JP4283558B2 - 繊維強化樹脂パイプの製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化樹脂パイプの製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維強化樹脂パイプは、金属管、コンクリート管に比べて軽量であることから、施工性に優れており、このため、広く普及している。
【0003】
このような繊維強化樹脂パイプは、軸方向に移動しつつ周方向に回転する芯型の周囲に、複数本の周方向強化用長繊維補強材を連続的に巻回するとともに、下側と上側に巻回される周方向強化用長繊維補強材の間に、軸方向強化用長繊維補強材を周方向強化用長繊維補強材に交差するように規則的な蛇行形状で連続的に供給し、これらの長繊維補強材に重合性樹脂組成物を含浸させ、重合性樹脂組成物を熱硬化させることにより製造されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭56−104027号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した繊維強化樹脂パイプは、周方向強化用長繊維補強材の層と軸方向強化用長繊維補強材の層とを比較すると、周方向強化用長繊維補強材の層の樹脂比率が高いため、かつ、軸方向強化用長繊維補強材は、規則的に蛇行して供給されることから、その変曲点において、周方向強化用長繊維補強材と略平行となり、補強繊維が集中するため、急激な重合反応時に周方向強化用長繊維補強材層と軸方向強化用長繊維補強材層の間において、特に、軸方向強化用長繊維補強材の変曲点部分に集中してクラックが入るおそれがあった。
【0006】
このような問題点から、軸方向強化用長繊維補強材に代えてチョップドストランドを用いて繊維強化樹脂パイプを製造することが現在採用されている。具体的には、重合性樹脂組成物を芯型上もしくは含浸槽にて含浸させた周方向強化用長繊維補強材を芯型に巻回するとともに、必要に応じてチョップドストランドを芯型上に振りかけてパイプ状に賦形し、賦形後にヒータなどにより重合性樹脂組成物を硬化させて繊維強化樹脂パイプを製造するものであり、この結果、チョップドストランドがほぼランダムに分布し、繊維方向の集中によるクラックの発生を防止することができる。
【0007】
ところで、このようにして繊維強化樹脂パイプを製造するに際しては、次のような問題点がある。
(1) 重合性樹脂組成物が、常温以下で反応が開始される低温反応型重合開始剤によって重合するようになっているため、重合完了までに時間がかかり、生産性が低い。
(2) 余剰の重合性樹脂組成物を芯型などの下方に設けた容器で受けて再利用を図るようにしているが、重合性樹脂組成物には、常温以下で反応が開始される低温反応型重合開始剤が配合されているため、常温で放置している間も硬化が進行し、十分に再利用が図れない。また、回収された重合性樹脂組成物にチョップドストランドが混入するため、チョップドストランドを除去する必要があり、作業効率が悪い。
(3) チョップドストランドが振りかけられる直前に、ガラス繊維ロービングをチョッパーで切断してチョップドストランドを得るようにしているため、切断時および振りかけ時に、チョップドストランドが作業場内に飛散し、作業環境が悪化するおそれがある。したがって、大がかりな排気設備などが必要となり、設備コストがかかる。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、チョップドストランドを用いることなく、重合反応を短時間で完了させてクラックのない繊維強化樹脂パイプを簡単に製造することのできる製造装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、成形型が回転自在に軸支されるとともに、光照射装置が設けられた成形部と、複数個の補強繊維のロール体が配列され、各補強繊維ロール体からそれぞれ引き出された補強繊維群を下流側に導く補強繊維集積部と、光重合開始剤を含む重合性樹脂組成物が貯留された含浸槽を備え、一方の補強繊維群に重合性樹脂組成物を含浸させる含浸装置とともに、他方の補強繊維群の各補強繊維を、重合性樹脂組成物が含浸されて回転する成形型に巻き取られる一方の補強繊維群上にそれぞれランダムに蛇行するように供給するフィラメントワインディング供給装置が設けられた補強繊維供給部と、から構成され、重合性樹脂組成物が含浸された一方の補強繊維群上にランダムに蛇行した他方の補強繊維群を積層した状態の補強繊維群を回転する成形型に巻き取るとともに、成形型に巻き取られた補強繊維群に光照射装置を介して光を照射して重合性樹脂組成物を硬化させることを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、補強繊維集積部に配置された各ロール体の補強繊維の一半部は、一方の補強繊維群として、含浸装置を経て重合性樹脂組成物を含浸されて引き出され、回転する成形型に巻き取られる。また、補強繊維の他半部は、他方の補強繊維群として、フィラメントワインディング供給装置まで引き出され、フィラメントワインディング供給装置によって繰り出される。
