JP4282977B2 - 画像形成装置およびカラー画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体に形成された後、1次転写体を経て2次転写体に転写されたトナー像を定着させる画像形成装置およびカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置は、定着装置と転写装置の機能を複合化するために、耐熱性の転写体担持ベルトの支持ローラにヒータを内蔵し、この転写体担持ベルトに当接している定着ローラにもヒータを内蔵して、転写体担持ベルトを転写と定着に兼用している(例えば、特許文献1参照)。ここでは、定着動作のために転写体担持ベルトを加熱し、さらに昇温による感光体の変質を防止するために感光体を冷却することとなる。
【0003】
また、加圧ローラおよび感光体に接して回転する中間転写ベルトの内側に、その基体を構成している磁性金属を誘導加熱するための励磁コイルを設け、中間転写ベルトを転写ベルトおよび定着ベルトとして兼用しているものもある(例えば、特許文献2参照)。ここでは、転写ベルトと定着ベルトとの両方の性能を満足する中間転写ベルト材料を選択する必要がある。また、定着動作のために中間転写ベルトを加熱し、かつ昇温による感光体の変質を防止するために感光体を冷却することとなる。
【0004】
さらに、通紙動作時には、定着手段(定着ローラまたは定着ベルト)と搬送ベルトとが接触し、かつ中間転写ベルトと搬送ベルトとが2次転写部で接触し、非通紙動作時には、中間転写ベルトと搬送ベルトとが離間するようにしているものもある(例えば、特許文献3参照)。ここでは、ソレノイド機構、スプリングなどにより、中間転写ベルトと搬送ベルトを接離するように構成している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000‐242109号公報(図1)
【0006】
【特許文献2】
特開2000‐352879号公報(図1)
【0007】
【特許文献3】
特願2002‐195596号(図6)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の画像形成装置では、特許文献1に記載されているように、転写体担持ベルトの支持ローラにヒータを内蔵していたために、転写体担持ベルトを加熱すると共に感光体を冷却する必要があった。したがって、ニップ時間などの定着条件の選択範囲が制限され、定着余裕度を向上させることが難しかった。例えば、使用可能な紙種が限られるために、画像品質の安定性および耐久性に問題が生じることとなる。
【0009】
また、このような従来の画像形成装置では、特許文献2に記載されているように、中間転写ベルトを転写ベルトおよび定着ベルトとして兼用していたために、中間転写ベルトの加熱と感光体の冷却とが共に必要となり、装置構成が複雑でコストアップを招くおそれがあった。また、中間転写ベルトの内側に接する励磁コイルを設けているために、中間転写ベルトの表面から残留トナーや異物を除去して表面均一性を維持することが難しく、画像品質の安定性および耐久性に問題が生じることとなる。
【0010】
さらに、特許文献3に記載されている画像形成装置では、非通紙動作時に中間転写ベルト(中間転写体)と搬送ベルトを離間するようにしたために、非通紙動作時における中間転写ベルトの温度上昇は抑制されている。しかしながら、連続して通紙するときの転写紙の間、あるいは間欠通紙時に、一枚の転写紙における前後左右の非通紙域で、中間転写ベルトと搬送ベルトが直接接触する点については、さらに改善の余地がある。なお、中間転写ベルトの温度が上昇すると、中間転写ベルトの熱が感光体に伝導するために、感光体の耐熱性および耐久性の低下、抵抗値変化などに起因する転写不良、転写ムラ、トナー固着などの不具合が発生することとなる。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、感光体に接している中間転写体の温度上昇を抑制するのに好適な画像形成装置およびカラー画像形成装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
参考として本発明の定着装置は、感光体に形成されたトナー像を第1の転写体に転写し、第1の転写体から第2の転写体に転写し、さらに第2の転写体に前記トナー像を定着させるとき、第2の転写体を加熱する加熱手段と、第1の転写体から前記加熱手段まで連通し、前記トナー像が転写された第2の転写体を担持して搬送する担持搬送手段と、前記担持搬送手段と第1の転写体との隙間を設定する隙間設定手段とを備えた構成を有している。
【0013】
この構成により、担持搬送手段と第1の転写体(中間転写体に含まれる)とが離間しているので、非通紙時には、担持搬送手段と第1の転写体との隙間の空気層が熱(以下、定着熱ともいう)の移動を妨げ、断熱効果が得られる。よって、第1の転写体の温度上昇を改善し、感光体を保護することができる。
【0014】
参考として本発明の定着装置は、前記隙間設定手段は、前記隙間が第2の転写体の厚さよりも小さくなるように設定する構成を有している。
【0015】
この構成により、担持搬送手段と第1の転写体との隙間が第2の転写体の厚さより狭いので、特別な機構や制御を要せずに、転写動作時には第2の転写体が第1の転写体に接触してトナー像を転写され、定着動作時には第2の転写体が担持搬送手段によって加熱手段へ搬送されることとなる。ここで、第2の転写体は、加熱手段から担持搬送手段を介して第1の転写体へ熱が移動するのを妨げることとなる。また、非通紙時には担持搬送手段と第1の転写体との隙間の空気層による断熱効果が得られる。
【0016】
参考として本発明の定着装置は、前記隙間設定手段は、第2の転写体の厚さよりも小さい第1の隙間と、第2の転写体の厚さよりも大きい第2の隙間とのいずれかを設定する構成を有している。
【0017】
この構成により、担持搬送手段と第1の転写体との隙間を2段階に設定するので、第1の隙間により、転写動作時には第2の転写体が第1の転写体に接触してトナー像を転写され、定着動作時には第2の転写体が担持搬送手段によって加熱手段へ搬送されることとなる。ここで、第2の転写体は、前述したように第1の転写体へ熱が移動するのを妨げる。また、第1の隙間よりも広い第2の隙間により、非通紙時に担持搬送手段から第1の転写体への熱伝導を遮断して、断熱効果をさらに高めることができる。
【0018】
参考として本発明の定着装置は、前記担持搬送手段には、第1の転写体近傍から前記加熱手段へ向って駆動される無端ベルトを有する構成を有している。
【0019】
この構成により、2次転写時の搬送および転写と、2次転写後の搬送および加熱手段への圧接とに無端ベルトを兼用するので、定着装置の構成を簡素化して省電力化を促進することとなる。
【0020】
参考として本発明の定着装置は、前記無端ベルトが掛け渡された複数の回転部材と、前記複数の回転部材のいずれかに対し、第1の転写体上に1次転写されたトナー像の極性とは逆極性のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段とを備えた構成を有している。
【0021】
この構成により、第2の転写体を静電気力で無端ベルトに吸着させて搬送するので、第1の転写体と無端ベルトとの隙間に第2の転写体を正常に送り込み、2次転写を確実に行うことができる。よって、搬送品質を向上させ、定着ジャムや皺などの発生を低減できる。また、搬送品質の向上により全面画像定着機能を実現し、画像先端の白ヌケ部が不要となる。さらに、定着時の異常画質(画像ボケ、トナー飛び、画像ニジミなど)の発生を防止できる。また、定着手段のローラに第2の転写体が巻き付かないので、定着温度幅が拡大して低融点トナーを使用できるようになる。
【0022】
また、請求項1に係る本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するための感光体と、前記感光体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、通紙時において、前記感光体に常に接し、前記感光体上のトナー像を1次転写するための第1の転写体と、前記感光体上に形成されたトナー像を1回または複数回、前記第1の転写体に1次転写する第1の転写手段と、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を2次転写するための第2の転写体と、前記第1の転写体と対向して配置され、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を前記第2の転写体に2次転写する第2の転写手段と、前記第2の転写体上に2次転写された2次転写トナー像を定着する定着手段と、前記第2の転写手段から前記定着手段まで連通し、前記第2の転写手段から前記定着手段へ前記第2の転写体を担持して搬送する担持搬送手段と、通紙時において、前記第1の転写体と前記担持搬送手段とが、両者の間に存在する第2の転写体を取り除いた場合であっても直接接触しない隙間を設定する隙間設定手段と、を備えた構成を有している。
【0023】
この構成により、画像形成装置において、第1の転写体による2次転写位置から定着手段まで連通しているので、この間の搬送経路に段差や隙間がなくなり、第2の転写体の搬送品質が向上して、定着ジャムや皺などの発生を低減することができる。また、薄紙などの特殊紙も安定して搬送されるので、ペーパーフリー化を実現できる。さらに、担持搬送手段と第1の転写体とが離間しているので、定着手段の発した定着熱は担持搬送手段に伝導するが、前記隙間の空気によって遮断される。したがって、前記定着熱が担持搬送手段から第1の転写体を介して感光体に伝導することはなくなり、感光体を保護することができる。
【0025】
また、この構成により、通紙時に第2の転写体が第1の転写体と接触している時以外、第1の転写体と担持搬送手段とは隙間によって非接触状態を保持するので、非通紙時には、前記隙間の空気層が熱の移動を妨げることとなる。また、通紙時には、第2の転写体が熱の移動を妨げることとなる。前記隙間および第2の転写体による断熱効果により、第1の転写体の温度上昇を改善して感光体を保護することができる。
【0026】
請求項2に係る本発明の画像形成装置は、請求項1において、前記隙間は、前記画像形成装置に通紙可能な最小の厚さを有する第2の転写体の厚さよりも小さい第1の隙間である構成を有している。
請求項3に係る本発明の画像形成装置は、請求項2において、前記隙間設定手段は、前記第1の隙間の他に、前記画像形成装置に通紙可能な最小の厚さを有する第2の転写体の厚さよりも大きい第2の隙間を設定することが可能であって、非通紙時において、前記第2の隙間を設定する構成を有している。
【0027】
この構成により、担持搬送手段と第1の転写体との隙間を2段階に設定するので、転写・定着動作時には、第1の隙間に第2の転写体を導入し、第2の転写体による断熱効果で第1の転写体へ熱が移動するのを妨げることができる。また、非通紙時には、第1の隙間よりも広い第2の隙間により断熱効果をさらに高めることができる。
【0028】
請求項4に係る本発明の画像形成装置は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記担持搬送手段には、前記第1の転写体近傍から前記定着手段へ向かって駆動される無端ベルトを有する構成を有している。
【0029】
この構成により、2次転写時の搬送および転写と、2次転写後の搬送および定着手段への圧接とに無端ベルトを兼用するので、定着装置の構成を簡素化し、定着装置の省電力化を促進することとなる。
【0030】
請求項5に係る本発明の画像形成装置は、請求項4において、前記無端ベルトは、複数の回転部材および前記第1の転写体に対向する板部材に掛け渡され、前記第2の転写手段から前記定着手段へ向って回動する構成を有している。
【0031】
この構成により、第1の転写体に対向する板部材に無端ベルトを掛けるので、複数の回転部材に無端ベルトを掛け渡した場合に比べ、第1の転写体と無端ベルトとの非接触面積が増加し、第1の転写体と無端ベルトの隙間の空気層による断熱効果がさらに高まる。
【0032】
請求項6に係る本発明の画像形成装置は、請求項5において、前記複数の回転部材のいずれかに対し、前記第1の転写体上に1次転写されたトナー像の極性とは逆極性のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段を備えた構成を有している。
【0033】
この構成により、第2の転写体を静電気力で無端ベルトに吸着させて搬送するので、第1の転写体と無端ベルトとの隙間に第2の転写体を正常に送り込み、2次転写を確実に行うことができる。よって、前述したように搬送品質を向上させ、全面画像定着機能を実現することができる。さらに、定着時の異常画質の発生を防止し、画像品質を向上させることができる。また、定着手段のローラに第2の転写体が巻き付かないので、定着温度幅が拡大して低融点トナーを使用できるようになり、省電力化が促進される。
【0034】
請求項7に係る本発明の画像形成装置は、請求項4乃至6において、前記無端ベルトは、耐熱性樹脂材料を含む単層ベルト、耐熱性樹脂材料を含む第1層に、前記第1層を被覆する第2層が積層された2層ベルト、耐熱性樹脂材料を含む第1層に、弾性材料を含む第2層が積層され、さらに前記第2層を被覆する第3層が積層された3層ベルトのいずれかである構成を有している。
【0035】
この構成により、必要充分な耐熱性を有する無端ベルトを用いるので、定着手段とのニップ時間を確保でき、低温定着に好適であって、2次転写および定着動作が安定する。また、立上げ時間を短縮できることとなる。
【0036】
請求項8に係る本発明の画像形成装置は、請求項4乃至7のいずれかにおいて、前記定着手段には、円筒状の芯金に耐熱性樹脂材料を含む被覆層が形成された回転体か、あるいは円筒状の芯金に耐熱性弾性体からなる第1層が形成され、さらに前記第1層の上に耐熱性樹脂材料を含む第2層が形成された回転体を有し、前記担持搬送手段の無端ベルトと前記回転体とが接触して定着ニップ部を形成している構成を有している。
【0037】
この構成により、第2の転写体の搬送品質が向上して定着ジャムや皺の発生が減少し、定着動作が安定することとなる。
【0038】
請求項9に係る本発明の画像形成装置は、請求項4乃至7のいずれかにおいて、前記定着手段には、定着ヒータ内蔵の小径回転部材と大径回転部材とに掛け渡された無端ベルトを有し、前記定着手段の無端ベルトの大径側と前記担持搬送手段の無端ベルトとが接触して定着ニップ部を形成すると共に、前記定着手段の無端ベルトの小径側が前記担持搬送手段の無端ベルトと離間するよう、双方の無端ベルトが配設された構成を有している。
【0039】
この構成により、定着ニップ部から第1の転写体近傍へ向って双方の無端ベルトの間隔が漸増する間に、転写後の第2の転写体のトナー像を予熱するので、定着予熱効果が期待できる。
