JP4282604B2 - 光学活性ジヒドロピロンの製造方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、光学活性5−ヒドロキシ−3−ケトエステルの製造方法、該化合物の光学活性ジヒドロピロン製造への使用、及び、製薬上有効な化合物を製造するための出発化合物としてのジヒドロピロンの使用に関するものである。
(背景技術)
鏡像異性体同士は、その物性はわずかにしか変わらないが生理学的活性が実質的に異なるので、特定の用途では鏡像異性体をお互いに分離して得ることが基本的に重要である。これは医薬の分野では特に重大である。一方の鏡像異性体を他のキラル化合物との予知できない様々な相互作用に関らせることができるように、鏡像異性体の純度ができるだけ高い化合物を生成することが主要目的である。この目的のために、有効性の高い鏡像異性体の選択作用がある酵素等の特別なキラル触媒がNatureにより開発されてきた。これとは対照的に、分取化学(preparative chemistry)においては、光学純度の高い一方の異性体のみを高い収量で合成する立体的選択方法を提供する試みがなされている。これは特別な場合にしか達成され得ない。また別の可能性としては、生成された2つの鏡像異性体を分離できる手段による物理学的分離方法である。
鏡像異性体の分離方法としてよく用いられるものの1つが、いわゆるラセミ体の分割であって、両方の鏡像異性体の等量混合物を光学活性成分に分離させる方法である。鏡像異性体の分離で最も一般的な方法の1つが、ラセミ混合物の化学的な分割であり、鏡像異性体に分離されるラセミ酸を光学活性塩基と反応させて塩を形成するか、又は光学活性酸をラセミ塩基と反応させて塩を形成させる。この方法によると、異なる溶解性を基にしてそれぞれを分離することができるジアステレオ異性体が生成される。
このように、例えば米国特許第4661628号にはα−ナフチルプロピオン酸のラセミ混合物をβ−アミノアルコールを添加することによって分離させる方法が記載されているが、この方法によると、生成されたジアステレオマー異性体アミドは分別晶出で分離することができ、さらにその後加水分解することで光学活性酸に戻すことができる。2種の異性体のうち片方しか抗炎症作用を有していないので、上記の鏡像異性体の分離は必須である。この異性体については「ナプロキセン(Naproxen)」という名前で国際的に公知である。
また、ラセミ体の分割には既知の物理的方法も用いられている。ガスクロマトグラフィー、薄膜クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、液−液抽出又は液−液分配において、水素結合、配位子交換、金属もしくは電荷移動錯体の形成等の相互作用を用いて鏡像異性体を分離する。クロマトグラフィー法で鏡像異性体を分離するためには、光学活性吸着物質(absorbence)が通常用いられ、キラル固定相又は可動相が使用される。公知の例として、ラクトースによるトレガー塩基のラセミ体分割が挙げられる。
医薬分野では特定の化合物、即ち、所望の薬理学的及び毒理学的効果を有する化合物の鏡像異性体に関心があり、この分野では鏡像異性体の分離がきわめて重要である。例えば、5-ヒドロキシ-3-ケトエステルの鏡像異性体又はその鏡像異性体から得られる5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-ピロンは、数多くの医薬的に活性な化合物において重要な構造的成分であり、5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-ピロンスルホンアミド類は、非ペプチドHIVプロテアーゼ阻害剤として使用されることから特に重要である。経口でバイオアベイラビリティーのある有効なHIVプロテアーゼ阻害剤の範疇において、特に効果のあるものとして化合物チプラナビル(PNU-140690)が挙げられるが、これは以下の構造を有する。



Figure 0004282604
この化合物及び他の構造上の類似化合物は、従来技術から公知である(例えば、J. Med. Chem. 1998, 41, 3467-3476頁参照)。
上記化合物及び構造的類似化合物の合成における主要工程は、下記図式1のごとく、5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-ピロン1を好適な置換カルボニル化合物2と反応させて縮合物3を生成させる工程である。
Figure 0004282604
図式1
1及びR2が表す様々な基の定義については、本発明の説明に記載されている。R及びR’基は様々であり、従来技術から明らかなように、該当する対象化合物の置換パターンによって決まる。
光学活性ジヒドロピロンの鏡像異性体の調製、製造方法の1つが従来技術から既知である。すなわち、WO 02/068404 A1にこの種の方法が記載されているが、この方法では、まず第一に、有機又は無機塩基の存在下で好適な置換カルボニル化合物をアセト酢酸誘導体と反応させて、5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-ピロンのラセミ混合物を生成させる。その後、得られたラセミ混合物をキラルアミノアルコールで塩に変換させるが、このアミノアルコールの選択によって、R−又はS−配置の所望の塩を結晶させることができ、残りの鏡像異性体の方は溶液中に残留する。
このように、本発明は、従来技術をさらに開発した方法として、一方の鏡像異性体純度を上げて、できるだけ技術的経費をかけずに空間/時間の歩留まりをあげて、1(B)を高収量で合成させる方法を提供する課題に基づくものである。また、本方法は、より大きな工業規模での使用に好適、即ち、安価であるために経済的に実行できる方法であるとよい。さらには、本発明によって提供された化合物1(B)は、前述の医薬的に活性な化合物の合成において中心的重要性を有するもので、出発化合物に包含されていたキラル情報を後続の1つ以上の反応過程で失うことなく、所望の特性が得られるように該キラル情報がいずれにしても保持されるとよい。
(発明の詳細な説明)
驚くべきことに、前記の本発明における課題が3工程プロセスによって解決できることがわかった。即ち、工程(1)で5-ヒドロキシケトエステルのラセミ混合物Aを調製し、工程(2)で該ラセミ体をクロマトグラフィーによりキラル担体物質上で2種の鏡像異性体A1及びA2に分離させ、最後に工程(3)で従来の環化を行って、所望のキラル5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-ピロンBを得るものである。これを以下の図式2に示す。