【0011】
他方の補強繊維群を成形型に巻き取られる一方の補強繊維群に向けて供給すれば、他方の補強繊維群は、ランダムに蛇行しながら一方の補強繊維群上に載置されるとともに、重合性樹脂組成物が含浸された一方の補強繊維群に粘着されてランダムに蛇行した状態に保持される。したがって、回転する成形型には、重合性樹脂組成物が含浸された一方の補強繊維群上にランダムに蛇行して粘着された他方の補強繊維群を積層した状態の補強繊維群が巻き取られる。
【0012】
このようにして成形型に補強繊維群が巻き取られて一定の厚みに到達すれば、含浸装置による一方の補強繊維群の重合性樹脂組成物の含浸を停止するとともに、フィラメントワインディング供給装置を停止させ、さらに、成形型の回転を停止した後、一方の補強繊維群および他方の補強繊維群を切断する。
【0013】
次いで、成形型を回転させるとともに、光照射装置を介して光を照射すると、成形型に積層された補強繊維群に含浸された重合性樹脂組成物には、光重合開始剤が配合されているため、光を受けて硬化を開始する。そして、一定時間にわたって光を照射することにより、重合性樹脂組成物が硬化して繊維強化樹脂パイプが製造されたならば、光照射を停止させるとともに、成形型の回転を停止させ、製造された繊維強化樹脂パイプを取り出す。
【0014】
この結果、製造された繊維強化樹脂パイプは、その周方向に一方の補強繊維群が積層され、その軸線方向には、ランダムに蛇行した他方の補強繊維群が積層されることになり、一方の補強繊維群の補強繊維と、他方の補強繊維群の補強繊維が集中する箇所は発生せず、クラックの発生を確実に防止することができる。
【0015】
また、重合性樹脂組成物に光重合開始剤を配合していることにより、光を照射すれば、速やかに硬化が開始されるため、繊維強化樹脂パイプを短時間に製造することが可能となり、作業効率を向上させることができる。また、光を照射しなければ硬化が開始されないことから、余剰の重合性樹脂組成物を回収して再利用を図ることができる。
【0016】
本発明において、前記含浸装置に、一方の補強繊維群の巻き取り方向の下流側に位置して櫛状のガイド部材を設けると、重合性樹脂組成物が含浸された一方の補強繊維群における各補強繊維が櫛状のガイド部材の各歯間を通過することにより、それらの補強繊維の間隔を保持して下流側に導くことができる。このため、一方の補強繊維群の補強繊維同士が重合性樹脂組成物によって束状に粘着して空隙が発生し、一方の補強繊維群上に供給される他方の補強繊維群が空隙から脱落するのを確実に防止することができる。
【0017】
本発明において、前記フィラメントワインディング供給装置から供給される他方の補強繊維群の単位時間あたりの長さが、成形型に巻き取られる一方の補強繊維群の単位時間あたりの長さよりも大きいと、成形型に巻き取られる一方の補強繊維群上に他方の補強繊維群を供給するとき、他方の補強繊維群における各補強繊維は、その速度の速い分だけ一方の補強繊維群上で弛むことになり、前後左右方向にランダムに蛇行しながら載置される。しかも、一方の補強繊維群に重合性樹脂組成物が含浸されているため、他方の補強繊維群の各補強繊維は、一方の補強繊維群に粘着されてランダムに蛇行した状態に保持される。
【0018】
本発明において、前記フィラメントワインディング供給装置に、他方の補強繊維群の供給方向の下流側に位置して他方の補強繊維群の幅方向の蛇行を規制するガイド板を設けると、他方の補強繊維群が、重合性樹脂組成物が含浸されて成形型に巻き取られる一方の補強繊維群の幅を越えて逸脱するのを規制することができ、一方の補強繊維群に他方の補強繊維群の各補強繊維を脱落させることなく確実に載置することができる。
【0019】
また、前記成形部に、成形型の外周面に光を照射可能な補助光照射装置を設けると、後になるほど補強繊維が厚く積層されて光が透過しにくく、硬化しにくくなるような箇所においては、重合性樹脂組成物を含浸した一方の補強繊維群が成形型に巻き取られて積層される際、硬化しにくい箇所に光を照射することができる。このため、一方の補強繊維群の巻き取り開始段階で重合性樹脂組成物を硬化させることができ、硬化しにくい箇所が未硬化のまま繊維強化樹脂パイプが製造されるのを防止することができる。
【0020】
この場合、補助光照射装置としては、安全性の観点から、紫外線を含むものの、可視光リッチとなっていることが好ましい。
【0021】
また、前記成形型が型開き、型閉め可能であると、型閉めすることにより、製造された繊維強化樹脂パイプを成形型から簡単に取り出すことができるため、好ましい。
【0022】
また、前記光照射装置が、成形型の外周面に対向する照射位置と退避位置間を進退自在であると、光照射装置を退避位置に移動させることにより、成形型を回転させて補強繊維群を巻き取る際、成形型と光照射装置との干渉を防止することができるとともに、製造された繊維強化樹脂パイプを取り出す際、円滑に作業することができる。
【0023】
