JP4275259B2 - 建物エネルギーシステムの制御方法及び装置並びに制御処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

建物エネルギーシステムの制御方法及び装置並びに制御処理プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、少なくとも1つのエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御方法及び装置、並びに建物エネルギーシステムの制御処理プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
コージェネレーションシステム(以下、CGSという。)は、従来、単一のエネルギーから、二つ以上の有効なエネルギーを得るものであるが、ここでは、ガス燃料により発電を行うと同時にその排熱を回収して熱を供給するシステムを対象とする。このため、CGSは、エネルギー有効利用やピーク電力負荷問題に対しても有効であり、地球環境問題の対策などにも期待されているシステムである(例えば、従来技術文献1「空気調和・衛生工学会,”都市ガスによるコージェネレーションシステム計画・設計と評価”,丸善,1994年」参照。)。
【0003】
CGSの設計における重要な課題は、電気及び熱の需要量に基づいて、長期的な経済性にすぐれた方式及び装置構成を決めることである。しかしながら、各装置の運用方策を考慮し、装置の構成・容量を決めるのは非常に複雑で、一般に困難を極める問題である。このため、電力需要追従や熱需要追従といったシステム運用にルールを定めて、シミュレーション的手法により経済的評価やシステム運用を実施しているのが、従来の一般的な手法(以下、従来例という。)である(例えば、従来技術文献1及び従来技術文献2「藁谷ほか,”建物設備の設計要素が省エネルギー効果に及ぼす影響の分析1”,1997年空気調和・衛生工学会学術講演会論文集」参照。)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来例では、従来は、ガスエンジンの運転を電力需要に応じて設定する(電主導)か、冷暖房需要に応じて設定する(熱主導)かにより、設計条件を評価していた。このため、運転条件を設定したときの評価は可能であるが、運転条件をも含めた最適化計算ができないという問題点があった。
【0005】
また、建物エネルギーシステムは、電力供給源と燃料供給源からエネルギーを得つつ、建物に必要とされている電力負荷、冷房負荷又は冷熱負荷(冷房負荷は冷熱負荷ともいう。)、暖房負荷、給湯負荷を満たすシステムであり、CGSを含む建物エネルギーシステムにおいても同様の問題点があった。
【0006】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来例に比較して最適な設計ができ運用制御することができる建物エネルギーシステムの制御方法及び装置、並びに制御処理プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る建物エネルギーシステムの制御方法は、電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、少なくとも1つのエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御方法であって、
上記電力負荷の電力負荷量と上記冷熱負荷の冷熱負荷量と上記温熱負荷の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、上記エネルギー変換手段の装置分割台数と、上記エネルギー変換手段の変換効率と、上記エネルギー変換手段の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、上記エネルギー変換手段のエネルギー料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力するステップと、
上記入力された入力パラメータを記憶手段に記憶するステップと、
上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、上記エネルギー変換手段への入力エネルギー量と、上記エネルギー変換手段からの廃棄エネルギー量と、上記エネルギー変換手段の出力容量と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力するステップを含むことを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明に係る建物エネルギーシステムの制御方法は、電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、複数のエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御方法であって、
上記電力負荷の電力負荷量と上記冷熱負荷の冷熱負荷量と上記温熱負荷の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、上記各エネルギー変換手段の装置分割台数と、上記各エネルギー変換手段の変換効率と、上記各エネルギー変換手段の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、上記各エネルギー変換手段における入力エネルギー量及び最大入力容量と部分負荷率との間の関係と、上記各エネルギー変換手段のエネルギー料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力するステップと、
上記入力された入力パラメータを記憶手段に記憶するステップと、
上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、上記各エネルギー変換手段への入力エネルギー量と、上記各エネルギー変換手段からの廃棄エネルギー量と、上記各エネルギー変換手段の出力容量と、上記各エネルギー変換手段の部分負荷率と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力するステップを含むことを特徴とする。
【0009】
さらに、第3の発明に係る建物エネルギーシステムの制御方法は、電力供給源と都市ガス供給源からのエネルギーに基づいて、ガスエンジンとヒートポンプと排熱利用吸収式冷凍機とを用いて、電力負荷と冷房負荷と暖房負荷とにエネルギーを供給するためのコージェネレーションシステムを含む建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御方法であって、
電力負荷量と冷房負荷量と暖房負荷量とを含む入力エネルギー量と、ガスエンジンの装置価格と、ヒートポンプの装置価格と、排熱利用吸収式冷凍機の装置価格と、排熱利用吸収式冷凍機の台数と、ヒートポンプの台数と、電力料金データと、ガス料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力するステップと、
上記入力された入力パラメータを記憶手段に記憶するステップと、
上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトンアルゴリズムを用いて、上記評価関数の関数値が最小となるように、購入電力量と、購入電力量の最大値と、購入ガス量と、購入ガス量の最大値と、冷房のための排熱利用吸収式冷凍機への入力熱量と、暖房のための排熱利用吸収式冷凍機への入力熱量と、冷房のためのヒートポンプへの入力電力量と、暖房のためのヒートポンプへの入力電力量と、廃棄電力量と、廃棄排熱量と、排熱利用吸収式冷凍機の装置容量と、ヒートポンプの装置容量と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストと、電力のランニングコストと、ガスのランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力するステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
上記建物エネルギーシステムの制御方法において、上記温熱負荷は、好ましくは、暖房負荷と給湯負荷とのうちの少なくとも1つを含む。また、上記エネルギー変換手段は、好ましくは、発電機と、電気式熱源と、製氷用熱源及び蓄熱槽と、排熱利用機と、燃料式冷温水発生器と、ガスヒートポンプと、燃料式ボイラとのうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
上記建物エネルギーシステムの制御方法において、上記評価関数は、好ましくは、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコストと上記比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコストとの差を、上記建物エネルギーシステムのランニングコストと上記比較対象のエネルギー供給システムのランニングコストとの差で除算してなる投資回収年数である。また、上記評価関数は、好ましくは、上記各入力エネルギー量の線形結合で表されたエネルギーの消費量である。さらに、上記評価関数は、好ましくは、上記各入力エネルギー量の線形結合で表されたCO2の排出量である。さらに、上記評価関数は、好ましくは、上記投資回収年数と、上記エネルギーの消費量と、上記CO2の排出量との線形結合で表された評価関数である。
【0012】
上記第1又は第2の発明に係る建物エネルギーシステムの制御方法において、好ましくは、上記計算された入力エネルギー量となるように上記各エネルギー変換手段を制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行うステップをさらに含む。また、上記第3の発明に係る建物エネルギーシステムの制御方法において、好ましくは、上記計算されたガスの購入量となるようにガスエンジンを制御し、上記計算された冷房のための入力熱量及び暖房のための入力熱量となるように排熱利用吸収式冷凍機を制御し、上記計算された冷房のための入力電力及び暖房のための入力電力となるようにヒートポンプを制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行うステップをさらに含む。
【0013】
第4の発明に係る建物エネルギーシステムの制御装置は、電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、少なくとも1つのエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御装置であって、
上記電力負荷の電力負荷量と上記冷熱負荷の冷熱負荷量と上記温熱負荷の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、上記エネルギー変換手段の装置分割台数と、上記エネルギー変換手段の変換効率と、上記エネルギー変換手段の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、上記エネルギー変換手段のエネルギー料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力する入力手段と、
上記入力手段によって入力された入力パラメータを記憶する記憶手段と、
上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、上記エネルギー変換手段への入力エネルギー量と、上記エネルギー変換手段からの廃棄エネルギー量と、上記エネルギー変換手段の出力容量と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力する計算手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、第5の発明に係る建物エネルギーシステムの制御装置は、電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、複数のエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御装置であって、
