JP4281496B2 - ステータの製造方法、コイル巻線装置、ステータの製造装置 - Google Patents

ステータの製造方法、コイル巻線装置、ステータの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ステータの製造方法、コイル巻線装置、ステータの製造装置に関し、特に、インサータ方式によるステータの製造方法、インサータ方式にかかるコイル巻線装置及びステータ製造装置に関する。
従来より、インサータ方式によるステータの製造方法、あるいはインサータ方式にかかるステータの製造装置について、様々なものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開平05−236711号公報 特開平07−39119号公報 特開平07−59306号公報
特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている製造方法では、複数本の素線からなる巻線を巻枠に巻き付けて成形しつつ、環状に配置された複数のブレードを有するトランスファツールのうち隣り合うブレード間に挟持させる形態で、成形した巻線をトランスファツールへ移し換え、セットする。次いで、ステータ鉄心をブレードの先端位置に配置させた後、ストリッパを用いて、トランスファツールにセットされている成形済み巻線(コイル)を押し上げつつ、ステータ鉄心のスロット内に挿入する。
ところで、特許文献1、特許文献2、特許文献3にも開示されているように、従来の製造方法では、一つのコイル51のうち少なくともステータ鉄心30のスロット32内へ挿入、配置されるスロット内挿入部53における各素線40を直線状に成形し、一つのコイル51の一部を所定のブレード521間に挟持させる形態で、トランスファツール520へ移し換える(図9参照)。その後、巻線50にテンションをかけつつ巻線50をフライヤ515(あるいはグリッパ)から引き出し、トランスファツール520あるいは巻枠(図示しない)をトランスファツール520の軸線C2周りに回転移動させて渡り部57(隣り合うコイル51を渡る部分)を形成し、引き続き、巻線50を巻枠に巻き付けて次のコイル51を成形しつつ、他のブレード521間に挟持させる形態でトランスファツール520へ移し換える。
しかし、このような手法では、図9に示すように、巻線50にテンションをかけつつ、トランスファツール520あるいは巻枠(図示しない)の少なくともいずれかをトランスファツール520の軸線C2周りに回転移動させて渡り部57を形成する間に、一旦直線状に成形した第1最先端側スロット内挿入部53b(スロット内挿入部53のうち、最もブレード521の先端側に位置し渡り部57と隣り合って連なるスロット内挿入部)が、ブレード521を支点として屈曲してしまうことがあった。このように、スロット32内に最初に挿入される第1最先端側スロット内挿入部53b(図10中黒丸で示す)が、屈曲した状態で、スロット内壁32bと当接しながらスロット32の奥側32X(スロット32を通るステータ鉄心30の径方向のうち外側方向)へ挿入されるので、挿入の抵抗となる。また、挿入の際に、これらがステータ鉄心30の周方向に力を受け、周方向に片寄って配置されてしまう(図10参照)。その上、屈曲した状態でスロット32内に挿入されるので、後から挿入される素線40が奥側32Xへ進むのを妨害する形となり、図10に示すように、スロット32内のうち奥側32Xに素線40が配置されていないデッドスペースDSができてしまうことがあった。特に、占積率の高い(例えば、占積率60%以上)ステータを製造しようとする場合には、デッドスペースDSの存在により、挿入すべき素線40の一部がスロット32内に挿入できず、ステータ鉄心30の内周からはみ出してしまうなどの不具合を生じることもあった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、スロット内のうち奥側に素線が配置されていないデッドスペースができるのを抑制できるステータの製造方法、第1最先端側スロット内挿入部における各素線を直線状とすることができるコイル巻線装置、スロットの奥まで素線が配置されたステータを製造することが可能なステータの製造装置を提供することを目的とする。
その解決手段は、複数本の素線からなる巻線を予め巻回して成形したコイルの一部を、表面及び裏面を有し内歯形状のステータ鉄心に形成されたスロット内に挿入、装着してなるステータの製造方法であって、上記巻線を成形して、所定ターン数ずつ巻回されてコイルをなす複数のコイル部と、このコイル部同士の間を渡る渡り部と、を有する挿入用成形済み巻線としつつ、上記コイル部のうちの挟持部を、環状に配置された複数のブレードを有するトランスファツールのうち隣り合うブレード間に挟持させる形態で、上記挿入用成形済み巻線を上記トランスファツールにセットする巻線成形セット工程と、セットされた上記挿入用成形済み巻線を、ストリッパで上記ブレードに沿って移動させ、上記挿入用成形済み巻線のうち上記コイル部のスロット内挿入部を、上記ステータ鉄心の上記スロット内に挿入、配置すると共に、上記コイル部のうち上記スロット内挿入部以外のコイルエンド部及び上記渡り部を上記ステータ鉄心の上記表面上あるいは上記裏面上に配置する巻線挿入工程と、を含み、上記巻線成形セット工程は、上記挟持部のうち最も上記ブレードの先端側に位置する最先端側挟持部から上記渡り部までの部分に、上記各素線が直線状に成形された上記スロット内挿入部を含む形状に、あるいは上記最先端側挟持部を含み上記渡り部までの部分が、上記各素線が直線状に成形された上記スロット内挿入部となる形状に、上記挿入用成形済み巻線を成形しつつ、上記トランスファツールにセットするステータの製造方法である。