Figure 0004282604
図式2
本発明の範囲において、式1、A1、A2又はBの化合物を言及する際は、光学活性体化合物を言及するものである。該光学活性体はR1及びR2基の定義から得られる。すでに前記で記載したように、ラセミ混合物は式Aで示される。1又はBについて言及する際は、互変異性体も含まれる。
したがって、本発明は式A1もしくはA2で表される光学活性5-ヒドロキシ-3-ケトエステル又はその互変異性体の1つの製造方法に関するもので、






Figure 0004282604
(式中、R1及びR2はそれぞれ互いに独立して、水素又はC1-C8-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C6-C10-アリール及びC1-C8-アルキレン-C6-C10-アリールから選択される基であって、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C4-アルコキシ及びCF3から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよく、R1及びR2は同時に同じ基を意味することはなく、
3は、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C6-C10-アリール-C1-C8-アルキレン及びトリヒドロカルビルシリルから選択される基をしめす。)
式Aの5-ヒドロキシ-3-ケトエステルのラセミ混合物を、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりキラル担体物質上で2種の鏡像異性体5-ヒドロキシ-3-ケトエステルA1及びA2に分離させることによるものである。
Figure 0004282604
(式中、R1、R2及びR3は前記定義のとおりである。)
また、本発明は、こうして調製された鏡像異性体5-ヒドロキシ-3-ケトエステルA1及びA2を、式Bで表される光学活性ジヒドロピロン又はその互変異性体の1つを製造するための使用に関するもので、










Figure 0004282604
(式中、R1及びR2はそれぞれ互いに独立して、水素又はC1-C8-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C6-C10-アリール及びC1-C8-アルキレン-C6-C10-アリールから選択される基であって、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C4-アルコキシ及びCF3から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよく、R1及びR2は同時に同じ基を意味することはない。)
公知の方法によって鏡像異性体5-ヒドロキシ-3-ケトエステルA1又はA2の一方を環化することによって式Bで表される光学活性ジヒドロピロンを生成する。
本発明の好ましい実施形態によると、R1及びR2はそれぞれ互いに独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル及びフェニルプロピルから選択され、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、メトキシ、エトキシ及びCF3から選択される基によって任意でモノ置換されていてもよいが、ただし、R1及びR2が同時に同じ定義を意味することはありえない。R1及びR2として特に好ましいのは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジル、フェニルエチル及びフェニルプロピル基であり、なかでもプロピル及びフェニルエチルがとりわけ好ましい。本発明の特に好ましい実施形態によると、R1が2-フェニルエチルでR2がプロピルを示すか、あるいは、R1がプロピルでR2が2-フェニルエチルを示す。
3基は、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジル及びトリ-(C1-4-アルキル)-シリルから選択されるが、エチル及びt-ブチルが特に好ましい。最も好ましいのは、R1がフェニルエチル、R2がプロピル、かつ、R3がエチル又はt-ブチルを表す。
本発明において、アルキル基という用語は、他の基の一部としてのアルキル基も含め、特に指定のないかぎり、炭素原子1〜8、好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜4個の分岐のアルキル基及び分岐していないアルキル基を指す。例えば、以下の炭化水素基、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、2-メチルプロピル(イソブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)が例として挙げられる。また、プロピル及びブチルの定義には異性体も含まれる。場合によって、上記のアルキル基については、メチルをMe、エチルをEt、プロピルをprop、またブチルをbutという一般的な短縮形として使用することもある。
本発明において、ハロアルキル基という用語は、他の基の一部としてのハロアルキル基の場合も、特に指定のないかぎり、少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子に置換された、炭素原子1〜4個の分岐したハロアルキル基及び分岐していないハロアルキル基を指す。式:-(CH2)r-(CX2)s-Yで表されるハロアルキル基が好ましく、式中、rは0、1、2又は3を表し、sは1、2、3又は4を表し、(r + s)の合計が1、2、3又は4であり、Xはフッ素又は塩素を表し、YはX又はHである。
以下のハロゲン化炭化水素基が例として挙げられる。トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2,2-ジクロロエチル、2-クロロエチル、ペンタフルオロエチル及び1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イル。
