JP4275187B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

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Description

この発明は、電極が陽極酸化されて、この電極の表面に誘電体層が形成されてなる電解コンデンサに係り、特に、陽極酸化時に誘電体層の結晶化が進んで、誘電体層の絶縁性が低下するのを抑制し、電解コンデンサにおける漏れ電流を少なくなるようにした点に特徴を有するものである。
近年、電子機器の小型化に伴って、小型で大容量のコンデンサの開発が要望されるようになった。
そして、このような大容量のコンデンサとして、近年においては、電極にチタンを用い、この電極を陽極酸化させて酸化チタンからなる誘電体層を形成した電解コンデンサ(例えば、特許文献1参照。)や、整流作用を有する陽極酸化が可能なアルミニウム,タンタル,ニオブ,チタン等の弁作用金属の粉末の焼成体からなる電極を陽極酸化させて、この電極の表面にこれらの金属酸化物からなる誘電体層を形成した電解コンデンサが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、上記のように陽極酸化が可能なアルミニウム,タンタル,ニオブ,チタン等の弁作用金属を用いた電極を陽極酸化させて、この電極の表面にこれらの金属酸化物からなる誘電体層を形成するようにした場合、陽極酸化時にこれらの金属酸化物の結晶化が進み、これによって誘電体層の絶縁性が低下し、このような電解コンデンサにおける漏れ電流が増大するという問題があった。
特開平5−121275公報 特開平11−312628公報
この発明は、上記のように電極を陽極酸化させて、この電極の表面に誘電体層を形成するようにした電解コンデンサにおける上記のような問題を解決することを課題とするものであり、陽極酸化時において誘電体層の結晶化が進んで、誘電体層の絶縁性が低下するのを抑制し、漏れ電流の発生の少ない電解コンデンサが得られるようにすることを課題とするものである。
この発明における第1の電解コンデンサにおいては、上記のような課題を解決するため、電極にニオブ合金、チタン合金及びタングステン合金から選択される1種の合金を用い、この電極を陽極酸化させて、その表面に誘電体層を形成するようにしたのである。
そして、この第1の電解コンデンサのように、電極にニオブ合金、チタン合金及びタングステン合金から選択される1種の合金を用いると、ニオブやチタンやタングステン単体の金属を用いた場合に比べて、陽極酸化時に誘電体層が結晶化するのが抑制され、誘電体層の絶縁性が低下するのが防止されて、漏れ電流の発生の少ない電解コンデンサが得られるようになる。
ここで、上記のニオブ合金の種類については特に限定されないが、陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのを適切に抑制するためには、ニオブに対してタングステン、バナジウム、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ハフニウム及びジルコニウムから選択される少なくとも1種の添加金属が添加されて合金化されたニオブ合金を用いることが好ましい。特に、ニオブに対してアルミニウムが添加されたニオブ合金を用いた電極を陽極酸化させて誘電体層を形成すると、この誘電体層中に酸化ニオブと共に絶縁性に優れた酸化アルミニウムが含有されるようになり、この酸化アルミニウムにより誘電体層の結晶化が抑制されて、漏れ電流の発生が抑制されるようになる。
また、上記のチタン合金の種類については特に限定されないが、陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのを適切に抑制するためには、チタンに対してタングステン、バナジウム、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ハフニウム及びジルコニウムから選択される少なくとも1種の添加金属が添加されて合金化されたチタン合金を用いることが好ましい。
さらに、上記のタングステン合金の種類については特に限定されないが、陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのを適切に抑制するためには、タングステンに対してニオブ、チタン、タンタル、バナジウム、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ハフニウム及びジルコニウムから選択される少なくとも1種の添加金属が添加されて合金化されたタングステン合金を用いることが好ましい。
また、上記のニオブ合金やチタン合金やタングステン合金において、上記のように添加させる添加金属の量が少ないと、陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのを適切に抑制することができなくなり、また添加金属の量が多くなり過ぎても、同様に陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのを適切に抑制することができなくなる。このため、上記の各合金中における添加金属の含有量を0.01〜10wt%の範囲にすることが好ましい。
また、この発明における第2の電解コンデンサにおいては、電極にニオブとアルミニウムとを混合させた粉末を焼結させたニオブとアルミニウムとの混合焼結体を用い、この電極の表面に陽極酸化によって酸化ニオブと酸化アルミニウムとが含有された誘電体層を形成している。
