JP4280657B2 - アレーアンテナのビーム形成方法及びその装置 - Google Patents

アレーアンテナのビーム形成方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4280657B2
JP4280657B2 JP2004056522A JP2004056522A JP4280657B2 JP 4280657 B2 JP4280657 B2 JP 4280657B2 JP 2004056522 A JP2004056522 A JP 2004056522A JP 2004056522 A JP2004056522 A JP 2004056522A JP 4280657 B2 JP4280657 B2 JP 4280657B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mobile station
array antenna
weight
distance
causes interference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004056522A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005252376A (ja
Inventor
英三 石津
吉田  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2004056522A priority Critical patent/JP4280657B2/ja
Priority to EP04255115.0A priority patent/EP1571761B1/en
Priority to US10/926,444 priority patent/US7629927B2/en
Publication of JP2005252376A publication Critical patent/JP2005252376A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4280657B2 publication Critical patent/JP4280657B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas
    • H04B7/06Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the transmitting station
    • H04B7/0613Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the transmitting station using simultaneous transmission
    • H04B7/0615Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the transmitting station using simultaneous transmission of weighted versions of same signal
    • H04B7/0617Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the transmitting station using simultaneous transmission of weighted versions of same signal for beam forming
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas
    • H04B7/08Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the receiving station
    • H04B7/0837Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the receiving station using pre-detection combining
    • H04B7/0842Weighted combining
    • H04B7/086Weighted combining using weights depending on external parameters, e.g. direction of arrival [DOA], predetermined weights or beamforming

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Description

本発明は、アレーアンテナのビーム形成方法及びその装置に関し、特に、ヌルフォーミング法を用いてビーム形成を行うアレーアンテナのビーム形成方法及びその装置に関する。
広帯域無線通信においては、送信電力の制限による伝送帯域幅の増大に伴うサービス半径の縮小が問題となる。特にセルラーシステムでは移動局側の送信電力に最大数百ミリワット程度の制限が設けられるため、第3世代(3G)以降の広帯域無線システムでは上下非対称通信がサポートされている。移動局から基地局への上りリンクの伝送帯域幅を基地局から移動局への下りリンクに対して小さくとることによって、移動局のピーク送信電力を低減させるとしても、伝送速度つまりは伝送帯域幅を数十〜数百倍に拡大するため、セル半径(サービス半径)をそのまま維持することは困難である。
例えば、非特許文献1によれば、3G(fc=2GHzにおける伝送速度384kbps)と、現在検討が開始されている次世代移動通信システム、つまり4G(fc=5GHzにおける伝送速度100Mbps)の公衆サービスを比較すると「fc2.6×Rate」則により、およそ2800[=(2.5)2.6×260]倍程度の電力が必要となる。つまり、35dB相当の送信電力増大となる。
これは3G端末のピーク送信電力が0.2W程度であることを考えると、560Wを要することになり当然許容できない。非対称リンクとして上りリンクを半分の50Mbpsとしても30dB以上の向上が要求される。ここで、伝播ロスを3.5乗則とすると、セル半径は約1/8−1/10程度となり、3Gのセル半径を5kmとした場合にでも500m〜600m程度となることが想定される。セル半径の縮小は単位面積あたりの所要基地局数を面的には2乗に比例して増大させるため、アダプティブアレイアンテナを含む指向性アンテナの利得などによる電力効率向上、つまりはピーク送信電力一定の下でのセル半径の増大は、広帯域無線システムのシームレスサービスにおいて必須条件となる。
アダプティブアレイアンテナ(AAA)には、基本的に相対する通信先に指向性ビームを向ける「ビームステアリング法」で信号(S)と干渉波(I)とノイズ(N)の比[S/(I+N)]における信号(S)を増大させる方法と、他セルや他ユーザからの干渉波(I)を抑圧するヌルステアリング(ヌルフォーミング)法で比[S/(I+N)]における干渉波(I)を抑圧する方法との2つのアプローチが存在する。本発明は、特に後者を対象としたものである。
図1は従来のヌルフォーミング法を用いた装置のブロック図を示す。N本のアンテナ10〜10nを用い、乗算器12〜12nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器14〜14nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。到来方向推定部16では、干渉となる移動局のパス到来方向(DoA:Direction of Arrival)を推定し、収束アルゴリズム部18では、パス到来方向DoAを基に最急降下法(LMS:Least Mean Square)などの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。乗算器14〜14nの出力信号は加算部20で加算されて出力される。
図2を用いて重み制御アルゴリズムを説明する。図2は、希望する移動局#1に対して干渉となる移動局#2が存在する場合の基地局でのビームパターンを示しており、移動局#2に対してヌル点が向けられるようにヌルフォーミングが行われている。ここで、PTiは移動局iの送信電力、P(θ)は到来方向θにおけるビーム利得、PATT(r)は、距離rにおける距離減衰量を表している。SIR(PT1,PT2,θ,θ,r,r)は、希望局である移動局#1の基地局におけるビーム形成後のSIR(Signal to Interference Ratio:信号電力対干渉電力比)であり、次式で表わされる。
SIR=[PT1−PATT(r)+P(θ)]
/[PT2−PATT(r)+P(θ)] …(1)
このとき、移動局#2の移動速度ベクトルVを一定とすると、基地局−移動局#2間の距離r2a,r2bに応じた角速度つまり位相変化Δθ2a,Δθ2bは図3に示すように異なるものとなる(Δθ2a<Δθ2b)。
ここで、図3では便宜上位相変化が最大となる円周方向を示しているが、これに制限および限定されるものではない。また、移動速度ベクトルVについても任意値であり、移動局の位置にも制限されない。なお、比較説明のため、移動速度一定としているがそれぞれの位置での移動速度が異なっていても一般性は失わない。さらに、簡単のため、干渉となる移動局#2のみが移動する場合にて説明を行っているが、希望局である移動局#1が移動する場合においても移動局#1に対する移動局#2の相対速度を考えることにより同様の議論を行うことが可能である。また、この例においては基地局における受信電力が一定[PT2−PATT(r)=PT1−PATT(r)]となるように送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)が行われている。
また、特許文献1には、上り/下り回線に異なる周波数を使用するFDDシステムにおいて、受信時に求められる到来方向DoAを、送信時のビーム形成に使用することが記載されている。
特許文献2にはDoA情報によりビームを形成し、また、移動局の位置を推定しDoA情報と合わせてトラフィックの推定を行い、さらにトラフィックが多い方向に対してビームを形成することにより、ランダムアクセス時における呼の衝突確率を低減させることが記載されている。
特許文献3には、間欠受信時に全方向からの情報を収集することにより干渉局の検出を行い、ヌルフォーミングをすることが記載されている。また、特許文献4,9には、ヌルフォーミングについての記載がある。
特許文献5,6,7には、アダプティブアレイアンテナにおけるキャリブレーション手法について記載がある。
特許文献8には、新規に通信を行う端末が発生した場合において、この端末によって影響を受ける自身および既に通信を行っている端末とのビーム形成について記載されている。
特許文献10には、干渉局に対してヌルを形成し、形成したビームの追従を最小2乗法を用いて行うことが記載されている。
特許文献11には、新規に通信を行う端末に対するビーム形成の初期値を、既に通信を行っている端末のビーム情報を使用し計算することにより、ビームの初期引き込み速度を改善することが記載されている。
特開2001−251233号公報 特開2001−203630号公報 特開平8−285934号公報 特表2000−505254号公報 特開2003−92548号公報 特開2003−87189号公報 特開2003−92549号公報 特開2002−508889号公報 特表2002−523969号公報 特開2003−51775号公報 特開2002−359588号公報 安達文幸:「移動通信の将来展望」,電子情報通信学会,スペクトル拡散研究会講演資料,Oct.2000.