本発明のシクロアルキル基は、炭素原子3〜8個を有する飽和環状炭化水素基を指す。炭素原子3〜6個の環状炭化水素が好ましい。例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。
アルキルオキシは、任意でアルコキシとも呼ばれるが、本発明の範囲においては直鎖又は分岐のアルキル基が酸素原子と結合したもので、炭素原子1〜8個、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個を有する。メトキシ基が特に好ましい。
アリールという用語は、6〜10個の炭素原子を有する芳香族環系を指す。好ましいアリール基としては、ナフチル及びフェニルであり、フェニルが特に好ましい。任意であるが、ナフチルはNaph、フェニルはPhと短縮形で表される。
本発明によるアリール‐アルキレン又はアルキレン‐アリールは、炭素数1〜8、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4個のアルキレン基を介して結合したアリール基を意味し、アルキレン基とアリール基には前述の定義が適用される。本発明における好ましいアルキレン‐アリール基は、特に指定がないかぎりベンジル、2-フェニル-エチル及び3-フェニルプロピルである。
本発明の範囲におけるハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指し、特に指定のない限りフッ素、塩素及び臭素が好ましい。
本発明の方法について、方法における3つの工程を参照しながら詳細に説明する。
工程(1)
式Aで表される5-ヒドロキシ-3-ケトエステルのラセミ混合物の合成製造は、本発明によるとアルドール付加によって達成され、下記図式3で示される。
Figure 0004282604
図式3
このためには、好適な置換カルボニル化合物4(式中、R1及びR2基は本願明細書前記の定義を示す)を、アセト酢酸誘導体5(式中、R3はC1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C6-C10-アリール-C1-C8-アルキレン及びトリヒドロカルビルシリルから選択される基を示す)と反応させて、ラセミ体Aを得る。
この反応は有機又は無機の強塩基、好ましくは有機の強塩基の存在下で行われる。本発明のこの目的のための強塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウム等の水酸化物、リチウムアミド又はナトリウムアミド等のアミド類、n-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム又はフェニルリチウム等の有機金属化合物、ならびに、例えば、第二アミンのリチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩等の第二アミンのアルカリ金属塩が挙げられる。この種の好ましい塩基としては、水酸化ナトリウム、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミン、リチウムジエチルアミン、リチウムヘキサメチルジシラザン、ナトリウムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシラザン又はリチウム-ターシャリーブトキシドから選択され、好ましくは、リチウムジイソプロピルアミン、リチウムジエチルアミン、リチウムヘキサメチルジシラザン、ナトリウムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシラザンであり、リチウムジイソプロピルアミン及びリチウムジエチルアミンが最も好ましい。これらの塩基類は市販品を利用してもよいし、この分野で既知の方法を用いて合成することもできる。
本発明の5-ヒドロキシ-3-ケトエステルのラセミ混合物Aであって、鏡像異性体A1及びA2を含む混合物を調製するために、上記の塩基のうちの1種を現場で生成させるか、又は直接使用して、好適な有機溶媒、好ましくは無水の有機溶媒中に投入する。使用する溶媒は、好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、t-ブチル-メチルエーテル(TBME)、ジオキサン等のエーテル系溶媒、又は、トルエン、ヘキサンもしくはヘプタン等の他の非極性有機溶媒である。所望であれば、エーテル系溶媒を上記の非極性溶媒と併用してもよい。上記のエーテル系溶媒を用いることが好ましい。THF、TBME及びヘキサンが特に重要な溶媒である。混合溶媒を用いる場合は、THF/ヘキサン又はTHF/トルエンが好ましい。
本発明の範囲において、特定の状況のもとでは複合させた共溶媒の存在下で上記の種類の有機塩基を使うことが有利になることがある。このような共溶媒としては、例えばヘキサメチルホスファミド(HMPT)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)及び1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)から選択される。
こうして得られる溶液を、好ましくは約30℃より低く、より好ましくは約0℃より低く、最も好ましくは-10℃より低く冷却する。本発明によると、反応は約20〜-70℃の範囲、特には約0〜-40℃の温度範囲で行うことがとりわけ好ましい。もしも、このような温度において上記溶媒のうちの1種がもはや液状の状態(liquid aggregate state)でいられない場合は、使用している溶媒の流動点又は融点によって可能な最低反応温度を決めるが、当業者にとっては明らかであろう。その後、アセト酢酸誘導体5(式中、R3は前記定義のとおり)を、上記の溶媒のうちの1種の中で、冷却した塩基溶液に添加する。
5を添加した後、混合物を一定の温度で約5分〜1時間攪拌する。上記溶媒のうちの1種、好ましくは塩基を溶解させた同じ有機溶媒に4を含む溶液をゆっくり滴下する。
1モルの使用する化合物5に対して、少なくとも約1.8モルの塩基を使用する。
5に対する塩基のモル比は約(1.8:1)〜(3:1)が好ましく、より好ましくは(1.9:1)〜(2.5:1)、特に好ましくは約2:1である。
導入する化合物4の1モルに対して、5は少なくとも約0.5モル使用する。