そして、この第2の電解コンデンサのように、ニオブとアルミニウムとを混合させた粉末を焼結させたニオブとアルミニウムとの混合焼結体からなる電極を陽極酸化させると、この電極の表面において酸素イオンが内部に拡散すると共に、ニオブイオンやアルミニウムイオンがこの電極の表面に移動して反応するようになる。
ここで、上記のニオブイオンはアルミニウムイオンよりもイオン導電性が高いため、陽極酸化により、先ずニオブ粒子の表面に酸化ニオブの層が形成されるようになり、次いでアルミニウムが酸化される際に、アルミニウムイオンが上記の酸化ニオブの層内に拡散して、酸化ニオブの層内に酸化アルミニウムが形成されるようになると考えられる。そして、このように酸化ニオブの層内に形成された酸化アルミニウムにより、誘電体層の結晶化が抑制されて、漏れ電流の発生が抑制されるようになると考えられる。
なお、この第2の電解コンデンサのように、ニオブとアルミニウムとの混合焼結体からなる電極において、アルミニウムの量が適切でないと、陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのを適切に抑制することができなくなる。このため、このニオブとアルミニウムとの合計量に対するアルミニウムの量を0.01〜10wt%の範囲にすることが好ましい。
また、この発明における第3の電解コンデンサにおいては、ニオブ又はニオブ合金からなる電極にフッ素をドープさせ、この電極を陽極酸化させて誘電体層を形成している。
そして、この第3の電解コンデンサのように、ニオブ又はニオブ合金からなる電極にフッ素をドープさせ、この電極を陽極酸化させると、陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのが、ドープされたフッ素によって抑制され、誘電体層の絶縁性が低下するのが防止されて、漏れ電流の発生の少ない電解コンデンサが得られるようになる。
ここで、この第3の電解コンデンサにおいて、電極を構成する材料にニオブ合金を用いると、前記のように陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのがさらに抑制されるようになる。また、このニオブ合金としては、前記のようにニオブに対して前記のような添加金属を添加させて合金化させたニオブ合金を用いることがより好ましく、さらにこのニオブ合金中における添加金属の含有量も上記のような範囲にすることが好ましい。
そして、上記の第3の電解コンデンサを製造するにあたっては、ニオブ又はニオブ合金からなる電極をフッ素ガス雰囲気中で熱処理してフッ素をドープさせた後、この電極を陽極酸化させて、この電極の表面に誘電体層を形成させるようにすることができる。
ここで、上記のようにニオブ又はニオブ合金からなる電極をフッ素ガス雰囲気中で熱処理してフッ素をドープさせるにあたり、熱処理する温度がフッ化ニオブの沸点である225℃を越えると、フッ素を適切にドープさせることができなくなるため、熱処理する温度を200℃以下にすることが好ましく、より好ましくは、40℃〜150℃の温度で熱処理させるようにする。
また、上記の第3の電解コンデンサを製造するにあたっては、上記の方法以外に、ニオブ又はニオブ合金からなる電極をフッ素イオンを含む水溶液中で陽極酸化させて、この電極中にフッ素をドープさせると共にこの電極の表面に誘電体層を形成させるようにすることもできる。
以上詳述したように、この発明における第1の電解コンデンサにおいては、電極にニオブ合金、チタン合金及びタングステン合金から選択される1種の合金を用い、この電極を陽極酸化させて、その表面に誘電体層を形成するようにしたため、ニオブやチタンやタングステン単体の金属を電極に用いる場合に比べて、陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのが抑制され、これにより誘電体層の絶縁性が低下するのが防止されて、漏れ電流の発生の少ない電解コンデンサが得られるようになった。
また、この発明における第2の電解コンデンサにおいては、電極にニオブとアルミニウムとを混合させた粉末を焼結させたニオブとアルミニウムとの混合焼結体を用い、この電極を陽極酸化させて、この電極の表面に酸化ニオブと酸化アルミニウムとが含有された誘電体層を形成するようにしたため、上記の酸化アルミニウムにより陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのが抑制され、これにより誘電体層の絶縁性が低下するのが防止されて、漏れ電流の発生の少ない電解コンデンサが得られるようになった。
また、この発明における第3の電解コンデンサにおいては、ニオブ又はニオブ合金からなる電極にフッ素をドープさせ、この電極を陽極酸化させて誘電体層を形成するようにしたため、この陽極酸化時において誘電体層が結晶化するのが抑制され、これにより誘電体層の絶縁性が低下するのが防止されて、漏れ電流の発生の少ない電解コンデンサが得られるようになった。
以下、この発明の実施例に係る電解コンデンサについて具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例に係る電解コンデンサにおいては、誘電体層が結晶化するのが抑制されて、漏れ電流の発生の少なくなることを明らかにする。なお、この発明の電解コンデンサは下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例A1)
この実施例においては、ニオブ(Nb)粉末99gに対して、添加金属としてタングステン(W)粉末を1g添加し、これらを回転揺動式混合装置により20分間混合させた。そして、この混合粉末を真空中において1500℃で厚さ100μmになるまで加圧し、ニオブ中にタングステンが拡散されて合金化されたニオブ合金箔を作製した。