従来の方法では、移動局#2の方向に固定のビーム形状にてヌル点を形成し、移動局#2の追従(ステアリング)を行うため、基地局周辺で高速に移動する場合、大きな位相変化に追従できないという問題点があった。言い換えれば、基地局周辺での追従能力でヌルフォーミング能力が決定される。それぞれの位相変化Δθ2a,Δθ2bの後における基地局のビーム利得変化量ΔPG2a,ΔPG2bは、図4および図5に示すように、基地局周辺に存在する移動局#2b(ΔPG2b)の方が大きくなり、基地局における干渉局の受信電力は移動局#2bの方が大きくなる。このため、基地局におけるSIRは、移動後において次式で表わされるようになる。
SIR(PT1,PT2a,θ,θ2a,r,r2a)>>SIR(PT1,PT2b,θ,θ2b,r,r2b
これを回避し基地局におけるSIRを一定に維持するためには、より高速なヌルステアリング能力が要求されることになる。よってセル内の特性を均一に提供するためには、基地局−移動局間距離によって決定される位相変化量に応じたヌルステアリング能力が要求されることから、基地局周辺では高速移動時に特性劣化が生じるという問題があった。
また、一般にヌル点に対する急峻な落ち込みの程度、つまりヌル幅はセルエッジでの受信電力(受信品質:SIRでも同様)がシステム設計値以上となるように与えられたアンテナ素子数で生成できる最小幅が設定され、セル半径の最大化が行われる。しかし、上記のようにセルエッジにおいては高速移動時の位相変化量は小さく、ここにヌル幅と基地局−移動局間距離、つまりその位相変化量には完全な補完関係が成り立つことがわかる。つまり、ビーム幅が小さい、つまり遠距離であればその位相変化量は小さく、近距離であれば位相変化量が大きいがビーム幅を最小値まで絞る、つまりヌル点を急峻に生成する必要はない。これは、そこまで急峻にヌル点を形成しなくても所要受信品質は得られるということである。
また、特許文献1〜11に記載のものも移動局の高速移動時に特性劣化を防止することについては何ら記載がない。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、セル内のあらゆる場所で高速で移動する移動局に追従することができるアレーアンテナのビーム形成方法及びその装置を提供することを目的とする。
請求項1,3に記載の発明は、干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定で、移動後のビーム利得変化量が前記距離によらず一定となるようビーム形成を行うことにより、
適応的にビーム幅を変化させることでセル内のあらゆる場所で高速で移動する移動局に追従することができる。
請求項2,4に記載の発明は、干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、一定時間内で前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比の積分値が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定となるようビーム形成を行うことにより、
適応的にビーム幅を変化させることでセル内のあらゆる場所で高速で移動する移動局に追従することができる。
請求項5に記載の発明は、アレーアンテナのうち単一のアンテナにおける干渉となる移動局の受信電力から前記干渉となる移動局の距離を推定することにより、干渉となる移動局の距離を知ることができ、請求項1〜4の発明を実現できる。
請求項1,3に記載の発明によれば、適応的にビーム幅を変化させることでセル内のあらゆる場所で高速で移動する移動局に追従することができる。
請求項2,4に記載の発明によれば、適応的にビーム幅を変化させることでセル内のあらゆる場所で高速で移動する移動局に追従することができる。
請求項5に記載の発明によれば、干渉となる移動局の距離を知ることができ、請求項1〜4の発明を実現できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図6は、本発明のアレーアンテナ装置の第1実施形態のブロック図を示す。同図中、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
ウェイト制御部36は、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法(LMS:Least Mean Square)などの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。
ここで、例えば各移動局はGPS(Global Positioning System)受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報、基地局−移動局間の距離を算出する。また、乗算器34〜34nの出力信号は加算部38で加算されて出力される。なお、本発明によるヌル制御規範は送信ヌルフォーミングにもそのまま適用できる。
図7を用いてウェイト制御部36が実行する重み制御アルゴリズムの第1実施形態を説明する。図7(A)において、移動局#1の受信電力はPT1−PATT(r)+P(θ)である。なお、PTiは移動局iの送信電力、P(θ)は到来方向θにおけるビーム利得、PATT(r)は、距離rにおける距離減衰量を表す。図3に示す移動局#2aの受信電力(移動前)はPT2a−PATT(r2a)であり、移動局#2aの受信電力(移動後)はPT2a−PATT(r2a)+ΔPG2aである。移動前のSIRはSIR(PT1,PT2a,θ,θ2a,r,r2a)=[PT1−PATT(r)+P(θ)]/[PT2a−PATT(r2a)]であり、移動後のSIRはSIR(PT1,PT2a,θ,θ2a,r,r2a)=[PT1−PATT(r)+P(θ)]/[PT2a−PATT(r2a)+ΔPG2a]である。
図7(B)において、移動局#1の受信電力はPT1−PATT(r)+P(θ)であり、移動局#2bの受信電力(移動前)はPT2b−PATT(r2b)であり、図3に示す移動局#2bの受信電力(移動後)はPT2b−PATT(r2b)+ΔPG2bである。移動前のSIRはSIR(PT1,PT2b,θ,θ2b,r,r2b)=[PT1−PATT(r)+P(θ)]/[PT2b−PATT(r2b)]であり、移動後のSIRはSIR(PT1,PT2b,θ,θ2b,r,r2b)=[PT1−PATT(r)+P(θ)]/[PT2b−PATT(r2b)+ΔPG2b]である。
この第1実施形態では、基地局−移動局間距離に依らず常に基地局における移動局#1のSIRが一定で、SIR(PT1,PT2a,θ,θ2a,r,r2a)=SIR(PT1,PT2b,θ,θ2b,r,r2b)となり、つまりは移動後におけるビーム利得変化量(ΔP)が移動局の距離によらず一定、つまりΔPG2a=ΔPG2bとなるようビーム形成を行う。
図8は、図6に示すウェイト制御部36が実行する重み制御処理の第1実施形態のフローチャートを示す。同図中、ステップS1で干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rを読み込む。次に、ステップS2で現在のウェイトによる希望する移動局#1の受信電力を計算し、ステップS3で現在のウェイトによる干渉となる移動局#iの受信電力を計算する。ステップS4では上記移動局#1の受信電力と移動局#iの受信電力から現在のSIRを計算し、ステップS5で現在のSIRが前状態のSIRと同一か否かを判別する。
現在のSIRが前状態のSIRと同一でない場合にはステップS6でウェイト更新を行ってステップS2に進み、ステップS2〜S6を繰り返す。現在のSIRが前状態のSIRと同一となるとステップS5からステップS7に進み、現在のSIRを前状態のSIRとして保持する。この後、ステップS8で現在のウェイトを出力し、この処理を終了する。
ステップS6のウェイト更新については、一般的なLMSを用いる。LMSでは希望信号をd(t)、ビーム形成後の信号をy(t)とした場合、2乗誤差e(t)=[d(t)−y(t)]が0となるように制御する。
図9を用いてウェイト制御部36が実行する重み制御アルゴリズムの第2実施形態を説明する。
図9(A)において、移動局#1の受信電力はPT1−PATT(r)+P(θ)であり、図3に示す移動局#2aの受信電力(移動前)はPT2a−PATT(r2a)であり、移動局#2aの受信電力(移動後)はPT2a−PATT(r2a)+ΔPG2aである。移動前のSIRはSIR(PT1,PT2a,θ,θ2a,r,r2a)=[PT1−PATT(r)+P(θ)]/[PT2a−PATT(r2a)]であり、移動後のSIRはSIR(PT1,PT2a,θ,θ2a,r,r2a)=[PT1−PATT(r)+P(θ)]/[PT2a−PATT(r2a)+ΔPG2a]である。そして移動区間のSIRの総和であるSaは(2)式で表わされる。
Figure 0004280657