本発明のステータの製造方法では、最先端側挟持部から渡り部までの部分に、各素線が直線状に成形されたスロット内挿入部を含む形状に、挿入用成形済み巻線を成形しつつ、トランスファツールにセットする。あるいは、最先端側挟持部を含み渡り部までの部分が、各素線が直線状に成形されたスロット内挿入部となる形状に、挿入用成形済み巻線を成形しつつ、トランスファツールにセットする。すなわち、本発明の製造方法では、従来と異なり、第1最先端側スロット内挿入部(スロット内挿入部のうち、最もブレードの先端側の位置で渡り部と隣り合って連なるスロット内挿入部を、屈曲させることなく、直線状に成形セットさせている。
このため、トランスファツールにセットされている挿入用成形済み巻線を、ストリッパを用いてステータ鉄心のスロット内に挿入したとき、スロット内に最初に挿入される第1最先端側スロット内挿入部がスロットの奥側(スロットを通るステータ鉄心の径方向のうち外側方向を言う。以下同じ)にスムーズに挿入させることができる。すなわち、従来と異なり、スロット内に最初に挿入される第1最先端側スロット内挿入部が、屈曲した状態で、スロット内壁と当接しながらスロットの奥側へ挿入されることがなく、また、ステータ鉄心の周方向に力を受け、周方向に片寄って配置されることもない。従って、本発明の製造方法によれば、概略挿入の順序にしたがって奥側から順に素線がスロット内に詰め込まれ、スロット内のうち奥側に素線が配置されていないデッドスペースができるのを抑制することができる。
なお、本発明の製造方法は、スロットに対する巻線の占積率が、例えば、60%以上というような高い値のステータを製造する場合において、特に有効である。スロットに対する巻線の占積率が60%以上という高い値のステータを製造する場合、その製造に際してスロット内に巻線を挿入するとき、僅かなデッドスペースができてしまうだけで、最後に挿入する素線の挿入が困難となり、あるいはウエッジ紙を挿入するのが困難となり、不良となる虞がある。これに対し、本発明の製造方法によれば、上述のように、スロット内のうち奥側に素線が配置されていないデッドスペースができるのを抑制することができるので、占積率が60%以上というような高い値のステータを製造する場合でも、適切に製造することができる。
ここで、占積率とは、スロットの中に占める素線(絶縁被覆を含む)の割合をいう。一般に、素線(絶縁被覆を含む)の半径をr(m)、スロット内の素線数をn、スロット断面積(スロット紙等の絶縁物を除いた有効スロット断面積)をA(m2)としたとき、占積率S(%)は、S=(nπr2/A)×100として求められる。
また、複数本の素線からなる巻線を予め巻回して成形したコイルの一部を、表面及び裏面を有し内歯形状のステータ鉄心に形成されたスロット内に挿入、装着してなるステータの製造方法であって、上記巻線を成形して、所定ターン数ずつ巻回されてコイルをなす複数のコイル部と、このコイル部同士の間を渡る渡り部と、を有する挿入用成形済み巻線としつつ、上記コイル部のうちの挟持部を、環状に配置された複数のブレードを有するトランスファツールのうち隣り合うブレード間に挟持させる形態で、上記挿入用成形済み巻線を上記トランスファツールにセットする巻線成形セット工程と、セットされた上記挿入用成形済み巻線を、ストリッパで上記ブレードに沿って移動させ、上記挿入用成形済み巻線のうち上記コイル部のスロット内挿入部を、上記ステータ鉄心の上記スロット内に挿入、配置すると共に、上記コイル部のうち上記スロット内挿入部以外のコイルエンド部及び上記渡り部を上記ステータ鉄心の上記表面上あるいは上記裏面上に配置する巻線挿入工程と、を含み、上記巻線成形セット工程では、上記スロット内挿入部のうち最も上記ブレードの先端側に位置する最先端側スロット内挿入部における上記各素線を、直線状に成形するステータの製造方法が好ましい
のステータの製造方法では、巻線成形セット工程において、最先端側スロット内挿入部における各素線を、直線状に成形する。すなわち、第1最先端側スロット内挿入部(スロット内挿入部のうち、最もブレードの先端側の位置で渡り部と隣り合って連なるスロット内挿入部)を含む最先端側スロット内挿入部における各素線を、いずれも直線状に成形する。このため、トランスファツールにセットされている挿入用成形済み巻線を、ストリッパを用いてステータ鉄心のスロット内に挿入すると、スロット内に最初に挿入される最先端側スロット内挿入部がスロットの奥側(スロットをステータ鉄心の径方向に見たとき、ステータ鉄心の径方向外側)へスムーズに挿入される。
すなわち、従来と異なり、スロット内に最初に挿入される第1最先端側スロット内挿入部が、屈曲した状態で、スロット内壁と当接しながらスロットの奥側へ挿入され、ステータ鉄心の周方向に力を受け、周方向に片寄って配置されることがない。同様に、最先端側スロット内挿入部のうち、第1最先端側スロット内挿入部とは異なる最先端側スロット内挿入部(以下、第2最先端側スロット内挿入部とも言う)についても、周方向に片寄って配置されることがない。従って、の製造方法によれば、概略挿入の順序にしたがって奥側から順に素線がスロット内に詰め込まれ、スロット内のうち奥側に素線が配置されていないデッドスペースができるのを抑制することができる。
なお、の製造方法は、スロットに対する巻線の占積率が、例えば、60%以上というような高い値のステータを製造する場合において、特に有効である。スロットに対する巻線の占積率が60%以上という高い値のステータを製造する場合、その製造に際してスロット内に巻線を挿入するとき、僅かなデッドスペースができてしまうだけで、最後に挿入する素線の挿入が困難となり、あるいはウエッジ紙を挿入するのが困難となり、不良となる虞がある。これに対し、の製造方法によれば、上述のように、スロット内のうち奥側に素線が配置されていないデッドスペースができるのを抑制することができるので、占積率が60%以上というような高い値のステータを製造する場合でも、適切に製造することができる。
さらに、上記いずれかのステータの製造方法であって、前記巻線成形セット工程では、前記スロット内挿入部における前記各素線のいずれについても直線状に成形するステータの製造方法とすると良い。