上記電力負荷の電力負荷量と上記冷熱負荷の冷熱負荷量と上記温熱負荷の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、上記各エネルギー変換手段の装置分割台数と、上記各エネルギー変換手段の変換効率と、上記各エネルギー変換手段の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、上記各エネルギー変換手段における入力エネルギー量及び最大入力容量と部分負荷率との間の関係と、上記各エネルギー変換手段のエネルギー料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力する入力手段と、
上記入力手段によって入力された入力パラメータを記憶する記憶手段と、
上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、上記各エネルギー変換手段への入力エネルギー量と、上記各エネルギー変換手段からの廃棄エネルギー量と、上記各エネルギー変換手段の出力容量と、上記各エネルギー変換手段の部分負荷率と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力する計算手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
さらに、第6の発明に係る建物エネルギーシステムの制御装置は、電力供給源と都市ガス供給源からのエネルギーに基づいて、ガスエンジンとヒートポンプと排熱利用吸収式冷凍機とを用いて、電力負荷と冷房負荷と暖房負荷とにエネルギーを供給するためのコージェネレーションシステムを含む建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御装置であって、
電力負荷量と冷房負荷量と暖房負荷量とを含む入力エネルギー量と、ガスエンジンの装置価格と、ヒートポンプの装置価格と、排熱利用吸収式冷凍機の装置価格と、排熱利用吸収式冷凍機の台数と、ヒートポンプの台数と、電力料金データと、ガス料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力する入力手段と、
上記入力手段によって入力された入力パラメータを記憶する記憶手段と、
上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトンアルゴリズムを用いて、上記評価関数の関数値が最小となるように、購入電力量と、購入電力量の最大値と、購入ガス量と、購入ガス量の最大値と、冷房のための排熱利用吸収式冷凍機への入力熱量と、暖房のための排熱利用吸収式冷凍機への入力熱量と、冷房のためのヒートポンプへの入力電力量と、暖房のためのヒートポンプへの入力電力量と、廃棄電力量と、廃棄排熱量と、排熱利用吸収式冷凍機の装置容量と、ヒートポンプの装置容量と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストと、電力のランニングコストと、ガスのランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力する計算手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
上記建物エネルギーシステムの制御装置において、上記温熱負荷は、好ましくは、暖房負荷と給湯負荷とのうちの少なくとも1つを含む。また、上記エネルギー変換手段は、好ましくは、発電機と、電気式熱源と、製氷用熱源及び蓄熱槽と、排熱利用機と、燃料式冷温水発生器と、ガスヒートポンプと、燃料式ボイラとのうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
上記建物エネルギーシステムの制御装置において、上記評価関数は、好ましくは、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコストと上記比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコストとの差を、上記建物エネルギーシステムのランニングコストと上記比較対象のエネルギー供給システムのランニングコストとの差で除算してなる投資回収年数である。また、上記評価関数は、好ましくは、上記各入力エネルギー量の線形結合で表されたエネルギーの消費量である。さらに、上記評価関数は、好ましくは、上記各入力エネルギー量の線形結合で表されたCO2の排出量である。さらに、上記評価関数は、好ましくは、上記投資回収年数と、上記エネルギーの消費量と、上記CO2の排出量との線形結合で表された評価関数である。
【0018】
上記第1又は第2の発明に係る建物エネルギーシステムの制御装置において、好ましくは、上記計算された入力エネルギー量となるように上記各エネルギー変換手段を制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行う制御手段をさらに備える。また、上記第3の発明に係る建物エネルギーシステムの制御装置において、好ましくは、上記計算されたガスの購入量となるようにガスエンジンを制御し、上記計算された冷房のための入力熱量及び暖房のための入力熱量となるように排熱利用吸収式冷凍機を制御し、上記計算された冷房のための入力電力及び暖房のための入力電力となるようにヒートポンプを制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行う制御手段をさらに備える。
【0019】
第7の発明に係る建物エネルギーシステムの制御処理プログラムを記録した記録媒体は、上記建物エネルギーシステムの制御方法における各ステップを含む制御処理プログラムを記録したことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0021】
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態であるコージェネレーションシステム(CGS)の制御装置の構成を示すブロック図である。この第1の実施形態のCGS100の制御装置は、電力供給源EPと都市ガス供給源UGからのエネルギーに基づいて、ガスエンジン31とヒートポンプ30と排熱利用吸収式冷凍機32とを用いて、電力負荷と冷房負荷と暖房負荷とにエネルギーを供給するためのコージェネレーションシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御し、ここで、所定の入力パラメータに基づいてハミルトンアルゴリズムを用いて上記評価関数の関数値が最小となるように、所定の変数及び出力パラメータを計算して出力し、そして、計算された出力パラメータとなるようにガスエンジン31、排熱利用吸収式冷凍機32及びヒートポンプ30を制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行うことを特徴としている。
【0022】
まず、CGS100のモデルについて説明する。設計制御の対象とするCGSモデルと比較モデル(比較対象のエネルギー供給システムのモデルをいう。)を図3及び図4に示す。図3のCGSモデルにおいて、電力供給源EPからの電気エネルギーはヒートポンプ(以下、HPという。)30及び電力負荷L1に供給され、都市ガス供給源UGからのガスエネルギーはガスエンジン(以下、GEという。)に供給される。GE31は、供給されるガスエネルギーを電気エネルギーに変換してHP30及び電力負荷L1に出力し、ここで、エネルギー変換時に排熱する。HP30は、電力供給源EP及びGE31からの電気エネルギーを熱エネルギーに変換して発生し、冷房負荷L2と暖房負荷L3に出力する。一方、排熱利用吸収式冷凍機(以下、ARという。)32は、公知の排熱利用吸収方法により、GE31からの排熱を利用して、冷房負荷L2及び暖房負荷L3から熱エネルギーを吸収して冷凍作用を行う。ここで、電力負荷L1は照明機器や電気機器などを含み、冷房負荷L2は冷房機を含み、暖房負荷L3は暖房機を含む。
【0023】
一方、図4の比較モデルでは、電力供給源EPからの電気エネルギーがHP30及び電力負荷L1に供給され、HP30は電力供給源EPのみからの電気エネルギーを熱エネルギーに変換して発生し、冷房負荷L2と暖房負荷L3に出力する。
【0024】
すなわち、CGS100では、電力以外に都市ガスを購入してGE31による発電電力と排熱を建物の電力、冷暖房負荷需要に利用するものである。CGS100の経済性などの評価には、電力のみを購入し、冷暖房需要にはHP30を利用するモデルと比較した。CGS100を導入すると、HP30は小容量化が可能であるが、発電のためのGE31や、AR32が必要となる。
【0025】
CGS100の経費は、イニシャルコストとして初期購入装置の費用を、ランニングコストとしてシステムを運用するために購入する電力やガスなどの購入費用とCGSメンテナンスコストを考える。ランニングコストの低減を目的として、GE31の容量を大きくすると、イニシャルコストが増大する。逆に、GE31の容量を小さくすると、イニシャルコストは減少するがランニングコストの低減効果が小さくなる。また、季節・時間的に変動する電力需要と冷暖房の熱需要が比例的に変化しない場合が多く、このことがシステム設計を複雑にしている。このような条件に対して効率的に運用できる経済的なシステムを設計する必要がある。本実施形態では、CGS100の導入によるイニシャルコストの増加分をランニングコストの減少により何年で回収できるか(投資回収年数)を評価関数とし、投資回収年数を最小にするシステムとその運用条件を計算し、CGS100を制御する制御装置について開示する。
【0026】
図1において、本実施形態のCGSの制御装置は、デジタル計算機で構成され、
(a)当該制御装置の動作及び処理を演算及び制御するCPU(中央演算処理装置)10と、
(b)オペレーションプログラムなどの基本プログラム及びそれを実行するために必要なデータを格納するROM(読み出し専用メモリ)11と、
(c)CPU10のワーキングメモリとして動作し、CGSの制御処理で必要なパラメータやデータを一時的に格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)12と、
(d)例えばハードディスクメモリで構成され、入力パラメータを記憶する入力パラメータ1と、変数及び出力パラメータを記憶する変数及び出力パラメータメモリ42と、評価関数の関数データを記憶する評価関数データメモリ43とを備えたパラメータメモリ13と、
(e)入力パラメータのデータや指示コマンドを入力するためのキーボード14に接続され、キーボード14から入力されたデータや指示コマンドを受信して所定の信号変換などのインターフェース処理を行ってCPU10に伝送するキーボードインターフェース21と、
(f)CPU10によって計算された出力パラメータや制御情報、設定指示画面などを表示するCRTディスプレイ15に接続され、表示すべき画像データをCRTディスプレイ15用の画像信号に変換してCRTディスプレイ15に出力して表示するディスプレイインターフェース22と、
(g)CPU10によって計算された出力パラメータや制御情報、設定指示画面などを印字するプリンタ16に接続され、印字すべき印字データの所定の信号変換などを行ってプリンタ16に出力して印字するプリンタインターフェース23と、
(h)CPU10によって計算された出力パラメータや制御情報に基づいて制御されるCGS100に接続され、それらのデータの所定の信号変換などを行ってCGS100に出力して制御する制御インターフェース24と、
(i)CGSの制御処理プログラムが記憶されたCD−ROM18から制御処理処理プログラムのプログラムデータを読み出すCD−ROMドライブ装置17に接続され、読み出された制御処理プログラムのプログラムデータを所定の信号変換などを行ってRAM12又は別のハードディスクメモリに(図示せず。)に転送するドライブ装置インターフェース25とを備え、
これらの回路10−13及び21−25はバス20を介して接続される。
【0027】