また、前記補強繊維供給部が、成形型に接近する作業位置と、離隔した退避位置間を往復移動可能であると、補強繊維供給部を前進させて、回転する成形型に補強繊維群を巻き取って一定厚み積層することができ、一方、成形型に一定厚み積層された補強繊維群に光を照射して含浸された重合性樹脂組成物を硬化させる際、光照射装置の邪魔にならないように補強繊維供給部を後退させることができる。また、直径の異なる繊維強化樹脂パイプに対してそれぞれ補強繊維供給部の作業位置を決めることができ、1台の製造装置によって各種直径の繊維強化樹脂パイプを製造することができる。
【0024】
本発明において、前記成形型の下方に位置して重合性樹脂組成物を回収するトレーが設置され、その流出開口にフィルターが設けられていると、成形型を回転して重合性樹脂組成物が含浸された補強繊維群を積層する際、滴下する重合性樹脂組成物とともに、余剰に含浸された重合性樹脂組成物を押し出して、滴下する余剰の重合性樹脂組成物をトレーに回収することができる。すなわち、重合性樹脂組成物は、未だ光が照射されていないため、硬化は開始されておらず、再利用が可能である。このため、重合性樹脂組成物の可使時間が長くなる。また、トレーにフィルターが設けられているため、ゴミなどが混入することを防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
まず、本発明の繊維強化樹脂パイプ10の製造装置1を説明するのに先立って、繊維強化樹脂パイプ10について説明する。
【0027】
繊維強化樹脂パイプ10は、土木用配管、その他の配管の端部同士を接続する配管用継手であって、図12に示すように、ゴム製リング11と、該ゴム製リング11の外周面を覆ってその同心上に積層された筒状の繊維強化樹脂層12と、から形成されている。
【0028】
ゴム製リング11は、繊維強化樹脂パイプ10の両端近傍に配設され、外周面に複数個の凹部11aが形成されている。
【0029】
繊維強化樹脂層12は、その内周面に前述したゴム製リング11の凹部11aに対応した凸部12aが形成されており、繊維強化樹脂層12とゴム製リング11が相互に離脱しないようになっている。
【0030】
このような繊維強化樹脂パイプ10に土木用配管などを挿入することにより、ゴム製リング11の内周面が土木用配管などの外周面に密着し、両者を止水する。
【0031】
次に、このような繊維強化樹脂パイプ10を製造する本発明の製造装置1の一実施形態について、図1乃至図2に基づいて説明する。
【0032】
この製造装置1は、成形部1Aと、成形部1Aから離隔して設置された補強繊維集積部1Bと、成形部1Aと補強繊維集積部1Bとの間に配設された補強繊維供給部1Cと、から構成されている。
【0033】
成形部1Aには、成形型2が回転自在に軸支されるとともに、光重合開始剤が配合された重合性樹脂組成物を硬化させる光照射装置3が設けられている。
【0034】
成形型2は、図3乃至図5に示すように、一端面側にフランジ部材21(図5参照)が一体に固定され、繊維強化樹脂パイプ10の内径に相当する外径の外周面を有する固定金型22と、固定金型22の外周面の外径と同一の外径の外周面を有し、固定金型22の両端部にそれぞれ回動自在に軸支された一対のスイング金型23と、固定金型22の外周面の外径と同一の外径の外周面を有し、固定金型22に対して昇降自在な昇降金型24と、固定金型22に固定されたフランジ部材21と対向するように、固定金型22、スイング金型23および昇降金型24の各他端面側に対して着脱自在なフランジ部材25と、からなり、図示しない駆動装置を介して成形型2を型開きすることにより、図3に示すように、固定金型2の外周面、一対のスイング金型23の外周面および昇降金型24の外周面によって繊維強化樹脂パイプ10の内径に相当する外径の連続する円周面を形成する。
【0035】
一方、成形型2が型開き状態にあるとき、図示しない駆動装置を介して成形型2を型閉めすることにより、図4に示すように、固定金型22に対して昇降金型24が上昇するとともに、一対のスイング金型23が内方に回動し、型開きしたときの成形型2の外径よりも、固定金型22の外周面とスイング金型23の外周面との間隔が縮小する。この状態において、固定金型22、一対のスイング金型23および昇降金型24に対してフランジ部材25を着脱することができるとともに、ゴム製リング11を装着することができる。
【0036】
また、昇降金型24は、固定金型22に設けたリニアガイド222に案内されて昇降する。
【0037】
また、固定金型22、一対のスイング金型23および昇降金型24の各外周面には、前述したゴム製リング11の断面形状に略対応する形状の周溝がそれらの取付位置に対応する位置に形成されるとともに、他端面側近傍に位置して凹部が形成され(図5に固定金型22の周溝22aおよび凹部22bが示されているが、一対のスイング金型23および昇降金型24についても、図示しないが、固定金型22の周溝22aおよび凹部22bに連続する周溝および凹部が形成されている。)、成形型2の型開き時において、それらの周溝および凹部は、周方向に連続するようになっている。
【0038】