5に対する4のモル比は約(2:1)〜(1:5)が好ましく、より好ましくは(1:1)〜(1:2.5)、特に好ましくは約1:1.5である。
添加終了後、一定の温度又はすこしずつ加熱して攪拌を続ける。加熱するとしても、温度は約20℃より低く、好ましくは0℃より低く、より好ましくは約-10℃より低く保つ。本発明によると温度は約+20℃〜-78℃の範囲に調整することが最も好ましい。反応時間は、通常約0.5〜8時間、好ましくは約1〜5時間、より好ましくは約1.5〜3時間である。
この分野では公知の方法、例えば塩化アンモニウム水溶液等の水溶液を加えることによって、反応を終了させることができる。2つの相が形成される。水性相を分離させて取り除く。残った有機相から溶媒を真空下で留去する。従来技術で公知の方法とまさに同様にして、生成物を生成させる。
このようにして5-ヒドロキシ-3-ケトエステルのラセミ混合物Aが得られる。
5-ヒドロキシ-3-ケトエステルのラセミ混合物Aは、ドイツ特許DE 10108471C1に準じて、とりわけ好ましい別の方法で調製することもできる。この開示、なかでも実施例1の開示は引用により本願明細書の記載に含まれるが、アセト酢酸エステル5のジアニオン5’をケトン4とマイクロリアクターで反応させて調製すればよい。








Figure 0004282604
(式中、Metはそれぞれ独立してアルカリ金属を示す。)
工程(2)
本発明の方法により、工程1で得たラセミ混合物Aを、キラル担体物質を用いた分取HPLCで、2種の鏡像異性体5-ヒドロキシ-3-ケトエステルA1とA2に実質的に定量の収率で分離する。
使用するHPLCシステム(高速液体クロマトグラフィーシステム)は公知の装置でよい。このような装置には溶離液を供給する少なくとも1つのポンプと、試料伝達系と、少なくとも1本の分離カラムと、UV検出器等の検出器と、記録系とを備えている。現在では、この種の分離システムは最適なソフトウェアを有するコンピュータ装置で制御され、バルブを開閉させたり、ポンプを始動、終了させたり、センサーの読み取りを行わせたりする。パラメータをセットしたり監視するだけでなく、保持時間(定性的測定)やピーク面積(定量的測定)に関する評価も適当なソフトウェアを使用して行うことが多い。このように、高度な精度が要求される連続的な分析にはHPLC技術が最適である。
カラムは、通常内径が約1mm〜3m、好ましくは50mm〜1.5m、長さが約1cm〜10mであり、鋼製又は耐圧ガラス製で、固定相が充填されている。
本発明による方法の工程(2)に応じてHPLCシステムを使用する場合は、約20cm〜150cm、好ましくは30cm〜120cm、特に好ましくは約35cm〜約100cmのカラム内径を採用し、固定相としてのキラル担体物質の使用が必要不可欠である。本発明で使用されるキラル担体物質は、光学活性体になるように化学的に化工された多糖を基準とする。この1例として挙げられるのは、1種以上の光学活性基を基本的多糖構造に結合させることによるものである。とりわけ、多糖がデキストリン、シクロデキストリン、デンプン、アミロース及びセルロースから選択されることが好ましい。
そこで、好適に使用されるキラル担体物質としては、トリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-アミロース、トリス[(S)-α-メチルベンジルカルバメート]-アミロース、トリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-セルロース、トリス(4-安息香酸メチル)-セルロース、三酢酸セルロース、三安息香酸セルロース、トリス(フェニルカルバメート)-セルロース、トリス(4-クロロフェニルカルバメート)-セルロース、三ケイ皮酸セルロース及び三安息香酸セルロースが挙げられるが、このなかでもトリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-アミロース及びトリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-セルロースが最も推奨される。
本発明で使用されるキラル担体物質によって、ラセミ体を2種の鏡像異性体に実質的に定量に分離することが可能となり、鏡像体過剰率が少なくとも95%より多く、好ましくは96〜100%、特に好ましくは98.2〜99.9%の高光学純度でキラル生成物を得ることができる。さらに、担体物質は、高品質を保ちながら長期間使用でき、例えば数ヶ月にわたってHPLC装置における分離に用いることができると同時に、連続操作装置で容易に使用することができるという特徴を有する。
使用される移動相(溶離剤又はフロー剤)は1種の溶媒又は溶媒の混合物である。本発明によると、移動相として極性又は非極性溶媒が使用できる。好適な有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ヘキサン、イソへキサン、ヘプタン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、t-ブチルメチルエーテル、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル及び水、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、定組成系、即ち、溶離液が1種のみ使用される装置においては、エタノール、メタノール、ブタノール及びイソヘキサンが特に有利であることがわかっている。少なくとも2種の溶媒の混合物を使用することがとりわけ好ましいが、その場合、極性溶媒を非極性溶媒と混合することが好ましい。例えば、イソヘキサン及び/又はn-ヘキサン/エタノール、イソヘキサン及び/又はn-ヘキサン/メタノール、ならびにイソヘプタン及び/又はn-ヘプタン/ブタノールが挙げられる。非極性溶媒に対する極性溶媒の割合は、分離すべき基質の極性とカラム材料によって決まるが、通常約1:100(v/v)〜約100:1(v/v)、好ましくは、約10:90(v/v)〜約90:10(v/v)の範囲である。
トリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-アミロースを溶離剤のメタノールと併用すること、及び、トリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-セルロースを溶離剤のイソヘキサン/エタノール又はイソヘキサン/ブタノールと併用することが特に好ましい。
HPLCシステムにおける他のパラメータ、例えば、流量、使用する量、温度、圧力等は、分離を行う個々のラセミ体によって決められる。標準的な当業者であれば、参考のためのいくつかのテストを用いてこれらのパラメータを求めることができ、個々の場合に応じた調整及び最適化ができる。
本発明の工程(2)におけるクロマトグラフィーの工程は、不連続に行っても連続的におこなってもよいが、連続的に行う方が経済的な理由から好ましい。HPLCシステムを部分的に変えたもの、例えばSMBクロマトグラフィー(擬似移動床クロマトグラフィー)の技術を利用することもできる。これは、この分野では公知の概念であり、固定相と移動相の間に連続的な向流(counter flow)をシミュレートするものであるが、この方法によると比較的短い操作時間で効率的に分離することができる。数本のカラムを1本ずつ後ろへ後ろへと配置して使用され、カラムの長さは比較的短く、比較的小さな粒子が充填されており、個々のカラム間での切り替え時間が短い。材料は連続的に供給され、2種の生成物の流れに分けて分離が行われる。この種のシステムの原理の詳細部分については、この分野では既知であり、さらなる説明の必要はない。
単に例示する目的にすぎないが、SMBシステムの実行可能な構造について図1を参照しながら説明する。
SMBシステムは4つのゾーン(I〜IV)に分かれており、8本のカラム(1〜8)が用いられ、1つのゾーンはいずれも2本のカラムで画定される。ゾーン1は、溶離剤(溶媒、移動相)が添加されてから抽出物が排出されるまでのSMBセクションである。ゾーンIIは、抽出物の排出後から材料の投入(分離させる材料の添加)までである。ゾーンIIIは、材料の投入から精製された生成物が排出されるまで、ゾーンIVは、精製された生成物の排出後から、溶離剤の投入までの範囲となる。こうして、溶出液はゾーンIからゾーンIVまで流れる。精製された生成物とは所望の鏡像異性体であり、一方、抽出物とは他方の鏡像異性体である。
ゾーンIにおける流量は、移動相がゾーンIIに確実に進めるように十分大きくするのに対し、ゾーンIVの流量は精製された生成物が取り出されるように小さく設定されているとよい。
分離に関する個々の問題に応じて、送り回数(サイクル数)を修正し、同様に、SMBシステムの4つのゾーンにおける流量(ml/分)、即ち、供給や排出の流量(溶離剤、抽出物、材料及び精製した生成物)であって全体としてシステムの平均流量(ml/分)となる流量、分離する混合物の濃度(g/lの材料)、1サイクルの操作時間(分)、分離時における最高圧力(bar)、固定相及び移動相の量と特性を修正する。鏡像異性体を可能な限り高純度で得られるように上記のパラメータを調整することは、当業者であれば容易に可能である。
本発明によると、以下に限定はされないが、SMBシステムの条件を以下の範囲に設定することがとりわけ有利である。
カラム数: 約2〜10本
カラム内径: 約0.1〜300cm
カラム長: 約1cm〜10,000cm
キラル固定相: 粒径約3〜50μmのキラル担体材料
移動相: 単一溶媒又は溶媒混合物
平均流量: 約0.1〜10,000ml/分
UV−検出: 約200〜300nm
温度: 約20〜60℃
測定圧力: 約10〜50bar
装置の生産能力は、例えば、鏡像異性体(g)/日/キラル固定相(kg)で得られる。
こうした構造を有するSMB装置があれば、本発明の方法における工程(2)でラセミ混合物Aを2種の鏡像異性体A1とA2に分離させ、いずれの場合において、所望の鏡像異性体の鏡像体純度を鏡像体過剰率で少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%、より好ましくは99.5%以上とすることが可能である。
工程(3)
鏡像異性体の分離後、鏡像異性体5-ヒドロキシ-3-ケトエステルA1又はA2の一方を、図式4にしたがって公知の方法を用いて環化させて、式Bで表される光学活性ジヒドロピロンが得られる。
Figure 0004282604
図式4
これは分子内エステル交換であり、わずかに酸性又はアルカリ性を示す溶液中で通常行われるラクトンの形成である。R3が直鎖のアルキル、ハロアルキル又はベンジルを示す場合は、アルカリ溶液を主として用いる。使用できる塩基類としては、例えば、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩、及びアンモニアが挙げられる。
3が分岐アルキル又はトリヒドロカルビルシリルを示す場合は、酸が主として用いられる。好適な酸は、例えばフッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素、硫酸又は燐酸等の無機のブレーンステッド酸、例えば三フッ化ホウ素又は塩化アルミニウム等のルイス酸、ならびに、例えばトリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸及びクエン酸等の有機酸である。溶媒としては、メタノール、エタノール又はプロパノール等のアルコール、THF、ジオキサン、TBME又はジエチルエーテル等のエーテル、ヘキサン、トルエン、ジクロロメタン又はテトラクロロメタン等の炭化水素化合物で任意でハロゲン化されていてもよいもの、及び、水、又は上記溶媒の混合物が適している。
反応を実行させるには該当の酸又は塩基を添加するだけで、添加後は、好ましくは周囲温度で、必要な反応時間にわたり放置するが、例えば、反応混合物を好適な時間にわたって、任意で攪拌しながら放置する。混合物が公知の方法で生成される。
これは当業者にはよく知られた反応であるので、これ以上の詳細な説明は不要であるが、分取に関する実施例において説明する。
このように、本発明の方法を用いることで、これまで得ることが非常に難しかった鏡像異性体を簡単な方法で得ることができるようになり、卓越した費用便益比で大々的な工業規模で実行することができる。また、本発明にしたがって開発された方法によれば、所望の生成物が高い収率で得られるだけでなく、非常に高い鏡像異性体純度で得ることができるので、生成物をさらに首尾よく処理して医薬品としての重要なカテゴリーを形成することができる。
光学活性ジヒドロピロンは、製薬学的に有効な光学活性化合物の合成における出発化合物としてその主要な重要性があることから、本発明におけるもう1つの態様は、医薬的に活性な化合物を調製することへの一般式A、A1又はA2の化合物の使用に関するものである。好ましくは、本発明は、チプラナビルを調製するために式A1又はBで表される化合物(式中、R1は2-フェニルエチルを示し、R2はプロピルを示す)を使用することに関する。
本発明によって得られる有利な点は多種多様である。本発明の方法によって、いままで製造が比較的困難であった鏡像異性体を、卓越した生産性をもって大々的に工業規模で製造する簡易な方法が提供される。本発明の方法によれば、所望の生成物を高収率で得られるだけでなく、いずれの複雑な立体選択合成を行う必要もなく、容易に得られるラセミ混合物を介して処理することで非常に高い鏡像異性体純度で所望の生成物を得ることができる。本方法における個々の工程間に精製工程を加える必要はなく、得られた状態のままで生成物を直接次に供することができる。工程(2)では標準的なHPLC装置を使うことができ、クロマトグラフィーによる分離を連続的又は不連続的に行えばよい。また、SMBクロマトグラフィーのような変形した方法を用いることもでき、クロマトグラフィーによる分離においてさらに良好な結果が得られる。驚くべきことに、ラセミ混合物から始めることで、所望の鏡像異性体が約99.5%過剰の鏡像体過剰率となるように2種の鏡像異性体に分離することができ、工業規模で行えるばかりか、大々的な工業プラントで所望の規模で行うことができる。
このようにして、重要な医薬物質のカテゴリーである非ペプチドHIVプロテアーゼ阻害剤、例えばチプラナビルを得ることができるが、これは、本発明の技術的思想が医薬の分野にとって価値のある重要なものであることを意味している。
以下、本発明を実施例により説明するが、これらの実施例は本発明の思想を限定するものではない。本発明の開示の範囲において、当業者であればさらなる実施形態は明らかであろう。
実施例1:
5-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-3-オキソオクタン酸エチルのラセミ混合物(1)を以下のようにして調製した。
260ml(2.5mol)のジエチルアミンと500mlのテトラヒドロフランとを含む混合物を周囲温度にて窒素雰囲気下に用意した。この混合物を内部温度が-30℃になるまで冷却した。ここで、1.000ml(2.5mol)のn-ブチルリチウムを含むn-ヘキサンを滴下した。できた混合物を15分間攪拌し、158ml(1.25mol)のアセトアセテートを添加した。さらに10分間攪拌した後、150g(0.85mol)の1-フェニル-3-ヘキサノンと100mlのTHFの混合物を滴下した。さらに、-30℃で混合物を2時間攪拌した。反応溶液を1300mlの飽和NH4Cl溶液に加えた。水性相を分離して取り除き、有機相を500mlの飽和NH4Cl溶液と約300mlの2N塩酸と一緒に一回振盪にかけた。水性相を分離して取り除き、有機相を300mlの飽和NaHCO3溶液と一緒に一回振盪にかけた。有機相を再度分取して、真空化で蒸発させて濃縮させた。
収量:296g (> 理論値の100%; 理論値 = 260.4g)、NMR: 純度80%、MS: MH+ = 307、(M-H)- = 305
実施例2
5-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-3-オキソオクタン酸t-ブチルのラセミ混合物(2)を以下のようにして調製した。
260ml(2.5mol)のジエチルアミンと、150ml(1.25mol)の1,3-ジメチルテトラヒドロ-2(1H)-ピリミドン(DMPU)と、500mlのTHFとの混合物を窒素雰囲気下で調製した。この混合物を内部温度が-15℃になるまで冷却し、-15℃〜-10℃で1.000ml(2.5mol)のn-ブチルリチウムを含むn-ヘキサンを滴下した。その後、同じ温度で207ml(1.25mol)のアセト酢酸t-ブチルを1時間以内で滴下した。150ml(0.85mol)の1-フェニル-3-ヘキサノン溶液と100mlのテトラヒドロフランとを1時間以内で滴下し、混合物を30分間攪拌した。さらに、冷却した反応溶液を3.000mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液に添加し、上部の有機相を分取した。水性相は廃棄し、有機相を再度3.000mlの2N塩酸と3.000mlの水で順次抽出した。さらに、真空下で蒸発乾固させた。
NMR: 純度88%
実施例3
実施例1の5-ヒドロキシ-3-ケトエチルエステルのラセミ混合物(1)をSMBシステムを使って2種の鏡像異性体に分割した。SMBシステムには、内径1cmで長さが10cmのカラムが8本収容されていた。以下の条件下でカラムを充填させた。
キラル固定相: 「Chiralpak(キラルパック)(登録商標)AD」(トリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-アミロース)
溶媒: イソプロパノール
圧力: 300bar
さらに、カラムを移動相のメタノールで平衡化させて、下記の条件下で試験を行った。
試料: 10μl、トレガー塩基(1g/l)及びTTBB(1,3,5,-トリ-t-ブチルベンゼン97%) (0.7g/l)
流量: 4ml/分
圧力: 28bar
UV-検出: 250nm
T℃: 25℃
システムにおける平均流量は279.3ml/分で、圧力35barsをシステム内で測定した。
それぞれの値を示す。流量ゾーン1 = 13.00ml/分、流量抽出物 = 3.9ml/分、流量ゾーンII = 9.10ml/分、流量供給材料 = 0.12ml/分、流量ゾーン III = 9.22ml/分、流量精製生成物 = 1.14ml/分、流量ゾーンIV = 8.08ml/分、供給材料 = 100g/l、ΔT(測定最高温度)= 80
所望の鏡像異性体は鏡像体過剰率99.40%(精製物)の純度で得た。もう一方の鏡像異性体は純度が鏡像体過剰率96.70%(抽出物)で単離された。
実施例4
実施例1の5-ヒドロキシ-3-ケトエチルエステルのラセミ混合物(1)をSMBシステムを使って2種の鏡像異性体に分割した。SMBシステムには、内径1cmで長さが10cmのカラムが8本収容されていた。以下の条件下でカラムを充填させた。