図9(B)において、移動局#1の受信電力はPT1−PATT(r)+P(θ)であり、移動局#2bの受信電力(移動前)はPT2b−PATT(r2b)であり、図3に示す移動局#2bの受信電力(移動後)はPT2b−PATT(r2b)+ΔPG2bである。移動前のSIRはSIR(PT1,PT2b,θ,θ2b,r,r2b)=[PT1−PATT(r)+P(θ)]/[PT2b−PATT(r2b)]であり、移動後のSIRはSIR(PT1,PT2b,θ,θ2b,r,r2b)=[PT1−PATT(r)+P(θ)]/[PT2b−PATT(r2b)+ΔPG2b]である。そして移動区間のSIRの総和であるSbは(3)式で表わされる。
Figure 0004280657
この第2実施形態では、基地局−移動局間距離に依らず所定サンプル時間における移動局#1のSIRの総和が一定で、Sa=Sbとなり、即ち、(4)式が成立するようビーム形成を行う。
Figure 0004280657
このように、距離rが大きい(例えばセルエッジ)場合はヌル点に対するビーム幅を狭くしてビームの落ち込みを急峻にし、距離rが小さい(例えば基地局周辺)場合はビーム幅を広くしてヌル点に対するビームの落ち込みを緩慢にすることでステアリング能力を一定にして追従能力を保持することで、移動局の高速移動環境下においても安定に動作可能となる。
図10は、本発明のアレーアンテナ装置の第2実施形態のブロック図を示す。同図中、図6と同一部分には同一符号を付す。図10において、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
また、1本のアンテナ30の重み付け前、つまりオムニ(無指向性)アンテナの受信信号を受信電力測定部40に供給し、各移動局の受信電力を測定して距離減衰量PATT(r)及び距離rを推定してウェイト制御部36に供給する。移動局毎の受信信号の分離は、多重方式により異なるが例えばCDMAの場合には、各移動局に固有に割り当てられた拡散符号により逆拡散を行い分離する。
距離減衰量PATT(r)はPATT(r)=P+γ×10log(r)として近似される。ここで、Pはセルエッジにおける減衰量[dB]であり、γは距離減衰則に用いられる定数である。近似式はセル設計の際に実使用環境に応じた補正項が用いられることもあるが、距離減衰量から距離を推定することが可能である。
ウェイト制御部36は、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。
ここで、例えば各移動局はGPS受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報を算出するものとする。
なお、上記実施形態では1本のアンテナ30の受信信号を受信電力測定部40に供給して距離rを推定しているが、アンテナ30〜30nのうち最大受信電力のアンテナを選択して、その受信信号から距離rを推定する構成としても良い。
図11は、本発明のアレーアンテナ装置の第3実施形態のブロック図を示す。同図中、図6と同一部分には同一符号を付す。図11において、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
また、N本のアンテナ30〜30nの重み付け前の受信信号を受信電力測定部42〜42nに供給し、受信電力測定部42〜42n毎に各移動局の受信電力を測定して、受信電力合成/平均化部44で合成/平均化し、平均受信電力を用いて距離減衰量PATT(r)及び距離rを推定してウェイト制御部36に供給する。なお、m(m<N)本のアンテナの受信電力を合成/平均化する構成であっても良い。
ウェイト制御部36は、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。
ここで、例えば各移動局はGPS受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報を算出するものとする。
図12は、本発明のアレーアンテナ装置の第4実施形態のブロック図を示す。同図中、図6と同一部分には同一符号を付す。図12において、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
また、1本のアンテナ30の重み付け前、つまりオムニ(無指向性)アンテナの受信信号をFFT部46に供給し、FFT(Fast Fourier Transform)変換を行うことにより、その周波数成分を取得し、最大ドップラー周波数の推定を行う。この情報をもとに移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|即ち移動速度v)を推定する。
オムニアンテナの受信信号は指向性を絞る前では、実際の伝搬特性そのものの影響を受けている。このため、受信信号をFFT処理することで周波数パワースペクトラムが観測できる。本構成例では移動局側での一般的な受信環境、つまりパス到来方向が無色(360°より等パス到来)におけるスペクトラムであるJake’s modelが得られている。
ここで、最大周波数検出部48で周波数成分の最大値fmaxを検出することでドップラー周波数fが得られる(f=fmax)。移動速度推定部50では(5)式により移動速度vを求め、ウェイト制御部36に供給する。ここで、λは波長、cは光速(=3×108[m/s])、およびfはキャリア周波数である。
=fdi×λ
=fdi×c/f
ウェイト制御部36は、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。
ここで、例えば各移動局はGPS受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報、基地局−移動局間の距離を算出するものとする。
なお、上記実施形態では1本のアンテナ30の受信信号をFFT部46に供給して移動速度情報vを推定しているが、アンテナ30〜30nのうち最大受信電力のアンテナを選択して、その受信信号から移動速度情報vを推定する構成としても良い。
図13は、本発明のアレーアンテナ装置の第5実施形態のブロック図を示す。同図中、図6と同一部分には同一符号を付す。図13において、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
また、N本のアンテナ30〜30nの重み付け前の受信信号をFFT部52〜52nに供給してFFT変換を行い、周波数成分合成/平均化部54で合成/平均化して最大ドップラー周波数の推定を行う。つまり、最大周波数検出部48で平均化された周波数成分の最大値fmaxを検出することでドップラー周波数fが得、移動速度推定部50で(5)式により移動速度vを求め、ウェイト制御部36に供給する。なお、m(m<N)本のアンテナの受信信号のFFT変換周波数成分を合成/平均化する構成であっても良い。
ウェイト制御部36は、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。
ここで、例えば各移動局はGPS受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報を算出するものとする。
なお、図10,図11の実施形態と図12,図13の実施形態の組み合わせについても何ら問題なく動作する。
図14は、本発明のアレーアンテナ装置の第6実施形態のブロック図を示し、図15はその重み制御アルゴリズムの実施形態を説明するための図を示す。
図14において、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
ウェイト制御部36は、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成して移動方向情報Δθと共に到来角比較部56及びウェイト決定部64に供給する。
ここで、例えば各移動局はGPS受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報、基地局−移動局間の距離を算出する。
ウェイト制御部36に供給される干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rはメモリ部58に供給されて複数サンプル分が格納される。
図15において、ある観測時間t=nについて考える。t=0,1,2,…におけるビームは同心円上を移動する移動局#2に対して、距離rが一定のためΔθのみ変化させて、順次ビームのヌル点を変化させていく。なお、本説明は簡単のため同心円上の干渉となる移動局#2について説明しているが、距離が変化する場合および希望局である移動局#1が移動する場合についても一般化できる。
