JP4281319B2 - 転がり軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から転がり軸受に回転検出器を組み込んだものがある。
【0003】
このような回転検出器には、周知のパッシブタイプ(特許文献1参照)とアクティブタイプ(特許文献2参照)とがあるが、後者の回転検出器のほうが、非回転状態を検出できる点、回転検出精度が高い点で優れている。
【0004】
上記アクティブタイプの回転検出器は、トーンホイール(別称パルサーリング)と、磁気センサとを含む。トーンホイールは、周方向交互にN極とS極とを配置した多極磁石からなり、転がり軸受の回転体(内輪または外輪)に対して装着される。磁気センサは、転がり軸受に備える非回転体(外輪または内輪)に対して前記トーンホイールに対向する状態で取り付けられる。
【0005】
動作としては、回転体と同期回転するトーンホイールの回転に応じて磁気センサからパルス信号を出力するようになっており、このパルス信号を信号処理することにより回転体の回転速度や回転方向などの回転状態を認識するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
実開平6−47867号公報
【特許文献2】
特開平11−174069号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記アクティブタイプの回転検出器において、検出精度のさらなる向上を図るには、トーンホイールの磁極それぞれのピッチを小さくすればいいが、このピッチを小さくすることに限界があることが指摘される。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の転がり軸受装置は、内輪と外輪との間に多数の転動体を介装した転がり軸受装置であって、入力励磁電圧を、前記内輪と外輪との相対的な回転状態に応じた誘起電圧に変換して出力する回転検出器と、前記回転検出から出力される信号を外部に設けられる信号処理部に対して無線送信する無線送信機と、前記内輪または外輪の回転に伴い電圧を発生し、その電圧を前記回転検出器に対して入力励磁電圧として入力する発電機とを備え、前記無線送信機および発電機が、前記軸受装置に取付けられるブラケットに一体的に取り付けられ、前記回転検出器は、前記外輪の内径側と内輪の外径側とのうちの一方に一体的に設けられかつ円周数ヶ所に極歯を有する検出用ステータと、検出用ステータの各極歯に対して適宜巻回される励磁巻線および出力巻線と、前記外輪の内径側と内輪の外径側との他方に一体的に設けられかつ回転に伴い前記検出用ステータの各極歯との間のギャップパーミアンスを変化させる検出用ロータとを含むVR(バリアブル・リラクタンス)タイプのブラシレスレゾルバとされ、前記外輪は車体に固定するための径方向外向きのフランジが設けられ、前記外輪の内周面に2つの軌道溝が設けられているとともに、前記外輪の内周にハブ軸が回転可能に挿通されており、このハブ軸に、車輪やディスクロータを取付けるための径方向外向きのフランジが設けられ、前記ハブ軸は、前記外輪に設けた2つの軌道溝のうち一方の軌道溝に対して一対となる軌道面を有し、前記ハブ軸の外周面に嵌合される内輪部材には、前記外輪の他方の軌道溝に対して一対となる軌道溝を有し、この内輪部材と前記ハブ軸とにより前記内輪が構成され、前記外輪の2つの軌道溝と前記ハブ軸の軌道面および内輪部材の軌道溝との間にそれぞれ前記転動体が介装されており、前記検出用ステータは、前記ニ列の外輪軌道溝間の領域に対して配設され、前記検出用ステータと径方向で対向する領域には、前記検出用ロータとして用いる平坦部が設けられ、前記平坦部によって前記ハブ軸の外周面が異径とされているとともに、前記無線送信機は前記外輪の車両インナ側端部の内周面に嵌合固定されたシールカバーの円筒部該周面における円周所定領域に対して取り付けられ、さらに、前記発電機は、前記シールカバー内部に対して配設されている。
【0009】