そして、このニオブ合金箔を1cm×5cmの大きさに切断した後、このニオブ合金箔を、液温を60℃にした0.6体積%の燐酸水溶液中において、30Vで陽極酸化させて、このニオブ合金箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。
そして、このように表面に誘電体層が形成されたニオブ合金箔からなる電極を陽極に用い、図1に示すように、ビーカ1に収容させた2wt%のホウ酸水溶液2中に上記の陽極3を浸漬させると共に、この陽極3の周囲を覆うようにして、活性炭で構成された円筒状の陰極4をこの陽極3と接触しないようにして、上記のホウ酸水溶液2中に浸漬させて、実施例A1の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例A2)
この実施例においては、ニオブ粉末に添加させる添加金属の種類を上記の実施例A1の場合と変更し、ニオブ粉末99gに対して、バナジウム(V)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A2の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例A3)
この実施例においては、ニオブ粉末に添加させる添加金属の種類を上記の実施例A1の場合と変更し、ニオブ粉末99gに対して、亜鉛(Zn)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A3の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例A4)
この実施例においては、ニオブ粉末に添加させる添加金属の種類を上記の実施例A1の場合と変更し、ニオブ粉末99gに対して、アルミニウム(Al)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A4の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例A5)
この実施例においては、ニオブ粉末に添加させる添加金属の種類を上記の実施例A1の場合と変更し、ニオブ粉末99gに対して、モリブデン(Mo)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A5の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例A6)
この実施例においては、ニオブ粉末に添加させる添加金属の種類を上記の実施例A1の場合と変更し、ニオブ粉末99gに対して、ジルコニウム(Zr)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A6の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例A7)
この実施例においては、ニオブ粉末に添加させる添加金属の種類を上記の実施例A1の場合と変更し、ニオブ粉末99gに対して、ハフニウム(Hf)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A7の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例A8)
この実施例においては、ニオブ粉末に添加させる添加金属の種類を上記の実施例A1の場合と変更し、ニオブ粉末99gに対して、亜鉛粉末0.5gとアルミニウム粉末0.5gとを加えるようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A8の試験用電解コンデンサを作製した。
(比較例a1)
この比較例においては、上記の実施例A1において、ニオブ粉末に対して添加金属のタングステン粉末を加えないようにして、ニオブだけで構成されたニオブ箔を作製し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、比較例a1の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例B1)
この実施例においては、チタン(Ti)粉末99gに対して、添加金属としてバナジウム(V)粉末を1g加え、上記の実施例A1の場合と同様に、これらを回転揺動式混合装置により20分間混合させた後、この混合粉末を真空中において1500℃で厚さ100μmになるまで加圧し、チタン中にバナジウムが拡散されて合金化されたチタン合金箔を作製した。
そして、このチタン合金箔を、上記の実施例A1の場合と同様に、1cm×5cmの大きさに切断した後、このチタン合金箔を、液温を60℃にした0.6体積%の燐酸水溶液中において、30Vで陽極酸化させて、このチタン合金箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。
そして、このように表面に誘電体層が形成されたチタン合金箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例B1の試験用電解コンデンサを作製した。
(比較例b1)
この比較例においては、上記の実施例B1において、チタン粉末に対して添加金属のバナジウム粉末を加えないようにして、チタンだけで構成されたチタン箔を作製し、それ以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして、比較例b1の試験用電解コンデンサを作製した。