ここで、メモリ部58に格納された0≦t≦n−1に得られた複数サンプル分のウェイト制御情報(移動速度情報|V|,移動方向情報Δθ,基地局−移動局#i間の距離r)を用い、移動速度|EV|とその移動方向ΔEθを推定する。この推定により形成されるt=nにおける推定ビームのヌル点の移動方向ΔEθ(n)と、観測時間t=nで実際のウェイト制御情報により計算されたビームのヌル点の移動方向情報Δθ(n)のずれ、つまり、ΔΘ=|Δθ(n)−ΔEθ(n)|を求め、ずれΔΘが予め規定された閾値ΔΘth以上となった場合には、推定したビームのヌル点を初期値としてビームパターンを形成する。
このため、図14の移動速度・移動方向推定部60はメモリ部58に格納されている複数サンプル分の干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから移動速度|EV|とその移動方向ΔEθを推定して、ウェイト推定部62に供給する。
ウェイト推定部62は、推定された移動速度|EV|と、移動方向ΔEθと、距離(固定)rから、干渉となる移動局#iのパス到来方向DoAを推定し、パス到来方向DoAを基に最急降下法(LMS)などの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成して移動方向ΔEθと共に到来角比較部56及びウェイト決定部64に供給する。
到来角比較部56では、推定ビームのヌル点の移動方向ΔEθ(n)と、実際のウェイト制御情報により計算されたビームのヌル点の移動方向情報Δθ(n)のずれΔΘを求め、ずれΔΘを閾値ΔΘthと比較して、その比較結果をウェイト決定部64に供給する。ウェイト決定部64ではΔΘ<ΔΘthの場合ウェイト制御部36からの送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを選択して出力し、ΔΘ≧ΔΘthの場合ウェイト推定部62からの送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを選択して出力する。
これにより、サンプル時間における制御量を超えた移動速度に対応して高速移動時における受信電力低下を回避できる。また、一般的に高速移動時には移動速度/方向とも変動は小さく推定精度は高い。
図16は、図14における重み制御処理のフローチャートを示す。同図中、ウェイト制御部36はステップS11で干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rを読み込む。次に、ステップS12で現在のウェイトによる希望する移動局#1の受信電力を計算し、ステップS13で現在のウェイトによる干渉となる移動局#iの受信電力を計算する。ステップS14では上記移動局#1の受信電力と移動局#iの受信電力から現在のSIRを計算し、ステップS15で現在のSIRが前状態のSIRと同一か否かを判別する。
現在のSIRが前状態のSIRと同一でない場合にはステップS16でウェイト更新を行ってステップS12に進み、ステップS12〜S16を繰り返す。現在のSIRが前状態のSIRと同一となるとステップS15からステップS17に進み、現在のSIRを前状態のSIRとして保持し、ステップS18で移動方向情報Δθを演算する。ステップS16のウェイト更新については、一般的なLMSを用いる。LMSでは希望信号をd(t)、ビーム形成後の信号をy(t)とした場合、2乗誤差e(t)=[d(t)−y(t)]が0となるように制御する。
次に、ステップS20ではステップS11で読み込んだ干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rをメモリ部58に格納し、ステップS21でメモリ部58に格納されている複数サンプル分の干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから移動速度|EV|とその移動方向ΔEθを推定する。そして、ステップS22で推定された移動速度|EV|)と、移動方向ΔEθと、距離(固定)rから、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。
次に、ステップS23で推定ビームのヌル点の移動方向ΔEθ(n)と、実際のウェイト制御情報により計算されたビームのヌル点の移動方向情報Δθ(n)のずれΔΘが閾値ΔΘth以上か否かを判別し、ΔΘ≧ΔΘthの場合ステップS24に進みステップS22で推定した送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを選択して出力する。一方、ΔΘ<ΔΘthの場合はステップS25に進みステップS16で更新した送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを選択して出力する。
図17は、本発明のアレーアンテナ装置の第7実施形態のブロック図を示す。図17の実施形態では図14の到来角比較部56とウェイト決定部64の代りに、ウェイト補正部66を設けている。ウェイト補正部66には、ウェイト制御部36から送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rと移動方向情報Δθが供給され、また、ウェイト推定部62は、推定された移動速度|EV|)と、移動方向情報Δθと、距離(固定)rから送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rと移動方向ΔEθが供給される。
ウェイト補正部66では、推定ビームのヌル点の移動方向ΔEθ(n)と、実際のウェイト制御情報により計算されたビームのヌル点の移動方向Δθ(n)のずれΔΘを求め、ずれΔΘを閾値ΔΘthと比較してΔΘ≧ΔΘthの場合に、ずれΔΘに所定の補正係数を乗算した値を補正値としてウェイト制御部36にフィードバックする。
ウェイト制御部36では、t=n+1以降、フィードバックされた補正値とウェイト制御情報(干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離r)を用いて送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。このようにして、これまでのビームの遷移を継承するためビーム形成時の推定精度を高めることが可能となる。
図18は、本発明のアレーアンテナ装置の第8実施形態のブロック図を示し、図19はその重み制御アルゴリズムの実施形態を説明するための図を示す。
図18において、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
ウェイト制御部36は、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成して移動方向情報Δθと共に到来角比較部56及び推定ウェイト到来角電力演算部68及びウェイト決定部72に供給する。
ここで、例えば各移動局はGPS受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報、基地局−移動局間の距離を算出する。
ウェイト制御部36に供給される干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rはメモリ部58に供給されて複数サンプル分が格納される。
移動速度・移動方向推定部60はメモリ部58に格納されている複数サンプル分の干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから移動速度|EV|とその移動方向ΔEθを推定して、ウェイト推定部62に供給する。
ウェイト推定部62は、推定された移動速度|EV|)と、移動方向ΔEθと、距離(固定)rから、干渉となる移動局#iのパス到来方向DoAを推定し、パス到来方向DoAを基に最急降下法(LMS)などの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成して移動方向ΔEθと共に到来角比較部56及び推定ウェイト到来角電力演算部68及びウェイト決定部72に供給する。
到来角比較部56では、推定ビームのヌル点の移動方向ΔEθ(n)と、実際のウェイト制御情報により計算されたビームのヌル点の移動方向情報Δθ(n)のずれΔΘを求め、ずれΔΘを閾値ΔΘthと比較して、その比較結果をウェイト決定部64に供給する。ウェイト決定部64ではΔΘ<ΔΘthの場合ウェイト制御部36からの送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを選択して出力し、ΔΘ≧ΔΘthの場合ウェイト推定部62からの送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを選択して出力する。
本実施形態は、ある与えられた移動速度|V|において、基地局−移動局#i間の距離rに応じたヌル点のずれによる干渉電力抑圧量ΔPが異なるため、これに対応するものである。なお、干渉電力抑圧量ΔPとは、t=nにおける実際のビームの干渉電力と推定ビームの干渉電力の差である。
ヌル点のずれΔΘが一定(ΔΘna=ΔΘnb)であっても、距離rが大きい場合は図19(A)に示すようにビーム幅が狭いために干渉電力抑圧量ΔP2aは大きくなり、距離rが小さい場合は図19(B)に示すようにビーム幅が広いために干渉電力抑圧量ΔP2aは小さくなる。