キラル固定相: 「Chiralcel(キラルセル)(登録商標)OD」(トリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-セルロース
溶媒: イソプロパノール
圧力: 300bar
その後、カラムを移動相のイソヘキサン/イソプロパノール(90/10)で平衡化させて、下記の条件下で試験を行った。
試料: 10μl、TSO(トリメプラジンスルホキシド)(2g/l) + TTBB (1g/l)
流量: 4ml/分
圧力: 21bar
UV-検出: 250nm
T℃: 25℃
さらにすべての試料を下記の条件下で分析した。
移動相: イソヘキサン/エタノール(98/2)
担体: 「Chiralcel(キラルセル)(登録商標)OD」(10μm 250*4.6mm)
流量: 0.5ml/分
UV-検出: 220nm
試料注入量: 10μl
T℃: 25℃
測定した圧力は23barだった。
それぞれの値を示す。流量ゾーン1 = 18.67ml/分、流量抽出物 = 11ml/分、流量ゾーンII = 7.67ml/分、流量供給材料 = 0.11ml/分、流量ゾーン III = 7.78ml/分、流量精製生成物 = 1.65ml/分、流量ゾーンIV = 6.13ml/分、供給材料 = 100g/l、ΔT = 203.5
カラムがオーバーロードしないように、供給材料の流量を50%以下で開始した。
所望の鏡像異性体は鏡像体過剰率99.64%(精製物)の純度で得られた。もう一方の鏡像異性体は純度が鏡像体過剰率99.15%(抽出物)で単離された。
実施例5
実施例1の5-ヒドロキシ-3-ケトエチルエステルのラセミ混合物(1)をSMBシステムを使って2種の鏡像異性体に分割した。SMBシステムには、内径1cmで長さが10cmのカラムが8本収容されていた。以下の条件下でカラムを充填させた。
キラル固定相: 「Chiralcel(キラルセル)(登録商標)OD」
溶媒: イソプロパノール
圧力: 300bar
その後、実施例4のようにしてカラムの試験を行った。
試料: 10μl、TSO(2g/l)+ TTBB(1g/l)
流量: 4ml/分
圧力: 21bar
UV-検出: 250nm
T℃: 25℃
すべての試料を下記の条件下で分析した。
移動相: イソヘキサン/ブタン-1-オール(90/10)
担体: 「Chiralcel(キラルセル)(登録商標)OD」(10μm 250*4.6mm)
流量: 1ml/分
UV-検出: 220nm
試料注入量: 10μl
T℃: 25℃
カラムがオーバーロードしないように、供給材料の流量を下げて開始した。初期の条件の下では圧力は約15barだった。圧力が約21barとなるようにそれぞれの流量を上げた。
それぞれの値を示す。流量ゾーン1 = 19ml/分、流量抽出物 = 10.50ml/分、流量ゾーンII = 8.50ml/分、流量供給材料 = 0.09ml/分、流量ゾーン III = 8.59ml/分、流量精製生成物 = 2ml/分、流量ゾーンIV = 6.59ml/分、供給材料 = 100g/l、ΔT = 121.2、ΔP (測定された最大圧力)= 23
所望の鏡像異性体は鏡像体過剰率99.79%(精製物)の純度で得られた。もう一方の鏡像異性体は純度が鏡像体過剰率99.39%(抽出物)で単離できた。
実施例6
実施例2の5-ヒドロキシ-3-ケト-t-ブチルエステルのラセミ混合物(2)をSMBシステムを使って2種の鏡像異性体に分割した。SMBシステムには、内径4.8mmで長さが10cmのカラムが8本収容されていた。以下の条件下でカラムを充填させた。
キラル固定相: 「Chiralpak(キラルパック)(登録商標)OD」粒径20μm
溶媒: イソプロパノール
圧力: 300bar
その後、カラムを移動相のイソプロパノールで洗い流し、下記の条件下で試験を行った。
試料: TSO(約3g/l) + TTBB (0.5g/l)を含むイソヘキサン/イソプロパノール(90/10)溶液、10μlを注入。
流量: 4ml/分
UV-検出: 250nm
T℃: 25℃
すべての試料を下記の条件下で分析した。
移動相: イソヘキサン/エタノール(95/5)
担体: 「Chiralcel(キラルセル)(登録商標)OD」(10μm 250*4.6mm)
T℃: 25℃
内径4.8mm、長さ10cmの8本のカラムを備え、キラル固定相800g、供給材料の濃度90g/lのSMBシステムでのパラメータは、以下のとおりであった。
Figure 0004282604
結果、所望の鏡像異性体の方は鏡像体過剰率98.44%(精製物)の純度で得られた。他方の鏡像異性体は純度が鏡像体過剰率99.36%(抽出物)で単離された。
実施例7
実施例3〜5で得られた5-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-3-オキソオクタン酸エチル(1)の所望の鏡像異性体を以下のようにして環化させた。
294g(0.864mol)のキラルケトエステル(1)を、周囲温度で112g(1.7mol)のKOH(85%)と600mlのメタノールを含む混合物と混ぜ合わせた。この混合物を周囲温度で一晩攪拌した。その後、メタノールを留去し、残渣を600mlの水に投入した。300mlのトルエンで2度抽出させ、水性相を新たな500mlのトルエンと混合し、290mlの30%H2SO4を用いてpH値を2未満に調整した。生成物はトルエン相に移動した。酸性の水性相を300mlのトルエンで2度抽出させた。トルエン相を合わせて、逆に300mlの水で3回洗浄し、トルエンを真空下で留去した。
収量:192g(理論値の85.4%)
その後、残渣を580mlのトルエンに溶解させ、385mlのn-オクタンを滴下した。混合物を周囲温度で一晩攪拌し、吸引濾過を行い600mlのn-オクタン/トルエン(1:1)で洗浄した。これを30℃で一晩乾燥させた。
収量:156g(理論値の69.4%) 融点:99〜100℃
実施例8
実施例6で得られた5-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-3-オキソオクタン酸t-ブチルの所望の鏡像異性体を以下のようにして環化させた。
3.3g(0.01mol)のキラルケトエステル(2)を15mlのトリフルオロ酢酸に投入し、周囲温度で一晩放置した。その後、余分なトリフルオロ酢酸を留去し、残渣を12mlのトルエンに投入した。そこに8mlのn-オクタンを添加し、混合物を一晩攪拌した。油状物を析出させ、上澄みの溶媒分をデカンテーションにより取り除いた。残渣を6mlのトルエンに溶解させ、4mlのn-オクタンを混合物が濁るまで添加した。種結晶を少量加え、混合物を一晩攪拌したところ、その間に結晶が析出した。それらを吸引濾過し、5mlのn-オクタン/トルエン(1:1)で洗浄し、真空下35℃で乾燥させた。
本発明の方法を実行するのに好適に使用することができるSMB(擬似移動床)システムの構造を模式的に示すものである。

Claims (10)

  1. 式A1もしくはA2で表される光学活性5-ヒドロキシ-3-ケトエステル又はその互変異性体の製造方法であって、
    Figure 0004282604
    (式中、R1及びR2はそれぞれ互いに独立して、水素又はC1-C8-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C6-C10-アリール及びC1-C8-アルキレン-C6-C10-アリールから選択される基であって、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C4-アルコキシ及びCF3から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよく、R1及びR2は同時に同じ基を意味することはなく、
    3は、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C6-C10-アリール-C1-C8-アルキレン及びトリヒドロカルビルシリルから選択される基をしめす。)
    式A:
    Figure 0004282604
    (式中、R1、R2及びR3は前記定義のとおりである。)
    の5-ヒドロキシ-3-ケトエステルのラセミ混合物を、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、トリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-アミロース及びトリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-セルロースからなる群から選ばれるキラル担体物質上で2種の鏡像異性体5-ヒドロキシ-3-ケトエステルA1及びA2に分割することを特徴とする方法。
  2. 前記2つの分離した鏡像異性体5-ヒドロキシ-3-ケトエステルA1及びA2が、それぞれ、少なくとも95%の光学異性体過剰率で得られる請求項に記載の方法。
  3. 1及びR2がそれぞれ互いに独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル及びフェニルプロピルから選択され、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、メトキシ、エトキシ及びCF3から選択される置換基を有していてもよい請求項1又は2に記載の方法。
  4. 3が、メチル、エチル、プロピル、ブチル及びベンジルから選択されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 1が2-フェニルエチルを示し、かつ、R2がプロピルを示すか、あるいは、R1がプロピルを示し、かつ、R2が2-フェニルエチルを示す請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 3が、t-ブチル又はエチルを示す請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 1が2-フェニルエチル、R2がプロピル、かつ、R3がエチル又はt-ブチルを示す請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記分取HPLCが、擬似移動床(SMB)クロマトグラフィー方式で用いられる請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. 式Bで表される光学活性ジヒドロピロン又はその互変異性体の製造方法であって、
    Figure 0004282604
    (式中、R1及びR2はそれぞれ互いに独立して、水素又はC1-C8-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C6-C10-アリール及びC1-C8-アルキレン-C6-C10-アリールから選択される基であって、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C4-アルコキシ及びCF3から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよく、R1及びR2は同時に同じ基を意味することはない。)
    式A:
    Figure 0004282604
    (式中、R1及びR2は前記定義のとおりであり、R3はC1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C6-C10-アリール-C1-C8-アルキレン及びトリヒドロカルビルシリルからなる群から選ばれる基を示す。)
    の5-ヒドロキシ-3-ケトエステルのラセミ混合物を、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、トリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-アミロース及びトリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)-セルロースからなる群から選ばれるキラル担体物質上で2種の鏡像異性体5-ヒドロキシ-3-ケトエステルA1及びA2:
    Figure 0004282604
    (式中、R1、R2及びR3は前記定義のとおりである。)
    又はそれらの互変異性体の一つに分割し、
    鏡像異性体5-ヒドロキシ-3-ケトエステルA1又はA2の一方を、公知の方法によって環化して式Bで表される光学活性ジヒドロピロンを生成することを特徴とする前記製造方法。
  10. 式中、R1が2-フェニルエチルを示し、かつ、R2がプロピルである請求項記載の製造方法。
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