ここで、上記のように作製した実施例A1〜A8の各試験用電解コンデンサにおける誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、ニオブとアルミニウムを含む合金を用いた実施例A4,A8の試験用電解コンデンサにおける誘電体層においては、酸化ニオブと酸化アルミニウムとが含有されていることが確認された。
次いで、上記のように作製した実施例A1〜A8,B1及び比較例a1,b1の各試験用電解コンデンサを使用し、それぞれ20Vに保持して、2秒後の漏れ電流を測定した。そして、上記の実施例A1の試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を100とした指数で、各試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を求め、その結果を下記の表1に示した。
Figure 0004275187
この結果から明らかなように、ニオブに対してタングステン、バナジウム、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ジルコニウム及びハフニウムから選択される少なくとも1種の添加金属を添加させて合金化させたニオブ合金からなる電極を陽極酸化させたものを用いた実施例A1〜A8の各試験用電解コンデンサは、ニオブだけからなる電極を陽極酸化させたものを用いた比較例a1の試験用電解コンデンサに比べて、漏れ電流が大きく減少していた。
また、チタンに対して、添加金属としてバナジウムを添加させて合金化させたチタン合金からなる電極を陽極酸化させたものを用いた実施例B1の試験用電解コンデンサも、チタンだけからなる電極を陽極酸化させたものを用いた比較例b1の試験用電解コンデンサに比べて、漏れ電流が大きく減少していた。なお、チタンに対して、バナジウム以外のタングステン、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ジルコニウム及びハフニウムから選択される少なくとも1種の添加金属を添加させて合金化させたチタン合金からなる電極を陽極酸化させたものを用いた場合においても、同様の効果が得られる。
(実施例A1.1〜A1.10)
これらの実施例A1.1〜A1.10においては、ニオブ(Nb)粉末に対して添加金属として添加させるタングステン(W)粉末の割合を、前記の実施例A1の場合と変更させて、ニオブ合金中におけるタングステンの含有量(wt%)を下記の表2に示すように変更させたニオブ合金箔を作製し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A1.1〜A1.10の各試験用電解コンデンサを作製した。
そして、このように作製した実施例A1.1〜A1.10の各試験用電解コンデンサについても、上記の場合と同様にして、漏れ電流を測定し、上記の実施例A1の試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を100とした指数で、各試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を求め、その結果を下記の表2に示した。
Figure 0004275187
この結果から明らかなように、ニオブ合金中におけるタングステンの含有量が0.01〜10wt%の範囲になったものを用いた実施例A1及び実施例A1.2〜A1.8の各試験用電解コンデンサにおいては、漏れ電流値が低くなっており、特に、タングステンの含有量が0.1〜5.0wt%の範囲になったものを用いた実施例A1及びA1.3〜A1.6の各試験用電解コンデンサにおいては、さらに漏れ電流値が低くなっていた。なお、ニオブに対して、タングステン以外のバナジウム、亜鉛、アルミニウム、モリブデン及びジルコニウムから選択される少なくとも1種の添加金属を添加させて合金化させたニオブ合金についても同様の結果が得られ、さらにチタン合金についても同様の結果が得られる。
(実施例C1)
この実施例においては、タングステン(W)粉末99gに対して、添加金属としてニオブ(Nb)粉末を1g加え、上記の実施例A1の場合と同様に、これらを回転揺動式混合装置により20分間混合させた後、この混合粉末を真空中において1500℃で厚さ100μmになるまで加圧し、タングステン中にニオブが拡散されて合金化されたタングステン合金箔を作製した。
そして、このタングステン合金箔を、上記の実施例A1の場合と同様に、1cm×5cmの大きさに切断した後、このタングステン合金箔を、液温を60℃にした0.6体積%の燐酸水溶液中において、30Vで陽極酸化させて、このタングステン合金箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。
そして、このように表面に誘電体層が形成されたタングステン合金箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例C1の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例C2)
この実施例においては、タングステン粉末に対して添加させる添加金属の種類を上記の実施例C1の場合と変更し、タングステン粉末99gに対して、チタン(Ti)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C2の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例C3)