従って、距離rが小さい場合はずれΔΘが大きくても受信電力の低減が小さいため、ウェイト推定値を用いたビーム形成を行わないようにする。この場合はt=nにおいて0≦t≦n−1で得られたウェイト制御情報を用いて推定されたビームの干渉電力と、t=nの実際のウェイト制御情報より得られたビーム利得パターンのずれΔΘにおける干渉電力の差つまり干渉電力抑圧量ΔPが規定する閾値ΔPth以上になった場合には、推定したビームのヌル点を初期値としてビームパターンを形成する。
図18の推定ウェイト到来角電力演算部68では、ウェイト制御部36からの出力ウェイトによる干渉局の到来方向(ヌル点)を求め、このヌル点においてウェイト推定部62からの推定ウェイトによる干渉電力抑圧量ΔPを算出する。電力比較部70では、上記干渉電力抑圧量ΔPが閾値ΔPth以上となっているかどうかを判断してウェイト決定部72に通知する。
干渉電力抑圧量ΔPが閾値ΔPth以下の場合には、ウェイト決定部72ではウェイト制御部36の出力を選択し、干渉電力抑圧量ΔPが閾値ΔPth以上の場合には、ウェイト推定部62の出力を選択し更新ウェイトとする。
図20は、本発明のアレーアンテナ装置の第9実施形態のブロック図を示す。図20の実施形態では図18の到来角比較部56とウェイト決定部72の代りに、ウェイト補正部74を設けている。ウェイト補正部74には、ウェイト制御部36から送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rと移動方向情報Δθが供給され、また、ウェイト推定部62は、推定された移動速度|EV|)と、移動方向情報Δθと、距離(固定)rから送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rと移動方向ΔEθと、電力比較部70の出力が供給される。
ウェイト補正部74では、干渉電力抑圧量ΔPが閾値ΔPth以上となった場合において、t=nの実際のウェイト制御情報より得られたビーム利得パターンと、t=nにおいて推定されたビームのずれである干渉電力抑圧量ΔP及びずれΔΘに所定の補正係数を乗算した値を補正値として補正値としてウェイト制御部36にフィードバックする。
ウェイト制御部36では、t=n+1以降、フィードバックされた補正値とウェイト制御情報(干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離r)を用いて送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。このようにして、これまでのビームの遷移を継承するためビーム形成時の推定精度を高めることが可能となる。
図21は、本発明のアレーアンテナ装置の第10実施形態のブロック図を示す。同図中、隣接するセル#Aとセル#Bでは、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
セル#Aにおいて、ウェイト制御部36は、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成して移動方向情報Δθと共に到来角比較部56及びウェイト決定部64に供給する。
ここで、例えば各移動局はGPS受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報、基地局−移動局間の距離を算出する。
ウェイト制御部36に供給される干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rはメモリ部58に供給されて複数サンプル分が格納される。移動速度・移動方向推定部60はメモリ部58に格納されている複数サンプル分の干渉となる移動局#iの移動速度情報|V|と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから移動速度|EV|とその移動方向ΔEθを推定して、当該移動局がセル#Aからセル#Bにハンドオーバする場合に移動速度|EV|と移動方向ΔEθをセル#Bの初期ウェイト生成部80に供給する。
セル#Bにおいて、初期ウェイト生成部80は、推定された移動速度|EV|)と、移動方向ΔEθと、固定の距離r(ハンドオーバ時の基地局−移動局間距離r=rmaxは自明)から、干渉となる移動局#iのパス到来方向DoAを推定し、パス到来方向DoAを基に受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rの初期値を生成して、セル#Bのウェイト制御部36に供給する。
この構成により、ビーム形成の初期引き込み時間を削減することでハンドオーバしてくる移動局の干渉を瞬時に抑圧することが可能となる。
図22は、本発明のアレーアンテナ装置の第11実施形態のブロック図を示す。同図中、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
到来方向推定部82では、干渉となる移動局のパス到来方向DoAを推定し、DoA推定値をウェイト制御部36に供給する。
ウェイト制御部36は、推定された干渉となる移動局のパス到来方向DoAを初期値とし、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。ウェイト制御部36が実行する重み制御アルゴリズムとしては、図7で説明した第1実施形態、または図9で説明した第2実施形態を用いる。
ここで、例えば各移動局はGPS(Global Positioning System)受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報、基地局−移動局間の距離を算出する。また、乗算器34〜34nの出力信号は加算部38で加算されて出力される。なお、本発明によるヌル制御規範は送信ヌルフォーミングにもそのまま適用できる。
この実施形態では、到来方向推定部82で干渉となる移動局のパス到来方向DoAを推定し、DoA推定値をウェイト制御部36で初期値として用いるため、受信ヌルフォーミングの収束が速くなる。
図23は、本発明のアレーアンテナ装置の第12実施形態のブロック図を示す。同図中、N本の無指向性のアンテナ30〜30nを用い、乗算器32〜32nに与える送信ビーム形成用の重み(ウェイト)ベクトルW_Tを|wT_1,wT_2,…,wT_N|とし、乗算器34〜34nに与える受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを|wR_1,wR_2,…,wR_N|とする。
到来方向推定部82では、干渉となる移動局のパス到来方向DoAを推定し、DoA推定値をウェイト制御部36に供給する。
ウェイト制御部36は、推定された干渉となる移動局のパス到来方向DoAを初期値とし、干渉となる移動局#iの移動速度情報(移動速度ベクトルの絶対値|V|)と、移動方向情報Δθと、基地局−移動局#i間の距離rから、移動方向情報Δθを基に最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムを動作させ、受信ヌルフォーミングを行って、送信ビーム用の1次重みベクトルW_1Tと受信ビーム用の1次重みベクトルW_1Rを生成する。ウェイト制御部36が実行する重み制御アルゴリズムとしては、図7で説明した第1実施形態、または図9で説明した第2実施形態を用いる。
ここで、例えば各移動局はGPS(Global Positioning System)受信部を有し、このGPS受信部から自局の位置情報を得て、この位置情報を定期的に基地局に通知するものとし、基地局では位置情報の変化から移動速度ベクトル、移動方向情報、基地局−移動局間の距離を算出する。また、乗算器34〜34nの出力信号は加算部38で加算されて出力される。なお、本発明によるヌル制御規範は送信ヌルフォーミングにもそのまま適用できる。
収束アルゴリズム部84は、アンテナ30〜30nの受信信号にウェイト制御部36から供給される1次重みベクトルW_Rを乗算した結果を、レプリカ格納部86から読出した既知の基準信号と比較して最急降下法LMSなどの収束アルゴリズムにより収束させることで受信ヌルフォーミングを行い、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rを生成する。
この実施形態では収束アルゴリズムを二重に動作させるため、送信ビーム形成用の重みベクトルW_Tと受信ビーム形成用の重みベクトルW_Rの収束を高速に行うことができる。
なお、上記実施形態では、基地局から移動局への下りリンクについて説明しているが、移動局から基地局への上りリンクについても適用可能である。