当該制御装置において、詳細後述するCGSの制御処理のための制御処理プログラムは,上述のように、CD−ROM18に格納してもよいし、RAM12又は別のハードディスクメモリに予め記憶するようにしてもよい。
【0028】
本実施形態に係るCGSモデルは以下の条件を仮定した。
(1)GE31からの排熱の廃棄及び発電余剰電力を許可する。
(2)AR32とHP30は月単位で冷房又は暖房の運転する。
(3)AR32とHP30の台数分割を考慮する。
(4)GE31、AR32、HP30の装置は任意の容量を可能とする。
(5)各装置30−32の部分負荷特性は考慮しない。
【0029】
次いで、CGSの制御処理で用いる各種データ及びその計算式について説明する。
【0030】
(a)電力、冷房、暖房負荷データ
m月h時の月標準の電力負荷(kW)、冷房負荷(kW)、暖房負荷(kW)は、それぞれ、dd(m,h)、dc(m,h)、dw(m,h)で与える。
【0031】
(b)装置性能及び価格データ
最大入力容量xgmを持つGE31の発電効率をηgd、排熱回収率をηgt、イニシャルコスト(工事費も含む装置価格)をGg(ηgdgm)とする。最大入力容量xamを持つAR32の冷房効率をηac、暖房効率をηaw、イニシャルコストをGa(ηacam)とする。最大入力容量xhmを持つHP30の冷房効率をηhc、暖房効率をηhw、イニシャルコストをGh(ηhchm)とする。ここでは、装置コストは実質価格をもとに、次式で近似した。ここで、aijは近似のための係数である。
【0032】
【数1】
ggdgm)=a11ηgdgm−a12(ηgdgma13
【数2】
a(ηacam)=a21+a22ηacam
【数3】
h(ηhchm)=a31ηhchm−a32(ηhchma33
【0033】
(c)電力、都市ガス、CGSメンテナンスのコスト
購入電力の時間当たりのピーク値をxdm、1年間の積算値をxds、使用電力量あたりの基本料金と従量料金をそれぞれcdp、cds、また、購入ガスの時間当たりのピーク値をxgm、1年間の積算値をxgs、定額基本料金、使用ガス量あたりの従量基本料金と従量料金をそれぞれcgb、cgp、cgsとし、発電量あたりのCGSメンテナンスコストをccmとする。1年間の電力ランニングコストxrcd、及びCGSメンテナンスを含むガスランニングコストxrcg、総ランニングコストxrcは次式となる。
【0034】
【数4】
rcd=cdpdm+cdsds
【数5】
rcg=cgb+cgpgm+(cgs+ccmηgd)xgs
【数6】
rc=xrcd+xrcg
【0035】
次いで、CGSモデルの変数について説明する。計算には、購入電力xd(m,h)、購入ガスxg(m,h)、冷房及び暖房のためのAR32の入力熱エネルギーxac(m,h)、xaw(m,h)、冷房及び暖房のためのHP30の入力電力xhc(m,h)、xhw(m,h)、余剰電力zd(m,h)、廃棄する余剰排熱zt(m,h)、をそれぞれ負でない変数とする。電力エネルギー、GE31の排熱出力、冷房負荷、暖房負荷で以下の関係が成立する。
【0036】
【数7】
d(m,h)+ηgdg(m,h)
=dd(m,h)+xhc(m,h)+xhw(m,h)+zd(m,h)
【数8】
ηgtg(m,h)=xac(m,h)+xaw(m,h)+zt(m,h)
【数9】
ηacac(m,h)+ηhchc(m,h)=dc(m,h)
【数10】
ηawaw(m,h)+ηhwhw(m,h)=dw(m,h)
【0037】
台数分割のイニシャルコストの計算においては、HP30をnh台に均等に分割したとき、m月の冷房及び暖房への台数振り分け後の1台あたりの入力容量xhm(m)を計算する。HP30が賄う暖房負荷がない月は、次式となる。
【0038】
【数11】
Figure 0004275259
【0039】
同様に、HP30が賄う冷房負荷のない月は次式となる。
【0040】
【数12】
Figure 0004275259
【0041】
冷暖房が同時に存在する月は、整数nx(0<nx<nh)を導入し次式となる。
【0042】
【数13】
hm(m)
=Min[Max[xhc(m,h)/nx,xhw(m,h)/(nh−nx)]]nx
【0043】
従って、年間を通じた必要入力容量xhmは次式となる。
【0044】
【数14】
Figure 0004275259
【0045】
非均等に2台に分割したAR32の必要入力容量xam1、xam2は、AR32が賄う暖房負荷がない月は、次式となる。
【0046】
【数15】
Figure 0004275259
【0047】
同様に、AR32が賄う冷房負荷のない月は次式となる。
【0048】
【数16】
Figure 0004275259
【0049】
冷暖房負荷が同時に存在する月は次式となる。
【0050】
【数17】
Figure 0004275259
【数18】
Figure 0004275259
【0051】
ここで、CGSのイニシャルコストxic1は次式で与えられるとする。
【0052】
【数19】
ic1
=Gg(ηgdgm)+Gh(ηhchhm)+Ga(ηacam1+ηacam2
【0053】
また、HP30の2台非均等分割の例では、このときのHP30の必要入力容量をxhm1、xhm2とすると、AR32と同様に計算でき、CGS100のイニシャルコストxic2は次式で与えられる。
【0054】
【数20】
ic2
=Gg(ηgdgm)+Gh(ηhchm1+ηhchm2
+Ga(ηacam1+ηacam2
【0055】
次いで、各変数について説明する。本実施形態の制御装置は、装置価格、料金、建物の負荷データを含む入力データが与えられたとき、目的とする条件(評価関数)にあった、購入電力、ガス、装置容量などの出力データを計算する制御処理を行う。従って、本実施形態によれば、ユーザの求める条件にあったシステム構成を計算することができる。ここで、入力パラメータを表1に示し、このパラメータはキーボード14を用いて入力されて入力パラメータメモリ41に記憶される。また、変数及び出力パラメータを表2に示し、このパラメータはCGSの制御処理において計算途中で計算されるパラメータであってしかも出力パラメータとして出力されるパラメータである。
【0056】
【表1】
入力パラメータ
―――――――――――――――――――――――――――――
電力負荷量 dd(m,h)
冷房負荷量 dc(m,h)
暖房負荷量 dw(m,h)
―――――――――――――――――――――――――――――
GE31の発電効率 ηgd
GE31の排熱回収率 ηgt
AR32の冷房効率 ηac
AR32の暖房効率 ηaw
HP30の冷房効率 ηhc
HP30の暖房効率 ηhw
――――――――――――――――――――――――――――
GE装置価格近似式(数1) Gg
AR装置価格近似式(数2) Ga
HP装置価格近似式(数3) Gh
―――――――――――――――――――――――――――――
AR分割台数 na
HP分割台数 nh
―――――――――――――――――――――――――――――
電力基本料金 cdp
電力従量料金 cds
ガス定額基本料金 cgb
ガス従量基本料金 cgp
ガス従量料金 cgs
―――――――――――――――――――――――――――――
CGSメンテナンスコスト ccm
比較モデルのイニシャルコスト yic
比較モデルのランニングコスト yrc
―――――――――――――――――――――――――――――
【0057】
表1において、装置価格の近似式については、係数が記憶される。すなわち、GE31の工事費を含む装置価格であるイニシャルコストGg(ηgd,xgm)を計算するためには、数1に示すように、発電効率ηgdと最大入力容量xgmからGE31のイニシャルコストを計算するための関係を予めパラメータメモリ13に記憶する。また、AR32の工事費を含む装置価格であるイニシャルコストGa(ηac,xam)を計算するためには、数2に示すように、冷房効率ηacと最大入力容量xamからAR32のイニシャルコストを計算するための関係を予めパラメータメモリ13に記憶する。さらに、HP33の工事費を含む装置価格であるイニシャルコストGh(ηhc,xhm)を計算するためには、数3に示すように、冷房効率ηhcと最大入力容量xhmからHP33のイニシャルコストを計算するための関係を予めパラメータメモリ13に記憶する。
【0058】
【表2】
変数及び出力パラメータ
――――――――――――――――――――――――――――――
購入(入力)電力量 xd(m,h)
購入電力量の最大値 xdm
購入(入力)ガス量 xg(m,h)
購入ガス量の最大値 xgm
――――――――――――――――――――――――――――――
冷房のためのAR入力熱量 xac(m,h)
暖房のためのAR入力熱量 xaw(m,h)
冷房のためのHP入力電力量 xhc(m,h)
暖房のためのHP入力電力量 xhw(m,h)
――――――――――――――――――――――――――――――
廃棄電力量 zd(m,h)
廃棄排熱量 zt(m,h)
AR装置容量(出力容量) xam
HP装置容量(出力容量) xhm
――――――――――――――――――――――――――――――
CGSのイニシャルコスト xic
電力のランニングコスト xrcd
ガスのランニングコスト xrcg
CGSのランニングコスト xrc
――――――――――――――――――――――――――――――
【0059】
本実施形態において、最適化計算の評価関数として、経済性評価において代表的な投資回収年数Uを用い、そのデータは評価関数データメモリ43に記憶される。都市ガスを使用せず電力のみを使用した比較モデルのイニシャルコストyicとランニングコストyrcから、評価関数としての投資回収年数Uは次式となる。
【0060】
【数21】
U=(xic−yic)/(yrc−xrc
【0061】
次いで、最適化の計算に使用した公知のハミルトニアンアルゴリズムを簡単に説明する。2n次元で質点系の位置をx1,…,xn、運動量をp1,…,pnで表すと次式が成立する。
【0062】
【数22】
dxi/dt=∂H/∂pi
【数23】
dpi/dt=−∂H/∂xi
【0063】
その運動状態はハミルトニアンの正準方程式で記述できる。ここで、保存力(位置エネルギーU)を受けている質点(質量m=1)では、ハミルトンの特性関数Hは、次式で与えられる。
【0064】
【数24】
Figure 0004275259
【0065】
ここで、ハミルトンの特性関数と運動量を消去すると次式が得られる。
【0066】
【数25】
2i/dt2=−∂U/∂xi
【0067】
この式は、位置エネルギーから受ける力を加速度とした運動を示している。これをもとに、各変数が評価関数から受ける力をもとに、ヴェルレ法により運動を計算し、評価関数の最小値の点に収束させる計算法をハミルトニアンアルゴリズムと呼んでいる。数25から明らかなように、運動量を導入することにより自由度の次元を上げており、我々は「高次元アルゴリズム」とも呼び、複雑なシステムの最適解を求める手法として利用している。
【0068】
なお、実際の計算処理では、変数xd(m,h)、xg(m,h)、xac(m,h)、xaw(m,h)、xhc(m,h)、xhw(m,h)、zd(m,h)、zt(m,h)から、数7乃至数10と、xd(m,h)とzd(m,h)の関係を利用して変数を削減し、xhc(m,h)、xhw(m,h)、zt(m,h)の変数を選択した。これにより、1728(=3×12×24×2)次元の位相空間での質点の運動を想定(仮定)し、評価関数から受ける力を加速度として、微小時間毎の変化を追跡し、最適化を行った。各変数の変化できる範囲と評価関数から算出する加速度の詳細は以下に示す。
【0069】
hc(m,h)、xhw(m,h)、zt(m,h)の変数に対する運動可能な範囲と、CGSモデルのイニシャルコストが数20で表されるときの加速度計算のための展開式を以下に示す。ここで使用するTrue[]は、[]内が真のとき1、偽のとき0となる関数である。
【0070】
(a)変数xhc(m,h)について
0≦xhc≦dc/ηhcのとき
【0071】
【数26】
∂U/∂xhc
={1/(yrc−xrc)}(∂xic/∂xhc
+{(xic−yic)/(yrc−xrc2}(∂xrc/∂xhc
【数27】
∂xic/∂xhc
=(∂Gg/∂xg)(∂xg/∂xhc
+(∂Ga/∂xac)(∂xac/∂xhc)+(∂Gh/∂xhc
