JP4278027B2

JP4278027B2 - 消火用具の収納箱

Info

Publication number: JP4278027B2
Application number: JP2002312165A
Authority: JP
Inventors: 慈晴三津山
Original assignee: 株式会社報商製作所
Priority date: 2002-10-28
Filing date: 2002-10-28
Publication date: 2009-06-10
Anticipated expiration: 2022-10-28
Also published as: JP2004141516A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納箱、特に、消火用具を収納するための、消火用具から漏れ出す消火用水を外部に排出可能な収納箱に関する。
【０００２】
【従来の技術とその課題】
例えば、商業用ビル等において消火活動を実施する際に用いる消火用ホースは、ビルの屋外において、専用の収納箱（格納箱）内に格納されている。このような収納箱１は、通常、図５および図６（図５のＶＩ−ＶＩ断面図）に示すように、本体２、扉３および脚部４を備えている。ここで、本体２は、底面５、上面６、背面７および一対の側面８ａ，８ｂを有しており、正面部分９が開口している。また、扉３は、本体２の正面部分９を閉鎖するためのものであり、本体２に対して蝶番１０により開閉可能に取付けられている。脚部４は、本体２と地面との間に空間を設けると共に、本体２を所定の高さに設定するためのものであり、底面５の下面に固定されている。
【０００３】
このような収納箱１において、本体２を形成する底面５の正面部分９側の先端部１１は、本体２の内側方向に断面形状がＵ字状になるよう屈曲されている。これは、本体２において、底面５の強度を高めるためのものであり、上面６および一対の側面８ａ，８ｂについても正面部分９側の先端が同様に屈曲されている。
【０００４】
ところで、上述のような収納箱１は、本体２、すなわち、底面５、上面６、背面７および一対の側面８ａ，８ｂ並びに扉３の全体が、主に防錆を目的として塗装されている。しかし、上述のようなＵ字状の屈曲部位の内面は、通常の吹き付け塗装では塗料が行き渡り難く、塗装にムラが生じやすいため、水分の影響による錆びが進行しやすい。特に、底面５の当該屈曲部位は、雨水や消火用ホースからの消火用水が溜まり易いため、数週間から数ヶ月の短時間で極度に錆びが進行し、その後の使用に耐えられない状態になる場合が多い。
【０００５】
これに対し、上述の各部材を電着塗装や粉体塗装すると、Ｕ字状の屈曲部位の内面にも塗料が行き渡りやすくなるため、錆びの発生を有効に抑制することができるが、電着塗装や粉体塗装は、安価に実施するのが困難であり、収納箱１を安価に提供するのが困難になる。
【０００６】
本発明の目的は、錆びが進行しにくい収納箱を安価に実現することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の収納箱は、消火用具を収納するための、消火用具から漏れ出す消火用水を外部に排出可能なものであり、底面、上面、背面および一対の側面を有しかつ正面部分が開口している本体と、当該本体の正面部分を閉鎖するための扉とを備えている。ここで、本体の底面は、板状の部材でありかつ正面部分側の先端部が底面の下面に密接するよう折り返されており、また、本体の幅方向に延びかつ本体の内側に突出する突起を有している。
【０００８】
このような消火用具の収納箱において、本体に収納した消火用具から漏れ出す消火用水は、本体の底面に流れる。この消火用水は、底面の正面部分側の先端部が上述のように折り返されているため、当該先端部に溜まりにくい。したがって、この収納箱は、錆びが進行しにくい。
【０００９】
このような消火用具の収納箱において、底面は、例えば、正面部分側に向けて下方に傾斜している。さらに、底面は、例えば、水抜き穴を有している。
【００１０】
なお、本体および蓋体は、通常、全体が塗装されている。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１および図２（図１のＩＩ−ＩＩ断面図）を参照して、本発明の実施の一形態に係る収納箱を説明する。図において、収納箱２０は、消火活動時に使用する消火用ホースを屋外において収納するための屋外用収納箱であり、本体２１、扉２２および脚部２３を主に備えている。
【００１２】
本体２１は、底面２４、上面２５、背面２６および一対の側面２７ａ，２７ｂを有し、正面部分２８に開口部２８ａを有している。底面２４は、図３（図２のＩＩＩ部の拡大図）に示すように、複数の水抜き穴２４ａを有する板状の部材であり、正面部分２８側の先端部２９が底面２４の下面（外側面）に密接するよう折り返されている。すなわち、当該先端部２９は、本体２１の外側方向に屈曲している。また、底面２４は、奥行き方向の概ね中央部において、本体２１の幅方向に延びる突起３０を有している。この突起３０は、本体２１の内側に突出しており、底面２４の強度を高めるためのものである。さらに、底面２４は、図３に示すように、背面２６から正面部分２８に向けて下方に傾斜している。