なお、ウェイト制御部36が請求項記載のウェイト制御手段に対応し、受信電力推定部40,42〜42,受信電力合成/平均部44が距離推定手段に対応し、FFT部46,52〜52,周波数成分合成/平均部54,最大周波数検出部48,移動速度推定部50が移動速度推定手段に対応し、メモリ部58,移動速度・移動方向推定部60,ウェイト推定部62がヌル点推定手段に対応し、到来角比較部56,ウェイト決定部64が初期値設定手段に対応し、ウェイト補正部66がフィードバック手段に対応し、初期ウェイト生成部80がハンドオーバ初期値設定手段に対応し、到来方向推定部82がパス到来方向推定手段に対応し、収束アルゴリズム部84,レプリカ格納部86が収束手段に対応する。
(付記1)
アレーアンテナのヌル点を干渉となる移動局に向けるようビーム形成を行うアレーアンテナのビーム形成方法において、
前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定となるようビーム形成を行うことを特徴とするアレーアンテナのビーム形成方法。
(付記2)
アレーアンテナのヌル点を干渉となる移動局に向けるようビーム形成を行うアレーアンテナのビーム形成方法において、
前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、一定時間内で前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比の総和が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定となるようビーム形成を行うことを特徴とするアレーアンテナのビーム形成方法。
(付記3)
アレーアンテナのヌル点を干渉となる移動局に向けるようビーム形成を行うアレーアンテナ装置において、
前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定となるようビーム形成用ウェイトを制御するウェイト制御手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記4)
アレーアンテナのヌル点を干渉となる移動局に向けるようビーム形成を行うアレーアンテナ装置において、
前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、一定時間内で前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比の総和が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定となるようビーム形成用ウェイトを制御するウェイト制御手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記5)
付記3または4記載のアレーアンテナ装置において、
前記アレーアンテナのうち単一のアンテナにおける前記干渉となる移動局の受信電力から前記干渉となる移動局の距離を推定する距離推定手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記6)
付記3または4記載のアレーアンテナ装置において、
前記アレーアンテナのうち最大受信電力のアンテナにおける前記干渉となる移動局の受信電力から前記干渉となる移動局の距離を推定する距離推定手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記7)
付記3または4記載のアレーアンテナ装置において、
前記アレーアンテナの複数のアンテナにおける前記干渉となる移動局の受信電力の平均値から前記干渉となる移動局の距離を推定する距離推定手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記8)
付記3または4記載のアレーアンテナ装置において、
前記アレーアンテナのうち単一のアンテナにおける受信信号のフーリエ変換を行って最大ドップラー周波数を推定し、前記最大ドップラー周波数から前記干渉となる移動局の移動速度を推定する移動速度推定手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記9)
付記3または4記載のアレーアンテナ装置において、
前記アレーアンテナのうち最大受信電力のアンテナにおける受信信号のフーリエ変換を行って最大ドップラー周波数を推定し、前記最大ドップラー周波数から前記干渉となる移動局の移動速度を推定する移動速度推定手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記10)
付記3または4記載のアレーアンテナ装置において、
前記アレーアンテナの複数のアンテナにおける受信信号のフーリエ変換を行って複数の最大ドップラー周波数を推定し、前記複数の最大ドップラー周波数の平均値から前記干渉となる移動局の移動速度を推定する移動速度推定手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記11)
付記3乃至10のいずれか記載のアレーアンテナ装置において、
ある観測時点以前に得られた前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向から前記ある観測時点におけるビームのヌル点を推定するヌル点推定手段と、
前記ヌル点推定手段の推定値と前記ある観測時点における実際のビームのヌル点とのずれが閾値以上になったとき前記ヌル点推定手段で推定したビームのヌル点をビーム形成の初期値として設定する初期値設定手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記12)
付記11記載のアレーアンテナ装置において、
前記ヌル点推定手段の推定値と前記ある観測時点における実際のビームのヌル点とのずれに応じた補正値を前記ウェイト制御手段にフィードバックするフィードバック手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記13)
付記11または12記載のアレーアンテナ装置において、
前記初期値設定手段は、前記ある観測時点における実際のビームのヌル点における前記ヌル点推定手段の推定値から求めた干渉電力抑圧量が閾値以上となったとき前記ビーム形成の初期値を設定することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記14)
付記3乃至13のいずれか記載のアレーアンテナ装置において、
ハンドオーバしてくる前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向を供給され、ハンドオーバ時に前記干渉となる移動局のパス到来方向を推定して前記ウェイト制御手段に初期値として設定するハンドオーバ初期値設定手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記15)
付記3または4記載のアレーアンテナ装置において、
前記アレーアンテナの受信信号から前記干渉となる移動局のパス到来方向を推定して前記ウェイト制御手段に初期値として設定するパス到来方向推定手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
(付記16)
付記3または4または15記載のアレーアンテナ装置において、
前記アレーアンテナの受信信号に前記ウェイト制御手段の出力する受信用ウェイトを乗算した結果を既知の基準信号と比較して収束させ受信ヌルフォーミングを行う収束手段を
有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
従来のヌルフォーミング法を用いた装置のブロック図である。 従来の重み制御アルゴリズムを説明するための図である。 移動局の距離に応じた位相変化を説明するための図である。 従来のビーム制御を説明するための図である。 従来のビーム制御を説明するための図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第1実施形態のブロック図である。 重み制御アルゴリズムの第1実施形態を説明するための図である。 重み制御処理の第1実施形態のフローチャートである。 重み制御アルゴリズムの第2実施形態を説明するための図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第2実施形態のブロック図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第3実施形態のブロック図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第4実施形態のブロック図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第5実施形態のブロック図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第6実施形態のブロック図である。 図14に示す装置の重み制御アルゴリズムの実施形態を説明するための図である。 図14に示す装置の重み制御アルゴリズムのフローチャートである。 本発明のアレーアンテナ装置の第7実施形態のブロック図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第8実施形態のブロック図である。 図18に示す装置の重み制御アルゴリズムの実施形態を説明するための図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第9実施形態のブロック図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第10実施形態のブロック図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第11実施形態のブロック図である。 本発明のアレーアンテナ装置の第12実施形態のブロック図である。