この場合、回転検出器が、内輪と外輪のうち回転体となる側が非回転状態でもほぼ一定の振幅の誘起電圧を出力するものであるから、回転体の停止状態を確実に認識できる他、回転体の回転状態に応じて振幅が無段階に変化する誘起電圧を出力するものであるから、回転体の回転状態を従来例に比べて詳細にかつ高精度に把握できるようになる。しかも、回転検出器による検出信号を無線で外部に送信させるようにしているから、回転検出器と外部の信号処理部とを接続する信号線が不要となり、仮に回転検出器と外部の信号処理部とを信号線で接続する場合のように前記信号線が断線するといった不慮の事故が避けられる。
【0010】
なお、上記無線送信機は、電波、赤外線などの光による伝送、または超音波による伝送を行うものの他、磁気結合による伝送を行うものなど、空間を伝送する信号を用いるものであればよい。
【0011】
そして、発電機を備えていることで、転がり軸受装置の外部に、回転検出器に対する励磁電圧入力手段を別途設けなくて済む他、回転検出器と発電機との電気的な接続が簡単に行える。
【0012】
また、上記転がり軸受装置は、前記発電機は、前記無線送信機に対して駆動電圧を供給することにより、転がり軸受装置の外部に無線送信機に対する電圧供給手段などを別途設けなうて済む他、回転検出および無線送信機と発電機との間の電気的な接続が簡単に行えるようになる。
【0014】
なお、上記「一体的に」とは、2つの部材を結合固定して同体化したものと、2つの部材を1つの部材にしたものとの両方を含む意味で使用している。
【0015】
【発明の実施形態】
図1から図3に本発明の実施形態1を示している。図例の転がり軸受装置1は、内輪2と、外輪3と、複数の玉4と、保持器リング5とを備えている。
【0016】
ここで、内輪2は、図示しない回転軸などの外周に嵌合されることにより回転体とされるものである。外輪3は、図示しないハウジングなどの孔内に嵌合されることにより非回転体とされるものであり、内輪2の外周に対して同心状に配置される。玉4は、保持器リング5に備える複数のポケット内に収納されることで、内・外輪2,3間の環状空間に円周等間隔に介装される。
【0017】
この実施形態では、転がり軸受装置1に対して、回転検出器としてのブラシレスレゾルバ10と、無線送信機20と、交流発電機30とを組み込んでいる。
【0018】
ブラシレスレゾルバ10は、上記内輪2の回転状態(回転角度、回転速度や回転方向など)を検出するもので、ここでは周知のVR(バリアブル・リラクタンス)タイプとされている。このブラシレスレゾルバ10は、上記内輪2を検出用ロータとして用いているとともに、検出用ステータ12と、励磁巻線13、第1出力巻線14、第2出力巻線15とを備えている。このブラシレスレゾルバ10は、この実施形態において1相励磁/2相出力とする場合を例に挙げている。
【0019】
なお、前記検出用ロータとしての内輪2は、磁性材からなる。この内輪2の外周面肩部は、円周上の所定角度領域に平坦部2aが設けられているが、その他の外周面は円形である。また、この内輪2の外周面肩部の形状は、その回転に伴ない、下記各極歯12aの外周面との間のギャップパーミアンスを変化させる形状であればよいので、上記に限らず、周知の楕円形、おむすび形などとしてもよい。また、前記検出用ロータは、上記内輪2で兼用せず、別個の部材として設けてもよい。
【0020】
上記検出用ステータ12は、磁性材からなり、上記外輪3の内周面肩部に圧入などにより嵌合固定される。この検出用ステータ12の内周の形状は、櫛歯状に形成されている。この検出用ステータ12の円周数ヶ所に設けられる極歯12aに対して、励磁巻線13、第1出力巻線14、第2出力巻線15が適宜巻回され、各極歯12aそれぞれの間に設けられる薄肉連結部12bが磁気通路となる。なお、図2に示す側面図では、極歯12aの数を8個としているが、図3に示す概略図では、説明を判りやすくするために、極歯12aの数を4個としている。この極歯12aの最小数は、周方向に90度ずれた2つとなるが、多くする場合には2の倍数とする必要がある。また、検出用ステータ12の極歯12aの内接円の直径寸法は、内輪2の直径寸法よりも僅かに大きく設定されている。