本発明の巻線成形セット工程では、スロット内挿入部における各素線のいずれについても、屈曲部を有することなく、直線状に成形する。このため、トランスファツールにセットされている挿入用成形済み巻線を、ストリッパを用いてステータ鉄心のスロット内に挿入すると、スロット内挿入部が、ブレードの先端側から順に、スロットの奥側へスムーズに挿入される。従って、いずれのスロットについても、概略挿入の順序にしたがって奥側から順に素線がスロット内に詰め込まれ、スロット内にデッドスペースができるのを抑制することができる。
このような本発明の製造方法は、例えば、占積率が60%以上というような高い値のステータを製造する場合において、特に有効である。すなわち、スロット内にデッドスペースができるのを抑制することができるので、占積率が60%以上というような高い値のステータを製造する場合でも、適切に製造することができる。
他の解決手段は、複数本の素線からなる巻線を巻枠に巻き付けて成形しつつ、環状に配置された複数のブレードを有するトランスファツールのうち隣り合うブレード間に挟持させる形態で、上記成形した巻線を上記トランスファツールへ移し換え、所定ターン数ずつ巻回されてコイルをなす複数のコイル部とこのコイル部同士の間を渡る渡り部とを有する挿入用成形済み巻線を、上記トランスファツールにセットするコイル巻線装置であって、一つのコイル部のうち少なくともステータ鉄心のスロット内へ挿入、配置されるスロット内挿入部における上記各素線を直線状に成形し、上記一つのコイル部の一部を所定の上記ブレード間に挟持させる形態で、上記トランスファツールへ移し換えた後、上記巻線にテンションをかけつつ上記巻線を引き出し、上記トランスファツール及び上記巻枠の少なくともいずれかを上記トランスファツールの軸線周りに回転移動させて上記渡り部を形成し、引き続き、上記巻線を上記巻枠に巻き付けて次のコイル部を成形し、他の上記ブレード間に挟持させる形態で上記トランスファツールへ移し換えるにあたり、上記一つのコイル部の上記スロット内挿入部のうち最も上記ブレードの先端側に位置するものを最先端側スロット内挿入部としたとき、この最先端側スロット内挿入部のうち上記渡り部と隣り合って連続する第1最先端側スロット内挿入部における上記各素線の屈曲を防止する屈曲防止機構を備え、上記屈曲防止機構は、上記ブレードよりも上記トランスファツールの径方向外側に配置された屈曲部材であって、上記巻線にテンションをかけつつ上記巻線を引き出し、上記トランスファツール及び上記巻枠の少なくともいずれかを上記トランスファツールの軸線周りに回転移動させて上記渡り部を形成するにあたり、上記巻線を当該屈曲部材に回し掛けて、上記第1最先端側スロット内挿入部を直線状に保ちつつ、当該屈曲部材に接触する部位で上記巻線を屈曲させる屈曲部材、を含むコイル巻線装置である。
従来のコイル巻線装置では、巻線にテンションをかけつつ、トランスファツール及び巻枠の少なくともいずれかをトランスファツールの軸線周りに回転移動させて渡り部を形成する間に、一旦直線状に成形した第1最先端側スロット内挿入部が、ブレードを支点として屈曲してしまうことがあった。これにより、スロット内に最初に挿入される第1最先端側スロット内挿入部が、屈曲した状態で、スロット内壁と当接しながらスロットの奥側へ挿入されると、スムーズな挿入が妨げられる。また、ステータ鉄心の周方向に力を受け、周方向に片寄って配置されてしまうことがあった。これによって、スロット内のうち奥側に素線が配置されていないデッドスペースができてしまうことがあった。
これに対し、本発明のコイル巻線装置は、巻線にテンションをかけつつ巻線を引き出し、トランスファツール及び巻枠の少なくともいずれかをトランスファツールの軸線周りに回転移動させて渡り部を形成し、引き続き、巻線を巻枠に巻き付けて次のコイル部を成形し、他のブレード間に挟持させる形態でトランスファツールへ移し換えるにあたり、第1最先端側スロット内挿入部における各素線の屈曲を防止する屈曲防止機構を備えている。この屈曲防止機構は、ブレードよりもトランスファツールの径方向外側に配置された屈曲部材を含んでいる。この屈曲部材は、巻線にテンションをかけつつ巻線を引き出し、トランスファツール及び巻枠の少なくともいずれかをトランスファツールの軸線周りに回転移動させて渡り部を形成するにあたり、巻線を当該屈曲部材に回し掛けて、第1最先端側スロット内挿入部を直線状に保ちつつ、屈曲部材に接触する部位で巻線を屈曲させる。
これにより、最終的に、トランスファツールにセットされた挿入用成形済み巻線について、第1最先端側スロット内挿入部における各素線を直線状とすることができる。
このため、トランスファツールにセットされている挿入用成形済み巻線を、ストリッパを用いてステータ鉄心のスロット内に挿入した場合、スロット内挿入部を、ブレードの先端側から順に、スロットの奥側へスムーズに挿入させることが可能となる。これにより、スロット内の奥側にデッドスペースができるのを抑制することができる。
なお、本発明のコイル巻線装置は、例えば、占積率が60%以上というような高い値のステータを製造する場合において、特に有効である。すなわち、本発明のコイル巻線装置を用いることで、スロット内の奥側にデッドスペースができるのを抑制することができるので、占積率が60%以上というような高い値のステータを製造する場合でも、適切に製造することができる。また、上述のような屈曲部材を含む変形防止機構は、極めて構造が簡易で、安価となる。
他の解決手段は、前記のコイル巻線装置と、前記ステータ鉄心を前記ブレードの先端位置に配置させた状態で、前記トランスファツールにセットされた前記挿入用成形済み巻線を、上記トランスファツールの軸線方向に上記ステータ鉄心側へ押し出しつつ上記ステータ鉄心のスロット内に挿入するストリッパと、を備えるステータの製造装置である。