一方、フランジ部材25の内周面には、連続する固定金型22の凹部22b、スイング金型23の凹部および昇降金型24の凹部の断面形状に対応する形状の凸部25aがそれらの形成位置に対応して形成されており、フランジ部材25は、型開きした固定金型22、一対のスイング金型23および昇降金型24の各凹部にそれぞれ凸部25aが嵌合することにより相互に位置決めされる。
【0039】
光照射装置3は、成形部1Aに上下方向に間隔をおいて左右方向(図2の上下方向)に敷設された一対のガイドレール31と、ガイドレール31上に摺動自在に載置された摺動フレーム32と、摺動フレーム32に一体に連結され、一対のUVランプ34(図1参照)が配設されたランプシェード33と、からなり、ランプシェード33には、図示しない送風機に接続された送排気ダクト35が接続されている。
【0040】
そして、詳細には図示しないが、成形部1Aに設置された電動モータを回転駆動させることにより、スクリュー軸が回転し、スクリュー軸が螺合された摺動フレーム32がガイドレール31に沿って左右方向に移動し、ランプシェード33を成形型2の上方側外周面に対向する照射位置と、成形部1Aに退避した退避位置との間を往復移動することができる。また、同様に、光照射装置3は、図示しない電動モータとスクリュー軸の組み合わせを利用して成形部1Aに対して昇降自在となっており、成形型2の直径の大小に対応することができる。
【0041】
また、光照射装置3のランプシェード33の周囲には、UVランプ34の点灯時、有害な紫外線が外部に漏洩しないように、カーテン(図示せず)が垂設されている。また、必要に応じて製造装置1の周囲に遮光カーテン(図示せず)を張りめぐらせることができ、その際、作業者の立ち入りを規制するようにしている。
【0042】
なお、成形部1Aには、前述した光照射装置3と合わせて、紫外線を含むものの、可視光をより多く含む光を照射可能なランプ361を備えた補助光照射装置36が設けられており、成形型2の外周面に対向する照射位置(図2の鎖線状態)と、成形型2から離隔した格納位置(図2の実線状態)との間を回動することができる。
【0043】
ここで、補助光照射装置36が照射位置に回動した場合、ゴム製リング11の外側端面と、成形型2の外周面と、フランジ部材21,25の内端面とによって形成されるA部分(図5参照)に主に光を照射できるように、スリットを形成したカバー(図示せず)がランプ361に装着されている。
【0044】
また、成形部1Aには、成形型2の下方側外周面に対向して重合性樹脂組成物を回収するトレイ9が配設されており、その勾配の合流部に形成された開口には、フィルター91が設けられている。このフィルター91を通過した重合性樹脂組成物は回収マス92に回収され、回収ポンプ93を介して後述する含浸装置6の含浸槽61に回収される。
【0045】
補強繊維集積部1Bは、ガラスロービングなどの補強繊維Fのロール体Rを荷台4上に複数個配列して構成され、荷台4には、各補強繊維Fをそれぞれ挿通させる多数の穴を形成したガイド41が固定されている。そして、各ロール体Rからそれぞれ引き出された補強繊維Fは、ガイド41を経て引き揃えられて二分され、その一半部が後述する補強繊維供給部1Cの含浸装置6に、その他半部がフィラメントワインディング供給装置7にそれぞれ導かれている。
【0046】
ここで、含浸装置6に導かれた補強繊維群を、一方の補強繊維群と記載して符号FAを用い、また、フィラメントワインディング供給装置7に導かれた補強繊維群を、他方の補強繊維群と記載してに符号FCを用いるものとする。
【0047】
なお、補強繊維供給部1Cの含浸装置6に導く複数個の補強繊維Fのロール体Rと、フィラメントワインディング供給装置7に導く補強繊維Fのロール体Rとを各装置に合わせて個別に配置し、各装置に供給するようにしてもい。
【0048】
補強繊維供給部1Cは、前後方向(図1の左右方向)に移動自在な供給フレーム5と、供給フレーム5にそれぞれ設けられた含浸装置6と、フィラメントワインディング供給装置7と、押圧ローラ装置8と、から構成されている。
【0049】
供給フレーム5は、図6および図7に示すように、前後方向に敷設された一対のガイドレール51と、ガイドレール51上に摺動自在に載置されたフレーム本体52と、フレーム本体52に設けられた電動モータ53と、その出力軸に設けられた鎖車54と、フレーム本体52に回転自在に軸支された回転軸55と、回転軸55に固定された鎖車56およびピニオン57と、一対のガイドレール51間に敷設されたラック58と、からなり、鎖車54,56間にはチェーン59が無端状に巻回され、また、ピニオン57がラック58と噛合されている。
【0050】
したがって、電動モータ53を回転駆動させることにより、鎖車54,56およびチェーン59を介して設定された減速比で回転軸55を回転させると同時に、ラック58と噛み合うピニオン57を回転させる。このため、ラック58に対してフレーム本体52をガイドレール51に沿って前後方向に移動させることができる。
【0051】
なお、供給フレーム5のフレーム本体52には、前述した補強繊維集積部1Bから引き出された他方の補強繊維群FCの各補強強繊Fを方向を変えてフィラメントワインディング供給装置7に導くため、各補強繊維Fを挿通させる多数の穴が形成されたガイド59が設けられている。
【0052】