【0040】
請求項10に係る本発明の画像形成装置は、請求項9において、前記担持搬送手段の無端ベルトが掛け渡されている複数の回転部材のいずれかに、前記第2の転写体の搬送方向における前記定着ニップ部の下流で、前記無端ベルトから前記第2の転写体を分離するよう、前記第2の転写体に印加された転写バイアス電圧と異極性の搬送バイアス電圧を前記担持搬送手段の無端ベルトに対して印加する分離電圧印加手段、または前記担持搬送手段の無端ベルトに接してアースするアース手段を備えた構成を有している。
【0041】
この構成により、定着後の第2の転写体および無端ベルトを除電またはアースするので、定着後の第2の転写体は、自重によって無端ベルトから確実に分離することとなる。
【0042】
請求項11に係る本発明の画像形成装置は、請求項10において、前記分離電圧印加手段または前記アース手段を備えた回転部材の直径が、12mm以下である構成を有している。
【0043】
この構成により、定着後に除電またはアースされた第2の転写体は、自重および回転部材の曲率によって無端ベルトから確実に分離することとなる。よって、定着装置の信頼性および安全性がさらに増す。
【0044】
請求項12に係る本発明の画像形成装置は、請求項1乃至11のいずれかにおいて、前記担持搬送手段が、前記定着手段および前記第1の転写体の上方に配置され、前記第2の転写体は前記担持搬送手段により、前記第2の転写体に前記トナー像が転写された状態で、前記定着手段に向って搬送される構成を有している。
【0045】
この構成により、担持搬送手段が第1の転写体の上方に配置されているので、担持搬送手段が第1の転写体の下方に配置されている場合に比べ、第1の転写体の温度上昇がより改善されることとなる。
【0046】
さらに、請求項13に係る本発明のカラー画像形成装置は、異なる色のトナーによりトナー像を形成するための複数の感光体と、前記複数の感光体のそれぞれに前記異なる色のいずれかのトナー像を形成するトナー像形成手段と、通紙時において、前記複数の感光体に常に接し、前記複数の感光体上のトナー像を1次転写するための第1の転写体と、前記複数の感光体上にそれぞれ形成されたトナー像を前記第1の転写体の同一位置に1次転写する第1の転写手段と、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を2次転写するための第2の転写体と、前記第1の転写体と対向して配置され、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を前記第2の転写体に2次転写する第2の転写手段と、前記第2の転写体上に2次転写された2次転写トナー像をカラー定着する定着手段と、前記第2の転写手段から前記定着手段まで連通し、前記第2の転写手段から前記定着手段へ前記第2の転写体を担持して搬送する担持搬送手段と、通紙時において、前記第1の転写体と前記担持搬送手段とが、両者の間に存在する第2の転写体を取り除いた場合であっても直接接触しない隙間を設定する隙間設定手段と、を備えた構成を有している。
【0047】
この構成により、例えば、4連タンデム方式のカラー画像形成装置において、第1の転写体による2次転写位置から定着手段まで連通しているので、この間の搬送経路に段差や隙間がなくなり、第2の転写体の搬送品質が向上して、定着ジャムや皺などの発生を低減することができる。また、薄紙などの特殊紙も安定して搬送されるので、ペーパーフリー化を実現できる。さらに、担持搬送手段と第1の転写体とが離間しているので、定着手段の発した定着熱は担持搬送手段に伝導するが、前記隙間の空気によって遮断される。したがって、前記定着熱が担持搬送手段から第1の転写体を介して感光体に伝導することはなくなり、感光体を保護することができる。
【0048】
請求項14に係る本発明のカラー画像形成装置は、異なる色のトナーによりトナー像を形成するための一つの感光体と、前記感光体上の同一位置に前記異なる色のトナー像を重ねて形成するトナー像形成手段と、通紙時において、前記感光体に常に接し、前記感光体上のトナー像を1次転写するための第1の転写体と、前記感光体上に形成されたトナー像を1回または複数回、前記第1の転写体に1次転写する第1の転写手段と、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を2次転写するための第2の転写体と、前記第1の転写体と対向して配置され、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を前記第2の転写体に2次転写する第2の転写手段と、前記第2の転写体上に2次転写された2次転写トナー像をカラー定着する定着手段と、前記第2の転写手段から前記定着手段まで連通し、前記第2の転写手段から前記定着手段へ前記第2の転写体を担持して搬送する担持搬送手段と、通紙時において、前記第1の転写体と前記担持搬送手段とが、両者の間に存在する第2の転写体を取り除いた場合であっても直接接触しない隙間を設定する隙間設定手段と、を備えた構成を有している。
請求項15に係る本発明のカラー画像形成装置は、請求項13または14において、前記隙間は、前記カラー画像形成装置に通紙可能な最小の厚さを有する第2の転写体の厚さよりも小さい第1の隙間である構成を有している。
【0049】
この構成により、前述したように第1の転写体による2次転写位置から定着手段まで連通しているので、第2の転写体の搬送品質が向上する。また、薄紙などの特殊紙も安定して搬送されるので、ペーパーフリー化を実現できる。さらに、担持搬送手段と第1の転写体とが離間しているので、定着熱が担持搬送手段から第1の転写体を介して感光体に伝導することはなくなり、感光体を保護することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、あるいは複写/ファクシミリ/プリント機能を有する複合機などの画像読取装置または画像形成装置(カラー画像形成装置を含む)の広範な応用を含むものである。
【0051】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカラー画像形成装置(画像形成装置に含まれる)の全体構成を示す。ここでは、カラー電子写真方式(4連タンデム方式)のカラー画像形成装置を示す。
【0052】
図1に示すカラー画像形成装置1において、複数の感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック作像用の感光体ドラムであり、静電潜像およびトナー像が形成されるものである。ここで、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに用いられている感光体は、一般に50℃以上になると損傷するおそれがあるために、常時50℃以下に保つ必要がある。露光部(ここでは、レーザ書き込みユニット)10は、公知の書き込み光学装置であり、帯電された複数の感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkをそれぞれ露光して前記感光体ドラムに静電潜像を形成するものである。帯電部40Y、40M、40C、40Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック帯電用のユニットであり、複数の感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkをそれぞれ帯電するものである。現像部30Y、30M、30C、30Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック現像用のユニットであって、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに形成された静電潜像をそれぞれトナー像として可視像化するものである。クリーニング部50Y、50M、50C、50Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック除電用のユニットである。1次転写ローラ75Y、75M、75C、75Bkは、1次転写部を構成しており、転写電圧が印加されることで、複数の感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk上に形成されているトナー像を中間転写ベルト60にそれぞれ1次転写し、1次転写トナー像を形成するものである。
【0053】
ここで、図2を用い、定着温度とトナー種類(トナー軟化点温度)との関係を説明する。
図2において、縦軸は定着温度(例えば、定着ローラ使用時は定着ローラの表面温度を示す)、横軸はトナー種類(トナー軟化点温度が低いものから高いものの種類)を示す。定着下限温度は定着できる下限温度、定着巻付き温度は定着時に定着部材(例えば、定着ローラ、定着ベルトなど)に転写紙が巻き付くときの上限温度、定着上限温度は定着時にホットオフセット現象を起こさない上限温度を示す。また、定着温度幅(実用的な現状の定着可能温度範囲)をb、dで示す。定着温度幅は広いほど紙種や機械設置環境温度(転写紙の保管温度)に対して安定した定着が可能となる。通常、定着温度幅は50degから70degまでを確保している。また、定着上限温度と定着巻付き温度との差a、cは使用するトナー、定着ローラ、ベルト材料、定着方式などで異なるが通常、20degから40degまである。
【0054】
ここで、転写紙の巻き付きを防止できれば、上述の定着温度幅は各(b+a)、(c+d)となり大幅に拡大することができる。定着部80の省電力化のためには、トナーが低い温度で定着できることが望ましく、トナーの低軟化点温度化の試み(低融点トナー実現の試み)が活発化し、トナー樹脂材料の選択、トナー分子量分布の最適化などが低融点トナー実現のために必要であることが知られている。低融点トナー(図2中のBに示す)は従来トナー(図2中のAに示す)に比較し、定着下限温度、定着巻付き温度、定着上限温度は低くなったが、定着温度幅が狭くなってしまう。
【0055】
このような問題に対し、本実施形態では、後述するように未定着転写紙は搬送ベルト81に静電吸着された状態で定着行程を通過し、その後、搬送ベルト81から定着後の転写紙を分離するので、定着ローラ84や定着ベルトなどに転写紙が巻き付くことはなくなる。従って、本実施形態によれば、上述した定着温度幅が大幅に拡大され、100℃以上150℃未満の低融点トナーが使用可能となっている。
【0056】
図1に示す中間転写ベルト60(第1の転写体に含まれる)は、中間転写ベルト駆動ローラ61、中間転写ベルトローラ62を含む複数のローラ(回転体に含まれる)に巻き架けられて回転駆動される無端ベルトであり、水平方向(図中、左右方向)における二つの端部の一方の端部(中間転写ベルト駆動ローラ61に接触する部分)に対向して、2次転写ローラ64が搬送ベルト81を介して配置されている。この2次転写ローラ64は、搬送ベルト81に対して2次転写用のバイアス電圧(ここでは、プラス極性)を印加するように構成されている。また、中間転写ベルト駆動ローラ61は、中間転写ベルト60に対して2次転写用のバイアス電圧(ここでは、マイナス極性)を印加するように構成されている。また、中間転写ベルト60は、外周面の下側、すなわち転写面がほぼ水平な平坦面となるように配置され、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkは、中間転写ベルト60の下側の平坦面に対向し、かつ、この平坦面の移動方向に沿って配列され、給紙搬送部110は中間転写ベルト60よりも下方に、定着部80(定着手段、加熱手段に含まれる)は中間転写ベルト60よりも上方にそれぞれ配置され、図示していない転写材反転部は、2次転写ローラ64を挟んで中間転写ベルト60とは反対側に配置されている。なお、中間転写ベルト60及び中間転写ドラム60″(図15に示す)としては、樹脂製の単層のもの、被覆層及び芯体層の2層構成のもの(例えば、特開平10-198182号公報参照)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(例えば、特開2001-312159号公報参照)などが目的に応じて選択および使用されている。中間転写ベルトクリーニング部70は、中間転写ベルト60に1次転写されたトナーを除去するものである。
【0057】
定着部80は、トナー像T(図4に示す)が2次転写された転写紙2を加圧および加熱し、2次転写されたトナー像を転写紙2に定着させるものであり、ここでは、メンテナンスが容易なようにユニット化されている。ここで、図3、図4、図5に定着部80のより具体的な構成を示す。なお、図5では、定着ローラ84および中間転写ベルト60を断面表示している。定着部80には、定着ヒータ83が内蔵されていて2次転写後の転写紙2を加熱する定着ローラ84と、中間転写ベルト60の水平方向における二つの端部のうちの一方の端部に対向して配置され、転写紙2を中間転写ベルト60に押し付けるとともに、搬送ベルト81を介して転写紙2にバイアス電圧を印加する2次転写ローラ64と、搬送ベルト81に所定の張りを与えるとともに、搬送ベルト81の残留電荷を除去するためにアースされているテンションローラ89と、定着ローラ84と対向配置された1次加圧ローラ85と、この1次加圧ローラ85の排紙方向下流で定着ローラ84と対向配置され、搬送ベルト81を介して転写紙2にバイアス電圧を印加する2次加圧ローラ86(分離電圧印加手段に含まれる)と、これらのローラ64、85、86、89に巻き架けられた搬送ベルト81とが含まれる。ここで、中間転写ベルト60と搬送ベルト81とのニップ部は、2次転写部65(第2の転写手段に含まれる)として示されている。この2次転写部65により、中間転写ベルト60に形成された1次転写トナー像Tが転写紙2上に2次転写されるようになっている。
【0058】
特に、本実施形態では2次転写部65に常時、所定の隙間Sが保持されるようになっている。ここでは、2次転写ローラ64の幅方向(転写紙搬送方向に垂直な方向)両端部で、搬送ベルト81の両外側にそれぞれリング200(隙間設定手段に含まれる)を取り付けると共に、2次転写ローラ64の軸にコイルばね201(「加圧ばね」に含まれる)を取り付け、このコイルバネ201(隙間設定手段に含まれる)によって二つのリング200が中間転写ベルト60に圧接するように付勢している。また、二つのリング200は、中間転写ベルト60を介して中間転写ベルト駆動ローラ61の外周面に圧接する。なお、リング200は、硬質ゴムまたはプラスチックなどの可塑性樹脂材料で形成されているが、これに限らず、必要な硬度および絶縁性を有するものであればよい。この構成により、2次転写における連続通紙の各転写紙間、あるいは間欠通紙などの非通紙時には、中間転写ベルト60と搬送ベルト81とが隙間S(<最小紙厚)を保持して離間し、かつ、通紙時には、コイルばね201によって紙厚に関らず、中間転写ベルト60と搬送ベルト81とが転写紙2を介して安定して接触することとなる。なお、前記最小紙厚は、本実施形態で使用可能な紙種のうち、最も薄い紙種の紙厚(いわゆる薄紙では、40〜50μm)である。