本発明のステータの製造装置は、前述の屈曲防止機構を有するコイル巻線装置と、トランスファツールにセットされた挿入用成形済み巻線を、トランスファツールの軸線方向にステータ鉄心側へ押し出しつつステータ鉄心のスロット内に挿入するストリッパとを備えている。このような製造装置を用いることで、スロット内の奥側にデッドスペースが生じることなく、スロットの奥まで素線が配置されたステータを製造することが可能となる。
なお、本発明のステータの製造装置は、例えば、占積率が60%以上というような高い値のステータを製造する場合において、特に有効である。すなわち、本発明のコイル巻線装置を用いることで、スロット内の奥側にデッドスペースが生じることなく、スロットの奥まで素線を配置できるので、占積率が60%以上というような高い値のステータを製造する場合でも、適切に製造することができる。
また、内歯形状のステータ鉄心と、複数本の素線からなる巻線を用い、この巻線を予め巻回成形し、上記内歯で構成されるスロット内にその一部を挿入、装着して形成された複数のコイル、及び隣り合う上記コイル同士の間を渡る渡り部と、を備え、上記コイルをなす上記巻線のうち上記スロット内に挿入されている部分をスロット内挿入部とし、このスロット内挿入部のうち上記スロットの奥側から延びる上記渡り部に隣り合って連なる部分を第1先端側スロット内挿入部としたとき、いずれの上記コイルについても、上記第1先端側スロット内挿入部が、他のスロット内挿入部よりも上記スロット内で奥側に位置してなるステータが好ましい
のステータは、それぞれのコイルについて、スロット内挿入部のうち、スロットの奥側から延びる渡り部に隣り合って連なる第1先端側スロット内挿入部が、他のスロット内挿入部よりもスロット内で奥側に位置している。このように第1先端側スロット内挿入部が、他のスロット内挿入部よりもスロット内で奥側に挿入、配置されたステータは、デッドスペースが生じることなく、スロットの奥から口元まで素線を適切に配置できる。
さらに、上記のステータであって、前記スロットに対する前記巻線の占積率を60%以上としてなるステータが好ましい
スロットに対する巻線の占積率が60%以上という高い値のステータの場合、その製造に際してスロット内に巻線を挿入するとき、僅かなデッドスペースができてしまうだけで、最後に挿入する素線の挿入が困難となり、あるいはウエッジ紙を挿入するのが困難となり、不良となる場合がある。このため、従来のように、第1先端側スロット内挿入部が屈曲した状態でスロット内に巻線(スロット内挿入部)が挿入されたステータでは、するスロットの奥側にデッドスペースができてしまうことによって、製造が困難となることがあった。
これに対し、のステータは、前述のように、第1先端側スロット内挿入部を、他のスロット内挿入部よりもスロット内で奥側に位置させている。従って、デッドスペースが生じることなく、スロットの奥から口元まで高密度で素線を配置できるので、容易に、占積率が60%以上のステータとすることができる。このため、のステータは、モータに用いた場合、従来のステータに比して、高出力、小型、軽量とすることができる。
また、上記いずれかのステータと、ロータと、を備えるモータが好ましい
のモータを構成するステータは、それぞれのコイルについて、スロット内挿入部のうち、スロットの奥側から延びる渡り部に隣り合って連なる第1スロット内挿入部が、他のスロット内挿入部よりもスロット内で奥側に位置している。このように第1スロット内挿入部が挿入、配置されたステータは、素線がスロットの奥から口元まで高密度で配置される。従って、スロットに対する巻線の占積率が、例えば、60%以上というような高い値のステータとすることができる。
このため、のモータは、従来のように、スロット内の奥側にデッドスペースができてしまい、スロットに対する巻線の占積率が低いステータを備えるモータに比して、高出力、小型、軽量とすることができる。
次に、本発明の実施例について、図面を参照しつつ説明する。
(実施例)
まず、本実施例にかかるモータ10について、図1を参照して説明する。このモータ10は、ロータ11とステータ20とからなる三相モータである。このうち、ロータ11は、回転軸12を中心とする円筒形のロータ本体13と、マグネット14とからなる8極の永久磁石ロータである。マグネット14は、ロータ本体13に、平面視花びらのように、外周面近傍に沿ってジグザグに形成したスリット13Sにそれぞれ挿入固着してなる。一方、ステータ20はこのロータ11を包囲するように配置されている。
このステータ20は、3相8極の分布巻きステータである。ステータ20は、図2に示すように、平面視リング状で、48ヶのティース(内歯)31及びスロット32を有するステータ鉄心30を備える。また、それぞれ8ヶのU相コイル51,V相コイル61,W相コイル71を備える。これらのコイルは、U相,V相,W相の各相毎にU相巻線50,V相巻線60,W相巻線70を所定のスロット32に挿入しティース31に分布巻きによって巻き付けて形成してなる。U相巻線50,V相巻線60,W相巻線70は、それぞれ一端にU相端子50T,V相端子60T,W相端子70Tを有し、他端は共通端子79によって終端されている。
なお、本実施例では、このようなステータ20について、スロット32に対する巻線(U相巻線50,V相巻線60,W相巻線70)の占積率を約70%としている。ここで、占積率とは、スロット32の中に占める素線40(絶縁被覆を含む)の割合をいう。本実施例では、素線40(絶縁被覆を含む)の半径をr(m)、スロット32内の素線数をn、スロット断面積(スロット紙等の絶縁物を除いた有効スロット断面積)をA(m2)としたとき、占積率S(%)を、S=(nπr2/A)×100として求めている。