【0021】
なお、上記検出用ロータや検出用ステータ12は、磁気抵抗(リラクタンス)が小さくかつ磁気飽和密度が高い磁性材料、例えば軟磁性材料が好ましい。具体的には、例えば鉄を主成分として含む磁性材料、あるいはニッケルを主成分として含む磁性材料などがあり、積層や単層ケイ素剛板からなるもの、パーマロイ(鉄とニッケルとの合金)、フェライト、ソフトフェライトセラミック、など種々ある。言うまでもないが、上記検出用ロータや検出用ステータ12の磁性材料としては、上記のようにリラクタンスが小さい材料程、検出用ロータの回転に伴なう検出用ロータと検出用ステータ12との間におけるギャップパーミアンスの変化が明瞭にあらわれ、その変化に伴なう巻線の誘起電圧(回転状態検出電圧)の発生精度が高まり、回転状態の検出精度の向上に好ましい。
【0022】
ところで、励磁巻線13は、ステータ12のすべての極歯12aに対して直列的に巻回されている。第1出力巻線14と第2出力巻線15は、誘起電圧分布が各々正弦波分布となるように各極歯12aに分布巻きされている。そして、励磁巻線13に対して正弦波励磁電圧を入力すると、第1出力巻線14と第2出力巻線15それぞれからは互いに電気的に90度位相がずれた波形の2相交流電圧である信号を出力する。例えば、励磁巻線13への正弦波励磁入力に対して第1出力巻線14から正弦波信号(SIN信号)を、また、第2出力巻線15からは前記正弦波信号から90度位相がずれた余弦波信号(COS信号)を出力する。
【0023】
無線送信機20は、ブラシレスレゾルバ10から出力される信号を外部に設けられる信号処理部40に対して無線送信するものである。この無線送信機20は、電波、赤外線または超音波による伝送を行うものとされている。なお、信号処理部40は、周知のR/D(レゾルバ/デジタル)コンバータやDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)などとされるが、無線送信機20から送信される信号を受信するための受信部41を有するとともに、この受信部41で受信した信号に基づいて周知の信号処理を施すことにより、内輪2の回転状態(回転方向、回転角度、回転速度など)を認識するようになっている。なお、上記無線送信機20は、磁気結合による伝送を行うものとすることも可能であり、その場合には、任意の周波数で励磁する送信コイルなどとされ、信号処理部40に対して電磁誘導で電圧を発生する受信コイルなどの受信部を設けるようにすればよい。
【0024】
交流発電機30は、内輪2の回転に伴い正弦波電圧を発生し、その電圧をブラシレスレゾルバ10に対して入力励磁電圧として印加するとともに、上記無線送信機20に対してその駆動電圧として供給するものである。具体的に、この交流発電機30は、内輪2側に一体的に設けられる発電用ロータ31と、外輪3側に一体的に設けられる発電用ステータ32とで構成される。発電用ロータ31は、内輪2においてブラシレスレゾルバ10の外側に取り付けられるブラケット33と、ブラケット33に装着される鉄芯34と、この鉄芯34に対して外径側のみ露出される状態で装着されかつ周方向交互に極性が異なる磁極を有する環状磁石35とを備えている。発電用ステータ32は、外輪3においてブラシレスレゾルバ10の外側に取り付けられるブラケット36と、ブラケット36に装着される鉄芯37と、鉄芯37に対して内径側のみ露出される状態で巻回される発電コイル38とを備えている。
【0025】
なお、上記無線送信機20は、上記発電用ステータ32側のブラケット36の外径側に一体的に取り付けられている。
【0026】
次に動作を説明する。内輪2が回転すると、交流発電機30が正弦波電圧を発生し、この交流発電機30で発生する正弦波電圧を、ブラシレスレゾルバ10の励磁巻線13に対して1相交流電圧(入力励磁電圧)として印加する他、無線送信機20に対してその駆動電圧として供給する。その一方で、前記検出用ロータとしての内輪2の回転に伴い、この内輪2の外周面とブラシレスレゾルバ10の検出用ステータ12の各極歯12aの内周面との間のギャップパーミアンスが変化するので、この変化に応じて、ブラシレスレゾルバ10の第1、第2出力巻線14,15から振幅が無段階に変化する前記SIN信号やCOS信号を出力し、この信号が無線送信機20を通じて信号処理部40の受信部41に入力される。そして、信号処理部40では、受信部41で受信した信号に基づいて、内輪2の回転状態(回転方向、回転角度、回転速度など)を認識する。