この実施例においては、タングステン粉末に対して添加させる添加金属の種類を上記の実施例C1の場合と変更し、タングステン粉末99gに対して、タンタル(Ta)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C3の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例C4)
この実施例においては、タングステン粉末に対して添加させる添加金属の種類を上記の実施例C1の場合と変更し、タングステン粉末99gに対して、バナジウム(V)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C4の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例C5)
この実施例においては、タングステン粉末に対して添加させる添加金属の種類を上記の実施例C1の場合と変更し、タングステン粉末99gに対して、亜鉛(Zn)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C5の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例C6)
この実施例においては、タングステン粉末に対して添加させる添加金属の種類を上記の実施例C1の場合と変更し、タングステン粉末99gに対して、アルミニウム(Al)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C6の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例C7)
この実施例においては、タングステン粉末に対して添加させる添加金属の種類を上記の実施例C1の場合と変更し、タングステン粉末99gに対して、モリブデン(Mo)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C7の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例C8)
この実施例においては、タングステン粉末に対して添加させる添加金属の種類を上記の実施例C1の場合と変更し、タングステン粉末99gに対して、ジルコニウム(Zr)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C8の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例C9)
この実施例においては、タングステン粉末に対して添加させる添加金属の種類を上記の実施例C1の場合と変更し、タングステン粉末99gに対して、ハフニウム(Hf)粉末を1g加えるようにし、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C9の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例C10)
この実施例においては、タングステン粉末に対して添加させる添加金属の種類を上記の実施例C1の場合と変更し、タングステン粉末99gに対して、タンタル粉末0.5gとニオブ粉末0.5gとを加えるようにし、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C10の試験用電解コンデンサを作製した。
(比較例c1)
この比較例においては、上記の実施例C1において、タングステン粉末に対して添加金属のニオブ粉末を加えないようにして、タングステンだけで構成されたタングステン箔を作製し、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、比較例c1の試験用電解コンデンサを作製した。
そして、このように作製した実施例C1〜C10及び比較例c1の各試験用電解コンデンサと、参考のために前記の比較例a1及び比較例b1の各試験用電解コンデンサを使用し、それぞれ20Vに保持して、2秒後の漏れ電流を測定した。そして、上記の実施例C1の試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を100とした指数で、上記の各試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を求め、その結果を下記の表3に示した。
Figure 0004275187
この結果から明らかなように、タングステンに対して、ニオブ、チタン、タンタル、バナジウム、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ジルコニウム及びハフニウムから選択される少なくとも1種の添加金属を添加させて合金化させたタングステン合金からなる電極を陽極酸化させたものを用いた実施例C1〜C10の各試験用電解コンデンサは、タングステンだけからなる電極を陽極酸化させたものを用いた比較例c1の試験用電解コンデンサや、ニオブだけからなる電極を陽極酸化させたものを用いた比較例a1の試験用電解コンデンや、チタンだけからなる電極を陽極酸化させたものを用いた比較例b1の試験用電解コンデンサに比べて、漏れ電流が大きく減少していた。
(実施例C1.1〜C1.10)
これらの実施例C1.1〜C1.10においては、タングステン(W)粉末に対して、添加金属として添加させるニオブ(Nb)粉末の割合を、前記の実施例C1の場合と変更させて、タングステン合金中におけるニオブの含有量(wt%)を下記の表4に示すように変更させたタングステン合金箔を作製し、それ以外は、上記の実施例C1の場合と同様にして、実施例C1.1〜C1.10の各試験用電解コンデンサを作製した。