また、図1及び図2では、U相コイル51,V相コイル61,W相コイル71における各相の巻線50,60,70の巻き方(時計回りと反時計回り)の違いを示すため、各相のコイル51等の側部に「ドット(・印)」及び「クロス(×印)」を示した。各相のコイル51等のうち、「ドット」で示される側は、各相の端子50T,60T,70Tに近く、「クロス」で示される側は共通端子79に近いことを示している。これにより理解できるように、各相の8ヶのコイル51,61,71は、それぞれ巻き付け方が交互に逆向きになっており、隣り合うコイルが逆極性となることが判る。
次に、このようなステータ20を製造する製造装置100の概略図を図3に示す。製造装置100は、図3に示すように、巻線機110と、巻線機110の下方に配置されたトランスファツール120と、ストリッパ130とを有している。このうち、巻線機110は、公知の巻線機であり、巻枠111と、この巻枠111を保持して軸線C1方向(図中上下方向)に移動可能な支持板112と、巻枠111の径方向外側に位置し、複数(本実施例では10本)の素線40からなる巻線(U相巻線50,V相巻線60,W相巻線70)を挿通させたフライヤ115とを備えている。このフライヤ115は、軸線C1周りに回転可能に設けられており、フライヤ115を高速で巻枠111の周りに旋回させつつ、支持板112と共に巻枠111を下降させることにより、巻枠111に巻線(U相巻線50等)を螺旋状に巻き付けることができる。
さらに、この巻線機110には、支持板112に対し軸線C1方向(図中上下方向)に摺動可能に装着された複数のコイル落し113と、このコイル落し113の下端部に固設された押板114とが設けられている。このため、所定ターン数(本実施例では5ターン)の巻線(U相巻線50等)を巻枠111の周りに巻き付け、一つのコイル部(U相コイル部51b,V相コイル部61b,W相コイル部71b)を形成した後、コイル落し113を下方に移動させることで、押板114によって巻枠111に巻き付けられているコイル部を下方に押し出し、下方に配置されているトランスファツール120に移載することができる(図6参照)。なお、フライヤ115は、軸線C1方向(図中上下方向)にも移動可能に設けられており、コイル落し113と同期して、下方に移動するように構成されている。
本実施例では、巻線機110によって成形され、トランスファツール120にセットされた巻線(U相巻線50等)を挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b、挿入用成形済みV相巻線60b、挿入用成形済みW相巻線70b)とする。この挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)のうち、巻線(U相巻線50等)が5ターンずつ巻回されコイルをなす部分をコイル部(U相コイル部51b,V相コイル部61b,W相コイル部71b)とし、このコイル部(U相コイル部51b等)同士の間を渡る部分を渡り部(U相渡り部57,V相渡り部67,W相渡り部77)とする。
さらに、トランスファツール120の隣り合うブレード121の間に挟持された部分を挟持部(U相挟持部54,V相挟持部64,W相挟持部74)とし、この挟持部(U相挟持部54等)のうち、最もブレード121の先端側(図4中上方側)に位置するものを最先端側挟持部(最先端側U相挟持部54b,最先端側V相挟持部64b,最先端側W相挟持部74b)とする(図4,図7参照)。
さらに、コイル部(U相コイル部51b等)のうち、ステータ鉄心30のスロット32内に挿入される部分をスロット内挿入部(U相スロット内挿入部53,V相スロット内挿入部63,W相スロット内挿入部73)とする。また、ステータ鉄心30の表面30b上に配置される部分を表面側コイルエンド部(表面側U相コイルエンド部56b,表面側V相コイルエンド部66b,表面側W相コイルエンド部76b)、裏面30c上に配置される部分を裏面側コイルエンド部(裏面側U相コイルエンド部56c,裏面側V相コイルエンド部66c,裏面側W相コイルエンド部76c)とする(図4,図7参照)。
なお、本実施例では、挟持部(U相挟持部54等)は、スロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)に含まれている。換言すれば、コイル部(U相コイル部51b等)は、スロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)において、ブレード121間に挟持される。
さらに、スロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)のうち、トランスファツール120のブレード121の最も先端側(図中上側)に位置するものを最先端側スロット内挿入部(最先端側U相スロット内挿入部53c,最先端側V相スロット内挿入部63c,最先端側W相スロット内挿入部73c)とする。さらに、この最先端側スロット内挿入部(最先端側U相スロット内挿入部53c等)のうち、渡り部(U相渡り部57等)と隣り合って連続するものを第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b,第1最先端側V相スロット内挿入部63b,第1最先端側W相スロット内挿入部73b)とする(図4,図7参照)。
トランスファツール120は、ベース部123と、このベース部123から軸線C2方向に延びる複数(本実施例では24本)のブレード121と、このブレード121よりもトランスファツール120の径方向外側の位置で軸線C2方向に延びる複数(本実施例では8本)の屈曲部材125とを有している(図3,図5参照)。このうち、ブレード121は、図5に示すように、1本の可動ブレード121c(軸線C2方向に移動可能)とこの可動ブレード121cの両側に配置された2本の固定ブレード121bとの計3本のブレード121の組が、コイルを挿入しようとするスロット32を構成するティース31の位置に対応するように、計8組、軸線C2の周りに等間隔で、環状に配置されている。
