second prior invention is carried out, the position of the stepping
上述の様にして、非走行状態での上記ステッピングモータ13の出力ロッド84の位置、即ち、このステッピングモータ13のステップを制御すれば、上記出力軸38aの回転速度を0にする為に要する時間を短くできる。又、走行状態でも、無段変速装置全体としての変速比を所望値に設定する動作を短時間で行なうべく、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDを迅速に調節する為には、上記ステッピングモータ13のステップを、当該変速比NOD/NIDに見合う位置に変更する事が好ましい。この様にすれば、このステッピングモータ13のステップを所望位置にするのみで、上記無段変速装置の変速比を所望値に設定できる為、この設定の為の動作が短時間で終了する。
As described above, if the position of the
但し、無段変速装置に長期間に亙って安定した性能を発揮させる為には、更に次の点を考慮する必要がある。即ち、上記ステッピングモータ13のステップと上記出力ロッド84の実際の位置との関係は、何らかの原因でずれる(脱調する)可能性がある。例えば、この出力ロッド84に一時的に大きな力が加わった場合、上記ステッピングモータ13のロータ部分と上記出力ロッド84との間に設けた伝達部が空回りする場合がある。又、ステップを検出する為のインジケータ部分とロータ部分とが空回りする場合もある。この様な何れの場合にも、上記出力ロッド84が変位しないにも拘らず、上記ステッピングモータ13のステップのみが変化(増減)する為、このステッピングモータ13のステップと上記出力ロッド84の実際の位置との関係が、脱調が発生する以前と異なってしまう。この状態では、上記ステッピングモータ13のロータ部分と上記出力ロッド84との間で動力が伝達される様になった以後、或はこのロータ部分と上記インジケータ部分とが対応する様になった以後も、上記ステッピングモータ13により制御弁12のスリーブ14を適正位置に移動させられなくなる。
However, in order for the continuously variable transmission to exhibit stable performance over a long period of time, it is necessary to further consider the following points. That is, the relationship between the step of the stepping
この状態では、上記ステッピングモータ13にステップを指示するだけでは、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NID、延いては無段変速装置全体としての変速比を所望値通りに規制できなくなる。前記入力側、出力側両回転センサ63、64の検出値を観察しつつ、上記ステッピングモータ13のステップを変更する事で上記無段変速装置全体としての変速比を所望値に規制する事は可能ではあるが、この変速比が所望値になるまでに要する時間が長くなる。
In this state, the transmission ratio N OD / N ID of the toroidal-type continuously
何れにしても、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比を所望値通りに規制できない場合には、無段変速装置、更にはこの無段変速装置を搭載した車両の運転状態が不安定になる。例えば、この無段変速装置全体として極大の減速比を実現する(入力軸1を回転させたまま、出力軸38aを停止若しくは極低速回転させる)場合に、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比が所望値からずれると、車両を発進させる際の動作が不安定になる可能性がある。又、低速用クラッチ40と高速用クラッチ41aとの切換を行なう前後に上記トロイダル型無段変速機25aの変速比が所望値からずれると、低速モードと高速モードとの切換時に、無段変速装置全体としての変速比が不連続になり、乗員に不快感を与える程の変速ショックが発生する可能性がある。
In any case, if the gear ratio of the toroidal type continuously
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、変速比制御の為のステッピングモータの特性変化に拘らず、上記トロイダル型無段変速機の変速比制御を迅速且つ正確に行なえる構造を実現すべく発明したものである。 In view of the circumstances as described above, the present invention realizes a structure capable of quickly and accurately performing the gear ratio control of the toroidal continuously variable transmission regardless of the characteristic change of the stepping motor for the gear ratio control. Invented accordingly.