そして、このように作製した実施例C1.1〜C1.10の各試験用電解コンデンサについても、上記の場合と同様にして、漏れ電流を測定し、上記の実施例C1の試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を100とした指数で、各試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を求め、その結果を下記の表4に示した。
Figure 0004275187
この結果から明らかなように、タングステン合金中におけるニオブの含有量が0.01〜10.0wt%の範囲になったものを用いた実施例C1.2〜C1.8及びC1の各試験用電解コンデンサにおいて漏れ電流値が低くなっており、特に、タングステンの含有量が0.01〜5.0wt%の範囲になったものを用いた実施例C1.2〜C1.6及びC1の各試験用電解コンデンサにおいてはさらに漏れ電流値が低くなっていた。なお、タングステンに対して、ニオブ以外のチタン、タンタル、バナジウム、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ジルコニウム及びハフニウムから選択される少なくとも1種の添加金属を添加させて合金化させたタングステン合金についても同様の結果が得られる。
(実施例D1)
この実施例においては、前記の比較例a1の場合と同様にして、ニオブだけで構成された、厚さが100μm,大きさが1cm×5cmになったニオブ箔からなる電極を作製した後、この電極をフッ素ガス雰囲気中において60℃で1時間熱処理して、この電極中にフッ素をドープさせた。
そして、このようにフッ素がドープされた電極を、液温を60℃にした0.6体積%の燐酸水溶液中において30Vで陽極酸化させて、このニオブ箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このような誘電体層が形成されたニオブ箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D1の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例D2)
この実施例においては、前記の比較例a1の場合と同様にして、ニオブだけで構成された、厚さが100μm,大きさが1cm×5cmになったニオブ箔からなる電極を作製した。
そして、この電極を液温が60℃になった0.2重量%のフッ化アンモニウム水溶液中において30Vで陽極酸化させて、このニオブ箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、上記の実施例D1の場合と同様に、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このよう誘電体層が形成されたニオブ箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D2の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例D3)
この実施例においては、電極を陽極酸化させるにあたり、上記の実施例D2におけるフッ化アンモニウム水溶液に代えてフッ化カリウム水溶液を用い、それ以外は、上記の実施例D2の場合と同様にして、ニオブ箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、上記の実施例D1の場合と同様に、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このよう誘電体層が形成されたニオブ箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D3の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例D4)
この実施例においては、電極を陽極酸化させるにあたり、上記の実施例D2におけるフッ化アンモニウム水溶液に代えてフッ化ナトリウム水溶液を用い、それ以外は、上記の実施例D2の場合と同様にして、ニオブ箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、上記の実施例D1の場合と同様に、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このよう誘電体層が形成されたニオブ箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D4の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例D5)
この実施例においては、電極を陽極酸化させるにあたり、上記の実施例D2におけるフッ化アンモニウム水溶液に代えてフッ酸を用い、それ以外は、上記の実施例D2の場合と同様にして、ニオブ箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、上記の実施例D1の場合と同様に、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このよう誘電体層が形成されたニオブ合金箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D5の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例D6)
この実施例においては、前記の実施例A1の場合と同様にして、ニオブ合金中にタングステンが1wt%含有され、厚さが100μm,大きさが1cm×5cmになったニオブ合金箔からなる電極を作製した後、この電極をフッ素ガス雰囲気中において60℃で1時間熱処理して、この電極中にフッ素をドープさせた。