【0059】
また、定着ニップ部82は、定着ヒータ83を内蔵した定着ローラ84と、1次加圧ローラ85と2次加圧ローラ86の外面間に巻装された搬送ベルト81により形成される。ここでは、定着ローラ84は、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたもの、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたものからなる。この構成により、転写紙2の搬送品質が向上して定着ジャムや皺の発生が低減し、定着動作を安定させることとなる。また、搬送ベルト81は、定着用加圧ベルトなどとして使用されている耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)などを目的に応じて選択および使用することができる。この構成により、必要十分な耐熱性を有するベルト体であることからニップ時間を確保するとともに、2次転写時および定着時の搬送品質が向上して搬送ジャムや皺の発生が低減し、2次転写および定着動作が安定することとなる。また、2次転写ローラ64は、周知のステンレススチール(SUS)等の金属製芯金上に、導電性材料によって抵抗値が10Ω乃至1010Ω程度に調整されたウレタン等の弾性体が被覆されたもの、ゴム硬度を有したもの(例えば、特開平10-240027号公報参照)、金属製のものなどを適宜、選択および使用することが可能である。
【0060】
用紙排出部90は、定着後の転写紙2を排出して排紙トレイに保持するものである。トナー容器100Y、100M、100C、100Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー(前述した低融点トナーを含む)を収容する容器である。給紙搬送部110は、中間転写ベルト60の下方に配置され、給紙カセットに収容されている転写紙2を取り出してレジストローラ120へ搬送するものである。レジストローラ120は、給紙搬送部110により搬送されてきた転写紙を転写直前で位置決めするものである。
【0061】
なお、本実施形態では、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkの直径と中間転写ベルト駆動ローラ(「バイアス転写ローラ」を兼ねる)61の直径とが同一か、または整数倍となるように設定している。また、前記感光体ドラムの中間転写ベルト60に対する設置間隔は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk間で同一で、かつ前記ドラム感光体の外周長と同一となるように設定し、中間転写ベルト60の周長は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkの外周長の整数倍となるように設定している。このようにするのは、前記感光体ドラムの直径と前記感光体ドラムの中間転写ベルト60への設置間隔、中間転写ベルト60の周長、中間転写ベルト駆動ローラ61の直径は、カラー画像の位置ずれ(色ずれ)発生に大きく影響するためである。すなわち、これらの各ユニットを上述した寸法位置に設置することにより、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkや中間転写ベルト駆動ローラ61の偏芯などが生じても、それぞれの感光体ドラムおよび中間転写ベルト駆動ローラ61の1回転中に生じる位置ずれは変化しないので、中間転写ベルト60上では各色間の搬送方向での画像位置のずれが発生しない。
【0062】
ここで、前述したカラー画像形成装置1のシステム制御部(図示せず)について説明する。
このシステム制御部には、CPU、RAM/ROMなどのメモリ、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)などを備えている。また、前記システム制御部には、画像形成モードを選択および入力するためのモード選択ボタンを有する操作部、駆動モータなどの駆動部、レジストセンサなどの各種センサなどの検知部などが接続されている。また、前記画像形成モードには、単色モード、多色モードなどが含まれ、前記選択ボタンの操作でモードのいずれかを選択して画像形成モードを設定できるようになっている。この構成により、システム制御部は、前記操作部により入力および設定された画像形成モードで、前記検知部の検知情報により前記駆動部を制御し、転写紙2に対する画像形成工程(転写工程、定着工程を含む)を実行するものである。
【0063】
次に、本実施形態の転写、定着動作を説明する。
まず、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk上にトナー像が形成されるとき、中間転写ベルト60は、各感光体ドラムに接触しながら矢印A方向に回転している。このような中間転写ベルト60を挟んで、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkのそれぞれに対向する位置に配置された1次転写ローラ75Y、75M、75C、75Bkに対し、転写電圧印加部材により転写電圧が印加されて、前記感光体ドラム上のトナー像が中間転写ベルト60の外周面に順次重ね合わせ状態で1次転写される。この1次転写が行われる位置が1次転写位置である。中間転写ベルト60に転写されずに各感光体上に残留付着したトナーは、クリーニング部50Y、50M、50C、50Bkによってそれぞれ除去される。
【0064】
一方で、給紙部110の給紙カセットに収容された最上位の転写紙2が送り出され、手差し給紙部130にて転写紙2が送り出される。こうして送り出された転写紙2は、上方に向けて搬送され、レジストローラ対120によって所定のタイミングをとられ、2次転写部65に送り込まれる。この2次転写部65では、中間転写ベルト60と搬送ベルト81とが離間していて隙間Sがあいているために、転写紙2は隙間Sに入り、隙間Sが転写紙2の紙厚よりも狭く設定されているために、転写紙2は、中間転写ベルト60および搬送ベルト81に接触しながら2次転写部65を通過する。このとき、中間転写ベルト駆動ローラ61および2次転写ローラ64にはバイアス電圧印加部材(バイアス電圧印加手段に含まれる)によって、転写電圧(バイアス電圧)が印加されており、これによって中間転写ベルト60上に1次転写されたトナー像、すなわち中間転写ベルト60上に順次形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの重ね合わせトナー像が転写紙2に一括して2次転写される。この2次転写が行われる位置が2次転写位置である。ここで、中間転写ベルト60上のトナー像の極性は通常、マイナス極性であるので、転写紙2の裏面がプラス極性となるよう、2次転写ローラ64の転写電圧の極性としてはプラス極性が印加される。また、2次転写ローラ64の転写電圧は、各種の画像形成モード(フルカラー/モノカラー、転写紙の紙種など)に対応して最適な転写が得られるように切り替えられる。また、トナー像の転写効率を向上させるために、中間転写ベルト60の裏面をアースせず、マイナス極性のバイアス電圧を印加するようにしてもよい。2次転写部65に導入された時点で、転写紙2は搬送ベルト81に静電的に密着することになる。また、転写紙2が通過した後の2次転写部65では、前述したリング200およびコイルばね201によって再び、前述した隙間Sが保持される。なお、給紙搬送部110または手差し給紙部130から送り出された転写紙2は、略垂直な転写材搬送経路を通って、2次転写部65の2次転写ニップ位置へ搬送される。
【0065】
次いで、中間転写ベルト60は、中間転写ベルト60の他方の端部(図中、左方の端部)に対向して設けられた中間転写ベルトクリーニング部70によって、中間転写ベルト表面に残留する転写残トナーを除去される。ここで、中間転写ベルト60の材料によっては、図示していない中間転写ベルト用の除電装置により中間転写ベルト60の除電が行われる。
【0066】
次いで、2次転写された転写紙2は、搬送ベルト81に静電的に密着した状態で、2次転写位置のほぼ直上に位置する定着部80の定着ニップ部82、すなわち定着ニップ位置へ向けて搬送される。次いで、定着ニップ部82通過中に転写紙上のトナー像は加熱、加圧され転写紙に定着される。ここで、2次加圧ローラ86には、分離電圧印加部材(分離電圧印加手段に含まれる)が取り付けられており、これにより搬送ベルト81を介してマイナス極性のバイアス電圧が印可されている。これにより、転写紙2および搬送ベルト81は除電される。さらに、定着後の転写紙2は、2次加圧ローラ86に外装された搬送ベルト81より分離され、用紙排出部90にて機外に排出される。なお、上述した転写、定着動作においては、テンションローラ89により搬送ベルト81の張りは一定に保たれ、またテンションローラ89によるアースで搬送ベルト81の残留電荷は除去される。
【0067】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1は、トナー像を形成するための感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(感光体に含まれる)と、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk上にトナー像を形成する露光部10(トナー像形成手段に含まれる)と、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに常に接し、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk上のトナー像を1次転写するための中間転写ベルト60(第1の転写体に含まれる)と、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk上に形成されたトナー像を1回または複数回、中間転写ベルト60に1次転写する1次転写ローラ75Y、75M、75C、75Bk(第1の転写手段に含まれる)と、中間転写ベルト60上の1次転写トナー像を2次転写するための転写紙2(第2の転写体に含まれる)と、中間転写ベルト60と対向して配置され、中間転写ベルト60上の1次転写トナー像を転写紙2に2次転写する2次転写部65(第2の転写手段に含まれる)と、転写紙2上に2次転写された2次転写トナー像を定着する定着ニップ部82(定着手段に含まれる)と、2次転写部65から定着ニップ部82まで連通し、2次転写部65から定着ニップ部82へ転写紙2を担持して搬送する搬送ベルト81(担持搬送手段に含まれる)と、中間転写ベルト60と搬送ベルト81との隙間Sを設定するリング200およびコイルばね201(隙間設定手段に含まれる)とを設けているので、2次転写部65において、転写紙2が介在している時は転写紙2が熱の移動を妨げる。また、非通紙時は2次転写部65において、中間転写ベルト60と搬送ベルト81とが隙間Sを保持して離間しているために、定着動作時に定着ニップ部82から搬送ベルト81へ伝導された熱は、2次転写部65の隙間Sによって遮断されることになる。したがって、定着ニップ部82の熱が搬送ベルト81から中間転写ベルト60を介し、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに伝導されることはなく、感光体に悪影響を与えることはない。なお、上述したように低融点トナーを使用することによっても、感光体への悪影響を回避できる。
【0068】
また、本実施形態によれば、転写紙2が中間転写ベルト60の一方の端部(図中、右側の端部)と、搬送ベルト81の一端側(2次転写ローラ64側)との間を通過した直後に、定着部80を通過して用紙排出部90により排紙されるので、搬送ベルト81を搬送のみに用いる場合に比べ、転写紙2の搬送経路長を短くすることができる。しかも、前記転写材反転部が2次転写ローラ64を挟んで中間転写ベルト60とは反対側に配置されているので、転写紙2の他方の面に画像を形成する場合にも、その転写紙2が定着部80を通過してから、再び2次転写位置に送り込まれるまでの転写紙2の搬送経路長を短くすることができる。このような構成により、1枚目の転写紙が給紙搬送部110から送り出され、用紙排出部90により排紙されるまでの時間を大幅に短縮することがでる。よって、いわゆるファーストプリントに要する時間を短縮できる。
【0069】
また、本実施形態によれば、静電気力を利用した吸着搬送を行っているために、定着部80において、未定着転写紙が定着ニップへ進入するときの進入位置や進入角度のバラツキによりトナー飛び、シワ、画像ボケ、ニジミといった異常画像が発生し、あるいは定着後の定着ローラや定着ベルトからの転写紙の分離時にジャム、画像コスレなどが起きるのを防止できる。また、静電気力を利用した吸着搬送により、定着ローラ84や定着ベルトなどに転写紙が巻き付くことを防止できるために、転写紙全面に画像形成されたものも、安定して定着及び搬送できる。さらに、転写紙2を吸着状態で搬送するので、垂直方向などの搬送方向に拘らず、安定した搬送品質を実現でき、カラー画像形成装置の構成やサイズに柔軟に対応できることとなる。
【0070】
また、本実施形態の定着部80は、定着ローラまたは定着ベルトと、これに押圧して定着ニップを形成するための加圧ベルトとを用いた定着方式(例えば、特開平10-207277号公報、特開平11-133776号公報、特開平11-282295号公報参照)と同様に搬送ベルト81の熱容量が少なくて済むので、定着時昇温に有利で定着温度の立ち上がり時間の短縮がはかれ、省電力化の効果が得られる。
【0071】
また、本実施形態によれば、定着温度幅が広げられるために、いわゆる低融点トナーの使用が可能となる。低融点トナーを使用することにより、定着温度は下げられるので、定着立ち上がり時間のさらなる短縮、省電力化が図れる。
【0072】
なお、本実施形態では、2次転写ローラ64の幅方向両端部で、搬送ベルト81の両外側にそれぞれリング200を取り付けると共に、2次転写ローラ64の軸にコイルばね201を取り付けた場合について説明したが、本発明はこのほかに、中間転写ベルト駆動ローラ61の幅方向両端部で、中間転写ベルト60の両外側にそれぞれリング200を取り付けると共に、中間転写ベルト駆動ローラ61の軸にコイルばね201を取り付け、所定の隙間Sが保持されるようにしても同様の効果が得られるものである。
【0073】