屈曲部材125は、図5に示すように、ブレード121よりも径方向外側の位置で、隣接する2本の屈曲部材125の組が、計4組、軸線C2の周りに等間隔で、環状に配置されている。詳細には、屈曲部材125は、直線状に成形された第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b等)を径方向外側に延長した仮想延長線Kと接する位置に配置されている。このような屈曲部材125を設けることで、後に詳述するが、巻線(U相巻線50等)にテンションをかけつつフライヤ115から巻線(U相巻線50等)を引き出し、トランスファツール120を軸線C2周りに回転移動させて渡り部(U相渡り部57等)を形成するにあたり、巻線(U相巻線50等)をこの屈曲部材125に回し掛けて、第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b等)を直線状に保ちつつ、屈曲部材125に接触する部位で巻線(U相巻線50等)を屈曲させることができる(図4参照)。すなわち、本実施例では、屈曲部材125が、第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b等)における各素線40の屈曲を防止する屈曲防止機構を構成している。
なお、この屈曲部材125は、ベース部123に対し、着脱可能に設けられている。このため、後に詳述するが、トランスファーツール120にセットされた挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)を、ステータ鉄心30のスロット32内に挿入する際、屈曲部材125をベース部123から取り外すことにより、屈曲部材125によって挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)の挿入が妨げられないようにできる。
なお、本実施例では、巻線機110とトランスファツール120とによって、コイル巻線装置101が構成されている。
ストリッパ130は、公知のストリッパであり、軸線C2方向に移動可能に設けられている(図3,図6参照)。後に詳述するが、このストリッパ130を上方に移動させることで、トランスファーツール120にセットされた挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)を、ステータ鉄心30のスロット32内に挿入することができる。
次に、このようなステータの製造装置100を用いたステータ20の製造方法について説明する。
まず、巻線成形セット工程において、巻線機110によって巻線(U相巻線50等)を成形し、挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)をトランスファツール120にセットする。具体的には、図3に示すように、巻線機110のフライヤ115を高速で巻枠111の周りに旋回させながら、支持板112と共に巻枠111を下降させ、巻枠111に巻線(U相巻線50等)を螺旋状に巻き付けていく。このとき、巻枠111に巻き付けられた巻線(U相巻線50等)は、巻枠111が下降するのに伴い、順に、トランスファツール120の隣り合うブレード121の間に挿入されていく。このようにして、所定ターン数(本実施例では5ターン)の巻線(U相巻線50等)を巻枠111の周りに巻き付け、一つのコイル部(U相コイル部51b等)を形成する。なお、形成されたコイル部(U相コイル部51b等)のうち、スロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)における各素線40は、直線状に成形されている(図4参照)。
次いで、コイル落し113を下方に移動させると、押板114によって巻枠111に巻き付けられているコイル部(U相コイル部51b等)が下方に押し出され、図4に示すように、トランスファツール120に移し換えられる。このとき、フライヤ115を、コイル部(U相コイル部51b等)と共に下方に移動させ、コイル部(U相コイル部51b等)の略側方に配置させる。なお、図4では、左側に位置するコイル部(U相コイル部51b等)が、図3に示されているコイル部(U相コイル部51b等)を移し換えたものに相当し、右側に位置するコイル部(U相コイル部51b等)は、これより先にトランスファツール120に移し換えられたコイル部(U相コイル部51b等)を示している。
次いで、図4に示すように、新たに成形するコイル部(U相コイル部51b等)を所定のブレード121間に挟持させるために、トランスファツール120を軸線C2周りに、所定の角度(本実施例では約45°)だけ回転移動させる。このとき、巻線(U相巻線50等)にテンションをかけつつ、フライヤ115から巻線(U相巻線50等)を引き出し、渡り部(U相渡り部57等)を形成する。
ところで、本実施例では、前述のように、直線状に成形された第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b等)を径方向外側に延長した仮想延長線Kと接する位置に、屈曲部材125を配置させている(図5参照)。このため、上記のように、トランスファツール120を軸線C2周りに回転移動させ、渡り部(U相渡り部57等)を形成する際、巻線(U相巻線50等)を屈曲部材125に回し掛けて、第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b等)を直線状に保ちつつ、屈曲部材125に接触する部位で巻線(U相巻線50等)を屈曲させることができる(図4参照)。
このようにして、コイル部(U相コイル部51b等)及び渡り部(U相渡り部57等)を順次形成し、図5に示すように、スロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)における各素線40のいずれもが直線状に成形された挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)をトランスファーツール120にセットすることができる。