そして、このようにフッ素がドープされた電極を、液温を60℃にした0.6体積%の燐酸水溶液中において30Vで陽極酸化させて、このニオブ合金箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、上記の実施例D1の場合と同様に、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このような誘電体層が形成されたニオブ合金箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D2の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例D7)
この実施例においては、前記の実施例A1の場合と同様にして、ニオブ合金中にタングステンが1wt%含有され、厚さが100μm,大きさが1cm×5cmになったニオブ合金箔からなる電極を作製した。
そして、この電極を液温が60℃になった0.2重量%のフッ化アンモニウム水溶液中において30Vで陽極酸化させて、このニオブ合金箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、上記の実施例D1の場合と同様に、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このような誘電体層が形成されたニオブ合金箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D7の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例D8)
この実施例においては、電極を陽極酸化させるにあたり、上記の実施例D7におけるフッ化アンモニウム水溶液に代えてフッ化カリウム水溶液を用い、それ以外は、上記の実施例D7の場合と同様にして、ニオブ合金箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、上記の実施例D1の場合と同様に、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このような誘電体層が形成されたニオブ合金箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D8の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例D9)
この実施例においては、電極を陽極酸化させるにあたり、上記の実施例D7におけるフッ化アンモニウム水溶液に代えてフッ化ナトリウム水溶液を用い、それ以外は、上記の実施例D7の場合と同様にして、ニオブ合金箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、上記の実施例D1の場合と同様に、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このような誘電体層が形成されたニオブ合金箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D9の試験用電解コンデンサを作製した。
(実施例D10)
この実施例においては、電極を陽極酸化させるにあたり、上記の実施例D7におけるフッ化アンモニウム水溶液に代えてフッ酸を用い、それ以外は、上記の実施例D7の場合と同様にして、ニオブ合金箔からなる電極の表面に誘電体層を形成した。ここで、このように形成した誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、上記の実施例D1の場合と同様に、この誘電体層中にニオブのフッ化物が含有されていることが確認された。
次いで、このような誘電体層が形成されたニオブ合金箔からなる電極を陽極に用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例D10の試験用電解コンデンサを作製した。
そして、上記のように陽極酸化によりフッ素が含有された誘電体層が表面に形成された電極を用いた実施例D1〜D10の各試験用電解コンデンサと、参考のためにフッ素が含有されていない誘電体層が表面に形成された電極を用いた前記の比較例a1,実施例A1の各試験用電解コンデンサとを使用し、それぞれ20Vに保持して、2秒後の漏れ電流を測定した。そして、上記の実施例D2の試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を100とした指数で、上記の各試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を求め、その結果を下記の表5に示した。
Figure 0004275187
この結果から明らかなように、陽極酸化によりニオブのフッ化物が含有された誘電体層が表面に形成された電極を使用した実施例D1〜D10の各試験用電解コンデンサは、フッ素が含有されていない誘電体層が表面に形成された電極を用いた対応する比較例a1,実施例A1の各試験用電解コンデンサに比べて、漏れ電流が小さくなっていた。
(実施例D1.1〜D1.6)
これらの実施例D1.1〜D1.6においては、上記の実施例D1において、ニオブ箔からなる電極をフッ素ガス雰囲気中で熱処理する温度だけを下記の表6に示すように変更し、それ以外は、上記の実施例D1の場合と同様にして、実施例D1.1〜D1.6の各試験用電解コンデンサを作製した。