また、本実施形態では、2次転写部65で、搬送ベルト81と中間転写ベルト60が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64、中間転写ベルト駆動ローラ61の熱膨張、リング200の材料、それぞれの構成部品のばらつき、コイルばね201の圧力の設定などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0074】
また、本実施形態では、搬送ベルト81と中間転写ベルト60との間に常時、所定の隙間Sを保つようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに後述する第4の実施形態に示す隙間変更方式を適用し、搬送ベルト81と中間転写ベルト60との間に、第1の隙間S、第2の隙間Sを設けても同様の効果が得られるものである。
【0075】
なお、本実施形態では、テンションローラ89および2次加圧ローラ86により搬送ベルト81の裏面をアースした場合について説明したが、本発明はこのほかに、図6に示すように、2次加圧ローラ86にアース部材(アース手段に含まれる)を取り付けて搬送ベルト81の裏面をアースしてもよい。この場合はさらに定着部80の構成を簡素化することができる。
【0076】
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る定着部を示す。これは第1の実施の形態とは、定着ローラ84′および定着ローラ84″に巻き架けられた定着ベルト88を設けた点が相違している。なお、本実施形態に係るカラー画像形成装置は、定着ベルト88を除き、第1の実施形態と概ね同様であるために、図1、図2、図4、図5を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。ここでは、メンテナンスが容易なように定着部80はユニット化されている。
【0077】
図7において、定着ベルト88は、定着ローラ84(図3に示す)の代わりに設けられたものである。この定着ベルト88は、定着ヒータ83が内蔵されている定着ローラ84″と定着ローラ84′とに巻き架けられ、搬送ベルト81(担持搬送手段に含まれる)と接触して定着ニップ部82′(定着手段、加熱手段に含まれる)を形成している。これは、ヒータが内蔵されている定着ローラ84と比較して、定着ヒータが内蔵されていない定着ベルト88の方が熱容量の小さいものを使用できるために、定着立上り時間の低減効果が期待されることによる。例えば、定着ローラ84の芯金肉厚の実用最小厚みはFe製で0.3mm程度であるのに対し、本実施形態の定着ベルト88の厚みは0.1mm程度である。
【0078】
また、2次転写部65(第2の転写手段に含まれる)には、第1の実施形態に準じ、リング200とコイルばね201(隙間設定手段に含まれる)とによって隙間Sが設けられ、定着ニップ部82′から搬送ベルト81へ伝導された定着熱を遮断するようになっている。したがって、定着ニップ部82′の熱が搬送ベルト81から中間転写ベルト60を介し、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに伝導されることはなく、上述したように熱容量の小さい定着ベルト88を使用することによっても、感光体に悪影響を与えることはない。
【0079】
なお、搬送ベルト81は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ベルト88は、搬送ベルト81と同様の構成を有するベルト体であり、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたローラ、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたローラに、前記ベルト体が所定角度巻き付けられたものである。
【0080】
また、本実施形態では、2次転写部65で、搬送ベルト81と中間転写ベルト60が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64、中間転写ベルト駆動ローラ61の熱膨張、リング200の材料、それぞれの構成部品のばらつき、コイルばね201の圧力の設定などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0081】
また、本実施形態では、搬送ベルト81と中間転写ベルト60との間に常時、所定の隙間Sを保つようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに後述する第4の実施形態に示す隙間変更方式を適用し、搬送ベルト81と中間転写ベルト60との間に、第1の隙間S、第2の隙間Sを設けても同様の効果が得られるものである。
【0082】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る定着部を示す。これは第2の実施の形態とは、さらに定着ローラ84″側(図中、左側)の定着ベルト88近傍に誘導加熱部材83′(加熱手段、定着手段に含まれる)を設けた点が相違している。なお、本実施形態に係るカラー画像形成装置は、定着ローラ84′、84″および誘導加熱部材83′を除き、第1の実施形態と概ね同様であるために、図1、図2、図4、図5を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。ここでは、メンテナンスが容易なように定着部80はユニット化されている。
【0083】
図8において、定着ベルト88は、定着ローラ84″と定着ローラ84′とに巻き架けられ、定着ニップ部82′(加熱手段、定着手段に含まれる)で搬送ベルト81(担持搬送手段に含まれる)と接触している。定着ニップ位置では、定着ローラ84′と、1次加圧ローラ85および2次加圧ローラ86とが対向し、1次加圧ローラ85から2次加圧ローラ86まで転写紙がニップされることになる。誘導加熱部材83′には、定着ベルト88を構成している磁性金属を誘導加熱するための励磁コイルが含まれる。また、誘導加熱部材83′は、定着ローラ84′、84″に巻き架けられた定着ベルト88を非定着側(図中、左側)で誘導加熱方式により加熱するものである。このように誘導加熱方式を用いることにより、定着ヒータ(例えば、ハロゲンヒータ)を用いた場合よりも熱変換効率が良く、かつ直接的に定着ベルト88を加熱するので、定着立ち上がり時間の低減効果も得られる。
【0084】
また、2次転写部65(第2の転写手段に含まれる)には、第1の実施形態に準じ、リング200とコイルばね201(隙間設定手段に含まれる)とによって隙間Sが設けられ、定着ニップ部82′から搬送ベルト81へ伝導された定着熱を遮断するようになっている。したがって、定着ニップ部82′の熱が搬送ベルト81から中間転写ベルト60を介し、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(感光体に含まれる)に伝導されることはなく、上述したように熱変換効率の良好な誘導加熱部材83′を使用することによっても、感光体に悪影響を与えることはない。
【0085】
なお、搬送ベルト81は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ベルト88は、搬送ベルト81と同様の構成を有するベルト体であり、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたローラ、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたローラに、前記ベルト体が所定角度巻き付けられたものである。
【0086】
また、本実施形態では、2次転写部65で、搬送ベルト81と中間転写ベルト60が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64、中間転写ベルト駆動ローラ61の熱膨張、リング200の材料、それぞれの構成部品のばらつき、コイルばね201の圧力の設定などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0087】
また、本実施形態では、搬送ベルト81と中間転写ベルト60との間に常時、所定の隙間Sを保つようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに後述する第4の実施形態に示す隙間変更方式を適用し、搬送ベルト81と中間転写ベルト60との間に、第1の隙間S、第2の隙間Sを設けても同様の効果が得られるものである。
【0088】
[第4の実施形態]
図9は、本発明の第4の実施形態に係る定着部を示す。これは第1の実施の形態とは、さらに搬送ベルト81と中間転写ベルト60との隙間S、S(S<最小紙厚<S)を切り替えるために、2次転写ローラ64を移動する移動機構(隙間設定手段に含まれる)を設け、定着後の転写紙(第2の転写体に含まれる)を搬送ベルト81(担持搬送手段に含まれる)から分離するための分離ローラ87を設けた点が相違している。ここで、前記最小紙厚は、本実施形態で使用可能な紙種のうち、最も薄い紙種の紙厚(いわゆる薄紙では、40〜50μm)である。なお、本実施形態に係るカラー画像形成装置は、前記移動機構および分離ローラ87を除き、第1の実施形態と概ね同様であるために、図1、図2、図4、図5を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。ここでは、メンテナンスが容易なように定着部80はユニット化されている。
【0089】
図9において、1次加圧ローラ85′は、第1の実施形態(図3)に示した1次加圧ローラ85に相当するものである。2次加圧ローラ86′は、第1の実施形態(図3)に示した2次加圧ローラ86に相当し、2次加圧ローラ86よりも小径化されている。分離ローラ87は、2次加圧ローラ86′よりも排紙方向下流(定着ローラ84と搬送ベルト81とが接触する定着ニップ部82″(加熱手段、定着手段に含まれる)よりも用紙排出部90に近い位置)に設けられている。ここで、分離ローラ87は、直径15mm以下程度に設定され、かつ分離電圧印加部材(分離電圧印加手段に含まれる)により、搬送ベルト81を介して2次転写バイアス電圧とは異極性(マイナス極性)のバイアス電圧を転写紙2に印可するように構成されている。これは、2次転写ローラ64により搬送ベルト81を介して転写紙2に印加された、2次転写バイアス電圧(プラス極性)による静電気力(付着力)を低減し、さらに分離ローラ87の曲率による分離効果を加味して、搬送ベルト81から転写紙2を確実に分離するためである。本実施形態によれば、特に、薄紙などを用いる場合の転写紙搬送性が安定するという効果が得られる。なお、分離ローラ87が直径12mm以下程度の場合には、分離ローラ87からアースに落とすだけの構成としてもよい。この構成により、図9に示す構成と同様の効果が得られることが実験的に判明している。
【0090】
また、2次転写部65′(第2の転写手段に含まれる)には、第1の実施形態に準じ、リング200とコイルばね201(隙間設定手段に含まれる)とによって通紙時に第1の隙間Sが設けられ、定着ニップ部82″から搬送ベルト81へ伝導された定着熱を遮断するようになっている。したがって、定着時に定着ニップ部82″の熱が搬送ベルト81から中間転写ベルト60(第2の転写体に含まれる)を介し、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(感光体に含まれる)に伝導されることはなく、上述した低融点トナーを使用することによっても、感光体に悪影響を与えることはない。さらに、2次転写ローラ64の支持軸には、図示しないDCソレノイド機構(フレーム、可動鉄芯、固定鉄芯、ボビン、電磁コイルなどを含む)を含む隙間設定手段が取り付けられている。このDCソレノイド機構は、電磁コイルに通電する際に発生する磁気作用を利用し、電気エネルギーを可動鉄芯の機械的直線運動に変換するものである。前記移動機構により、2次転写ローラ64の支持軸を略水平方向(図中、左右方向)に移動させることで、中間転写ベルト60と搬送ベルト81との隙間を第1の隙間Sと第2の隙間Sとに段階的に切り替えるように構成している。すなわち、非通紙時には、第1の隙間Sよりさらに大きい第2の隙間Sを設け、定着熱の影響による中間転写ベルト60の温度上昇幅がより少なくなるようにしている。
【0091】
ここで、第1の隙間Sから第2の隙間Sに切り替えるときは、電磁コイルを非通電状態(オフ)から通電状態(オン)とし、第2の隙間Sから第1の隙間Sに切り替えるときには、電磁コイルを通電状態から非通電状態とする。図10に、中間転写ベルト60と搬送ベルト81とが第2の隙間Sを保持して離間している状態を実線で示し、中間転写ベルト60と搬送ベルト81とが第1の隙間S1を保持して離間している状態を点線で示す。また、前記移動機構による移動距離を両方向の矢印で示す。
【0092】
なお、搬送ベルト81は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ローラ84は、第1の実施形態に準じ、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたもの、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたものからなる。
【0093】
次に、前述したカラー画像形成装置1のシステム制御部(図示せず)について説明する。
このシステム制御部には、第1の実施形態に準じ、CPU、RAM/ROMなどのメモリ、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)などを備えている。また、前記システム制御部には、画像形成動作のスタートボタン、画像形成モード(単色モード、多色モードなど)を選択および入力するためのモード選択ボタンを有する操作部、ソレノイド、駆動モータなどの駆動部、レジストセンサなどの各種センサなどの検知部などが接続されている。この構成により、システム制御部は、前記モード選択ボタンにより入力および設定された画像形成モードで、前記検知部の検知情報により前記駆動部を制御し、転写紙2に対する画像形成工程(転写工程、定着工程を含む)を実行する。さらに、システム制御部は、前記スタートボタンが押下されたとき、ソレノイド(電磁コイル)をオフする。このオフ動作によって、2次転写ローラ64の支持軸に対する右方向への付勢が解除され、コイルばね201によって2次転写ローラ64の支持軸が左方向へ付勢される。この左方向への付勢により、リング200が中間転写ベルト駆動ローラ61に掛け渡された中間転写ベルト60に圧接して、第1の隙間Sが保持される。また、システム制御部は、転写紙2に対する画像形成工程が終了したとき、ソレノイドをオンする。このソレノイドの吸引動作によって、2次転写ローラ64の支持軸が右方向へ付勢され、2次転写ローラ64の支持軸が左方向へ付勢される。この左方向への付勢によって、リング200は中間転写ベルト60と離間し、第2の隙間Sが保持される。ここでは、コイルばね201による付勢力がソレノイド機構による付勢力よりも小さくなるように設定されている。
