JP4273612B2 - 眼用レンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などの眼用レンズに関するものであり、中でもコンタクトレンズとして最も好適である。
【0002】
【従来の技術】
眼用レンズ用モノマーとして3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランなどのシロキサニルモノマーが利用されている(例えば、米国特許第3,808,178号)。しかしながらこれらシロキサニルモノマーからなる眼用レンズは、酸素透過性が高いという特長があるものの、疎水性が強いために、眼用レンズ、中でもコンタクトレンズには使用しにくいものであった。
【0003】
そこで、これらのシロキサニルモノマーを使用する場合は、各種の親水性モノマー(例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)と共重合することにより眼用レンズに親水性を付与することが一般的である。しかしながら、このような親水性モノマーと共重合した場合には、眼用レンズの引張伸びが小さい(すなわち破れやすい)という欠点を有する場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、引張伸びが大きい(すなわち破れにくい)眼用レンズを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の眼用レンズは下記の構成を有する。
「下記一般式(a)
【0006】
【化2】
【0007】
[式(a)中、R1はHまたはメチル基を表す。
【0008】
R2はメチル基またはエチル基を表す。
【0009】
kは0または1を表す。
【0010】
L1はエチレン基を表す。
【0011】
L2はメチレン基、エチレン基および1,3−プロピレン基から選ばれた置換基を表す。]
で表されるモノマーおよびシロキサニルモノマーを重合成分として含む重合体からなることを特徴とする眼用レンズ。」
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
前述したように、本発明の眼用レンズは下記の構成を有する。
「下記一般式(a)
【0014】
【化3】
【0015】
[式(a)中、R1はHまたはメチル基を表す。
【0016】
R2はメチル基またはエチル基を表す。
【0017】
kは0または1を表す。
【0018】
L1はエチレン基を表す。
【0019】
L2はメチレン基、エチレン基および1,3−プロピレン基から選ばれた置換基を表す。]
で表されるモノマーおよびシロキサニルモノマーを重合成分として含む重合体からなることを特徴とする眼用レンズ。」
以下、式(a)中の記号について説明する。
【0020】
R1はHまたはメチル基を表すが、重合性の高いモノマーが得られるという点でHがより好ましい。
【0025】
一般式(a)で表されるモノマーは、例えば、以下に挙げるような(メタ)アクリルアミド類の通常の製造法によって製造することができる。
(1)一般式(b)で表されるアミン化合物と(メタ)アクリル酸ハロゲン化物との脱ハロゲン化水素による縮合反応。
(2)一般式(b)で表されるアミン化合物と(メタ)アクリル酸との脱水縮合反応。
(3)一般式(b)で表されるアミン化合物と(メタ)アクリル酸エステルとのエステルアミド交換反応。
【0026】
H2N−(L1−O)k−L2−O−R2 (b)
[一般式(b)中、各記号は一般式(a)中の記号と同じ意味である。]
本発明の眼用レンズは、一般式(a)のモノマーおよびシロキサニルモノマーを重合して得ることができる。一般式(a)のモノマーおよび他のモノマーは、それぞれ複数種類を同時に用いてもよい。
【0027】
他のモノマーと共重合する場合の共重合モノマーとしては、共重合さえ可能であれば何ら制限はなく、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリル基、ビニル基および他の共重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーを使用することができる。
【0028】
以下、その例をいくつか挙げるがこれらに限定されるものではない。(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールビス(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(メタ)アクリレート、両末端に炭素炭素不飽和結合を有するシロキサンマクロマーなどの多官能(メタ)アクリレート類、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、 N,N−ジn−ブチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−メチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニルモノマー、マレイミド類、N−ビニルピロリドンなどのヘテロ環ビニルモノマーおよびシロキサニルモノマーである。本明細書において「シロキサニル」という接頭語は「シロキサニル基を有する」という意味する。したがって「シロキサニルモノマー」とは「シロキサニル基を有するモノマー」の意味である。また本明細書において「シロキサニル基」とはSi−O−Si結合を少なくとも1つ有する基を意味する。
【0029】
本発明の眼用レンズは、高い酸素透過性を得るために一般式(a)のモノマーとシロキサニルモノマーと共重合することが必要である。
【0030】
シロキサニルモノマーとしては、下記式(B)
X−Z−L−A (B)
[式(B)中、Aはシロキサニル基を表す。
【0031】
Xは重合可能な炭素炭素不飽和結合を有する基を表す。
【0032】
Lは炭素数1〜10の2価の基を表す。
【0033】
ZはO、S、およびN−Yから選ばれた置換基を表す。
【0034】
Yは水素原子、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。]
で表されるモノマーおよびシロキサニルスチレンが好ましい。
【0035】
以下、式(B)中の記号について説明する。
【0036】
式(B)中、Aはシロキサニル基を表す。Aとして好ましい置換基は下記式(A)で示される置換基である。
【0037】
【化4】
【0038】
[式(A)中、A1〜A11はそれぞれが互いに独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基を表す。dは0〜200の整数を表し、a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の整数を表す。ただしd=a=b=c=0の場合は除く。]
式(A)中、A1〜A11はそれぞれが互いに独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基を表すが、その具体的な例としては水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基を挙げることができる。
【0039】
dは0〜200の整数であるが、好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜10である。a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の整数であるが、好ましくはa、b、cがそれぞれが互いに独立に0〜5の整数である。d=0の場合は、好ましくはa=b=c=1またはa=b=1かつc=0である。
【0040】
式(A)で表される置換基の中で、特に好適なものは、トリス(トリメチルシロキシ)シリル基、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル基、ポリジメチルシロキサン基、ポリメチルシロキサン基、ポリ−コ−メチルシロキサン−ジメチルシロキサン基などである。
【0041】
Xは重合可能な炭素炭素不飽和結合を有する基を表すが、その具体的な例としては下記式(x1)〜(x7)で表される基を挙げることができる。中でも最も好ましいのは式(x1)、(x2)および(x7)で表される基である。
【0042】
【化5】
【0043】
[式(x1)〜(x7)中、R11はHまたはメチル基を表す。R12は置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基から選ばれた置換基を表す。]
式(x1)〜(x7)中、R11はHまたはメチル基を表す。R12は置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基から選ばれた置換基を表すが、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基などが好適である。置換されていてもよいアリール基としてはフェニル基、4−メトキシフェニル基などが好適である。
【0044】
式(B)中、Lは炭素数1〜10の2価の基を表すが、
−CH2−、
−CH2CH2CH2−、
−CH2CH2OCH2CH2CH2−
などが好適である。
【0045】
ZはO、S、およびN−Yから選ばれた置換基を表す。
【0046】
YはH、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基からなる群から選ばれた置換基を表すが、好適な例としては、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、アリル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、メトキシエトキシカルボニルメチル基、エトキシエトキシカルボニルメチル基、メトキシエトキシエトキシカルボニルメチル基、エトキシエトキシエトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、プロポキシカルボニルエチル基、メトキシエトキシカルボニルエチル基、エトキシエトキシカルボニルエチル基、メトキシエトキシエトキシカルボニルエチル基、エトキシエトキシエトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルプロピル基、エトキシカルボニルプロピル基、プロポキシカルボニルプロピル基、メトキシエトキシカルボニルプロピル基、エトキシエトキシカルボニルプロピル基、メトキシエトキシエトキシカルボニルプロピル基、エトキシエトキシエトキシカルボニルプロピル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、4−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基などが挙げられる。
【0047】
一般式(B)で表されるシロキサニルモノマーの中でも特に好適なものを列挙すれば、下記式(B1)〜(B42)の化合物である。
【0048】
【化6】
【0049】
【化7】
【0050】
【化8】
【0051】
【化9】
【0052】
【化10】
【0053】
【化11】
【0054】
また、シロキサニルスチレンとして好ましいのは、[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]スチレン、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]スチレン、[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]スチレンなどである。
【0055】
本発明の眼用レンズは、良好な機械物性が得られ、消毒液や洗浄液に対する良好な耐性が得られるという意味で、1分子中に2個以上の重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーを共重合成分として有することが好ましい。1分子中に2個以上の重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーの共重合比率は0.1重量%以上が好ましい。なお、重量%はモノマー組成物の全重量(溶媒成分は除く)を100とした値であり、以下も同様である。
【0056】
本発明の眼用レンズにおいて一般式(a)のモノマーの重合比率は、1重量%〜100重量%、より好ましくは5重量%〜100重量%の範囲である。シロキサニルモノマーと共重合する場合は、高い酸素透過性を確保するという点から、好ましくは一般式(a)のモノマーが1重量%〜80重量%、シロキサニルモノマーが20重量%〜99重量%であり、より好ましくは一般式(a)のモノマーが5重量%〜50重量%、シロキサニルモノマーが50重量%〜95重量%である。
【0057】
本発明の眼用レンズを得る際は、重合をしやすくするために過酸化物やアゾ化合物に代表される熱重合開始剤や、光重合開始剤を添加することが好ましい。熱重合を行う場合は、所望の反応温度に対して最適な分解特性を有するものを選択して使用する。一般的には10時間半減期温度が40〜120℃のアゾ系開始剤および過酸化物系開始剤が好適である。光重合開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを挙げることができる。これらの重合開始剤は単独または混合して用いられ、およそ1重量%くらいまでの量で使用される。
【0058】
本発明の眼用レンズを得る際は、重合溶媒を使用することができる。溶媒としては有機系、無機系の各種溶媒が適用可能であり特に制限は無い。例を挙げれば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、安息香酸メチル等のエステル系溶剤、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、石油系溶剤等各種のものであり、これらは単独あるいは混合して使用することができる。
【0059】
本発明の眼用レンズを得る際は、重合方法、成形方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、一旦、丸棒や板状等に重合、成形しこれを切削加工等によって所望の形状に加工する方法、モールド重合法、およびスピンキャスト重合法などである。
【0060】
一例として、本発明の眼用レンズをモールド重合法により得る場合について、次に説明する。
【0061】
モノマー組成物を一定の形状を有する2枚のモールドの空隙に充填する。そして光重合あるいは熱重合を行ってモールドの形状に賦型する。モールドは、樹脂、ガラス、セラミックス、金属等で製作されているが、光重合の場合は光学的に透明な素材が用いられ、通常は樹脂またはガラスが使用される。眼用レンズを製造する場合には、多くの場合、2枚の対向するモールドにより空隙が形成されており、その空隙にモノマー組成物が充填されるが、モールドの形状やモノマーの性状によっては眼用レンズに一定の厚みを与えかつ充填したモノマー組成物の液モレを防止する目的を有するガスケットを併用してもよい。空隙にモノマー組成物を充填したモールドは、続いて紫外線のような活性光線を照射されるか、オーブンや液槽に入れて加熱されて重合される。光重合の後に加熱重合したり、逆に加熱重合後に光重合する両者を併用する方法もありうる。光重合の場合は、例えば水銀ランプや捕虫灯を光源とする紫外線を多く含む光を短時間(通常は1時間以下)照射するのが一般的である。熱重合を行う場合には、室温付近から徐々に昇温し、数時間ないし数十時間かけて60℃〜200℃の温度まで高めて行く条件が、眼用レンズの光学的な均一性、品位を保持し、かつ再現性を高めるために好まれる。
【0062】
本発明の眼用レンズは、含水率向上、表面の水濡れ性向上、弾性率低下などの目的で、種々の方法で改質処理を行うことができる。
【0063】
本発明の眼用レンズの具体的な改質方法としては、電磁波(光を含む)照射、プラズマ照射、蒸着およびスパッタリングなどケミカルベーパーデポジション処理、加熱、煮沸処理、塩基処理、酸処理、その他適当な表面処理剤の使用、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。これらの改質手段の中で、簡便であり好ましいのは塩基処理と煮沸処理である。
【0064】
以下、塩基処理について説明する。
【0065】
塩基処理の一例としては、眼用レンズを塩基性溶液に接触させる方法、眼用レンズを塩基性ガスに接触させる方法等が挙げられる。そのより具体的な方法としては、例えば塩基性溶液に眼用レンズを浸漬する方法、眼用レンズに塩基性溶液または塩基性ガスを噴霧する方法、眼用レンズに塩基性溶液をヘラ、刷毛等で塗布する方法、眼用レンズに塩基性溶液をスピンコート法やディップコート法で塗布する方法などを挙げることができる。最も簡便に大きな改質効果が得られる方法は、眼用レンズを塩基性溶液に浸漬する方法である。
【0066】
眼用レンズを塩基性溶液に浸漬する際の温度は特に限定されないが、通常−50℃〜300℃程度の温度範囲内で行われる。作業性を考えれば−10℃〜150℃の温度範囲がより好ましく、−5℃〜60℃が最も好ましい。
【0067】
眼用レンズを塩基性溶液に浸漬する時間については、温度によっても最適時間は変化するが、一般には100時間以内が好ましく、24時間以内がより好ましく、12時間以内が最も好ましい。接触時間が長すぎると、作業性および生産性が悪くなるばかりでなく、酸素透過性の低下や機械物性の低下などの悪影響が出る場合がある。
【0068】
塩基としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、各種炭酸塩、各種ホウ酸塩、各種リン酸塩、アンモニア、各種アンモニウム塩、各種アミン類などが使用可能である。
【0069】
塩基性溶液の溶媒としては、無機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタントリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。中でも経済性、取り扱いの簡便さ、および化学的安定性などの点で水が最も好ましい。溶媒としては、2種類以上の物質の混合物も使用可能である。
【0070】
塩基処理において使用される塩基性溶液は、塩基性物質および溶媒以外の成分を含んでいてもよい。
【0071】
本発明の眼用レンズは、塩基処理の後、洗浄により塩基性物質を除くことができる。洗浄溶媒としては、無機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタントリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。洗浄溶媒としては、2種類以上の溶媒の混合物を使用することもできる。洗浄溶媒は、溶媒以外の成分、例えば無機塩類、界面活性剤、および洗浄剤を含有してもよい。
【0072】
以下、煮沸処理について説明する。
【0073】
煮沸処理は、本発明の眼用レンズを水、または各種水溶液に浸漬し、80℃〜200℃程度の温度に加熱する方法である。100℃以上の温度での加熱はオートクレーブ等を使用することにより可能である。眼用レンズを煮沸処理する時間については、温度によっても最適時間は変化するが、一般には100時間以内が好ましく、24時間以内がより好ましく、12時間以内が最も好ましい。煮沸処理時間が長すぎると、作業性および生産性が悪くなるばかりでなく、機械物性の低下などの悪影響が出る場合がある。
【0074】
煮沸処理に用いられる水溶液としては、pH緩衝液やタンパク質水溶液などを挙げることができる。pH緩衝液としては弱アルカリ性のものが好ましい。
【0075】
本発明の眼用レンズは、引張伸びが大きいことを特徴とするが、具体的には引張伸びが50%以上が好ましく、100%以上がより好ましい。引張伸びが小さいと眼用レンズが破れやすく好ましくない。
【0076】
本発明の眼用レンズはコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などとして好適に用いられ、中でもコンタクトレンズとして最も好適に用いられる。
【0077】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔測定方法〕
本実施例における引張伸びの測定は、以下に示す方法で行った。
【0078】
規定の打抜型を用いてコンタクトレンズ形状のものから切り出したサンプル〔幅(最小部分)5mm、長さ14mm、厚さ0.2mm程度〕を使用し、オリエンテック社製のテンシロンRTM−100型を用いて測定した。引張速度は100mm/minとし、つかみ間距離は5mmとした。サンプルが破断するまで引張を行い、破断した時点での伸び率を求めた。
〔合成例1〕N−(2−メトキシエチル)アクリルアミドの合成
滴下ロートとマグネット式回転子を備えた300mLフラスコに2−メトキシエチルアミン(44.6g)、酢酸エチル(100mL)およびトリエチルアミン(50.6g)を入れた。フラスコを氷浴に浸け、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら撹拌した。滴下ロートに塩化アクリロイル(45.3g)を入れ、約1時間かけて滴下を行った。滴下終了後、室温で1時間撹拌を続けた。セライトを用いた吸引ろ過によって析出した塩をろ別した後、ロータリーバキュームエバポレーターで低沸点成分を留去した。減圧蒸留により精製し、N−(2−メトキシエチル)アクリルアミドを無色透明液体として得た。
〔合成例2〕N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミドの合成
2−メトキシエチルアミンの代わりに3−メトキシプロピルアミンを用いる他は合成例1と同様に行い、N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミドを無色透明液体として得た。
〔合成例3〕N−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アクリルアミドの合成
(1) 滴下ロートと撹拌羽根を備えた2L四ツ口フラスコにクロロトリメチルシラン(108.6g)、ヘキサメチルジシラザン(161.4g)およびテトラヒドロフラン(400mL)を入れた。フラスコを氷浴に浸け、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら撹拌した。滴下ロートに2−(2−アミノエトキシ)エタノール(210.3g)を入れ、約1時間かけて滴下を行った。滴下終了後、室温で4時間撹拌を続けた。セライトを用いた吸引ろ過によって析出した塩をろ別した。ロータリーバキュームエバポレーターで低沸点成分を留去した。減圧蒸留により精製し、式(J1)の化合物を無色透明液体として得た。
【0079】
【化12】
【0080】
(2) 滴下ロートと撹拌羽根を備えた2L四ツ口フラスコに式(J1)の化合物(157.6g)、トルエン(300mL)およびトリエチルアミン(94.4g)を入れた。フラスコを氷浴に浸け、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら撹拌した。滴下ロートに塩化アクリロイル(84.46g)を入れ、約1時間かけて滴下を行った。滴下終了後、室温で1時間撹拌を続けた。セライトを用いた吸引ろ過によって析出した塩をろ別した。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(0.5g)および4−t−ブチルカテコール(0.5g)を加えた後、ロータリーバキュームエバポレーター(真空ポンプ使用、浴温60℃)で低沸点成分を留去した。減圧蒸留により精製し、N−[2−(2−トリメチルシロキシエトキシ)エチル]アクリルアミドを無色透明液体として得た。
(3) 1LナスフラスコにN−[2−(2−トリメチルシロキシエトキシ)エチル]アクリルアミド(73.5g)、メタノール(400g)および酢酸(50g)を入れ、均一に混合した後、室温で一晩放置した。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(0.2g)を加えた後、ロータリーバキュームエバポレーター(真空ポンプ使用、浴温60〜70℃)によって溶媒を留去した。さらに真空ポンプによる減圧下70℃で2時間かけて揮発成分を除去し、黄色透明粘稠液体としてN−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]アクリルアミドを得た。
(4) ジムロートコンデンサおよびマグネット式回転子を備えた1LナスフラスコにN−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]アクリルアミド(35.87g)、水酸化カリウム(15.2g)、テトラヒドロフラン(100g)およびヨウ化メチル(33.58g)を入れた。撹拌しながら45℃で2時間、続いて60℃で2時間反応させた。析出した塩をろ過で除き、ロータリーバキュームエバポレーターにより低沸点成分を留去した。減圧蒸留により精製し、N−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アクリルアミドを黄色透明粘稠液体として得た。
〔合成例4〕式(S1)の化合物の合成
【0081】
【化13】
【0082】
(1) 滴下ロートと撹拌羽根を備えた1L四ツ口フラスコに式(J2)
【0083】
【化14】
【0084】
の化合物(100.0g、日本触媒社製)およびジエチルエーテル(500mL)を入れた。フラスコを氷浴に漬け、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら撹拌した。滴下ロートに三臭化リン(107.6g)を入れ、約1.5時間かけて滴下を行った。滴下終了後、室温で3.5時間撹拌を続けた。再びフラスコを氷浴に漬け、水(500mL)を加えた。分液ロートを用いてヘキサンによる抽出を行った。無水硫酸マグネシウムを加えて脱水を行った後、硫酸マグネシウムをろ過によって除いた。ロータリーバキュームエバポレーターで溶媒を留去した。減圧蒸留を行って精製し、無色透明液体として式(J3)の化合物を得た。
【0085】
【化15】
【0086】
(2)滴下ロートと撹拌羽根を備えた200mL三ツ口フラスコにエチレングリコールモノアリルエーテル(100g)、トリエチルアミン(18.7g)、4−メトキシフェノール(50mg)およびを加えた。フラスコを氷浴に浸漬しフラスコ内をモーターで撹拌した。式(J3)の化合物(30g)を約30分かけて滴下した。滴下終了後、反応液を100℃で24時間加熱した。反応溶液をろ過して沈殿物を除去した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液は飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムを加えて脱水を行った後、硫酸マグネシウムをろ過によって除いた。ロータリーバキュームエバポレーターで溶媒を留去した。得られた液体を減圧蒸留により精製し、無色透明液体として式(J4)の化合物を得た。
【0087】
【化16】
【0088】
(3)滴下ロートとマグネット式回転子を備えた200mLナスフラスコに式(J4)の化合物(17.0g)、トルエン(65mL)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(18.7mg)および塩化白金酸六水和物(44.0mg)を入れ、室温で撹拌した。滴下ロートにトリクロロシラン(11.5g)を入れ、約30分かけて滴下した。滴下終了後、室温で7時間反応させた。ロータリーバキュームエバポレーターで低沸点成分を留去した。得られた液体を減圧蒸留により精製し、無色透明液体として式(J4)の化合物を得た。
【0089】
【化17】
【0090】
(4) 滴下ロートと撹拌羽根を備えた300mL三ツ口フラスコにヘキサン(20g)、メタノール(20g)および水(40g)を入れた。フラスコを氷浴に浸漬し、モーターでフラスコ内を激しく撹拌した。ここへ、式(J5)の化合物(15.4g)およびメトキシトリメチルシラン(40g)からなる混合物を約0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、室温において9.5時間撹拌を続けた。反応液は2層に分かれるので、分液ロートにより上層を分取した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3回)および水(3回)をこの順に用いて洗浄した。無水硫酸ナトリウムにより脱水を行った後、ロータリーバキュームエバポレーターで溶媒を留去した。減圧蒸留により精製し、式(S1)の化合物を無色透明液体として得た。
〔合成例5〕式(S2)の化合物の合成
【0091】
【化18】
【0092】
式(J2)の化合物のかわりに式(J6)
【0093】
【化19】
【0094】
の化合物(日本触媒社製)を用いる他は合成例4と同様に行って、式(S2)の化合物を無色透明液体として得た。
〔実施例1〕
N−(2−メトキシエチル)アクリルアミド(合成例1参照、10.8重量部)、N,N−ジメチルアクリルアミド(21.7重量部)、式(S1)の化合物(合成例4参照、67.5重量部)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製“PDE600”、1重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10重量部)および重合開始剤“ダロキュア1173”(CIBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組成物を得た。このモノマー組成物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気のグローブボックス中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯を用いて光照射(1mW/cm2、10分間)して重合し、コンタクトレンズを得た。得られたコンタクトレンズを純水中に室温で24時間浸漬した後、0.25M水酸化ナトリウム水溶液に室温で24時間浸漬した。該コンタクトレンズを純水で洗浄した後、バイアル瓶中のホウ酸緩衝液(pH7.1〜7.3)に浸漬し、バイアル瓶を密封した。該バイアル瓶をオートクレーブに入れ、120℃で30分間煮沸処理した。放冷後、コンタクトレンズをバイアル瓶から取出し、純水で洗浄した後、再度清浄なホウ酸緩衝液(pH7.1〜7.3)中に浸漬した。得られたコンタクトレンズの引張伸びを測定したところ480%と大きな値を示し、破れにくかった。
〔実施例2〕
N−(2−メトキシエチル)アクリルアミドのかわりに、N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミド(合成例2参照)を用いる他は、実施例1と全く同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得た。得られたサンプルの引張伸びを測定したところ510%と大きな値を示し、破れにくかった。
〔実施例3〕
N−メトキシメチルアクリルアミド(笠野興産社製、32.5重量部)、式(S1)の化合物(合成例4参照、67.5重量部)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製“PDE600”、1重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10重量部)および重合開始剤“ダロキュア1173”(CIBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組成物を得た。このモノマー組成物を用いて実施例1と全く同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得た。得られたサンプルの引張伸びを測定したところ270%と大きな値を示し、破れにくかった。
〔比較例1〕
N,N−ジメチルアクリルアミド(32.5重量部)、式(S1)の化合物(合成例4参照、67.5重量部)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製“PDE600”、1重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10重量部)および重合開始剤“ダロキュア1173”(CIBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組成物を得た。このモノマー組成物を用いて、実施例1と全く同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得た。得られたサンプルの引張伸びを測定しようとしたが、大変脆くて取扱中に破れてしまい、引張伸びの測定はできなかった。すなわち非常に破れやすいことが分かった。
〔実施例4〕
N−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アクリルアミド(合成例3参照、10重量部)、N,N−ジメチルアクリルアミド(20重量部)、式(S2)の化合物(合成例5参照、70重量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(1重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10重量部)および重合開始剤“ダロキュア1173”(CIBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組成物を得た。このモノマー組成物を用いて、実施例1と全く同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得た。得られたサンプルの引張伸びを測定したところ610%と大きな値を示し、破れにくかった。
〔比較例2〕
N,N−ジメチルアクリルアミド(30重量部)、式(S2)の化合物(合成例4参照、70重量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(1重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10重量部)および重合開始剤“ダロキュア1173”(CIBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組成物を得た。このモノマー組成物を用いて、実施例1と全く同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得た。得られたサンプルの引張伸びを測定しようとしたが、大変脆くて取扱中に破れてしまい、引張伸びの測定はできなかった。すなわち非常に破れやすいことが分かった。
〔実施例5〕
N−(2−メトキシエチル)アクリルアミド(合成例1参照、10重量部)、N,N−ジメチルアクリルアミド(20重量部)、式(S1)の化合物(合成例5参照、46.7重量部)、3−アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(信越化学工業社製、23.3重量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(1重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10重量部)および重合開始剤“ダロキュア1173”(CIBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組成物を得た。このモノマー組成物を用いて、実施例1と全く同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得た。得られたサンプルの引張伸びを測定したところ610%と大きな値を示し、破れにくかった。
〔比較例3〕
N,N−ジメチルアクリルアミド(30重量部)、式(S1)の化合物(合成例5参照、46.7重量部)、3−アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(信越化学工業社製、23.3重量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(1重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10重量部)および重合開始剤“ダロキュア1173”(CIBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組成物を得た。このモノマー組成物を用いて、実施例1と全く同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得た。得られたサンプルの引張伸びを測定したところ12%と小さな値を示し、破れやすかった。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、引張伸びが大きい(すなわち破れにくい)眼用レンズ、特にコンタクトレンズが得られる。
Claims (4)
- 一般式(a)において、R1がHを表すことを特徴とする請求項1に記載の眼用レンズ。
- さらに1分子中に2個以上の重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーを重合成分として含む重合体からなる請求項1または2記載の眼用レンズ。
- 眼用レンズがコンタクトレンズであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の眼用レンズ。
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