【0027】
以上説明したように、上記転がり軸受装置1では、内輪2の回転状態を従来例のアクティブタイプの回転検出器に比べて高精度に検出できるようになる。また、ブラシレスレゾルバ10の検出用ロータを前述の内輪2で兼用させているから、構成簡素化、ローコスト化が可能となる。しかも、外輪3の内周面は、研磨などによって高精度に寸法調整されているので、ブラシレスレゾルバ10の取り付け精度が向上し、ブラシレスレゾルバ10の検出精度の向上にも貢献する。
【0028】
また、転がり軸受装置1にブラシレスレゾルバ10を一体的に組み合わせることにより、以下のような利点がある。すなわち、ブラシレスレゾルバ10は、ロータとステータとの位置精度(軸振れ、軸方向移動量など)が低いと性能を十分に発揮できないことがあるが、転がり軸受装置1の内輪と外輪の径方向および軸方向の相対位置精度は高精度に管理されているので、本発明のようにロータとステータを内輪と外輪に取り付けまたは一体化した場合は、容易にレゾルバ本来の性能を発揮することができ、回転状態の検出精度を向上できる。一例をあげると、一般的なレゾルバでは、ロータとステータの径方向の振れ精度(軸振れ精度)の許容値は50μm以下、ロータとステータの軸方向許容移動量は±250μm以下とされているが、図1の実施形態のような深溝型玉軸受では、例えば精度等級が普通級で、内輪内径dの呼び寸法が10mm〜80mmのものの場合、径方向の振れ精度(ラジアル内部すきま)がおよそ3μm〜30μm、軸方向許容移動量(アキシアル内部すきま)はおよそ0〜220μmであり、レゾルバの取り付け許容精度を十分に満たしている。なお、この値は、転がり軸受単体の精度であり、転がり軸受をハウジングと軸との間に組み込んだ状態ではさらに内部すきまが縮小するので、さらに精度が向上する。
【0029】
さらに、転がり軸受装置1に無線送信機20を組み込んでいるから、転がり軸受装置1に装備するブラシレスレゾルバ10と、転がり軸受装置1の外部に設けられる信号処理部40とを信号線で接続する必要がなくなり、設備コストを低減できる他、仮にブラシレスレゾルバ10と外部の信号処理部40とを信号線で接続する場合のように前記信号線が断線するといった不慮の事故を避けることができる。
【0030】
また、転がり軸受装置1に交流発電機30を組み込んでいるから、転がり軸受装置1の外部に、ブラシレスレゾルバ10に対する励磁電圧入力手段を別途設けなくて済む他、設備コストを低減できる。
【0031】
また、ブラシレスレゾルバ10と無線送信機20と交流発電機30とを近接配置しているので、ブラシレスレゾルバ10と無線送信機20とを、また、ブラシレスレゾルバ10および無線送信機20と発電機30とをそれぞれ電気的に接続する手間も簡単になり、設備コストを低減できる。
【0032】
以下で、本発明の種々な応用や変形を述べる。
【0033】
(1)上記実施形態で示した転がり軸受装置1は、転動体としての玉を単列に構成しているが、複列にしてもよい。また、転がり軸受装置1の軸受形式についても、各種の玉軸受、ころ軸受、円すいころ軸受など、いずれであってもよい。
【0034】