【0094】
以上のように、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置1は、定着装置80において、リング200、コイルばね201およびソレノイド機構(隙間設定手段に含まれる)は、転写紙2(第2の転写体に含まれる)の厚さよりも小さい第1の隙間Sと、転写紙2の厚さよりも大きい第2の隙間Sとのいずれかを設定するので、例えば、定着ローラ84が50℃以上の高温となる定着動作時は、中間転写ベルト60と搬送ベルト81とが第1の隙間S1を保持して離間し、定着動作時以外は、第1の隙間S1よりもさらに大きい第2の隙間Sを保持して離間するよう、隙間を段階的に変更することができる。このように第1の隙間S1または第2の隙間Sが常時設定されているので、特別な構成を付加して冷却しなくても搬送ベルト81、中間転写ベルト60を介した熱伝導で感光体が不要に暖められることを回避できる。また、定着時には第1の隙間S1が保持されているために、定着に用いるべき熱を中間転写ベルト60に逃さず、定着立ち上がり時間(通電されてから定着可能となるまでの時間、すなわち定着ローラ84または定着ベルトが定着可能設定温度まで昇温するのに要する時間)の短縮に効果がある。さらに、定着動作時に転写紙2が2次転写ニップ位置から定着ニップ位置に到達する間、搬送ベルト81が暖められることは予熱効果を期待できるために、定着立ち上がり時間を短縮することとなる。
【0095】
このように本実施形態によれば、搬送ベルト81と中間転写ベルト60との隙間を段階的に変更することにより、定着立ち上がり時間の短縮と感光体の保護とを両立できる。なお、本実施形態の隙間変更方式を他の実施形態に適用しても、本実施形態と同様の効果が得られるものである。
【0096】
なお、本実施形態では、2次転写部65で、搬送ベルト81と中間転写ベルト60が常時、所定の隙間S、Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64、中間転写ベルト駆動ローラ61の熱膨張、リング200の材料、コイルばね201の圧力の設定、移動機構を含むそれぞれの構成部品のばらつきなどに起因して隙間S、Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間がなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0097】
なお、本実施形態では、2次転写ローラ64の幅方向両端部で、搬送ベルト81の両外側にそれぞれリング200を取り付けると共に、2次転写ローラ64の軸にコイルばねを取り付け、さらに2次転写ローラ64の軸に移動機構を設けた場合について説明したが、本発明はこのほかに、中間転写ベルト駆動ローラ61の幅方向両端部で、中間転写ベルト60の両外側にそれぞれリング200を取り付けると共に、中間転写ベルト駆動ローラ61の軸にコイルばねを取り付ける一方で、2次転写ローラ64の軸に移動機構を設けて所定の隙間S、Sが保持されるようにしても同様の効果が得られるものである。
【0098】
[第5の実施形態]
図11は、本発明の第5の実施形態に係る定着部を示す。これは第2の実施の形態とは、定着ベルト88の転写紙搬送部と搬送ベルト81(担持搬送手段に含まれる)の転写紙搬送部との間隔が、2次転写部65″(第2の転写手段に含まれる)から定着ニップ部82″(定着手段に含まれる)へ向って漸減するようにした点が相違している。なお、本実施形態に係るカラー画像形成装置は、定着ベルト88を除き、第1の実施形態と概ね同様であるために、図1、図2、図4、図5を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。また、ここでは、メンテナンスが容易なように定着部80はユニット化されている。
【0099】
図11において、1次加圧ローラ85′は、第1の実施形態(図3)に示した1次加圧ローラ85に相当するものである。2次加圧ローラ86′は、第1の実施形態(図3)に示した2次加圧ローラ86に相当し、2次加圧ローラ86よりも小径化されている。分離ローラ87は、2次加圧ローラ86′よりも排紙方向下流(定着ベルト88と搬送ベルト81とが接触する定着ニップ部82″よりも用紙排出部に近い位置)に設けられている。ここで、分離ローラ87は、直径15mm以下程度に設定され、かつ搬送ベルト81を介して2次転写バイアス電圧とは異極性(マイナス極性)のバイアス電圧を転写紙2に印可するように構成されている。なお、分離ローラ87に取り付けられた分離電圧印加部材は、分離電圧印加手段に含まれる。このようにバイアス電圧(マイナス極性)を印加するのは、板部材205を介して搬送ベルト81から転写紙2に印加された、2次転写バイアス電圧(プラス極性)による静電気力(付着力)を低減し、さらに分離ローラ87の曲率による分離効果を加味して、搬送ベルト81から転写紙2を確実に分離するためである。本実施形態によれば、特に、薄紙などを用いる場合の転写紙搬送性が安定するという効果が得られる。なお、分離ローラ87が直径12mm以下程度の場合には、分離ローラ87からアース部材(アース手段に含まれる)によりアースに落とすだけの構成としてもよい。この構成により、図11に示す構成と同様の効果が得られることが実験的に判明している。
【0100】
また、定着ベルト88は、定着ローラ84(図3に示す)の代わりに設けられたものである。この定着ベルト88は、定着ヒータ83が内蔵されている定着ローラ84″と定着ローラ84′とに巻き架けられ、搬送ベルト81と接触して定着ニップ部82′を形成している。これは、ヒータ83が内蔵されている定着ローラ84(図3に示す)と比較して、定着ヒータが内蔵されていない定着ベルト88の方が熱容量の小さいものを使用できるために、定着立上り時間の低減効果が期待されることによる。例えば、定着ローラ84(図3に示す)の芯金肉厚の実用最小厚みはFe製で0.3mm程度であるのに対し、本実施形態の定着ベルト88の厚みは0.1mm程度である。
【0101】
また、2次転写部65″では、搬送ベルト81の内周に接して、中間転写ベルト駆動ローラ61と対向する位置に略平板形状で導電性を有する板部材205が固設されている。この板部材205は、通紙方向の長さが中間転写ベルト駆動ローラ61の直径程度であり、通紙方向と垂直な方向の長さが中間転写ベルト駆動ローラ61の幅程度となるように設定されている。こうして板部材205を設けることにより、中間転ベルト60(第1の転写体に含まれる)と搬送ベルト81との隙間Sを保っている。また、板部材205には、板部材205を介して搬送ベルト81に、中間転ベルト60上に1次転写されたトナー像の電荷と逆極性のバイアス電圧を印加するためのバイアス電圧印加部材(バイアス電圧印加手段に含まれる)が取り付けられている。ここでは、バイアス電圧印加部材の略平面部が搬送ベルト81の内周面に直接接触するようになっている。なお、2次転写時には、中間転写ベルト駆動ローラ61に取り付けられた分離電圧印加部材(分離電圧印加手段に含まれる)により、中間転写ベルト60上に1次転写されたトナー像の電荷と同極性のバイアス電圧を印加するようにしている。このように板部材205を設けることで、第1の実施形態に比べ、通紙方向に対して印加電圧による電界形成領域を大きく設定でき、2次転写性能の余裕度が上がるので、2次転写が確実となる。なお、中間転ベルト60と搬送ベルト81との隙間Sにより、定着ニップ部82″から搬送ベルト81へ伝導された定着熱を遮断するようになっている。したがって、定着ニップ部82″の熱が搬送ベルト81から中間転写ベルト60を介し、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(感光体に含まれる)に伝導されることはなく、上述したように熱容量の小さい定着ベルト88を使用することによっても、感光体に悪影響を与えることはない。
【0102】
なお、搬送ベルト81は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ベルト88は、搬送ベルト81と同様の構成を有するベルト体であり、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたローラ、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたローラに、前記ベルト体が所定角度巻き付けられたものである。
【0103】
以上のように、本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置は、搬送ベルト81(担持搬送手段、無端ベルトに含まれる)は、搬送ベルト支持ローラ66、1次加圧ローラ85′、2次加圧ローラ86′など(複数の回転部材に含まれる)および中間転写ベルト60(第1の転写体に含まれる)に対向する板部材205に掛け渡され、2次転写部65″(第2の転写手段に含まれる)から定着ニップ部82″(定着手段、加熱手段に含まれる)へ向って回動するので、中間転写ベルト駆動ローラ61と対向するローラを設けた場合と比較して、2次転写時の電界形成領域が通紙方向(転写紙の搬送方向)に対して広がり、転写性能の余裕度が向上する。こうして2次転写部65″の転写ニップを増大させることにより、2次転写の効率が高まる。
【0104】
また、本実施形態に係る画像形成装置は、定着ニップ部82″には、搬送ベルト支持ローラ66、1次加圧ローラ85′、2次加圧ローラ86′などに掛け渡された搬送ベルト81を有し、定着ベルト88と搬送ベルト81とが接触して定着ニップ部82″を形成すると共に、定着ニップ部82″から2次転写部65″へ向って双方の無端ベルトの間隔が漸増するよう、前記双方の無端ベルトが配設されているので、未定着トナー像、転写紙は定着ニップに入る前に定着ベルト88で予備加熱され、定着処理を効率的に実行できる。なお、定着ニップ部82″の搬送ベルト81内周に1次加圧ローラ85′、2次加圧ローラ86′を設けているので、定着ニップが増大して定着処理を効率的に実行できる。
【0105】
また、本実施形態によれば、テンションローラ89と搬送ベルト81を挟んでアース部材を設けているので、搬送ベルト81の張りを一定に保ち、かつ残留電荷を除去するのに好適である。
【0106】
なお、本実施形態では、2次転写部65″で、搬送ベルト81と中間転写ベルト60が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、板部材205のばらつき、中間転写ベルト駆動ローラ61の熱膨張などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0107】
[第6の実施形態]
図12は、本発明の第6の実施形態に係るカラー画像形成装置を示す。これは第1の実施形態とは、中間転写ベルト60′(第1の転写体に含まれる)の上方に、感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′(感光体に含まれる)、レーザ書き込みユニット10′(トナー形成手段に含まれる)などのトナー画像形成部を配置した点が相違している。
【0108】
図12において、中間転写ベルト60′は、中間転写ベルト駆動ローラ61′を含む複数のローラに掛け渡され、感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′と接触すると共に、第1の実施形態に準じ、搬送ベルト81′(担持搬送手段に含まれる)と所定の隙間S(S<最小紙厚)を保って隣接している。なお、前記最小紙厚は、本実施形態で使用可能な紙種のうち、最も薄い紙種の紙厚(いわゆる薄紙では、40〜50μm)である。搬送ベルト81′は、2次転写ローラ64″を含む複数のローラに掛け渡され、定着ベルト88′と接触すると共に、中間転写ベルト60′と前記所定の隙間Sを保って隣接している。定着ベルト88′は、ヒータ内蔵の定着ローラ(図3の84に相当する)を含む複数のローラに掛け渡されている。
【0109】
また、中間転写ベルト60′の上部外周面には、感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′および中間転写ベルトクリーニング部70′が接触して配置され、この感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′の上方には、レーザ書き込みユニット10′が配置されている。また、中間転写ベルト60′の一端部(図中、右側端部)には、転写紙2′(第2の転写体に含まれる)に対して中間転写ベルト60′上の1次転写トナー像を転写するための2次転写部(図1の65に相当する)が形成されている。この2次転写部の上方には、2次転写後の転写紙に対して定着処理を施すための定着ニップ部(図1の82に相当する)が形成されている。定着ニップ位置では、定着ベルト88′(図8の88に相当する)と搬送ベルト81′とが接触している。
【0110】
なお、2次転写部(第2の転写手段に含まれる)では、第1の実施形態に準じて、中間転写ベルト60′と搬送ベルト81′とが所定の隙間S(S<最小紙厚)を保持して離間している。すなわち、2次転写ローラ64″の幅方向(転写紙搬送方向に垂直な方向)両端部で、搬送ベルト81′の両外側にそれぞれリング(図4、図5の200に相当する)を取り付けると共に、2次転写ローラ64″の軸にコイルばね(図4、図5の201に相当する)を取り付け、このコイルばね(隙間設定手段に含まれる)によって二つのリング(隙間設定手段に含まれる)が中間転写ベルト60′に圧接するように付勢している。また、前記二つのリングは、中間転写ベルト60′を介して中間転写ベルト駆動ローラ61′の外周面に圧接する。なお、前記リングは、硬質ゴムまたはプラスチックなどの可塑性樹脂材料で形成されているが、これに限らず、必要な硬度および絶縁性を有するものであればよい。
【0111】
また、2次転写ローラ64″は、周知のステンレススチール(SUS)等の金属製芯金上に、導電性材料によって抵抗値が10Ω乃至1010Ω程度に調整されたウレタン等の弾性体が被覆されたもの、ゴム硬度を有したもの(特開平10-240027号公報参照)、金属製のものなどを適宜、選択および使用することが可能である。また、2次転写ローラ64″には、2次転写時に転写用のバイアス電圧(プラス極性)が印加されるようになっている。
【0112】
また、搬送ベルト81′は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ベルト88′は、搬送ベルト81′と同様の構成を有するベルト体であり、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたローラ、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたローラに、前記ベルト体が所定角度巻き付けられたものである。