符号の説明
30〜30n アンテナ
32〜32n 乗算器
34〜34n 乗算器
36 ウェイト制御部
38 加算部
42〜42n 受信電力測定部
44 受信電力合成/平均化部
46 FFT部
48 最大周波数検出部
56 到来角比較部
58 メモリ部
60 移動速度・移動方向推定部
62 ウェイト推定部
64,72 ウェイト決定部
66,74 ウェイト補正部
68 推定ウェイト到来角電力演算部
70 電力比較部

Claims (5)

  1. アレーアンテナのヌル点を干渉となる移動局に向けるようビーム形成を行うアレーアンテナのビーム形成方法において、
    前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定で、移動後のビーム利得変化量が前記距離によらず一定となるようビーム形成を行うことを特徴とするアレーアンテナのビーム形成方法。
  2. アレーアンテナのヌル点を干渉となる移動局に向けるようビーム形成を行うアレーアンテナのビーム形成方法において、
    前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、一定時間内で前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比の積分値が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定となるようビーム形成を行うことを特徴とするアレーアンテナのビーム形成方法。
  3. アレーアンテナのヌル点を干渉となる移動局に向けるようビーム形成を行うアレーアンテナ装置において、
    前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定で、移動後のビーム利得変化量が前記距離によらず一定となるようビーム形成用ウェイトを制御するウェイト制御手段を
    有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
  4. アレーアンテナのヌル点を干渉となる移動局に向けるようビーム形成を行うアレーアンテナ装置において、
    前記干渉となる移動局の移動速度と移動方向及び前記アレーアンテナと前記干渉となる移動局の距離を基に、一定時間内で前記干渉となる移動局が移動した時の信号電力対干渉電力比の積分値が、前記距離によらず、移動前と移動後で一定となるようビーム形成用ウェイトを制御するウェイト制御手段を
    有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
  5. 請求項3または4記載のアレーアンテナ装置において、
    前記アレーアンテナのうち単一のアンテナにおける前記干渉となる移動局の受信電力から前記干渉となる移動局の距離を推定する距離推定手段を
    有することを特徴とするアレーアンテナ装置。
JP2004056522A 2004-03-01 2004-03-01 アレーアンテナのビーム形成方法及びその装置 Expired - Fee Related JP4280657B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004056522A JP4280657B2 (ja) 2004-03-01 2004-03-01 アレーアンテナのビーム形成方法及びその装置
EP04255115.0A EP1571761B1 (en) 2004-03-01 2004-08-25 A method for forming a beam of an array antenna and apparatus
US10/926,444 US7629927B2 (en) 2004-03-01 2004-08-25 Method for forming a beam of an array antenna and apparatus therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004056522A JP4280657B2 (ja) 2004-03-01 2004-03-01 アレーアンテナのビーム形成方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005252376A JP2005252376A (ja) 2005-09-15
JP4280657B2 true JP4280657B2 (ja) 2009-06-17

Family

ID=34747603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004056522A Expired - Fee Related JP4280657B2 (ja) 2004-03-01 2004-03-01 アレーアンテナのビーム形成方法及びその装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7629927B2 (ja)
EP (1) EP1571761B1 (ja)
JP (1) JP4280657B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7309666B2 (ja) 2016-12-08 2023-07-18 株式会社村田製作所 多層セラミック基板及び電子装置

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100723804B1 (ko) * 2004-12-15 2007-05-31 삼성전자주식회사 스마트 안테나 통신 시스템의 호 절단 방지 장치 및 방법
KR100832319B1 (ko) * 2005-12-06 2008-05-26 삼성전자주식회사 스마트 안테나 시스템의 빔포밍 장치 및 방법
DE602009000531D1 (de) * 2008-09-04 2011-02-17 Alcatel Lucent Systeme und Verfahren zur Bereitstellung von Breitbandmobilfunkkommunikationsdiensten an Bord eines Flugzeugs
US20130208612A1 (en) * 2012-02-12 2013-08-15 Go Net Systems Ltd. Methods and systems for interference mitigation in wireless local area networks
JP6142451B2 (ja) * 2013-02-28 2017-06-07 国立大学法人室蘭工業大学 追尾アンテナ装置
TWI511590B (zh) * 2013-03-27 2015-12-01 Wistron Corp 根據地理資訊改善無線移動裝置換手問題之無線通訊系統以及改善換手問題之方法
JP6326646B2 (ja) * 2014-08-28 2018-05-23 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 減衰特性関数推定装置、減衰特性関数推定方法、及びプログラム
CN105282761B (zh) * 2015-09-21 2018-11-02 梁海浪 一种快速lms自适应波束形成的方法
JP6542143B2 (ja) * 2016-03-11 2019-07-10 株式会社Nttドコモ 基地局
KR101881166B1 (ko) * 2016-05-17 2018-07-23 한국전자통신연구원 이동무선백홀 네트워크의 빔 포밍 통신 장치 및 방법
WO2018221431A1 (ja) * 2017-06-02 2018-12-06 日本電気株式会社 無線装置及び無線通信方法
JP6923026B1 (ja) * 2020-02-27 2021-08-18 沖電気工業株式会社 飛行体およびプログラム