(2)図4に本発明の実施形態2を示している。ここでの転がり軸受装置50は、複列玉軸受構造になっており、外輪51と、ハブ軸52と、内輪53と、複列の玉54と、2つの保持器リング55,56とを備えている。外輪51は、図示しない車体などに固定するための径方向外向きのフランジ51aが設けられているとともに、内周面に2つの軌道溝が設けられている。ハブ軸52は、外輪51の内周に回転可能に挿通されており、図示しない車輪やディスクロータを取り付けるための径方向外向きのフランジ52aが設けられているととともに、外輪51の第1の軌道溝に対して一対となる軌道面が設けられている。内輪53は、ハブ軸52の外周面に嵌合されており、外周に外輪51の第2の軌道溝に対して一対となる軌道溝を有している。玉54は、外輪51の2つの軌道溝とハブ軸52の軌道面および内輪53の軌道溝との間に2列で介装されている。そして、このような転がり軸受装置50に対して、上記実施形態1で説明した構成とほぼ同様のブラシレスレゾルバ10、無線送信機20、交流発電機30が組み込まれている。ここでは、ブラシレスレゾルバ10は、外輪51の内周面において2つの軌道溝の間の領域に対して配設されていて、無線送信機20は、外輪51の車両インナー側端部の内周面に嵌合固定されたシールカバー57の円筒部外周面における円周所定領域に対して取り付けられ、さらに、交流発電機30は、シールカバー57の内部に対して配設されている。詳しくは、ブラシレスレゾルバ10の検出用ステータ12は、外輪51の内周面において軸方向中間の領域に取り付けられており、ブラシレスレゾルバ10の検出用ロータは、ハブ軸52で兼用されている。つまり、ハブ軸52の外周面において前記検出用ステータ12と径方向で対向する領域には、平坦部52aが設けられており、この平坦部52aによって外周面が異径とされるハブ軸52を検出用ロータとして用いているのである。また、交流発電機30の発電用ステータ32は、シールカバー57の円筒部内周面に対して非磁性部材59を介して嵌合固定されており、交流発電機30の発電用ロータ31は、ハブ軸52の車両インナー側に内輪53をハブ軸52に結合するための六角ナット58の外周に固定されている。この実施形態2においても、ブラシレスレゾルバ10、無線送信機20、交流発電機30の動作は、上記実施形態1と基本的に同様である。なお、実施形態2においても、実施形態1と同様に、ブラシレスレゾルバ10のロータとステータとの相対位置を高精度に維持することができる。実施形態2は斜接形式の複列玉軸受(アンギュラ複列玉軸受)であるので、通常は予圧を与えて負すきまで使用される。このため、径方向および軸方向ともに移動量は「0」であり、レゾルバの取り付け許容精度を十分に満たしており、ブラシレスレゾルバ10の回転状態の検出精度が向上する。また、円錐ころ軸受や円筒ころ軸受などの他形式の転がり軸受においても、径方向および軸方向の精度が高精度に管理されているので、ブラシレスレゾルバ10の回転状態の検出精度が向上する。
【0035】
(3)ブラシレスレゾルバ10に備える検出用ステータ12と検出用ロータの配置関係は、上記各実施形態で説明したものと逆に、検出用ステータ12を内径側に、また、ロータを外径側に配置することもできる。例えば、上記転がり軸受装置1としては、図示しないが、外輪3を回転させて内輪2を非回転とする場合があるが、その場合には、回転体となる外輪3に対してブラシレスレゾルバ10の検出用ロータを一体的に取り付けるようにし、非回転体となる内輪2に対してブラシレスレゾルバ10の検出用ステータ12を取り付けるようにすればよい。
【0036】
(4)上記実施形態では、回転検出器として、VRタイプのブラシレスレゾルバを例に挙げたが、その他のタイプのブラシレスレゾルバや、ブラシレスシンクロを用いることができる。
【0037】
(5)上記各実施形態において、転がり軸受装置1、50に交流発電機30を装備していないものも本発明に含まれる。この場合、転がり軸受装置1の外部に励磁電圧入力手段を設ける必要があるが、このように外部からブラシレスレゾルバ10に対して励磁電圧を印加するようにしていれば、内輪2が停止している状態を検出することができる。つまり、内輪2が停止しているときには、その外周面と検出用ステータ12の各極歯12aの内周面との間のギャップパーミアンスが変化しないので、入力励磁電圧に基づいて第1、第2出力巻線14,15からそれぞれほぼ一定の振幅のSIN信号とCOS信号を出力する。この信号が上記同様に信号処理部40の受信部41に入力されるので、信号処理部40において内輪2の回転停止状態を認識できるようにすればよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明の転がり軸受装置は、回転体の回転状態(停止位置、回転方向、回転角度、回転速度など)を、従来例のアクティブタイプの回転検出器に比べて詳細かつ高精度に認識できるようになるなど、信頼性の向上に貢献できる。