次に、巻線挿入工程において、トランスファーツール120にセットされた挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)をステータ鉄心30のスロット32内に挿入する。具体的には、トランスファーツール120に挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)をセットした後、図6に示すように、屈曲部材125をベース部123から取り外し、各ブレード121がスロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)を挿入しようとするスロット32を構成するティース31の位置に対応するように、ステータ鉄心30をブレード121の先端位置に配置させる。次いで、ストリッパ130を上方に移動させることで、トランスファーツール120にセットされた挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)を、ステータ鉄心30のスロット32内に挿入させる。
このとき、スロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)は、第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b)を含めた最先端側スロット内挿入部(最先端側U相スロット内挿入部53c等)がスロット内に最初に挿入され、ブレード121の先端側に位置するスロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)から順に、スロット32内に挿入される。なお、本実施例では、固定ブレード121bに挟まれた可動ブレード121cを、ストリッパ130の上昇と共に上昇させることで、ブレード121とスロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)との間の摩擦を軽減させている。
以上のようにして、挿入用成形済みU相巻線50b、挿入用成形済みV相巻線60b、及び挿入用成形済みW相巻線70bをそれぞれスロット32内に挿入させた後、表面側コイルエンド部(表面側U相コイルエンド部56b等)及び裏面側コイルエンド部(裏面側U相コイルエンド部56c等)を整形し、図7に示す、ステータ20が完成する。
ところで、本実施例では、前述のように、第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b等)を含め、スロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)における各素線40のいずれもを直線状に成形している(図5参照)。このため、挿入用成形済み巻線(挿入用成形済みU相巻線50b等)をステータ鉄心30のスロット32内に挿入すると、スロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)が、最先端側スロット内挿入部(最先端側U相スロット内挿入部53c等)から順に、スロット32の奥側32Xへスムーズに挿入される。
これにより、図8に示すように、第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b)を含め、最先端側スロット内挿入部(最先端側U相スロット内挿入部53c等)における各素線40を、他のスロット内挿入部(U相スロット内挿入部53等)よりもスロット32内で奥側32Xに位置させることができる。従って、スロット32内にデッドスペースができることなく、素線40をスロット32内の奥側32Xから順に高密度で配置できる。このため、挿入すべき全ての素線40をスロット32内に挿入でき、さらに、ウエッジ紙25を無理なく適切にスロット32内に挿入することができる。
このように、スロット32に対する巻線(U相巻線50等)の占積率を60%以上(本実施例では約70%)としたステータ20を確実に製造することができる。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例では、屈曲部材125をトランスファツール120に設けたが、巻線機110に設けるようにしても良い。あるいは、別途、屈曲部材125を有する屈曲防止装置を設けるようにしても良い。また、実施例では、屈曲部材125を屈曲防止機構として用いたが、第1最先端側スロット内挿入部(第1最先端側U相スロット内挿入部53b)の屈曲を防止できる機構であればいずれの機構でも良く、例えば、屈曲防止装置を別途設けるようにしても良い。
また、実施例では、3相8極分布巻きのステータ20を製造したが、本発明は、任意の複数相、複数極のいずれの分布巻きステータについても適用することができる。また、分布巻に限らず、集中巻のステータにも適用することができる。
また、実施例では、一つのコイル部(U相コイル部51b,V相コイル部61b,W相コイル部71b)のターン数を5ターンとしたが、5ターンに限らず、要求される出力等に応じて適宜変更することができる。
また、実施例では、トランスファツール120を軸線C2の周りに回転移動させて、順に、成形した各コイル部(U相コイル部51b等)をトランスファツール120に移し換えたが、巻枠111をトランスファツール120を軸線C2の周りに回転移動させるようにしても良い。
また、実施例では、フライヤ115を巻枠111の周りに旋回させて巻枠111に巻線(U相巻線50等)を巻き付けたが、軸線C1を回転軸として、巻枠111を回転させるようにしても良い。