そして、このように作製した実施例D1.1〜D1.6の各試験用電解コンデンサについても、上記の場合と同様にして、漏れ電流を測定し、上記の実施例D1の試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を100とした指数で、各試験用電解コンデンサにおける漏れ電流値を求め、その結果を下記の表6に示した。
Figure 0004275187
この結果から明らかなように、電極をフッ素ガス雰囲気中で熱処理して、電極中にフッ素をドープさせるにあたり、その熱処理温度をフッ化ニオブの沸点である225℃より低い30〜200℃の範囲にした実施例D1,D1.1〜D1.5の各試験用電解コンデンサは、熱処理温度をフッ化ニオブの沸点である225℃にした実施例D1.6の試験用電解コンデンサに比べて、漏れ電流が小さくなっており、特に熱処理温度を40〜150℃の範囲にした実施例D1,D1.2〜D1.4の試験用電解コンデンサにおいては、さらに漏れ電流が少なくなっていた。
(実施例E1)
この実施例E1においては、平均粒径が1μmのニオブ粉末と平均粒径が1μmのアルミニウム粉末とを99:1の重量比で混合させた混合粉末99重量部に対して、バインダーとして樟脳を1重量部の割合で加えて混合させ、この混合物にニオブ金属からなる電極端子を埋設させ、これをプレスによって圧縮成形し、この成形体を10-5Torrの真空条件下において1500℃で5時間焼成して、ニオブとアルミニウムとの混合焼結体を得た。
そして、このニオブとアルミニウムとの混合焼結体を、上記の実施例A1の場合と同様に、液温を60℃にした0.6体積%の燐酸水溶液中において、30Vで陽極酸化させて、このニオブとアルミニウムとの混合焼結体からなる電極の表面に誘電体層を形成した。
次いで、上記の誘電体層の上にポリピロールからなる電解質層を重合法を用いて形成し、さらにこの電解質層の上にカーボン層と銀ペースト層とを形成し、図2に示すような電解コンデンサを作製した。
なお、図2に示す電解コンデンサは、上記のようにニオブとアルミニウムとの混合焼結体からなる電極(陽極)11の表面に誘電体層12が形成され、この誘電体層12の表面に、ポリピロールからなる電解質層13と、カーボン層14と、銀ペースト層15と、導電性接着剤層16と、樹脂層17とが順々に形成されると共に、上記の電極11に取り付けられた陽極端子19及び上記の導電性接着剤層16によって銀ペースト層15に取り付けられた陰極端子18が樹脂層17の外部に取り出されている。
(実施例E2〜E11)
実施例E2〜E11においては、上記の実施例E1において、平均粒径が1μmのニオブ粉末と平均粒径が1μmのアルミニウム粉末とを混合させる重量比だけを変更し、それ以外は、上記の実施例E1の場合と同様にして、実施例E2〜E11の各電解コンデンサを作製した。
なお、上記のニオブ粉末とアルミニウム粉末とを混合させる重量比を、実施例E2では99.995:0.005に、実施例E3では99.99:0.01に、実施例E4では99.9:0.1に、実施例E5では99.5:0.5に、実施例E6では97.5:2.5に、実施例E7では95:5に、実施例E8では92.5:7.5に、実施例E9では90:10に、実施例E10では89:11に、実施例E11では87.5:12.5にした。
(比較例e1)
この比較例e1においては、上記の実施例E1において、平均粒径が1μmのニオブ粉末に対してアルミニウム粉末を加えないようにし、それ以外は、上記の実施例E1の場合と同様にして、比較例e1の電解コンデンサを作製した。
ここで、上記のように作製した実施例E1〜E11の各試験用電解コンデンサにおける誘電体層をX線光電子分光(ESCA)により分析した結果、誘電体層に、酸化ニオブと酸化アルミニウムとが含有されていることが確認された。
次に、上記のように作製した実施例E1〜E11及び比較例e1の各電解コンデンサにおける上記の陽極端子19と陰極端子18との間をそれぞれ20Vの定電圧に保持して、2秒後の漏れ電流を測定し、上記の実施例E1の電解コンデンサにおける漏れ電流値を100とした指数で、上記の各電解コンデンサにおける漏れ電流値を求め、その結果を下記の表7に示した。
Figure 0004275187
この結果から明らかなように、ニオブとアルミニウムとの混合焼結体からなる電極を用いた実施例E1〜E11の各電解コンデンサは、アルミニウムを混合させなかったニオブの焼結体からなる電極を用いた比較例e1の電解コンデンサに比べて、漏れ電流が小さくなっていた。特に、ニオブとアルミニウムとの合計量に対するアルミニウムの量を0.01〜10wt%の範囲にした実施例E1,E3〜E9の各電解コンデンサにおいては、漏れ電流が大幅に少なくなっていた。
この発明の実施例A〜D及び比較例a〜cの各例において作製した試験用電解コンデンサの概略説明図である。 この発明の実施例E1〜E11及び比較例e1において作製した電解コンデンサの概略説明図である。
符号の説明
3 陽極
4 陰極
11 電極(陽極)
12 誘電体層
13 電解質層
14 カーボン層
15 銀ペースト層
16 導電性接着剤層
17 樹脂層
18 陰極端子
19 陽極端子

Claims (2)

  1. ニオブ又はニオブ合金からなる電極が陽極酸化されて、前記電極の表面に誘電体層を形成した電解コンデンサにおいて、前記誘電体層にはフッ素が含有されていることを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 請求項1に記載した電解コンデンサにおいて、上記の誘電体層に、ニオブのフッ化物が含有されていることを特徴とする電解コンデンサ。
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