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08285934A (ja) 1995-04-19 1996-11-01 Nec Corp 妨害波除去システム
US5909460A (en) * 1995-12-07 1999-06-01 Ericsson, Inc. Efficient apparatus for simultaneous modulation and digital beamforming for an antenna array
US5924020A (en) 1995-12-15 1999-07-13 Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) Antenna assembly and associated method for radio communication device
CA2340716A1 (en) 1998-08-18 2000-03-02 Beamreach Networks, Inc. Stacked-carrier discrete multiple tone communication technology
JP3416596B2 (ja) 1999-11-19 2003-06-16 三洋電機株式会社 無線基地局
JP2001320318A (ja) 1999-11-29 2001-11-16 Texas Instr Inc <Ti> Gpsに支援されたセルラー通信
JP3872953B2 (ja) 1999-12-27 2007-01-24 株式会社東芝 アダプティブアンテナを用いた無線通信装置
JP2001203630A (ja) 2000-01-24 2001-07-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 指向性制御アンテナ装置
GB0020088D0 (en) * 2000-08-15 2000-10-04 Fujitsu Ltd Adaptive beam forming
JP2002208889A (ja) 2000-10-31 2002-07-26 Toshiba Corp 無線通信システム、ウェイト制御装置及びウェイト・ベクトル生成方法並びに無線基地局用アダプティブアレイの制御方法及びアダプティブアレイ
JP3589292B2 (ja) * 2000-11-30 2004-11-17 日本電気株式会社 移動体通信装置
JP3767799B2 (ja) * 2001-04-09 2006-04-19 日本電気株式会社 アレーアンテナのヌル方向制御方法及び装置
JP4744725B2 (ja) * 2001-05-25 2011-08-10 三菱電機株式会社 干渉キャンセラ
JP3888424B2 (ja) 2001-06-01 2007-03-07 日本電気株式会社 適応アンテナ受信装置
JP4717270B2 (ja) 2001-06-22 2011-07-06 Kddi株式会社 無線基地局
JP2003051775A (ja) 2001-08-06 2003-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd W−cdma/tdd基地局及びアレイアンテナ指向性制御方法
JP3609767B2 (ja) 2001-09-14 2005-01-12 三洋電機株式会社 無線基地装置、送信指向性キャリブレーション方法、および送信指向性キャリブレーションプログラム
JP4100891B2 (ja) 2001-09-19 2008-06-11 三洋電機株式会社 無線端末装置、送信指向性キャリブレーション方法、および送信指向性キャリブレーションプログラム
JP3600199B2 (ja) 2001-09-19 2004-12-08 三洋電機株式会社 無線基地装置、送信指向性キャリブレーション方法、および送信指向性キャリブレーションプログラム
JP2006005436A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Fujitsu Ltd 送信ビームフォーミングの適応制御方法及び装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7309666B2 (ja) 2016-12-08 2023-07-18 株式会社村田製作所 多層セラミック基板及び電子装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7629927B2 (en) 2009-12-08
EP1571761B1 (en) 2016-04-13
EP1571761A3 (en) 2008-01-23
JP2005252376A (ja) 2005-09-15
US20050190105A1 (en) 2005-09-01
EP1571761A2 (en) 2005-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4213124B2 (ja) 適応制御装置
US8933840B2 (en) Control method of wireless communication system, wireless communication system, wireless communication apparatus, and adjustment method of array weight vector
JP3589292B2 (ja) 移動体通信装置
US8508409B2 (en) Control method of wireless communication system, wireless communication system, adjustment method of array weight vector, and wireless communication device
CA2301088C (en) Radio communication apparatus and transmission power controlling method
US7671800B2 (en) Beamforming apparatus and method in a smart antenna system
JP4280657B2 (ja) アレーアンテナのビーム形成方法及びその装置
JP4299083B2 (ja) 無線通信装置及び無線通信方法
JP2001251233A (ja) アダプティブアンテナを用いた無線通信装置
JPH08274687A (ja) Cdma無線伝送装置およびcdma無線伝送システム
US7414578B1 (en) Method for efficiently computing the beamforming weights for a large antenna array
WO2005055466A1 (ja) マルチビーム送受信装置および送受信方法
JP4408262B2 (ja) 適応アンテナアレー送信装置および適応アンテナアレー送信方法
US7558350B2 (en) Adaptive antenna reception device having excellent initial directional beam reception quality
JP2006203674A (ja) 基地局装置
KR20030058098A (ko) 스마트 안테나를 이용한 이동 통신 시스템에서 빔 패턴제어 방법
JP2007504729A (ja) 無線通信システムにおける信号の伝送方法、ならびに相応する送信局及び受信局
KR102128400B1 (ko) 무선전송 장치의 전파 빔 방향 조정 방법
CN115642998B (zh) 一种毫米波频段联合通信与定位的导频分配方法
KR20080058805A (ko) 광대역 무선통신 시스템에서 빔포밍을 지원하기 위한 장치및 방법
Chahbi et al. Improving performance of ad hoc and vehicular networks using the LCMV beamformer
KR100698996B1 (ko) 적응 제어 장치
US20110319108A1 (en) Wireless communication device and method
Chong et al. Smart Antennas: Mobile Station (MS) and Base Station (BS) Antenna Beamforming

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090310

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090316

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees