JP4280205B2 - プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents
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Description
これらプラスチックレンズに要求され続けている性能は光学性能としては高屈折率、高アッベ数、物理的性質としては高耐熱性、高耐衝撃性、低比重である。
[1] 大気中80℃において30時間以内に硬化する重合性組成物であって、(a)エピスルフィド基を2個以上有する1種以上の化合物、(b)メルカプト基を1個以上有する1種以上の化合物、および、(c)エピスルフィド基を有さない化合物であって大気中で(b)と反応して硬化可能な1種以上の化合物を含有し、(a)60〜95重量部に対して、(b)および(c)を合計で5〜40重量部含有する重合性組成物に関する。ここで、(b)メルカプト基を一個以上有する化合物は、エピスルフィド基を有さないか、または、エピスルフィド基を1個のみ有する。このことによって、(b)は(a)から明確に区別される。
また、下記[2]から[6]は、それぞれ本発明の好ましい実施態様の1つである。
[2] さらに単体の硫黄を含有する、[1]に記載の重合性組成物。
[3] [1]または[2]に記載の重合性組成物を重合硬化して得られるエピスルフィド系硫黄原子含有樹脂からなる光学材料。
[4] 上記エピスルフィド系硫黄含有樹脂の屈折率が1.60以上である[3]に記載の光学材料。
[5] 上記エピスルフィド系硫黄原子含有樹脂がさらにチオウレタン結合を含有したものである[3]または[4]に記載の光学材料。
[6] [3]乃至[5]のいずれか1項に記載の光学材料からなるプラスチックレンズ。ここで、「光学材料からなる」とは、当該プラスチックレンズの一部が当該光学材料で構成されている場合、および、当該プラスチックレンズの全部が当該光学材料で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。
ここで、エピスルフィド系硫黄原子含有樹脂の原料としてのエピスルフィド化合物の具体例を挙げておく。本発明において、エピスルフィド系硫黄原子含有樹脂を製造するにあたり使用可能なエピスルフィド化合物は、2個以上のエピスルフィド基を有する化合物であるが、そのうち好ましいものの具体例としては、ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(エピチオエチルチオ)メタン、ビス(エピチオエチルチオ)ベンゼン、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]メタン等のエピチオエチル化合物、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物、及び、
これらのエピスルフィド化合物は、単独でも、2種類以上混合して使用してもよい。
(b)はメルカプト基を1個以上有すれば良いが、メルカプト基を2個以上有する化合物、すなわち後述するポリチオール化合物を使用することが好ましい。更に、ポリチオールが、分子内にスルフィド結合やジスルフィド結合を有していればより好ましい。
次に、使用可能なポリチオール化合物の具体例としては、1,1−メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラキス(メルカプトメチル)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物、
続いて、大気中で(b)と反応して硬化可能なエピスルフィド基を有さない1種以上の化合物について説明する。本発明における大気中で硬化可能なエピスルフィド基を有さない1種以上の化合物とは、大気中であれば、重合触媒や硬化剤等の共存あるいは非共存下、熱、光、電子線等のいずれかの条件下で重合可能であり、硬化するものを意味する。これらの化合物を重合して得られる樹脂は、その高分子鎖中には、スルフィド結合やジスルフィド結合、チオウレタン結合、チオエステル結合などの硫黄原子を含有している方が好ましく、また、高分子中に単体の硫黄が溶解した状態のものや、高分子鎖中にスルフィド結合やジスルフィド結合、チオウレタン結合、チオエステル結合などの硫黄原子を含有し、かつ、高分子中に単体の硫黄が溶解した状態のものであればより好ましい。
ここで、(c)成分として使用可能な化合物の具体例を挙げておく。
本発明において、(c)成分として使用可能なポリオレフィン化合物の具体例としては、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ブチキシエチルアクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、1,1−ビス(4−アクロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)メタン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、メチルチオアクリレート、メチルチオメタクリレート、フェニルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレンジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、
次に、使用可能なポリエポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノールAグリシジルエーテル等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合反応により得られるフェノール系エポキシ化合物、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアルコール系エポキシ化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや1,2−ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の多価有機酸化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるグリシジルエステル系エポキシ化合物、二級アミン化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアミン系エポキシ化合物等その他、ビニルシクロヘキセンジエポキシド等脂肪族多価エポキシ化合物等を挙げることができる。
本発明において、硫黄原子含有樹脂を製造するにあたり使用可能なポリイソ(チオ)シアナート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11−ウンデカトリイソシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチリレントリイソシアナート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン等の脂肪族ポリイソシアナート化合物、
次に、本発明の硫黄原子含有樹脂の改質について記載する。本発明の硫黄原子含有樹脂の屈折率、アッベ数等の光学物性の調整や、色相、耐光性や耐候性、耐熱性、耐衝撃性、硬度、比重、線膨張係数、重合収縮率、吸水性、吸湿性、耐薬品性、粘弾性等の諸物性を調整、透過率や透明性の調整するためなど、樹脂の改良や取り扱い性を改良する目的で、公知の化合物等を安定剤や樹脂改質剤として加えたりすることは良好な樹脂を得る目的で好ましい場合がある。重合安定性、熱安定性などの安定性向上のために加えられるものとしては、重合遅延剤や重合禁止剤、脱酸素剤、酸化防止剤などの化合物が挙げられるが、記載のものに限定されるわけではない。
2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、n−ブチル−4,4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のラジカル重合触媒、
本発明の硫黄原子含有樹脂(例えば、プラスチックレンズ)を得る際の代表的な重合方法としては、注型重合が挙げられる。即ち、ガスケットまたはテープ等で保持された成型モールド間に、本発明の硫黄原子含有樹脂の原料組成物を注入する。注入操作は、特に問題のない限り通常の雰囲気下で行うと良いが、窒素雰囲気下または、乾燥ガス雰囲気下で行うとより良い結果を与える場合がある。モールド内を予め窒素ガスまたは乾燥ガスで置換しておいても良い。ここで原料組成物には必要に応じて硬化触媒および樹脂改質剤を混合したり、脱泡操作などの10kPa以下での減圧処理、フィルター濾過等の操作を予め行っておいてもよい。次いで、オーブン中や水中など加熱可能装置内で加熱することにより硬化させ、硫黄原子含有樹脂を取り出すことができる。
更に、本発明の硫黄原子含有樹脂は、注型重合時の成型モールドを変えることにより種々の形態の成形体として得ることができ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、発光ダイオード(LED)等の高屈折率や透明性の特長を生かした樹脂が要求される各種の用途に使用することができる。特に、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学材料として好適である。本発明の光学材料の屈折率は、通常1.60以上であり、これを用いて作製されるメガネレンズのファッション性等の観点から好ましくは1.67以上、さらに好ましくは1.70以上、特に好ましくは1.74以上である。
・ 耐熱性: TMAペネトレーション法(50g荷重、ピン先0.5mmφ)でのTgを耐熱性とした。
・ 樹脂透明性 : 高圧水銀灯下目視で観察した。濁りのあるものを×、透明性に優れたものを○とした。
・ 大気中での硬化性 : レンズ製造可能な状態に調合した原料モノマーを駒込ピペットを使用してガラス板上に5滴垂らしたものを、気層部が大気である加熱オーブン内にセッティングし、オーブン内を80℃に保つ。この状態で30時間保持した後、該ガラス板を取り出し、ガラス板上の原料モノマー組成物の状態を確認する。このとき原料モノマーが硬化しているものを○。硬化していないものを×とした。
室温20℃にてビーカーに1,1,3,3−テトラキス(2,3−エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパン260gと1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン30.0g、ジビニルスルフィド10.0g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.3gを混合し溶解した後、硬化触媒としてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.6gを添加後混合したものを減圧下で0.4時間脱泡した後、ガラスモールドとガスケットよりなるレンズ作成用モールド型(−6D)に注入し、残液をガラス板上へ垂らした。このモールドを30℃から120℃まで24時間で昇温し、重合を行った。重合終了後、徐々に冷却し、モールドからレンズを取り外した。得られた樹脂は、透明性に優れ、外観良好なものであった。得られた樹脂の光学物性を測定したところ、屈折率ne=1.76、νe=31であった。ガラス板は気層部が大気であるオーブン中にて80℃、30時間保持した後徐々に冷却した。冷却後、板上に垂らした原料モノマーの状態を確認した結果、流動性はなく、手で触れても液が移らなかった。得られた結果を表1にまとめた。
室温20℃にてビーカーに1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン40.0g、m−キシリレンジイソシアナート35.0g、硬化触媒としてジメチル錫ジアセテート0.015g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.3gを混合し、均一液とした後、1,1,3,3−テトラキス(2,3−エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパン225gと内部離型剤としてテトラn−ブチルホスホニウムブロミド0.1gを添加し、混合した。得られた混合液を減圧下で0.4時間脱泡した後、ガラスモールドとガスケットよりなるレンズ作成用モールド型(−6D)に注入、残液をガラス板上へ垂らした。このモールドを30℃から120℃まで24時間で昇温し、重合を行った。重合終了後、徐々に冷却し、モールドからレンズを取り外した。得られた樹脂は、透明性に優れ、外観良好なものであった。得られた樹脂の光学物性を測定したところ、屈折率ne=1.75、νe=30であった。ガラス板は気層部が大気であるオーブン中にて80℃、30時間保持した後徐々に冷却した。冷却後、板上に垂らした原料モノマーの状態を確認した結果、流動性はなく、手で触れても液が移らなかった。結果を表1にまとめた。
室温20℃にてビーカーに1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン30.0g、m−キシリレンジイソシアナート25.0g、硬化触媒としてジメチル錫ジアセテート0.010g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.3gを混合し、均一液とした後、1,1,3,3−テトラキス(2,3−エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパン225gと硫黄20.0gと内部離型剤としてテトラn−ブチルホスホニウムブロミド0.1gを添加し、混合した。得られた混合液を減圧下で0.4時間脱泡した後、ガラスモールドとガスケットよりなるレンズ作成用モールド型(−6D)に注入、残液をガラス板上へ垂らした。このモールドを30℃から120℃まで24時間で昇温し、重合を行った。重合終了後、徐々に冷却し、モールドからレンズを取り外した。得られた樹脂は、透明性に優れ、外観良好なものであった。得られた樹脂の光学物性を測定したところ、屈折率ne=1.76、νe=30であった。ガラス板は気層部が大気であるオーブン中にて80℃、30時間保持した後徐々に冷却した。冷却後、板上に垂らした原料モノマーの状態を確認した結果、流動性はなく、手で触れても液が移らなかった。結果を表1にまとめた。