【００１３】
背面２６および一対の側面２７ａ，２７ｂは、コの字状に屈曲成形された一枚の板材からなる。背面２６の下端部２６ａは、図３に示すように、Ｌ字状に屈曲されており、底面２４の下面に密着した状態で溶接されている。一方、各側面２７ａ，２７ｂは、図４（図１のＩＶ−ＩＶ断面図）に示すように、正面部分２８が本体２１の内側方向にＵ字状に屈曲しており、縦枠３１を形成している。
【００１４】
上面２５は、図２に示すように、板状の部材であり、背面２６および一対の側面２７ａ、２７ｂの上端部に溶接等により固定されている。また、上面２５は、正面部分２８に向けて下方に傾斜しており、正面部分２８の近傍に下方に突出する横枠３２を有している。横枠３２は、本体２１の内側に突出するよう、Ｌ字状に屈曲している。
【００１５】
上述のような本体２１の開口部２８ａは、縦枠３１および横枠３２により、扉２２を取り囲むＵ字状の枠体３３が形成されており、この枠体３３により補強されている。
【００１６】
また、本体２１は、渦巻き状に巻き取られた消火用ホース４０を載置するための載置台４１を有している。載置台４１は、底面２４と背面２６との間に固定されかつ本体２１の幅方向に間隔を設けて配置された一対のＬ字状体４２により形成されている。さらに、本体２１の一方の側面２７ａには、消火用ホース４０に接続する噴水ノズル４３を起立状態で保持するための保持部材４４が内側に突出するように設けられている。
【００１７】
扉２２は、本体２１の開口部２８ａを閉鎖するためのものであり、本体２１に対して蝶番４５，４５により開閉可能に取付けられている。また、扉２２は、開閉のための把手４６と複数の通気孔４７とを有している。
【００１８】
脚部２３は、本体２１と地面との間に空間を設けると共に、本体２１を所定の高さに設定するためのものであり、底面２４の下面に固定されている。
【００１９】
なお、上述の本体２１および扉２２は、防錆処理が施された鋼板、例えば、亜鉛メッキ鋼板を用いて形成されており、また、全体が塗装されている。なお、ここでの塗装は、通常、安価に実施可能な吹き付け塗装法により実施されている。
【００２０】
上述のような収納箱２０は、通常、ビル等の建物の屋外に設置される。そして、消火活動時には、把手４６を操作して扉２２を開くと、開口部２８ａから消火用ホース４０および噴水ノズル４３を取り出すことができる。一方、消火活動の終了後、収納箱２０は、消火用ホース４０を渦巻き状に巻き取って載置台４１上に配置し、また、噴水ノズル４３を保持部材４４により固定した後に扉２２を閉鎖すると、これらの消火用具を収納することができる。
【００２１】
ところで、収納箱２０は、屋外に設置されるものであるため、雨水に晒された場合、雨水が本体２１と扉２２との隙間、すなわち開口部２８ａから本体２１内に進入する可能性がある。また、使用後の消火用ホース４０内および噴水ノズル４３内に残留している消火用水は、それらから漏れ出す可能性がある。これらの水は、本体２１内において底面２４上に流れるが、底面２４に設けられた水抜き穴２４ａより外部に排出される。ここで、底面２４は、正面部分２８に向けて下方に傾斜しているため、底面２４上の水は、水抜き穴２４ａに向けて案内されやすく、また、底面２４と扉２２との隙間からも外部に排出され易い。特に、底面２４は、従来の収納箱のものとは異なり、正面部分２８の先端部２９が本体２１の外側方向に屈曲しているため、当該先端部２９において水が溜まりにくい。したがって、底面２４は、電着塗装や粉体塗装等の実施コストが高い塗装を施さなくても、雨水や消火用水を原因とする錆びの進行を効果的に安価に抑制することができる。
【００２４】
【発明の効果】
本発明の消火用具の収納箱は、底面の正面部分側の先端部が底面の下面に密接するよう折り返されているため、消火用具から漏れ出す消火用水が底面に溜まりにくく、錆びが進行しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態に係る収納箱の正面図。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ断面図。
【図３】図２のＩＩＩ部の拡大図。
【図４】図１のＩＶ−ＩＶ断面図。
【図５】従来の収納箱の一例の正面図。
【図６】図５のＶＩ−ＶＩ断面図。
【符号の説明】
２０収納箱
２１本体
２２扉
２４底面
２４ａ水抜き穴
２５上面
２６背面
２７ａ，２７ｂ側面
２８正面部分
２８ａ開口部
２９先端部
３０突起

Claims

消火用具を収納するための、前記消火用具から漏れ出す消火用水を外部に排出可能な収納箱であって、
底面、上面、背面および一対の側面を有しかつ正面部分が開口している本体と、
前記正面部分を閉鎖するための扉とを備え、
前記底面は、板状の部材でありかつ前記正面部分側の先端部が前記底面の下面に密接するよう折り返されており、また、前記本体の幅方向に延びかつ前記本体の内側に突出する突起を有している、
消火用具の収納箱。
前記底面は、前記正面部分側に向けて下方に傾斜している、請求項１に記載の消火用具の収納箱。
前記底面は、水抜き穴を有している、請求項１または２に記載の消火用具の収納箱。
前記本体および前記扉は、全体が塗装されている、請求項１、２または３に記載の消火用具の収納箱。