【数28】
∂Gg/∂xg
=(a11ηgd−a1213ηgd a13gm a13-1)True[xg=xgm
【数29】
∂xg/∂xhc=−ηhc/(ηgtηac
【数30】
∂Ga/∂xac
=a22ηac(True[xac=xam1]+True[xac=xam2])
【数31】
∂xac/∂xhc=−ηhc/ηac
【数32】
∂Gh/∂xhc
=(a31ηhc−a3233ηhc a33hm
×(True[xhc=xhm1]+True[xhc=xhm2])
【数33】
∂xrc/∂xhc
=(∂xrcd/∂xd)(∂xd/∂xhc
+(∂xrcg/∂xg)(∂xg/∂xhc
【数34】
∂xrcd/∂xd=cdpTrue[xd=xdm]+cds
【数35】
∂xrcg/∂xg=cgpTrue[xg=xgm]+cds+ccmηgd
【数36】
∂xd/∂xhc=1−ηgd(∂xg/∂xhc
【0072】
(b)変数xhw(m,h)について
0≦xhw≦dw/ηhwのとき
【0073】
【数37】
∂U/∂xhw
={1/(yrc−xrc)}(∂xic/∂xhw
+{(xic−yic)/(yrc−xrc2}(∂xrc/∂xhw
【数38】
∂xic/∂xhw
=(∂Gg/∂xg)(∂xg/∂xhw
+(∂Ga/∂xaw)(∂xaw/∂xhw)+(∂Gh/∂xhw
【数39】
∂xg/∂xhw=−ηhw/(ηgtηaw
【数40】
∂Ga/∂xaw
=a22ηaw(True[xaw=xam1]+True[xaw=xam2])
【数41】
∂xaw/∂xhw=−ηhw/ηaw
【数42】
∂Gh/∂xhw
=(a31ηhw−a3233ηhw a33hm
×(True[xhw=xhm1]+True[xhw=xhm2])
【数43】
∂xrc/∂xhw
=(∂xrcd/∂xd)(∂xd/∂xhw)+(∂xrcg/∂xg)(∂xg/∂xhw)
∂xd/∂xhw=1−ηgd(∂xg/∂xhw
【0074】
(c)変数zt(m,h)について
t≧0のとき
【0075】
【数44】
∂U/∂zt
={1/(yrc−xrc)}(∂xic/∂zt
+{(xic−yic)/(yrc−xrc2}(∂xrc/∂zt
【数45】
∂xic/∂zt=(∂Gg/∂xg)(∂xg/∂zt
【数46】
∂xg/∂zt=1/ηgt
【数47】
∂xrc/∂zt
=(∂xrcd/∂xd)(∂xd/∂zt)+(∂xrcg/∂xg)(∂xg/∂zt
【数48】
∂xd/∂zt=−ηgd(∂xg/∂zt
【0076】
図2は、図1のコージェネレーションシステムの制御装置によって実行されるCGS制御処理を示すフローチャートである。図2において、まず,ステップS1で入力パラメータを入力した(割り込み処理)か否かが判断され、YESとなったとき、ステップS2で投資回収年数U1を最小とする評価関数に基づくハミルトニアンアルゴリズムを用いて変数及び出力パラメータを計算して変数及び出力パラメータメモリ42に記憶する。本実施形態では、数21の評価関数の関数値が最小となるように、公知のハミルトニアンアルゴリズムを用いて変数及び出力パラメータを計算する。次いで、ステップS3では、計算された変数及び出力パラメータをCRTディスプレイ15に表示するとともに、プリンタ16を用いて印字する。そして、ステップS4では、計算された出力パラメータ値となるように、CGS100の各装置を制御して運用する。ステップS4の運用制御処理では、具体的には、計算された購入ガス量xg(m,h)となるようにGE31を制御し、冷房のためのAR入力熱量xac(m,h)及び暖房のためのAR入力熱量xaw(m,h)となるようにAR32を制御し、冷房のためのHP入力電力xhc(m,h)及び暖房のためのHP入力電力xhw(m,h)となるようにHP30を制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行うことができる。
【0077】
【実施例】
本発明者らは、図1のCGSの制御装置のシミュレーションを行った。その計算条件と結果について以下に説明する。
【0078】
CGSモデルで投資回収年数を最小とするシステムの最適化計算に使用したデータは以下の通りである。
(a)負荷データ
負荷データは、冷暖房需要が同時に存在する延べ床面積10,000m2の標準的なホテルを想定した。電力、冷房、暖房の月別時刻単位の負荷変動を図5乃至図7に示す。
(b)装置価格
工事費を含んだ複数メーカの装置の市場価格とその近似値を図8乃至図10に示す。このときの、数1乃至数3の係数は、出力容量(kW)、価格(千円)としたとき、それぞれ、a11=380、a12=3.1、a13=1.5、a21=10,000、a22=55、a31=95、a32=11、a33=1.2とした。本実施例では、台数分割したときは、容量の合計で装置価格を決めており、分割によるコスト損を考慮していない。
(c)料金係数データ
電力、都市ガスの料金及びCGS100のメンテナンスに必要なコストの計算には、使用量(kW)、料金(千円)としたとき、それぞれ、cdp=18.72、cds=0.48、cgb=540、cgp=1.184、cgs=0.06678、ccm=0.105とした。ここでは、1ヶ月を30日として年間ランニングコストを計算している。
上記のデータを使用した時の比較モデルのイニシャルコストとランニングコストは、それぞれ、yic=47717とyrc=71203(単位千円)である。
【0079】
本実施例の計算では、下記の3つのCGSモデルについて投資回収年数Uを最小とする計算を実施した。
(a)モデル1
AR32を1台、必要な容量を均等に分割したHP30を複数台使用したCGSモデルであり、AR32の使用は、各月の冷暖房負荷に対して、大きい負荷に優先的に使用した。
(b)モデル2
必要な容量を非均等に分割したAR32を2台と、必要な容量を均等に分割したHP30を複数台使用したCGSモデルである。
(c)モデル3
AR32、HP30とも必要な容量を非均等に2台に分割したCGSモデルである。
【0080】
さらに、本実施例のシミュレーションにおける計算結果について以下に説明する。各モデルで最小となる投資回収年数の計算結果を図11に、そのときの、イニシャルコスト、ランニングコスト、総廃棄熱量の計算結果を、それぞれ、図12乃至図14に示す。また、同じく投資回収年数が最小となるときのイニシャルコスト及びランニングコストの内訳を図15及び図16に示す。これらの計算結果について以下に説明する。
【0081】
(a)モデル1とモデル2
投資回収年数を評価関数として最適化すると、HP30の分割数が少ないときは、廃棄する熱量が存在してもガスを多く購入しランニングコストを低減している。HP30の分割数を増加させるにしたがい、ガスの無駄遣いを減らし(廃棄熱量の低減)て電力を利用し、イニシャルコストの低減とランニングコストの増加による投資回収年数の低減を可能としている。これらの変化は、図15及び図16から明らかである。ここで使用した負荷データではHPの分割数4ないし5程度でその効果は飽和し、それ以上分割台数を増加させてもその効果はほとんどないことが分かった。
【0082】
モデル1とモデル2で、投資回収年数、イニシャルコスト、ランニングコストは、ほぼ、同様の傾向を示す。ARを非均等に分割したモデル2では、モデル1より投資回収年数の低減を期待したが、計算結果では低減できなかった。しかし、必要な容量を非均等に分割した効果として、図14から廃棄熱量のわずかな低減が期待できる。このときの容量の分割の割合は、1/20以下であった。
【0083】
(b)モデル3
図11乃至図19の結果から、モデル3は、モデル1と2のHP分割数を増加させたときの投資回収年数を実現できることが分かった。この結果は、AR32及びHP30ともに2分割と分割数は少ないが、非均等分割を行うことにより、投資回収年数を最小とする条件のもとで、かなり理想的なシステム最適化が可能なことがわかった。このときのAR32の分割比は約14:1、HPの分割比は約4:1であった。
【0084】
本実施例では、CGSの運用を電力需要追従や熱需要追従などのルールを定めず、投資回収年数を最小とするシステムの最適化及び装置分割の依存性を検討した。その結果、エネルギー購入時の料金体系も含んだ投資回収年数による評価が、ハミルトニアンアルゴリズムを使用することにより可能であることを確認した。このような評価法は、理想的な運用によるシステム最適化とその運用条件に関する詳細な計算値を導出する上で、有効な手段である。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御変数が多く複雑な動きをするシステムの最適化計算に有効なハミルトニアンアルゴリズムを利用して、経済性の観点からCGSの制御方法及び装置を提供している。電力需要追従や熱需要追従などのシステム運用ルールを定めず、装置分割を考慮したCGSにおいて、購入電力、購入ガスの料金体系を含めた投資回収年数を評価関数として、システムの最適化を行った結果、本制御方法及び装置がCGSの最適運用を考慮した設計に有効であることを確認した。
【0086】
<変形例>
以上の実施形態では、評価関数を投資回収年数U1として、この値が最小となるCGS100の設計及び制御を行っているが、本発明はこれに限らず、以下の評価関数を用いてもよい。
【0087】
(A)評価関数を1次エネルギー消費量U2として、この値が最小となるCGS100の設計及び制御を行ってもよい。
【数49】
2=c1ds+c2gs
ここで、c1,c2はそれぞれ電力及び都市ガスの購入量から1次エネルギーに変換するための係数であり、xds,xgsはそれぞれ電力及びガスの購入量である。
【0088】
(B)評価関数をCO2排出量U3として、この値が最小となるCGS100の設計及び制御を行ってもよい。
【数50】
3=c3ds+c4gs
ここで、c3,c4はそれぞれ電力及び都市ガスの購入量からCO2排出量に変換するための係数であり、xds,xgsはそれぞれ電力及びガスの購入量である。
【0089】
(C)さらに、評価関数Uを次式で表すように、評価関数U1,U2,U3の線形結合で表し、その重みづけ係数k1、k2、k3を自由に選択することにより、所望の性能を有するCGS100の設計及び制御を行ってもよい。
【数51】
U=k11+k12+k13
【0090】
本実施形態においては、図2のCGSの制御処理のプログラムデータをCD−ROM17aに格納しているが、本発明はこれに限らず、CD−R、CD−RW、DVD、MOなどの光ディスク又は光磁気ディスクの記録媒体、もしくは、フロッピーディスクなどの磁気ディスクの記録媒体など種々の記録媒体に格納してもよい。これらの記録媒体は,コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。また、図2の制御処理のプログラムデータを予めROM11又は別のメモリに格納して当該CGSの制御処理を実行してもよい。
【0091】
<第1の実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の特有の効果を有する。
(1)所望の評価関数のもとで、また所定の運用条件で、最適なシステム設計条件を算出できる。ここで、評価関数は、経済性のみならず、エネルギー効率、環境性などの評価関数を用いることができ、CGS100の最適な設計を行うことができ、最適な条件で運用制御することができる。
(2)台数分割による複数の装置の利用、冷暖需要が同時に存在する負荷条件、イニシャルコストも変数として、CGS100の最適な設計ができ運用制御することができる。
(3)それ故、電主導、熱主導に無関係な運用条件で、また、冷暖房用装置の均等分割又は不均等分割による効率的運用条件で、CGS100の最適な設計ができ運用制御することができる。
【0092】
<用語の補足説明>
まず、CGSのメインテナンスコスト(保守コスト)について説明する。メインテナンスコストは維持修理費差額とも呼ばれ、以下に示すようにCGSの保守は数年にわたり一巡するので、その年平均費用と一般方式との差額として定義される。
(1)標準点検整備費:CGSの製造会社との間で行われる定期的な整備費、部品交換費であり、数年単位サイクルとなるのでこれらの総計を年平均とする。