また、供給フレーム5のフレーム本体52には、一方の補強繊維群FAの下方に位置するとともに、下流側に向けて樋50(図1参照)が延設されている。このため、重合性樹脂組成物が含浸された一方の補強繊維群FAから滴下した重合性樹脂組成物を集めてトレイ9に導くことができる。この場合、供給フレーム5の進退距離に合わせて、樋50の長さが設定されている。
【0053】
含浸装置6は、図8に詳細に示すように、供給フレーム5のフレーム本体52に固定され、光重合開始剤が配合された重合性樹脂組成物を貯留する含浸槽61と、含浸槽61の前後各端部上方にそれぞれ一対ずつ設けられたガイドローラ62と、フレーム本体52に固定された昇降シリンダ63(図1参照)と、昇降シリンダ63のピストンロッドに固定され、図示しないガイドに沿って昇降自在なカバー64と、カバー64に垂設された一対の含浸ローラ65と、からなり、昇降シリンダ63を伸長作動させることにより、左右各一対のガイドローラ62間において、カバー64を介して一対の含浸ローラ65を下降させ、左右各一対のガイドローラ62間を通過する一方の補強繊維群FAを含浸槽61に貯留された重合性樹脂組成物に浸漬させることができる。
【0054】
さらに、含浸槽61には、前方のガイドローラ62の下流側に位置して櫛状のガイド部材66が設けられている。このガイド部材66は、重合性樹脂組成物が含浸されて前方に導かれた一方の補強繊維群FAの各補強繊維Fが重合性樹脂組成物を介して付着し、束状となることによって一方の補強繊維群FAに空隙が生じるのを防止している。すなわち、後述するように、他方の補強繊維群FCを一方の補強繊維群FA上に供給するとき、一方の補強繊維群FAに形成された空隙を通して他方の補強繊維群FCの各補強繊維Fが地上に落下するのを防止する。
【0055】
なお、後方のガイドローラ62の上流側に位置して、前述した補強繊維集積部1Bから引き出された一方の補強繊維群FAの各補強強繊Fを方向を変えて、ほぼ水平にガイドローラ62に導くため、各補強繊維Fを挿通させる多数の穴が形成されたガイド67が設けられている。
【0056】
フィラメントワインディング供給装置7は、図9および図10に示すように、供給フレーム5のフレーム本体52に左右方向に間隔をおいて上下方向に延びる一対のガイドレール71と、ガイドレール71に摺動自在に載置された昇降フレーム72と、フレーム本体52に回転自在に軸支されるとともに、昇降フレーム72に螺合されたハンドル731を有するスクリュー軸73と、昇降フレーム72に回転自在に軸支された供給ローラ74と、供給ローラ74の外周面に接して昇降フレーム72に回転自在に軸支された補助ローラ741と、昇降フレーム72に設けられた電動モータ75と、電動モータ75の出力軸に設けられた鎖車76と、供給ローラ74の回転軸に設けられた鎖車77と、鎖車76,77間に無端状に巻回されたチェーン78と、からなり、電動モータ75を回転駆動させることにより、鎖車76,77およびチェーン78を介して設定された減速比で供給ローラ74を回転させると同時に、供給ローラ74に接する補助ローラ741を逆方向に回転させることができる。この際、供給ローラ74および補助ローラ741間を通過するように導かれた他方の補強繊維群FCをその前方に向けて供給することができる。
【0057】
ここで、供給ローラ74の回転速度、すなわち、単位時間当たりの他方の補強繊維群FCの供給長さは、前述した成形型2の周速、すなわち、単位時間当たりの一方の補強繊維群FAの巻き取り長さよりも若干大きく設定されている。このため、後述するように、引き揃えられて成形型2に巻き取られる一方の補強繊維群FA上に他方の補強繊維群FCを供給するとき、他方の補強繊維群FCにおける各補強繊維Fは、その速度の速い分だけ一方の補強繊維群FA上で弛むことになり、一方の補強繊維群FA上に前後左右方向にランダムに蛇行しながら載置される(図11参照)。
【0058】
この場合、ハンドル731を回転操作することにより、スクリュー軸73が回転し、該スクリュー軸73に螺合された昇降フレーム72をガイドレール71に沿って昇降させることができる。すなわち、成形型2に巻き取られる一方の補強繊維群FAの通過する高さに合わせて、他方の補強繊維群FCの供給高さ位置を調整することができる。
【0059】
なお、昇降フレーム72には、その前方に位置して一対のガイド板79が支持ロッド721回りに回動自在に装着されている。このガイド板79は、フィラメントワインディング供給装置7を介して供給される他方の補強繊維群FCが、一方の補強繊維群FAの幅を超えて逸脱しないように規制するものである。
【0060】
また、供給フレーム5には、補強繊維集積部1Bから引き出されて、供給フレーム5に設けたガイド59を通過した他方の補強繊維群FCの各補強強繊Fを方向を変えて、ほぼ水平に供給ローラ74に導くため、各補強繊維Fを挿通させる多数の穴が形成されたガイド70が設けられている。
【0061】
押圧ローラ装置8は、図1および図2に示すように、供給フレーム5のフレーム本体52に左右方向に間隔をおいて上下方向に延びるガイドレール81と、ガイドレール81上に摺動自在に載置された昇降フレーム82と、昇降フレーム82に水平軸回りに回動自在に軸支されたアーム83と、アーム83と昇降フレーム82間に配設された押圧シリンダ84と、アーム83の先端に回転自在に軸支された押圧ローラ85と、昇降フレーム82に設けられた電動モータ86と、電動モータ86の出力軸に連結されて、昇降フレーム82に螺合されたスクリュー軸87と、からなり、押圧シリンダ84を伸縮作動させることにより、押圧ローラ85を成形型2の外周面に接する押圧位置と、その外周面から離隔した退避位置との間に揺動させることができる。また、電動モータ86を回転駆動させることにより、スクリュー軸87が回転し、スクリュー軸87が螺合された昇降フレーム82をガイドレール81に沿って上下方向に移動させることができ、成形型2の大きさに合わせて、押圧ローラ85を成形型2の外周面に接するように調整することができる。
【0062】
次に、このように構成された製造装置1の作動について説明する。
【0063】
まず、図4に示すように、成形型2を型閉めする。次いで、フランジ部材25を簡易クレーンなどを利用して固定金型22から取り外した後、型閉めされた成形型2の固定金型22の周溝22aにゴム製リング11を装着する。そして、フランジ部材25を再び固定金型25に装着する。この際、固定金型22の凹部22bにフランジ部材25の凸部25aを嵌合させ、固定金型22に対してフランジ部材25を位置決めする。
【0064】
フランジ部材25を装着したならば、図3に示すように、成形型2を型開きする。この際、各スイング金型23の凹部および昇降金型24の凹部をフランジ部材25の凸部25aに嵌め込むことにより、それぞれ位置決めする。また、各ゴム製リング11を各スイング金型23の各周溝および昇降金型24の各周溝にそれぞれ装着する。
【0065】
一方、補強繊維集積部1Bに配置された各ロール体Rの補強繊維Fは、ガイド41の各穴に挿通され、引き揃えられて二分された後、その一半部は、一方の補強繊維群FAとして、含浸装置6のガイド67の各穴に挿通され、次いで、前後各一対ずつのガイドローラ62に挟み込まれるように、それらの間に挿通され、さらに、ガイド部材66の各歯間を通過して含浸槽61の下流側まで引き出される。
【0066】
また、他半部は、他方の補強繊維群FCとして、フレーム本体52に設けたガイド59,59の各穴に挿通された後、フィラメントワインディング供給装置7のガイド70の各穴に挿通され、供給ローラ74および補助ローラ741に挟み込まれるように、それらの間に挿通され、その下流側に引き出される。
【0067】
この後、供給フレーム5の電動モータ53を駆動させ、鎖車54,56およびチェーン59を介してラック58に噛み合うピニオン57を回転させ、フレーム本体52を作業位置まで前進させる。
【0068】
次いで、含浸装置6まで引き出された一方の補強繊維群FAを図示しない治具に結束した後、治具を成形型2に係止して成形型2を若干回転させ、一方の補強繊維群FAを成形型2の外周面に略1周ほど巻き付ける。この際、詳細には図示しないが、成形型2の外周面に巻き付けられた一方の補強繊維群FAに重合性樹脂組成物を塗布し、成形型2に粘着させる。また、ハンドル731を回転操作して昇降フレーム72を昇降させ、供給ローラ74および補助ローラ741の高さを調整する。合わせて、押圧ローラ装置8の電動モータ86を駆動させ、押圧ローラ85が成形型2の外周面に接するように、高さを調整する。
【0069】
さらに、補助光照射装置36を照射位置に回動させ、成形型2の外周面に対向させる。また、含浸装置6の昇降シリンダ63を伸長作動させ、押圧ローラ65を含浸槽61の内部に進入させ、前後各一対ずつのガイドローラ62間にわたって引き出された一方の補強繊維群FAを含浸槽61の重合性樹脂組成物に浸漬させる。
【0070】
この後、図示しない治具を成形型2から離脱させて成形型2を回転させると、成形型2の外周面に粘着された一方の補強繊維群FAは、成形型2の外周面に巻き取られる。この際、一方の補強繊維群FAは、含浸槽61に貯留された重合性樹脂組成物中を通過するため、重合性樹脂組成物が含浸されて成形型2に巻き取られる。ここで、補助光照射装置36のランプ361を点灯すれば、ゴム製リング11の外側端面と、成形型2の外周面と、フランジ部材21,25の内端面とによって形成されるA部分に光が照射され、このA部分に積層された一方の補強繊維群FAに含浸された重合性樹脂組成物は光硬化する。
【0071】
すなわち、A部分に巻き付けられた一方の補強繊維群FAに含浸された重合性樹脂組成物は、後になるほど一方の補強繊維群FAが積層されて光が透過しにくく、硬化しにくくなる。したがって、重合性樹脂組成物を一方の補強繊維群FAの巻き取り開始段階で光硬化させることにより、A部分が未硬化のまま繊維強化樹脂パイプ10が製造されるのを防止することができる。
【0072】
この場合、補助光照射装置36のランプ361は、紫外線を含むものの、可視光リッチとなっているため、安全性に問題はない。
【0073】
このように、成形型2の回転により、成形型2のA部分に積層された一方の補強繊維群FAに含浸された重合性樹脂組成物が補助光照射装置36によって光硬化しつつ、重合性樹脂組成物が含浸された一方の補強繊維群FAが成形型2に巻き取られる。