【0113】
本実施形態によれば、カラー画像形成装置1′本体が大型化しても、2次転写部と定着部80′との間の未定着転写紙2′の搬送は搬送ベルト81′のみでよいために、2次転写および定着に要する構成を簡易化できる。
【0114】
なお、本実施形態では搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に常時、所定の隙間Sを保つようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに第4の実施形態に示した隙間変更方式を適用し、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に、第1の隙間S、第2の隙間Sを設けても同様の効果が得られるものである。あるいは、第5の実施形態に示した板部材による隙間設定方式を適用しても同様の効果が得られるものである。
【0115】
また、本実施形態では、2次転写部で、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64″、中間転写ベルト駆動ローラ61の熱膨張、リングの材料、それぞれの構成部品のばらつき、コイルばねの圧力の設定などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0116】
[第7の実施形態]
図13は、本発明の第7の実施形態に係るカラー画像形成装置を示す。これは第6の実施形態とは、定着部80′を中間転写ベルト60′(第1の転写体に含まれる)の下方に設けた点が相違している。
【0117】
図13において、中間転写ベルト60′は、中間転写ベルト駆動ローラ61′、テンションローラ42′を含む複数のローラに掛け渡され、感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′(感光体に含まれる)と接触すると共に、第1の実施形態に準じ、搬送ベルト81′(担持搬送手段に含まれる)と所定の隙間S(S<最小紙厚)を保って隣接している。なお、前記最小紙厚は、本実施形態で使用可能な紙種のうち、最も薄い紙種の紙厚(いわゆる薄紙では、40〜50μm)である。搬送ベルト81′は、2次転写ローラ64″を含む複数のローラに掛け渡され、定着ベルト88′と接触すると共に、中間転写ベルト60′と前記所定の隙間Sを保って隣接している。定着ベルト88′は、ヒータ内蔵の定着ローラ(図3の84に相当する)を含む複数のローラに掛け渡されている。用紙排出部90′には、排紙駆動ローラおよび排紙従動ローラからなる排紙ローラ対を有し、定着後の転写紙2′(第2の転写体に含まれる)を装置外に排出するものである。
【0118】
また、中間転写ベルト60′の上部外周面には、感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′および中間転写ベルトクリーニング部70′が接触して配置され、この感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′の上方には、レーザ書き込みユニット10′(トナー形成手段に含まれる)が配置されている。一方、中間転写ベルト60′の下方には、転写紙2′に対して中間転写ベルト60′上の1次転写トナー像を転写するための2次転写部(図1の65に相当する)が形成されている。2次転写ニップ位置では、テンションローラ42′と2次転写ローラ64″とが対向して配置されている。このテンションローラ42′に対しては、テンションローラ42′に取り付けられたバイアス電圧印加部材(バイアス電圧印加手段に含まれる)により、2次転写時に転写バイアス電圧(マイナス極性)が印加され、2次転写ローラ64″に対しては、2次転写ローラ64″に取り付けられたバイアス電圧印加部材(バイアス電圧印加手段に含まれる)により、2次転写時に転写バイアス電圧(プラス極性)が印加されるように構成されている。また、2次転写部の横方向(図中、右側)には、2次転写後の転写紙に対して定着処理を施すための定着ニップ部(図1の82に相当する)が形成されている。定着ニップ位置では、定着ベルト88′(図8の88に相当する)と搬送ベルト81′とが接触している。
【0119】
なお、2次転写部(第2の転写手段に含まれる)では、第1の実施形態に準じて、中間転写ベルト60′と搬送ベルト81′とが所定の隙間S(S<最小紙厚)を保持して離間している。すなわち、2次転写ローラ64″の幅方向(転写紙搬送方向に垂直な方向)両端部で、搬送ベルト81′の両外側にそれぞれリング(図4、図5の200に相当する)を取り付けると共に、2次転写ローラ64″の軸にコイルばね(図4、図5の201に相当する)を取り付け、このコイルばね(隙間設定手段に含まれる)によって二つのリング(隙間設定手段に含まれる)が中間転写ベルト60′に圧接するように付勢している。また、前記二つのリングは、中間転写ベルト60′を介して中間転写ベルト駆動ローラ61′の外周面に圧接する。なお、前記リングは、硬質ゴムまたはプラスチックなどの可塑性樹脂材料で形成されているが、これに限らず、必要な硬度および絶縁性を有するものであればよい。
【0120】
また、2次転写ローラ64″は、周知のステンレススチール(SUS)等の金属製芯金上に、導電性材料によって抵抗値が10Ω乃至1010Ω程度に調整されたウレタン等の弾性体が被覆されたもの、ゴム硬度を有したもの(特開平10-240027号公報参照)、金属製のものなどを適宜、選択および使用することが可能である。また、2次転写ローラ64″には、2次転写時に転写用のバイアス電圧(プラス極性)が印加されるようになっている。
【0121】
また、搬送ベルト81′(担持搬送手段に含まれる)は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ベルト88′は、搬送ベルト81′と同様の構成を有するベルト体であり、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたローラ、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたローラに、前記ベルト体が所定角度巻き付けられたものである。
【0122】
本実施形態によれば、カラー画像形成装置1′の大型化を回避するために、2次転写部を中間転写ベルト60′の下方に設ける場合でも、2次転写部と定着部80′との間の未定着転写紙の搬送は搬送ベルト81′のみでよいために、2次転写および定着に要する構成を簡易化できる。
【0123】
なお、本実施形態では、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に常時、所定の隙間Sを保つようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに第4の実施形態に示した隙間変更方式を適用し、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に、第1の隙間S、第2の隙間Sを設けても同様の効果が得られるものである。あるいは、第5の実施形態に示した板部材による隙間設定方式を適用しても同様の効果が得られるものである。
【0124】
また、本実施形態では、2次転写部で、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64″、テンションローラ42′の熱膨張、リングの材料、それぞれの構成部品のばらつき、コイルばねの圧力の設定などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0125】
[第8の実施形態]
図14は、本発明の第8の実施形態に係るカラー画像形成装置を示す。これは第7の実施形態とは、搬送ベルト81′(担持搬送手段に含まれる)の裏面で定着ローラ8と対向する位置に誘導加熱部材83″(定着手段、加熱手段に含まれる)を設けた点が相違している。
【0126】
図14において、中間転写ベルト60′(第1の転写体に含まれる)は、中間転写ベルト駆動ローラ61′、テンションローラ42′を含む複数のローラに掛け渡され、感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′(感光体に含まれる)と接触すると共に、第1の実施形態に準じ、搬送ベルト81′と所定の隙間S(S<最小紙厚)を保って隣接している。なお、前記最小紙厚は、本実施形態で使用可能な紙種のうち、最も薄い紙種の紙厚(いわゆる薄紙では、40〜50μm)である。搬送ベルト81′は、2次転写ローラ64″を含む複数のローラに掛け渡され、定着ベルト88′と接触すると共に、中間転写ベルト60′と前記所定の隙間Sを保って隣接している。誘導加熱部材83″は、定着ローラ8を構成している磁性金属を誘導加熱するための励磁コイルを有し、定着ローラ8を定着側(図中、下側)で誘導加熱方式により加熱するものである。用紙排出部90′には、排紙駆動ローラおよび排紙従動ローラからなる排紙ローラ対を有し、定着後の転写紙2′を装置外に排出するものである。
【0127】
また、中間転写ベルト60′の上部外周面には、感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′および中間転写ベルトクリーニング部70′が接触して配置され、この感光体ドラム20Y′、20M′、20C′、20Bk′の上方には、レーザ書き込みユニット10′が配置されている。一方、中間転写ベルト60′の下方には、転写紙2′に対して中間転写ベルト60′上の1次転写トナー像を転写するための2次転写部(図1の65に相当する)が形成されている。2次転写ニップ位置では、テンションローラ42′と2次転写ローラ64″とが対向して配置されている。このテンションローラ42′には、2次転写時に転写バイアス電圧(マイナス極性)が印加され、2次転写ローラ64″には、2次転写時に転写バイアス電圧(プラス極性)が印加されるように構成されている。また、2次転写部の横方向(図中、右側)には、2次転写後の転写紙に対して定着処理を施すための定着ニップ部(図1の82に相当する)が形成されている。定着ニップ位置では、定着ローラ8と搬送ベルト81′とが接触している。
【0128】
なお、2次転写部(第2の転写手段に含まれる)では、第1の実施形態に準じて、中間転写ベルト60′と搬送ベルト81′とが所定の隙間S(S<最小紙厚)を保持して離間している。すなわち、2次転写ローラ64″の幅方向(転写紙搬送方向に垂直な方向)両端部で、搬送ベルト81′の両外側にそれぞれリング(図4、図5の200に相当する)を取り付けると共に、2次転写ローラ64″の軸にコイルばね(図4、図5の201に相当する)を取り付け、このコイルばね(隙間設定手段に含まれる)によって二つのリング(隙間設定手段に含まれる)が中間転写ベルト60′に圧接するように付勢している。また、前記二つのリングは、中間転写ベルト60′を介してテンションローラ42′の外周面に圧接する。なお、前記リングは、硬質ゴムまたはプラスチックなどの可塑性樹脂材料で形成されているが、これに限らず、必要な硬度および絶縁性を有するものであればよい。
【0129】
また、2次転写ローラ64″は、周知のステンレススチール(SUS)等の金属製芯金上に、導電性材料によって抵抗値が10Ω乃至1010Ω程度に調整されたウレタン等の弾性体が被覆されたもの、ゴム硬度を有したもの(特開平10-240027号公報参照)、金属製のものなどを適宜、選択および使用することが可能である。
【0130】
また、搬送ベルト81′は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ベルト88′は、搬送ベルト81′と同様の構成を有するベルト体であり、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたローラ、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたローラに、前記ベルト体が所定角度巻き付けられたものである。
【0131】
本実施形態によれば、カラー画像形成装置の大型化を回避するために、2次転写部を中間転写ベルト60′の下方に設けたい場合でも、2次転写部と定着部80′との間の未定着転写紙の搬送は搬送ベルト81′のみでよいために、2次転写および定着に要する構成を簡易化できる。
【0132】
なお、本実施形態では、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に常時、所定の隙間Sを保つようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに第4の実施形態に示した隙間変更方式を適用し、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に、第1の隙間S、第2の隙間Sを設けても同様の効果が得られるものである。あるいは、第5の実施形態に示した板部材による隙間設定方式を適用しても同様の効果が得られるものである。
【0133】
また、本実施形態では、2次転写部で、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64″、テンションローラ42′の熱膨張、リングの材料、それぞれの構成部品のばらつき、コイルばねの圧力の設定などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0134】
[第9の実施形態]
図15は、本発明の第9の実施形態に係るカラー画像形成装置を示す。これは第1の実施形態とは、一つの回転型現像部30′(トナー像形成手段に含まれる)、この回転型現像部30′に接する一つの感光体ドラム20′(感光体に含まれる)、この感光体ドラム20′に接する中間転写ベルト60′(第1の転写体に含まれる)、および、中間転写ベルト60′と定着ローラ84とを連通する搬送ベルト81′(担持搬送手段に含まれる)を設けた点が相違している。
【0135】
本実施形態のカラー画像形成装置1″において、感光体ドラム20′は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック作像用の感光体ドラムであり、静電潜像およびトナー像が形成されるものである。また、感光体ドラム20′は、回転型現像部30′および中間転写ベルト60′と接触している。回転型現像部30′は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック現像用の現像部であって、感光体ドラム20′に形成された静電潜像をそれぞれトナー像として可視像化するものである。中間転写ベルト60′は、テンションローラ42″を含む複数のローラに巻き架けられており、感光体ドラム20′と接触すると共に、搬送ベルト81′と所定の隙間S(S<最小紙厚)を保って隣接している。なお、前記最小紙厚は、本実施形態で使用可能な紙種のうち、最も薄い紙種の紙厚(いわゆる薄紙では、40〜50μm)である。また、中間転写ベルト60′の下方には、転写紙2′(第2の転写体に含まれる)に対して中間転写ベルト60′上の1次転写トナー像を転写するための2次転写部(図1の65に相当する)が形成されている。2次転写ニップ位置では、テンションローラ42″と2次転写ローラ64″とが対向して配置されている。搬送ベルト81′は、加圧ローラ86″と2次転写ローラ64″とに掛け渡されている。