(2)脱硝及び消耗品:脱硝に必要な装置の交換及び純水製造、水処理、薬品代及び潤滑油代を見込む。
(3)保守管理費:日常点検を行う場合、またはボイラ・タービン主任技術者の選任などにより、必要となる人件費を見込む。
【0093】
次いで、経済性を評価するための指標について説明する。ランニングコストとイニシャルコストに基づいて、CGSの経済性が評価される。代表的な経済性評価指標には、単純回収年数、年間経常費、ライフサイクルコストなどがある。
(a)単純回収年数:単純回収年数(単純償却年数)は、次式のように、CGSの導入による従来システムに対する設備投資分を年間の運転メリットで除算したもので、金利などのファクタは加味しない。簡便で定性的な比較に優れているため、初期の企画段階から最もよく使われている指標である。しかし、設備や建物の耐用年数に対応する長期間の定量的経済性評価には適した指標とはいえない。単純回収年数でCGSの経済性を評価する場合、一般に民生用の建物では、単純回収年数で3〜5年以内がCGSの導入意思決定の目安と考えてよい。
【0094】
【数52】
単純回収年数
={(コージェネレーションシステムのイニシャルコスト)
−(従来システムのイニシャルコスト)}
/{(従来システムのランニングコスト)
−(コージェネレーションシステムのランニングコスト)}
【0095】
(b)年間経常費:年間経常費は、ランニングコストに、固定費を加えたものである。固定費とは、イニシャルコストを耐用年数や金利などを考慮して、1年当たりの金額に換算したもので、以下の式で求められる。
【0096】
【数53】
PT
=C{(1+Ar’)×{i(1+i)t/(1+i)t-1
+{Ar(1−S/C)}/(1−t√(S/C))×t}
【0097】
ここで、PTは固定費(円/年)、Cは設備費(円)、Aは税及び保険料に対する設備の評価額を設備費で除した割合(評価率)、Sは残存価格(円)、iは利率、tは耐用年数、r,r’はそれぞれ保険料率、税率である。年間経常費は、長期的な経済性の効果を評価することができる最も簡便な指標である。
【0098】
(c)ライフサイクルコスト(LCC):ライフサイクルコストは、最近、年間経常費に代わる指標として注目されている長期的な経済性指標で、金利や物価上昇、エネルギー単価の上昇をも加味し、企画設計、建設にかかる費用から、保守管理、修理、保険及び廃棄処分費まですべて考慮して評価する。正確なコストや数量など細部にわたる詳細な積算資料がないと精度が得られず、考慮するファクターも多いため計算はわかりにくいものにならざるをえない。そのため、企画や初期の設計段階では試算しにくい指標とされてきた。しかし、ライフサイクルコストは、省エネルギーに起因する運転費のメリットをより適正に評価できる指標で、定量的な経済性効果を需要家に提示する意味で意義がある。以下に試算概念を示す。
【0099】
【数54】
Figure 0004275259
【0100】
ここで、LCCはライフサイクルコスト、Ceは企画・設計・建設の初期コスト、Fpは現価換算率=1/(1+i)n、CRは建物の寿命中の部材の修理費・更新費、Cojはj年度の年間運転費(ベース年換算)、Iojはj年度のインフレ率(金利上昇率)、Cmjはベース年換算のj年次の年間維持費、Sは廃棄処分費又は残存価値、iは利息である。
【0101】
<第2の実施形態>
第2の実施形態においては、第1の実施形態のCGSにおいて、ガスエンジン31、ヒートポンプ30、排熱利用吸収式冷凍機(AR)32(冷暖房機として用いる。)などのエネルギー変換装置において、部分負荷状態(最大定格出力が出ておらず、所定の部分負荷率で部分的に出力が出ている状態をいう。)における性能変化の状態を考慮して、すなわち、部分負荷特性を考慮してCGSの最適な設計、制御、運用を行う。第1の実施形態では、最大負荷を基準に設計された通常部分負荷状態で運転されているため、この特性の良い方が省エネルギー上重要となる。例えば、発電機の出力容量を100kW、2台に分割したとき、仮にある時間に150kWの需要があった場合、1台目を100kW、2台目を50kWで分担させるか、2台とも75kWで分担させるかにより消費エネルギーが違ってくる。これは発電機の部分負荷率によって発電効率が違っているためである。本発明に係る第2の実施形態ではこの部分負荷率も考慮し最適な設計をおこなうものである。以下では、第1の実施形態と異なる事項について詳細に説明する。
【0102】
まず、計算条件について説明する。建物の電力と冷暖房の負荷を電力のみでまかなったとき(図4の比較モデル)に比較し、ガスエンジン発電機を使用し電力とその排熱を利用したときは、経済化が期待できる。ここでは、以下の条件を仮定し、投資回収年数(イニシャルコストの増加÷年間ランニングコストの減少)を最小にするCGSの設計方法を説明する。
【0103】
(1)ガスエンジン発電機(GE)31における排熱の廃棄と発電余剰電力を許可する。
(2)各エネルギー変換装置30,31,32の部分負荷率を考慮する
(3)エネルギー変換装置の装置コストは実質価格をもとにした近似式を使用する。
(4)電力利用の冷暖房機(ヒートポンプ(HP))30と排熱利用吸収式冷暖房機(AR)32は、月単位で冷房又は暖房のみの使用に限定する。
(5)排熱利用吸収式冷暖房機(AR)32及びヒートポンプ30の均等台数分割を考慮する。
【0104】
次いで、各種のデータについて説明する。1日を24時間の時刻で分割した月平均の電力負荷(kW)、冷房負荷(kW)、暖房負荷(kW)を、それぞれ、dd(m,h)、dc(m,h)、dw(m,h)とする。
【0105】
また、都市ガスの入力容量xg、最大入力容量xgm=Max[xg]を持つガスエンジン(GE)31の発電効率をηgd、発電部分負荷率をFgd、排熱回収能力をηgl、イニシャルコスト(装置価格と工事費)をGgとしたとき、発電部分負荷率FgdとイニシャルコストGgは次式で与えられるものとする。
【0106】
【数55】
gd(xg/xgm)=age(xg/xgm)+bge
【数56】
g(ηgdgm)=380ηgdgm−3.1(ηgdgm1.5
【0107】
また、排熱入力容量xa、最大入力容量xamを持つ排熱利用吸収式冷凍機(AR)32において、冷房効率ηac、暖房効率ηaw、イニシャルコストGaとする。このとき、イニシャルコストGaは次次式で与えられるものとする。
【0108】
【数57】
a(ηacam)=14000+21.5ηacam
【0109】
電力の入力容量xh、最大入力容量xhmを持つヒートポンプ(HP)30の冷房効率をηhc、冷房時の部分負荷率をFhc、暖房効率をηhw、イニシャルコストをGhとしたとき、冷房時の部分負荷率FhcとイニシャルコストGhは次式で与えられるものとする。
【0110】
【数58】
hc(xh/xhm)=ahp(xh/xhm)+bhp
【数59】
h(ηhchm)=120ηhchm−20(ηhchm1.1
【0111】
なお、数55乃至数59の左辺を計算するための右辺の係数は、パラメータメモリ13に予め記憶される。
【0112】
次いで、電力と都市ガスの料金計算式について説明する。購入電力量の時間当たりのピーク値をxdm、1年間の積算値をxdsとすると、1年間の電力料金は、
【数60】
dpdm+cdsds
となる。ここで、cdp、cdsはそれぞれ電力基本料金と電力従量料金である。購入ガス量の時間当たりのピーク値をxgm、1年間の積算値をxgsとすると、1年間の電力料金は、
【数61】
gb+cgpgm+cgsgs
で表すことができる。ここで、cgb、cgp、cgsはそれぞれ、ガス定額基本料金、ガス従量基本料金、ガス従量料金である。このときの年間ランニングコストの合計xrcは次式となる。
【数62】
rc=cdpdm+cdsds+cgb+cgpgm+cgsgs
【0113】
次いで、CGSのモデルについて説明する。ここでは、購入電力量xd(m,h)、購入ガス量xg(m,h)、冷房及び暖房のためのAR32への入力熱エネルギーxac(m,h)、xaw(m,h)、冷房及び暖房のためのHP30への入力電力xhc(m,h)、xhw(m,h)、余剰電力zd(m,h)、余剰排熱zt(m,h)、AR32とHP30の1台あたりの最大入力容量をxam、xhm、ゼロ又は正の変数とする。ここで、AR32とHP30の台数分割数をそれぞれna、nhとする。このとき、各装置32,30の入出力では以下の関係が成立する。以下では、(m,h)、(m)を省略する。
【0114】
【数63】
電力のエネルギー:
d−zd=dd+xhc+xhw−ηgdgd(xg/xgm)xgm
【数64】
GE31の排熱出力:
ηgtg=xac+xaw+zt
【数65】
暖房負荷:
ηawaw+ηhwhw=dw
【数66】
冷房負荷:
ηacac
+ηhc{Int[xhc/xhm]+Fhc(Sur[xhc/xhm])}xhm=dc
【0115】
ここで、関数Int[・]は引数の整数部分のみを示す関数であり、関数Sur[・]は引数の整数部を切り捨てて小数部のみを示す関数である。以下、同様である。
【0116】
次いで、HP30の入力最大容量の計算について説明する。m月の冷房及び暖房への台数振り分け後の必要入力容量xhm(m)は次式となる。
【0117】
【数67】
hw=0のとき:xhm(m)=xhc/nh
【数68】
hc=0のとき:xhm(m)=xhw/nh
【数69】
その他のとき:
Figure 0004275259
【0118】
ここで、関数Minは、その下に示す変数を変化させたときの最小値を示す関数であり、関数Maxは、その下に示す変数を変化させたときの最大値を示す関数である。従って、年間を通じた必要入力容量xhmは次式で与えられる。
【0119】
【数70】
Figure 0004275259
【0120】
また、AR32の必要容量は同様に求められる。このときのイニシャルコストxicは次式となる。
【0121】
【数71】
ic=Gg(ηgdgm)+Ga(ηacam)na+Gh(ηhchm)nh
【0122】
都市ガスを使用せず、電力のみを使用した比較モデルのイニシャルコストyicとランニングコストyrcから、評価関数としての投資回収年数Uは次式となる。
【0123】
【数72】
U=(xic−yic)/(yrc−xrc
【0124】
さらに、最適化計算のための準備について説明する。冷房及び暖房のためのHP30への入力電力xhc、及びxhwから、冷房及び暖房のためのAR32への入力熱エネルギーxac、xawは次式で求まる。
【0125】
【数73】
aw=(dw/ηaw)−(ηhw/ηaw)xhw
【数74】
ac
=(dc/ηac
−(ηhc/ηac){Int[xhc/xhm]+Fhc(Sur[xhc/xhm])}xhm
【0126】
さらに、購入ガス量xg、及び(購入電力量xd)−(余剰排熱量zd)は次式から求められる。
【0127】
【数75】
g=(xa+zt)/ηgt
【数76】
d−zd=dd+xh−ηgdgd(xg/xgm)xgm
【0128】
ここで、変数はすべてゼロまたは正の数で、経済的(廃棄する電力を最小とする)条件から、数76の右辺が正のときはzd=0、右辺が負のときはxd=0とする。ここで、変数xhc、xhwが変化できる範囲は以下となる。
【0129】
【数77】
0≦xhw≦(dw/ηhw
【数78】
0≦xhc≦[(dc/ηhc)−{nhc(1−ahp)+bhp}xhm]/ahp
ここで、
【数79】
hc=Int[xhc/xhm
【0130】
さらに、ハミルトニアンアルゴリズムの微係数の計算方法について説明する。ハミルトニアンアルゴリズムでは、評価関数から受ける力で仮想的に運動する。この力は、評価関数を変数で偏微分して求める。ここで、変化させる変数は、xhc、xhw、ztである。
【0131】
まず、xhcの微係数について以下に示す。
【0132】
【数80】
∂U/∂xhc
={1/(yrc−xrc)}(∂xic/∂xhc
+{(xic−yic)/(yrc−xrc2}(∂xrc/∂xhc
【数81】
∂xic/∂xhc
=(∂Gg/∂xg)(∂xg/∂xac)(∂xac/∂xhc
+na(∂Ga/∂xac)(∂xac/∂xhc)+nh(∂Gh/∂xhc
【数82】
∂Gg/∂xg
=(380ηgt−4.65ηgt 1.5√(xgm)True[xg=xgm
【数83】
∂xg/∂xac=1/ηgt
【数84】