【0074】
この状態で、一方の補強繊維群FAを一定時間にわたって成形型2に巻き付け、成形型2の外周面から突出するゴム製リング11の高さとほぼ厚みだけ積層されたならば、いったん成形型2の回転を停止し、補助光照射装置36を退避位置に格納する。そして、再び成形型2を回転させると同時に、フィラメントワインディング供給装置7の電動モータ75を駆動させることにより、供給ローラ74および補助ローラ741を回転させ、他方の補強繊維群FCを繰り出す。
【0075】
ここで、供給ローラ74の回転速度、すなわち、単位時間当たりの他方の補強繊維群FCの供給長さは、成形型2の周速、すなわち、単位時間当たりの一方の補強繊維群FAの巻き取り長さよりも若干大きく設定されていることから、成形型2に巻き取られる一方の補強繊維群FA上に他方の補強繊維群FCを供給するとき、他方の補強繊維群FCにおける各補強繊維Fは、その速度の速い分だけ一方の補強繊維群FA上で弛むことになり、図11に示したように、前後左右方向にランダムに蛇行しながら載置される。
【0076】
この際、一方の補強繊維群FAの補強繊維Fは、ガイド部材66の各歯間を通過して互いの間隔が維持されており、重合性樹脂組成物によって束状に粘着して空隙が発生するのを確実に防止している。このため、各補強繊維Fがほぼ一定の間隔をおいて移動する一方の補強繊維群FAに、他方の補強繊維群FCの各補強繊維Fが確実に載置される。
【0077】
また、一方の補強繊維群FAの幅を越えて他方の補強繊維群FCの各補強繊維Fが逸脱しようとしても、左右一対のガイド板79によって規制されているため、確実に一方の補強繊維群FA上に載置される。しかも、一方の補強繊維群FAに重合性樹脂組成物が含浸されているため、他方の補強繊維群FCの各補強繊維Fは、一方の補強繊維群FAに粘着されてランダムに蛇行した状態に保持される。
【0078】
この結果、回転する成形型2には、重合性樹脂組成物が含浸された一方の補強繊維群FA上にランダムに蛇行して粘着された他方の補強繊維群FCを積層した状態の補強繊維群が巻き取られる。すなわち、成形型2の外周面の周方向には、一方の補強繊維群FAが積層され、その軸線方向には、ランダムに蛇行した他方の補強繊維群FCが積層され、一方の補強繊維群FAの補強繊維Fと、他方の補強繊維群FCの補強繊維Fとが集中する箇所を発生することなく成形型2に補強繊維群が巻き取られる。
【0079】
成形型2に重合性樹脂組成物が含浸された一方の補強繊維群FA上にランダムに蛇行して粘着された他方の補強繊維群FCを積層した状態の補強繊維群が巻き取られて一定の厚みに到達すれば、具体的には、フランジ部材21,25の外周面にほぼ一致する厚みまで積層されたならば、昇降シリンダ63を縮小作動させ、含浸ローラ65を重合性樹脂組成物から引き上げるとともに、フィラメントワインディング供給装置7の電動モータ75の駆動を停止させる。さらに、その状態で一定長さ巻き取ったならば、成形型2の回転を停止した後、一方の補強繊維群FAおよび他方の補強繊維群FCをフィラメントワインディング供給装置7の下流側で切断し、供給フレーム5を補強繊維集積部1B側に後退させる。
【0080】
その後、成形型2を再び回転させ、詳細には図示しないが、積層された補強繊維群にローラを押し当て、積層された補強繊維群に混入した空気を排出するとともに、余剰に含浸された重合性樹脂組成物を押し出す。押し出された余剰の重合性樹脂組成物は、成形型2からトレー9に滴下し、成形型2の回転時に滴下した重合性樹脂組成物とともにフィルター91を経て回収マス92に回収された後、回収ポンプ93によって再び含浸槽71に回収される。すなわち、重合性樹脂組成物は、未だ光が照射されていないため、硬化は開始されておらず、再利用が可能である。このため、重合性樹脂組成物の可使時間が長くなる。
【0081】
この際、トレー9に設けられたフィルター91により、ゴミなどが混入することが防止される。
【0082】
脱泡作業が終了すれば、光照射装置3の図示しない電動モータを駆動させ、摺動フレーム32、すなわち、ランプシェード33を成形型2の上方外周面に対向する照射位置まで移動させるとともに、成形型2の外周面までの間隔を調整する。そして、製造装置1の周囲に図示しない遮光カーテンを張りめぐらせた後、成形型2を回転させるとともに、UVランプ34の光を照射させる。
【0083】
この際、成形型2に積層された補強繊維群に含浸された重合性樹脂組成物には、光重合開始剤が配合されているため、UVランプ34からの紫外線リッチの光を受けて硬化を開始する。そして、一定時間UVランプ34の光を照射することにより、重合性樹脂組成物が硬化したならば、すなわち、繊維強化樹脂パイプ10が製造されたならば、UVランプ34の光の照射を中止し、退避位置に移動させるとともに、成形型2の回転を停止する。合わせて、遮光カーテンを元の位置に戻す。
【0084】
次いで、前述とは逆に、成形型2を型閉めした後、フランジ部材25を固定金型22から離脱させる。そして、製造された繊維強化樹脂パイプ10の周囲にバンドなどを掛け回して天井クレーンなどによって吊り上げ、次の工程に移動させる。