室温20℃にてビーカーに1,1,3,3−テトラキス(2,3−エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパン270gと1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン30.0g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.3gを混合し溶解した後、硬化触媒としてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.6gを添加後混合したものを減圧下で0.4時間脱泡した後、ガラスモールドとガスケットよりなるレンズ作成用モールド型(−6D)に注入し、残液をガラス板上へ垂らした。このモールドを30℃から120℃まで24時間で昇温し、重合を行った。重合終了後、徐々に冷却し、モールドからレンズを取り外した。得られた樹脂は、透明性に優れ、外観良好なものであった。得られた樹脂の光学物性を測定したところ、屈折率ne=1.78、νe=30であった。ガラス板は気層部が大気であるオーブン中にて80℃、30時間保持した後徐々に冷却した。冷却後、板上に垂らした原料モノマーの状態を確認した結果、粘度は上昇していたものの流動性があり、手で触れたところ液が手に移り支障があった。また、オーブン内に強烈な臭気が残っていた。結果を表1にまとめた。
室温20℃にてビーカーに1,1,3,3−テトラキス(2,3−エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパン260gと単体の硫黄20gとを混合し十分溶解させた後、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン20.0g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.3gを混合し溶解した。更に、硬化触媒としてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.6gを添加後混合したものを減圧下で0.4時間脱泡した後、ガラスモールドとガスケットよりなるレンズ作成用モールド型(−6D)に注入し、残液をガラス板上へ垂らした。このモールドを30℃から120℃まで24時間で昇温し、重合を行った。重合終了後、徐々に冷却し、モールドからレンズを取り外した。得られた樹脂は、透明性に優れ、外観良好なものであった。得られた樹脂の光学物性を測定したところ、屈折率ne=1.77、νe=30であった。ガラス板は気層部が大気であるオーブン中にて80℃、30時間保持した後徐々に冷却した。冷却後、板上に垂らした原料モノマーの状態を確認した結果、粘度は上昇していたものの流動性があり、手で触れたところ液が手に移り支障があった。また、オーブン内に強烈な臭気が残っていた。結果を表1にまとめた。
室温20℃にてビーカーに1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン6.0g、m−キシリレンジイソシアナート5.0g、硬化触媒としてジメチル錫ジアセテート0.015g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.3gを混合し、均一液とした後、1,1,3,3−テトラキス(2,3−エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパン289gと内部離型剤としてテトラn−ブチルホスホニウムブロミド0.1gを添加し、混合した。得られた混合液を減圧下で0.4時間脱泡した後、ガラスモールドとガスケットよりなるレンズ作成用モールド型(−6D)に注入、残液をガラス板上へ垂らした。このモールドを30℃から120℃まで24時間で昇温し、重合を行った。重合終了後、徐々に冷却し、モールドからレンズを取り外した。得られた樹脂は、透明性に優れ、外観良好なものであった。得られた樹脂の光学物性を測定したところ、屈折率ne=1.76、νe=31であった。ガラス板は気層部が大気であるオーブン中にて80℃、30時間保持した後徐々に冷却した。冷却後、板上に垂らした原料モノマーの状態を確認した結果、粘度は上昇していたものの流動性があり、手で触れたところ液が手に移り支障があった。また、オーブン内に強烈な臭気が残っていた。結果を表1にまとめた。
Claims (6)
- エピスルフィド系硫黄原子含有樹脂からなるプラスチックレンズを注型重合法にて製造する方法において、大気中80℃において30時間以内に硬化する重合性組成物であって、(a)エピスルフィド基を2個以上有する化合物の1種以上、(b)メルカプト基を1個以上有する化合物の1種以上、および、(c)エピスルフィド基を有さない化合物であって大気中で(b)と反応して硬化可能な化合物の1種以上を含有し、(a)70〜95重量部に対して、(b)および(c)を合計で5〜30重量部含有し、(b):(c)が官能基モル比で59.2:40.8〜54.7:45.3である重合性組成物を用い、注型重合の際に型からはみ出した前記重合性組成物を大気中で硬化させる工程を含むことを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
- 前記(b)の化合物が1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンであり、(c)の化合物がジビニルスルフィド又はm−キシリレンジイソシアナートである請求項1に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記(a)の化合物が1,1,3,3−テトラキス(2,3−エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパンである請求項1又は2に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- さらに単体の硫黄を含有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 得られるプラスチックレンズの屈折率が1.60以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 上記エピスルフィド系硫黄原子含有樹脂がチオウレタン結合を含有したものである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチックレンズの製造方法。
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JP2004177690A JP4280205B2 (ja) | 2004-06-16 | 2004-06-16 | プラスチックレンズの製造方法 |
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