∂Ga/∂xac=21.5ηacTrue[xac→xam
【数85】
∂xac/∂xhc=−ηhchp/ηac
【数86】
∂Gh/∂xhc
=ηhc{120−22(ηhchm0.1}True[xhc→xhm
【数87】
∂xrc/∂xhc
=(∂/∂xd)(cdpdm+cdsds)(∂xd/∂xhc
+(∂/∂xg)(cgb+cgpgm+cgsgs)
×(∂xg/∂xac)(∂xac/∂xhc)
【0133】
上記数84において、True[xac→xam]は、1回の演算に行われる収束計算回数のうち、ある1回の収束計算においてとりうる変数の値が、xac>xamの場合真(つまり1)となり、xac≦xamの場合偽(つまり0)となる関数である。また、上記数86において、True[xhc→xhm]も同様の関数である。
【0134】
【数88】
∂(cdpdm+cdsds)/∂xd=cdpTrue[xd=xdm]+cds
【数89】
∂(cgb+cgpgm+cgsgs)/∂xg
=cgpTrue[xg=xgm]+cgs
【数90】
∂xd/∂xhc
=1−ηgd(age+bgeTrue[xg=xgm])
×(∂xg/∂xac)(∂xac/∂xhc),
d>0のとき
【数91】
∂xd/∂xhc=0,xd=0のとき
【0135】
次いで、xhwの微係数について以下に示す。
【0136】
【数92】
∂U/∂xhw
={1/(yrc−xrc)}(∂xic/∂xhw
+{(xic−yic)/(yrc−xrc2}(∂xrc/∂xhw
【数93】
∂xic/∂xhw
=(∂Gg/∂xg)(∂xg/∂xaw)(∂xaw/∂xhw
+na(∂Ga/∂xaw)(∂xaw/∂xhw)+nh(∂Gh/∂xhw
【数94】
∂xg/∂xaw=1/ηgt
【数95】
∂xaw/∂xhw=−ηhw/ηaw
【数96】
∂Ga/∂xaw=21.5μacTrue[xaw→xam
【数97】
∂xaw/∂xhw=−ηhw/ηaw
【数98】
∂Gh/∂xhw
=ηhc{120−22(ηhchm0.1}True[xhw→xhm
【数99】
∂xrc/∂xhw
=(∂/∂xd)(cdpdm+cdsds)(∂xd/∂xhw
+(∂/∂xg)(cgb+cgpgm+cgsgs
×(∂xg/∂xaw)(∂xaw/∂xhw
【数100】
(∂/∂xd)(cdpdm+cdsds)=cdpTrue[xd=xdm]+cds
【数101】
(∂/∂xg)(cgb+cgpgm+cgsgs
=cgpTrue[xg=xgm]+cgs
【数102】
∂xd/∂xhw
=1−ηgd(age+bgeTrue[xg=xgm])
×(∂xg/∂xaw)(∂xaw/∂xhw),
d>0のとき
【数103】
∂xd/∂xhw=0,xd=0のとき
【0137】
さらに、ztの微係数の式を以下に示す。
【0138】
【数104】
∂U/∂zt
={1/(yrc−xrc)}(∂xic/∂zt
+{(xic−yic)/(yrc−xrc2)(∂xrc/∂zt
【数105】
∂xic/∂zt=(∂Gg/∂xg)(∂xg/∂zt
【数106】
∂xg/∂zt=1/ηgl
【数107】
∂xrc/∂zt
=(∂/∂xd)(cdpdm+cdsds)(∂xd/∂zt
+(∂/∂xg)(cgb+cgpgm+cgsgs)(∂xg/∂zt
【数108】
∂xd/∂zt
=−ηgd(age+bgeTrue[xg=xgm])(∂xg/∂zt),
d>0のとき
【数109】
∂xd/∂zt=0,xd=0のとき
【0139】
さらに、部分負荷率の近似式の係数について以下に示す。
【0140】
(a)ガスエンジン(GE)31のための係数
【数110】
0.00≦x<0.25のとき:
ge=0.65,bge=0.00
【数111】
0.25≦x<0.50のとき:
ge=1.01,bge=−0.09
【数112】
0.50≦x<0.75のとき:
ge=1.19,bge=−0.18
【数113】
0.75≦x≦1.00のとき:
ge=1.15,bge−0.15
【0141】
(b)ヒートポンプ(HP)30のための係数
【数114】
0.0≦x<0.2のとき:
hp=0.25,bhp=0.00
【数115】
0.2≦x<0.4のとき:
hp=1.75,bhp=−0.30
【数116】
0.4≦x<0.6のとき:
hp=1.20,bhp=−0.08
【数117】
0.6≦x<0.8のとき:
hp=1.00,bhp=0.04
【数118】
0.8≦x≦1.0のとき:
hp=0.80,bhp=0.20
【0142】
第2の実施形態においては、第1の実施形態に比較して、各エネルギー変換装置の部分負荷率を考慮して、上記の式を用いて同様に、図1の制御装置が図2のCGSの制御処理を実行する。すなわち、図2において、まず,ステップS1で入力パラメータを入力した(割り込み処理)か否かが判断され、YESとなったとき、ステップS2で数72で示した投資回収年数Uを最小とする評価関数に基づくハミルトニアンアルゴリズムを用いて変数及び出力パラメータを計算して変数及び出力パラメータメモリ42に記憶する。本実施形態では、数72の評価関数の関数値が最小となるように、公知のハミルトニアンアルゴリズムを用いて変数及び出力パラメータを計算する。次いで、ステップS3では、計算された変数及び出力パラメータをCRTディスプレイ15に表示するとともに、プリンタ16を用いて印字する。そして、ステップS4では、計算された出力パラメータ値となるように、CGS100の各装置を制御して運用する。ステップS4の運用制御処理では、具体的には、計算された購入ガス量xg(m,h)及び発電部分負荷率FgdとなるようにGE31を制御し、冷房のためのAR入力熱量xac(m,h)及び暖房のためのAR入力熱量xaw(m,h)となるようにAR32を制御し、冷房のためのHP入力電力xhc(m,h)及び暖房のためのHP入力電力xhw(m,h)となるようにかつ冷房時の部分負荷率FhcとなるようにHP30を制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行うことができる。
【0143】
なお、第2の実施形態で用いる評価関数は、数72の投資回収年数に限定されず、第1の実施形態で示された別の評価関数であってもよい。
【0144】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態における作用効果に加えて、ガスエンジン31、ヒートポンプ30、排熱利用吸収式冷凍機32とを含む各エネルギー変換装置の部分負荷特性を考慮して、各エネルギー変換装置の部分負荷率を計算して制御するようにしたので、各エネルギー変換装置をより効率的に動作させることができ、CGS全体の経済性、エネルギー効率、環境性などを考慮して最適に設計して運用することができる。
【0145】
<第3の実施形態>
図20は、第1又は第2の本実施形態のコージェネレーションシステム(CGS)を含む第3の実施形態に係る建物エネルギーシステム200の構成を示すブロック図であり、本発明の設計制御対象の全てを網羅した建物エネルギーシステムの構成を示している。このシステムの制御装置は、第1又は第2の実施形態に係る図1の制御装置と同様の制御装置を備え、当該制御装置を図20のシステムに適用したことを特徴としている。なお、図20においては、L2を冷房負荷に代えて冷熱負荷としている。
【0146】
図20において、電力供給源EPから供給される電力エネルギーは、電力負荷L1、電気式熱源52、及び製氷用熱源53aに供給される。天然ガスなどの都市ガスや石油などの燃料供給源UGから供給される燃料エネルギーは発電機51、燃料式冷温水発生器55、ガスヒートポンプ56及び燃料式ボイラ57に供給される。発電機51は例えばガスエンジン、ガスタービン、燃料電池、ディーゼルエンジンなどを含み、供給される燃料エネルギーを電気エネルギーに変換して、変換後の電気エネルギー又は排熱エネルギーを、電力負荷L1、電気式熱源52、及び製氷用熱源53aに加えて、排熱利用機54、暖房負荷L3、及び給湯負荷L4に供給する。ここで、発電機51、電気式熱源52、製氷用熱源53a及び蓄熱槽53b、排熱利用機54、燃料式冷温水発生器55、ガスヒートポンプ56、燃料式ボイラ57はいずれもエネルギー変換装置である。なお、電力供給源EP又は発電機51からの電気エネルギーをエネルギー変換装置の各装置52乃至57への補助機動力エネルギーとして供給してもよい。
【0147】
電気式熱源52は例えばヒートポンプ、ターボ冷凍機、スクリュー式冷凍機などを含み、供給される電気エネルギーを冷熱エネルギー又は暖房エネルギーに変換して冷熱負荷L2、及び暖房負荷L3に供給する。また、製氷用熱源53aは例えばブライン(不凍液)ヒートポンプ、ブライン・ターボ冷凍機などを含み、供給される電気エネルギーを用いて製氷して製氷された氷の冷熱エネルギーを、例えば氷蓄熱槽、水蓄熱槽を含む蓄熱槽53bで蓄熱した後、冷熱負荷L2に供給するとともに、製氷された氷の冷熱エネルギー又は暖房エネルギーを直接に、冷熱負荷L2及び暖房負荷L3に供給する。さらに、排熱利用機54は例えば排熱利用式冷凍機などを含み、発電機51からの排熱エネルギーを冷熱エネルギーに変換して冷熱負荷L2に供給する。また、燃料式冷温水発生器55は供給される都市ガス又は石油などの燃料を用いて冷水又は温水を発生して冷熱負荷L2及び暖房負荷L3に供給する。さらに、ガスヒートポンプ56は供給される都市ガスを用いて冷熱エネルギー及び暖房エネルギーを発生してそれぞれ冷熱負荷L2及び暖房負荷L3に供給する。またさらに、燃料式ボイラ57は都市ガス又は石油などの燃料を用いてお湯を沸かし、それを暖房負荷L3及び給湯負荷L4に供給する。
【0148】
図20において、電力負荷L1は建物内の種々の電気機器を含み、冷熱負荷L2は建物内で冷熱エネルギーを必要とする冷凍機や、空調機器などの冷房負荷を含む。また、暖房負荷L3と給湯負荷L4はまとめて温熱負荷とも呼ばれる。ここで、暖房負荷は例えば空調用温熱源である。また、給湯負荷L4は例えば以下の用途の給湯負荷がある。
(a)空調用温熱源、
(b)給湯用温熱源、
(c)融雪用温熱源、
(d)温水プール用温熱源、
(e)調理用温熱源、
(f)洗濯用温熱源、
(g)例えば病院等の滅菌、消毒用温熱源、
(h)工場用温熱源。
【0149】
第3の実施形態に係る図20の建物エネルギーシステムにおいても、第1又は第2の実施形態におけるコージェネレーションシステム(CGS)の制御装置と同様に、電力供給源EPと燃料供給源UGとのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、少なくとも1つのエネルギー変換装置を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷L1と冷熱負荷L2と温熱負荷L3,L4のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、上述した所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する。ここで、電力負荷L1の電力負荷量と冷熱負荷L2の冷熱負荷量と温熱負荷L3,L4の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、エネルギー変換装置の装置分割台数と、エネルギー変換装置の変換効率と、エネルギー変換装置の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、エネルギー変換装置のエネルギー料金データと、建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを例えばキーボード14を用いて入力して、パラメータメモリ13に記憶する。次いで、図1の制御装置のCPU10と同様のCPUは、パラメータメモリ13に記憶された入力パラメータに基づいて、上述の所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、エネルギー変換装置への入力エネルギー量と、エネルギー変換装置からの廃棄エネルギー量と、上記エネルギー変換装置の出力容量と、建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力する。さらに、上記計算された入力エネルギー量となるようにエネルギー変換装置を制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行う。