実施例にかかるモータ10の模式図である。 実施例にかかるステータ20の模式図である。 実施例にかかるステータの製造装置100の概略図である。 実施例にかかるステータの製造装置100(コイル巻線装置101)による巻線成形セット工程の要部を説明するための斜視図である。 トランスファーツール120に挿入用成形済みU相巻線50bをセットしたときの模式図である。 トランスファーツール120にセットされた挿入用成形済みU相巻線50bをステータ鉄心30のスロット32内に挿入する巻線挿入工程を説明する説明図である。 ステータ鉄心30のスロット32内に挿入された挿入用成形済みU相巻線50bを模式的に表した正面図である。 図7のA−A断面図であり、スロット32内に挿入された素線40(スロット内挿入部53)の配列を示す。 従来のステータの製造装置500による巻線成形セット工程の要部を説明するための斜視図である。 従来のステータの製造装置500を用いてスロット32内に挿入された素線40(スロット内挿入部53)の配列を示す断面図である。
符号の説明
10 モータ
20 ステータ
30 ステータ鉄心
32 スロット
40 素線
50 U相巻線(巻線)
50b 挿入用成形済みU相巻線(挿入用成形済み巻線)
51 U相コイル(コイル)
51b U相コイル部(コイル部)
53 U相スロット内挿入部(スロット内挿入部)
53b 第1最先端側U相スロット内挿入部(第1最先端側スロット内挿入部)
53c 最先端側U相スロット内挿入部(最先端側スロット内挿入部)
54 U相挟持部(挟持部)
54b 最先端側挟持部(最先端側U相挟持部)
56b 表面側U相コイルエンド部(表面側コイルエンド部)
56c 裏面側U相コイルエンド部(裏面側コイルエンド部)
57 U相渡り部(渡り部)
100,500 ステータの製造装置
101 コイル巻線装置
110 巻線機
111 巻枠
115,515 フライヤ
120,520 トランスファツール
121,521 ブレード
125 屈曲部材
130 ストリッパ

Claims (4)

  1. 複数本の素線からなる巻線を予め巻回して成形したコイルの一部を、表面及び裏面を有し内歯形状のステータ鉄心に形成されたスロット内に挿入、装着してなるステータの製造方法であって、
    上記巻線を成形して、所定ターン数ずつ巻回されてコイルをなす複数のコイル部と、このコイル部同士の間を渡る渡り部と、を有する挿入用成形済み巻線としつつ、上記コイル部のうちの挟持部を、環状に配置された複数のブレードを有するトランスファツールのうち隣り合うブレード間に挟持させる形態で、上記挿入用成形済み巻線を上記トランスファツールにセットする巻線成形セット工程と、
    セットされた上記挿入用成形済み巻線を、ストリッパで上記ブレードに沿って移動させ、上記挿入用成形済み巻線のうち上記コイル部のスロット内挿入部を、上記ステータ鉄心の上記スロット内に挿入、配置すると共に、上記コイル部のうち上記スロット内挿入部以外のコイルエンド部及び上記渡り部を上記ステータ鉄心の上記表面上あるいは上記裏面上に配置する巻線挿入工程と、を含み、
    上記巻線成形セット工程は、
    上記挟持部のうち最も上記ブレードの先端側に位置する最先端側挟持部から上記渡り部までの部分に、上記各素線が直線状に成形された上記スロット内挿入部を含む形状に、
    あるいは上記最先端側挟持部を含み上記渡り部までの部分が、上記各素線が直線状に成形された上記スロット内挿入部となる形状に、
    上記挿入用成形済み巻線を成形しつつ、上記トランスファツールにセットする
    ステータの製造方法。
  2. 請求項1に記載のステータの製造方法であって、
    前記巻線成形セット工程では、前記スロット内挿入部における前記各素線のいずれについても直線状に成形する
    ステータの製造方法。
  3. 複数本の素線からなる巻線を巻枠に巻き付けて成形しつつ、環状に配置された複数のブレードを有するトランスファツールのうち隣り合うブレード間に挟持させる形態で、上記成形した巻線を上記トランスファツールへ移し換え、所定ターン数ずつ巻回されてコイルをなす複数のコイル部とこのコイル部同士の間を渡る渡り部とを有する挿入用成形済み巻線を、上記トランスファツールにセットするコイル巻線装置であって、
    一つのコイル部のうち少なくともステータ鉄心のスロット内へ挿入、配置されるスロット内挿入部における上記各素線を直線状に成形し、上記一つのコイル部の一部を所定の上記ブレード間に挟持させる形態で、上記トランスファツールへ移し換えた後、上記巻線にテンションをかけつつ上記巻線を引き出し、上記トランスファツール及び上記巻枠の少なくともいずれかを上記トランスファツールの軸線周りに回転移動させて上記渡り部を形成し、引き続き、上記巻線を上記巻枠に巻き付けて次のコイル部を成形し、他の上記ブレード間に挟持させる形態で上記トランスファツールへ移し換えるにあたり、
    上記一つのコイル部の上記スロット内挿入部のうち最も上記ブレードの先端側に位置するものを最先端側スロット内挿入部としたとき、この最先端側スロット内挿入部のうち上記渡り部と隣り合って連続する第1最先端側スロット内挿入部における上記各素線の屈曲を防止する屈曲防止機構を備え
    上記屈曲防止機構は、
    上記ブレードよりも上記トランスファツールの径方向外側に配置された屈曲部材であって、
    上記巻線にテンションをかけつつ上記巻線を引き出し、上記トランスファツール及び上記巻枠の少なくともいずれかを上記トランスファツールの軸線周りに回転移動させて上記渡り部を形成するにあたり、上記巻線を当該屈曲部材に回し掛けて、上記第1最先端側スロット内挿入部を直線状に保ちつつ、当該屈曲部材に接触する部位で上記巻線を屈曲させる屈曲部材、を含む
    コイル巻線装置。
  4. 請求項3に記載のコイル巻線装置と、
    前記ステータ鉄心を前記ブレードの先端位置に配置させた状態で、前記トランスファツールにセットされた前記挿入用成形済み巻線を、上記トランスファツールの軸線方向に上記ステータ鉄心側へ押し出しつつ上記ステータ鉄心のスロット内に挿入するストリッパと、
    を備える
    ステータの製造装置。
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