本発明の無段変速装置は、入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットと、このトロイダル型無段変速機の変速比の変更を制御する為の制御器とを備える。
上記トロイダル型無段変速機は、上記差動ユニットの第一の入力部と共に上記入力軸により回転駆動される入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在として支持され、上記差動ユニットの第二の入力部に接続された出力側ディスクと、これら両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した複数個の支持部材と、これら各支持部材を変位させて上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間の変速比を変えるアクチュエータと、この変速比を所定値にする為にこのアクチュエータの変位方向及び変位量を制御する為の制御ユニットと、上記入力側ディスクの回転速度を検出する為の入力側回転センサと、上記出力側ディスクの回転速度を検出する為の出力側回転センサとを備える。 又、上記差動ユニットは、上記第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して上記出力軸に伝達する。
The continuously variable transmission of the present invention includes an input shaft, an output shaft, a toroidal continuously variable transmission, a gear type differential unit formed by combining a plurality of gears, and a gear ratio of the toroidal continuously variable transmission. And a controller for controlling the change.
The toroidal-type continuously variable transmission includes an input side disk that is rotationally driven by the input shaft together with the first input portion of the differential unit, a concentric with the input side disk, and a relative rotation with respect to the input side disk. And an output side disk connected to the second input portion of the differential unit, a plurality of power rollers sandwiched between these disks, and each of these power rollers can be rotated freely. A plurality of supporting members that are supported, an actuator that displaces each of the supporting members to change the speed ratio between the input side disk and the output side disk, and the actuator of the actuator to set the speed ratio to a predetermined value. A control unit for controlling the direction and amount of displacement, an input side rotation sensor for detecting the rotational speed of the input side disk, and the output side disk And an output-side rotation sensor for detecting the rotational speed. The differential unit takes out rotation according to the speed difference between the first and second input portions and transmits the rotation to the output shaft.
そして、上記制御器は、次の(1) 〜(3) の機能を有する。
(1) 上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事により、上記入力軸を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換する機能。
(2) 上記入力側回転センサにより求められる上記入力側ディスクの回転速度と、上記出力側回転センサにより求められる上記出力側ディスクの回転速度とに基づいて、上記トロイダル型無段変速機の変速比を算出する機能。
(3) 上記入力軸の回転を上記出力軸の回転に伝達しない、非走行状態が選択されている事を条件に、上記制御ユニットを構成するステッピングモータの出力部材を1ステップ分ずつ移動させる事により上記トロイダル型無段変速機の変速比を変更しつつ、上記(2) の機能によりこのトロイダル型無段変速機の変速比を算出し、この算出された変速比と上記ステッピングモータのステップとの関係を、上記制御ユニットのメモリに記憶させる機能。
The controller has the following functions (1) to (3).
(1) The input shaft is rotated in one direction by adjusting the gear ratio of the toroidal continuously variable transmission to change the relative displacement speeds of the plurality of gears constituting the differential unit. A function of converting the rotation state of the output shaft into forward rotation and reverse rotation with the stop state interposed therebetween.
(2) the rotational speed of the input side disk obtained by the input-side rotation sensor, based on the rotational speed of the output side disk obtained by the output-side rotation sensor, the transmission ratio of the toroidal type continuously variable transmission The function to calculate
(3) The output member of the stepping motor constituting the control unit is moved step by step on the condition that the rotation of the input shaft is not transmitted to the rotation of the output shaft and the non-running state is selected. While changing the gear ratio of the toroidal continuously variable transmission, the gear ratio of the toroidal continuously variable transmission is calculated by the function (2), and the calculated gear ratio and the stepping motor steps are calculated. The function of storing the relationship in the memory of the control unit.
上述の様に構成する本発明の無段変速装置によれば、変速比制御の為のステッピングモータの特性変化に拘らず、上記トロイダル型無段変速機の変速比制御を迅速且つ正確に行なえる構造を実現できる。
即ち、ステッピングモータに脱調が発生した場合にも、制御器が有する(3) の機能により、上記トロイダル型無段変速機の変速比と上記ステッピングモータのステップとの関係を正しいものに復元できる。
According to the continuously variable transmission of the present invention configured as described above, the gear ratio control of the toroidal continuously variable transmission can be performed quickly and accurately regardless of the change in the characteristics of the stepping motor for the gear ratio control. The structure can be realized.
That is, even when the stepping motor is out of step, the function (3) of the controller can restore the relationship between the gear ratio of the toroidal continuously variable transmission and the step of the stepping motor to the correct one. .
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、ステッピングモータの出力部材を、機械的ストッパによりそれ以上変位しない移動方向一端部まで移動させてから、この出力部材を移動方向他端部に向け1ステップ分ずつ移動させながら、(2) の機能によりトロイダル型無段変速機の変速比を算出する。
この様に構成すれば、この変速比と上記ステッピングモータのステップとを効率良く対応させる事ができる。
Preferably, when carrying out the present invention, as described in
If comprised in this way, this gear ratio and the step of the said stepping motor can be matched efficiently.
又、好ましくは、請求項3に記載した様に、上記ステッピングモータの出力部材を1ステップ分移動させる事に伴うトロイダル型無段変速機の変速比の変化量を観察して所定値と比較する比較器を備える。そして、この比較器は、この変速比の変化量が所定値以下の場合に、上記ステッピングモータに異状ありと判定する。
この様に構成すれば、ステッピングモータに付属の歯車伝達機能の破損等、そのままでは修復不能な故障が発生した場合に、運転者に修理を促す為の警報を出す事ができる。
Preferably, as described in
With such a configuration, when a failure that cannot be repaired as it is, such as damage to the gear transmission function attached to the stepping motor, an alarm for prompting the driver to repair can be issued.
更に好ましくは、請求項4に記載した様に、上記ステッピングモータの出力部材を1ステップ分移動させる事に伴うトロイダル型無段変速機の変速比の変化量を学習し、入力側回転センサと出力側回転センサとの少なくとも一方の回転センサの故障時に、上記ステッピングモータのステップ数のみの制御で、トロイダル型無段変速機の変速比を目標値に制御するフェイルセーフ機能を備える。
この様に構成すれば、上記何れかの回転センサの故障時にも、最低限必要な走行性能を確保できる。
More preferably, as described in
With this configuration, the minimum required traveling performance can be ensured even when one of the rotation sensors fails.
図1〜2は、本発明の実施例を示している。図1は、トロイダル型無段変速機25aと、差動ユニットである遊星歯車式変速機26bとを組み合わせて成る、無段変速装置のブロック図である。尚、本実施例の特徴は、前述の第二の先発明により、入力軸1を回転させたまま出力軸38aを停止させられる、ステッピングモータ13の位置(停止実現位置位置)を制御器65aに、記憶設定位置として記憶させる、初期設定を行なった後、上記ステッピングモータ13に脱調が発生して、このステッピングモータ13のステップ数とトロイダル型無段変速機25aの変速比との関係がずれた場合にも、このずれを修正できる様にする点にある。上記図1に示した無段変速装置は、図面に表れる構造に関しては、上記制御器65aに設定スイッチ85の信号を入力させる様にした点のみが、前述の図12に示した、上記第二の先発明の構造と相違する。又、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比を調節する為の油圧回路に就いては、図13に示した、上記第二の先発明に利用する油圧回路と同様である。
1 and 2 show an embodiment of the present invention. FIG. 1 is a block diagram of a continuously variable transmission comprising a combination of a toroidal type continuously
本実施例の特徴は、構造が図面に表れない、上記制御器65aの機能にある。又、この制御器65aが備えた機能(1) 〜(3) のうち、(1)(2)の機能に就いては、前述した第一、第二の先発明の場合と同様である。本実施例の特徴は、残りの(3) の機能にある。よって、重複する説明を省略し、以下、本実施例の特徴である、上記制御器65aが備えている(3) の機能に就いて、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、このフローチャートに示した動作は、上記設定スイッチ85がONされた場合に、ON動作1回毎に1回ずつ行なわれる。この設定スイッチ85としては、運転者が任意に操作可能な、独立したスイッチを設ける事もできるし、イグニッションスイッチをONした場合に、自動的に1回のみONされる構造とする事もできる。
The feature of this embodiment is the function of the
何れにしても、上記設定スイッチ85がONされると、先ず、上記制御器65aは、ステップ1で、車両の走行速度が0であるか否かを判定する。この判定は、出力軸回転センサ67、或は図示しない速度センサからの信号に基づいて行なう。車両の走行速度が0でない限り、本実施例の特徴である、ステッピングモータ13のステップと上記トロイダル型無段変速機25aの変速比との関係を求める為の動作を行なわない。
これに対して、車両の走行速度が0である場合には、次のステップ2で、非走行状態が選択されているか否かを判定する。この判定は、ポジションスイッチ75からの信号に基づいて行なう。このポジションスイッチ75からの信号に基づき、運転席に設けられたシフトレバー(操作レバー)の操作位置がパーキングポジション(P)或はニュートラルポジション(N)である場合には非走行状態が選択されていると判定し、それ以外の場合には非走行状態は選択されていないと判定する。そして、非走行状態が選択されていない限り、本実施例の特徴である、上記ステッピングモータ13のステップと上記トロイダル型無段変速機25aの変速比との関係を求める為の動作を行なわない。
In any case, when the setting
On the other hand, when the running speed of the vehicle is 0, it is determined in the
車両の走行速度が0であり、非走行状態が選択されている場合には、次のステップ3で、学習モードであるか否かを判定する。この判定は、具体的には、上記設定スイッチ85がONされたか否か、或は上記イグニッションスイッチがONされたか否かにより行なう。学習モードでない場合、具体的には、上記設定スイッチ85がOFF状態である場合、或は上記イグニッションスイッチがOFF状態であったり、ONされた後、既に1回学習が行なわれている場合には、本実施例の特徴である、上記ステッピングモータ13のステップと上記トロイダル型無段変速機25aの変速比との関係を求める為の動作を行なわない。
When the running speed of the vehicle is 0 and the non-running state is selected, it is determined in the
上記ステップ3で、学習モードであると判定した場合には、次のステップ4で、入力側、出力側両回転センサ63、64の検出値に基づいて、上記トロイダル型無段変速機25aを構成する入力側ディスク2の回転速度と出力側ディスク5aの回転速度とを検出する。このステップ4は、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDを求める為に行なう。
When it is determined in
次いで、ステップ5で、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDを、最小値(例えば0.442=最大増速状態)にする。この作業は、上記ステッピングモータ13に通電し、このステッピングモータ13の出力ロッド84(図13参照)を、上記最大増速状態を実現する側の端部にまで移動させる事で行なう。又、出力ロッド84が上記最大増速状態を実現する側の端部にまで移動させる事は、この出力ロッド84の移動が、最大増速側のストッパにより阻止されるまで、上記ステッピングモータ13に通電する事により行なう。又、上記出力ロッド84が上記ストッパに衝合した事は、このステッピングモータ13への通電量の増大等により検出する。
Next, at
この様にして上記ステッピングモータ13の出力ロッド84を上記最大増速状態を実現する側の端部にまで移動させた後、ステップ6〜8でこのステッピングモータ13の出力ロッド84を、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDを、最大値(例えば2.211=最大減速状態)に変える方向に変位させる。この変位は、ステップ8で、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDが最大値に達したと判定されるまで行なう。この様な判定は、例えば、上記出力ロッド84を上記最大減速状態を実現する側の端部にまで移動させ、この出力ロッド84が最大減速側のストッパにより阻止される事に伴う、上記ステッピングモータ13に通電量の増大を検知する事で行なう。又、上記変位は、ステップ6で、上記ステッピングモータ13のステップ数と上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDとを、前記制御器65aのメモリに記憶させながら、ステップ7に示す様に、1ステップ分ずつ行なう。
In this way, after the
この様にして、上記ステッピングモータ13の出力ロッド84を、上記最大増速状態を実現する為の一端から、上記最大減速状態を実現する為の他端にまで移動させつつ、上記ステッピングモータ13のステップ数と上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDとを、前記制御器65aのメモリに記憶させる事で、このメモリに、次の表1に示す様なマップを作成する。
この様にして作成されたマップは、その時点での上記ステップ数と上記変速比NOD/NIDとの関係を、正確に表している。即ち、過去に脱調が発生していた場合でもその影響をなくした関係である。従って、上記マップにより上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDを制御すれば、このトロイダル型無段変速機25aを組み込んだ無段変速装置全体としての変速比を、所望値通り適正に調節できる。尚、上述の様なマップを作成する際に於ける、上記出力ロッド84の変位方向は、上述の場合と逆(最大減速側から最大増速側に向けて)であっても良い。
The map created in this way accurately represents the relationship between the number of steps at that time and the gear ratio N OD / N ID . That is, even if a step-out has occurred in the past, the relationship is eliminated. Therefore, if the gear ratio N OD / N ID of the toroidal continuously
尚、本発明を実施する場合、前記制御器65aに、上記ステッピングモータ13の出力ロッド84を1ステップ分移動させる事に伴う上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDの変化量△iを観察し、この変化量△iと所定値とを比較する比較器を備える事もできる。この様な場合に、この比較器は、この変化量△iが所定値以下の場合に、上記ステッピングモータ13に異状ありと判定する。そして、別途設けた警報器により警報を発する。
When the present invention is carried out, a change in the gear ratio N OD / N ID of the toroidal continuously
この様に構成すれば、上記ステッピングモータ13に付属の歯車伝達機能の破損等、そのままでは修復不能な故障が発生した場合に、運転者に修理を促す為の警報を出す事ができる。即ち、この様な故障が発生すると、上記ステッピングモータ13の出力ロッド84が1ステップ分移動した場合でも、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDが変化しないか、変化した場合でも変化量が少なくなる。この様な場合に、上記故障を放置すると、無段変速装置の伝達効率が悪化するだけでなく、上記トロイダル型無段変速機25aを構成する入力側、出力側各ディスク2、5aと各パワーローラ6との転がり接触部に過大な滑りが発生し、これら各部材2、5a、6の耐久性が損なわれる等、更に重大な故障の原因となる。この様な場合に、上記警報を発する事で、この様な重大な故障の発生を防止できる。
With this configuration, when a failure that cannot be repaired as it is, such as damage to the gear transmission function attached to the stepping
更に好ましくは、前記制御器65aに、上記ステッピングモータ13の出力ロッド84を1ステップ分移動させる事に伴う、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDの変化量△iを学習し、前記入力側、出力側両回転センサ63、64のうちの少なくとも一方の回転センサの故障時に、上記ステッピングモータ13のステップ数のみの制御で、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比を目標値に制御するフェイルセーフ機能を持たせる。
この様に構成すれば、上記何れかの回転センサの故障時にも、上記トロイダル型無段変速機25aの変速比を目標値に調節できて、最低限必要な走行性能を確保できる。尚、この様な場合には、運転書に修理を促す為の警報を出す事が好ましい。
More preferably, a change amount Δi of the gear ratio N OD / N ID of the toroidal-type continuously
With this configuration, even when one of the rotation sensors fails, the speed ratio of the toroidal-type continuously
尚、本発明を実施する無段変速装置の場合、上記ステッピングモータ13のステップと上記トロイダル型無段変速機25aの変速比NOD/NIDとの関係は、線形であっても、或は非線形であっても良い。特に、非線形の場合には、脱調の発生時に上記変速比NOD/NIDを適正に調節する事が難しいと考えられるが、本発明によれば、前述の様にしてマップを作成し直す事で、非線形の場合にも、脱調後の修復を確実に行なえる。
In the case of the continuously variable transmission that implements the present invention, the relationship between the step of the stepping
又、以上の説明は、本実施例の特徴部分に就いて説明したが、本発明は、前述の第一、第二の先発明と組み合わせて実施できる。特に、制御器65aのメモリに上記記憶設定位置を最初に記憶させる初期設定は、上記第二の先発明を利用する事が、構成各部材の寸法誤差や組み付け誤差に拘らず、適切な記憶設定位置を上記メモリに記憶させる面から好ましい。但し、本発明は、上記各先発明とは独立して実施する事もできる。
Although the above description has been given of the characteristic part of the present embodiment, the present invention can be implemented in combination with the first and second prior inventions described above. In particular, the initial setting for storing the storage setting position in the memory of the
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 ボールスプライン
4 出力歯車
5、5a 出力側ディスク
6 パワーローラ
7 トラニオン
8 支持軸
9 枢軸
10 アクチュエータ
11 支持板
12 制御弁
13 ステッピングモータ
14 スリーブ
15 スプール
16 ピストン
17 ロッド
18 プリセスカム
19 リンク腕
20 同期ケーブル
21 カム面
22 駆動軸
23、23a 押圧装置
24a、24b 油圧室
25、25a トロイダル型無段変速機
26、26a、26b 遊星歯車式変速機
27、27a キャリア
28a、28b 遊星歯車素子
29 第一の伝達軸
30a、30b 太陽歯車
31 第二の伝達軸
32、32a 中空回転軸
33 太陽歯車
34 遊星歯車素子
35 リング歯車
36、36a 第二のキャリア
37a、37b 遊星歯車素子
38、38a 出力軸
39、39a 第二のリング歯車
40、40a 低速用クラッチ
41、41a 高速用クラッチ
42 第一の遊星歯車
43 第二の遊星歯車
44a、44b 遊星歯車素子
45a、45b 遊星歯車素子
46 伝達軸
47 第一の太陽歯車
48 第二の太陽歯車
49 リング歯車
50 第三の太陽歯車
51a、51b 遊星歯車素子
52 油圧センサ
53 ロッド
54 リンク腕
55 差圧シリンダ
56a、56b 油圧室
57、57a、57b 補正用制御弁
58a、58b 電磁弁
59 スプール
60 スプール
61 エンジン
62 ダンパ
63 入力側回転センサ
64 出力側回転センサ
65、65a 制御器
66 クラッチ装置
67 出力軸回転センサ
68、68a、68b オイルポンプ
69 制御弁装置
70 高速用切換弁
71 低速用切換弁
72 ライン圧制御用電磁開閉弁
73 シフト用電磁弁
74 油温センサ
75 ポジションスイッチ
76 アクセルセンサ
77 ブレーキスイッチ
78 手動油圧切換弁
79 エンジンコントローラ
80 油溜
81a、81b 調圧弁
82 ロード電磁弁
83 シフト用切換弁
84 出力ロッド
85 設定スイッチ
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Input shaft 2 Input side disk 3 Ball spline 4 Output gear 5, 5a Output side disk 6 Power roller 7 Trunnion 8 Support shaft 9 Pivot 10 Actuator 11 Support plate 12 Control valve 13 Stepping motor 14 Sleeve 15 Spool 16 Piston 17 Rod 18 Precess cam DESCRIPTION OF SYMBOLS 19 Link arm 20 Synchronous cable 21 Cam surface 22 Drive shaft 23, 23a Pressing device 24a, 24b Hydraulic chamber 25, 25a Toroidal type continuously variable transmission 26, 26a, 26b Planetary gear type transmission 27, 27a Carrier 28a, 28b Planetary gear Element 29 First transmission shaft 30a, 30b Sun gear 31 Second transmission shaft 32, 32a Hollow rotation shaft 33 Sun gear 34 Planetary gear element 35 Ring gear 36, 36a Second carrier 37a, 37b Planetary gear element 38, 8a Output shaft 39, 39a Second ring gear 40, 40a Low speed clutch 41, 41a High speed clutch 42 First planetary gear 43 Second planetary gear 44a, 44b Planetary gear element 45a, 45b Planetary gear element 46 Transmission shaft 47 First sun gear 48 Second sun gear 49 Ring gear 50 Third sun gear 51a, 51b Planetary gear element 52 Hydraulic sensor 53 Rod 54 Link arm 55 Differential pressure cylinder 56a, 56b Hydraulic chamber 57, 57a, 57b Correction Control valve 58a, 58b Solenoid valve 59 Spool 60 Spool 61 Engine 62 Damper 63 Input side rotation sensor 64 Output side rotation sensor 65, 65a Controller 66 Clutch device 67 Output shaft rotation sensor 68, 68a, 68b Oil pump 69 Control valve device 70 High speed switching valve 71 Low speed switching Valve 72 Solenoid valve for line pressure control 73 Solenoid valve for shift 74 Oil temperature sensor 75 Position switch 76 Accelerator sensor 77 Brake switch 78 Manual hydraulic switching valve 79 Engine controller 80 Oil reservoir 81a, 81b Pressure regulating valve 82 Load solenoid valve 83 For shift Switching valve 84 Output rod 85 Setting switch
Claims (4)
このトロイダル型無段変速機は、上記差動ユニットの第一の入力部と共に上記入力軸により回転駆動される入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在として支持され、上記差動ユニットの第二の入力部に接続された出力側ディスクと、これら両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した複数個の支持部材と、これら各支持部材を変位させて上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間の変速比を変えるアクチュエータと、この変速比を所望値にする為にこのアクチュエータの変位方向及び変位量を制御する為の制御ユニットと、上記入力側ディスクの回転速度を検出する為の入力側回転センサと、上記出力側ディスクの回転速度を検出する為の出力側回転センサとを備えたものであり、
上記差動ユニットは、上記第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して上記出力軸に伝達するものであり、
上記制御器は、次の(1) 〜(3) の機能を有するものである無段変速装置。
(1) 上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事により、上記入力軸を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換する機能。
(2) 上記入力側回転センサにより求められる上記入力側ディスクの回転速度と、上記出力側回転センサにより求められる上記出力側ディスクの回転速度とに基づいて、上記トロイダル型無段変速機の変速比を算出する機能。
(3) 上記入力軸の回転を上記出力軸の回転に伝達しない、非走行状態が選択されている事を条件に、上記制御ユニットを構成するステッピングモータの出力部材を1ステップ分ずつ移動させる事により上記トロイダル型無段変速機の変速比を変更しつつ、上記(2) の機能によりこのトロイダル型無段変速機の変速比を算出し、この算出された変速比と上記ステッピングモータのステップとの関係を、上記制御ユニットのメモリに記憶させる機能。 An input shaft, an output shaft, a toroidal continuously variable transmission, a gear-type differential unit formed by combining a plurality of gears, and a controller for controlling a change in the gear ratio of the toroidal continuously variable transmission And
The toroidal continuously variable transmission includes an input side disk that is rotationally driven by the input shaft together with the first input portion of the differential unit, a concentric with the input side disk, and a relative rotation with respect to the input side disk. And an output side disk connected to the second input portion of the differential unit, a plurality of power rollers sandwiched between these disks, and each of these power rollers can be rotated freely. A plurality of supporting members that are supported, an actuator that displaces each of the supporting members to change the speed ratio between the input side disk and the output side disk, and the actuator of the actuator to change the speed ratio to a desired value. A control unit for controlling the direction and amount of displacement, an input side rotation sensor for detecting the rotational speed of the input side disk, and the output side disk Are those in which an output-side rotation sensor for detecting the rotational speed,
The differential unit takes out rotation according to the speed difference between the first and second input units and transmits the rotation to the output shaft.
The controller is a continuously variable transmission having the following functions (1) to (3).
(1) The input shaft is rotated in one direction by adjusting the gear ratio of the toroidal continuously variable transmission to change the relative displacement speeds of the plurality of gears constituting the differential unit. A function of converting the rotation state of the output shaft into forward rotation and reverse rotation with the stop state interposed therebetween.
(2) the rotational speed of the input side disk obtained by the input-side rotation sensor, based on the rotational speed of the output side disk obtained by the output-side rotation sensor, the transmission ratio of the toroidal type continuously variable transmission The function to calculate
(3) The output member of the stepping motor constituting the control unit is moved step by step on the condition that the rotation of the input shaft is not transmitted to the rotation of the output shaft and the non-running state is selected. While changing the gear ratio of the toroidal continuously variable transmission, the gear ratio of the toroidal continuously variable transmission is calculated by the function (2), and the calculated gear ratio and the stepping motor steps are calculated. The function of storing the relationship in the memory of the control unit.
Learning the amount of change in the gear ratio of the toroidal type continuously variable transmission accompanying the movement of the output member of the stepping motor by one step, and at the time of failure of at least one of the input side rotation sensor and the output side rotation sensor, The continuously variable transmission according to any one of claims 1 to 3, further comprising a fail-safe function for controlling the speed ratio of the toroidal type continuously variable transmission to a target value by controlling only the number of steps of the stepping motor.
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