【0136】
また、2次転写部(第2の転写手段に含まれる)では、第1の実施形態に準じて、中間転写ベルト60′と搬送ベルト81′とが所定の隙間S(S<最小紙厚)を保持して離間している。すなわち、2次転写ローラ64″の幅方向(転写紙搬送方向に垂直な方向)両端部で、搬送ベルト81′の両外側にそれぞれリング(図4、図5の200に相当する)を取り付けると共に、2次転写ローラ64″の軸にコイルばね(図4、図5の201に相当する)を取り付け、このコイルばね(隙間設定手段に含まれる)によって二つのリング(隙間設定手段に含まれる)が中間転写ベルト60′に圧接するように付勢している。また、前記二つのリングは、中間転写ベルト60′を介してテンションローラ42″の外周面に圧接する。なお、前記リングは、硬質ゴムまたはプラスチックなどの可塑性樹脂材料で形成されているが、これに限らず、必要な硬度および絶縁性を有するものであればよい。
【0137】
さらに、2次転写動作時には、テンションローラ42″に取り付けられたバイアス電圧印加部材(バイアス電圧印加手段に含まれる)により、テンションローラ42″に対して転写バイアス電圧(マイナス極性)が印加され、2次転写ローラ64″に対しては、2次転写ローラ64″に取り付けられたバイアス電圧印加部材(バイアス電圧印加手段に含まれる)により、逆極性の転写バイアス電圧(プラス極性)が印加されるように構成されている。また、定着動作時には、加圧ローラ86″に定着バイアス電圧(マイナス極性)が印加されるように構成されている。
【0138】
また、2次転写ローラ64″は、周知のステンレススチール(SUS)等の金属製芯金上に、導電性材料によって抵抗値が10Ω乃至1010Ω程度に調整されたウレタン等の弾性体が被覆されたもの、ゴム硬度を有したもの(特開平10-240027号公報参照)、金属製のものなどを適宜、選択および使用することが可能である。
【0139】
なお、搬送ベルト81′は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ローラ84は、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたもの、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたものからなる。
【0140】
本実施形態によれば、転写装置および定着部の構成を簡易化し、さらにカラー画像形成装置1″を小型化することができる。また、本実施形態によれば、2次転写ローラ64″と中間転写ベルト60′とを離間することにより、定着部80′の定着可能温度までの昇温時間を短縮できるという効果も得られる。
【0141】
なお、本実施形態では、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に常時、所定の隙間Sを保つようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに第4の実施形態に示した隙間変更方式を適用し、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に、第1の隙間S、第2の隙間Sを設けても同様の効果が得られるものである。あるいは、第5の実施形態に示した板部材による隙間設定方式を適用しても同様の効果が得られるものである。
【0142】
また、本実施形態では、2次転写部で、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64″、テンションローラ42′の熱膨張、リングの材料、それぞれの構成部品のばらつき、コイルばねの圧力の設定などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0143】
[第10の実施形態]
図16は、本発明の第10の実施形態に係るカラー画像形成装置を示す。これは第9の実施形態とは、感光体ベルト20″(感光体に含まれる)と中間転写ドラム60″(第1の転写体に含まれる)とを設けた点が相違している。
【0144】
図16において、感光体ベルト20″は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック作像用の感光体ベルトであり、静電潜像およびトナー像が形成されるものである。また、感光体ベルト20″は、現像部30″(トナー像形成手段に含まれる)および中間転写ドラム60″と接触している。現像部30″は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック現像用のそれぞれの現像部からなり、感光体ベルト20″に形成された静電潜像をそれぞれトナー像として可視像化するものである。レーザ書き込みユニット10″(トナー像形成手段に含まれる)は、公知の書き込み光学装置であり、帯電された複数の感光体ドラム20″を露光して感光体ベルト20″に静電潜像を形成するものである。レジストローラ120″は、給紙搬送部により搬送されてきた転写紙2″(第2の転写体に含まれる)を感光体ドラム20″の直前で位置決めするものである。中間転写ドラム60″は、感光体ベルト20″と接触する一方で、搬送ベルト81′と所定の隙間S(S<最小紙厚)を保って離間している。なお、前記最小紙厚は、本実施形態で使用可能な紙種のうち、最も薄い紙種の紙厚(いわゆる薄紙では、40〜50μm)である。搬送ベルト81′は、加圧ローラ86″と2次転写ローラ64″とに掛け渡され、定着ベルト88′と接触する一方で、中間転写ドラム60″と前記所定の隙間Sを保って離間している。定着ベルト88′は、定着ローラ84′を含む複数のローラに掛け渡されている。用紙排出部90″は、定着後の転写紙2″を排出して排紙トレイに保持するものである。
【0145】
また、前記所定の隙間Sは、転写紙2″に対して中間転写ドラム60″上の1次転写トナー像を転写するための2次転写部(図1の65に相当する)に設けられている。2次転写ニップ位置では、搬送ベルト81′と中間転写ドラム60″とが対向して配置されている。ここでは、第1の実施形態に準じ、2次転写ローラ64″の幅方向(転写紙搬送方向に垂直な方向)両端部で、搬送ベルト81′の両外側にそれぞれリング(図4、図5の200に相当する)を取り付けると共に、2次転写ローラ64″の軸にコイルばね(図4、図5の201に相当する)を取り付け、このコイルばね(隙間設定手段に含まれる)によって二つのリング(隙間設定手段に含まれる)が中間転写ドラム60″に圧接するように付勢している。なお、前記リングは、硬質ゴムまたはプラスチックなどの可塑性樹脂材料で形成されているが、これに限らず、必要な硬度および絶縁性を有するものであればよい。
【0146】
また、2次転写動作時には、2次転写ローラ64″に対し、中間転写ドラム60″上のトナー像とは逆極性の転写バイアス電圧(プラス極性)が印加され、定着動作時には、加圧ローラ86″に定着バイアス電圧(マイナス極性)が印加されるように構成されている。
【0147】
また、2次転写ローラ64″は、周知のステンレススチール(SUS)等の金属製芯金上に、導電性材料によって抵抗値が10Ω乃至1010Ω程度に調整されたウレタン等の弾性体が被覆されたもの、ゴム硬度を有したもの(特開平10-240027号公報参照)、金属製のものなどを適宜、選択および使用することが可能である。
【0148】
なお、搬送ベルト81′は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ベルト88′は、搬送ベルト81′と同様の構成を有するベルト体であり、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたローラ、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたローラに、前記ベルト体が所定角度巻き付けられたものである。
【0149】
本実施形態によれば、一つの感光体ベルト20″と一つの中間転写ドラム60″が用いられ、2次転写部が中間転写ドラム60″の側面に設けられたカラー画像形成装置11に本発明を適用することにより、転写装置および定着部の構成を簡易化し、さらにカラー画像形成装置を小型化することができる。また、2次転写ローラ64″と中間転写ドラム60″とを離間することにより、定着部80″の定着可能温度までの昇温時間を短縮できるという効果も得られる。
【0150】
なお、本実施形態では、搬送ベルト81′と中間転写ドラム60″との間に常時、所定の隙間Sを保つようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに第4の実施形態に示した隙間変更方式を適用し、搬送ベルト81′と中間転写ドラム60″との間に、第1の隙間S、第2の隙間Sを設けても同様の効果が得られるものである。
【0151】
また、本実施形態では、2次転写部で、搬送ベルト81′と中間転写ドラム60″が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64″、中間転写ドラム60″の熱膨張、リングの材料、それぞれの構成部品のばらつき、コイルばねの圧力の設定などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0152】
[第11の実施形態]
図17は、本発明の第11の実施形態に係るカラー画像形成装置の要部を示す。これは第9の実施形態とは、中間転写ベルト60′(第1の転写体に含まれる)の下方に、一つの回転型現像部30′(トナー像形成手段に含まれる)、この回転型現像部30′に接する一つの感光体ドラム20′(感光体に含まれる)を設け、中間転写ベルト60′および定着ローラ84の上方に、中間転写ベルト60′と定着ローラ84とを連通する搬送ベルト81′(担持搬送手段に含まれる)を設けた点が相違している。ここでは、2次転写部65(第2の転写手段に含まれる)において転写紙2′の下面にトナー像が転写され、この向きのままで、定着ニップ部82(定着手段、加熱手段に含まれる)へ搬送されるようになっている(いわゆる、上搬送方式)。
【0153】
図17において、感光体ドラム20′は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック作像用の感光体ドラムであり、静電潜像およびトナー像が形成されるものである。また、感光体ドラム20′は、回転型現像部30′および中間転写ベルト60′と接触している。回転型現像部30′は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック現像用の現像部であって、感光体ドラム20′に形成された静電潜像をそれぞれトナー像として可視像化するものである。ここで、帯電器203は、感光体上の電荷をプラスに均一化するものである。また、ブレード204を含むクリーニング部は、感光体上の残留トナーを掻き落として除去するものである。中間転写ベルト60′は、中間転写ベルト駆動ローラ61を含む複数のローラに巻き架けられており、感光体ドラム20′と接触すると共に、搬送ベルト81′と所定の隙間S(S<最小紙厚)を保って隣接している。なお、前記最小紙厚は、本実施形態で使用可能な紙種のうち、最も薄い紙種の紙厚(いわゆる薄紙では、40〜50μm)である。ここで、帯電器を含む1次転写部202(第1の転写手段に含まれる)は、感光体ドラム20′に形成されたトナー像を中間転写ベルト60′に1次転写するものである。また、中間転写ベルト60′の上方には、転写紙2′に対して中間転写ベルト60′上の1次転写トナー像を転写するための2次転写部65が形成されている。2次転写ニップ位置では、中間転写ベルト駆動ローラ61と2次転写ローラ64とが対向して配置されている。搬送ベルト81′は、加圧ローラ86″と2次転写ローラ64とに掛け渡されている。
【0154】
また、2次転写部65では、第1の実施形態に準じて、中間転写ベルト60′と搬送ベルト81′とが所定の隙間Sを保持して離間している。すなわち、2次転写ローラ64の幅方向(転写紙搬送方向に垂直な方向)両端部で、搬送ベルト81′の両外側にそれぞれリング(図4、図5の200に相当する)を取り付けると共に、2次転写ローラ64の軸にコイルばね(図4、図5の201に相当する)を取り付け、このコイルばね(隙間設定手段に含まれる)によって二つのリング(隙間設定手段に含まれる)が中間転写ベルト60′に圧接するように付勢している。また、前記二つのリングは、中間転写ベルト60′を介して中間転写ベルト駆動ローラ61の外周面に圧接する。なお、前記リングは、硬質ゴムまたはプラスチックなどの可塑性樹脂材料で形成されているが、これに限らず、必要な硬度および絶縁性を有するものであればよい。
【0155】
さらに、2次転写動作時には、中間転写ベルト駆動ローラ61に対して、中間転写ベルト駆動ローラ61に取り付けられたバイアス電圧印加部材(バイアス電圧印加手段に含まれる)により、バイアス電圧(マイナス極性)が印加され、2次転写ローラ64に対しては、2次転写ローラ64に取り付けられたバイアス電圧印加部材(バイアス電圧印加手段に含まれる)により、逆極性の転写バイアス電圧(プラス極性)が印加されるように構成されている。また、加圧ローラ86″にはアース部材(アース手段に含まれる)が取り付けられており、加圧ローラ86″は、前記アース部材によってアースされており、定着動作時には、搬送ベルト81′上の電荷を逃がすようにしている。すなわち、搬送ベルト81′の吸着搬送を解除することにより、定着後の転写紙2′が搬送ベルト81′から容易に分離するように構成されている。
【0156】
また、2次転写ローラ64は、周知のステンレススチール(SUS)等の金属製芯金上に、導電性材料によって抵抗値が10Ω乃至1010Ω程度に調整されたウレタン等の弾性体が被覆されたもの、ゴム硬度を有したもの(特開平10-240027号公報参照)、金属製のものなどを適宜、選択および使用することが可能である。
【0157】