【0150】
以上説明したように本実施形態によれば、以下の特有の効果を有する。
(1)所望の評価関数のもとで、また所定の運用条件で、最適なシステム設計条件を算出できる。ここで、評価関数は、経済性のみならず、エネルギー効率、環境性などの評価関数を用いることができ、建物エネルギーシステムの最適な設計を行うことができ、最適な条件で運用制御することができる。
(2)台数分割による複数の装置の利用、冷暖需要が同時に存在する負荷条件、イニシャルコストも変数として、建物エネルギーシステムの最適な設計ができ運用制御することができる。
(3)それ故、電主導、熱主導に無関係な運用条件で、また、冷暖房用装置の均等分割又は不均等分割による効率的運用条件で、建物エネルギーシステムの最適な設計ができ運用制御することができる。
(4)さらに、エネルギー変換装置の部分負荷特性を考慮して、各エネルギー変換装置の部分負荷率を計算して制御するようにしたので、各エネルギー変換装置をより効率的に動作させることができ、建物エネルギーシステム全体の経済性、エネルギー効率、環境性などを考慮して最適に設計して運用することができる。
【0151】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る建物エネルギーシステムの制御方法又は装置によれば、電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、少なくとも1つのエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御方法であって、
上記電力負荷の電力負荷量と上記冷熱負荷の冷熱負荷量と上記温熱負荷の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、上記エネルギー変換手段の装置分割台数と、上記エネルギー変換手段の変換効率と、上記エネルギー変換手段の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、上記エネルギー変換手段のエネルギー料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力し、
上記入力された入力パラメータを記憶手段に記憶し、
上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、上記エネルギー変換手段への入力エネルギー量と、上記エネルギー変換手段からの廃棄エネルギー量と、上記エネルギー変換手段の出力容量と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力する。そして、上記計算された入力エネルギー量となるように上記各エネルギー変換手段を制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行う
【0152】
従って、本発明によれば、以下の特有の効果を有する。
(1)所望の評価関数のもとで、また所定の運用条件で、最適なシステム設計条件を算出できる。ここで、評価関数は、経済性のみならず、エネルギー効率、環境性などの評価関数を用いることができ、建物エネルギーシステムの最適な設計を行うことができ、最適な条件で運用制御することができる。
(2)台数分割による複数の装置の利用、冷暖需要が同時に存在する負荷条件、イニシャルコストも変数として、建物エネルギーシステムの最適な設計ができ運用制御することができる。
(3)それ故、電主導、熱主導に無関係な運用条件で、また、冷暖房用装置の均等分割又は不均等分割による効率的運用条件で、建物エネルギーシステムの最適な設計ができ運用制御することができる。
(4)さらに、エネルギー変換装置のの部分負荷特性を考慮して、各エネルギー変換装置の部分負荷率を計算して制御するようにしたので、各エネルギー変換装置をより効率的に動作させることができ、建物エネルギーシステム全体の経済性、エネルギー効率、環境性などを考慮して最適に設計して運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態であるコージェネレーションシステム(CGS)の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のコージェネレーションシステムの制御装置によって実行されるCGS制御処理を示すフローチャートである。
【図3】 第1の実施形態のCGSモデルの構成を示すブロック図である。
【図4】 比較例の比較モデルの構成を示すブロック図である。
【図5】 第1の実施形態のシミュレーションにおいて用いた各月毎及び各時刻毎の電力負荷データを示すグラフである。
【図6】 第1の実施形態のシミュレーションにおいて用いた各月毎及び各時刻毎の冷房負荷データを示すグラフである。
【図7】 第1の実施形態のシミュレーションにおいて用いた各月毎及び各時刻毎の暖房負荷データを示すグラフである。
【図8】 第1の実施形態のシミュレーションにおいて用いた、発電容量に対するガスエンジン(GE)のコストを示すグラフである。
【図9】 第1の実施形態のシミュレーションにおいて用いた、冷却能力に対する排熱利用吸収式冷凍機(AR)のコストを示すグラフである。
【図10】 第1の実施形態のシミュレーションにおいて用いた、冷却能力に対するヒートポンプ(HP)のコストを示すグラフである。
【図11】 第1の実施形態のシミュレーション結果である、ヒートポンプ(HP)の分割台数に対する最小となる投資回収年数を示すグラフである。
【図12】 第1の実施形態のシミュレーション結果である、ヒートポンプ(HP)の分割台数に対する投資回収年数が最小のときのイニシャルコストを示すグラフである。
【図13】 第1の実施形態のシミュレーション結果である、ヒートポンプ(HP)の分割台数に対する投資回収年数が最小のときのランニングコストを示すグラフである。
【図14】 第1の実施形態のシミュレーション結果である、ヒートポンプ(HP)の分割台数に対する投資回収年数が最小のときの廃棄熱量を示すグラフである。
【図15】 第1の実施形態のシミュレーション結果である、ヒートポンプ(HP)の分割台数に対するガスエンジン(GE)のイニシャルコストを示すグラフである。
【図16】 第1の実施形態のシミュレーション結果である、ヒートポンプ(HP)の分割台数に対する排熱利用吸収式冷凍機(AR)のイニシャルコストを示すグラフである。
【図17】 第1の実施形態のシミュレーション結果である、ヒートポンプ(HP)の分割台数に対するヒートポンプ(HP)のイニシャルコストを示すグラフである。
【図18】 第1の実施形態のシミュレーション結果である、ヒートポンプ(HP)の分割台数に対する電力のランニングコストを示すグラフである。
【図19】 第1の実施形態のシミュレーション結果である、ヒートポンプ(HP)の分割台数に対する、コージェネレーションシステム(CGS)のメンテナンスコストを含む都市ガスのランニングコストを示すグラフである。
【図20】 第1又は第2の本実施形態のコージェネレーションシステム(CGS)を含む第3の実施形態に係る建物エネルギーシステム200の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…CPU、
11…ROM、
12…RAM、
13…パラメータメモリ、
14…キーボード、
15…CRTディスプレイ、
16…プリンタ、
17…CD−ROMドライブ装置、
18…CD−ROM,
20…バス、
21…キーボードインターフェース、
22…ディスプレイインターフェース、
23…プリンタインターフェース、
24…制御インターフェース、
25…ドライブ装置インターフェース、
30…ヒートポンプ(HP)、
31…ガスエンジン(GE)、
32…排熱利用吸収式冷凍機(AR)、
41…入力パラメータメモリ、
42…変数及び出力パラメータメモリ、
43…評価関数メモリ、
51…発電機、
52…電気式熱源、
53a…製氷用熱源、
53b…蓄熱槽、
54…排熱利用機、
55…燃料式冷温水発生器、
56…ガスヒートポンプ、
57…燃料式ボイラ、
100…コージェネレーションシステム(CGS)、
200…建物エネルギーシステム、
EP…電力供給源、
UG…都市ガス供給源、
UG’…燃料供給源、
L1…電力負荷、
L2…冷房負荷又は冷熱負荷、
L3…暖房負荷、
L4…給湯負荷。

Claims (23)

  1. 電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、少なくとも1つのエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御方法であって、
    上記電力負荷の電力負荷量と上記冷熱負荷の冷熱負荷量と上記温熱負荷の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、上記エネルギー変換手段の装置分割台数と、上記エネルギー変換手段の変換効率と、上記エネルギー変換手段の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、上記エネルギー変換手段のエネルギー料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力するステップと、
    上記入力された入力パラメータを記憶手段に記憶するステップと、
    上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、上記エネルギー変換手段への入力エネルギー量と、上記エネルギー変換手段からの廃棄エネルギー量と、上記エネルギー変換手段の出力容量と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力するステップを含むことを特徴とする建物エネルギーシステムの制御方法。
  2. 電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、複数のエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御方法であって、
    上記電力負荷の電力負荷量と上記冷熱負荷の冷熱負荷量と上記温熱負荷の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、上記各エネルギー変換手段の装置分割台数と、上記各エネルギー変換手段の変換効率と、上記各エネルギー変換手段の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、上記各エネルギー変換手段における入力エネルギー量及び最大入力容量と部分負荷率との間の関係と、上記各エネルギー変換手段のエネルギー料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力するステップと、
    上記入力された入力パラメータを記憶手段に記憶するステップと、
    上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、上記各エネルギー変換手段への入力エネルギー量と、上記各エネルギー変換手段からの廃棄エネルギー量と、上記各エネルギー変換手段の出力容量と、上記各エネルギー変換手段の部分負荷率と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力するステップを含むことを特徴とする建物エネルギーシステムの制御方法。
  3. 電力供給源と都市ガス供給源からのエネルギーに基づいて、ガスエンジンとヒートポンプと排熱利用吸収式冷凍機とを用いて、電力負荷と冷房負荷と暖房負荷とにエネルギーを供給するためのコージェネレーションシステムを含む建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御方法であって、
    電力負荷量と冷房負荷量と暖房負荷量とを含む入力エネルギー量と、ガスエンジンの装置価格と、ヒートポンプの装置価格と、排熱利用吸収式冷凍機の装置価格と、排熱利用吸収式冷凍機の台数と、ヒートポンプの台数と、電力料金データと、ガス料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力するステップと、