【0085】
このようにして製造された繊維強化樹脂パイプ10は、その周方向には、一方の補強繊維群FAが積層され、その軸線方向には、ランダムに蛇行した他方の補強繊維群FCが積層されることになり、一方の補強繊維群FAの補強繊維Fと、他方の補強繊維群FCの補強繊維Fが集中する箇所は発生せず、クラックの発生を確実に防止することができる。
【0086】
また、重合性樹脂組成物に光重合開始剤を配合していることにより、光を照射すれば、速やかに硬化が開始されるため、繊維強化樹脂パイプ10を短時間に製造することが可能となり、作業効率を向上させることができる。また、光を照射しなければ硬化が開始されないことから、余剰の重合性樹脂組成物を回収して再利用を図ることができる。
【0087】
なお、前述した実施形態においては、一方の補強繊維群FAを成形型2に直接巻き取る場合を説明したが、成形型2の外周面との離型性を考慮して、繊維強化樹脂パイプ10の製造に先立って、成形型2の外周面に離型フィルムを巻き付けてから作業を開始することが好ましい。
【0088】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、チョップドストランドを用いることなく、重合反応を短時間で完了させてクラックのない繊維強化樹脂パイプを簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化樹脂パイプの製造装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の製造装置を一部省略して示す平面図である。
【図3】型開き状態の成形型を示す正面図である。
【図4】型閉め状態の成形型を示す正面図である。
【図5】図3のX−X線断面図である。
【図6】補強繊維供給機構を構成する供給フレームを一部省略して示す正面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】補強繊維供給機構を構成する含浸装置を一部省略して示す斜視図である。
【図9】補強繊維供給機構を構成するフィラメントワインディング供給装置を示す正面図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】含浸装置を経て引き出された一方の補強繊維上にフィラメントワインディング供給装置を経て供給された他方の補強繊維との関係を模式的に示す概略図である。
【図12】繊維補強樹脂パイプを一部破断して示す断面図である。
【符号の説明】
1 製造装置
1A 成形部
2 成形型
3 光照射装置
34 UVランプ
36 補助光照射装置
1B 補強繊維集積部
4 荷台
1C 補強繊維供給部
5 供給フレーム
6 含浸装置
61 含浸槽
66 ガイド部材
7 フィラメントワインディング供給装置
74 供給ローラ
79 ガイド板
10 繊維強化樹脂パイプ
11 ゴム製リング
12 繊維強化樹脂層
F 補強繊維
FA 一方の補強繊維群
FC 他方の補強繊維群
Claims (2)
- 成形型が回転自在に軸支され光照射装置が設けられた成形部と、補強繊維のロール体が配列され、各補強繊維ロール体からそれぞれ引き出された補強繊維群を下流側に導く補強繊維集積部と、光重合開始剤を含む樹脂組成物が貯留された含浸槽を備え、一方の補強繊維群に樹脂組成物を含浸させる含浸装置と、他方の補強繊維群の各補強繊維を、樹脂組成物が含浸されて回転する成形型に巻き取られる一方の補強繊維群上に、一方の補強繊維群の引き出し速度よりも速く引き出して弛ませてそれぞれ上方からランダムに蛇行するように供給するフィラメントワインディング供給装置が設けられた補強繊維供給部と、から構成され、樹脂組成物が含浸された一方の補強繊維群上にランダムに蛇行した他方の補強繊維群を積層した状態の補強繊維群を回転する成形型に巻き取り、成形型に巻き取られた補強繊維群に光照射装置を介して光を照射して樹脂組成物を硬化させることを特徴とする繊維強化樹脂パイプの製造装置。
- 成形型が回転自在に軸支され光照射装置が設けられた成形部と、補強繊維のロール体が配列され、各補強繊維ロール体からそれぞれ引き出された補強繊維群を下流側に導く補強繊維集積部と、光重合開始剤を含む樹脂組成物が貯留された含浸槽を備え、一方の補強繊維群に樹脂組成物を含浸させる含浸装置と、他方の補強繊維群の各補強繊維を、樹脂組成物が含浸されて回転する成形型に巻き取られる一方の補強繊維群上にそれぞれランダムに蛇行するように供給するフィラメントワインディング供給装置とが設けられた補強繊維供給部と、一方の補強繊維群の巻き取り方向の下流側に位置する櫛状のガイド部材と、から構成され、重合性樹脂組成物が含浸され前記ガイド部材により繊維の間隔が維持された一方の補強繊維群上にランダムに蛇行した他方の補強繊維群を積層した状態の補強繊維群を回転する成形型に巻き取り、成形型に巻き取られた補強繊維群に光照射装置を介して光を照射して樹脂組成物を硬化させることを特徴とする繊維強化樹脂パイプの製造装置。
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