なお、搬送ベルト81′は、第1の実施形態に準じ、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの(単層ベルトに含まれる)、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの(2層ベルトに含まれる)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(3層ベルトに含まれる)からなる。また、定着ローラ84は、円筒状芯金に耐熱性樹脂層が被覆されたもの、または円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆されたものからなる。
【0158】
以上のように、本発明の第11の実施形態に係るカラー画像形成装置は、搬送ベルト81′(担持搬送手段に含まれる)が、定着ニップ部82(定着手段に含まれる)および中間転写ベルト60′(第1の転写体に含まれる)の上方に配置され、転写紙2′(第2の転写体に含まれる)は搬送ベルト81′により、転写紙2の下面にトナー像が転写された状態で、定着ニップ部82に向って搬送される構成を有しているので、搬送ベルト81′が中間転写ベルト60′の下方に配置されている場合に比べ、中間転写ベルト60′の温度上昇がより抑制されることとなる。
【0159】
また、本実施形態によれば、転写装置および定着部の構成を簡易化し、さらにカラー画像形成装置を小型化することができる。また、本実施形態によれば、2次転写ローラ64と中間転写ベルト60′とを離間することにより、定着部80′の定着可能温度までの昇温時間を短縮できるという効果も得られる。
【0160】
なお、本実施形態では、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に常時、所定の隙間Sを保つようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに第4の実施形態に示した隙間変更方式を適用し、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′との間に、第1の隙間S、第2の隙間Sを設けても同様の効果が得られるものである。あるいは、第5の実施形態に示した板部材による隙間設定方式を適用しても同様の効果が得られるものである。
【0161】
また、本実施形態では、2次転写部65で、搬送ベルト81′と中間転写ベルト60′が常時、所定の隙間Sを保持して離間する場合について説明したが、本発明はこのほかに、2次転写ローラ64、中間転写ベルト駆動ローラ61の熱膨張、リングの材料、それぞれの構成部品のばらつき、コイルばねの圧力の設定などに起因して所定の隙間Sが一定しない場合、あるいは断続的に隙間Sがなくなる場合があり得る構成としても概ね同様の効果が得られるものである。したがって、前述した場合があり得る構成も本発明に含まれるものである。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は第1の転写体(中間転シャベルトを含む)から加熱手段(定着ローラを含む)まで連通し、トナー像が転写された第2の転写体(転写紙を含む)を担持して搬送する担持搬送手段(搬送ベルトを含む)と、前記担持搬送手段と第1の転写体との隙間を設定する隙間設定手段(リング、コイルばねを含む)とを設けることにより、前記隙間の空気層が熱の移動を妨げて第1の転写体の温度上昇を防ぐという優れた効果を有する画像形成装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカラー画像形成装置の要部断面図である。
【図2】定着温度とトナー軟化点温度との関係を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る定着ユニットの要部断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る中間転写ベルトと搬送ベルトとの間隙を示す要部側断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る中間転写ベルトと搬送ベルトとの間隙を示す要部平断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る他のアース方法を示す要部断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る定着ユニットの要部断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る定着ユニットの要部断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る定着ユニットの要部断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る定着ユニットの隙間を示す要部断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る定着ユニットの要部断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係るカラー画像形成装置の要部断面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態に係るカラー画像形成装置の要部断面図である。
【図14】本発明の第8の実施形態に係るカラー画像形成装置の要部断面図である。
【図15】本発明の第9の実施形態に係るカラー画像形成装置の要部断面図である。
【図16】本発明の第10の実施形態に係るカラー画像形成装置の要部断面図である。
【図17】本発明の第11の実施形態に係るカラー画像形成装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1、1′、1″、11 カラー画像形成装置
2、2′、2″ 転写紙
10、10′、10″ レーザ書き込み装置(露光部)
20Y、20M、20C、20Bk、20Y′、20M′、20C′、20Bk′、20′ 感光体ドラム
20″ 感光体ベルト
30Y、30M、30C、30Bk、30″ 現像部
30′ 回転型現像部
40Y、40M、40C、40Bk 帯電部
42′、42″、89 テンションローラ
50Y、50M、50C、50Bk クリーニング部
60、60′ 中間転写ベルト(中間転写体)
60″ 中間転写ドラム
61 中間転写ベルト駆動ローラ
64、64′、64″ 2次転写ローラ
65 2次転写部
66 搬送ベルト支持ローラ
70、70′、70″ 中間転写ベルトクリーニング部
75Y、75M、75C、75Bk 1次転写ローラ
80、80′、80″ 定着部
81、81′ 搬送ベルト
82 定着ニップ部
83 定着ヒータ
83′、83″ 誘導加熱部材
84、84′、84″ 定着ローラ
85、85′1次加圧ローラ
86、86′ 2次加圧ローラ
86″ 加圧ローラ
87、87′ 分離ローラ
88、88′ 定着ベルト
90、90′、90″ 用紙排出部
100 トナー容器
110 給紙搬送部
120、120″ レジストローラ
130 手差し給紙部
200 リング
201 コイルばね
205 板部材
S、S、S 隙間

Claims (15)

  1. トナー像を形成するための感光体と、前記感光体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、通紙時において、前記感光体に常に接し、前記感光体上のトナー像を1次転写するための第1の転写体と、前記感光体上に形成されたトナー像を1回または複数回、前記第1の転写体に1次転写する第1の転写手段と、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を2次転写するための第2の転写体と、前記第1の転写体と対向して配置され、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を前記第2の転写体に2次転写する第2の転写手段と、前記第2の転写体上に2次転写された2次転写トナー像を定着する定着手段と、前記第2の転写手段から前記定着手段まで連通し、前記第2の転写手段から前記定着手段へ前記第2の転写体を担持して搬送する担持搬送手段と、通紙時において、前記第1の転写体と前記担持搬送手段とが、両者の間に存在する第2の転写体を取り除いた場合であっても直接接触しない隙間を設定する隙間設定手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記隙間は、前記画像形成装置に通紙可能な最小の厚さを有する第2の転写体の厚さよりも小さい第1の隙間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記隙間設定手段は、前記第1の隙間の他に、前記画像形成装置に通紙可能な最小の厚さを有する第2の転写体の厚さよりも大きい第2の隙間を設定することが可能であって、非通紙時において、前記第2の隙間を設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記担持搬送手段には、前記第1の転写体近傍から前記定着手段へ向かって駆動される無端ベルトを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記無端ベルトは、複数の回転部材および前記第1の転写体に対向する板部材に掛け渡され、前記第2の転写手段から前記定着手段へ向って回動することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記複数の回転部材のいずれかに対し、前記第1の転写体上に1次転写されたトナー像の極性とは逆極性のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記無端ベルトは、耐熱性樹脂材料を含む単層ベルト、耐熱性樹脂材料を含む第1層に、前記第1層を被覆する第2層が積層された2層ベルト、耐熱性樹脂材料を含む第1層に、弾性材料を含む第2層が積層され、さらに前記第2層を被覆する第3層が積層された3層ベルトのいずれかであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記定着手段には、円筒状の芯金に耐熱性樹脂材料を含む被覆層が形成された回転体か、あるいは円筒状の芯金に耐熱性弾性体からなる第1層が形成され、さらに前記第1層の上に耐熱性樹脂材料を含む第2層が形成された回転体を有し、前記担持搬送手段の無端ベルトと前記回転体とが接触して定着ニップ部を形成していることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記定着手段には、定着ヒータ内蔵の小径回転部材と大径回転部材とに掛け渡された無端ベルトを有し、前記定着手段の無端ベルトの大径側と前記担持搬送手段の無端ベルトとが接触して定着ニップ部を形成すると共に、前記定着手段の無端ベルトの小径側が前記担持搬送手段の無端ベルトと離間するよう、双方の無端ベルトが配設されたことを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記担持搬送手段の無端ベルトが掛け渡されている複数の回転部材のいずれかに、前記第2の転写体の搬送方向における前記定着ニップ部の下流で、前記無端ベルトから前記第2の転写体を分離するよう、前記第2の転写体に印加された転写バイアス電圧と異極性の搬送バイアス電圧を前記担持搬送手段の無端ベルトに対して印加する分離電圧印加手段、または前記担持搬送手段の無端ベルトに接してアースするアース手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記分離電圧印加手段または前記アース手段を備えた回転部材の直径が、12mm以下であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記担持搬送手段が、前記定着手段および前記第1の転写体の上方に配置され、前記第2の転写体は前記担持搬送手段により、前記第2の転写体に前記トナー像が転写された状態で、前記定着手段に向って搬送されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 異なる色のトナーによりトナー像を形成するための複数の感光体と、前記複数の感光体のそれぞれに前記異なる色のいずれかのトナー像を形成するトナー像形成手段と、通紙時において、前記複数の感光体に常に接し、前記複数の感光体上のトナー像を1次転写するための第1の転写体と、前記複数の感光体上にそれぞれ形成されたトナー像を前記第1の転写体の同一位置に1次転写する第1の転写手段と、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を2次転写するための第2の転写体と、前記第1の転写体と対向して配置され、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を前記第2の転写体に2次転写する第2の転写手段と、前記第2の転写体上に2次転写された2次転写トナー像をカラー定着する定着手段と、前記第2の転写手段から前記定着手段まで連通し、前記第2の転写手段から前記定着手段へ前記第2の転写体を担持して搬送する担持搬送手段と、通紙時において、前記第1の転写体と前記担持搬送手段とが、両者の間に存在する第2の転写体を取り除いた場合であっても直接接触しない隙間を設定する隙間設定手段と、を備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  14. 異なる色のトナーによりトナー像を形成するための一つの感光体と、前記感光体上の同一位置に前記異なる色のトナー像を重ねて形成するトナー像形成手段と、通紙時において、前記感光体に常に接し、前記感光体上のトナー像を1次転写するための第1の転写体と、前記感光体上に形成されたトナー像を1回または複数回、前記第1の転写体に1次転写する第1の転写手段と、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を2次転写するための第2の転写体と、前記第1の転写体と対向して配置され、前記第1の転写体上の1次転写トナー像を前記第2の転写体に2次転写する第2の転写手段と、前記第2の転写体上に2次転写された2次転写トナー像をカラー定着する定着手段と、前記第2の転写手段から前記定着手段まで連通し、前記第2の転写手段から前記定着手段へ前記第2の転写体を担持して搬送する担持搬送手段と、通紙時において、前記第1の転写体と前記担持搬送手段とが、両者の間に存在する第2の転写体を取り除いた場合であっても直接接触しない隙間を設定する隙間設定手段と、を備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  15. 前記隙間は、前記画像形成装置に通紙可能な最小の厚さを有する第2の転写体の厚さよりも小さい第1の隙間であることを特徴とする請求項13または14に記載のカラー画像形成装置。
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