    上記入力された入力パラメータを記憶手段に記憶するステップと、
    上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトンアルゴリズムを用いて、上記評価関数の関数値が最小となるように、購入電力量と、購入電力量の最大値と、購入ガス量と、購入ガス量の最大値と、冷房のための排熱利用吸収式冷凍機への入力熱量と、暖房のための排熱利用吸収式冷凍機への入力熱量と、冷房のためのヒートポンプへの入力電力量と、暖房のためのヒートポンプへの入力電力量と、廃棄電力量と、廃棄排熱量と、排熱利用吸収式冷凍機の装置容量と、ヒートポンプの装置容量と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストと、電力のランニングコストと、ガスのランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力するステップとを含むことを特徴とする建物エネルギーシステムの制御方法。
  4. 上記温熱負荷は、暖房負荷と給湯負荷とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の建物エネルギーシステムの制御方法。
  5. 上記エネルギー変換手段は、発電機と、電気式熱源と、製氷用熱源及び蓄熱槽と、排熱利用機と、燃料式冷温水発生器と、ガスヒートポンプと、燃料式ボイラとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1、2又は4記載の建物エネルギーシステムの制御方法。
  6. 上記評価関数は、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコストと上記比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコストとの差を、上記建物エネルギーシステムのランニングコストと上記比較対象のエネルギー供給システムのランニングコストとの差で除算してなる投資回収年数であることを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載の建物エネルギーシステムの制御方法。
  7. 上記評価関数は、上記各入力エネルギー量の線形結合で表されたエネルギーの消費量であることを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載の建物エネルギーシステムの制御方法。
  8. 上記評価関数は、上記各入力エネルギー量の線形結合で表されたCO2の排出量であることを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載の建物エネルギーシステムの制御方法。
  9. 上記評価関数は、請求項6記載の投資回収年数と、請求項7記載のエネルギーの消費量と、請求項8記載のCO2の排出量との線形結合で表された評価関数であることを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載の建物エネルギーシステムの制御方法。
  10. 上記計算された入力エネルギー量となるように上記各エネルギー変換手段を制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2記載の建物エネルギーシステムの制御方法。
  11. 上記計算されたガスの購入量となるようにガスエンジンを制御し、上記計算された冷房のための入力熱量及び暖房のための入力熱量となるように排熱利用吸収式冷凍機を制御し、上記計算された冷房のための入力電力及び暖房のための入力電力となるようにヒートポンプを制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項3記載の建物エネルギーシステムの制御方法。
  12. 電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、少なくとも1つのエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御装置であって、
    上記電力負荷の電力負荷量と上記冷熱負荷の冷熱負荷量と上記温熱負荷の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、上記エネルギー変換手段の装置分割台数と、上記エネルギー変換手段の変換効率と、上記エネルギー変換手段の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、上記エネルギー変換手段のエネルギー料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力する入力手段と、
    上記入力手段によって入力された入力パラメータを記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、上記エネルギー変換手段への入力エネルギー量と、上記エネルギー変換手段からの廃棄エネルギー量と、上記エネルギー変換手段の出力容量と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力する計算手段とを備えたことを特徴とする建物エネルギーシステムの制御装置。
  13. 電力供給源と燃料供給源とのうちの少なくとも一方から供給されるエネルギーに基づいて、複数のエネルギー変換手段を用いて、上記供給されるエネルギーを所定の別のエネルギーに変換して、変換後のエネルギーを電力負荷と冷熱負荷と温熱負荷のうちの少なくとも1つに供給するための建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御装置であって、
    上記電力負荷の電力負荷量と上記冷熱負荷の冷熱負荷量と上記温熱負荷の温熱負荷量のうちの少なくとも1つと、上記各エネルギー変換手段の装置分割台数と、上記各エネルギー変換手段の変換効率と、上記各エネルギー変換手段の変換効率及び最大入力容量とイニシャルコストとの間の関係と、上記各エネルギー変換手段における入力エネルギー量及び最大入力容量と部分負荷率との間の関係と、上記各エネルギー変換手段のエネルギー料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力する入力手段と、
    上記入力手段によって入力された入力パラメータを記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトニアンアルゴリズムとを用いて、上記評価関数の関数値が最小又は最大となるように、上記各エネルギー変換手段への入力エネルギー量と、上記各エネルギー変換手段からの廃棄エネルギー量と、上記各エネルギー変換手段の出力容量と、上記各エネルギー変換手段の部分負荷率と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力する計算手段とを備えたことを特徴とする建物エネルギーシステムの制御装置。
  14. 電力供給源と都市ガス供給源からのエネルギーに基づいて、ガスエンジンとヒートポンプと排熱利用吸収式冷凍機とを用いて、電力負荷と冷房負荷と暖房負荷とにエネルギーを供給するためのコージェネレーションシステムを含む建物エネルギーシステムにおいて、所定の評価関数を用いて最適な構成となるように制御する建物エネルギーシステムの制御装置であって、
    電力負荷量と冷房負荷量と暖房負荷量とを含む入力エネルギー量と、ガスエンジンの装置価格と、ヒートポンプの装置価格と、排熱利用吸収式冷凍機の装置価格と、排熱利用吸収式冷凍機の台数と、ヒートポンプの台数と、電力料金データと、ガス料金データと、上記建物エネルギーシステムのメンテナンスコストと、比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコスト及びランニングコストとを含む入力パラメータを入力する入力手段と、
    上記入力手段によって入力された入力パラメータを記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段に記憶された入力パラメータに基づいて、所定のハミルトンアルゴリズムを用いて、上記評価関数の関数値が最小となるように、購入電力量と、購入電力量の最大値と、購入ガス量と、購入ガス量の最大値と、冷房のための排熱利用吸収式冷凍機への入力熱量と、暖房のための排熱利用吸収式冷凍機への入力熱量と、冷房のためのヒートポンプへの入力電力量と、暖房のためのヒートポンプへの入力電力量と、廃棄電力量と、廃棄排熱量と、排熱利用吸収式冷凍機の装置容量と、ヒートポンプの装置容量と、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコスト及びランニングコストと、電力のランニングコストと、ガスのランニングコストとを含む変数及び出力パラメータを計算して出力する計算手段とを備えたことを特徴とする建物エネルギーシステムの制御装置。
  15. 上記温熱負荷は、暖房負荷と給湯負荷とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12又は13記載の建物エネルギーシステムの制御装置。
  16. 上記エネルギー変換手段は、発電機と、電気式熱源と、製氷用熱源及び蓄熱槽と、排熱利用機と、燃料式冷温水発生器と、ガスヒートポンプと、燃料式ボイラとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12、13又は15記載の建物エネルギーシステムの制御装置。
  17. 上記評価関数は、上記建物エネルギーシステムのイニシャルコストと上記比較対象のエネルギー供給システムのイニシャルコストとの差を、上記建物エネルギーシステムのランニングコストと上記比較対象のエネルギー供給システムのランニングコストとの差で除算してなる投資回収年数であることを特徴とする請求項12乃至16のうちの1つに記載の建物エネルギーシステムの制御装置。
  18. 上記評価関数は、上記各入力エネルギー量の線形結合で表されたエネルギーの消費量であることを特徴とする請求項12乃至16のうちの1つに記載の建物エネルギーシステムの制御装置。
  19. 上記評価関数は、上記各入力エネルギー量の線形結合で表されたCO2の排出量であることを特徴とする請求項12乃至16のうちの1つに記載の建物エネルギーシステムの制御装置。
  20. 上記評価関数は、請求項17記載の投資回収年数と、請求項18記載のエネルギーの消費量と、請求項19記載のCO2の排出量との線形結合で表された評価関数であることを特徴とする請求項12乃至16のうちの1つに記載の建物エネルギーシステムの制御装置。
  21. 上記計算された入力エネルギー量となるように上記各エネルギー変換手段を制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行う制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項12又は13記載の建物エネルギーシステムの制御装置。
  22. 上記計算されたガスの購入量となるようにガスエンジンを制御し、上記計算された冷房のための入力熱量及び暖房のための入力熱量となるように排熱利用吸収式冷凍機を制御し、上記計算された冷房のための入力電力及び暖房のための入力電力となるようにヒートポンプを制御することにより、上記計算された最適な設計条件を保持して運用を行う制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項14記載の建物エネルギーシステムの制御装置。
  23. 請求項1乃至11のうちの1つに記載の建物エネルギーシステムの制御方法における各ステップを含む制御処理プログラムを記録したことを特徴とする建物エネルギーシステムの制御処理プログラムを記録した記録媒体。
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