【0039】
また、回転検出器から転がり軸受装置の外部に配置される信号処理部への信号送信を無線送信機によって無線送信する形態にしているから、前記回転検出器と信号処理部とを接続するための信号線が不要となり、設備コストの低減ならびに信号処理部の配置自由度が増す。
【0040】
しかも、転がり軸受装置に回転検出器と無線送信機とを装備することによって、それらを電気的に接続する手間を簡単にできて設備コストを低減できる他、仮に回転検出器と外部の信号処理部とを信号線で接続する場合のように前記信号線が断線するといった不慮の事故を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る転がり軸受装置の断面図
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】図1の転がり軸受装置の構成を概略的に示す図
【図4】本発明の実施形態2に係る転がり軸受装置の断面図
【符号の説明】
1 転がり軸受装置 2 内輪(レゾルバの検出用ロータ)
3 外輪 4 玉
10 ブラシレスレゾルバ 12 レゾルバの検出用ステータ
13 励磁巻線 14 第1出力巻線
15 第2出力巻線 20 無線送信機
30 交流発電機 40 信号処理部
41 受信部
Claims (2)
- 内輪と外輪との間に多数の転動体を介装した転がり軸受装置であって、入力励磁電圧を、前記内輪と外輪との相対的な回転状態に応じた誘起電圧に変換して出力する回転検出器と、前記回転検出から出力される信号を外部に設けられる信号処理部に対して無線送信する無線送信機と、前記内輪または外輪の回転に伴い電圧を発生し、その電圧を前記回転検出器に対して入力励磁電圧として入力する発電機とを備え、
前記無線送信機および発電機が、前記軸受装置に取付けられるブラケットに一体的に取り付けられ、
前記回転検出器は、前記外輪の内径側と内輪の外径側とのうちの一方に一体的に設けられかつ円周数ヶ所に極歯を有する検出用ステータと、検出用ステータの各極歯に対して適宜巻回される励磁巻線および出力巻線と、前記外輪の内径側と内輪の外径側との他方に一体的に設けられかつ回転に伴い前記検出用ステータの各極歯との間のギャップパーミアンスを変化させる検出用ロータとを含むVR(バリアブル・リラクタンス)タイプのブラシレスレゾルバとされ、
前記外輪は車体に固定するための径方向外向きのフランジが設けられ、前記外輪の内周面に2つの軌道溝が設けられているとともに、前記外輪の内周にハブ軸が回転可能に挿通されており、このハブ軸に、車輪やディスクロータを取付けるための径方向外向きのフランジが設けられ、前記ハブ軸は、前記外輪に設けた2つの軌道溝のうち一方の軌道溝に対して一対となる軌道面を有し、前記ハブ軸の外周面に嵌合される内輪部材には、前記外輪の他方の軌道溝に対して一対となる軌道溝を有し、この内輪部材と前記ハブ軸とにより前記内輪が構成され、前記外輪の2つの軌道溝と前記ハブ軸の軌道面および内輪部材の軌道溝との間にそれぞれ前記転動体が介装されており、前記検出用ステータは、前記ニ列の外輪軌道溝間の領域に対して配設され、前記検出用ステータと径方向で対向する領域には、前記検出用ロータとして用いる平坦部が設けられ、前記平坦部によって前記ハブ軸の外周面が異径とされているとともに、前記無線送信機は前記外輪の車両インナ側端部の内周面に嵌合固定されたシールカバーの円筒部該周面における円周所定領域に対して取り付けられ、さらに、前記発電機は、前記シールカバー内部に対して配設されている、転がり軸受装置。 - 前記発電機は、前記無線送信機に対して駆動電圧を供給する、請求項1の転がり軸受装置。
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